JP2006156680A - 積層型電子部品 - Google Patents

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高弘 佐藤
Hidenobu Umeda
秀信 梅田
Kuniyasu Watanabe
邦保 渡邉
Masashi Orihara
正志 折原
Kunihiko Kawasaki
邦彦 川崎
Osami Kumagai
修美 熊谷
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Abstract

【課題】 コイル、コンデンサ及びバリスタを同一積層体内に有し、製造及び実装時の手間とコストを低減することが可能な積層型電子部品を提供すること。
【解決手段】 積層型電子部品E1は、バリスタを有するバリスタ部と、コイルを有するコイル部と、コンデンサを有するコンデンサ部とが積層された積層体1を備える。バリスタは、電圧非直線性を発現するバリスタグリーンシートと、バリスタグリーンシートを間に置いて位置するホット電極B1及びグランド電極B2とからなる。コイルは、磁性体グリーンシートにそれぞれ導体パターンB3〜B13が形成されると共に、磁性体グリーンシートの積層方向に隣り合う導体パターン同士が電気的に接続されることにより構成される。コンデンサは、誘電体グリーンシートと、誘電体グリーンシートを間に置いて位置する一対のグランド電極B15,B18,B21及びホット電極B17,B20,B23とからなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、積層型電子部品に関する。
この種の積層型電子部品として、コンデンサを有するコンデンサ部と、コイルを有するコイル部と、が積層された積層体を備えるものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開平11−26294号公報(特許第3413348号公報)
近年の電子機器の小型化に伴いその耐電圧が低下している。そのため、ESD(Electrostatic Discharge:静電気放電)等により高電圧(いわゆるサージ電圧)が生じた場合でも、電子機器を保護して故障や異常動作を防止するための対策(ESD対策)を行う必要がある。このESD対策として、従来の積層型電子部品では、バリスタを備えるバリスタ素子を使用していた。
しかしながら、この場合には、電子機器を構成する積層型電子部品の他に、バリスタ素子を更に製造し、実装する必要があるため、非常に手間とコストがかかるものとなる。
本発明は、上記事情に鑑み、コイル、コンデンサ及びバリスタを同一積層体内に有し、製造及び実装時の手間とコストを低減することが可能な積層型電子部品を提供することを目的とする。
本発明に係る積層型電子部品は、電圧非直線性を発現するバリスタ層と、当該バリスタ層を挟むように位置する一対のバリスタ電極とを含むバリスタを有するバリスタ部と、絶縁層と、当該絶縁層を挟むように位置する一対のコンデンサ電極とを含むコンデンサを有するコンデンサ部と、複数の絶縁層と当該複数の絶縁層にそれぞれ形成された複数の内部導体とを含むと共に、複数の絶縁層の積層方向に隣り合う内部導体同士が電気的に接続されることにより構成されるコイルを有するコイル部と、が積層された積層体を備えることを特徴とする。
本発明に係る積層型電子部品では、同一積層体内にコイル、コンデンサ及びバリスタが配されることとなる。このため、ESD対策のためにバリスタ素子を更に組み合わせて用いる必要がない。この結果、バリスタ素子を製造及び実装する必要がないので、製造及び実装時の手間とコストを低減することができる。
また、積層体の側面には、第1の端子電極、第2の端子電極及び第3の端子電極が形成され、一対のバリスタ電極のうち一方のバリスタ電極は第1の端子電極に電気的に接続され、一対のバリスタ電極のうち他方のバリスタ電極は第3の端子電極に電気的に接続されており、一対のコンデンサ電極のうち一方のコンデンサ電極は第2の端子電極に電気的に接続され、一対のコンデンサ電極のうち他方のコンデンサ電極は第3の端子電極に電気的に接続されており、複数の内部導体のうちコイルの一端となる内部導体は第1の端子電極に電気的に接続され、複数の内部導体のうちコイルの他端となる内部導体は第2の端子電極に電気的に接続されていることが好ましい。このように構成した場合、特に、第1の端子電極を入力端子として用いると、積層型電子部品に含まれるコンデンサ及びコイルも上記バリスタに保護され、ESD対策が施されることとなる。したがって、コンデンサ及びコイルはバリスタ電圧以上の耐電圧を考慮して設計する必要がなく、隣り合うコンデンサ電極の間隔や隣り合う内部導体の間隔を比較的狭く設定することが可能となる。この結果、コイル及びコンデンサの小型化、ひいては積層型電子部品の小型化を図ることができる。
また、コイル部は、コイルを2つ含んでおり、積層体の側面には、第1の端子電極、第2の端子電極及び第3の端子電極が形成され、一対のバリスタ電極のうち一方のバリスタ電極は第1の端子電極に電気的に接続され、一対のバリスタ電極のうち他方のバリスタ電極は第3の端子電極に電気的に接続されており、複数の内部導体のうち一方のコイルの一端となる内部導体は第1の端子電極に電気的に接続され、複数の内部導体のうち他方のコイルの一端となる内部導体は第2の端子電極に電気的に接続され、複数の内部導体のうち一方のコイルの他端となる内部導体と複数の内部導体のうち他方のコイルの他端となる内部導体とが電気的に接続されており、一対のコンデンサ電極のうち一方のコンデンサ電極は一方のコイルの他端となる内部導体及び他方のコイルの他端となる内部導体に電気的に接続され、一対のコンデンサ電極のうち他方のコンデンサ電極は第3の端子電極に電気的に接続されていることが好ましい。このように構成した場合も、特に、第1の端子電極を入力端子として用いると、積層型電子部品に含まれるコンデンサ及びコイルも上記バリスタに保護され、ESD対策が施されることとなる。したがって、コンデンサ及びコイルはバリスタ電圧以上の耐電圧を考慮して設計する必要がなく、隣り合うコンデンサ電極の間隔や隣り合う内部導体の間隔を比較的狭く設定することが可能となる。この結果、コイル及びコンデンサの小型化、ひいては積層型電子部品の小型化を図ることができる。
また、積層体には、第1の端子電極の位置を示す標識部が形成されていると好ましい。このように構成した場合、積層型電子部品を実装する際に、一方のバリスタ電極が接続されている第1の端子電極を容易に識別することができる。したがって、積層型電子部品の実装方向を間違えることがなくなり、特に、第1の端子電極を入力端子として積層型電子部品を確実に実装することができる。
また、コイル部は、積層体内でバリスタ部とコンデンサ部との間に位置していると好ましい。一般に、バリスタ部に含まれるバリスタ層及びコイル部に含まれる絶縁層は亜鉛(Zn)を含んでおり、バリスタ層の方がZnの含有比率が高い。したがって、コイル部の熱膨張率は、バリスタ部の熱膨張率とコンデンサ部の熱膨張率との間にあり、コイル部がバリスタ部とコンデンサ部との間に位置することにより、各部の熱膨張率は積層方向に徐々に変化することとなる。この結果、焼成によるクラックやデラミネーションの発生を防ぐことができる。
また、一対のバリスタ電極のうちコンデンサ部もしくはコイル部側に位置するバリスタ電極と、当該バリスタ電極と積層体の積層方向に隣り合うコンデンサ部のコンデンサ電極もしくはコイル部の内部導体との積層体の積層方向における間隔は、100μm以上に設定されていることが好ましい。バリスタにバリスタ電圧以上の電圧が印加されると、バリスタにはサージ電流が流れる。このサージ電流はコンデンサ又はコイルにノイズとなって伝播し、バリスタとコンデンサ又はコイルとの間にクロストークが生じることがある。しかしながら、一対のバリスタ電極のうちコンデンサ部もしくはコイル部側に位置するバリスタ電極と、当該バリスタ電極と積層体の積層方向に隣り合うコンデンサ部のコンデンサ電極もしくはコイル部の内部導体との間隔が100μm以上に設定されることにより、バリスタとコンデンサ又はコイルとの間に生じるクロストークを大幅に抑制することができる。
