JP2006158206A - 耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品及びその製造方法 - Google Patents
耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006158206A JP2006158206A JP2004349323A JP2004349323A JP2006158206A JP 2006158206 A JP2006158206 A JP 2006158206A JP 2004349323 A JP2004349323 A JP 2004349323A JP 2004349323 A JP2004349323 A JP 2004349323A JP 2006158206 A JP2006158206 A JP 2006158206A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- oil
- egg yolk
- emulsified food
- plasma fraction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Seasonings (AREA)
Abstract
【課題】 水相原料と油相原料とが乳化してなる水中油型乳化食品において、耐熱性と吸水耐性のいずれにも優れた水中油型乳化食品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ分画及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含有されていることを特徴とする耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品;並びに水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加・配合することを特徴とする耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】 水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ分画及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含有されていることを特徴とする耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品;並びに水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加・配合することを特徴とする耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、マヨネーズやドレッシング類などの耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品及びその製造方法に関し、詳しくはリゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有することにより得られる、耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品及びその製造方法に関する。
食生活の多様化に伴い、マヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品は、レトルト食品、惣菜類、調理パン類及びフィリング類などの加熱加工される食品の原料などとして使用されることが多くなっている。
このため、マヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品に耐熱性を付与させる技術が必要となってくる。
そのような技術として、例えばホスホリパーゼ処理卵黄と糊化澱粉を含み、全卵もしくは卵白を含まないことを特徴とする耐熱性マヨネーズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このため、マヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品に耐熱性を付与させる技術が必要となってくる。
そのような技術として、例えばホスホリパーゼ処理卵黄と糊化澱粉を含み、全卵もしくは卵白を含まないことを特徴とする耐熱性マヨネーズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ホスホリパーゼ処理卵黄を使用する代わりに、リゾリン脂質を乳化剤として使用することにより、水中油型乳化食品に優れた耐熱性を付与する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
これらの技術によれば、耐熱性に優れたマヨネーズが得られる。
しかしながら、吸水し易い具材類とマヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品を和えた後、加熱処理される場合においては、耐熱性だけでなく、更に吸水耐性をも合わせ持つことが必要であり、このいずれが欠けても安定性を得ることができない。
従って、耐熱性だけでなく、同時に吸水耐性にも優れた水中油型乳化食品が求められているが、上記技術は吸水耐性には注意が払われていなかった。
しかしながら、吸水し易い具材類とマヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品を和えた後、加熱処理される場合においては、耐熱性だけでなく、更に吸水耐性をも合わせ持つことが必要であり、このいずれが欠けても安定性を得ることができない。
従って、耐熱性だけでなく、同時に吸水耐性にも優れた水中油型乳化食品が求められているが、上記技術は吸水耐性には注意が払われていなかった。
ここで、吸水耐性とは、次のような性質を意味する。
マヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品を吸水し易い食材と混合した後、更に加熱処理される場合、水中油型乳化食品中の水分が食材に吸収されて、所謂枯渇状態となり、乳化安定性が低下した結果、油分離を起こしたり、水中油型乳化食品がボソボソになることがある。例えば、ポテトサラダやパスタサラダを調理した後、加熱処理を行うと、ポテトサラダが油分離を起こしたり、一方、パスタサラダではマヨネーズがおからの様なボソボソとした状態を示す。
こうして、吸水耐性とは、このように水中油型乳化食品中の水分が吸収されても、乳化物が安定的な性質をいう。
マヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品を吸水し易い食材と混合した後、更に加熱処理される場合、水中油型乳化食品中の水分が食材に吸収されて、所謂枯渇状態となり、乳化安定性が低下した結果、油分離を起こしたり、水中油型乳化食品がボソボソになることがある。例えば、ポテトサラダやパスタサラダを調理した後、加熱処理を行うと、ポテトサラダが油分離を起こしたり、一方、パスタサラダではマヨネーズがおからの様なボソボソとした状態を示す。
こうして、吸水耐性とは、このように水中油型乳化食品中の水分が吸収されても、乳化物が安定的な性質をいう。
