JP2006158220A - マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasmapneumoniae)検出のためのオリゴヌクレオチドプライマー - Google Patents
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Abstract
【課題】マイコプラズマ肺炎の原因であるマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)を検出する方法の提供。
【解決手段】マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)に特異的なLAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)反応用核酸プライマーを設計・作製し、この核酸プライマーを用いたることにより、高感度かつ迅速にLAMP法によるマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の検出方法。
【選択図】図1
【解決手段】マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)に特異的なLAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)反応用核酸プライマーを設計・作製し、この核酸プライマーを用いたることにより、高感度かつ迅速にLAMP法によるマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の検出方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイコプラズマ・ニューモニエ (Mycoplasma pneumoniae )の核酸を検出、同定する検査方法に関する。
マイコプラズマ・ニューモニエ(M. pneumoniae )はマイコプラズマ肺炎 (非定型肺炎) の原因となる微生物である。近年では、細菌性肺炎が激減した中で肺炎全体に占めるマイコプラズマ肺炎の比率は高まっている。マイコプラズマ肺炎は小児・若年成人を中心にほぼ4年毎の周期性を示しながら流行する。患者の気道分泌物中に存在するマイコプラズマ・ニューモニエが咳によって飛沫となり、人から人へと感染すると考えられる。病状の遷延化や流行を防止するため、早期に迅速かつ正確に同定する検査方法の確立が求められている。
マイコプラズマ肺炎の診断方法として、本微生物の単離および培養法がある (例えば、非特許文献1参照。) 。しかし、マイコプラズマ・ニューモニエ(M. pneumoniae )を含むマイコプラズマは、生育するために要求する物質が多く、また、好気条件下で生育できないことから、分離および培養は困難である。また、判定には最低でも8日を要する。この問題点を解決するため、近年、核酸増幅技術を応用し、原因微生物のゲノムDNAやRNAを検出する技術が開発されている。
すでに公知となったDNAまたはRNAの核酸塩基配列を標的にして、増幅により検出する技術としてはPCRがある。マイコプラズマ・ニューモニエ(M. pneumoniae )ではP1タンパク(マイコプラズマ・ニューモニエ(M. pneumoniae )が特異的に有する膜タンパク(別名アドヘシン(adhesin)で人の鼻腔内上皮に接着する役割を持っている)をコードする遺伝子 (例えば、非特許文献2参照。) や16S rRNA遺伝子 (例えば、非特許文献3参照。) などを標的とするプライマーが設計されている。PCRによる検出は培養に比べ、簡単ではあるが、反応に特別な機器 (例えば温度調節に用いるサーマルサイクラー) を使用する点で簡易キットとしてはなお複雑である。
LAMPとはLoop-Mediated Isothermal Amplificationの略で、Notomiらによって開発された簡易・迅速・精確・安価に核酸を増幅する技術で、例えば、特許文献1、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6等に報告されている。これは通常、1対のインナープライマーと1対のアウタープライマーを併せた2対計4種のプライマー、あるいは、これに1対のループプライマーを加えた3対計6種のプライマーと、鎖置換型DNAポリメラーゼとを使って通常10分〜60分程度で鋳型となる核酸を増幅する方法である。この方法では、PCR (Polymerase Chain Reaction) 法と違い、変性stepを含めた全stepを等温、短時間で行うことができる。
LAMP反応の検出は、LAMP増幅産物をアガロースゲル電気泳動にかけてLAMP反応に特徴的なラダーのバンドを確認する方法や、LAMP反応産物にエチジウムブロマイドやSYBR Green I等の核酸インターカレーターを添加して検出する方法がある。また、LAMP反応時の生成物であるピロリン酸と反応バッファー中のマグネシウムイオンにて生じる沈殿物生成を濁度として検出する方法が例えば、特許文献2、および、非特許文献7などに示されている。
このようにLAMP法は、特別な試薬が不要であり、温度変化を必要としないことから特別な温度制御機器が不要であり、増幅の有無のみで標的遺伝子を検出可能であり、さらに検出機器も簡易にできるため、全体的に安価な遺伝子検査が可能である。
マイコプラズマ肺炎の診断にあたり、このように簡易・迅速・精確・安価に核酸を増幅する方法を用い、さらに咳、痰などの患者の気道分泌物や鼻腔粘液中の微量の試料に対して、高い感度でマイコプラズマ・ニューモニエ(M. pneumoniae )を検出できる、マイコプラズマ・ニューモニエ(M. pneumoniae )に特異的なプライマーやそれを用いた検出方法の確立が求められている。
日本特許番号第3313358号
国際公開番号WO01 / 83817
Journal of Experimental Medicine,157,502 - 514,1983
Acta Pathologica, Microbiologica et Immunologica Scandinavica,97,1046 - 1048,1989
Applied and Environmental Microbiology,58,2606 - 2615,1992
Nucleic Acids Research,28,e63,2000
Biochemical and Biophysical Research Communications,290,1195 - 1198,2000
Clinical Chemistry,47,No.9,1742 - 1743,2001
Biochemical and Biophysical Research Communications,289,150 - 154,2002
マイコプラズマ肺炎の診断にあたり、このように簡易・迅速・精確・安価に核酸を増幅する方法を用い、さらに咳、痰などの患者の気道分泌物や鼻腔粘液中の微量の試料に対して、高い感度でマイコプラズマ・ニューモニエ(M. pneumoniae )を検出できる、マイコプラズマ・ニューモニエ(M. pneumoniae )に特異的なプライマーやそれを用いた検出方法の確立が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、高い検出感度、高い特異性、短時間での増幅、を満たすマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)を検出するLAMP反応用オリゴヌクレオチドプライマー、およびそれを用いたLAMP法によりマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)を迅速に検出する方法を提供することにある。