本発明によれば、コイル、コンデンサ及びバリスタを同一積層体内に有し、製造及び実装時の手間とコストを低減することが可能な積層型電子部品を提供することができる。
本発明の実施形態に係る積層型電子部品について図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。また、説明中、「上」なる語を使用することがあるが、これは各図の上方向に対応したものである。
(第1実施形態)
図1〜4を参照して、第1実施形態に係る積層型電子部品E1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る積層型電子部品を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る積層型電子部品の断面構成を説明するための図である。図3は、第1実施形態に係る積層型電子部品に含まれる積層体の分解斜視図である。図4は、第1実施形態に係る積層型電子部品の等価回路を説明するための図である。本第1実施形態は、本発明をT型フィルタに適用したものである。
積層型電子部品E1は、図1に示されるように、略直方体形状の積層体1を備えており、積層体1により積層型電子部品E1の本体が構成される。積層体1は、それぞれ対向する一対の側面9a,9bと、一対の側面9c,9dと、一対の上面9e及び底面9fとを有し、これらの各面9a〜9fにより略直方体形状を呈している。なお、底面9fは、積層型電子部品E1が外部基板に実装されたときに、当該外部基板に対向する面である。
また、積層型電子部品E1は、積層体1の側面9a上に形成された入力端子(第1の端子電極)3と、側面9b上に形成された出力端子(第2の端子電極)5と、側面9c,9d上に形成された一対のグランド端子(第3の端子電極)7とを備えている。入力端子3は、側面9aの全面を覆い、更にその一部が各面9c〜9f上に回りこんで形成されている。出力端子5は、側面9bの全面を覆い、更にその一部が各面9c〜9f上に回り込んで形成されている。各グランド端子7は、積層体1の積層方向に帯状に伸びると共に、更にその両端部が上面9e及び底面9fに回り込んで形成されている。
さらに、積層型電子部品E1は、積層体1の上面9eの視認しやすい位置であって、入力端子3の近傍にマーク(標識部)8を備えている。このため、積層型電子部品E1を外部基盤に実装する際に、入力端子3を容易に見分けることができ、積層型電子部品E1の実装方向を間違えることがなくなる。なお、マーク8は、いずれの端子が入力端子3であるかを識別できればよく、上面9e以外の面上に形成されていてもよい。
積層型電子部品E1は、図2及び図3に示されるように、バリスタVを含むバリスタ部10と、2つのコイルL1,L2を含むコイル部20と、コンデンサCを含むコンデンサ部30とを備えている。これらのバリスタ部10、コイル部20、及びコンデンサ部30が積層されることにより積層体1が構成されることとなる。
まず、バリスタ部10の構成について説明する。バリスタ部10は、ホット電極B1、グランド電極B2及びそれらの導出部B1a,B2aがそれぞれ形成されたバリスタグリーンシートA2,A3を含む複数(本第1実施形態では4枚)のバリスタグリーンシートA1〜A4が積層されることにより構成される。実際の積層型電子部品E1は、バリスタグリーンシートA1〜A4間の境界が視認できない程度に一体化されている。バリスタグリーンシートA1〜A4は、焼成されることによりバリスタ層として機能する。なお、ホット電極B1は信号用のバリスタ電極であり、グランド電極B2は接地用のバリスタ電極である。
バリスタグリーンシートA1〜A4は、例えばZnO、Co、Pr11、CaCO、SiOの混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。このバリスタグリーンシートA1〜A4の組成により、印加される電圧に対して抵抗値が非直線的に変化する電圧非直線性が発現することとなる。また、バリスタグリーンシートA1〜A4の厚みは、例えば30μm程度である。なお、バリスタグリーンシートA1〜A4は、Znを98%程度含んでおり、熱膨張率が大きなものとなっている。
バリスタグリーンシートA1の表面には、TiOを主成分としたセラミック組成物がスクリーン印刷されることにより、マーク8が形成されている。
バリスタグリーンシートA2の表面には、ホット電極B1及び導出部B1aがそれぞれ形成されている。ホット電極B1は、バリスタグリーンシートA2よりも一回り小さな略長方形状を呈している。ホット電極B1には、一方の短辺の中央部に導出部B1aが一体的に形成されている。ホット電極B1の導出部B1aは、略矩形状を呈しており、バリスタグリーンシートA2の縁に引き出され、その端部がバリスタグリーンシートA2の端面に露出している。このため、ホット電極B1の導出部B1aは、入力端子3に電気的に接続されることとなる。
バリスタグリーンシートA3の表面には、グランド電極B2及び導出部B2aがそれぞれ形成されている。グランド電極B2は、バリスタグリーンシートA3よりも一回り小さな略長方形状を呈している。グランド電極B2には、両短辺の中央部に一対の導出部B2aがそれぞれ一体的に形成されている。グランド電極B2の導出部B2aは、略矩形状を呈しており、バリスタグリーンシートA3の縁に引き出され、その端部がバリスタグリーンシートA3の端面に露出している。このため、グランド電極B2の導出部B2aは、各グランド端子7にそれぞれ接続されることとなる。
以上のように、各バリスタグリーンシートA1〜A4が積層され、ホット電極B1とグランド電極B2とがバリスタグリーンシートA2を挟むことで、バリスタVが構成されることとなる。なお、ホット電極B1、グランド電極B2及び各導出部B1a,B2aは、それぞれPdを主成分とするペーストをバリスタグリーンシートA2,A3にスクリーン印刷することにより形成される。ホット電極B1、グランド電極B2及び導出部B1a,B2aの厚みは、例えば5μm程度である。
次に、コイル部20の構成について説明する。コイル部20は、導体パターン(内部導体)B3〜B13が形成された磁性体グリーンシートA6〜A11を含む複数(本第1実施形態では7枚)の磁性体グリーンシートA5〜A11が積層されることにより構成される。実際の積層型電子部品E1は、磁性体グリーンシートA5〜A11間の境界が視認できない程度に一体化されている。磁性体グリーンシートA5〜A11は、焼成されることにより絶縁層として機能する。
磁性体グリーンシートA5〜A11は、電気絶縁性を有する絶縁体である。磁性体グリーンシートA5〜A11は、フェライト(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト又はNi−Cu系フェライト等)を原料としたスラリーをドクターブレード法によりフィルム上に塗布することで形成される。磁性体グリーンシートA5〜A11の厚みは、例えば20μm程度である。なお、磁性体グリーンシートA5〜A11は、Znを10%程度含んでおり、バリスタグリーンシートA1〜A4と比較すると熱膨張率が小さなものとなっている。
磁性体グリーンシートA6の表面には、各導体パターンB3,B8が互いに所定の間隔を有した状態で磁性体グリーンシートA6の長手方向に並設されている。各導体パターンB3,B8は、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB3,B8は、それぞれコイルL1,L2の略1/2ターンに相当し、略L字状に形成されている。各導体パターンB3,B8の一端には、導出部B3a,B8aがそれぞれ一体的に形成されている。各導体パターンB3,B8の導出部B3a,B8aは、磁性体グリーンシートA6の縁にそれぞれ引き出され、各端部が磁性体グリーンシートA6の端面にそれぞれ露出している。このため、導出部B3aは入力端子3と電気的に接続され,導出部B8aは出力端子5と電気的に接続されることとなる。各導体パターンB3,B8の他端は、磁性体グリーンシートA6を厚み方向に貫通して形成されたスルーホール電極C1,C6と電気的に接続されている。このため、各導体パターンB3,B8は、積層体1が積層された状態で、スルーホール電極C1,C6を介して対応する各導体パターンB4,B9の一端とそれぞれ電気的に接続される。
