JP2006160023A - 車両用アンダーカバー - Google Patents

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JP2006160023A JP2004352536A JP2004352536A JP2006160023A JP 2006160023 A JP2006160023 A JP 2006160023A JP 2004352536 A JP2004352536 A JP 2004352536A JP 2004352536 A JP2004352536 A JP 2004352536A JP 2006160023 A JP2006160023 A JP 2006160023A
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恒二 塩野目
Shinichi Maruyama
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Abstract

【課題】
部品点数を少なく抑えることにより、部品コストおよび取付作業工数の増大を防止し、車両への配設コストを低減できる車両用アンダーカバーを提供する。
【解決手段】
アンダーカバー1は、合成樹脂からなるシート状のアンダーカバー基体部2と、アンダーカバー基体部2に形成された振動吸収部3とを有しており、振動吸収部3は、アンダーカバー基体部2に螺旋状の切り欠き部3aを設けることによって形成された螺旋体部3bと、切り欠き部3aのほぼ中心部に形成された取付穴3cとを有している。螺旋体部3bは、アンダーカバー基体部2と一体化して形成されており、アンダーカバー1を車体下部に配設した場合は、アンダーカバー基体部2と垂直方向(車両の上下方向)にバネ性を有するバネ体として作用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車体下部に配設される車両用アンダーカバーに関するものである。
従来の車体下部へのアンダーカバーの配設構造として、図25に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
まず、構成から説明すると、このような従来のアンダーカバーの配設構造では、シャーシ(図示せず)のクロスメンバ101にフランジ102を設け、フランジ102の下面にプレート103をボルト104で固定し、プレート103の下面に弾性体としての防振ゴム104設け、防振ゴム104に接着剤105を介してアンダーカバー106を取付けている。
次に、作用について説明すると、このように構成された従来のアンダーカバーの配設構造では、アンダーカバー106がクロスメンバ101に弾性的に支持されることにより、アンダーカバー106および防振ゴム104によって車体を主振動体とし、アンダーカバー106を副振動体とするダイナミックダンパが構成される。
このため、アンダーカバー106が自励振動して、エンジン、タイヤ等からシャーシに伝達される強制力とは反対方向に働く力がシャーシに加えられて、シャーシの振動が低減され、その結果、車室内の空気に伝達される振動が減少する。
実開昭61−82879号公報(図2、明細書第5頁第7行目乃至第7頁第14行目)
しかしながら、従来のアンダーカバーの配設構造は、別部品であるアンダーカバー106と防振ゴム104とを組み合わせてクロスメンバ101に取付けたものである。
このため、部品点数が増えることによって、部品コストが増大すると共に取付作業工数が増大し、結果として車両への配設コストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明は、部品点数を少なく抑えることにより、部品コストおよび取付作業工数の増大を防止し、車両への配設コストを低減できる車両用アンダーカバーを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、車体下部に配設されてフロアの少なくとも一部を覆い、平板状のアンダーカバー基体部と、前記アンダーカバー基体部に一体形成され、アンダーカバーを車体下部に取付固定するための複数個の振動吸収部とを有する車両用アンダーカバーであって、
前記振動吸収部は、前記アンダーカバー基体部に切り欠き部が形成され、前記アンダーカバー基体部が車体下部に配設された状態で前記アンダーカバー基体部が自重により下方へ垂れ下がり、相対的に前記振動吸収部が前記アンダーカバー基体部から前記フロア側へ突出するように設けられている車両用アンダーカバーを特徴としている。
また、請求項2に記載されたものは、前記振動吸収部は、所定値以下のバネ定数を有する請求項1記載の車両用アンダーカバーを特徴としている。
ここで、所定値とは、(2π×m×f)/nであって、mはアンダーカバーの質量(kg)、fは耳位置音圧のレベルを低減させたい下限周波数(Hz)、nは車体下部に取付固定した振動吸収部個数である。
さらに、請求項3に記載されたものは、前記アンダーカバー基体部の車体側の面には、前記アンダーカバー基体部が前記車体と接触するのを防止するためのストッパ部が形成されている請求項1または請求項2記載の車両用アンダーカバーを特徴としている。
