JP2003266182A - 異種金属材料の摩擦攪拌接合方法 - Google Patents

異種金属材料の摩擦攪拌接合方法

Info

Publication number
JP2003266182A
JP2003266182A JP2002071796A JP2002071796A JP2003266182A JP 2003266182 A JP2003266182 A JP 2003266182A JP 2002071796 A JP2002071796 A JP 2002071796A JP 2002071796 A JP2002071796 A JP 2002071796A JP 2003266182 A JP2003266182 A JP 2003266182A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deformation resistance
rotor
work
joining
welding method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002071796A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Fuji
明良 冨士
Kenji Ikeuchi
建二 池内
Hideki Fujii
秀樹 藤井
Satoru Asai
知 浅井
Kazuyuki Tsuchiya
和之 土屋
Yuichi Komizo
裕一 小溝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JAPAN SPACE UTILIZATION PROMOTION CENTER
Toshiba Corp
IHI Corp
Nippon Steel Corp
Original Assignee
JAPAN SPACE UTILIZATION PROMOTION CENTER
Toshiba Corp
IHI Corp
Nippon Steel Corp
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JAPAN SPACE UTILIZATION PROMOTION CENTER, Toshiba Corp, IHI Corp, Nippon Steel Corp, Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical JAPAN SPACE UTILIZATION PROMOTION CENTER
Priority to JP2002071796A priority Critical patent/JP2003266182A/ja
Publication of JP2003266182A publication Critical patent/JP2003266182A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変形抵抗(強度)が互いに異なる2種類の異
種金属ワークからなり、高い接合強度を有する継手を作
製する方法を提供する。 【解決手段】 高変形抵抗ワークの上に低変形抵抗ワー
クを重ね、低変形抵抗ワークの表面から円柱状回転子プ
ローブを挿入し、その後摩擦攪拌することによって両材
料を接合する方法において、低変形抵抗ワークの厚さを
t1、高変形抵抗ワークの厚さをt2、円柱状回転子肩
部の直径をD、回転子プローブの長さをL、回転子プロ
ーブの直径をdとしたとき、0.7≦L/t1<1.0
かつd/L>1.0を満たす条件で接合することを特徴
とする。特に、0.7≦L/t1≦0.8のとき、0.
4≦d/D≦0.6、0.8<L/t1≦0.95のと
き、0.2≦d/D≦0.4であると、強固な接合継手
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、異種金属材料の
接合方法に関するもので、詳しくは鉄道車両や自動車な
どの輸送機器、重電・弱電気機器などの各種分野におい
て用いられる異種金属材料の摩擦攪拌接合方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境を守るための意識が高ま
っており、産業界においては、製品の軽量化が最重要課
題となっている。特に自動車においては、排出ガス量の
低減、すなわち燃料消費率の向上が大きな課題となって
おり、従来鉄鋼材料が用いられてきた部品に、比強度の
高いアルミニウム、マグネシウム、チタンおよびこれら
の合金などの材料が用いられることが多くなってきた。
またそれに伴って、鉄鋼材料と上記軽量材料を、あるい
は軽量材料同士を接合する必要も増えてきた。
【0003】しかし、多くの異種金属材料の接合に溶融
溶接法を適用すると、非常に脆弱な金属間化合物相から
なる異相が生成して割れを生じることが多く、そのた