ところで水中油型乳化食品にこのような吸水耐性を付与する技術として、低粘度水溶性多糖類及び水溶性多糖類の部分分解物を含有した酸性水中油型乳化食品が提案されているが、加熱処理される場合では十分な安定性を得ることができない(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、上記従来の問題点を解消し、水相原料と油相原料とが乳化してなる水中油型乳化食品において、耐熱性と吸水耐性のいずれにも優れた水中油型乳化食品及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、水相原料と油相原料とが乳化してなる水中油型乳化食品において、リゾ化卵黄より分画したプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加・配合することにより、耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品が得られることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明による耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品はこれまでに全く知られていなかった。
本発明による耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品はこれまでに全く知られていなかった。
即ち、請求項1に係る本発明は、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ分画及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含有されていることを特徴とする耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品を提供するものである。
次に、請求項2に係る本発明は、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量が生卵黄のリゾ化物の2質量%に由来する量以上であること、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがポリソルベート20、ポリソルベート60及びポリソルベート80よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のものであり、かつ、0.3質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1記載の耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品を提供するものである。
更に、請求項3に係る本発明は、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加・配合することを特徴とする耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
次に、請求項2に係る本発明は、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量が生卵黄のリゾ化物の2質量%に由来する量以上であること、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがポリソルベート20、ポリソルベート60及びポリソルベート80よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のものであり、かつ、0.3質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1記載の耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品を提供するものである。
更に、請求項3に係る本発明は、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加・配合することを特徴とする耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、優れた耐熱性と吸水耐性を同時に合わせ持つ水中油型乳化食品が提供される。
即ち、本発明によれば、加熱加工する際の耐熱性に優れた、マヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品が提供される。
同時に、本発明によれば、これらマヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品を吸水し易い食材と混合した後、更に加熱処理される場合において、水中油型乳化食品中の水分が食材に吸収されても、乳化物が安定的な性質を示しており、優れた吸水耐性を合せ持つ水中油型乳化食品が提供される。
即ち、本発明によれば、加熱加工する際の耐熱性に優れた、マヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品が提供される。
同時に、本発明によれば、これらマヨネーズやドレッシング類などの水中油型乳化食品を吸水し易い食材と混合した後、更に加熱処理される場合において、水中油型乳化食品中の水分が食材に吸収されても、乳化物が安定的な性質を示しており、優れた吸水耐性を合せ持つ水中油型乳化食品が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、請求項1に係る本発明について詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品に関し、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含有されていることを特徴とするものである。
請求項1に係る本発明においては、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのいずれをも含有していることが必要であって、いずれか一方を欠いたとしても請求項1に係る本発明の目的を達成することはできない。
まず、請求項1に係る本発明について詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品に関し、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含有されていることを特徴とするものである。
請求項1に係る本発明においては、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのいずれをも含有していることが必要であって、いずれか一方を欠いたとしても請求項1に係る本発明の目的を達成することはできない。
請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品とは、水相原料と油相原料とが乳化されてなるものをいい、代表的なものとして、マヨネーズやドレッシング類などが挙げられ、水中油型乳化食品としては従来公知のものを用いることができる。
請求項1に係る本発明の特徴は、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含有されている点にある。
ここでリゾ化卵黄とは、リン脂質分解酵素であるホスホリパーゼA2を作用させて加水分解し、リン脂質の2位の脂肪酸を遊離させて得られる卵黄をいう。
