JP2006160005A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両に最適な減衰特性を与える車両用操舵装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 ステアリング系に減衰力を付加する車両用操舵装置1であって、ステアリング系のラックの軸力を検出するラック軸力検出手段5と、操舵角を検出する操舵角検出手段4と、ラック軸力及び操舵角に基づいて減衰力が低下しているか否かを判定する判定手段7と、ステアリング系に付加する減衰力を設定する設定手段7と、設定手段7で設定した減衰力をステアリング系に付加する付加手段6とを備え、設定手段7は、判定手段7で減衰力が低下していると判定した場合にステアリング系に付加する減衰力を増加することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステアリング系に減衰力を付加する車両用操舵装置に関する。
車両では、操舵状態から徐々に収束する減衰特性を有しており、この減衰特性により操縦安定性を与えている。一般に、車速が高くなるほど、タイヤ発生力に時間遅れを生じるため、減衰力が低下し、操縦安定性が低下する。この減衰力の低下を補うために、電動パワーステアリング装置には、モータによる操舵補助力によってステアリング系に減衰力を付加するものがある(特許文献1参照)。
特許第3481468号公報
ステアリング系に減衰力を付加すると、操舵したときに粘性感を伴い、操舵フィーリングが低下する。そのため、減衰力を付加する場合、操縦安定性と操舵フィーリングをバランスさせた減衰特性が得られるような減衰力を付加する必要がある。また、車両毎に、ステアリング系やサスペンションの機械的な摩擦力は一定でないので、減衰特性もばらつく。さらに、タイヤのサイズや種類(例えば、ノーマルタイヤ、スタッドレスタイヤ)を変更したりあるいは路面の摩擦係数が変化すると、タイヤの反力特性が変化し、減衰特性も変化する。しかしながら、従来の電動パワーステアリング装置では、車速や操舵条件(操舵角、操舵角速度)に応じて減衰力を付加している。そのため、付加している減衰力は操舵フィーリングと操縦安定性とを考慮した減衰力や各種条件が変化した場合に対応した減衰力とはなっていないので、車両では最適な減衰特性が得られない場合がある。
そこで、本発明は、車両に最適な減衰特性を与える車両用操舵装置を提供することを課題とする。
本発明に係る車両用操舵装置は、ステアリング系のラックの軸力を検出するラック軸力検出手段と、操舵角を検出する操舵角検出手段と、ラック軸力及び操舵角に基づいて減衰力が低下しているか否かを判定する判定手段と、ステアリング系に付加する減衰力を設定する設定手段と、設定手段で設定した減衰力をステアリング系に付加する付加手段とを備え、設定手段は、判定手段で減衰力が低下していると判定した場合にステアリング系に付加する減衰力を増加することを特徴とする。
この車両用操舵装置では、ラック軸力検出手段によりラックの軸力を検出するとともに、操舵角検出手段により操舵角を検出する。そして、車両用操舵装置は、判定手段により操舵角とラック軸力の関係から減衰力が低下しているか否かを判定する。ちなみに、車種、車両毎のステアリング系やサスペンションの機械的な摩擦力のバラツキ、タイヤのサイズや種類の変更あるいは路面の摩擦係数の変化などに応じて、操舵角とラック軸の関係が変化するので、車両における減衰力の変化も判る。車両用操舵装置では、設定手段によりステアリング系に付加する減衰力を設定するが、その際、判定手段で減衰力が低下していると判定した場合にはその低下している分を補うために減衰力を通常より増加設定する。そして、車両用操舵装置では、付加手段によりその設定した減衰力をステアリング系に付加する。このように、車両用操舵装置では、操舵角とラック軸力により減衰力の変化を監視しているので、車両自体や路面などの各種条件が変化した場合でも最適な減衰力をステアリング系に付加することができる。さらに、車両用操舵装置では、減衰力が低下している場合には付加する減衰力を増加することにより車両に必要とされる減衰特性を与えることができ、操縦安定性が向上するとともに適度な操舵フィーリングが得られる。
本発明の上記車両用操舵装置では、判定手段は、ラック軸力の位相が操舵角の位相より遅れている場合に減衰力が低下していると判定する構成としてもよい。