さらに、請求項4に記載されたものは、前記振動吸収部は、前記切り欠き部を螺旋状に形成した螺旋体部を有して構成されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用アンダーカバーを特徴としている。
さらに、請求項5に記載されたものは、前記振動吸収部は、二本の平行する切り欠き部の間に波付を施して形成した波付部を有して構成されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用アンダーカバーを特徴としている。
さらに、請求項6に記載されたものは、前記振動吸収部は、二本の平行する切り欠き部の間をアーチ状に形成したアーチ部を有して構成されている請求項1または請求項2に記載の車両用アンダーカバーを特徴としている。
さらに、請求項7に記載されたものは、前記振動吸収部は、二本の平行する切り欠き部の基端部の一方を前記アンダーカバー基体部から切り離し、前記アンダーカバー基体部に連結している部分に波付を施して形成した片持波付部を有して構成されている請求項1または請求項2に記載の車両用アンダーカバーを特徴としている。
さらに、請求項8に記載されたものは、前記アンダーカバー基体部は、合成樹脂からなるシート形状である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車両用アンダーカバーを特徴としている。
このように構成された請求項1のものは、アンダーカバーを車体下部へ取付固定するための振動吸収部がアンダーカバー基体部と一体化されて構成されることにより、アンダーカバーを車体下部に配設した場合には、アンダーカバー基体部が自重により下方へ垂れ下がり、相対的に振動吸収部がアンダーカバー基体部からフロア側へ突出するように設けられることにより、アンダーカバー自身に防振構造が組み込まれたものとなるようにしたものである。
これによって、アンダーカバーを車体下部に配設するときは、従来のように弾性体を取付ける必要がなくなり、部品点数が削減されることにより、部品コストおよび取付作業工数の増大が防止され、低コストで車両に配設することが可能となる。
しかも、高速走行時においてアンダーカバーが受けた荷重は、アンダーカバー取付固定部から車体に伝わるが、取付固定部を振動吸収構造とすることにより、車体への伝達レベルは低減し、床下からの空力騒音が低減する。
また、アンダーカバーは、別部品からなる防振部材を必要としないため、防振部材の質量分だけ車体を軽量化することができる。
また、請求項2に記載されたものは、振動吸収部が、所定値以下のバネ定数となるように規定したものである。
これによって、高速走行時において、アンダーカバーはより効果的に防振支持され、床下からの空力騒音がより効果的に低減される。
さらに、請求項3に記載されたものは、アンダーカバー基体部が車体と接触するのを防止するためのストッパ部が形成されたものである。
これによって、アンダーカバー基体部が車体と接触したときに生じる衝撃音が発生しなくなる。
さらに、請求項4に記載されたものは、振動吸収部は、アンダーカバー基体部に切り欠き部を螺旋状に設けて螺旋体部を形成することにより、アンダーカバー自身に防振構造が組み込まれたものである。
これによって、アンダーカバーは、防振構造も含めて一体成形により作成されるため、車体下部へ配設するときは、従来のように弾性体を取付ける必要がなくなり、部品点数が削減されることにより、部品コストおよび取付作業工数の増大が防止され、低コストで車両に配設することが可能となる。
また、アンダーカバーは、別部品からなる防振部材を必要としないため、防振部材の質量分だけ従来よりも車体を軽量化することができる。
さらに、請求項5に記載されたものは、振動吸収部は、アンダーカバー基体部に二本の平行する切り欠き部を設け、当該切り欠き部の間の部分に波付部を形成することにより、アンダーカバー自身に防振構造が組み込まれたものである。
これによって、アンダーカバーは、防振構造も含めて一体成形により作成されるため、車体下部へ配設するときは、従来のように弾性体を取付ける必要がなくなり、部品点数が削減されることにより、部品コストおよび取付作業工数の増大が防止され、低コストで車両に配設することが可能となる。
また、アンダーカバーは、別部品からなる防振部材を必要としないため、防振部材の質量分だけ従来よりも車体を軽量化することができる。
さらに、請求項6に記載されたものは、振動吸収部は、アンダーカバー基体部に二本の平行する切り欠き部を設け、この切り欠き部の間の部分にアーチ部を形成することにより、アンダーカバー自身に防振構造を組み込んだものである。
これによって、アンダーカバーは、防振構造も含めて一体成形により作成されるため、車体下部へ配設するときは、従来のように弾性体を取付ける必要がなくなり、部品点数が削減されることにより、部品コストおよび取付作業工数の増大が防止され、低コストで車両に配設することが可能となる。
また、アンダーカバーは、別部品からなる防振部材を必要としないため、防振部材の質量分だけ従来よりも車体を軽量化することができる。
さらに、アーチ部によってアンダーカバー基体部が車体と接触することが防止され、ストッパ部を設けることなく、アンダーカバー基体部と車体との接触による衝撃音の発生を防止できる。