この際、リン脂質のリゾリン脂質への変換率をリゾ化率という。本発明におけるリゾ化卵黄は少なくとも、リゾ化率50%以上の卵黄が好ましい。これより低いリゾ化率の卵黄では、耐熱性が十分に付与されないため、好ましくない。本発明におけるリゾ化卵黄としては、生卵黄をリゾ化したものや、更に乾燥したものなどが使用される。
この際、リン脂質のリゾリン脂質への変換率をリゾ化率という。本発明におけるリゾ化卵黄は少なくとも、リゾ化率50%以上の卵黄が好ましい。これより低いリゾ化率の卵黄では、耐熱性が十分に付与されないため、好ましくない。本発明におけるリゾ化卵黄としては、生卵黄をリゾ化したものや、更に乾燥したものなどが使用される。
このようなリゾ化卵黄の原料卵黄としては、通常の未変性状態の卵黄液や乾燥卵黄等であればよく、特別な制限はない。例えば、割卵した後、卵白を分離して得られる卵黄液やスプレー乾燥による卵黄粉末などが一般的なものであり、必要に応じて、これらを水で希釈したり、或いは水戻ししたものであってもよい。
請求項1に係る本発明において、用いられるリゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分(以下、「リゾ化卵黄のプラズマ画分」と称することがある。)とは、リゾ化卵黄を遠心分離して得られる上澄み液に含有される画分のことをいう。リゾ化卵黄のプラズマ画分の主成分は低密度リポタンパク質(LDL)であり、比重が1より小さい。LDLは、卵黄タンパク質の65%を占める最も多いタンパク質であり、約80〜89質量%の脂質を含有する。脂質中には、リゾリン脂質が比較的多く含まれ、リゾホスファチジル・コリン、リゾホスファチジル・エタノールアミン等により構成されている。
このリゾ化卵黄のプラズマ画分の簡単な分画は、次のようにして行われる。
即ち、リゾ化卵黄に等量の水を加え、十分に均質化した後、27,000G、30分間の条件で遠心分離された上澄みが、リゾ化卵黄のプラズマ画分である。
即ち、リゾ化卵黄に等量の水を加え、十分に均質化した後、27,000G、30分間の条件で遠心分離された上澄みが、リゾ化卵黄のプラズマ画分である。
一方、リゾ化卵黄からプラズマ画分を分画する際の沈殿からグラニュール画分が得られる。プラズマ画分がLDLを主成分とするのに対し、グラニュール画分は高密度リポタンパク(HDL)を主成分とし、比重が1より大きい。プラズマ画分とグラニュール画分との量比は約3:1となっている。
請求項1に係る本発明においては、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分を用いる必要がある。
ここでリゾ化卵黄のプラズマ画分とグラニュール画分の性能を比較すると、プラズマ画分の方が数段優れているが、これは主にリゾリン脂質を比較的多く含有することによる。また、プラズマ画分単独で乳化する方が、グラニュール画分との乳化競合も無く、共存する場合よりも寧ろ機能性は向上する。
ここでリゾ化卵黄のプラズマ画分とグラニュール画分の性能を比較すると、プラズマ画分の方が数段優れているが、これは主にリゾリン脂質を比較的多く含有することによる。また、プラズマ画分単独で乳化する方が、グラニュール画分との乳化競合も無く、共存する場合よりも寧ろ機能性は向上する。
なお、プラズマ画分とグラニュール画分の組成差は、SDS−PAGEなどの電気泳動法などにより確認することができる。(T. Itoh, M. Kubo and S. Adachi, Isolation and characterization of major apoproteins from hen's egg granule, Journal of Food Science, Vol.51, No.5, 1986)
また、請求項1に係る本発明において、用いられるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)とは、次のようなものである。
まずソルビトールを酸性下で加熱するなどの適当な条件で処理すると、分子内脱水反応が起こり、この結果、ソルビタンが生成される。
次に、得られたソルビタンを高度脂肪酸でエステル化することにより生成されたものが、非イオン系界面活性剤であるソルビタン脂肪酸エステルである。このソルビタン脂肪酸エステルには、ソルビタン・ラウリン酸モノエステル(商標名:スパン20)、ソルビタン・パルミチン酸モノエステル(商標名:スパン40)、ソルビタン・ステアリン酸モノエステル(商標名:スパン60)、ソルビタン・ステアリン酸トリエステル(商標名:スパン65)、ソルビタン・オレイン酸モノエステル(商標名:スパン80)及びソルビタン・オレイン酸トリエステル(商標名:スパン85)の6種類がある。
次に、得られたソルビタンを高度脂肪酸でエステル化することにより生成されたものが、非イオン系界面活性剤であるソルビタン脂肪酸エステルである。このソルビタン脂肪酸エステルには、ソルビタン・ラウリン酸モノエステル(商標名:スパン20)、ソルビタン・パルミチン酸モノエステル(商標名:スパン40)、ソルビタン・ステアリン酸モノエステル(商標名:スパン60)、ソルビタン・ステアリン酸トリエステル(商標名:スパン65)、ソルビタン・オレイン酸モノエステル(商標名:スパン80)及びソルビタン・オレイン酸トリエステル(商標名:スパン85)の6種類がある。
更に、これらのソルビタン脂肪酸エステルに酸化エチレンを付加させたものが、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)であり、前記のソルビタン脂肪酸エステルに符合している。
即ち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの種類には、ポリソルベート20(スパン20+酸化エチレン)、ポリソルベート40(スパン40+酸化エチレン)、ポリソルベート60(スパン60+酸化エチレン)、ポリソルベート65(スパン65+酸化エチレン)、ポリソルベート80(スパン80+酸化エチレン)、ポリソルベート85(スパン85+酸化エチレン)の6種類がある。
請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品においては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)として、上記の中から選ばれた1種もしくは2種以上のものを用いることができる。
即ち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの種類には、ポリソルベート20(スパン20+酸化エチレン)、ポリソルベート40(スパン40+酸化エチレン)、ポリソルベート60(スパン60+酸化エチレン)、ポリソルベート65(スパン65+酸化エチレン)、ポリソルベート80(スパン80+酸化エチレン)、ポリソルベート85(スパン85+酸化エチレン)の6種類がある。
請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品においては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)として、上記の中から選ばれた1種もしくは2種以上のものを用いることができる。