め、工業的に広く使用されているアーク溶接を代表とす
る溶融溶接法を用いた接合は事実上不可能とされてい
る。そこで、拡散接合法などの溶融層を形成しない固相
接合法の適用が試みられているが、この固相接合法を利
用しても、ワークの組み合わせによっては接合困難なこ
とが多い。
【0004】この解決の手段の一つとして、ワーク間に
インサート材を挿入したり、あるいはワーク表面に処理
を施して接合するなどの方法が取られているが、これら
の方法を用いると、接合工程が増えるためコストが著し
く高くなると言う問題が生じる。また、適切なインサー
ト材が存在しない場合も多く、たとえ適当なインサート
材が存在しても、接合可能な条件がせまく実用的でない
場合が多い。
【0005】ところで、近年、摩擦攪拌接合法と呼ばれ
るワークを固相状態で接合することを可能ならしめる接
合法が注目されている。この摩擦攪拌接合法では、二つ
以上のワークを、図3に示すような円柱状回転子1を攪
拌ツールとして用いる。この円柱状回転子1は、円柱状
回転子本体2の先端に、これよりも小径のピン状の摩擦
攪拌用プローブ(回転子プローブ)3を同軸一体に突設
させたもので、硬質で耐熱性に優れた工具鋼などの材料
にて製作されている。
【0006】接合は次の手順にて行われる。まず、この
回転子1を自軸回りで回転させながら、プローブ3をワ
ーク5および6の突き合わせ境界部7に押付け、その摩
擦熱で当該部分を軟化可塑化させる。次に、回転子1を
更にワーク5および6に押し付けて、プローブ3をワー
ク5および6の突き合わせ部の肉厚方向に挿入(穿孔)
させ、円柱状回転子本体2の先端の肩部4をワーク5お
よび6の表面に押付け状態にする。しかる後、その状態
を維持しながら、回転子1をワーク5および6の突き合
わせ境界部7に沿って矢印9(図3(b) )の方向に移動
させる。
【0007】回転子1が進行する突き合わせ部7では、
周辺の材料が、回転子1の回転による摩擦熱で軟化攪拌
され、かつ円柱状回転子本体2の肩4にて飛散を規制さ
れながらプローブ3の通過溝を埋めるように塑性流動し
たのち、熱を急速に失って冷却硬化される。こうして、
突き合わせ部7において、材料の軟化、密着変形、攪
拌、冷却硬化が回転子1の移動に伴って順次繰り返され
て、回転子の通過部では、ワーク5および6が互いに一
体化され、順次接合部8が形成されて接合されていく。
【0008】この摩擦攪拌接合法は、比較的新しい接合
法であるが、板状のアルミニウムあるいはアルミニウム
合金系同種材料間の接合に多く利用されるようになって
おり、鉄道車両外板用の大型板材の製造にも実地適用さ
れて、高品質の確保および製造コストの多大な削減に成
果を挙げている。そのため、今後も工業的に威力を発揮
し得る接合法として大いに期待されている。
【0009】最近では、上記の摩擦攪拌接合方法を、物
理的および機械的特性の大きく異なる二種類の異種金属
製ワークの接合に適用すべく努力も払われているが、両
材料の物性が大きく異なることから攪拌が十分に行われ
ず未接合部が発生しやすく、機械的特性の高い継手が得
難いという問題がある。さらに、変形抵抗(強度)の高
いワークでは、円柱状回転子の摩耗が激しく回転子の寿
命が短くなるという問題も生じる。そのため、異種金属
製ワークの接合への摩擦攪拌接合法の適用も困難とされ
ている。
【0010】この対策として、特許第3081817号
(特開平11−58040号公報)に、ワークの融点や
再結晶温度に着目し、両ワークを同時に加熱/又は冷却
することで、高融点側ワークに加熱温度のピークを位置
させる一方、低融点ワークの再結晶温度以上で融点以下
の温度で接合する方法が開示されている。この方法で
は、確かに性質、特に変形抵抗の異なる異種金属ワーク
同士を接合しやすくなるが、温度ピーク位置や温度制御
が難しく、少しでも逸脱すると高融点ワークが変形し難
くなり、低融点ワークのみが変形し、攪拌が十分行われ
なくなり、結局健全な継手が得られないという問題があ
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の背景に鑑み、本
発明は、アルミニウム系材料(低変形抵抗ワーク)と鉄
鋼系材料(高変形抵抗ワーク)のように物理的及び機械
的特性が互いに大きく異なる金属製ワークからなり、十
分な機械的特性を有する継手を高能率に得ることが可能
な、異種金属材料の摩擦攪拌接合方法を提供しようとす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、摩擦攪拌
接合方法を用いた異種金属ワーク(被接合材料)間の接
合方法について研究を重ねた結果、ワークの会合状態を
工夫し、さらに円柱状回転子の挿入(穿孔)条件を厳密
に規定することにより、物理的および機械的特性が大き
く異なるために従来困難とされてきた低変形抵抗ワーク
と高変形抵抗ワークからなる異種金属継手を、摩擦攪拌
接合法により作製可能とする方法に到達した。
