JP2006159247A - 摩擦攪拌接合用の加工プローブおよび接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の加工プローブでは、被接合材料同士の接合界面における温度分布にばらつきが生じ、これが接合強度の向上を阻む原因となっていた。
【解決手段】重合した被接合材料1,2に接触して回転させることにより、その摩擦熱で被接合材料1,2同士を接合する摩擦攪拌接合用の加工プローブP1であって、被接合材料1に接触する摺接面Sにおける摩擦熱の温度分布を均一化させる温度均一化手段を備えたことにより、被接合材料1,2同士の接合界面Aの温度分布を均一にし、これにより良好な接合状態を均一に有する接合界面領域を確保して接合強度の向上を実現した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、重合した被接合材料を摩擦攪拌接合により接合するのに用いられる加工プローブ、及びこのプローブを用いた摩擦攪拌接合方法に関するものである。
摩擦攪拌接合(FSW)では、図7に示すように、第1及び第2の被接合材料1,2を重合して、これらを図示しない拘束手段で保持し、次いで、第1の被接合材料1に加工プローブPの摺接面を所定圧力で接触させると共に、その反対側を治具Jで支持した後、加工プローブPを回転させる。これにより、摺接面と被接合材料1との間で摩擦熱が生じ、この摩擦熱により被接合材料1,2が部分的に溶融し、最終的に図8(c)に示すように被接合材料1,2同士が接合する。
上記の摩擦攪拌接合は、同種金属の接合だけでなく、異種金属の接合にも用いることが可能である。ここで、異種金属の接合では、例えば、アルミニウム合金と鋼とを接合する場合、その接合界面には高硬度で脆弱なFeAlやFeAlなどの金属間化合物が生成されることから、充分な継手強度を確保するには、金属間化合物の生成を抑制するための制御が必要であった。
特開2003−170280公報 溶接学会全国大会講演概要第73集(2003−10)P66〜P67
ところで、上記したような摩擦攪拌接合において、回転する加工プローブの摺接面は、回転中心からの距離が増すにつれて回転速度も大きくなり、回転速度が大きくなれば摩擦熱も高くなる。このため、従来の摩擦攪拌接合では、図8(a)(b)に接合界面Aの温度分布を示すように、加工プローブの回転中心からの距離rが大きくなるほど温度Tが高いものとなり、このような接合界面Aの温度分布のばらつきが接合強度の向上を阻む原因となっていた。なお、図8(b)は、接合界面Aにおける温度分布をハッチングの濃淡で示したものである。
また、例えば、アルミニウム合金と鋼との異種金属接合では、アルミニウム合金の表面には緻密で強固な酸化皮膜が形成されており、この酸化皮膜を除去するには接合時に大きな熱量を投入することが有効であるが、接合時に大きな熱量を投入すると、接合界面における金属間化合物が成長して接合強度が低下することが知られている。そして、このような異種金属の接合に従来の摩擦攪拌接合を適用すると、上記した接合界面の温度分布のばらつきに伴って接合界面での金属間化合物の生成状態にもばらつきが生じ、これによっても接合強度が低下するという問題点があった。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたもので、被接合材料同士の接合界面の温度分布を均一にすることにより、従来では部分的に存在していた良好な接合界面領域を広げ、これにより良好な接合状態を均一に有する接合界面領域を確保して接合強度の向上を実現することができ、また、異種金属の接合にも好適な摩擦攪拌接合用の加工プローブ及びこれを用いた摩擦攪拌接合方法を提供することを目的としている。
本発明の摩擦攪拌接合用の加工プローブは、重合した被接合材料に接触して回転させることにより、その摩擦熱で被接合材料同士を接合する摩擦攪拌接合用の加工プローブであって、被接合材料に接触する摺接面における摩擦熱の温度分布を均一化させる温度均一化手段を備えたことを特徴としている。
