JP2006159580A - 熱線遮蔽積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】Ag金属層を含む熱線反射膜の耐久性に問題があり、単板状態での保管や作業工程において注意が必要である。
【解決手段】透明基体上に、少なくとも1層以上からなる第一の酸化物積層体、銀を主成分とする第一の金属膜、第二の金属膜、少なくとも1層以上からなる第二の酸化物積層体を順次形成した熱線遮蔽膜において、第二の酸化物積層体は、ZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜を少なくとも1層以上含み、該酸化亜鉛膜がTiを主成分とする第二の金属膜の直上に形成することにより、耐久性を高めた熱線遮蔽積層体を実現する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ビルや住宅などに用いられる建築用熱線遮蔽積層体に関する。特に、透明基体がガラスである建築用熱線遮蔽積層体に関する。
熱線遮蔽膜(Low−E膜)と呼ばれる、基体上に酸化物膜、銀膜、酸化物膜が順次積層された積層体は、外部から室内に入射する熱線を遮蔽し、夏の冷房負荷を軽減する効果がある。また、室内からの熱線を反射して戸外への放熱を抑制するため暖房負荷を軽減することもできる。特に、このような熱線遮蔽膜を設けたガラスをLow−Eガラスと称することがある。
Low−Eガラスは、一般に、(ガラス)/酸化亜鉛膜/銀膜/酸化亜鉛膜という膜構成の熱線遮蔽膜を有するが、耐湿性などの耐久性に欠けるため、単板で使うことができず、合わせガラスまたは複層ガラスの形態で用いる必要がある。
化学的耐久性や耐湿性の改善として特開平4−357025には基体上に酸化物膜、金属膜、酸化物膜、と交互に積層された構造において、基体から最も離れた金属膜の上層の酸化物膜が、Al、Ti、Sn、Crのうち少なくとも1種をZnとの合計量に対して原子比で10%以下の割合でド−プした酸化亜鉛を主成分とする膜を少なくとも1層有するという方法を開示する。これは膜応力による膜剥離が耐湿性の弱い原因であるとし、最上層酸化物膜に特定の材料を適量ド−プすることにより耐湿性の問題点である膜応力を緩和させるという方法である。また、熱処理過程で問題になる耐熱性の改善については、特開2000−229381に開示されているように最も基体から離れた金属膜の上層の混合酸化物膜においてその組成についてX/Znの値を0.12以上とする方法がある。
しかし、酸化亜鉛膜の応力を緩和させるためにAlをZnとの合計量に対し原子比で10%以下ド−プすることのみによっては耐久性を十分に改善できず、銀直上に成膜する金属膜との界面における整合性が大きな問題であり、酸化亜鉛膜の応力緩和だけではなく、金属膜との整合性を向上させなければならない。
なお、薄膜の応力はニュートンリング法などにより測定でき、具体的な測定方法は「薄膜ハンドブック」第一版、335ページに記載されている。
特開平4−357025号公報 特開2000−229381公報 「薄膜ハンドブック」第一版、日本学術振興会第一31委員会編著、株式会社オーム社発行(1983)
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、酸化亜鉛膜の応力の更なる緩和と酸化亜鉛膜の整合性を向上させる金属膜を熱線遮蔽膜の構成要素として用いることで熱線遮蔽膜の高耐久性化を可能にすることにある。
本発明は、透明基体上に、少なくとも1層以上からなる第一の酸化物積層体、銀を主成分とする第一の金属膜、第二の金属膜、少なくとも1層以上からなる第二の酸化物積層体を順次形成した熱線遮蔽膜において、第二の酸化物積層体は、ZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜を少なくとも1層以上含み、該酸化亜鉛膜がTiを主成分とする第二の金属膜の直上に形成されていることを特徴とする熱線遮蔽積層体である。このような構成を有することにより、酸化亜鉛膜の応力の緩和と酸化亜鉛膜と金属膜の整合性向上による膜はがれの低減が実現する。
本発明の第二の形態は、前記第一の酸化物積層体が、ZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜を少なくとも1層以上含み、該酸化亜鉛膜が前記銀を主成分とする第一の金属膜の直下に接するように形成されたことを特徴とする請求項1記載の熱線遮蔽積層体である。このような構成を有することにより、酸化亜鉛膜の応力の更なる緩和と酸化亜鉛膜と金属膜の更なる整合性向上が実現する。