【0013】本発明はかかる知見に基づいて完成された
もので、その要旨とするところは以下の通りである。 (1)高変形抵抗ワークの上に低変形抵抗ワークを重
ね、低変形抵抗ワークの表面から円柱状回転子プローブ
を挿入し、その後摩擦攪拌することによって両材料を接
合する方法において、低変形抵抗ワークの厚さをt1、
高変形抵抗ワークの厚さをt2、円柱状回転子肩部の直
径をD、回転子プローブの長さをL、回転子プローブの
直径をdとしたとき、0.7≦L/t1<1.0かつd
/L>1.0を満たすことを特徴とする、異種金属材料
の摩擦攪拌接合方法。 (2)上記(1)記載の方法において、0.7≦L/t
1≦0.8のとき、0.4≦d/D≦0.6であること
を特徴とする、異種金属材料の摩擦攪拌接合方法。 (3)上記(1)記載の方法において、0.8<L/t
1≦0.95のとき、0.2≦d/D≦0.4であるこ
とを特徴とする、異種金属材料の摩擦攪拌接合方法。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、請求項1に係る発明(以
下、本発明1という。)では、図1に示すように、高変
形抵抗ワーク22の上に低変形抵抗ワーク21を置く。
このとき、両材料の重ねしろ25は、円柱状回転子肩部
直径30(D)と同程度以上であればよいが、より安定
な接合のためには、概ね2〜3倍以上を目安に取ること
が望ましい。
【0015】次に、低変形抵抗ワーク21の上表面から
円柱状回転子26の回転子プローブ27を低変形抵抗ワ
ーク21中に回転させながら穿孔させる。この際、低変
形抵抗ワーク21の厚さをt1、高変形抵抗ワーク22
の厚さをt2、円柱状回転子肩部の直径30をD、回転
子プローブ27の長さ28をL、回転子プローブ27の
直径29をdとしたとき、0.7≦L/t1<1.0か
つd/L>1.0を満たしながら接合することとした。
【0016】この条件を満たすことにより、図2に示す
ように、回転子プローブの周囲に適度な攪拌領域31が
発生し、脆弱な金属間化合物を生成させることなく、低
変形抵抗ワーク21と高変形抵抗ワーク22の両異種金
属からなる混合攪拌領域32を発生させ、両金属を接合
させることが可能となる。
【0017】L/t1<0.7の場合、あるいは0.7
≦L/t1<1.0であってもd/L<1.0の場合、
低変形抵抗ワーク攪拌領域31が十分発生しないため、
両金属にまたがる混合攪拌領域32が発生しなかったり
狭くなり、接合できなかったり、接合されても十分な強
度が得られない。また、L/t1≧1.0の場合、低変
形抵抗と高変形抵抗の二つのワークの混合攪拌領域32
が大きくなりすぎる結果、脆弱な金属間化合物相が形成
し、接合部が硬化しすぎて割れが生じやすくなり、破断
しやすくなる。このとき、硬い金属間化合物相が生成す
ることで、円柱状回転子の寿命が著しく短くなるという
欠点も生じる。
【0018】請求項2に係る発明(以下、本発明2とい
う。)では、本発明1にて0.7≦L/t1≦0.8の
とき、0.4≦d/D≦0.6であることとした。ま
た、請求項3に係る発明(以下、本発明3という。)で
は、本発明1にて0.8<L/t1≦0.95のとき、
0.2≦d/D≦0.4であることとした。これらの条
件を満たすことにより、両金属ワーク材料の混合攪拌領
域がさらに適切なものとなり、さらに機械的性質の高い
異種金属接合継手を作製することができる。
【0019】0.7≦L/t1≦0.8の場合、d/D
>0.4では、混合攪拌領域32がやや狭く必ずしも最
適な接合状態には至らず、機械的性質の改善は小さい。
また、d/D>0.6では、低変形抵抗と高変形抵抗の
二つのワークの両材料混合攪拌領域32がやや大きくな
り、こちらも最適な接合状態には至らず、機械的性質の
改善は小さい。
【0020】また、0.8<L/t1≦0.95の場
合、d/D<0.2では、混合攪拌領域32がやや狭く
必ずしも最適な接合状態には至らず、機械的性質の改善
は小さい。また、d/D>0.4では、低変形抵抗と高
変形抵抗の二つのワークの両材料混合攪拌領域32がや
や大きくなり、こちらも最適な接合状態には至らず、機
械的性質の改善は小さい。
【0021】本発明は、上述のように、脆弱な金属間化
合物相の生成を防ぎつつ、低変形抵抗ワークと高変形抵
抗ワークを接合することを可能とするものである。そし
て、接合部に割れが発生し難いなど、高い機械的性質を
有する接合部を得ることを可能とするものである。ま
た、強度の高い、すなわち硬さの大きい高変形抵抗ワー
クの攪拌を直接行わないため、円柱状回転子の摩耗を大
きく抑制することもでき、工具寿命が長くなるという利
点も享受できる。
【0022】
【実施例】次に、この発明による異種金属材料の摩擦攪
拌接合方法の具体的な実施の形態について、変形抵抗の
著しく異なるアルミニウムのワーク(低変形抵抗材料)
と炭素鋼ワーク(高変形抵抗材料)の接合を例に説明す