ラック軸力の位相が操舵角の位相より遅れている場合には、減衰力が作用していない。この場合、車両用操舵装置では、判定手段により減衰力が低下していると判定し、付加する減衰力を通常より大きく増加させる。
本発明の上記車両用操舵装置では、判定手段は、ラック軸力の位相が操舵角の位相より進んでいる場合に操舵角が0におけるラック軸力が所定軸力以下のときに減衰力が低下していると判定する構成としてもよい。
ラック軸力の位相が操舵角の位相より進んでいる場合に操舵角が0のときのラック軸力が所定軸力以下のときには、減衰力が作用しているが、必要とされる減衰力よりは減少している。この場合、車両用操舵装置では、判定手段により減衰力が低下していると判定し、付加する減衰力を通常より増加させる。なお、所定軸力は、車両で最低限必要とされる減衰力に相当する操舵角が0のときのラック軸力である。
本発明によれば、各種条件が変化した場合でも最適な減衰力を付加でき、操縦安定性と適度な操舵フィーリングとを両立させた減衰特性を車両に与えることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、本発明に係る車両用操舵装置を、モータによって操舵補助力を付加する電動パワーステアリング装置に適用する。本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置は、操舵補助力において減衰力も与えている。特に、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置は、操舵角とラック軸力によるリサージュによってサスペンションの減衰力の変化を監視し、サスペンションの減衰力が減少している場合には通常より減衰力を増加させる。なお、本実施の形態では、操舵トルク、操舵角、操舵角速度、ラック軸力の方向を正負で表し、正(+)値を右操舵方向とし、負(−)値を左操舵方向とする。
図1〜図6を参照し、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1について説明する。図1は、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。図2は、図1のECUに保持される基準減衰力マップの一例である。図3は、図1の操舵角センサからの操舵角とラック軸力センサからのラック軸力で実際に生成したリサージュの一例である。図4は、操舵角とラック軸力のリサージュであり、(a)がサスペンションの減衰力が正常の場合のリサージュであり、(b)がサスペンションの減衰力が減少している場合のリサージュであり、(c)がサスペンションの減衰力が負の場合のリサージュである。図5は、図1のECUに保持されるサスペンションの減衰力が減少している場合に用いる第1増加用マップである。図6は、図1のECUに保持されるサスペンションの減衰力が負の場合に用いる第2増加用マップである。
電動パワーステアリング装置1では、車両の各種状態に応じて操舵補助力を設定し、モータによってその操舵補助力をステアリング系に付加する。特に、電動パワーステアリング装置1では、車両や路面などの各種条件に応じて最適な減衰特性が得られるように、操舵補助力にステアリング系の減衰力を与える。そのために、電動パワーステアリング装置1は、操舵トルクセンサ2、車速センサ3、操舵角センサ4、ラック軸力センサ5、モータ6、ECU[Electronic Control Unit]7などを備えている。
なお、本実施の形態では、操舵角センサ4が特許請求の範囲に記載する操舵角検出手段に相当し、ラック軸力センサ5が特許請求の範囲に記載するラック軸力検出手段に相当し、モータ6が特許請求の範囲に記載する付加手段に相当し、ECU7が特許請求の範囲に記載する判定手段及び設定手段に相当する。
操舵トルクセンサ2は、操舵トルクの方向と大きさを検出するセンサである。操舵トルクセンサ2では、その方向と大きさを示す操舵トルク信号TSをECU7に送信する。車速センサ3は、その検出値を示す車速信号SSをECU7に送信する。操舵角センサ4は、ステアリングホイールから入力された操舵角の方向と大きさを検出するセンサである。操舵角センサ4では、その方向と大きさを示す操舵角信号ASをECU7に送信する。ラック軸力センサ5は、ラックに発生している軸力の方向と大きさを検出するセンサである。ラック軸力センサ5では、その方向と大きさを示すラック軸力信号FSをECU7に送信する。