本発明の第三の形態は、前記第二の金属膜の厚みが0.5nm〜5nmであり、第二の酸化物膜積層体と接する側に部分的に酸化された層構造を有することを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の熱線遮蔽積層体である。このような構成を有することにより、酸化亜鉛膜の応力の更なる緩和と酸化亜鉛膜と金属膜の更なる整合性向上に加えて、可視光透過率の向上が実現する。
本発明の第四の形態は、前期銀を主成分とする第一の金属膜の厚みが、5nm〜20nmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の熱線遮蔽積層体である。このような構成を有することにより、酸化亜鉛膜の応力の更なる緩和と酸化亜鉛膜と金属膜の更なる整合性向上に加えて、可視光透過率の更なる向上が実現する。
また本発明は、透明基体上に、少なくとも1層以上からなる第一の酸化物積層体、銀を主成分とする第一の金属膜、第二の金属膜、少なくとも1層以上からなる第二の酸化物積層体、銀を主成分とする第三の金属膜、第四の金属膜、少なくとも1層以上からなる第三の酸化物積層体を順次形成した熱線遮蔽膜において、該第一、第二、第三の酸化物積層体は、ZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜を少なくとも1層以上含み、第二、第四の金属膜がTiを主成分とする金属膜であり、該酸化亜鉛膜が、第一、第二、第三、第四の金属膜に接するように形成されたことを特徴とする熱線遮蔽積層体である。このような構成を有することにより、より高い熱線遮蔽性能を有する熱線遮蔽膜において、酸化亜鉛膜の応力の緩和と酸化亜鉛膜と金属膜の整合性向上が実現する。
特開平4−357025ではAlド−プ量がZnとの合計量に対し原子比で10%より多い場合では膜の内部応力低減効果は変化がないとされてきたが、AlをZnとの合計量に対し原子比で10%より多く25%以下の割合でド−プすることにより、さらに膜応力を緩和することが可能となった。
また、Tiを第二金属膜とし、その直上にZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜を積層することで、Tiと酸化亜鉛膜の界面における密着性を向上させ、耐久性の向上方を実現した。
ビルや住宅などの建築用に用いられる熱線遮蔽ガラスの生産において熱線遮蔽膜の耐久性向上により、熱線遮蔽積層体のハンドリング、単板での保管などが容易となり、低コストで熱線遮蔽積層体を提供することができる。
本発明は、熱線遮蔽膜における高耐久性を実現することを目的としてなされたものであり、図1に示すように、透明基体上に、少なくとも1層以上からなる第一の酸化物積層体、銀を主成分とする第一の金属膜、第二の金属膜、少なくとも1層以上からなる第二の酸化物積層体を順次形成した熱線遮蔽膜において、第二の酸化物積層体は、ZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜を少なくとも1層以上含み、該酸化亜鉛膜がTiを主成分とする第二の金属膜の直上に形成されていることを特徴とする熱線遮蔽積層体を提供する。
第二の酸化物積層体に含まれるZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜が、第二の金属膜Tiの直上に形成されることにより、酸化亜鉛膜の応力を緩和でき、耐久性低下の原因である酸化亜鉛膜の膜剥がれを抑制することができる。
第二金属膜に酸化亜鉛膜と界面の整合性が良いTiを主成分とする金属膜を用いることにより、酸化亜鉛膜との密着性を増すことで、さらに膜剥がれを抑制することができ、耐久性の向上方を実現する。
第二金属膜に用いるTiを主成分とする金属膜は第二の酸化物膜と接する側に部分的に酸化された層構造を有し、その層構造においてTiの金属膜としての厚みを0.5nm〜5nmとすることにより、空気中及び膜中の酸素、水分による銀の凝集を防止し、耐久性の改善ができる。
なお主成分とは、単膜中において合計量に対し原子比で80%以上存在する成分をいう。