さらに、請求項7に記載されたものは、振動吸収部は、アンダーカバー基体部に二本の平行する切り欠き部を設け、この切り欠き部の間の部分の基端部の一方をアンダーカバー基体部から切り離し、アンダーカバー基体部に連結している部分に波付を施して片持波付部を形成することにより、アンダーカバー自身に防振構造を組み込んだものである。
これによって、アンダーカバーは、防振構造も含めて一体成形により作成されるため、車体下部へ配設するときは、従来のように弾性体を取付ける必要がなくなり、部品点数が削減されることにより、部品コストおよび取付作業工数の増大が防止され、低コストで車両に配設することが可能となる。
また、アンダーカバーは、別部品からなる防振部材を必要としないため、防振部材の質量分だけ従来よりも車体を軽量化することができる。
さらに、アンダーカバー基体部に連結して形成した波付部によってアンダーカバー基体部が車体と接触することが防止され、ストッパ部を設けることなく、アンダーカバー基体部と車体との接触による衝撃音の発生を防止できる。
さらに、請求項8に記載されたものは、アンダーカバー基体部は、合成樹脂からなるシート形状のものである。
これによって、切り欠き部が形成されることにより、アンダーカバー基体部の自重で下方へ垂れ下がる振動吸収部を容易に形成することできる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施例1]
本実施例1によるアンダーカバーの構成を図1および図2に示し、本実施例1によるアンダーカバーの螺旋体部をアンダーカバー基体部から突出させたときの状態を図2(a)に示し、本実施例1によるアンダーカバーを車体下部に配設する前の状態を図3に示し、本実施例1によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態を図4に示し、本実施例1によるアンダーカバーを車体下部に配設するときに使用される留め具の構成を図5に示す。
まず、構成から説明すると、本実施例1のアンダーカバー1は、合成樹脂からなるシート状のアンダーカバー基体部2と、アンダーカバー基体部2に形成された振動吸収部3とを有している。
合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等をあげることができるが、これに限定されるものではない。
振動吸収部3は、アンダーカバー1を車体下部に配設するときの取付固定部となるもので、1枚のアンダーカバー1に複数個形成されている。
そして、振動吸収部3は、図2および図2(a)からも明らかなように、アンダーカバー基体部2に螺旋状の切り欠き部3aを設けることによって形成された螺旋体部3bと、切り欠き部3aのほぼ中心部に形成された取付穴3cとを有している。
螺旋体部3bは、アンダーカバー基体部2と一体化して形成されており、アンダーカバー1を車体下部に配設した場合は、アンダーカバー基体部2と垂直方向(車両の上下方向)にバネ性を有するバネ体として作用するものである。
次に、本実施例1のアンダーカバーの作用について説明すると、図3に示すように、アンダーカバー1を車体下部の床下パネル4に対面させ、アンダーカバー1側の取付穴3cの位置を床下パネル4側の取付穴5の位置に合わせ、留め具6をアンダーカバー1側の取付穴3cおよび床下パネル4側の取付穴5に挿通することにより、床下パネル4にアンダーカバー1が取付固定される。
留め具6は、図5に示すように、円板6aの上部に凹部6cおよび円錐部6dからなる二つ割の挿入爪6bを有するもので、アンダーカバー1側の取付穴3cおよび床下パネル4側の取付穴5に挿通することによりワンタッチ装着が可能である。
車両停止状態においては、図4に示すように、アンダーカバー1の自重によって螺旋体部3bが延びた状態に変形し、これにより、車体の床下パネル4とアンダーカバー基体部2との間に空隙部7が形成される。
車両移動速度の上昇に伴い、アンダーカバー1の下側の空間8の圧力変動レベルPAは増大するが、アンダーカバー1を取付けることにより、空隙部7の圧力変動レベルPBは、空間8の圧力変動レベルPAより低いレベルとなる。
アンダーカバー1は、自重によって寸法S1の空隙部7が生じることで、圧力変動PAを受けた際に、S1zを原点として上下方向に運動することが可能となり、このとき螺旋体部3bによってバネ性が付与されることにより、より好ましくは、バネ定数が所定値(2π×m×f)/n以下となるように螺旋体部3bの板厚、螺旋巻数等を調整してバネ性が付与されることで、アンダーカバー1は防振支持され、その結果アンダーカバーから車体へ伝達される荷重は低減し、床下からの空力騒音が低減される。
図23は、周波数(横軸)と振動の伝達率(縦軸)との関係をグラフ化したもので、螺旋状体3bのバネ定数を適切に選定することにより、伝達率曲線を下方(図中の矢印D方向)に移動させることができる。
図24は、床下からの空力騒音(振動レベル)を測定した結果をグラフ化したもので、曲線Eはアンダーカバー1を設けたときの振動レベルの変化を示し、曲線Fはアンダーカバー1を設けなかったときの振動レベルの変化を示している。
このように、本実施例1によれば、アンダーカバー1は、螺旋体部3bからなる防振構造も含めて一体成形により作成されるため、車体下部へ配設するときは、従来のように弾性体を取付ける必要がなくなり、部品点数が削減されることにより、部品コストおよび取付作業工数の増大が防止され、低コストで車両に配設することが可能となる。
また、アンダーカバー1は、螺旋体部3bを備えているので別部品からなる防振部材を必要としないため、防振部材の質量分だけ従来よりも車体を軽量化することができる。
さらに、アンダーカバー基体部を合成樹脂からなるシート形状のものとすることにより、切り欠き部の形成により、アンダーカバー基体部の自重で下方へ垂れ下がる振動吸収部を容易に形成することできる。
[実施例2]
本実施例2によるアンダーカバーについて、前記実施例1と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
本実施例2によるアンダーカバー1は、図6乃至図8に示すように、実施例1のアンダーカバー1の構成に加えて、アンダーカバー基体部2の床下パネル4側の面にストッパ部9を形成したものである。
ストッパ部9は、アンダーカバー基体部2に切り欠き部を形成し、切り欠き部によって囲まれた部分を加熱成形して形成してもよく、また、ストッパ部9の形状をした成形板を別体成形しておき、これをアンダーカバー基体部2の表面に貼着して形成してもよい。
このように、ストッパ部9を設けることにより、空間8での圧力変動レベルPAが非常に大きくなった結果、アンダーカバー1の車両上方(床下パネル4側)への移動量が大きくなる場合、図8に示すように、ストッパ部9が床下パネル4の下面に接触した状態で弾性変形して衝撃を吸収することで、アンダーカバー基体部2が床下パネル4に接触するのが防止される。
これによって、アンダーカバー基体部2が車体と接触することによって発生する衝撃音を無くすることができる。
他の構成および作用については、前記実施例1と同様であるので、説明を省略する。
[実施例3]
本実施例3によるアンダーカバーについて、前記実施例1と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
本実施例3によるアンダーカバー1は、図9乃至図11に示すように、振動吸収部23は、アンダーカバー基体部2に平行して設けられた二本の切り欠き部23a,23aの間の部分に波付を施すことにより形成された波付部23b,23bと、二つの波付部23bと23bの間に形成された取付穴23cとを有している。
波付部23b,23bは、平行する切り欠き部23a,23aの間を加熱成形してアンダーカバー基体部2と一体化して形成されており、アンダーカバー1を車体下部に配設した場合は、バネ体として作用するものである。
本実施例3のアンダーカバー1は、車両停止状態においては、図11に示すように、アンダーカバー1の自重によって波付部23b,23bが延びた状態に変形し、これにより、車体の床下パネル4とアンダーカバー基体部2との間に空隙部27が形成される。
車両移動速度の上昇に伴い、アンダーカバー1の下側の空間28の圧力変動レベルPAは増大するが、アンダーカバー1を取付けることにより、空隙部27の圧力変動レベルPBは、空間28の圧力変動レベルPAより低いレベルとなる。
アンダーカバー1は、自重によって寸法S2の空隙部27が生じることで、圧力変動PAを受けた際に、S2zを原点として上下方向に運動することが可能となり、このとき波付部23bによってバネ性が付与されることにより、アンダーカバー1は防振支持され、アンダーカバー1から車体へ伝達される荷重は低減し、床下からの空力騒音が低減される。
他の構成および作用については、前記実施例1と同様であるので、説明を省略する。
[実施例4]
本実施例4によるアンダーカバーについて、前記実施例1乃至実施例3と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
本実施例4によるアンダーカバー1は、図12乃至図14に示すように、実施例3のアンダーカバー1の構成に加えて、アンダーカバー基体部2の床下パネル4側の面にストッパ部9を形成したものである。
このように、ストッパ部9を設けることにより、空間28での圧力変動レベルPAが非常に大きくなった結果、アンダーカバー1の車両上方(床下パネル4側)への移動量が大きくなる場合、図14に示すように、ストッパ部9が床下パネル4の下面に接触した状態で弾性変形して衝撃を吸収することで、アンダーカバー基体部2が床下パネル4に接触するのが防止される。
これによって、アンダーカバー基体部2が車体と接触することによって発生する衝撃音を無くすことができる。
他の構成および作用については、前記実施例乃至実施例3と同様であるので、説明を省略する。
[実施例5]
本実施例5によるアンダーカバーについて、前記実施例1と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
本実施例5によるアンダーカバー1は、図15乃至図17に示すように、振動吸収部33は、アンダーカバー基体部2に平行に設けた二本の切り欠き部33a,33aの間の部分をアーチ状に成形したアーチ部33b,33bと、二つのアーチ部33bと33bの間に形成された取付穴33cとを有している。