請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品において、好適に用いられるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの種類としては、請求項2に記載した如く、ポリソルベート20、ポリソルベート60及びポリソルベート80が挙げられ、これらの群から選ばれた1種もしくは2種以上のものを用いることができる。
請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品におけるリゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量は、水相原料と油相原料との配合比率などにより異なり、一義的に規定することは困難であるが、以下のように含有させることが好ましい。
即ち、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量としては、生卵黄のリゾ化物の2質量%に由来する量以上であることが好ましい。例えば、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の原料として、生卵黄ではなく、卵黄粉末を用いた場合には、生卵黄のリゾ化物の2質量%に由来する量以上含有させることが好ましい。
また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量は、0.3質量%以上であることが好ましい。
この場合、上限値は特に制限されないが、下記したように含有量に見合うだけの効果の向上といった点を考慮して、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量の上限値を10質量%とし、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量の上限値を1.0質量%とする。
即ち、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量としては、生卵黄のリゾ化物の2質量%に由来する量以上であることが好ましい。例えば、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の原料として、生卵黄ではなく、卵黄粉末を用いた場合には、生卵黄のリゾ化物の2質量%に由来する量以上含有させることが好ましい。
また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量は、0.3質量%以上であることが好ましい。
この場合、上限値は特に制限されないが、下記したように含有量に見合うだけの効果の向上といった点を考慮して、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量の上限値を10質量%とし、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量の上限値を1.0質量%とする。
請求項2に記載した如く、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量が生卵黄のリゾ化物の2質量%に由来する量以上であること、及びポリソルベート20、ポリソルベート60及びポリソルベート80よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量が0.3質量%以上であることが、それぞれより好ましい。前者の含有量が3〜10質量%であり、後者の含有量が0.5〜1.0質量%であることが特に好ましい。
ここで水中油型乳化食品における、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量が生卵黄のリゾ化物の2質量%に由来する量未満であったり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量が0.3質量%未満であったりすると、いずれも水中油型乳化食品に十分な耐熱性及び吸水耐性を付与することができない。
一方、水中油型乳化食品における、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量が生卵黄のリゾ化物の10質量%に由来する量を超えたり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量が1.0質量%を超えたりすると、いずれも含有量に見合うだけの効果の向上が得られないため、経済的にも好ましくない。
一方、水中油型乳化食品における、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量が生卵黄のリゾ化物の10質量%に由来する量を超えたり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量が1.0質量%を超えたりすると、いずれも含有量に見合うだけの効果の向上が得られないため、経済的にも好ましくない。
なお、請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品の水相を構成する原料(水相原料)は、マヨネーズやドレッシング類などの製造に際して使用される原料やその配合割合に準じて決定すればよく、特に制限されない。
通常、用いられる水相原料の例としては、水の他に、食塩、食酢、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等の調味料;乳化剤;砂糖、ぶどう糖、果糖、ぶどう糖果糖液糖などの糖類;澱粉類;果汁類;ガム類;香辛料;着香料などがある。
乳化剤としては、卵黄が一般的であるが、卵白、乳蛋白、大豆蛋白等を使用でき、これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。請求項1に係る本発明において用いられる、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分は、乳化剤の役割を果たしていることから、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分のみを用いて、他の乳化剤を用いないこともできる。
通常、用いられる水相原料の例としては、水の他に、食塩、食酢、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等の調味料;乳化剤;砂糖、ぶどう糖、果糖、ぶどう糖果糖液糖などの糖類;澱粉類;果汁類;ガム類;香辛料;着香料などがある。
乳化剤としては、卵黄が一般的であるが、卵白、乳蛋白、大豆蛋白等を使用でき、これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。請求項1に係る本発明において用いられる、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分は、乳化剤の役割を果たしていることから、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分のみを用いて、他の乳化剤を用いないこともできる。
一方、油相を構成する原料(油相原料)としては、通常、食品に添加可能な親油性の物質であれば特に制限がなく、例えば、食用植物油脂や親油性のある着香料、香辛料等が挙げられる。