本発明者はLAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)のP1タンパクをコードする遺伝子を迅速、かつ特異的に増幅・検出する方法とこれに用いるマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)検出用オリゴヌクレオチドプライマーを発明した。本発明では具体的には、マイコプラズマ・ニューモニエ(M. Pneumoniae)のゲノムDNA 10 fg (およそ12個の菌体に相当)を25分以内で検出可能なLAMP反応用オリゴヌクレオチドプライマーとその検出方法に関する。さらに本発明はこの方法を用いたマイコプラズマ肺炎の診断方法に関する。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)が有するP1タンパクをコードする配列に対して検出感度・選択性が高く短時間での核酸増幅が可能なLAMP反応用核酸プライマーを設計・作製し、この核酸プライマーを用いたLAMP法によるマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の迅速診断方法を見出し、本発明をなすに至った。なお、P1タンパクをコードする核酸塩基配列をもとにWeb上でデータベース検索を行った結果、プライマー作製に使用した領域を含む全ての配列で、他の生物との相同性が確認されなかったことから、本プライマーミックスはマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)を特異的に検出できる。
すなわち、本発明は、
(1) 配列表配列番号1または2記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチド
(2) 配列表配列番号3または4記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチド
(3) 配列表配列番号5または6記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチド
(4) LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、インナープライマーとして配列表配列番号1および2のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つを用いる方法
(5) LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、ループプライマーとして配列表配列番号3および4のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つを用いる方法
(6) LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、アウタープライマーとして配列表配列番号5および6のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つを用いる方法
(7) LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、インナープライマーとして配列表配列番号1および2のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つと、ループプライマーとして配列表配列番号3および4のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つと、アウタープライマーとして配列表配列番号5および6のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つとを組み合わせて行う方法
に関する。
(8) マイコプラズマ肺炎の診断方法であって、ヒトから分離された組織に、前記(4)〜(7)のいずれかを用いる方法
に関する。
本発明における組織には、たとえば、咳、痰などの気道分泌物や鼻腔粘液のようにマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)菌が多く存在する組織をいう。
(1) 配列表配列番号1または2記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチド
(2) 配列表配列番号3または4記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチド
(3) 配列表配列番号5または6記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチド
(4) LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、インナープライマーとして配列表配列番号1および2のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つを用いる方法
(5) LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、ループプライマーとして配列表配列番号3および4のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つを用いる方法
(6) LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、アウタープライマーとして配列表配列番号5および6のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つを用いる方法
(7) LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、インナープライマーとして配列表配列番号1および2のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つと、ループプライマーとして配列表配列番号3および4のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つと、アウタープライマーとして配列表配列番号5および6のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つとを組み合わせて行う方法
に関する。
(8) マイコプラズマ肺炎の診断方法であって、ヒトから分離された組織に、前記(4)〜(7)のいずれかを用いる方法
に関する。
本発明における組織には、たとえば、咳、痰などの気道分泌物や鼻腔粘液のようにマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)菌が多く存在する組織をいう。