る。アルミニウム板は厚さ3mm(t1)であり、室温
での引張強さは95N/mm2 、降伏強さは50N/m
2 である。炭素鋼板は厚さが4mm、室温最高引張強
さが440N/mm2 、降伏強さは232N/mm2
ある。円柱状回転子はJIS G 4404 合金工具
鋼SKD61を1025℃で加熱後空冷して焼入れた
後、225℃で焼戻した状態で作製したものを用いた。
また、円柱状回転子肩部の直径はD=15mmとした。
【0023】(試験1)図1に示すように、適当な作業
台24の上に置いた炭素鋼ワーク22の上にアルミニウ
ムワーク21を置き、さらに、両ワークを適当な抑え治
具(図示せず)で固定した。重ねしろ25は、この実験
例では使用した円柱状回転子26の肩部直径30が15
mmであるので、その2〜3倍の範囲の40mmとし
た。このとき、アルミニウムワーク21を支えるため
に、炭素鋼ワーク22と同じ厚さの適当な板23を間隙
用支え板として挿入した。上部ワークは、他のいかなる
方法で支えてもよく、特に今回用いた方法、すなわち支
え板を使用する方法は本発明を制約するものではない。
円柱状回転子26の回転速度は毎分1000回転とし
た。
【0024】次に、アルミニウムワークの上から円柱状
回転子を炭素鋼ワーク近傍まで上記回転速度で回転させ
ながら挿入(穿孔)し、所定の時間、回転後、重ね部に
沿って移動させた。このときの移動速度は毎分150m
mとした。そして、円柱状回転子26の回転子プローブ
27の直径dと長さLを種々変化させて、接合試験を行
った。
【0025】接合継手の機械的性質は、接合方向に垂直
な方向に切り出した短冊状試験片の曲げ試験(側曲げ試
験)により評価した。すなわち、上部および下部ワーク
の板厚の合計t1+t2をtとしたときの、曲げ半径3
tでの90度曲げ試験における接合部の割れ発生の有無
を判定した。
【0026】表1に試験結果を示す。本発明1の実施例
である、試験番号4、5、7、8はいずれも接合可能で
あったばかりか、90度曲げ試験においても割れは発生
しておらず、優れた機械的性質を有しており、本発明の
効果が十分に達成されていた。
【0027】これに対し、L/t1の値が0.67で、
本発明の下限値0.7よりも小さかった試験番号1およ
び2は、d/Lの値に関係無く、いずれの試験番号にお
いても攪拌が十分に行われないことから十分な接合状態
が得られなかった。つまり、健全な接合継手の作製は不
可能であった。
【0028】また、試験番号3および6は、L/t1の
値が各々0.73、0.97であり、本発明で規定され
ている範囲内であったが、d/Lの値が各々0.95、
0.97で、本発明で規定されているd/L>1.0の
条件を満たしていなかったため、接合されてはいるもの
の、混合攪拌領域が狭く接合部が僅かとなり、90度曲
げ試験において破断してしまった。また、試験番号9お
よび10は、L/t1の値が1.03で、本発明で規定
された範囲を超えてしまったため、接合は可能であった
ものの、90度曲げ試験で、接合部が破断してしまっ
た。
【0029】
【表1】
【0030】(試験2)0.7≦L/t1≦0.8の条
件を満たす範囲で、試験1と全く同じ要領で接合継手を
作製し、90度曲げおよび180度曲げの2種類の曲げ
試験を行い、機械的性質を評価した。
【0031】表2に試験結果を示す。本発明2の実施
例、すなわち0.4≦d/D≦0.6を満たす、試験番
号12、13、17、18は、いずれも90度曲げで割
れが発生しなかったばかりか、180度曲げにおいても
割れが発生せず、きわめて高い機械的性質を有してい
た。すなわち、本発明2の効果が如何なく発揮されてい
た。
【0032】これに対し、試験番号11、14、15、
16、19は、いずれも90度曲げでは割れが発生せ
ず、本発明1の効果は達成されていたが、180度曲げ
においては割れを生じてしまった。これは、試験番号1
1、16では、d/Dの値が本発明2の下限値0.4を
下回ったため、混合攪拌領域がやや狭くなり、必ずしも
最適な接合状態には至らず、機械的性質の改善が小さく
なってしまったためである。また、試験番号14、1
5、19では、d/Dの値が本発明2の上限値0.6を
上回ったため、低変形抵抗と高変形抵抗の二つのワーク
の両材料混合攪拌領域がやや大きくなり、こちらも最適
な接合状態には至らず、機械的性質の改善は小さくなっ
てしまった。
【0033】
【表2】
【0034】(試験3)0.8<L/t1≦0.95の
条件を満たす範囲で、試験1と全く同じ要領で接合継手
を作製し、90度曲げおよび180度曲げの2種類の曲
げ試験を行い、機械的性質を評価した。
【0035】表3に試験結果を示す。本発明3の実施
例、すなわち0.2≦d/D≦0.4を満たす、試験番
号21、22、25、26は、いずれも90度曲げで割
れが発生しなかったばかりか、180度曲げにおいても
割れが発生せず、きわめて高い機械的性質を有してい
た。すなわち、本発明3の効果が如何無く発揮されてい