ここで食用植物油脂としては、常温で液体の菜種油、大豆油、べに花油、コーン油、ヒマワリ油等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上混合して使用することができる。2種以上混合して使用する場合、それらの配合割合は、通常使用されるものに準じて、適宜定めることができる。
ここで食用植物油脂としては、常温で液体の菜種油、大豆油、べに花油、コーン油、ヒマワリ油等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上混合して使用することができる。2種以上混合して使用する場合、それらの配合割合は、通常使用されるものに準じて、適宜定めることができる。
請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品における油相と水相との割合については、特に制限はないが、通常、油相40〜90質量%に対し、水相60〜10質量%、好ましくは、油相50〜80質量%に対して、水相50〜20質量%とする。
ここで油相の比率が40質量%未満であると、調製された水中油型乳化食品は耐熱性が強くなるものの、美味しくなく、一方、油相の比率が90質量%を超えると転相し易くなるので、いずれも好ましくない。
ここで油相の比率が40質量%未満であると、調製された水中油型乳化食品は耐熱性が強くなるものの、美味しくなく、一方、油相の比率が90質量%を超えると転相し易くなるので、いずれも好ましくない。
上記した如き条件を具備している限り、請求項1、2に係る本発明の水中油型乳化食品の製造は既知の手法により行えばよく、特に制限されないが、請求項3に係る本発明の方法によれば、請求項1、2に係る本発明の耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品を好適に製造することができる。
即ち、請求項3に係る本発明は、耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法に関し、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加・配合することを特徴とするものである。
即ち、請求項3に係る本発明は、耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法に関し、水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加・配合することを特徴とするものである。
ここでリゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分とポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルについては、請求項1、2に係る本発明において説明したとおりである。また、それぞれの添加・配合量については、それぞれの含有量として示したとおりである。
請求項3に係る本発明の方法においては、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加・配合すること以外は、既知の手法により行えばよく、特に制限されない。
例えば、水以外の水相原料を水等に分散・溶解し、これらに油相原料を加えて、一般的な撹拌機、例えば市販の万能混合攪拌機を用いて予備乳化する。次いで、コロイドミル等の乳化機により仕上げ乳化を行うことによって、水中油型乳化食品を製造することができる。
請求項3に係る本発明の方法においては、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加・配合すること以外は、既知の手法により行えばよく、特に制限されない。
例えば、水以外の水相原料を水等に分散・溶解し、これらに油相原料を加えて、一般的な撹拌機、例えば市販の万能混合攪拌機を用いて予備乳化する。次いで、コロイドミル等の乳化機により仕上げ乳化を行うことによって、水中油型乳化食品を製造することができる。
ここで、前記のリゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの添加は、水以外の水相原料を水へ分散・溶解する際に行えばよい。
このようにして、製造された水中油型乳化食品は、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが添加・配合されていることにより、耐熱性及び吸水耐性に優れたものとなっている。
このようにして、製造された水中油型乳化食品は、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが添加・配合されていることにより、耐熱性及び吸水耐性に優れたものとなっている。
リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用することによって、耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品が得られる理由については、明らかではないが、両者を併用することにより、乳化被膜がより強くなり、この結果、耐熱性及び吸水耐性が付与されたのではないかと推測される。
次に、本発明を実施例等により詳しく説明するが、本発明はこれらによって、何ら制限を受けるものではない。
実施例1〜12
(1)リゾ化卵黄及びリゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の調製
鶏卵より分離した生卵黄液2kgに、10,000IUのホスホリパーゼA2(ノボザイムズ・ジャパン(株)製、レシターゼ10L;10,000IU/mL)を添加して、よく混合した後、これを3L容の撹拌槽に充填し、45℃の温度で4時間、酵素処理を行って、リゾ化率80%のリゾ化卵黄を得た。
得られたリゾ化卵黄に水を添加して、卵黄/水=1/1の組成とした。次いで、充分に均質化した後、5℃、27,000G×30分間の条件で遠心分離を行い、上澄み区分より、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分(表には、リゾ化卵黄のプラズマ画分と記載した。)を得た。
(1)リゾ化卵黄及びリゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の調製
鶏卵より分離した生卵黄液2kgに、10,000IUのホスホリパーゼA2(ノボザイムズ・ジャパン(株)製、レシターゼ10L;10,000IU/mL)を添加して、よく混合した後、これを3L容の撹拌槽に充填し、45℃の温度で4時間、酵素処理を行って、リゾ化率80%のリゾ化卵黄を得た。
得られたリゾ化卵黄に水を添加して、卵黄/水=1/1の組成とした。次いで、充分に均質化した後、5℃、27,000G×30分間の条件で遠心分離を行い、上澄み区分より、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分(表には、リゾ化卵黄のプラズマ画分と記載した。)を得た。
(2)水中油型乳化食品(マヨネーズ)の調製
表1に示す配合組成の原料を水中油型に乳化し、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製した。
