JP2006160709A - アミノアルコールからのフルオロアミド又はフルオロアミンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、ラセミ又はキラルなβ若しくはγ−アミノアルコールからラセミ又はキラルなβ若しくはγ−フルオロアミド或いはフルオロアミンを安全かつ簡便に製造する工業的な手段を提供することにある。
【解決手段】
α,α−ジフルオロアミンを用いて、ラセミ又はキラルなβ若しくはγ−アミノアルコールと反応させて、当該のラセミ又はキラルなβ若しくはγ−フルオロアミド或いはフルオロアミンを製造する。
【選択図】
なし
Description
さらには立体特異的な反応例、即ち、キラル(光学活性)なアミノアルコールから、キラルなフルオロアミド又はキラルなフルオロアミンが製造出来る事を記載した先行文献・技術も認められない。
1.一般式(1)で表されるα,α−ジフルオロアミンを用いて、一般式(2)で表されるアミノアルコールから一般式(3)で表されるフルオロアミドを得る事を特徴とする、アミノアルコールからフルオロアミドを製造する方法。
2.一般式(1)で表されるα,α−ジフルオロアミンのR0が、フェニル基、3−メチルフェニル基、又は2−メトキシフェニル基であり、R1及びR2が、炭素数1から16迄のアルキル基である、1に記載のアミノアルコールからフルオロアミドを製造する方法。
3.一般式(2)で表されるアミノアルコールから、一般式(3)で示されるフルオロアミドを製造する際、マイクロ波照射下に反応を行う、1又は2に記載のアミノアルコールからフルオロアミドを製造する方法。
4.一般式(2)で表されるアミノアルコールが群1に属するものである、1から3の何れかに記載のアミノアルコールからフルオロアミドを製造する方法。
[群1]
N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−(β−アミノエチル)ジエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、2−(アニリノ)エタノール、2−(ベンジルアミノ)エタノール、3−(ベンジルアミノ)プロパン−1−オール、1−(ベンジルアミノ)オクタン−2−オール、2−(ベンジルアミノ)−2−フェニルエタノール、2−(ベンジルアミノ)−1−フェニルプロパン−1−オール、(2−(イソブチルアミノ)フェニル)メタノール、2−(ベンジルアミノ)シクロヘキサノール、3−(ベンジルアミノ)−4−イソプロポキシブタン−2−オール、ピロリジン−3−オール、t−アミノアルコール、N,N−ジアルキルノルエフェドリン、ジフェニル(1−メチルピロリジン−2−イル)メタノール、-フェニル−2−ピロリジニル−1−プロパノール、D−バリノール、L−バリノール、L−アラニノール、L−メチオニノール、L−ロイシノール、L−イソロイシノール、D−フェニルアラニノール、L−フェニルアラニノール、D−プロリノール、L−プロリノール、L−トリプトファノール、(R)−2−フェニルグリシノール、(S)−2−フェニルグリシノール、L−t−ロイシノール、(R)−3−ピロリジノール、(R)−1−アミノ−2−プロパノール、(S)−1−アミノ−2−プロパノール、(R)−2−アミノ−1−ブタノール、(S)−2−アミノ−1−ブタノール、(1R,2R)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、(1S,2S)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、(1R,2S)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール
5.一般式(2)で表されるアミノアルコールが光学活性アミノアルコールである、1から4の何れかに記載のアミノアルコールからフルオロアミドを製造する方法。
6.1から5の何れかに記載の方法によって製造された一般式(3)で表されるフルオロアミドを還元して、一般式(4)で表されるフルオロアミンを得る、アミノアルコールからフルオロアミンを製造する方法。
該α,α−ジフルオロアミンのR0,R1及びR2は、水素原子又は置換基を有する事のあるアルキル基、アリール基、アルキルアミノ基若しくはアリールアミノ基であり、それぞれが同一でも異なっていても良い。また、R0,R1,及びR2の二つ以上が結合して環を形成していても良い。
アルキル基としては炭素数1〜30までの直鎖又は分岐したものが該当し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1,3−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−へキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1−エチル−3−メチルプロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、シクロヘキシル、デカリル、ノルボルニル、ビシクロヘキシル、アダマンチル、メンチル及びこれらの異性体があり、その他にもヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシフェニル、シクロヘキシルオキシ等が好ましい例として挙げられる。また1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、1,6−ヘキシレン、1,2−シクロペンチレン、1,2−シクロヘキシレン等を挙げる事が出来る。またアルキル基の一部又は全部が不飽和結合を有するものであっても良い。