磁性体グリーンシートA7の表面には、各導体パターンB4,B9が互いに所定の間隔を有した状態で磁性体グリーンシートA7の長手方向に並設されている。各導体パターンB4,B9は、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB4,B9は、それぞれコイルL1,L2の略3/4ターンに相当し、略U字状に形成されている。各導体パターンB4,B9の一端には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C1,C6と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB4,B9の他端は、磁性体グリーンシートA7を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C2,C7とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB4,B9は、積層体1が積層された状態で、各スルーホール電極C2,C7を介して対応する各導体パターンB5,B10の一端とそれぞれ電気的に接続される。
磁性体グリーンシートA8の表面には、各導体パターンB5,B10が互いに所定の間隔を有した状態で磁性体グリーンシートA8の長手方向に並設されている。各導体パターンB5,B10は、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB5,B10は、それぞれコイルL1,L2の略3/4ターンに相当し、略C字状に形成されている。各導体パターンB5,B10の一端には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C2,C7と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB5,B10の他端は、磁性体グリーンシートA8を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C3,C8とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB5,B10は、積層体1が積層された状態で、各スルーホール電極C3,C8を介して対応する各導体パターンB6,B11の一端とそれぞれ電気的に接続される。
磁性体グリーンシートA9の表面には、各導体パターンB6,B11が互いに所定の間隔を有した状態で磁性体グリーンシートA9の長手方向に並設されている。各導体パターンB6,B11は、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB6,B11は、それぞれコイルL1,L2の略3/4ターンに相当し、略U字状に形成されている。各導体パターンB6,B11の一端には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C3,C8と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB6,B11の他端は、磁性体グリーンシートA9を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C4,C9とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB6,B11は、積層体1が積層された状態で、各スルーホール電極C4,C9を介して対応する各導体パターンB7,B12の一端とそれぞれ電気的に接続される。
磁性体グリーンシートA10の表面には、各導体パターンB7,B12が互いに所定の間隔を有した状態で磁性体グリーンシートA10の長手方向に並設されている。各導体パターンB7,B12は、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB7,B12は、それぞれコイルL1,L2の略1/2ターンに相当し、略C字状に形成されている。各導体パターンB7,B12の一端には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C4,C9と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB7,B12の他端は、磁性体グリーンシートA10を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C5,C10とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB7,B12は、積層体1が積層された状態で、各スルーホール電極C5,C10を介して対応する導体パターンB13の各端部とそれぞれ電気的に接続される。
以上のように、各磁性体グリーンシートA5〜A11が積層され、各導体パターンB3〜B7が各スルーホール電極C1〜C4を介して相互に電気的に接続されることにより、コイルL1が構成されることとなる。また、各導体パターンB8〜B12が各スルーホール電極C6〜C9を介して相互に電気的に接続されることにより、コイルL2が構成されることとなる。
磁性体グリーンシートA11の表面には、導体パターンB13が磁性体グリーンシートA11の長手方向に伸びて、略I字状に形成さている。導体パターンB13の両端に対応する位置には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C5,C10と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。これにより、コイルL1とコイルL2とが電気的に接続されることとなる。また、導体パターンB13の中央部には、磁性体グリーンシートA11を厚み方向に貫通して形成されたスルーホール電極C11と電気的に接続されている。
なお、導体パターンB3〜B13及びスルーホール電極C1〜C11は、それぞれPdを主成分とするペーストを磁性体グリーンシートA6〜A11にスクリーン印刷することによって形成される。導体パターンB3〜B13の厚みは、例えば14μm程度である。
次に、コンデンサ部30の構成について説明する。コンデンサ部30は、導体パターンB14が形成された誘電体グリーンシートA12と、グランド電極B15,B18,B21及びその導出部B15a,B18a,B21aが形成された誘電体グリーンシートA13,A15,A17と、ホット電極B17,B20,B23が形成された誘電体グリーンシートA14,A16,A18とを含む複数(本第1実施形態では8枚)の誘電体グリーンシートA12〜A19が積層されることにより構成される。実際の積層型電子部品E1は、誘電体グリーンシートA12〜A19間の境界が視認できない程度に一体化されている。誘電体グリーンシートA12〜A19は、焼成されることにより絶縁層として機能する。なお、グランド電極B15,B18,B21は接地用のコンデンサ電極であり、ホット電極B17,B20,B23は信号用のコンデンサ電極である。
誘電体グリーンシートA12〜A19は、例えばTiOに微量のCuO、NiO、Mnを添加した混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。誘電体グリーンシートA12〜A19の厚みは、例えば40μmである。なお、誘電体グリーンシートA12〜A19は、Znを含んでおらず、バリスタグリーンシートA1〜A4及び磁性体グリーンシートA5〜A11と比べて熱膨張率が小さなものとなっている。
誘電体グリーンシートA12の表面には、その中央部に導体パターンB14が島状に形成されている。導体パターンB14の中央は、誘電体グリーンシートA12を厚み方向に貫通して形成されたスルーホール電極C12と電気的に接続されている。このため、導体パターンB14は、積層体1が積層された状態で、スルーホール電極C12を介して対応する導体パターンB16と電気的に接続される。