即ち、水相原料である、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分(上記(1)で得られたもの)、食塩、食酢及び水、並びにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート20、ポリソルベート60及びポリソルベート80(Quest International Japan K.K.製)を混合・溶解して水相を調製し、この水相に油相原料として菜種油を加え、ホバルト・ミキサー(ホバルト社製)により予備乳化した。
次いで、コロイドミル(クリアランス:4/1,000インチ、回転数:3,000rpm)により、仕上げ乳化を行って、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製した。
表1に示す配合組成の原料を水中油型に乳化し、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製した。
即ち、水相原料である、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分(上記(1)で得られたもの)、食塩、食酢及び水、並びにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート20、ポリソルベート60及びポリソルベート80(Quest International Japan K.K.製)を混合・溶解して水相を調製し、この水相に油相原料として菜種油を加え、ホバルト・ミキサー(ホバルト社製)により予備乳化した。
次いで、コロイドミル(クリアランス:4/1,000インチ、回転数:3,000rpm)により、仕上げ乳化を行って、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製した。
(3)水中油型乳化食品(マヨネーズ)の耐熱性及び吸水耐性の評価
上記(2)で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)についての耐熱性及び吸水耐性の評価を以下のようなポテト・サラダを用いて行った。
まず皮を剥いだひねものの中サイズのジャガイモを4分割し、約30分間ボイルした。次いで、水を切り、4メッシュの篩で裏漉しして冷却したマッシュポテトと上記(2)で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)を重量比で7:3の割合で和えて、ポテト・サラダを調製した。約25g容のプラスチック容器に、調製したポテト・サラダ約20gを充填・シールし、次いで90℃・1時間の加熱処理を行った後、直ちに市水で冷却した後のポテト・サラダの状態を次の3段階で評価した。「安定」と「やや安定」であれば、耐熱性及び吸水耐性に優れているということができる。なお、評価は経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。
結果を表1及び表2に示す。
上記(2)で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)についての耐熱性及び吸水耐性の評価を以下のようなポテト・サラダを用いて行った。
まず皮を剥いだひねものの中サイズのジャガイモを4分割し、約30分間ボイルした。次いで、水を切り、4メッシュの篩で裏漉しして冷却したマッシュポテトと上記(2)で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)を重量比で7:3の割合で和えて、ポテト・サラダを調製した。約25g容のプラスチック容器に、調製したポテト・サラダ約20gを充填・シールし、次いで90℃・1時間の加熱処理を行った後、直ちに市水で冷却した後のポテト・サラダの状態を次の3段階で評価した。「安定」と「やや安定」であれば、耐熱性及び吸水耐性に優れているということができる。なお、評価は経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。
結果を表1及び表2に示す。
[耐熱性及び吸水耐性の評価]
・安定:油分離していない。
・やや安定:僅かな分離がみられる。
・不安定:かなりの油分離がみられる。
・安定:油分離していない。
・やや安定:僅かな分離がみられる。
・不安定:かなりの油分離がみられる。
比較例1
実施例3〜4、7〜8及び11〜12において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用せず、それらの代わりに水を使用したこと以外は、実施例3〜4、7〜8及び11〜12と同様にして水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例3〜4、7〜8及び11〜12と同様にして、耐熱性及び吸水耐性の評価を行った。
結果を表3に示す。
実施例3〜4、7〜8及び11〜12において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用せず、それらの代わりに水を使用したこと以外は、実施例3〜4、7〜8及び11〜12と同様にして水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例3〜4、7〜8及び11〜12と同様にして、耐熱性及び吸水耐性の評価を行った。
結果を表3に示す。
比較例2
実施例3〜4、7〜8及び11〜12において、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用せず、それらの代わりにそれぞれ生卵黄より分画されたプラズマ画分及び水を使用したこと以外は、実施例3〜4、7〜8及び11〜12と同様にして水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例3〜4、7〜8及び11〜12と同様にして耐熱性及び吸水耐性の評価を行った。
実施例3〜4、7〜8及び11〜12において、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用せず、それらの代わりにそれぞれ生卵黄より分画されたプラズマ画分及び水を使用したこと以外は、実施例3〜4、7〜8及び11〜12と同様にして水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例3〜4、7〜8及び11〜12と同様にして耐熱性及び吸水耐性の評価を行った。
なお、生卵黄より分画したプラズマ画分(表には生卵黄のプラズマ画分と記載した。)とは、生卵黄に水を加えた後に遠心分離して得られる上澄み画分を指し、その調製は、上記実施例1〜12の(1)におけるリゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の調製において、リゾ化卵黄の代わりにリゾ化していない生卵黄を用いたこと以外は、これと同様にして行った。即ち、リゾ化していない生卵黄から、同様にしてプラズマ画分を調製した。
結果を表3に示す。
結果を表3に示す。
比較例3
実施例4において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート20は使用しているものの、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分を使用せず、その代わりに生卵黄より分画したプラズマ画分を使用したこと以外は、実施例4と同様にして、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例4と同様にして、耐熱性及び吸水耐性の評価を行った。なお、生卵黄より分画したプラズマ画分は、比較例2で用いたものと同じものを用いた。