これらのアルキル基及びアリール基には、他の官能基、例えば、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アセチル基、アシル基、アルコキシ基やスルホン基、又は他の原子若しくは原子団等が含まれる事があっても良い。他の原子や原子団を含むアリール基としては、アルコキシ基があり、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、ネオペントキシ、1−エチルプロポキシ、シクロペントキシ、n−ヘキソキシ、シクロヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、n−デコキシ、n−ドデコキシ、メントキシ及びこれらの異性体やアダマンチルオキシが挙げられる。また2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、或いはこれらのアルキル置換体、ハロゲン置換体等が例示される。
その他、前記したアルキル基、アリール基等の一部がフッ素によって置換されたフルオロアルキル、フルオロアリール、或いはトリフルオロメチル基で置換されたトリフルオロメチルアルキル、トリフルオロメチルアリール等がある。
即ち、ジフルオロ−N,N−ジメチルメタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジ(n−プロピル)メタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジ(i−プロピル)メタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジ(n−ブチル)メタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジペンチルメタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジメチルエタナミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジエチルエタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジ(n−プロピル)エタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジ(イソプロピル)エタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジ(n−ブチル)エタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジ(i−ブチル)エタンアミン、2,2−ジフルオロ−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン、1,1,2,2,2−ペンタフルオロ−N,N−ジメチルエタンアミン、1,1,2,2,2−ペンタフルオロ−N,N−ジエチルエタンアミン、1−シアノ−1,1−ジフルオロ−N,N−ジメチルメタンアミン、シクロプロピルジフルオロ−N,N−ジメチルメタンアミン、シクロプロピルジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジメチル(フェニル)メタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジエチル(フェニル)メタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジメチルブタン−1−アミン−3−オン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジエチルブタン−1−アミン−3−オン、2,2−ジクロロ−1,1−ジフルオロ−N,N−ジメチルブタン−1−アミン−3−オン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジメチル−2−フェノキシエタンアミン、N,N−ジエチル−1,1−ジフルオロプロパン−1−アミン、N,N−ジエチル−1,1−ジフルオロブタン−1−アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシメチル)−1,1−ジフルオロドデカン−1−アミン、N,N−ビス(アミノエチル)−1,1−ジフルオロ−2−メチル−2−プロペン−1−アミン、N,N−ジエチル−1,1−ジフルオロ−2−(ナフチル−1−イルオキシ)プロパン−1−アミン、(N−(デカヒドロナフタレン−1−イル)ジフルオロメチル)−N−エチルエタンアミン、ジフルオロ−N−メチルメタンアミン、1,1−ジフルオロ−N−メチルエタンアミン、N−(ジフルオロメチル)−N−メチルベンゼンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジメチルブタン−1−アミン、1,1−ジフルオロ−N,N,2−トリメチルプロパン−1−アミン、N,N−ジエチル−1,1−ジフルオロ−2−メチルプロパン−1−アミン、N,N−ジメチル−1,1−ジフルオロペンタン−1−アミン、ジフルオロ−N,N−ジメチル(フェニル)メタンアミン、N−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−N−エチルエタンアミン、N−(ジフルオロ(m−トリル)メチル)−N−エチルエタンアミン、N−(ジフルオロ(o−トリル)メチル)−N−エチルエタンアミン、N−(ジフルオロ(p−トリル)メチル)−N−エチルエタンアミン、2,4−(ジメチルフェニル)ジフルオロ−N,N−ジメチルメタンアミン、2,4−(ジメチルフェニル)ジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、2,6−(ジメチルフェニル)ジフルオロ−N,N−ジメチルメタンアミン、2,6−(ジメチルフェニル)ジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、N−(アミノエチル)−N−(1,1−ジフルオロ−2−メチルアリル)メタンジアミン、(E)−1,1−ジフルオロ−N,N−ジメチル−3−pロプ−2−エン−1−アミン、ジフルオロ(テトラヒドロフラン−2−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン、ジフルオロ(テトラヒドロフラン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン、N−(ジフルオロ(2−メトキシフェニル)メチル)−N−エチルエタンアミン、(4−クロロフェニル)ジフルオロ−N,N−ジメチルメタンアミン、(4−ブロモフェニル)ジフルオロ−N,N−ジメチルメタンアミン、(4−フルオロフェニル)ジフルオロ−N,N−ジメチルメタンアミン、N−(ジフルオロ(メシチル)メチル)−N−エチルエタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジエチル(ナフタレン−2−イル)メタンアミン、ジフルオロ(4−ビフェニル)−N,N−ジエチルメタンアミン、アントラセン−2−イルジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、シクロヘキシルジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジフルオロデカン−1−アミン、N,N−ジエチル−1,1−ジフルオロデカン−1−アミン、ジフルオロ−N,N−ジメチル(ピリジン−2−イル)メタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジエチル(ピリジン−2−イル)メタンアミン、1−(ジフルオロ(フェニル)メチル)ピペリジン、4−(ジフルオロ(フェニル)メチル)モルホリン等である。
これらのアルキル基及びアリール基には、他の官能基、例えば、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アセチル基、アシル基、アルコキシ基やスルホン基、又は若しくは他の原子或いは原子団等が含まれる事があっても良い。他の原子や原子団を含むアリール基としては、アルコキシ基があり、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、ネオペントキシ、1−エチルプロポキシ、シクロペントキシ、n−ヘキソキシ、シクロヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、n−デコキシ、n−ドデコキシ、メントキシ及びこれらの異性体やアダマンチルオキシが挙げられる。また2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、或いはこれらのアルキル置換体、ハロゲン置換体等が例示される。
その他、前記したアルキル基、アリール基等の一部がフッ素によって置換されたフルオロアルキル、フルオロアリール、又はトリフルオロメチル基で置換されたトリフルオロメチルアルキル、トリフルオロメチルアリール等がある。
アミノ基をα位又はβ位に有する糖質もアミノアルコールの一種であり、例えば、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、アロース、リキソース、アルトロース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、不飽和結合を有するヘキサエノース等の不飽和糖、アピオースの様な分岐糖若しくは多糖類等のアミノ糖が該当する。好ましいアミノアルコールとして、以下の群1に属するものが挙げられる。