モータ6は、ECU7に接続され、ECU7によって制御された制御電流CIが供給される。モータ6では、制御電流CIに応じた方向に回転駆動し、制御電流CIに応じた回転トルクを発生する。
ECU7は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、モータ駆動回路等からなる電子制御ユニットである。ECU7では、各種センサ2,3,4,5からの検出信号TS,SS,AS,FSに基づいて操舵補助制御処理、減衰力設定処理、減衰力監視処理などを行い、モータ6の駆動を制御する。ECU7では、車速信号SSを受信する毎に、各輪の回転速度から車速を演算する。また、ECU7では、操舵角信号ASを受信する毎に、操舵角を時間微分し、操舵角速度を演算する。
操舵補助制御処理について説明する。ECU7では、基準操舵補助力マップを用いて、車速及び操舵トルク信号TSによる操舵トルクなどに基づいて基準操舵補助力(方向と大きさ)を求める。さらに、ECU7では、基準操舵補助力から減衰力設定処理で設定した減衰力を減算し、その減算値を操舵補助力とする。減衰力を基準操舵補助力から減算するのは、減衰力を操舵方向とは逆方向に作用させるためのである。そして、ECU7では、操舵補助力の方向と大きさを発生するために必要な駆動電流指令値(方向と大きさ)を設定する。さらに、ECU7のモータ駆動回路において、その駆動電流指令値に応じた制御電流CIを発生し、その発生した制御電流CIをモータ6に供給する。この際、ECU7では、駆動電流指令値となるように、モータ6をフィードバック制御する。
減衰力設定処理について説明する。ECU7では、基準減衰力マップを用いて(図2参照)、車速と操舵角速度に基づいて基準減衰力を求める。基準減衰力マップは、車速と操舵角速度に対する基準減衰力を示すマップである。基準減衰力マップは数段階の車速毎に設定されており、マップが設定されていない車速に対する基準減衰力は設定されている車速のマップを用いて補間することによって求められる。各基準減衰力マップは、実験などによって予め求められたものであり、ECU7内に保持されている。
減衰力監視処理において増分減衰力が設定されている場合、ECU7では、基準減衰力にその増分減衰力を加算して減衰力として設定する。一方、減衰力監視処理において増分減衰力が設定されていない場合、ECU7では、基準減衰力をそのまま減衰力として設定する。
減衰力監視処理について説明する。ECU7では、操舵角信号ASによる操舵角とラック軸力信号FSによるラック軸力を用いて、操舵角とラック軸力との時間変化を示すリサージュを生成する。リサージュは、横軸を操舵角とし、縦軸をラック軸力とし、各時刻における操舵角の検出値とラック軸力の検出値をプロットしたものである。このリサージュは、同じ車両でもタイヤのサイズや種類を変更したりあるいは路面の摩擦係数が変化すると、形状や大きさが変化する。また、リサージュは、車種あるいは同一の車種でもステアリング系やサスペンションなどの機械的な摩擦力のバラツキなどによって、形状や大きさが変化する。図3には、操舵角センサ4、ラック軸力センサ5で実際に検出した値によって生成したリサージュを示している。
このリサージュでは、操舵角、ラック軸力共に右方向に操舵時の値を正値としている。このようにした場合、リサージュの回転方向が時計回りの場合にはラック軸力の位相が操舵角の位相に対して進んでおり(図4(a)参照)、リサージュの回転方向が反時計回りの場合にはラック軸力の位相が操舵角の位相に対して遅れている(図4(c)参照)。ちなみに、ラック軸力が正値になってから操舵角が時間的に後から正値になったり、ラック軸力が負値になってから操舵角が時間的に後から負値になる場合には、リサージュの回転方向が時計回りである。一方、操舵角が正値になってからラック軸力が時間的に後から正値になったり、操舵角が負値になってからラック軸力が時間的に後から負値になる場合には、リサージュの回転方向が反時計回りである。
リサージュが時計回りの場合、このリサージュにおけるヒステリシスの幅(例えば、操舵角が0のときのラック軸力の値)が大きいほど、サスペンションの減衰力が大きいことを示す。図4(a)において破線で示すリサージュは、車両において最低限必要とされる減衰特性に相当するリサージュである。この破線のリサージュにおける操舵角が0のときのラック軸力の値は、サスペンションの減衰力が低下しているか否かを判定するための閾値である。また、リサージュが反時計回りの場合、サスペンションの減衰力が負値であることを示す。