本発明のオリゴヌクレオチドプライマーおよびそれを用いた検出方法により、マイコプラズマ肺炎の原因微生物であるマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)を、微量の試料より高感度で、短時間にかつ特異的に検出できる。従って、本発明により、簡易・迅速・精確・安価なマイコプラズマ肺炎の診断方法を提供できる。
本発明について、以下具体的に説明する。
LAMP反応に用いるインナープライマーとはFIPプライマー(forward inner primer)とBIPプライマー(back inner primer)とを示す。FIPプライマーは、5’側にターゲット核酸配列の表鎖に相同的なF1cと呼ばれる配列、3’側にターゲット核酸配列の裏鎖に相補的なF2と呼ばれる配列、とを有するオリゴヌクレオチドであり、BIPプライマーは、5’側にターゲット核酸配列の裏鎖に相同的なB1cと呼ばれる配列、3’側にターゲット核酸配列の表鎖に相補的なB2と呼ばれる配列、とを有するオリゴヌクレオチドである。
LAMP反応に用いるインナープライマーとはFIPプライマー(forward inner primer)とBIPプライマー(back inner primer)とを示す。FIPプライマーは、5’側にターゲット核酸配列の表鎖に相同的なF1cと呼ばれる配列、3’側にターゲット核酸配列の裏鎖に相補的なF2と呼ばれる配列、とを有するオリゴヌクレオチドであり、BIPプライマーは、5’側にターゲット核酸配列の裏鎖に相同的なB1cと呼ばれる配列、3’側にターゲット核酸配列の表鎖に相補的なB2と呼ばれる配列、とを有するオリゴヌクレオチドである。
アウタープライマーとは、F3プライマーとB3プライマーを示し、F3プライマーはターゲット核酸配列の裏鎖に相補的なオリゴヌクレオチド、B3プライマーはターゲット核酸の表鎖に相補的なオリゴヌクレオチドである。
ループプライマーは、FL(forward loop)プライマーとBL(back loop)プライマーを示し、LAMPによる核酸の増幅反応を促進する。FLプライマーはF2配列に相補的なF2c配列とF1c配列の間の配列に相補的な配列、BLプライマーはB2配列に相補的なB2c配列とB1c配列の間の配列に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドである。
これらインナープライマー、アウタープライマー、および、ループプライマーの設計方法は、先の特許文献1、非特許文献4〜6、および、Webサイト HYPERLINK "http://www.eiken.co.jp/" http://www.eiken.co.jp/ に公開されている。これらの方法に従い、本発明者らは、マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)に特異性の高いP1タンパクをコードする遺伝子を標的とするプライマーを設計した。
このマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)特異的LAMP反応用プライマーミックスを調製し、マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae (ATCC15531))、比較として用いるマイコプラズマ・ジェニタリウム(M.genitalium(ATCC33530)のゲノムDNAをテンプレートしてLAMP反応を行った。その結果、マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)に特異的な増幅がみられ、マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)検出方法を発明するに至った。また、本発明の検出方法では、10 fg程度のDNA(およそ12個の菌体に相当)でも、25分以内の本反応で十分にマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)を検出できた。一般に試料として用いられる患者の咳、痰などの気道分泌物や鼻腔粘液中には、これ以上の菌体が存在すると考えられ、本発明のオリゴヌクレオチドプライマーおよびその使用方法は、マイコプラズマ肺炎の診断に十分に利用できることが示された。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
インナープライマーとして40 pmolのFIPプライマーおよびBIPプライマー、ループプライマーとして40 pmolのFLプライマーおよびBLプライマー、アウタープライマーとして5 pmolのF3プライマーおよびB3プライマー、を含むプライマーミックスを調製し、各々0.2 ml マイクロチューブ(栄研化学)に添加し氷上に置いた。LAMP反応液として、20 mM Tris-HCl (pH8.8)、10 mM KCl、8 mM MgSO4、10 mM (NH4)2SO4、0.1 % Tween 20、0.8 M betaine、2.8 mM dGTP、2.8 mM dCTP、2.8 mM dATP、2.8 mM dTTPと、マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)、またはマイコプラズマ・ジェニタリウム(M.genitalium)のゲノムDNA 1 ng (菌1.2 X 106個相当)を添加し、全容量を24μlとし氷上に置いた。これに、8 units / μlのBst DNA polymerase large fragment (New England Bio Labs) 1μlを添加して全容量を25 μlとし、ゆっくり混和した後、速やかにLAMP反応専用リアルタイム濁度測定装置LA-200 (テラメックス社) にセットし、64 ℃にて60分間反応させ、増幅反応中の濁度を測定した結果を図1に示す。マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)特異的な増幅のみが観察され、非特異的な増幅は見られなかった。
インナープライマーとして40 pmol のFIPプライマーおよびBIPプライマー、ループプライマーとして40 pmolのFLプライマーおよびBLプライマー、アウタープライマーとして5 pmolのF3プライマーおよびB3プライマー、を含むプライマーミックスを調製し、各々0.2 mlマイクロチューブ(栄研化学)に添加し氷上に置いた。LAMP反応液として、20 mM Tris-HCl (pH8.8)、10 mM KCl、8 mM MgSO4、10 mM (NH4)2SO4、0.1 % Tween 20、0.8 M betaine、2.8 mM dGTP、2.8 mM dCTP、2.8 mM dATP、2.8 mM dTTPと、マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneunoniae)のゲノムDNA10、1、0.1、0.01、0.001 pgを添加し、全容量を24 μlとし氷上に置いた。これに、8 units / μlのBst DNA polymerase large fragment (New England Bio Labs) 1 μlを添加して全容量を25 μlとし、ゆっくり混和した後、速やかにLAMP反応専用リアルタイム濁度測定装置LA-200 (テラメックス社) にセットし、64 ℃にて60分間反応させ、増幅反応中の濁度を測定した結果を図2に示す。すなわち、図2は、10、1、0.1、0.01、0.001 pg のマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)ゲノムDNAをLAMP反応の鋳型として添加し、増幅反応中の濁度を測定したものである。このプライマーセットではゲノムDNA 0.01 pg(菌12個相当)を検出することができた。