(群1)
N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−(β−アミノエチル)ジエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、2−(アニリノ)エタノール、2−(ベンジルアミノ)エタノール、3−(ベンジルアミノ)プロパン−1−オール、1−(ベンジルアミノ)オクタン−2−オール、2−(ベンジルアミノ)−2−フェニルエタノール、2−(ベンジルアミノ)−1−フェニルプロパン−1−オール、(2−(イソブチルアミノ)フェニル)メタノール、2−(ベンジルアミノ)シクロヘキサノール、3−(ベンジルアミノ)−4−イソプロポキシブタン−2−オール、ピロリジン−3−オール、t−アミノアルコール、N,N−ジアルキルノルエフェドリン、ジフェニル(1−メチルピロリジン−2−イル)メタノール、-フェニル−2−ピロリジニル−1−プロパノール、D−バリノール、L−バリノール、L−アラニノール、L−メチオニノール、L−ロイシノール、L−イソロイシノール、D−フェニルアラニノール、L−フェニルアラニノール、D−プロリノール、L−プロリノール、L−トリプトファノール、(R)−2−フェニルグリシノール、(S)−2−フェニルグリシノール、L−t−ロイシノール、(R)−3−ピロリジノール、(R)−1−アミノ−2−プロパノール、(S)−1−アミノ−2−プロパノール、(R)−2−アミノ−1−ブタノール、(S)−2−アミノ−1−ブタノール、(1R,2R)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、(1S,2S)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、(1R,2S)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール。
フッ素化反応終了後、生成物は、例えば炭酸水素ナトリウム等の希アルカリ水溶液で中和処理を施した後、適当な溶媒を用いて抽出する等して回収する事が出来る。分離・回収した生成物は必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶や蒸留の様な通常の手段を用いて精製すれば高純度のフルオロアミドとする事が出来る。
N−(2−フルオロエチル)−N−フェニル−(3−メチル)ベンズアミドの合成
基質として2−アニリノエタノール(1.0 mmol:0.137g)とフッ素化剤として、N,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ−(3−メチル)ベンジルアミン(DFMBA)を2.4ミリモル(0.511g)加えた後、攪拌せずにマイクロ波を、温度70℃で10分間照射した。反応終了後、室温まで冷却し、反応生成物を、炭酸水素ナトリウムを含む15mlの水溶液に加えて中和した。次に、エーテルで3回抽出し、抽出液を適量の炭酸カリウムで乾燥、溶媒除去後、カラムクロマトグラフィーで精製した。生成物として、N−(2−フルオロエチル)−N−フェニル−(3−メチル)ベンズアミドを収率90%で得た。
N−(2−フルオロエチル)−N−フェニル−(3−メチル)ベンズアミドの合成
実施例1に於いて、マイクロ波を照射する代わりに通常の加熱条件下、70℃で10分間反応させた。室温まで冷却し、反応生成物を、炭酸水素ナトリウムを含む15mlの水溶液に加えて中和した後、エーテルで3回抽出を行った。抽出液を適量の炭酸カリウムで乾燥し、溶媒を除去した後、19F−NMRを用いてN−(2−フルオロエチル)−N−フェニル−(3−メチル)ベンズアミドの定量分析を行った処、収率は98%であった。
アニリノエタノール(1.0mmol)を基質として、DAST(2.4mmol)を−78℃で加えた後、室温で30分攪拌した。反応終了後、反応液にエーテル(10ml)を加えると不溶物が沈殿したが、実施例1及び2に於ける該アミドの生成は全く見られなかった。
更にエーテル可溶分には、有機物に由来するガスクロピークは認められなかった。
比較の為に敢えて例を記載したが、他の基質の場合でも同様に、先行技術のDASTやOlah試薬を用いる限り、本発明の様にアミドは得られない事は明らかである。
N−(2−フルオロエチル)−N−フェニル−(3−メチル)ベンズアミドの合成
α,α−ジフルオロアミンとしてDFMBAを1.2ミリモル(0.255g)用いた以外は、実施例1と同様にして操作を行った。その結果、N−(2フルオロエチル)−N−フェニル−(3−メチル)ベンズアミドが収率45%で得られた。
N−(2−フルオロエチル)−N−フェニル−(3−メチル)ベンズアミドの合成
フッ素化剤としてDFMBAを3.6ミリモル(0.766g)にした以外は、実施例1と同様に操作を行った。N−(2−フルオロエチル)−N−フェニル−(3−メチル)ベンズアミドが収率94%で得られた。