誘電体グリーンシートA13の表面にはグランド電極B15が形成されている。グランド電極B15は誘電体グリーンシートA13よりも一回り小さな略長方形状を呈しており、グランド電極B15の中央には誘電体グリーンシートA13が露出するように略正方形状の開口が形成されている。グランド電極B15には、両長辺の中央部に一対の導出部B15aが一体的に形成されている。グランド電極B15の導出部B15aは、略矩形状を呈しており、誘電体グリーンシートA13の縁に引き出され、その端部が誘電体グリーンシートA13の端面に露出している。このため、グランド電極B15の導出部B15aは、対応するグランド端子7にそれぞれ接続されることとなる。グランド電極B15の開口の中央部には、導体パターンB16が島状に形成されている。導体パターンB16は、積層体1が積層された状態でスルーホール電極C12と電気的に接続される領域が含まれている。また、導体パターンB16の中央には、誘電体グリーンシートA13を厚み方向に貫通するスルーホール電極C13が形成されている。このため、導体パターンB16は、積層体1が積層された状態で、スルーホール電極C13を介して対応するホット電極B17と電気的に接続される。
誘電体グリーンシートA14の表面にはホット電極B17が形成されている。ホット電極B17は、誘電体グリーンシートA14よりも一回り小さな略長方形状を呈している。ホット電極B17は、積層体1が積層された状態でスルーホール電極C13と電気的に接続される領域が含まれている。また、ホット電極B17の中央には、誘電体グリーンシートA14を厚み方向に貫通するスルーホール電極C14が形成されている。このため、ホット電極B17は、積層体1が積層された状態で、スルーホール電極C14を介して対応する導体パターンB19と電気的に接続される。
誘電体グリーンシートA15の表面にはグランド電極B18が形成されている。グランド電極B18は誘電体グリーンシートA15よりも一回り小さな略長方形状を呈しており、グランド電極B18の中央には誘電体グリーンシートA15が露出するように略正方形状の開口が形成されている。グランド電極B18には、両長辺の中央部に一対の導出部B18aが一体的に形成されている。グランド電極B18の導出部B18aは、略矩形状を呈しており、誘電体グリーンシートA15の縁に引き出され、その端部が誘電体グリーンシートA15の端面に露出している。このため、グランド電極B18の導出部B18aは、対応するグランド端子7にそれぞれ接続されることとなる。グランド電極B18の開口の中央部には、導体パターンB19が島状に形成されている。導体パターンB19は、積層体1が積層された状態でスルーホール電極C14と電気的に接続される領域が含まれている。また、導体パターンB19の中央には、誘電体グリーンシートA15を厚み方向に貫通するスルーホール電極C15が形成されている。このため、導体パターンB19は、積層体1が積層された状態で、スルーホール電極C15を介して対応するホット電極B20と電気的に接続される。
誘電体グリーンシートA16の表面にはホット電極B20が形成されている。ホット電極B20は、誘電体グリーンシートA16よりも一回り小さな略長方形状を呈している。ホット電極B20は、積層体1が積層された状態でスルーホール電極C15と電気的に接続される領域が含まれている。また、ホット電極B20の中央には、誘電体グリーンシートA16を厚み方向に貫通するスルーホール電極C16が形成されている。このため、ホット電極B20は、積層体1が積層された状態で、スルーホール電極C16を介して対応する導体パターンB22と電気的に接続される。
誘電体グリーンシートA17の表面にはグランド電極B21が形成されている。グランド電極B21は誘電体グリーンシートA17よりも一回り小さな略長方形状を呈しており、グランド電極B21の中央には誘電体グリーンシートA17が露出するように略正方形状の開口が形成されている。グランド電極B21には、両長辺の中央部に一対の導出部B21aが一体的に形成されている。グランド電極B21の導出部B21aは、略矩形状を呈しており、誘電体グリーンシートA17の縁に引き出され、その端部が誘電体グリーンシートA17の端面に露出している。このため、グランド電極B21の導出部B21aは、対応するグランド端子7にそれぞれ接続されることとなる。グランド電極B21の開口の中央部には、導体パターンB22が島状に形成されている。導体パターンB22は、積層体1が積層された状態でスルーホール電極C16と電気的に接続される領域が含まれている。また、導体パターンB22の中央には、誘電体グリーンシートA17を厚み方向に貫通するスルーホール電極C17が形成されている。このため、導体パターンB22は、積層体1が積層された状態で、スルーホール電極C17を介して対応するホット電極B23と電気的に接続される。
誘電体グリーンシートA18の表面にはホット電極B23が形成されている。グランド電極B23は誘電体グリーンシートA18よりも一回り小さな略長方形状を呈している。ホット電極B23には、積層体1が積層された状態でスルーホール電極C17と電気的に接続される領域が含まれている。
以上のように、各誘電体グリーンシートA12〜A19が積層され、各グランド電極B15,B18,B21と各ホット電極B17,B20,B23とが各誘電体グリーンシートA13〜A17をそれぞれ挟むことにより、コンデンサCが構成されることとなる。なお、導体パターンB14,B16,B19,B22、ホット電極B17,B20,B23、グランド電極B15,B18,B21、各導出部B15a,B18a,B21a及びスルーホール電極C12〜C17は、それぞれPdを主成分とするペーストを各誘電体グリーンシートA12〜A18にそれぞれスクリーン印刷することにより形成される。導体パターンB14,B16,B19,B22、ホット電極B17,B20,B23、グランド電極B15,B18,B21及び各導出部B15a,B18a,B21aの厚みは、例えば5μm程度である。
バリスタ部10とコイル部20との間には、クロストーク対策のため、グランド電極B2と導体パターンB3,B8との積層体1の積層方向における間隔(以下、絶縁体層間厚みという)G(図2参照)を得る目的で、複数(本第1実施形態では3枚)の中間材グリーンシートA20〜A22が積層されている。中間材グリーンシートA20〜A22は、電気絶縁性を有する絶縁体である。中間材グリーンシートA20〜A22は、例えば、ZnO及びFeを主成分とした混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。中間材グリーンシートA20〜A22の厚みは、例えば30μmである。なお、絶縁体層間厚みGが100μm以上となるように、中間材グリーンシートの枚数を適宜調整することが好ましい。このようにすると、積層型電子部品E1の通過周波数が100MHzである場合において、クロストークを−30dB以下とすることができるためである。また、中間材グリーンシートA20〜A22の縮率を調整するために、NiO、CoO、Pr11、CaCO、SiO、CuOのうちいずれか1種以上を混合紛にごくわずか添加すると好ましい。
コイル部20とコンデンサ部30との間には、コイル部20とコンデンサ部30との縮率を調整する目的で、複数(本第1実施形態では2枚)の中間材グリーンシートA23,A24が積層されている。中間材グリーンシートA23,A24は、電気絶縁性を有する絶縁体である。中間材グリーンシートA23,A24は、例えばFe、CuO及びZnOに微量のMnを添加した混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。中間材グリーンシートA23,A24の厚みは、例えば20μm程度である。
