JP2004081065A - こく味付与組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スープ用のこく味付与組成物であって、食用油脂、ホスホリパーゼA処理卵黄及びオクテニルコハク酸化澱粉とを含有した酸性水中油型乳化組成物からなるこく味付与組成物。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分散性及びこく味付与に優れたスープ用のこく味付与組成物に関し、特に、ラーメン等の熱製スープに好適なこく味付与組成物である。
【0002】
【従来の技術】
マヨネーズやサラダドレッシングは酸性水中油型乳化調味料であり、卵黄と食用油脂のこく味と適度な酸味とを有した優れた調味料である。これらの酸性水中油型乳化調味料は、野菜サラダ、ポテトサラダ、パスタサラダ等のサラダを中心に利用されているが、近年、マヨネーズを好物とする「マヨラー」と称する方々がマヨネーズを様々な料理に利用している。その一例として、ラーメンにこく味を付与するためにマヨネーズを添加している。
【0003】
しかしながら、市販されているマヨネーズをラーメンに添加した場合、ラーメンのスープが熱いことから、マヨネーズに含まれる卵成分が熱凝固してしまい、スープ上にマヨネーズのダマが多数発生し浮いた状態となり、容器の底部までマヨネーズを均一に分散することが出来ず、またこれを喫食した場合、スープのこく味は若干上がるものの上部と底部の風味の差が大きく、ダマの部分は酸味が強く感じられ、充分に満足できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、分散性及びこく味付与に優れたスープ用のこく味付与組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべくマヨネーズやサラダドレッシング等の酸性水中油型乳化調味料の乳化材である卵黄に着目し、耐熱性に優れた卵黄を用いるならば目的のこく味付与組成物が得られるのではないかと考え検討した。
【0006】
既に、卵黄に耐熱性を付与する方法として、卵黄をホスホリパーゼAで処理する方法が知られており、特開平1−199559号公報にはホスホリパーゼAで処理した卵黄を含有した耐熱性に優れた水中油型乳化食品が開示されている。また同公報には、該乳化食品の一例としてスープ類が挙げられている。しかしながら、この乳化食品をラーメンに添加した場合、市販されているマヨネーズに比べダマと成り難く分散性も、確かに改善されているものの、分散性に優れているとは未だ言い難く満足できるものではなかった。
【0007】
そこで本発明者は、更に分散性を改善すべく種々の乳化材及び乳化補助材について鋭意研究を重ねた結果、ホスホリパーゼA処理卵黄とオクテニルコハク酸化澱粉とを組合わせて用いるならば、意外にも分散性及びこく味付与に優れたスープ用のこく味付与組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
なお、本出願人は、既に特開2002−153237号公報にてホスホリパーゼA処理卵黄とオクテニルコハク酸化澱粉とを組合わせた酸性水中油型乳化調味料を提案している。しかしながら、同公報記載の発明は、オーブン、フライ、電子レンジ等の強力な加熱処理を施す食品に用いる調味料で、該食品と共に強力な加熱処理を施しても、油相分離を生じ難く、しかも滑らか食感を保持した調味料を得ることを目的とするもので、本発明のようなスープ用のこく味付与組成物として用いること、またスープに用いるならば分散性及びこく味付与に優れていることについては何も開示されていない。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1) スープ用のこく味付与組成物であって、食用油脂、ホスホリパーゼA処理卵黄及びオクテニルコハク酸化澱粉とを含有した酸性水中油型乳化組成物からなるこく味付与組成物、
(2) 粘度が20万mPa・s以下である(1)のこく味付与組成物、
(3) 粘度が18万mPa・s以下である(1)のこく味付与組成物、
(4) ホスホリーゼA処理卵黄のリゾ化率が10〜80%である(1)1乃至(3)のいずれかのこく味付与組成物、
(5) ホスホリーゼA処理卵黄のリゾ化率が30〜70%である(1)乃至(3)のいずれかのこく味付与組成物、