N−(2−フルオロエチル)−N−メチル−(3−メチル)ベンズアミドベンズアミドの合成
基質としてN−メチルエタノールアミン1ミリモル(0.137g)とフッ素化剤として、DFMBA2.4ミリモル(0.511g)をマイクロ波照射下に、70℃で10分間反応を行った。操作は実施例1と同様に行った。生成物としてN−(2−フルオロエチル)−N−メチル-(3−メチル)ベンズアミドを収率59%が得られた。
N−(2−フルオロエチル)−N−ベンジル-(3−メチル)ベンズアミドの合成
基質としてN−ベンジルエタノールアミン1ミリモル(0.137g)とフッ素化剤としてFFMBA2.4ミリモル(0.511g)を、マイクロ波照射下に70℃で10分間反応を行った。操作は実施例1と同様に行った。生成物としてN−(2−フルオロエチル)−N−ベンジル-(3−メチル)ベンズアミドを収率66%で得た。
N−ベンジル−N−(2−フルオロオクチル)ベンズアミドの合成
基質として1−ベンジルアミノ−オクタン−2−オール1ミリモル(0.137g)とフッ素化剤としてN,N−ジエチル−α,α−ジフルオロベンジルアミン(以下DFBAと略記する)2.4ミリモル(0.478g)を加え、攪拌せずにマイクロ波を100℃で10分間照射した。反応終了後の処理は実施例1と同様である。生成物としてN−ベンジル−N−(2−フルオロオクチル)ベンズアミドを収率76%で得た。
ジベンジル−(2−フルオロオクチル)アミンの合成
実施例7で得られたN−ベンジル−N−(2−フルオロオクチル)ベンズアミド0.76ミリモル(0.137g)を無水THF(20ml)に溶解し、リチウムアルミニウムハイドライド(LAH)を0.8ミリモル(0.478g)を攪拌しながら0℃で加えた後、室温で1時間反応させた。反応液を3N−水酸化カリウム水溶液(10ml)に注いで中和し、エーテルで3回抽出した。抽出液を適量の炭酸カリウムで乾燥、溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製した。生成物としてジベンジル−(2−フルオロオクチル)アミンを収率65%で得た。
1)N,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ−3−ピリジルメタンアミンの合成
N,N−ジエチルニコチン酸アミド12.9g(72mmol)を200ml三つ口フラスコに50mlのジクロロメタンと共に仕込んだ。窒素微加圧下に、フラスコを氷水で冷却し、約5℃付近で塩化オキサリルのジクロロメタン溶液(塩化オキザリル9.85g、78mmolを20mlのジクロロメタンに溶解)を滴下した。滴下終了後、反応液を約40℃に昇温し、2間反応を行った。塩素化反応終了後、反応液を氷水で冷却し、約3℃付近でTEA・3HF錯体8.7g(53mmol)を滴下した。トリエチルアミン約10gを添加して、さらに25℃で1時間反応を行った。反応終了後、系内に析出した塩を濾別して取り除いた。濾液を濃縮した後、ヘキサンで抽出し、蒸留によって、N,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ−3−ピリジルメタンアミン9gを得た(単離収率60%)。
生成物の構造はNMR及びIRで確認した。
1H−NMR:δ値(ppm)、TMS基準、CDCl3中で測定
1.06(t、−CH3)、2.87(q、−CH2−)、
7.3,7.9,8.6,8.8(芳香環水素)
N,N−ジエチルニコチン酸アミドの代わりにN−ホルミルモルホリン72ミリモルを用いた以外は参考例1と同様に行い、4−ジフルオロメチルモルホリンを合成した(単離収率70%)。生成物の構造はNMR、IRで確認した。
1H−NMR:δ値(ppm)、TMS基準、CDCl3中で測定
2.85(t、4H、−CH2−N−×2)、
3.71(t、4H、−O−CH2−×2)、5.93(s、1H、−CF2−H)
13C−NMR:δ値(ppm)、TMS基準、−50℃、CDCl3中で測定
43.46(s、−CH2−N−×2)、66.0(s、−O−CH2−×2)、
116.78(t、244Hz、−CF2)
19F−NMR:δ値(ppm)、CF3COOH基準、−50℃、CDCl3中で測定
−102.89、−103.01(d、=CF2)
N,N−ジエチルニコチン酸アミドの代わりにN−ホルミルピペリジン72ミリモルを用いた以外は参考例1と同様に行い、1−ジフルオロメチルピペリジンを合成した(単離収率68%)。生成物の構造はNMR、IRで確認した。
1H−NMR:δ値(ppm)、TMS基準、CDCl3中で測定
2.81(m、4H、−CH 2 −N−×2)、
1.55(m、6H、−CH 2 −CH2−CH2−N−、−CH2−CH 2 −CH2−N−×2)、
5.90(s、1H、−CF2−H)
13C−NMR:δ値(ppm)、TMS基準、−50℃、CDCl3中で測定
24.12(s、−CH 2 −CH2−N−×2)、24.76(s、−CH 2 −CH2−CH2−N−)、