温度均一化手段は、摺接面の回転中心から外周部に至る間の回転速度〔(r;回転中心からの距離)×(ω;角速度)〕の相違に応じて、摺接面の摩擦係数(表面性状)を変化させたもの、摺接面の接触圧力を変化させたもの、摺接面の接触時間を変化させたもの、摺接面の接触面積を変化させたもの、及び摺接面の回転数を部分的に変化させたものや、回転速度の相違及び被接合材料の経時的な変化に応じて、摺接面の突出量を部分的に変化させたものを採用することができる。
本発明の摩擦攪拌接合方法は、重合した第1及び第2の被接合材料のいずれかに上記の加工プローブの摺接面を所定圧力で接触させ、この状態で加工プローブを回転させる。この際、当該接合方法では、温度均一化手段を備えた加工プローブの使用により、摺接面における摩擦熱の温度分布を均一化することで、被接合材料同士の接合界面の温度分布を均一にしながら、被接合材料を部分的に溶融して被接合材料同士を接合する。
また、本発明の摩擦攪拌接合方法は、第1の被接合材料と第2の被接合材料が、互いに異種金属であることを特徴とし、さらに、第1の被接合材料と第2の被接合材料の間にこれらの二種類の材料とは異なる第3の材料を介在させ、第1の被接合材料及び第2の被接合材料のうちの少なくともいずれか一方の材料と第3の材料との間の界面に共晶溶融を生じさせて第1の被接合材料と第2の被接合材料とを接合することを特徴としている。
本発明の摩擦攪拌接合用の加工プローブによれば、温度均一化手段の採用により、摺接面における摩擦熱の温度分布を均一化することで、被接合材料同士の接合界面の温度分布を均一にすることができ、これにより従来では部分的に存在していた良好な接合界面領域を拡大し、良好な接合状態を均一に有する接合界面領域を充分に確保して接合強度の向上を実現することができる。また、例えばアルミニウム合金と鋼といった異種金属の接合を行う場合には、接合界面での金属間化合物の生成状態を均一に抑制して、接合強度の向上を実現することができる。
本発明の摩擦攪拌接合方法によれば、加工プローブの摺接面における摩擦熱の温度分布の均一化に伴って、被接合材料同士の接合界面の温度分布を均一にし、これにより従来では部分的に存在していた良好な接合界面領域を拡大し、良好な接合状態を均一に有する接合界面領域を充分に確保して接合強度の向上を実現することができる。
また、上記の摩擦攪拌接合方法は、異種金属の接合に用いれば、接合界面での金属間化合物の生成状態を均一に抑制して、接合強度を向上させることができ、例えばアルミニウム合金と鋼との接合に用いれば、比較的低温状態で酸化皮膜を除去しつつ金属間化合物の生成を抑制して、良好な接合状態を均一に有する接合界面領域を確保することができ、接合強度の向上を実現することができる。
以下、図面に基づいて、本発明に係わる摩擦攪拌接合用の加工プローブ及び摩擦攪拌接合方法の実施例を説明する。
各実施例では、第1の被接合材料1及び第2の被接合材料2が互いに異種金属であり、第1の被接合材料1としてアルミニウム合金を用いると共に、第2の被接合材料2として鋼を用い、第1及び第2の被接合材料1,2の間にこれらの二種類の材料とは異なる第3の材料3を介在させたものとしている。
より具体的には、第1の被接合材料1として板厚1.0mmの6000系アルミニウム合金を用いると共に、第2の被接合材料2として板厚0.55mmの亜鉛めっき鋼板を用い、亜鉛めっき鋼板の亜鉛めっき層を第3の材料3とした。この際、亜鉛めっき層は、共晶溶融が生じるのに必要な最低厚さを有するものとした。
そして、摩擦攪拌接合方法においては、以下の実施例に示す加工プローブを用い、図7に示すように、重合した第1及び第2の被接合材料1,2の一方に加工プローブPの摺接面を所定圧力で接触させると共に、その反対側を治具Jで支持し、この状態で加工プローブPを回転させる。これにより、摺接面と被接合材料1との間で摩擦熱を生じさせ、第1の被接合材料1及び第2の被接合材料2のうちの少なくともいずれか一方の材料と第3の材料3との間の界面に共晶溶融を生じさせて、第1の被接合材料1と第2の被接合材料2とを接合する。