(6) 全体に対し、食用油脂を20〜85%、ホスホリパーゼA処理卵黄を生卵黄換算で0.5〜15%、及びオクテニルコハク酸化澱粉を0.1〜5%含有した酸性乳化組成物からなる(1)乃至(5)のいずれかのこく味付与組成物、
(7) 全体に対し、食用油脂を30〜80%、ホスホリパーゼA処理卵黄を生卵黄換算で1.0〜12%、及びオクテニルコハク酸化澱粉を0.3〜5%含有した酸性乳化組成物からなる(1)乃至(5)のいずれかのこく味付与組成物、
(8) 粉乳を含有する(1)乃至(7)のいずれかのこく味付与組成物、
(9) 全体に対し、粉乳を0.01〜1%含有する(8)のこく味付与組成物、
(10) 全体に対し、粉乳を0.05〜0.8%含有する(8)のこく味付与組成物、
(11) スープが熱製スープである(1)乃至(10)のいずれかのこく味付与組成物、
(12) 熱製スープがラーメンスープである(11)のこく味付与組成物、
を提供することである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明を説明する。なお、本発明において特に限定していない場合は、「%」は「質量%」、また「部」は「質量部」を意味する。
本発明のこく味付与組成物は、スープに添加してこく味を付与する酸性水中油型乳化組成物からなるものである。本発明においてスープとは、一般的にスープと称されるものはもちろんのこと、麺類や具材を含有した食品等のスープあるいはつゆ、並びにつゆに漬けて喫食するつけ麺類等の食品のつゆ等であり、具体的には、例えば、ラーメンのスープ、うどんやそばのつゆ、スープスパゲティーのスープ、コンソメスープ、ポタージュスープ、クリームスープ、ミネストローネ等のスープ類、ざるそば、ざるうどん又はソーメン等のつけ麺類のつゆ等が挙げられる。これらのスープのうち、本発明のこく味付与組成物は、冷製スープ(冷たいスープ)のみならず熱製スープ(熱いスープ)でも分散性に優れていることから、本発明のこく味付与組成物は熱製スープに好適である。特に、ラーメンのスープに添加するならば、こく味を付与するだけでなく、該こく味がラーメン全体の食味に調和して好ましい。ここで熱製スープとは、本発明のこく味付与組成物を添加する際のスープの品温が65℃以上のものをいう。
【0011】
まず、本発明のこく味付与組成物は、食用油脂が水相中に略均一に分散し乳化状態が維持され、適度な酸味と常温での流通を可能とならしめるために食酢、クエン酸、乳酸等の各種有機酸からなる酸材でpHが3.0〜5.0の範囲とした酸性水中油型乳化組成物であり、こく味に優れ、しかも熱製スープに添加してもダマと成り難く分散性に優れたものとするために、ホスホリパーゼA処理卵黄及びオクテニルコハク酸化澱粉を含有している。また、その粘度は、特に限定するものではないが、より分散性に優れたものが得られることから20万mPa・s以下が好ましく、18万mPa・s以下がより好ましい。なお、前記粘度は、B型粘度計を用い、回転数:2rpm、ローター:No.6、品温:25℃の条件で測定したときの値である。
【0012】
ここで食用油脂とは、一般的に酸性水中油型乳化食品や調味料に用いられている食用油脂であれば特に限定するものではない。このような食用油脂としては、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油等の動植物油又はこれらの精製油、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂、または各種スパイスオイル等が挙げられる。
【0013】
本発明では、上述のような食用油脂の1種又は2種以上の食用油脂を用いれば良く。スープにこく味を付与するために全体に対し、20%以上が好ましく、30%以上がさらに好ましい。また、本発明は乳化物でありその乳化状態を維持する必要があるために全体に対し、85%以下が好ましく、更に分散性の点で80%以下がより好ましい。
【0014】
本発明においてホスホリパーゼA処理卵黄とは、卵黄の主成分である卵黄リポ蛋白質(卵黄リン脂質、卵黄油及びコレステロール等の卵黄脂質と卵黄蛋白の複合体)の構成リン脂質にリン脂質分解酵素であるホスホリパーゼAを作用させリン脂質の1位あるいは2位の脂肪酸残基を加水分解してリゾリン脂質とした卵黄をいう。そして、本発明に用いるホスホリパーゼA処理卵黄は、熱製スープに添加したとしても本発明のこく味付与組成物がダマと成り難く、また食味の点で問題とならないようにするために、処理後におけるリゾホスファチジルコリンとホスファチジルコリンの合計量に対するリソホスファチジルコリンの割合(本発明の「リゾ化率」)がイヤトロスキャン法(TLC−FID法)で分析した場合、10〜80%が好ましく、30〜70%がより好ましい。リゾ化率が10%より低いと、得られたこく味付与組成物を熱製スープに添加したとき、ダマと成り易く好ましくない。一方、リゾ化率が80%より高いと、ダマと成り難く分散性も優れているものの苦味を呈し好ましくない。