各中間材グリーンシートA23,A24の表面の中央部には、導体パターンB24,B25が島状にそれぞれ形成されている。各導体パターンB24,B25は、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C11,C18とそれぞれ電気的に接続される領域が含まれている。また、各導体パターンB24,B25の中央には、各中間材グリーンシートA23,A24を厚み方向に貫通するスルーホール電極C18,C19がそれぞれ形成されている。このため、各導体パターンB24,B25は、積層体1が積層された状態で、各スルーホール電極C18,C19を介して対応する導体パターンB25,B14とそれぞれ電気的に接続される。これにより、コイルL1,L2の一端とコンデンサCのホット電極B17,B20,B23とが電気的に接続される。なお、各導体パターンB24,B25及び各スルーホール電極C18,C19は、それぞれPdを主成分とするペーストを中間材グリーンシートA23,A24にスクリーン印刷することにより形成される。
上述した構成の積層型電子部品では、入力端子3にはホット電極B1及び導体パターンB3が電気的に接続され、出力端子5には導体パターンB8が電気的に接続され、グランド端子7にはグランド電極B2,B15,B18,B21が電気的に接続されている。そのため、積層型電子部品E1は、図4に示されるように、コイルL1,L2及びコンデンサCからなるT型フィルタにバリスタVが付加された回路構成となっている。
次に、積層型電子部品E1の作製方法について説明する。
まず、バリスタグリーンシートA1〜A4、磁性体グリーンシートA5〜A11、誘電体グリーンシートA12〜A19及び中間材グリーンシートA20〜A24を用意する。次に、各磁性体グリーンシートA6〜A11、誘電体グリーンシートA12〜A17及び中間材グリーンシートA23,A24の所定の位置、すなわちスルーホール電極C1〜C19を形成する予定位置に、レーザー加工等によってスルーホールを形成する。
次に、バリスタグリーンシートA1にマーク8を形成し、バリスタグリーンシートA2,A3にそれぞれホット電極B1、グランド電極B2及び導出部B1a,B2aを形成する。また、磁性体グリーンシートA6〜A11にそれぞれ導体パターンB3〜B13及び導出部B3a,B8aを形成する。また、誘電体グリーンシートA12〜A18に導体パターンB14,B16,B19,B22と、グランド電極B15,B18,B21及び導出部B15a,B18a,B21aと、ホット電極B17,B20,B23とをそれぞれ形成する。さらに、各スルーホール電極C1〜C19を形成する。
次に、各バリスタグリーンシートA1〜A4、各磁性体グリーンシートA5〜A11、各誘電体グリーンシートA13〜A19及び各中間材グリーンシートA20〜A24を、図3に示された順序にて積層して圧着し、チップ単位に切断した後に所定温度(例えば、1100〜1200℃)にて焼成する。これにより、各グリーンシートA1〜A24間の境界が視認できない程度に一体化され、積層体1が形成されることとなる。積層体1は、例えば、完成後における長手方向の長さが2.0mm、幅が1.2mm、高さが0.8mmとなるようにする。
次に、この積層体1に入力端子3、出力端子5及びグランド端子7を形成する。これにより、積層型電子部品E1が形成されることとなる。入力端子3、出力端子5及びグランド端子7は、積層体1の側面9a〜9dに銀を主成分とする電極ペーストをそれぞれ転写した後に所定温度(例えば、700〜800℃)にて焼き付け、更に電気めっきを施すことにより、形成される。電気めっきには、NiとSn、CuとNiとSn、NiとAu、NiとPdとAu、NiとPbとAg、又はNiとAg等を用いることができる。
以上のように、本第1実施形態においては、バリスタVを有するバリスタ部10と、コイルL1,L2を有するコイル部20と、コンデンサCを有するコンデンサ部30とが積層された積層体1を備えている。そのため、同一積層体内にコイルL1,L2、コンデンサC及びバリスタVが配されることとなる。従って、ESD対策のためにバリスタ素子を更に組み合わせて用いる必要がなくなる。これにより、バリスタ素子を製造及び実装する必要がないので、製造及び実装時の手間とコストを低減することができる。
また、本第1実施形態において、積層体1の側面9a〜9dに入力端子3、出力端子5及びグランド端子7が形成されている。また、ホット電極B1が導出部B1aを介して入力端子3に電気的に接続され、グランド電極B2が導出部B2aを介してグランド端子7に接続されている。そして、コイルL1の一端となる導体パターンB3が導出部B3aを介して入力端子3に電気的に接続され、コイルL2の一端となる導体パターンB8が導出部B8aを介して出力端子5に電気的に接続され、コイルL1の他端となる導体パターンB7とコイルL2の他端となる導体パターンB12とが導体パターンB13を介して電気的に接続されている。さらに、ホット電極B17,B20,B23が導体パターンB14,B16,B19,B22,B24,B25、スルーホール電極C11〜C19及び導体パターンB13を介してコイルL1,L2の他端となる導体パターンB7,B12にそれぞれ電気的に接続され、グランド電極B15,B18,B21が導出部B15a,B18a,B21aを介してグランド端子7に電気的に接続されている。そのため、通常はバリスタVに電流が流れずコイルL1,L2及びコンデンサCがフィルタとして機能することとなるが、バリスタVにバリスタ電圧以上の電圧が印加されるとバリスタVの電圧非直線性により入力端子3とグランド端子7との間にサージ電流が流れる。これにより、積層型電子部品E1に含まれるコイルL1,L2及びコンデンサCについてもバリスタVにより保護され、ESD対策が施されることとなる。その結果、コイルL1,L2及びコンデンサCは、バリスタ電圧以上の耐電圧を考慮して設計する必要がなく、隣り合う導体パターン同士の間隔や隣り合うホット電極及びグランド電極同士の間隔を比較的狭く(すなわち、磁性体グリーンシート及び誘電体グリーンシートの厚みを薄く)設定することが可能となる。この結果、コイルL1,L2及びコンデンサCの小型化、ひいては積層型電子部品E1の小型化を図ることができる。
また、本第1実施形態において、積層体1の上面9eに入力端子3の位置を示すマーク8が形成されている。これにより、積層型電子部品E1を実装する際に、バリスタVが電気的に接続されている入力端子3を容易に識別することができる。この結果、実装方向を間違えることがなくなり、積層型電子部品E1を確実に実装することができる。
また、本第1実施形態では、コイル部20は、積層体1内でバリスタ部10とコンデンサ部30との間に位置している。バリスタ部10に含まれるバリスタグリーンシートA1〜A4及びコイル部20に含まれる磁性体グリーンシートA5〜A11は亜鉛(Zn)を含んでおり、バリスタグリーンシートA1〜A4の方がZnの含有比率が高い。従って、コイル部20の熱膨張率は、バリスタ部10の熱膨張率とコンデンサ部30の熱膨張率との間にあり、コイル部20がバリスタ部10とコンデンサ部30との間に位置することにより、各部の熱膨張率は積層方向に徐々に変化することとなる。これにより、各部でそれぞれ異なる熱膨張率の調整を図ることができ、積層体1を積層して焼成する際にクラックやデラミネーションの発生を防ぐことができる。
また、本第1実施形態では、コイル部20側に位置するグランド電極B2と、積層体1の積層方向にグランド電極B2と隣り合う導体パターンB3,B8との積層体1の積層方向における間隔(絶縁体層間厚みG)が100μm以上に設定されている。これにより、バリスタVにサージ電流が流れた場合、このサージ電流がコイルL1,L2にノイズとなって伝播し、バリスタVとコイルL1,L2との間に生じるクロストークを大幅に抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図5〜図7を参照して、第2実施形態に係る積層型電子部品E2の構成について説明する。図5は、第2実施形態に係る積層型電子部品を示す斜視図である。図6は、第2実施形態に係る積層型電子部品に含まれる積層体の分解斜視図である。図7は、第2実施形態に係る積層型電子部品の等価回路を説明するための図である。本第2実施形態は、本発明をコモンモードフィルタフィルタに適用したものである。
積層型電子部品E2は、図5に示されるように、略直方体形状の積層体1を備えており、積層体1により積層型電子部品E2の本体が構成される。