(実施例1)
図1に示す加工プローブP1は、円柱状を成すと共に、被接合材料に接触する摺接面Sにおける摩擦熱の温度分布を均一化させる温度均一化手段を備えており、温度均一化手段が、摺接面Sの回転中心から外周部に至る間の回転速度〔(r;回転中心からの距離)×(ω;角速度)〕の相違に応じて、同摺接面Sの摩擦係数(表面性状)を変化させたものとなっている。
より具体的には、摺接面Sでは、回転中心からの距離rが増すほど回転速度が大きくなり、これに伴って摩擦熱も高くなることから、摺接面Sを同心状の複数の分割面S1〜S7によって形成し、当該摺接面Sを被接合材料に圧接させた際の摩擦抵抗が中心から外側に向けて順次減少するように、個々の分割面S1〜S7の表面性状を異ならせている。
すなわち、この実施例では、摩擦係数(表面性状)を異ならせた分割面S1〜S7が温度均一化手段に相当する。
上記の加工プローブP1は、重合した第1及び第2の被接合材料1,2に対して、第1の被接合材料1に摺接面Sを所定圧力で接触させて回転することにより、その摩擦熱で第1及び第2の被接合材料1,2のうちの少なくともいずれか一方の材料と第3の材料3との間の界面に共晶溶融を生じさせ、図2(c)に示すように、第1の被接合材料1と第2の被接合材料2とを接合する。
このとき、加工プローブP1は、摺接面Sにおいて、回転中心からの距離rが増すほど回転速度が大きくなるが、同摺接面Sが中心から外側に向けて摩擦係数が順次減少する分割面S1〜S7で形成してあるので、回転速度が増しても摩擦係数を低くした分だけ発生する摩擦熱も小さくなる。これにより、全体として摺接面Sにおける温度分布が均一化され、図2(a)(b)に示すように、第1及び第2の被接合材料1,2同士の接合界面Aの温度分布が均一になる。
そして、上記の如く摺接面Sにおける摩擦熱の温度分布を均一化するのに伴って、被接合材料1,2同士の接合界面Aの温度分布を均一にすることで、従来では部分的に存在していた良好な接合界面領域を拡大し、良好な接合状態を均一に有する接合界面領域を充分に確保して接合強度の向上を実現することができ、とくに、アルミニウム合金と鋼との接合においては、比較的低温状態で酸化皮膜を除去しつつ金属間化合物の生成を抑制して、新生面同士の強固な接合状態を得ることができる。
(実施例2)
図3に示す加工プローブP2は、円柱状を成すと共に、被接合材料に接触する摺接面Sにおける摩擦熱の温度分布を均一化させる温度均一化手段を備え、温度均一化手段が、摺接面Sの回転中心から外周部に至る間の回転速度〔(r;回転中心からの距離)×(ω;角速度)〕の相違に応じて、同摺接面Sの接触圧力を変化させたものとなっている。
より具体的には、摺接面Sを同心状の複数の段差面S11〜S17によって形成している。これらの段差面S11〜S17は、当該摺接面Sを被接合材料に圧接させた際の接触圧力が中心から外側に向けて順次減少するように、中心から外側に向けて突出量が段階的に減少している。なお、図面では、理解し易くする都合上、各段差面S11〜S17の段差を大きく示したが、実際には段差をさらに小さくすることがある。
この実施例では、突出量の相違により接触圧力が異なる段差面S11〜S17が温度均一化手段に相当する。
上記の加工プローブP2は、摩擦攪拌接合において、被接合材料に摺接面Sを圧接させて回転した際に、接合面Sの回転中心から外周部に向けて回転速度が増大しても、夫々の段差面S11〜S17で接触圧力を低くした分だけ発生する摩擦熱も小さくなる。
これにより、全体として摺接面Sにおける温度分布が均一化され、被接合材料同士の接合界面(図2参照)の温度分布を均一にすることで、良好な接合状態を均一に有する接合界面領域を広く確保して接合強度の向上を実現し、とくに、アルミニウム合金と鋼との接合においては、比較的低温状態で酸化皮膜を除去しつつ金属間化合物の生成を抑制して、新生面同士の強固な接合状態を得ることができる。
(実施例3)
図4に示す加工プローブP3は、円柱状を成すと共に、被接合材料に接触する摺接面Sにおける摩擦熱の温度分布を均一化させる温度均一化手段を備えており、温度均一化手段が、摺接面Sの回転中心から外周部に至る間の回転速度〔(r;回転中心からの距離)×(ω;角速度)〕の相違に応じて、同摺接面Sの接触面積を変化させたものとなっている。
より具体的には、加工プローブP3は、その端面に設けた十字形の突出部10により、十字形の摺接面Scを有している。この摺接面Scは、被接合材料に圧接させた際の接触面積が中心から外側に向けて漸次減少するように、四方に延出する部分の幅Wが回転中心から外周部に向けて漸次減少している。
ここで、温度均一化手段として、摺接面Scの回転中心から外周部に至る間の回転速度の相違に応じて、同摺接面Scの接触面積を変化させるということは、摺接面Scの接触時間を変化させたものでもあり、上記の如く十字形の摺接面Scを設けることで、被接合材料に圧接させた際の接触時間が中心から外側に向けて漸次減少することとなる。
この実施例では、接触面積及び接触時間を変化させる十字形の摺接面Scの形状そのものが温度均一化手段に相当する。
上記の加工プローブP3は、摩擦攪拌接合において、被接合材料に摺接面Sを圧接させて回転した際に、接合面Sの回転中心から外周部に向けて回転速度が増大しても、十字形の摺接面Sで接触面積を減少させ且つ接触時間を短くした分だけ発生する摩擦熱も小さくなる。
これにより、全体として摺接面Sにおける温度分布が均一化され、被接合材料同士の接合界面(図2参照)の温度分布を均一にすることで、良好な接合状態を均一に有する接合界面領域を広く確保して接合強度の向上を実現し、とくに、アルミニウム合金と鋼との接合においては、比較的低温状態で酸化皮膜を除去しつつ金属間化合物の生成を抑制して、新生面同士の強固な接合状態を得ることができる。
(実施例4)
図5に示す加工プローブP4は、円柱状を成すと共に、被接合材料に接触する摺接面Sにおける摩擦熱の温度分布を均一化させる温度均一化手段を備えており、温度均一化手段が、摺接面Sの回転中心から外周部に至る間の回転速度〔(r;回転中心からの距離)×(ω;角速度)〕の相違に応じて、同摺接面Sの回転数を部分的に変化させたものとなっている。
より具体的には、加工プローブP4を同軸状の複数の構成部材B1〜B4で構成すると共に、各構成部材B1〜B4の端面を分割摺接面S21〜S24として、これらの分割摺接面S21〜S24で加工プローブP4の摺接面Sを形成している。そして、各構成部材B1〜B4は、個別に回転可能であると共に、被接合材料に圧接させた際の回転数が中心から外側に向けて順次減少するように、図示しない基端部側に減速機構を備えている。この減速機構は、例えば、中心の構成部材B1の回転軸を駆動軸とし、その他の構成部材B2〜B4の夫々の回転軸を従動軸として、駆動軸と各従動軸の間に適宜の歯車を介装したものである。
この実施例では、摺接面Sの回転数を部分的に変化させるための構成部材B1〜B4、夫々の分割摺接面S21〜S24、及び減速機構が温度均一化手段に相当する。
上記の加工プローブP4は、摩擦攪拌接合において、被接合材料に摺接面Sを圧接させて回転した際に、各分割摺接面S21〜S24の回転数を中心から外側に向けて順次減少させることで、各分割摺接面S21〜S24の回転速度をほぼ均等にすることができ、これにより発生する摩擦熱もほぼ均等となる。
これにより、全体として摺接面Sにおける温度分布が均一化され、被接合材料同士の接合界面(図2参照)の温度分布を均一にすることで、良好な接合状態を均一に有する接合界面領域を広く確保して接合強度の向上を実現し、とくに、アルミニウム合金と鋼との接合においては、比較的低温状態で酸化皮膜を除去しつつ金属間化合物の生成を抑制して、新生面同士の強固な接合状態を得ることができる。