図4(a)において実線で示すリサージュの場合、時計回りであり、操舵角が0のときのラック軸力が閾値より大きいので、サスペンションの減衰力としては十分な減衰力が発生している。したがって、付加する減衰力を基準減衰力より増加させる必要はなく、基準減衰力を付加すれば適度な減衰特性が得られる。
図4(b)において実線で示すリサージュの場合、時計回りであるが、操舵角が0のときのラック軸力が閾値より小さいので、サスペンションの減衰力としては大きく減少している。したがって、付加する減衰力を基準減衰力より増加させる必要があり、基準減衰力から増加させなければ適度な減衰特性が得られない。このリサージュのヒステリシスの幅が小さいほど、サスペンションの減衰力が大きく減少しているので、増加させる減衰力を大きくする必要がある。
図4(c)において実線で示すリサージュの場合、反時計回りであり、サスペンションの減衰力としては負値となっており、減衰力が全く効いていない。したがって、付加する減衰力を基準減衰力より大きく増加させる必要があり、基準減衰力から大幅に増加させなければ適度な減衰特性が得られない。このリサージュのヒステリシスの幅が大きいほど、サスペンションの負の減衰力が大きいので、増加させる減衰力を大きくする必要がある。
ECU7では、リサージュを生成すると、リサージュの回転方向が時計回りかあるいは反時計回りかを判定する(つまり、ラック軸力の位相と操舵角の位相でどちらの位相が進んでいるかを判定する)。時計回りと判定した場合(すなわち、ラック軸力の位相が操舵角の位相より進んでいると判定した場合)、ECU7では、操舵角が0のときのラック軸力が閾値以下か否かを判定する。閾値より大きいと判定した場合、ECU7では、増分減衰力を設定しない。
操舵角が0のときのラック軸力が閾値以下と判定した場合、ECU7では、第1増加用マップを用いて(図5参照)、生成したリサージュのヒステリシスの幅と操舵角速度に基づいて増分減衰力を求める。第1増加用マップは、リサージュのヒステリシスの幅と操舵角速度に対する増分減衰力を示すマップである。第1増加用マップは数段階のヒステリシス幅毎に設定されており、マップが設定されていないヒステリシス幅に対する増分減衰力は設定されているヒステリシス幅のマップを用いて補間することによって求まられる。各第1増加用マップは、実験などによって予め求められたものであり、ECU7内に保持されている。
リサージュの回転方向が反時計回りと判定した場合(すなわち、操舵角の位相がラック軸力の位相より進んでいると判定した場合)、ECU7では、第2増加用マップを用いて(図6参照)、生成したリサージュのヒステリシスの幅と操舵角速度に基づいて増分減衰力を求める。第2増加用マップは、リサージュのヒステリシスの幅と操舵角速度に対する増分減衰力を示すマップである。第2増加用マップは、サスペンションの減衰力が負値の場合に対応するマップなので、第1増加用マップより全体的に大きな増分減衰力が設定されている。第2増加用マップは数段階のヒステリシス幅毎に設定されており、マップが設定されていないヒステリシス幅に対する増分減衰力は設定されているヒステリシス幅のマップを用いて補間することによって求められる。各第2増加用マップは、実験などによって予め求められたものであり、ECU7内に保持されている。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1における動作について説明する。特に、ECU7における減衰力監視処理については図7のフローチャートに沿って説明する。図7は、図1のECUにおける減衰力監視処理を示すフローチャートである。
運転者がステアリングホイールに操舵力を加えると、ステアリングシャフトに操舵トルクが与えられる。操舵トルクセンサ2では、この操舵トルクを検出し、ECU7に操舵トルク信号TSを送信している。また、操舵角センサ4では、ステアリングシャフトの回転から操舵角を検出し、ECU7に操舵角信号ASを送信している。ECU7では、この検出した操舵角から操舵角速度を演算している。さらに、ラック軸力センサ5では、ラックの軸力を検出し、ECU7にラック軸力信号FSを送信している。また、車速センサ3では、各輪の回転速度を各々検出し、ECU7に車速信号SSを各々送信している。ECU7では、この検出した回転速度から車速を演算している。