また、積層型電子部品E2は、積層体1の側面9a上に形成された複数(本第2実施形態では2つ)の入力端子(第1の端子電極)3と、側面9b上に形成された複数(本第2実施形態では2つ)の出力端子(第2の端子電極)5と、側面9a,9bにそれぞれ対向するように形成された一対のグランド端子(第3の端子電極)7とを備えている。各入力端子3は、それぞれ所定の間隔を有して側面9a上に並設されている。また、各入力端子3は、積層体1の積層方向に帯状に伸びると共に、更にその両端部が上面9e及び底面9fに回り込んで形成されている。各出力端子5は、それぞれ所定の間隔を有して側面9b上に並設されている。また、各出力端子5は、積層体1の積層方向に帯状に伸びると共に、更にその両端部が上面9e及び底面9fに回り込んで形成されている。各グランド端子7は、各入力端子3と各出力端子5との間にそれぞれ設けられている。また、各グランド端子7は、積層体1の積層方向に帯状に伸びると共に、更にその一部が上面9e及び底面9fに回り込んで形成されている。
さらに、積層型電子部品E2は、積層体1の上面9eの視認しやすい位置であって、入力端子3の近傍にマーク(標識部)8を備えている。
積層型電子部品E2は、図6及び図7に示されるように、複数(本第2実施形態では2個)のバリスタVを含むバリスタ部10と、複数(本第2実施形態では2個)のコイルLを含むコイル部20と、複数(本第2実施形態では2個)のコンデンサCを含むコンデンサ部30とを備えている。これらのバリスタ部10、コイル部20、及びコンデンサ部30が積層されることにより積層体1が構成されることとなる。
まず、バリスタ部10の構成について説明する。バリスタ部10は、グランド電極B31,B33,B35、ホット電極B32,B34及びそれらの導出部B31a〜B35aがそれぞれ形成されたバリスタグリーンシートA32〜A36を含む複数(本第2実施形態では6枚)のバリスタグリーンシートA31〜A36が積層されることにより構成される。実際の積層型電子部品E2は、バリスタグリーンシートA31〜A36間の境界が視認できない程度に一体化されている。バリスタグリーンシートA31〜A36は、焼成されることによりバリスタ層として機能する。なお、ホット電極B32,B34は信号用のバリスタ電極であり、グランド電極B31,B33,B35は接地用のバリスタ電極である。
バリスタグリーンシートA31〜A36は、第1実施形態と同じく、例えばZnO、Co、Pr11、CaCO、SiOの混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。また、バリスタグリーンシートA31〜A36の厚みは、例えば30μm程度である。
バリスタグリーンシートA31の表面には、TiOを主成分としたセラミック組成物がスクリーン印刷されることにより、マーク8が形成されている。
各バリスタグリーンシートA32,A34、A36の表面には、グランド電極B31,B33,B35及び導出部B31a,B33a,B35aがそれぞれ形成されている。各グランド電極B31,B33,B35には、両短辺の中央部に一対の導出部B31a,B33a,B35aがそれぞれ一体的に形成されている。各グランド電極B31,B33,B35の各導出部B31a,B33a,B35aは、それぞれ略矩形状を呈しており、各バリスタグリーンシートA32,A34,A36の縁に引き出され、その端部が各バリスタグリーンシートA32,A34,A36の端面にそれぞれ露出している。このため、各グランド電極B31,B33,B35の各導出部B31a,B33a,B35aは、積層体1が積層された状態で上から見て互いに重なる位置に配置されており、各グランド端子7にそれぞれ電気的に接続されることとなる。
各バリスタグリーンシートA33,A35の表面には、ホット電極B32,B34及び導出部B32a,B34aがそれぞれ形成されている。各ホット電極B32,B34には、導出部B32a,B34aがそれぞれ一体的に形成されている。各ホット電極B32,B34の各導出部B32a,B34aは、略矩形状を呈しており、各バリスタグリーンシートA33,A35の縁に引き出され、その端部が各バリスタグリーンシートA33,A35の端面に露出している。また、各ホット電極B32,B34の各導出部B32a,B34aは、各ホット電極B32,B34の短手方向にずれて配置されている。このため、各ホット電極B32,B34の各導出部B32a,B34aは、対応する入力端子3にそれぞれ電気的に接続されることとなる。
以上のように、各バリスタグリーンシートA31〜A36が積層され、各グランド電極B31,B33,B35と各ホット電極B32,B34とが各バリスタグリーンシートA32〜A35を挟むことで、2個のバリスタVが構成されることとなる。なお、グランド電極B31,B33,B35、ホット電極B32,B34及び導出部B31a〜B35aは、第1実施形態と同じく、それぞれPdを主成分とするペーストをバリスタグリーンシートA32〜A36にスクリーン印刷することにより形成される。グランド電極B31,B33,B35、ホット電極B32,B34及び導出部B31a〜B35aの厚みは、例えば5μmである。
次に、コイル部20の構造について説明する。コイル部20は、導体パターン(内部導体)B36〜B39が形成された磁性体グリーンシートA38〜A41を含む複数(本第2実施形態では5枚)の磁性体グリーンシートA37〜A41が積層されることにより構成される。実際の積層型電子部品E2は、磁性体グリーンシートA37〜A41間の境界が視認できない程度に一体化されている。磁性体グリーンシートA37〜A41は、焼成されることにより絶縁層として機能する。
磁性体グリーンシートA37〜A41は、電気絶縁性を有する絶縁体である。磁性体グリーンシートA37〜A41は、第1実施形態と同じく、フェライト(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト又はNi−Cu系フェライト等)を原料としたスラリーをドクターブレード法によりフィルム上に塗布することで形成される。磁性体グリーンシートA37〜A41の厚みは、例えば20μm程度である。
磁性体グリーンシートA38,A40の表面には、導体パターンB36,B38がそれぞれ磁性体グリーンシートA38,A40の中心部から縁へ向かってスパイラル状に形成されている。各導体パターンB36,B38の一端には、導出部B36a,B38aがそれぞれ一体的に形成されている。各導体パターンB36,B38の各導出部B36a,B38aは、磁性体グリーンシートA38,A40の一方の縁にそれぞれ引き出され、各端部が磁性体グリーンシートA38,A40の端面にそれぞれ露出している。このため、導出部B36aは出力端子5に電気的に接続され、導出部B38aは入力端子3に電気的に接続されることとなる。各導体パターンB36,B38の他端は、磁性体グリーンシートA38,A40を厚み方向に貫通して形成されたスルーホール電極C31,C32と電気的に接続されている。このため、各導体パターンB36,B38は、積層体1が積層された状態で、スルーホール電極C31,C32を介して対応する各導体パターンB37,B39の一端とそれぞれ電気的に接続される。
磁性体グリーンシートA39,A41の表面には、導体パターンB37,B39がそれぞれ磁性体グリーンシートA39,A41の中心部から縁へ向かってスパイラル状に形成されている。各導体パターンB37,B39の一端には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C31,C32と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB37,B39の他端には、導出部B37a,B39aがそれぞれ一体的に形成されている。各導体パターンB37,B39の各導出部B36a,B38aは、磁性体グリーンシートA39,A41の他方の縁に引き出され、各端部が磁性体グリーンシートA39,41の端面にそれぞれ露出している。このため、導出部B37aは入力端子3に電気的に接続され、導出部B39aは出力電極5に電気的に接続されることとなる。