アーチ部33b,33bは、平行する切り欠き部33a,33aの間を加熱成形してアンダーカバー基体部2と一体化して形成されており、アンダーカバー1を車体下部に配設した場合は、バネ体として作用するものである。
本実施例5のアンダーカバー1は、車両停止状態においては、図17に示すように、アンダーカバー1の自重によってアーチ部33bが下方に延びた状態に変形し、車体の床下パネル4とアンダーカバー基体部2との間に空隙部37が形成される。
車両移動速度の上昇に伴い、アンダーカバー1の下側の空間38の圧力変動レベルPAは増大するが、アンダーカバー1を取付けることにより、空隙部37の圧力変動レベルPBは、空間38の圧力変動レベルPAより低いレベルとなる。
アンダーカバー1は、自重によって寸法S3の空隙部37が生じることで、圧力変動PAを受けた際に、S3zを原点として上下方向に運動することが可能となり、このときアーチ部33bによってバネ性が付与されることにより、アンダーカバー1は防振支持され、アンダーカバー1から車体へ伝達される荷重は低減し、床下からの空力騒音が低減される。
本実施例5のような振動吸収部33の構成であると、空間38での圧力変動レベルPAが非常に大きくなった結果、アンダーカバー1の車両上方(床下パネル4側)への移動量が大きくなる場合、図18に示すように、アーチ部33bが床下パネル4の下面に接触した状態で弾性変形して衝撃を吸収するので、アンダーカバー基体部2が床下パネル4に接触するのが防止される。
これによって、前記実施例2および実施例4のようにストッパ部を設けることなく、アンダーカバー基体部2が車体と接触することによって発生する衝撃音を無くすことができる。
他の構成および作用については、前記実施例1と同様であるので、説明を省略する。
[実施例6]
本実施例6によるアンダーカバーについて、前記実施例1と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
本実施例6によるアンダーカバー1は、図19乃至図21に示すように、振動吸収部43は、アンダーカバー基体部2に二本の平行する切り欠き部43a,43aを設け、この切り欠き部43a,43aの間の部分の基端部の一方43d側を前記アンダーカバー基体部2から切り離し、前記アンダーカバー基体部2に連結している部分に片持波付部43bを形成し、片持波付部43bの自由端側に取付穴43cを設けたものである。
片持波付部43bは、平行する切り欠き部43a,43aの間を加熱成形してアンダーカバー基体部2と一体化して形成されており、アンダーカバー1を車体下部に配設した場合は、バネ体として作用するものである。
本実施例6のアンダーカバー1は、車両停止状態においては、図21に示すように、アンダーカバー1の自重によって片持波付部43bが下方に延びた状態に変形し、車体の床下パネル4とアンダーカバー基体部2との間に空隙部47が形成される。
車両移動速度の上昇に伴い、アンダーカバー1の下側の空間48の圧力変動レベルPAは増大するが、アンダーカバー1を取付けることにより、空隙部47の圧力変動レベルPBは、空間48の圧力変動レベルPAより低いレベルとなる。
アンダーカバー1は、自重によって寸法S4の空隙部47が生じることで、圧力変動PAを受けた際に、S4zを原点として上下方向に運動することが可能となり、このとき片持波付部43bによってバネ性が付与されることにより、アンダーカバー1は防振支持され、アンダーカバー1から車体へ伝達される荷重は低減し、床下からの空力騒音が低減される。
本実施例6のような振動吸収部43の構成であると、空間48での圧力変動レベルPAが非常に大きくなった結果、アンダーカバー1の車両上方(床下パネル4側)への移動量が大きくなる場合、図22に示すように、片持波付部43bが床下パネル4の下面に接触した状態で弾性変形して衝撃を吸収するので、アンダーカバー基体部2が床下パネル4に接触するのが防止される。
これによって、前記実施例2および実施例4のようにストッパ部を設けることなく、アンダーカバー基体部2が車体と接触することによって発生する衝撃音を無くすことができる。
他の構成および作用については、前記実施例1と同様であるので、説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、アンダーカバー基体部の材料には合成樹脂を用いたが、これに限定されることなく、金属を使用してもよい。
また、前記実施の形態では、ストッパ部の形状は長方形としたが、これに限定されることなく、円形や長方形以外の矩形であってもよい。
さらに、前記実施の形態では留め具は別部品としたがアンダーカバーまたは床パネルと一体化したものであってもよい。