ECU7では、操舵角信号ASから操舵角を取得するとともに(S1)、ラック軸力信号FSからラック軸力を取得する(S2)。そして、ECU7では、取得した操舵角とラック軸力から、操舵角とラック軸力の時間変化を示すリサージュを生成する(S3)。ECU7では、この生成したリサージュにより、ラック軸力の位相が操舵角の位相より進んでいるか否かを判定する(S4)。
S4にてラック軸の位相が操舵角の位相より進んでいると判定した場合(リサージュが時計回りの場合)、ECU7では、操舵角が0のときのラック軸力が閾値以下か否かを判定する(S5)。S5にてラック軸力が閾値より大きいと判定した場合、ECU7では、S1の処理に戻って、リサージュによってサスペンションの減衰力の監視を続ける。この監視は、イグニッションスイッチがオンの間継続される。
S5にてラック軸力が閾値以下と判定した場合、ECU7では、第1増加用マップを用いて、生成したリサージュにおけるヒステリシスの幅と操舵角速度に応じた増分減衰力を設定する(S6)。
S4にてラック軸の位相が操舵角の位相より遅れていると判定した場合(リサージュが反時計回りの場合)、ECU7では、第2増加用マップを用いて、生成したリサージュにおけるヒステリシスの幅と操舵角速度に応じた増分減衰力を設定する(S7)。
ECU7では、基準減衰力マップを用いて、車速と操舵角速度に応じた基準減衰力を設定する。そして、ECU7では、増分減衰力が設定されている場合には基準減衰力に増分減衰力を加算して減衰力とし、増分減衰力が設定されていない場合には基準減衰力をそのまま減衰力とする。
ECU7では、基準操舵補助力マップを用いて、操舵トルクと車速に応じた基準操舵補助力を設定する。そして、ECU7では、基準操舵補助力から減衰力を減算して操舵補助力を設定する。さらに、ECU7では、操舵補助力の方向と大きさを発生するために必要な駆動電流指令値を設定する。そして、ECU7では、フィードバック制御により駆動電流指令値となるように、制御電流CIをモータ6に供給する。モータ6に制御電流CIが供給されると、モータ6では回転駆動し、その制御電流CIに応じた回転トルクをステアリング系に付加する。そのため、ステアリング系には、ステアリングホイールに加えられた運転者による操舵力の他に、モータ6による操舵補助力が与えられる。そのため、運転者は、小さな操舵力を加えるだけでステアリングホイールを操舵することができる。また、この操舵補助力には減衰力が加味されているので、車両には適度な減衰特性が発生し、運転者は適度な操舵フィーリングと操縦安定性を得ることができる。
この電動パワーステアリング装置1によれば、操舵角とラック軸力とのリサージュによってサスペンションの減衰力の変化を常時監視し、サスペンションの減衰力の変化に応じて付加する減衰力を補正するので、車両自体や路面などの各種条件が変化した場合でも最適な減衰力を付加できる。そのため、車両では、操縦安定性と操舵フィーリングをバランスさせた減衰特性が得られる。
特に、電動パワーステアリング装置1では、操舵角の位相とラック軸の位相との関係及び操舵角が0のときのラック軸力と閾値との大小関係により、簡単かつ高精度にサスペンションの減衰力の変化を判定することができる。また、電動パワーステアリング装置1では、サスペンションの減衰力が正値で減少している場合と負値になっている場合とでそれぞれ増加用マップを持ち、更に、リサージュのヒステリシスの幅に応じて段階的に増加用マップを持っているので、サスペンションの減衰力の低減度合いに応じた減衰力を高精度に付加できる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では本発明を電動パワーステアリング装置に適用したが、ステアリング系に減衰力を付加することができる他の装置に適用してもよい。したがって、油圧式のパワーステアリング装置を備える車両やパワーステアリング装置を備えない車両にも適用可能である。
また、本実施の形態ではラック軸力検出手段としてラックの軸力を直接検出するラック軸力センサを用いる構成としたが、モータの駆動電流値と操舵トルクセンサで得られる操舵トルクにより軸力を推定してもよいし、ヨーレートセンサで得られるヨーレートにより軸力を推定してもよいし、横加速度センサで得られる横加速度により軸力を推定してもよい。なお、ヨーレートや横加速度を用いる場合、軸力よりヨーレートや横加速度の位相が遅れるので、位相補正する必要がある。