結果を表3に示す。
実施例4において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート20は使用しているものの、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分を使用せず、その代わりに生卵黄より分画したプラズマ画分を使用したこと以外は、実施例4と同様にして、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例4と同様にして、耐熱性及び吸水耐性の評価を行った。なお、生卵黄より分画したプラズマ画分は、比較例2で用いたものと同じものを用いた。
結果を表3に示す。
比較例4
実施例8において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60は使用しているものの、リゾ化卵黄より分画したプラズマ画分を使用せず、その代わりに生卵黄より分画したプラズマ画分を使用したこと以外は、実施例8と同様にして、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例8と同様にして、耐熱性及び吸水耐性の評価を行った。なお、生卵黄より分画したプラズマ画分は、比較例2で用いたものと同じものを用いた。
結果を表3に示す。
実施例8において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60は使用しているものの、リゾ化卵黄より分画したプラズマ画分を使用せず、その代わりに生卵黄より分画したプラズマ画分を使用したこと以外は、実施例8と同様にして、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例8と同様にして、耐熱性及び吸水耐性の評価を行った。なお、生卵黄より分画したプラズマ画分は、比較例2で用いたものと同じものを用いた。
結果を表3に示す。
比較例5
実施例12において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート80は使用しているものの、リゾ化卵黄より分画したプラズマ画分を使用せず、その代わりに生卵黄より分画したプラズマ画分を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例12と同様にして、耐熱性及び吸水耐性の評価を行った。なお、生卵黄より分画したプラズマ画分は、比較例2で用いたものと同じものを用いた。
結果を表3に示す。
実施例12において、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート80は使用しているものの、リゾ化卵黄より分画したプラズマ画分を使用せず、その代わりに生卵黄より分画したプラズマ画分を使用したこと以外は、実施例12と同様にして、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例12と同様にして、耐熱性及び吸水耐性の評価を行った。なお、生卵黄より分画したプラズマ画分は、比較例2で用いたものと同じものを用いた。
結果を表3に示す。
表1〜3から、以下のようなことが分かる。
表1〜2の結果から明らかなように、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分(リゾ化卵黄のプラズマ画分)、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート20又はポリソルベート60又はポリソルベート80が、それぞれ生卵黄のリゾ化物の2〜6質量%に由来する量、及び0.3〜1.0質量%含有された実施例1〜12の水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、ポテト・サラダによる評価から、良好な耐熱性及び吸水耐性を示した。
表1〜2の結果から明らかなように、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分(リゾ化卵黄のプラズマ画分)、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート20又はポリソルベート60又はポリソルベート80が、それぞれ生卵黄のリゾ化物の2〜6質量%に由来する量、及び0.3〜1.0質量%含有された実施例1〜12の水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、ポテト・サラダによる評価から、良好な耐熱性及び吸水耐性を示した。
これに対し、表3の結果からは、比較例1に示すように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用せず、それらの代わりに水を使用したことこと以外は、実施例3〜4、7〜8及び11〜12と同様にして調製した水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、耐熱性及び吸水耐性が劣っていることが分かる。
また、比較例2に示すように、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用せず、それらの代わりにそれぞれ生卵黄より分画されたプラズマ画分及び水を使用したこと以外は実施例3〜4、7〜8及び11〜12と同様にして調製した水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、耐熱性及び吸水耐性が劣っていることが分かる。
更に、比較例3に示すように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート20は1.0質量%使用しているものの、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分(リゾ化卵黄のプラズマ画分)の代わりに生卵黄より分画されたプラズマ画分(生卵黄のプラズマ画分)を使用したこと以外は実施例4と同様にして調製した水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、耐熱性及び吸水耐性が劣っていることが分かる。
次に、比較例4に示すように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート60は1.0質量%使用しているものの、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分(リゾ化卵黄のプラズマ画分)の代わりに生卵黄より分画されたプラズマ画分(生卵黄のプラズマ画分)を使用したこと以外は実施例8と同様にして調製した水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、耐熱性及び吸水耐性が劣っていることが分かる。