図2の内容から、Alを多くド−プすることにより、酸化亜鉛膜の内部応力(圧縮)が緩和して行くことが分かる。内部応力はすべて直径0.03mの石英ガラスを用いてニュ−トンリング法を用いて測定した値である。また、Al濃度は酸化亜鉛単膜をICP−AES法で分析して求めた。
ニュ−トンリング法とは、円板状の基板の反りを測定して膜応力を求める方法である。「薄膜ハンドブック」第一版、335ページに記載されているように、この円板に薄膜を形成した場合、薄膜中に応力が存在するために基板に曲がりが生じる。そこで、円板と光学定盤との間で光の光学干渉を起こさせ、ニュ−トン環の移動量から応力を求める。
ICP−AES法とは、誘導結合プラズマ発光分光分析法ともいい、原子発光を測定することで物質を検出する分析方法である。本分析では基体上にAlをド−プした酸化亜鉛膜を50nm程度作製したサンプルを、硝酸を水で希釈した溶液中に浸し、膜のみを溶液中に溶かす。この溶液を霧状にしてArプラズマ中に封入する。その時の発光を分光器で測定し、あらかじめ測定しておいた市販のAlとZnの検量線と比較することにより、AlとZnの濃度を求めた。
本発明者らの研究により、酸化亜鉛にAlをドープした薄膜の膜応力の挙動は特開平4−357025号公報に記載されているような従来考えられていたものと違い、Znとの合計量に対し原子比でAlが10%より多く含まれることでさらに膜応力の低下が見られることがわかった。また、ド−プ量を25%以上に増大しても応力値にほとんど変化がないことも判明した。
Figure 2006159580
表1はZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で12%の割合で含有された酸化亜鉛膜(ZnO:Al)と酸化錫膜(SnO)の単膜の膜応力と、TiやNiCrとの積層時の総膜応力を示したものである。これより、酸化亜鉛膜は界面の整合性の良いTi膜との積層構造をとることで、Ti膜との密着性が増し、内部応力(圧縮)が緩和していると推定される。また、密着性の悪い組み合わせである「NiCr/酸化亜鉛膜」や「Ti/酸化錫膜」では応力が緩和されないと考えられる。
以下では、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)洗浄した厚さ6mmのガラス基体をスパッタリング成膜装置内に設置し、真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気を行った。用いた装置はULVAC社製SCH3030であった。ガラス基体とそれぞれのタ−ゲットの距離は6.5×10−2mであった。
第一の酸化物積層体の成膜は以下のとおりであった。
装置内に酸素ガスを毎秒1.7×10−6(1013hPa、0℃における体積)の流量(以下m/sと表す)で導入し、真空度を0.26〜0.8Paに調整した後、/snタ−ゲット(0.13m×0.51m×0.0005m)が備えられたカソ−ドに直流電源より電力を供給してグロー放電を生じさせ、酸素とSnを反応させて酸化錫膜を作製できるようにし、電流を2.0Aに調節した(電圧は420Vであった)。その後、カソ−ド上方を10.3×10−3m/sの速度でガラス基体を搬送して、膜厚9.0nmの酸化錫膜を作製した。
装置内に酸素ガスを1.7×10−6/sの流量で導入し、真空度を0.26〜0.8Paに調整した後、Znとの合計量に対し原子比でAlが12%ド−プされたZnタ−ゲット(0.13m×0.51m×0.0005m)が備えられたカソ−ドに直流電源より電力を供給してグロー放電を生じさせ、酸素とSnを反応させて酸化亜鉛膜を作製できるようにし、電流を3Aに調節した(電圧は336Vであった)。その後、カソ−ド上方を10.4×10−3m/sの速度でガラス基体を搬送させ、膜厚15nmの、Znとの合計量に対し原子比でAlが12%ド−プされた酸化亜鉛膜を作製した。
第一の金属層の成膜は以下のとおりであった。
装置内にアルゴンガスを1.7×10−6/sの流量で導入し、真空度を0.26〜0.8Paに調整した後、銀タ−ゲット(0.13m×0.51m×0.0003m)が備えられたカソ−ドに直流電源より電力を供給してグロー放電を生じさせ、電流を0.7Aに調節した(電圧は357Vであった)。その後、カソ−ド上方を16.5×10−3m/sの速度でガラス基体を搬送させ、膜厚15nmの銀膜を作製した。
第二の金属層の成膜は以下のとおりであった。