なお、上記構成の場合には、各構成部材B1〜B4を個別に回転駆動可能にすれば、接合過程における被接合材料の経時的な変化に応じて、夫々の構成部材B1〜B4の回転数(回転速度)を個別に制御することも可能である。
(実施例5)
図6に示す加工プローブP5は、円柱状を成すと共に、被接合材料に接触する摺接面Sにおける摩擦熱の温度分布を均一化させる温度均一化手段を備えており、温度均一化手段が、摺接面Sの回転中心から外周部に至る間の回転速度〔(r;回転中心からの距離)×(ω;角速度)〕の相違、及び被接合材料の経時的な変化に応じて、同摺接面Sの突出量を部分的に変化させたものとなっている。
より具体的には、加工プローブP5を同軸状の複数の構成部材B11〜B17で構成すると共に、各構成部材B11〜B17の端面を分割摺接面S31〜S37として、これらの分割摺接面S31〜S37で加工プローブP5の摺接面Sを形成している。そして、各構成部材B11〜B37は、個別に軸線方向に沿って往復動可能であると共に、被接合材料に圧接させた際に夫々の分割摺接面S31〜S37の突出量を調整し得るように、図示しない基端部側に進退機構を備えている。
この実施例では、摺接面Sの突出量を部分的に変化させるための構成部材B11〜B17、夫々の分割摺接面S31〜S37、及び構成部材B11〜B17の進退機構が温度均一化手段に相当する。
上記の加工プローブP5は、摩擦攪拌接合において、被接合材料に摺接面Sを圧接させて回転した際に、図示の如く中心から外側に向けて各分割摺接面S31〜S37の突出量を順次減少させておくことで、実施例2(図3参照)と同様に、中心から外側に向けて各分割摺接面S31〜S37の接触圧力が順次減少したものとなる。
これにより、各分割摺接面S31〜S37で接触圧力を低くした分だけ発生する摩擦熱も小さいものとなり、全体として摺接面Sにおける温度分布が均一化され、被接合材料同士の接合界面(図2参照)の温度分布も均一になり、とくに、アルミニウム合金と鋼との接合においては、比較的低温状態で酸化皮膜を除去しつつ金属間化合物の生成を抑制して、新生面同士の強固な接合状態を得ることができる。
また、上記の加工プローブP5は、接合過程における被接合材料の軟化等の状態変化に応じて、各分割摺接面S31〜S37の突出量(接触圧力)を調整することで、摺接面Sにおける温度分布のさらなる均一化を実現し、良好な接合状態を均一に有する接合界面領域をより充分に確保して接合強度をより一層高めることができる。
なお、本発明の摩擦攪拌接合用の加工プローブ及び摩擦攪拌接合方法は、その詳細な構成が上記各実施例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施例1や実施例2では、摺接面の摩擦係数や接触圧力が段階的に変化するものとしたが、摩擦係数や接触圧力を連続的に変化させた構成にすることもできる。また、各実施例の構成を組合わせることも可能である。
さらに、上記各実施例では、アルミニウム合金と鋼(亜鉛めっき鋼板)との接合を例示したが、それ以外の金属同士の接合にも適用可能である。また、第1の被接合材料をアルミニウム合金とし、第2の被接合材料を鋼とした場合、第3の材料としては、アルミニウム合金と低融点共晶を形成する材料を用いることが望ましく、例えば、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、スズ(Sn)、銀(Ag)及びニッケル(Ni)などが挙げられる。