【0015】
なお、本発明に用いるホスホリパーゼA処理卵黄は、単に生卵黄をホスホリパーゼAで処理したものだけでなく、更にその他の処理、例えば、ショ糖等の糖類あるいは食塩等の塩類の添加、脱糖処理、超臨界二酸化炭素あるいは亜臨界二酸化炭素処理によるトリグリセライド及ぶコレステロールの除去処理、噴霧乾燥や凍結乾燥による乾燥処理、酵素失活処理等の処理を施したものも含まれる。
【0016】
マヨネーズやサラダドレッシング等の酸性水中油型乳化調味料は、一般的に卵黄を乳化材として使用しているが、本発明では、卵黄の一部あるいは全部をホスホリパーゼA処理卵黄と置き換えて用いると良い。特に、全部を置き換えたほうが熱製スープに添加したとき、ダマと成り難く分散性に優れ好ましい。
【0017】
本発明においてホスホリパーゼA処理卵黄の含有量は、オクテニルコハク酸化澱粉及び食用油脂の含有量にもよるが、全体に対し生卵黄換算で0.5〜15%が好ましく、1〜12%がさらに好ましい。含有量が0.5%より少ないと、こく味がある本発明のこく味付与組成物が得られ難く好ましくない。一方、15%より多くしたとしても本発明の効果は変わらないので経済的でなく好ましくない。ここで、生卵黄換算による含有量とは、生卵黄には約50%の固形分(水分以外の成分)を含有しており、ホスホリパーゼA処理卵黄中の水分以外の卵黄由来成分を50%としたときの含有量を意味する。
【0018】
本発明に用いるオクテニルコハク酸化澱粉は、ワキシコーンスターチ、コーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉を加水して懸濁液とし、これに無水オクテニルコハク酸を添加して反応させた後乾燥して得られる澱粉であり、本発明では、低分子化したオクテニルコハク酸化澱粉も包含する。また、オクテニルコハク酸化澱粉は、熱水可溶性、冷水可溶性の何れのものであってもよく、このような澱粉は、「オクテニルコハク酸親油性澱粉」という名称で市販されているので、本発明でもこれを用いればよい。特に、低粘度タイプ、具体的にはB型粘度計で測定したときの5%水溶液の粘度が100mPa・s以下のオクテニルコハク酸化澱粉が分散性に優れ好ましい。なお、前記粘度は、冷水可溶性のものは清水に溶解し、熱水可溶性のものは90℃まで昇温後冷却し蒸発した水分を補正した後の粘度であり、500mPa・s以下のものは、回転数:20rpm、ローター:No.1、品温:25℃の条件で測定したときの値であり、また、500mPa・sより高いものは示度数が少なくとも30以上で、且つ最大示度数を示す条件で測定した値である。
【0019】
本発明においてオクテニルコハク酸化澱粉の含有量は、上述したホスホリパーゼA処理の含有量と同様に、ホスホリパーゼA処理卵黄及び食用油脂の含有量にもよるが、全体に対し0.1〜5%が好ましく、0.3〜5%がより好ましい。含有量が0.1%より少ないと、分散性を充分に改善することが出来ず好ましくない。一方、5%より多くしたとしても、分散性を改善する効果は変わらないので経済的でないばかりか、食味が糊っぽくなり好ましくない。
【0020】
本発明のこく味付与組成物は、脱脂粉乳、全脂粉乳である粉乳を更に含有させると、バランスの良いこく味となることから好ましい。その含有量は、全体に対し0.01〜1%が好ましく、0.05〜0.8%がより好ましい。
【0021】