検体からのDNA抽出、精製ステップを経るマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の検出を行った。検体を想定したモデル系として、健常人の鼻腔粘液を採取したスワプにマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)生菌1200個相当をスパイクし、QIAGEN社のQIAamp DNA mini kitによりDNAを抽出、精製した(抽出液100μl)。
インナープライマーとして40pmolのFIPプライマーおよびBIPプライマー、ループプライマーとして40 pmolのFLプライマーおよびBLプライマー、アウタープライマーとして5 pmolのF3プライマーおよびB3プライマー、を含むプライマーミックスを調製し、各々0.2 mlマイクロチューブ(栄研化学)に添加し氷上に置いた。LAMP反応液として、20 mM Tris-HCl (pH8.8)、10 mM KCl、8 mM MgSO4、10 mM (NH4)2SO4、0.1 % Tween 20、0.8 M betaine、2.8 mM dGTP、2.8 mM dCTP、2.8 mM dATP、2.8 mM dTTPと、前記抽出液5μlを添加し、全容量を24μlとして氷上に置いた。これに、8 units / μlのBst DNA polymerase large fragment (New England Bio Labs) 1 μlを添加して全容量を25 μlとし、ゆっくり混和した後、速やかにLAMP反応専用リアルタイム濁度測定装置LA-200 (テラメックス社) にセットし、64 ℃にて60分間反応させ、増幅反応中の濁度を測定した結果を図3に示す。生菌をスパイクした検体のみで増幅が観察された。
インナープライマーとして40pmolのFIPプライマーおよびBIPプライマー、ループプライマーとして40 pmolのFLプライマーおよびBLプライマー、アウタープライマーとして5 pmolのF3プライマーおよびB3プライマー、を含むプライマーミックスを調製し、各々0.2 mlマイクロチューブ(栄研化学)に添加し氷上に置いた。LAMP反応液として、20 mM Tris-HCl (pH8.8)、10 mM KCl、8 mM MgSO4、10 mM (NH4)2SO4、0.1 % Tween 20、0.8 M betaine、2.8 mM dGTP、2.8 mM dCTP、2.8 mM dATP、2.8 mM dTTPと、前記抽出液5μlを添加し、全容量を24μlとして氷上に置いた。これに、8 units / μlのBst DNA polymerase large fragment (New England Bio Labs) 1 μlを添加して全容量を25 μlとし、ゆっくり混和した後、速やかにLAMP反応専用リアルタイム濁度測定装置LA-200 (テラメックス社) にセットし、64 ℃にて60分間反応させ、増幅反応中の濁度を測定した結果を図3に示す。生菌をスパイクした検体のみで増幅が観察された。
本発明の核酸オリゴヌクレオチドを使ってLAMP反応にて、マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)を特異的かつ高感度に検出することが可能となり、医療分野で好適に利用できる。
1Mpn:マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)のゲノムDNA、Mge:マイコプラズマ・ジェニタリウム(M.genitalium)のゲノムDNAを示す。
Claims (8)
- 配列表配列番号1または2記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチド。
- 配列表配列番号3または4記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチド。
- 配列表配列番号5または6記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチド。
- LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、インナープライマーとして配列表配列番号1および2のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つを用いる方法。
- LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、ループプライマーとして配列表配列番号3および4のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つを用いる方法。
- LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、アウタープライマーとして配列表配列番号5および6のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つを用いる方法。
- LAMP法にてマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)の核酸を増幅する方法であって、インナープライマーとして配列表配列番号1および2のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つと、ループプライマーとして配列表配列番号3および4のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つと、アウタープライマーとして配列表配列番号5および6のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一つとを用いる方法。
- マイコプラズマ肺炎の診断方法であって、ヒトから分離された組織に、請求項4〜7のいずれかを用いる方法。
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JP2012060925A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Toshiba Corp | マイコプラズマのためのプライマーセット、アッセイキットおよびそれを用いる方法 |
US10233504B2 (en) | 2015-02-13 | 2019-03-19 | The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services | Methods and compositions for isothermal amplification and detection of mycoplasma pneumoniae |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080205 |