加えて、比較例5に示すように、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるポリソルベート80は1.0質量%使用しているものの、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分(リゾ化卵黄のプラズマ画分)の代わりに生卵黄より分画されたプラズマ画分(生卵黄のプラズマ画分)を使用したこと以外は実施例12と同様にして調製した水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、耐熱性及び吸水耐性が劣っていることが分かる。
これらの結果より、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用して調製された水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、優れた耐熱性及び吸水耐性を持つことは、明らかである。
請求項1〜3に係る本発明によれば、優れた耐熱性と吸水耐性を同時に合わせ持つ水中油型乳化食品が提供される。
従って、請求項1〜3に係る本発明は、食品工業分野において有用である。
従って、請求項1〜3に係る本発明は、食品工業分野において有用である。
Claims (3)
- 水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品において、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ分画及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含有されていることを特徴とする耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品。
- リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分の含有量が生卵黄のリゾ化物の2質量%に由来する量以上であること、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがポリソルベート20、ポリソルベート60及びポリソルベート80よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のものであり、かつ、0.3質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1記載の耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品。
- 水相原料と油相原料とが乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、リゾ化卵黄より分画されたプラズマ画分及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加・配合することを特徴とする耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004349323A JP2006158206A (ja) | 2004-12-02 | 2004-12-02 | 耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004349323A JP2006158206A (ja) | 2004-12-02 | 2004-12-02 | 耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006158206A true JP2006158206A (ja) | 2006-06-22 |
Family
ID=36660856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004349323A Withdrawn JP2006158206A (ja) | 2004-12-02 | 2004-12-02 | 耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006158206A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009060856A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Kaneka Corp | 酸性水中油型乳化油脂組成物 |
-
2004
- 2004-12-02 JP JP2004349323A patent/JP2006158206A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009060856A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Kaneka Corp | 酸性水中油型乳化油脂組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4024155B2 (ja) | 容器詰め水中油型乳化パスタソース | |
JP4749129B2 (ja) | レトルトパスタソースの製造方法 | |
JP5734839B2 (ja) | 乳化剤、油脂食品及び油脂食品の製造方法 | |
JP2008043323A (ja) | リゾ化卵黄及びこれを用いた食品 | |
JP4087869B2 (ja) | 保水性及び耐熱性に優れた高油分マヨネーズの製造方法 | |
JP2010051192A (ja) | 酸性水中油型乳化食品およびその用途 | |
JP6114145B2 (ja) | ウニ含有水中油型乳化ソース | |
JP2009060812A (ja) | パスタソース | |
JP5325051B2 (ja) | 炊飯用油脂組成物及びこれを用いて得られる炒飯並びに炒飯の製造方法 | |
JP2006158206A (ja) | 耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品及びその製造方法 | |
JP4889684B2 (ja) | 液状調味料の製造方法 | |
JP2006158205A (ja) | 耐熱性及び吸水耐性に優れた水中油型乳化食品及びその製造方法 | |
JPH07274859A (ja) | 米飯調理用油脂組成物 | |
JP5298870B2 (ja) | 酸性水中油型乳化食品の製造方法 | |
JP5176972B2 (ja) | 液卵の製造方法及び該液卵を用いた酸性水中油型エマルジョン食品の製造方法 | |
JP2568462B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP7289998B1 (ja) | フォアグラ代替食品 | |
JP3730635B2 (ja) | 酸性水中油型乳化食品の製造方法 | |
JP7321737B2 (ja) | 濃縮調味料組成物 | |
JP4087871B2 (ja) | 低塩マヨネーズの製造方法 | |
JP4502894B2 (ja) | 酸性水中油型乳化食品の製造方法 | |
JP2004081065A (ja) | こく味付与組成物 | |
JP2005102641A (ja) | 水中油型エマルジョン食品及びその製造方法 | |
JP3754971B2 (ja) | 耐熱性に優れた水中油型乳化食品の製造方法 | |
JPH0731415A (ja) | マヨネーズ様食品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080205 |