44.38(s、−CH 2 −N−×2)、117.66(t、246Hz、−CF2)
19F−NMR:δ値(ppm)、CF3COOH基準、−50℃、CDCl3中で測定
−101.03、−101.18(d、=CF2)
1H−NMR測定
日本電子製JMN−EX270(270MNz):重クロロホルム溶媒で測定
13C−NMR、19F−NMR
日本電子製NMR−LA500SS(500MHz):重クロロホルム溶媒で測定
フッ素化反応に用いるα,α−ジフルオロアミンの種類を変えて、実施例1と同様にして反応を行った。結果を以下に示した。猶、反応時間は10分、反応温度は70℃、無溶媒で行った。
実施例 基質 α,α−ジフルオロアミン 生成物の種類 単離収率%
9 1 DFBA アミド1 71
10 2 DFMBA アミド2 86
11 3 DFMBA アミド3 42
12 4 DFBA アミド4 76
13 2−アニリノエタノール DFEP アミド5 72
14 2−アニリノエタノール DFBA アミド6 85
1:(ベンジルアミノ)プロパン−1−オール
2:2−(ベンジルアミノ)−2−フェニルエタノール
3:2−(ベンジルアミノ)−1−フェニルプロパン−1−オール
4:1−(ベンジルアミノ)−3−ベンジロキシ−プロパン−2−オール
DFEP: ジフルオロ−N,N−ジエチル(ピリジン−2−イル)メタンアミン
1:N−ベンジル−N−(3−フルオロプロピル)ベンズアミド
2:N−ベンジル−N−(2−フルオロ−1−フェニルエチル)−3−メチルベンズアミド
3:N−ベンジル−N−(1−フルオロ−フェニルプロパン−2−イル)−3−メチルベンズアミド
4:N−ベンジル−N−(3−ベンジロキシ−2−フルオロプロピル)−ベンズアミド
5:N−(2−フルオロエチル)−N−フェニルピコリンアミド
6:N−(2−フルオロエチル)−N−フェニルベンズアミド
Claims (6)
- 一般式(1)で表されるα,α−ジフルオロアミンを用いて、一般式(2)で表されるアミノアルコールから一般式(3)で表されるフルオロアミドを得る事を特徴とする、アミノアルコールからフルオロアミドを製造する方法。
- 一般式(1)で表されるα,α−ジフルオロアミンのR0が、フェニル基、3−メチルフェニル基、又は2−メトキシフェニル基であり、R1及びR2が、炭素数1から16迄のアルキル基である、請求項1に記載のアミノアルコールからフルオロアミドを製造する方法。
- 一般式(2)で表されるアミノアルコールから、一般式(3)で示されるフルオロアミドを製造する際、マイクロ波照射下に反応を行う、請求項1又は2に記載のアミノアルコールからフルオロアミドを製造する方法。
- 一般式(2)で表されるアミノアルコールが群1に属するものである、請求項1から3の何れかに記載のアミノアルコールからフルオロアミドを製造する方法。
[群1]
N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−(β−アミノエチル)ジエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、2−(アニリノ)エタノール、2−(ベンジルアミノ)エタノール、3−(ベンジルアミノ)プロパン−1−オール、1−(ベンジルアミノ)オクタン−2−オール、2−(ベンジルアミノ)−2−フェニルエタノール、2−(ベンジルアミノ)−1−フェニルプロパン−1−オール、(2−(イソブチルアミノ)フェニル)メタノール、2−(ベンジルアミノ)シクロヘキサノール、3−(ベンジルアミノ)−4−イソプロポキシブタン−2−オール、ピロリジン−3−オール、t−アミノアルコール、N,N−ジアルキルノルエフェドリン、ジフェニル(1−メチルピロリジン−2−イル)メタノール、-フェニル−2−ピロリジニル−1−プロパノール、D−バリノール、L−バリノール、L−アラニノール、L−メチオニノール、L−ロイシノール、L−イソロイシノール、D−フェニルアラニノール、L−フェニルアラニノール、D−プロリノール、L−プロリノール、L−トリプトファノール、(R)−2−フェニルグリシノール、(S)−2−フェニルグリシノール、L−t−ロイシノール、(R)−3−ピロリジノール、(R)−1−アミノ−2−プロパノール、(S)−1−アミノ−2−プロパノール、(R)−2−アミノ−1−ブタノール、(S)−2−アミノ−1−ブタノール、(1R,2R)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、(1S,2S)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、(1R,2S)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール - 一般式(2)で表されるアミノアルコールが光学活性アミノアルコールである、請求項1から4の何れかに記載のアミノアルコールからフルオロアミドを製造する方法。
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