た。
【0036】これに対し、試験番号20、23、24、
27は、いずれも90度曲げでは割れが発生せず、本発
明1の効果は達成されていたが、180度曲げにおいて
は割れを生じてしまった。これは、試験番号20、24
では、d/Dの値が本発明3の下限値0.2を下回った
ため、混合攪拌領域がやや狭くなり必ずしも最適な接合
状態には至らず、機械的性質の改善が小さくなってしま
ったためである。また、試験番号23、27は、d/D
の値が本発明3の上限値0.4を上回ったため、低変形
抵抗と高変形抵抗の二つのワークの両材料混合攪拌領域
がやや大きくなり、こちらも最適な接合状態には至ら
ず、機械的性質の改善は小さくなってしまった。
【0037】
【表3】
【0038】以上、アルミニウムと炭素鋼の場合を例に
本発明について説明したが、このように極端に物理的お
よび機械的特性の大きく異なる異種金属の組み合せにお
いて、本発明は極めて有効であり、これら以外の異種材
料の接合に対しても広く適用が可能である。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明を適用することに
より、物理的性質や機械的性質が互いに大きく異なる金
属製ワークからなり、優れた機械的特性を有する継手
を、高能率に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による異種金属製ワーク間の摩擦攪拌接
合方法における基本実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明による異種金属製ワーク間の摩擦攪拌接
合部の拡大断面説明図である。
【図3】摩擦攪拌接合法の基本原理を示すもので、
(a)は断面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
1:円柱状回転子(攪拌ツール) 2:円柱状回転子本体 3:摩擦攪拌用ピン状プローブ 4:円柱状回転子本体先端の肩部 5:ワーク 6:ワーク 7:突き合わせ部 8:接合部 9:円柱状回転子の移動方向 21:低変形抵抗ワーク 22:高変形抵抗ワーク 23:間隙用支え板 24:支持台 25:重ねしろ 26:円柱状回転子(攪拌ツール) 27:円柱状回転子のプローブ 28:円柱状回転子の回転子プローブの長さ(L) 29:円柱状回転子回転子プローブの直径(d) 30:円柱状回転子肩部の直径(D) 31:ピン状プローブによる摩擦攪拌領域 32:両材料の混合攪拌領域
フロントページの続き (71)出願人 000002118 住友金属工業株式会社 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 (71)出願人 591121915 財団法人宇宙環境利用推進センター 東京都新宿区西早稲田3丁目30番16号 (72)発明者 冨士 明良 北海道北見市東陵町167−38 (72)発明者 池内 建二 大阪府茨木市美穂ケ丘11−1 大阪大学 接合科学研究所内 (72)発明者 藤井 秀樹 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 浅井 知 横浜市鶴見区末広町2−4 株式会社東芝 京浜事業所内 (72)発明者 土屋 和之 横浜市磯子区新中原町1 石川島播磨重工 業株式会社生産技術開発センター内 (72)発明者 小溝 裕一 大阪市中央区北浜4−5−33 住友金属工 業株式会社内 Fターム(参考) 4E067 AA02 AA05 AA26 BG00 DA13 DA17 EA04 EA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高変形抵抗ワークの上に低変形抵抗ワー
    クを重ね、低変形抵抗ワークの表面から円柱状回転子プ
    ローブを挿入し、その後摩擦攪拌することによって両材
    料を接合する方法において、低変形抵抗ワークの厚さを
    t1、高変形抵抗ワークの厚さをt2、円柱状回転子肩
    部の直径をD、回転子プローブの長さをL、回転子プロ
    ーブの直径をdとしたとき、0.7≦L/t1<1.0
    かつd/L>1.0を満たすことを特徴とする、異種金
    属材料の摩擦攪拌接合方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、0.7≦
    L/t1≦0.8のとき、0.4≦d/D≦0.6であ
    ることを特徴とする、異種金属材料の摩擦攪拌接合方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法において、0.8<
    L/t1≦0.95のとき、0.2≦d/D≦0.4で
    あることを特徴とする、異種金属材料の摩擦攪拌接合方
    法。