装置内にアルゴンガスを1.7×10−6/sの流量で導入し、真空度を0.26〜0.8Paに調整した後、Tiタ−ゲット(0.13m×0.51m×0.0005m)が備えられたカソ−ドに直流電源より電力を供給してグロー放電を生じさせ、電流を0.7Aに調節した(電圧は266Vであった)。その後、カソ−ド上方を21.1×10−3m/sの速度でガラス基体を搬送させ、膜厚7.5nmのTi膜を作製した。
第二の酸化物積層体の成膜は以下のとおりであった。
装置内に酸素ガスを1.7×10−6/sの流量で導入し、真空度を0.26〜0.8Paに調整した後、Znとの合計量に対し原子比でAlが12%ド−プされたZnタ−ゲット(0.13m×0.51m×0.0005m)が備えられたカソ−ドに直流電源より電力を供給してグロー放電を生じさせ、酸素とZnを反応させて酸化亜鉛膜を作製できるようにし、電流を3Aに調節した(電圧は336Vであった)。その後、カソ−ド上方を6.7×10−3m/sの速度でガラス基体を搬送させ、膜厚22nmの、Znとの合計量に対し原子比でAlが12%ド−プされた酸化亜鉛膜を作製した。
装置内に酸素ガスを1.7×10−6/sの流量で導入し、真空度を0.26〜0.8Paに調整した後、Snタ−ゲット(0.13m×0.51m×0.0005m)が備えられたカソ−ドに直流電源より電力を供給してグロー放電を請じさせ、酸素とSnを反応させて酸化錫膜を作製できるようにし、電流を2.0Aに調節した(電圧は420Vであった)。その後、カソ−ド上方を8.5×10−3m/sの速度でガラス基体を搬送させ、膜厚17nmの酸化錫膜を作製した。
装置内に酸素ガスを1.7×10−6/sの流量で導入し、真空度を0.26〜0.8Paに調整した後、Znとの合計量に対し原子比でAlが12%ド−プされたZnタ−ゲット(0.13m×0.51m×0.0005m)が備えられたカソ−ドに直流電源より電力を供給してグロー放電を請じさせ、酸素とZnを反応させて酸化亜鉛膜を作製できるようにし、電流を3Aに調節した(電圧は336Vであった)。その後、カソ−ド上方を9.0×10−3m/sの速度でガラス基体を搬送させ、膜厚17nmの、Znとの合計量に対し原子比でAlが12%ド−プされた酸化亜鉛膜を作製した。
作成した試料については、透過型電子顕微鏡による断面観察(断面TEM観察)により各層の厚みを確認した。試料を基体に略垂直に切断し、研磨およびイオンエッチングの手法によって透過型電子顕微鏡観察資料とした。各層の厚みは上記のとおりであったが、第二の金属層であるTi膜が第二の酸化物積層体の成膜時にその表面から酸化していた。酸化された厚みは、Ti膜厚7.5nmに対して6nmであった。
実施例1と同様の方法により、搬送速度を調整して種々の膜厚の組み合わせによる熱戦遮蔽膜をガラス基体に成膜し、実施例2〜5の試料とした。実施例2〜5においては、第二の金属層であるTi膜は全膜厚がそれぞれ7.0nm、6.5nm、8.0nm、7.5nmであったが、表面からの酸化層の厚みはほぼ同じ約6nmであり、膜構成は表2のとおりであった。
こうして得られた実施例1〜5の熱線遮蔽ガラスについて耐久性試験を行った。その結果を表3に示す。ここで行った耐久性試験は純水浸漬試験(純水に1時間浸漬)と恒温恒湿試験(85℃、95%RH、72時間)である。表中の◎、○、△、×はそれぞれ全く問題なし、問題なし、部分的な銀の凝集あり、全体的に銀が凝集しているという意味である。
Figure 2006159580
Figure 2006159580
表3に示すように、銀を主成分とする第一金属膜直上にTiを主成分とする第二金属膜を用い、さらにその直上にZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜を積層することで、耐久性試験において劣化がないことが確認できた。
(比較例1)実施例1と同様にして、比較例1の試料を作製した。洗浄したガラス基体をスパッタリング成膜装置内に設置した。真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気を行い、酸化錫膜、Znとの合計量に対して原子比でAlが12%ド−プされた酸化亜鉛膜、銀膜を作製した後、装置内にアルゴンガスを1.7×10−6/sの流量で導入し、真空度を0.26〜0.8Paに調整した後、NiCrタ−ゲット(0.13m×0.51m×0.0005m)が備えられたカソ−ドに直流電源より電力を供給して放電を生じさせ、電流を0.7Aに調節した(電圧は391Vであった)。その後、カソ−ド上方を42.7×10−3m/sの速度でガラス基体を搬送させ、膜厚7nmのNiCr膜を作製した。