以上のように、各磁性体グリーンシートA37〜A41が積層され、各導体パターンB36〜B39がスルーホール電極C31,C32を介して相互に電気的に接続されることにより、2個のコイルLが構成されることとなる。なお、導体パターンB36〜B39及びスルーホール電極C31,C32は、それぞれPdを主成分とするペーストを磁性体グリーンシートA38〜A41にスクリーン印刷することによって形成される。導体パターンB36〜B39の厚みは、例えば16μmである。
次に、コンデンサ部30の構成について説明する。コンデンサ部30は、ホット電極B41,B43、グランド電極B40,B42,B44及びそれらの導出部B41a〜B44aが形成された誘電体グリーンシートA43〜A47を含む複数(本第2実施形態では6枚)の誘電体グリーンシートA42〜A47が積層されることにより構成される。実際の積層型電子部品E2は、誘電体グリーンシートA42〜A47間の境界が視認できない程度に一体化されている。誘電体グリーンシートA42〜A47は、焼成されることにより絶縁層として機能する。なお、ホット電極B41,B43は信号用のコンデンサ電極であり、グランド電極B40,B42,B44は接地用のコンデンサ電極である。
誘電体グリーンシートA42〜A47は、第1実施形態と同じく、例えばTiOに微量のCuO、NiO、Mnを添加した混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。誘電体グリーンシートA42〜A47の厚みは、例えば40μmである。
各誘電体グリーンシートA43,A45,A47の表面には、グランド電極B40,B42,B44及び導出部B40a,B42a,B44aがそれぞれ形成されている。各グランド電極B40,B42,B44には、両短辺の中央部に一対の導出部B40a,B42a,B44aがそれぞれ一体的に形成されている。各グランド電極B40,B42,B44の各導出部B40a,B42a,B44aは、それぞれ略矩形状を呈しており、各誘電体グリーンシートA43,A45,A47の縁に引き出され、その端部が各誘電体グリーンシートA43,A45,A47の端面にそれぞれ露出している。このため、各グランド電極B40,B42,B44の各導出部B40a,B42a,B44aは、積層体1が積層された状態で上から見て互いに重なる位置に配置されており、各グランド端子7にそれぞれ電気的に接続されることとなる。
各誘電体グリーンシートA44,A46の表面には、ホット電極B41,B43及び導出部B41a,B43aがそれぞれ形成されている。各ホット電極B41,B43には、導出部B41a,B43aがそれぞれ一体的に形成されている。各ホット電極B41,B43の各導出部B41a,B43aは、略矩形状を呈しており、各誘電体グリーンシートA44,A46の縁に引き出され、その端部が各誘電体グリーンシートA44,A46の端面に露出している。また、各導出部B41a,B43aは、各ホット電極B41,B43の短手方向にずれて配置されている。このため、各ホット電極B41,B43の各導出部B41a,B43aは、対応する出力端子5にそれぞれ電気的に接続されることとなる。
以上のように、各誘電体グリーンシートA42〜A47が積層され、各グランド電極B40,B42,B44と各ホット電極B41,B43とが各誘電体グリーンシートA43〜A46をそれぞれ挟むことにより、2個のコンデンサCが構成されることとなる。なお、グランド電極B40,B42,B44、ホット電極B41,B43及び導出部B40a〜B44aは、第1実施形態と同じく、例えばそれぞれPdを主成分とするペーストを各誘電体グリーンシートA43〜A47にそれぞれスクリーン印刷することにより形成される。グランド電極B40,B42,B44、ホット電極B41,B43及び導出部B40a〜B44aの厚みは、例えば5μmである。
バリスタ部10とコイル部20との間には、クロストーク対策のため、グランド電極B35と導体パターンB36との積層体1の積層方向における間隔(絶縁体層間厚み)Gを得る目的で、複数(本第2実施形態では4枚)の中間材グリーンシートA48〜A51が積層されている。中間材グリーンシートA48〜A51は、電気絶縁性を有する絶縁体である。中間材グリーンシートA48〜A51は、第1実施形態と同じく、例えばZnO及びFeを主成分とした混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。中間材グリーンシートA48〜A51の厚みは、例えば30μmである。なお、絶縁体層間厚みGが100μm以上となるように、中間材グリーンシートA48〜A51の枚数を適宜調整することが好ましい。
コイル部20とコンデンサ部30との間には、コイル部20とコンデンサ部30との縮率を調整する目的で、複数(本第2実施形態では2枚)の中間材グリーンシートA52,A53が積層されている。中間材グリーンシートA52,A53は、電気絶縁性を有する絶縁体である。中間材グリーンシートA52,53は、第1実施形態と同じく、例えばFe、CuO及びZnOに微量のMnを添加した混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。中間材グリーンシートA52,A53の厚みは、例えば30μmである。
上述した構成の積層型電子部品E2では、入力端子3にはホット電極B32,B34及び導体パターンB37,B38が電気的に接続され、出力端子5には導体パターンB36,B39及びホット電極B41,B43が電気的に接続され、グランド端子7にはグランド電極B31,B33,B35,B40,B42,B44が電気的に接続されている。そのため、積層型電子部品E2は、図7に示されるように、2個のコイルL及び2個のコンデンサCからなるコモンモードフィルタに2個のバリスタVがそれぞれ付加された回路構成となっている。また、適用される周波数帯により、2個のコンデンサCを含まない構成としてもよい。
次に、積層型電子部品E2の作製方法について説明する。
まず、バリスタグリーンシートA31〜A35、磁性体グリーンシートA37〜A41、誘電体グリーンシートA42〜A47及び中間材グリーンシートA48〜A53を用意する。次に、磁性体グリーンシートA38,A40の所定の位置、すなわちスルーホール電極C31,C32を形成する予定位置に、レーザー加工等によってスルーホールを形成する。
次に、バリスタグリーンシートA31にマーク8を形成し、バリスタグリーンシートA32〜A36に各電極B31〜B35及び各導出部B31a〜B35aをそれぞれ形成する。また、磁性体グリーンシートA38〜A41に導体パターンB36〜B39及び各導出部B36a〜B39aをそれぞれ形成する。また、誘電体グリーンシートA43〜A47に各電極B40〜B44及び各導出部B40a〜B44aをそれぞれ形成する。さらに、各スルーホール電極C31,C32を形成する。
次に、バリスタグリーンシートA31〜A36、磁性体グリーンシートA37〜A41、誘電体グリーンシートA42〜A47及び中間材グリーンシートA48〜A53を、図6に示された順序にて積層して圧着し、チップ単位に切断した後に所定温度(例えば、1100〜1200℃)にて焼成する。これにより、各グリーンシートA31〜A53間の境界が視認できない程度に一体化され、積層体1が形成されることとなる。積層体1は、例えば、完成後における長手方向の長さが2.0mm、幅が1.2mm、高さが1.0mmとなるようにする。
次に、この積層体1に入力端子3、出力端子5及びグランド端子7を形成する。これにより、積層型電子部品E2が形成されることとなる。入力端子3、出力端子5及びグランド端子7は、それぞれ積層体1の両側面9c,9dに銀を主成分とする電極ペーストを転写した後に所定温度(例えば、700〜800℃)にて焼き付け、更に電気めっきを施すことにより形成される。こうして、積層型電子部品E2が得られることとなる。
以上のように、本第2実施形態の積層型電子部品E2においても、上述した第1実施形態の積層型電子部品E1と同じ作用効果を奏することとなる。
(第3実施形態)