また、本実施の形態では操舵角検出手段として操舵角を直接検出する操舵角センサを用いる構成としたが、操舵トルクセンサで得られる操舵トルクにより操舵角を推定してもよい。例えば、ステアリング系の摩擦特性を測定あるいは推定する手段を有していれば、操舵トルクから摩擦量を減じることにより操舵角に換算する。なお、操舵角より操舵トルクの位相が進むので、位相補正する必要がある。
また、本実施の形態ではリサージュを監視することによりサスペンションの減衰力が低下しているか否かを判定する構成としたが、操舵角センサで得られる操舵角とラック軸力センサで得られる軸力を所定期間サンプリングし、FFT処理することにより操舵角とラック軸力の位相関係を調べ、サスペンションの減衰力が低下しているか否かを判定する構成としてもよい。また、操舵角センサで得られる操舵角とラック軸力センサで得られる軸力との関係から一次式を近似し、その一次式の勾配を求め、その勾配をAとした場合の軸力=A×操舵角で求まる計算式を生成する。さらに、操舵角センサで得られる操舵角を時間微分あるいは操舵角速度センサで得られる操舵角速度を用いて、操舵方向を判別する。そして、右操舵方向のときの操舵角、ラック軸力の符号を正値とした場合、操舵方向が右方向のときには操舵角に対して上記の計算式で求めた軸力+閾値がラック軸力センサで得られる軸力より大きいかあるいは操舵方向が左方向のときには操舵角に対して上記の計算式で求めた軸力+閾値がラック軸力センサで得られる軸力より小さいと、サスペンションの減衰力が低下していると判定するようにしてもよい。
また、本実施の形態ではマップを用いて基準減衰力や増加減衰力を求める構成としたが、所定の計算式により基準減衰力や増加減衰力を求める構成としてもよい。
また、サスペンションの減衰力低下の判定精度や増加減衰力の精度を向上させるために、操舵角センサからの操舵角信号やラック軸力センサからのラック軸力信号に対しローパスフィルタをかけ、高周波の外乱成分を除去するようにしてもよい。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。 図1のECUに保持される基準減衰力マップの一例である。 図1の操舵角センサからの操舵角とラック軸力センサからのラック軸力で実際に生成したリサージュの一例である。 操舵角とラック軸力のリサージュであり、(a)がサスペンションの減衰力が正常の場合のリサージュであり、(b)がサスペンションの減衰力が減少している場合のリサージュであり、(c)がサスペンションの減衰力が負の場合のリサージュである。 図1のECUに保持されるサスペンションの減衰力が減少している場合に用いる第1増加用マップである。 図1のECUに保持されるサスペンションの減衰力が負の場合に用いる第2増加用マップである。 図1のECUにおける減衰力監視処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、2…操舵トルクセンサ、3…車速センサ、4…操舵角センサ、5…ラック軸力センサ、6…モータ、7…ECU

Claims (3)

  1. ステアリング系のラックの軸力を検出するラック軸力検出手段と、
    操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    ラック軸力及び操舵角に基づいて減衰力が低下しているか否かを判定する判定手段と、
    ステアリング系に付加する減衰力を設定する設定手段と、
    前記設定手段で設定した減衰力をステアリング系に付加する付加手段と
    を備え、
    前記設定手段は、前記判定手段で減衰力が低下していると判定した場合にステアリング系に付加する減衰力を増加することを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記判定手段は、ラック軸力の位相が操舵角の位相より遅れている場合に減衰力が低下していると判定することを特徴とする請求項1に記載する車両用操舵装置。
  3. 前記判定手段は、ラック軸力の位相が操舵角の位相より進んでいる場合に操舵角が0におけるラック軸力が所定軸力以下のときに減衰力が低下していると判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する車両用操舵装置。
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