実施例1と同様にして、膜厚22nmの、AlがZnとの合計量に対し原子比で12%ド−プされた酸化亜鉛膜を作製した。
装置内に酸素ガスを1.7×10−6/sの流量で導入し、真空度を0.26〜0.8Paに調整した後、Snタ−ゲット(0.13m×0.51m×0.0005m)が備えられたカソ−ドに直流電源より電力を供給してグロー放電を生じさせ、酸素とSnを反応させて酸化錫膜を作製できるようにし、電流を2.0Aに調節した(電圧は420Vであった)。その後、カソ−ド上方を8.5×10−3m/sの速度でガラス基体を搬送させ、膜厚17nmの酸化錫膜を作製した。
装置内に酸素ガスを1.7×10−6/sの流量で導入し、真空度を0.26〜0.8Paに調整した後、Znとの合計量に対し原子比でAlが12%ド−プされたZnタ−ゲット(0.13m×0.51m×0.0005m)が備えられたカソ−ドに直流電源より電力を供給してグロー放電を生じさせ、酸素とZnを反応させて酸化亜鉛膜を作製できるようにし、電流を3Aに調節した(電圧は336Vであった)。その後、カソ−ド上方を9.0×10−3m/sの速度でガラス基体を搬送させ、膜厚17nmの、Znとの合計量に対し原子比でAlが12%ド−プされた酸化亜鉛膜を作製した。
実施例1と同様に断面TEM観察を行った結果、Znとの合計量に対し原子比でAlが12%ド−プされた酸化亜鉛膜を作製した際に第二の金属膜NiCrがその表面から4nmの厚みまで酸化されていたことがわかった。
比較例1と同様に、比較例2、比較例3の試料を作成した。比較例2、3の第二の金属のそれぞれの膜構成を表4に示す。
比較例1〜3の試料について耐久性試験を行った結果を表5に示す。耐久性試験は純水浸漬試験(純水に1時間浸漬)と恒温恒湿試験(85℃、95%RH、72時間)である。
Figure 2006159580
Figure 2006159580
比較例1〜3の試料の耐久性試験結果では、膜の劣化、剥離が認められ、外観を損なうことがわかった。
熱線遮蔽積層体の構造説明図 Alド−プ量に対する酸化亜鉛膜の内部応力。(すべて圧縮応力)
符号の説明
1 透明基体
2 第一の酸化物積層体
3 第一の金属膜
4 第二の金属膜
5 第二の酸化物積層体

Claims (5)

  1. 透明基体上に、少なくとも1層以上からなる第一の酸化物積層体、銀を主成分とする第一の金属膜、第二の金属膜、少なくとも1層以上からなる第二の酸化物積層体を順次形成した熱線遮蔽膜において、第二の酸化物積層体は、ZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜を少なくとも1層以上含み、該酸化亜鉛膜がTiを主成分とする第二の金属膜の直上に形成されていることを特徴とする熱線遮蔽積層体。
  2. 前記第一の酸化物積層体は、ZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜を少なくとも1層以上含み、該酸化亜鉛膜が前記銀を主成分とする第一の金属膜の直下に接するように形成されたことを特徴とする請求項1記載の熱線遮蔽積層体。
  3. 前記第二の金属膜の厚みが0.5nm〜5nmであり、第二の酸化物膜積層体と接する側に部分的に酸化された層構造を有することを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の熱線遮蔽積層体。
  4. 前期銀を主成分とする第一の金属膜の厚みが、5nm〜20nmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の熱線遮蔽積層体。
  5. 透明基体上に、少なくとも1層以上からなる第一の酸化物積層体、銀を主成分とする第一の金属膜、第二の金属膜、少なくとも1層以上からなる第二の酸化物積層体、銀を主成分とする第三の金属膜、第四の金属膜、少なくとも1層以上からなる第三の酸化物積層体を順次形成した熱線遮蔽膜において、該第一、第二、第三の酸化物積層体は、ZnとAlとの合計量に対してAlが原子比で10%より多く25%以下の割合で含有された酸化亜鉛膜を少なくとも1層以上含み、第二、第四の金属膜がTiを主成分とする金属膜であり、該酸化亜鉛膜が、第一、第二、第三、第四の金属膜に接するように形成されたことを特徴とする熱線遮蔽積層体。

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