JP2002071796A 2002-03-15 2002-03-15 異種金属材料の摩擦攪拌接合方法 Withdrawn JP2003266182A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002071796A JP2003266182A (ja) 2002-03-15 2002-03-15 異種金属材料の摩擦攪拌接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002071796A JP2003266182A (ja) 2002-03-15 2002-03-15 異種金属材料の摩擦攪拌接合方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003266182A true JP2003266182A (ja) 2003-09-24

Family

ID=29201985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002071796A Withdrawn JP2003266182A (ja) 2002-03-15 2002-03-15 異種金属材料の摩擦攪拌接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003266182A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006102805A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Mazda Motor Corp 摩擦接合装置の回転ツール
JP2006130521A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Mazda Motor Corp 摩擦点接合方法及びそれによって得られた構造体
JP2006150417A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Mazda Motor Corp 摩擦点接合方法
WO2008023500A1 (fr) * 2006-08-21 2008-02-28 Osaka University procédé pour travailler des éléments métalliques et des structures métalliques
WO2011125376A1 (ja) * 2010-04-02 2011-10-13 本田技研工業株式会社 異種材接合体及びその接合方法
CN103894724A (zh) * 2014-03-13 2014-07-02 哈尔滨工业大学 铝钢异种材料搭接的钢表面毛化辅助搅拌摩擦焊方法
JP2015100846A (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 スズキ株式会社 パネル部品の接合方法
CN105033475A (zh) * 2015-09-18 2015-11-11 哈尔滨工业大学 用于铝钢材料对接的钢侧高频感应加热搅拌摩擦焊方法
CN107042359A (zh) * 2016-02-05 2017-08-15 株式会社东芝 摩擦搅拌接合方法及接合体

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006102805A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Mazda Motor Corp 摩擦接合装置の回転ツール
JP4505855B2 (ja) * 2004-10-08 2010-07-21 マツダ株式会社 摩擦接合装置の回転ツール
JP2006130521A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Mazda Motor Corp 摩擦点接合方法及びそれによって得られた構造体
JP4507835B2 (ja) * 2004-11-04 2010-07-21 マツダ株式会社 摩擦点接合方法及びそれによって得られた構造体
JP2006150417A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Mazda Motor Corp 摩擦点接合方法
JP4496942B2 (ja) * 2004-11-30 2010-07-07 マツダ株式会社 摩擦点接合方法
WO2008023500A1 (fr) * 2006-08-21 2008-02-28 Osaka University procédé pour travailler des éléments métalliques et des structures métalliques
CN102821906A (zh) * 2010-04-02 2012-12-12 本田技研工业株式会社 异种件接合体及其接合方法