実施例1によるアンダーカバーの構成を説明する平面図である。 実施例1によるアンダーカバーの構成を説明する図1の部分Cの拡大斜視図である。 実施例1によるアンダーカバーの螺旋体部をアンダーカバー基体部から突出させた状態の斜視図である。 実施例1によるアンダーカバーを車体下部に配設する前の状態を説明する斜視図である。 実施例1によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態を説明する側面図である。 実施例1によるアンダーカバーを車体下部に配設するときに使用される留め具の構成を説明する側面図である。 実施例2によるアンダーカバーの構成を説明する平面図である。 実施例2によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態(車両停止状態)を説明する側面図である。 実施例2によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態(車両走行状態)を説明する側面図である。 実施例3によるアンダーカバーの構成を説明する平面図である。 実施例3によるアンダーカバーの構成を説明する図9のX−X線断面図である。 実施例3によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態を説明する側面図である。 実施例4によるアンダーカバーの構成を説明する平面図である。 実施例4によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態(車両停止状態)を説明する側面図である。 実施例4によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態(車両走行状態)を説明する側面図である。 実施例5によるアンダーカバーの構成を説明する平面図である。 実施例5によるアンダーカバーの構成を説明する図15のY−Y線断面図である。 実施例5によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態(車両停止状態)を説明する側面図である。 実施例5によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態(車両走行状態)を説明する側面図である。 実施例6によるアンダーカバーの構成を説明する平面図である。 実施例6によるアンダーカバーの構成を説明する図19のZ−Z線断面図である。 実施例6によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態(車両停止状態)を説明する側面図である。 実施例6によるアンダーカバーを車体下部に配設した状態(車両走行状態)を説明する側面図である。 周波数と振動伝達率の関係を説明するためのグラフである。 アンダーカバーを配設ことによる騒音低減効果を説明するためのグラフである。 従来例のアンダーカバーを車体に配設した状態を説明する側面図である。
符号の説明
1 アンダーカバー
2 アンダーカバー基体部
3,23,33,43 振動吸収部
3a,23a,33a,43a 切り欠き部
3b 螺旋体部
23b 波付部
33b アーチ部
43b 片持波付部
3c,23c,33c,43c 取付穴
4 床下パネル
9 ストッパ部

Claims (8)

  1. 車体下部に配設されてフロアの少なくとも一部を覆い、平板状のアンダーカバー基体部と、前記アンダーカバー基体部に一体形成され、アンダーカバーを車体下部に取付固定するための複数個の振動吸収部とを有する車両用アンダーカバーであって、
    前記振動吸収部は、前記アンダーカバー基体部に切り欠き部が形成され、前記アンダーカバー基体部が車体下部に配設された状態で前記アンダーカバー基体部が自重により下方へ垂れ下がり、相対的に前記振動吸収部が前記アンダーカバー基体部から前記フロア側へ突出するように設けられていることを特徴とする車両用アンダーカバー。
  2. 前記振動吸収部は、所定値以下のバネ定数を有することを特徴とする請求項1記載の車両用アンダーカバー。
  3. 前記アンダーカバー基体部の車体側の面には、前記アンダーカバー基体部が前記車体と接触するのを防止するためのストッパ部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用アンダーカバー。
  4. 前記振動吸収部は、前記切り欠き部を螺旋状に形成した螺旋体部を有して構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用アンダーカバー。
  5. 前記振動吸収部は、二本の平行する切り欠き部の間に波付を施して形成した波付部を有して構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用アンダーカバー。
  6. 前記振動吸収部は、二本の平行する切り欠き部の間をアーチ状に形成したアーチ部を有して構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用アンダーカバー。
  7. 前記振動吸収部は、二本の平行する切り欠き部の基端部の一方を前記アンダーカバー基体部から切り離し、前記アンダーカバー基体部に連結している部分に波付を施して形成した片持波付部を有して構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用アンダーカバー。
  8. 前記アンダーカバー基体部は、合成樹脂からなるシート形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車両用アンダーカバー。
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