本発明のこく味付与組成物には、上述の食品原料以外に本発明の効果を損なわない範囲で各種食品原料を適宜選択し含有させることが出来る。例えば、グルタミン酸ソーダ、食塩、砂糖、醤油、味噌等の各種調味料、動植物由来の各種エキス類、キサンタンガム、タマリンド種子ガム、ジェランガム、アラビアガム、ワキシコーンスターチ、コーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉、湿熱処理澱粉、化工澱粉等の増粘材、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の乳化材、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤等が挙げられる。また、本発明の製造方法は、酸性水中油型乳化調味料の常法の方法により製すれば良く、例えば、本発明で用いるホスホリパーゼA処理卵黄及びオクテニルコハク酸化澱粉とその他の水相原料を均一とし、ミキサー内で得られた水相部を撹拌させながら油相部である食用油脂を添加し粗乳化した後、コロイドミル、高圧ホモゲナイザー等で仕上げ乳化を行い製する。
【0022】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
[実施例1]
リゾ化率50%のホスホリパーゼA処理卵黄7kg(生卵黄換算で約7kg)、オクテニルコハク酸化澱粉(松谷化学工業(株)製、商品名:エマルスター#30A)1kg、食酢(酸度:4%)15kg、食塩1kg、グルタミン酸ソーダ0.5kg、辛子粉0.1kg、水飴2kg、砂糖2kg、脱脂粉乳0.1kg、キサンタンガム0.1kg及び清水11.2kgをミキサーで均一に混合し水相部を調製した後、撹拌させながらサラダ油60kgを注加し粗乳化した。次にこの粗乳化物をコロイドミルで常法に則り仕上げ乳化し、本発明のこく味付与組成物を製した。
【0024】
得られたこく味付与組成物は、pHが4.0であり、粘度が10万mPa・sであり、市販のカップラーメンに添加したところ、分散性及びこく味付与に優れたものであった。なお、本実施例で用いたオクテニルコハク酸化澱粉は、冷水可溶性の澱粉であり5%水溶液の粘度が20mPa・sであった。
【0025】
[実施例2]
リゾ化率40%のホスホリパーゼA処理卵黄7kg(生卵黄換算で約7kg)、オクテニルコハク酸化澱粉(松谷化学工業(株)製、商品名:エマルスター#30A)1kg、食酢(酸度:4%)13kg、食塩1kg、グルタミン酸ソーダ0.5kg、辛子粉0.1kg、水飴2kg、砂糖2kg、脱脂粉乳0.1kg、キサンタンガム0.1kg及び清水8.2kgをミキサーで均一に混合し水相部を調製した後、撹拌させながらサラダ油65kgを注加し粗乳化した。次にこの粗乳化物をコロイドミルで常法に則り仕上げ乳化し、本発明のこく味付与組成物を製した。
【0026】
得られたこく味付与組成物は、pHが4.0であり、粘度が24万mPa・sであり、市販のカップラーメンに添加したところ、分散性はやや劣るものの問題とならない程度であり、こく味付与に優れたものであった。
【0027】
[比較例1]
実施例1において、ホスホリパーゼA処理卵黄に換えて生卵黄を用い、またオクテニルコハク酸化澱粉を除いて、その分を清水で補正した以外は実施例1と同様な方法で製した。つまり、生卵黄7kg、食酢(酸度:4%)15kg、食塩1kg、グルタミン酸ソーダ0.5kg、辛子粉0.1kg、水飴2kg、砂糖2kg、脱脂粉乳0.1kg、キサンタンガム0.1kg及び清水12.2kgをミキサーで均一に混合し水相部を調製した後、撹拌させながらサラダ油60kgを注加し粗乳化した。次にこの粗乳化物をコロイドミルで常法に則り仕上げ乳化し、こく味付与組成物を製した。
【0028】
得られたこく味付与組成物は、pHが4.0であり、粘度が9万mPa・sであり、市販のカップラーメンに添加したところ、分散性が悪くダマが多数発生しており、またダマの部分が酸味を呈しスープの味を悪くするもので、こく味付与に劣るものであった。
【0029】
[比較例2]
実施例1において、ホスホリパーゼA処理卵黄に換えて生卵黄を用いた以外は実施例1と同様な方法で製した。つまり、生卵黄7kg、オクテニルコハク酸化澱粉(松谷化学工業(株)製、商品名:エマルスター#30A)1kg、食酢(酸度:4%)15kg、食塩1kg、グルタミン酸ソーダ0.5kg、辛子粉0.1kg、水飴2kg、砂糖2kg、脱脂粉乳0.1kg、キサンタンガム0.1kg及び清水11.2kgをミキサーで均一に混合し水相部を調製した後、撹拌させながらサラダ油60kgを注加し粗乳化した。次にこの粗乳化物をコロイドミルで常法に則り仕上げ乳化し、こく味付与組成物を製した。
【0030】
得られたこく味付与組成物は、pHが4.0であり、粘度が10万mPa・sであり、市販のカップラーメンに添加したところ、比較例1と同様に分散性が悪くダマが多数発生しており、またダマの部分が酸味を呈しスープの味を悪くするもので、こく味付与に劣るものであった。