WO2011125376A1 (ja) * 2010-04-02 2011-10-13 本田技研工業株式会社 異種材接合体及びその接合方法
US9333590B2 (en) 2010-04-02 2016-05-10 Honda Motor Co., Ltd. Joined heterogeneous materials and joining method therefor
JP2015100846A (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 スズキ株式会社 パネル部品の接合方法
CN103894724A (zh) * 2014-03-13 2014-07-02 哈尔滨工业大学 铝钢异种材料搭接的钢表面毛化辅助搅拌摩擦焊方法
CN103894724B (zh) * 2014-03-13 2016-10-19 哈尔滨工业大学 铝钢异种材料搭接的钢表面毛化辅助搅拌摩擦焊方法
CN105033475A (zh) * 2015-09-18 2015-11-11 哈尔滨工业大学 用于铝钢材料对接的钢侧高频感应加热搅拌摩擦焊方法
CN107042359A (zh) * 2016-02-05 2017-08-15 株式会社东芝 摩擦搅拌接合方法及接合体
CN107042359B (zh) * 2016-02-05 2019-07-16 株式会社东芝 摩擦搅拌接合方法及接合体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5258154B2 (ja) アルミニウム合金物品を形成するための方法、およびアルミニウム合金物品の延性を向上させるための方法
Watanabe et al. Joining of aluminum alloy to steel by friction stir welding
CN107848065B (zh) 摩擦焊接方法
JP6497451B2 (ja) 摩擦撹拌接合方法および装置
TWI748660B (zh) 雙面摩擦攪拌接合方法、冷軋鋼帶和鍍覆鋼帶的製造方法、雙面摩擦攪拌接合裝置、冷軋鋼帶和鍍覆鋼帶的製造設備
EP1291115A2 (en) Interface preparation for weld joints
US20070175967A1 (en) High integrity welding and repair of metal components
JP2003170280A (ja) 異種金属材料の接合方法
JP6332561B2 (ja) 構造用鋼の摩擦撹拌接合方法及び装置
TWI783095B (zh) 使用熱噴覆層之多階段接合方法
JP2020124739A (ja) 両面摩擦攪拌接合方法および両面摩擦攪拌接合装置
JP2003266182A (ja) 異種金属材料の摩擦攪拌接合方法
KR101007592B1 (ko) 하이브리드 마찰 교반 접합장치
Cao et al. Microstructures and mechanical properties of laser offset welded 5052 aluminum to press-hardened steel
WO2004004962A1 (en) Manufacturing method of butt joint, butt joint, manufacturing method of bent member, and friction stir joining method
JP6332562B2 (ja) 構造用鋼の摩擦撹拌接合方法及び装置
CN1990155A (zh) 用于卷材连续生产工艺的激光焊接法
KR101276334B1 (ko) 하이브리드 마찰교반에 의한 알루미늄 합금과 티타늄 합금의 접합방법
KR101047877B1 (ko) 하이브리드 마찰 교반 접합시스템을 이용한 이종재료 접합방법
JP2002283070A (ja) 異種金属材料の摩擦撹拌接合方法
JP2009241084A (ja) 接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法
JP7242112B2 (ja) 固相点接合方法及び固相点接合装置
JP2021164943A (ja) アルミニウム合金板と鋼板の摩擦撹拌接合方法
JP2014508043A (ja) 2段階溶接での分散強化型白金ベース合金の溶接物品の製造方法
Tolun Effect of tool rotational speed and position on mechanical and microstructural properties of friction stir welded dissimilar alloys AZ31B Mg and Al6061

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607