本発明に係わる加工プローブの一実施例を説明する側面図(a)及び摺接面の平面図(b)である。 図1に示す加工プローブで摩擦攪拌接合を行った際の接合界面の温度分布を示すグラフ(a)、接合界面の温度分布をハッチングの濃淡で示す説明図(b)及び接合部分の断面図(c)である。 本発明に係わる加工プローブの他の実施例を説明する側面図である。 本発明に係わる加工プローブのさらに他の実施例を説明する摺接面の斜視図(a)、側面図(b)及び摺接面の平面図(c)である 本発明に係わる加工プローブのさらに他の実施例を説明する側面図(a)及び摺接面の平面図(b)である。 本発明に係わる加工プローブのさらに他の実施例を説明する側面図である。 摩擦攪拌接合を説明する概略的な斜視図である。 従来の加工プローブで摩擦攪拌接合を行った際の接合界面の温度分布を示すグラフ(a)、接合界面の温度分布をハッチングの濃淡で示す説明図(b)及び接合部分の断面図(c)である。
符号の説明
1 第1の被接合材料
2 第2の被接合材料
3 第3の材料
A 接合界面
P 加工プローブ
P1〜P5 加工プローブ
S 摺接面
Sc 十字形の摺接面(温度均一化手段)
S1〜S7 分割面(温度均一化手段)
S11〜S17 段差面 (温度均一化手段)
S21〜S24 分割摺接面(温度均一化手段)
S31〜S37 分割摺接面(温度均一化手段)
B1〜B4 構成部材(温度均一化手段)
B11〜B17 構成部材(温度均一化手段)

Claims (10)

  1. 重合した被接合材料に接触して回転させることにより、その摩擦熱で被接合材料同士を接合する摩擦攪拌接合用の加工プローブであって、被接合材料に接触する摺接面における摩擦熱の温度分布を均一化させる温度均一化手段を備えたことを特徴とする摩擦攪拌接合用の加工プローブ。
  2. 温度均一化手段が、摺接面の回転中心から外周部に至る間の回転速度の相違に応じて、同摺接面の摩擦係数を変化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合用の加工プローブ。
  3. 温度均一化手段が、摺接面の回転中心から外周部に至る間の回転速度の相違に応じて、同摺接面の接触圧力を変化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合用の加工プローブ。
  4. 温度均一化手段が、摺接面の回転中心から外周部に至る間の回転速度の相違に応じて、同摺接面の接触時間を変化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合用の加工プローブ。
  5. 温度均一化手段が、摺接面の回転中心から外周部に至る間の回転速度の相違に応じて、同摺接面の接触面積を変化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合用の加工プローブ。
  6. 温度均一化手段が、摺接面の回転中心から外周部に至る間の回転速度の相違に応じて、同摺接面の回転数を部分的に変化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合用の加工プローブ。
  7. 温度均一化手段が、摺接面の回転中心から外周部に至る間の回転速度の相違及び被接合材料の経時的な変化に応じて、同摺接面の突出量を部分的に変化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合用の加工プローブ。
  8. 第1の被接合材料と第2の被接合材料とを摩擦攪拌接合により接合するに際し、請求項1〜7のいずれかに記載の加工プローブを用いたことを特徴とする摩擦攪拌接合方法。
  9. 第1の被接合材料と第2の被接合材料が、互いに異種金属であることを特徴とする請求項8に記載の摩擦攪拌接合方法。
  10. 第1の被接合材料と第2の被接合材料の間にこれらの二種類の材料とは異なる第3の材料を介在させ、第1の被接合材料及び第2の被接合材料のうちの少なくともいずれか一方の材料と第3の材料との間の界面に共晶溶融を生じさせて第1の被接合材料と第2の被接合材料とを接合することを特徴とする請求項9に記載の摩擦攪拌接合方法。
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