【0031】
[比較例3]
実施例1において、オクテニルコハク酸化澱粉を除いて、その分を清水で補正した以外は実施例1と同様な方法で製した。つまり、リゾ化率50%のホスホリパーゼA処理卵黄7kg(生卵黄換算で約7kg)、食酢(酸度:4%)15kg、食塩1kg、グルタミン酸ソーダ0.5kg、辛子粉0.1kg、水飴2kg、砂糖2kg、脱脂粉乳0.1kg、キサンタンガム0.1kg及び清水12.2kgをミキサーで均一に混合し水相部を調製した後、撹拌させながらサラダ油60kgを注加し粗乳化した。次にこの粗乳化物をコロイドミルで常法に則り仕上げ乳化し、こく味付与組成物を製した。
【0032】
得られたこく味付与組成物は、pHが4.0であり、粘度が9.5万mPa・sであり、市販のカップラーメンに添加したところ、こく味付与は問題ないものの、分散性がやや劣っていた。
【0033】
【試験例】
実施例1〜2、並びに比較例1〜3で得られた各こく味付与組成物のこく味付与及び分散性を市販のカップラーメン(熱製)を用いて評価した。つまり、市販のカップラーメンを準備し、これを表示の調理方法に従って熱湯を用いて製した。次に、この製した熱いラーメンに各こく味付与組成物をそれぞれ添加し、箸で軽くかき混ぜた後、分散性を目視にて、またこく味付与については喫食して評価した。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表中の記号
+:配合、−:無配合
[こく味付与]
◎:こく味付与に優れている。
○:こく味付与にやや劣るものの問題無い程度である。
△:こく味付与にやや劣る。
×:こく味付与に劣る。
[分散性]
◎:分散性に優れている。
○:分散性にやや劣るものの問題無い程度である。
△:分散性にやや劣る。
×:分散性に劣る。
【0036】
表1より、食用油脂、ホスホリパーゼA処理卵黄及びオクテニルコハク酸化澱粉を含有した酸性水中油型乳化組成物からなる実施例1及び2のこく味付与組成物は、熱製スープにも拘わらず分散性に優れ、またこく味付与にも優れていることが理解される。特に、粘度が20万mPa・s以下の実施例1のこく味付与組成物は、分散性がより優れ好ましいものであった。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたとおり、本発明のこく味付与組成物は、酸性水中油型乳化組成物からなるが、該乳化組成物において、ホスホリパーゼA処理卵黄とオクテニルコハク酸化澱粉を組合わせて用いていることより、冷製スープのみならず熱製スープに添加したとしてもダマを生じることなくスープ全体に均一に分散し、その結果、スープ全体にこく味を付与することが出来る。
Claims (12)
- スープ用のこく味付与組成物であって、食用油脂、ホスホリパーゼA処理卵黄及びオクテニルコハク酸化澱粉とを含有した酸性水中油型乳化組成物からなることを特徴とするこく味付与組成物。
- 粘度が20万mPa・s以下である請求項1記載のこく味付与組成物。
- 粘度が18万mPa・s以下である請求項1記載のこく味付与組成物。
- ホスホリーゼA処理卵黄のリゾ化率が10〜80%である請求項1乃至3のいずれかに記載のこく味付与組成物。
- ホスホリーゼA処理卵黄のリゾ化率が30〜70%である請求項1乃至3のいずれかに記載のこく味付与組成物。
- 全体に対し、食用油脂を20〜85%、ホスホリパーゼA処理卵黄を生卵黄換算で0.5〜15%、及びオクテニルコハク酸化澱粉を0.1〜5%含有した酸性乳化組成物からなる請求項1乃至5のいずれかに記載のこく味付与組成物。
- 全体に対し、食用油脂を30〜80%、ホスホリパーゼA処理卵黄を生卵黄換算で1.0〜12%、及びオクテニルコハク酸化澱粉を0.3〜5%含有した酸性乳化組成物からなる請求項1乃至5のいずれかに記載のこく味付与組成物。
- 粉乳を含有する請求項1乃至7のいずれかに記載のこく味付与組成物。
- 全体に対し、粉乳を0.01〜1%含有する請求項8記載のこく味付与組成物。
- 全体に対し、粉乳を0.05〜0.8%含有する請求項8記載のこく味付与組成物。
- スープが熱製スープである請求項1乃至10のいずれかに記載のこく味付与組成物。
- 熱製スープがラーメンスープである請求項11記載のこく味付与組成物。
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