次に、図8〜図10を参照して、第3実施形態に係る積層型電子部品E3の構成について説明する。図8は、第3実施形態に係る積層型電子部品を示す斜視図である。図9は、第3実施形態に係る積層型電子部品に含まれる積層体の分解斜視図である。図10は、第3実施形態に係る積層型電子部品の等価回路を説明するための図である。本第3実施形態は、本発明をL型フィルタアレイに適用したものである。
積層型電子部品E3は、図8に示されるように、略直方体形状の積層体1を備えており、積層体1により積層型電子部品E3の本体が構成される。
また、積層型電子部品E3は、積層体1の側面9aに形成された複数(本第3実施形態では4つ)の入力端子(第1の端子電極)3と、側面9bに形成された複数(本第3実施形態では4つ)の出力端子(第2の端子電極)5と、側面9c,9dにそれぞれ対向するように形成された一対のグランド端子(第3の端子電極)7とを備えている。各入力端子3は、それぞれ所定の間隔を有して側面9a上に並設されている。また、各入力端子3は、積層体1の積層方向に帯状に伸びると共に、更にその両端部が上面9e及び底面9fに回り込んで形成されている。各出力端子5は、それぞれ所定の間隔を有して側面9b上に並設されている。また、各出力端子5は、積層体1の積層方向に帯状に伸びると共に、更にその両端部が上面9e及び底面9fに回り込んで形成されている。各グランド端子7は、積層体1の積層方向に帯状に伸びると共に、更にその一部が上面9e及び底面9fに回り込んで形成されている。
さらに、積層型電子部品E2は、積層体1の上面9eの視認しやすい位置であって、入力端子3の近傍にマーク(標識部)8を備えている。
積層型電子部品E3は、図9及び図10に示されるように、複数(本第3実施形態では4個)のバリスタVを含むバリスタ部10と、複数(本第3実施形態では4個)のコイルLを含むコイル部20と、複数(本第3実施形態では4個)のコンデンサCを含むコンデンサ部30とを備えている。これらのバリスタ部10、コイル部20、及びコンデンサ部30が積層されることにより積層体1が構成されることとなる。
まず、バリスタ部10の構成について説明する。バリスタ部10は、グランド電極B61,B63,B65,B67,B69、ホット電極B62,B64,B66,B68及びそれらの導出部B61a〜B69aがそれぞれ形成されたバリスタグリーンシートA62〜A70を含む複数(本第3実施形態では10枚)のバリスタグリーンシートA61〜A70が積層されることにより構成される。実際の積層型電子部品E3は、バリスタグリーンシートA61〜A70間の境界が視認できない程度に一体化されている。バリスタグリーンシートA61〜A70は、焼成されることによりバリスタ層として機能する。なお、グランド電極B61,B63,B65,B67,B69は接地用のバリスタ電極であり、ホット電極B62,B64,B66,B68は信号用のバリスタ電極である。
バリスタグリーンシートA61〜A70は、第1実施形態と同じく、例えばZnO、Co、Pr11、CaCO、SiOの混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。また、バリスタグリーンシートA61〜A70の厚みは、例えば30μm程度である。
バリスタグリーンシートA61の表面には、TiOを主成分としたセラミック組成物がスクリーン印刷されることにより、マーク8が形成されている。
各バリスタグリーンシートA62,A64、A66,A68,A70の表面には、グランド電極B61,B63,B65,B67,B69及び導出部B61a,B63a,B65a,B67a,B69aがそれぞれ形成されている。各グランド電極B61,B63,B65,B67,B69には、両短辺の中央部に一対の導出部B61a,B63a,B65a,B67a,B69aがそれぞれ一体的に形成されている。各グランド電極B61,B63,B65,B67,B69の各導出部B61a,B63a,B65a,B67a,B69aは、それぞれ略矩形状を呈しており、各バリスタグリーンシートA62,A64、A66,A68,A70の縁に引き出され、その端部が各バリスタグリーンシートA62,A64、A66,A68,A70の端面にそれぞれ露出している。このため、各グランド電極B61,B63,B65,B67,B69の各導出部B61a,B63a,B65a,B67a,B69aは、積層体1が積層された状態で上から見て互いに重なる位置に配置されており、各グランド端子7にそれぞれ電気的に接続されることとなる。
各バリスタグリーンシートA63,A65,A67,A69の表面には、ホット電極B62,B64,B66,B68及び導出部B62a,B64a,B66a,B68aがそれぞれ形成されている。各ホット電極B62,B64,B66,B68には、導出部B62a,B64a,B66a,B68aがそれぞれ一体的に形成されている。各ホット電極B62,B64,B66,B68の各導出部B62a,B64a,B66a,B68aは、略矩形状を呈しており、各バリスタグリーンシートA63,A65,A67,A69の縁にそれぞれ引き出され、その端部が各バリスタグリーンシートA63,A65,A67,A69の端面に露出している。また、各導出部B62a,B64a,B66a,B68aは、各ホット電極B62,B64,B66,B68の長手方向にずれて配置されている。このため、各ホット電極B62,B64,B66,B68の各導出部B62a,B64a,B66a,B68aは、対応する入力端子3にそれぞれ電気的に接続されることとなる。
以上のように、各バリスタグリーンシートA61〜A70が積層され、各ホット電極B62,B64,B66,B68と各グランド電極B61,B63,B65,B67,B69とが各バリスタグリーンシートA62〜A69をそれぞれ挟むことにより、4個のバリスタVが構成されることとなる。なお、グランド電極B61,B63,B65,B67,B69、ホット電極B62,B64,B66,B68及び導出部B61a〜B69aは、第1実施形態と同じく、それぞれPdを主成分とするペーストをバリスタグリーンシートA62〜A70にスクリーン印刷することにより形成される。グランド電極B61,B63,B65,B67,B69、ホット電極B62,B64,B66,B68及び導出部B61a〜B69aの厚みは、例えば5μmである。
次に、コイル部20の構造について説明する。コイル部20は、導体パターン(内部導体)B70〜B75が形成された磁性体グリーンシートA72〜A77を含む複数(本第3実施形態では6枚)の磁性体グリーンシートA71〜A77が積層されることにより構成される。実際の積層型電子部品E3は、磁性体グリーンシートA71〜A77間の境界が視認できない程度に一体化されている。磁性体グリーンシートA71〜A77は、焼成されることにより絶縁層として機能する。
磁性体グリーンシートA71〜A77は、電気絶縁性を有する絶縁体である。磁性体グリーンシートA71〜A77は、第1実施形態と同じく、フェライト(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト又はNi−Cu系フェライト等)を原料としたスラリーをドクターブレード法によりフィルム上に塗布することで形成される。磁性体グリーンシートA71〜A77の厚みは、例えば20μm程度である。
磁性体グリーンシートA72の表面には、各導体パターンB70が互いに所定の間隔を有して、磁性体グリーンシートA72の長手方向に並設されている。各導体パターンB70は、それぞれ略I字状に形成されており、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB70の一端は、磁性体グリーンシートA72の縁にそれぞれ引き出され、各端部が磁性体グリーンシートA72の端面にそれぞれ露出している。このため、各導体パターンB70は、対応する入力端子3とそれぞれ電気的に接続されることとなる。各導体パターンの他端は、磁性体グリーンシートA72を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C61と電気的に接続されている。このため、各導体パターンB70は、積層体1が積層された状態で、スルーホール電極C61を介して対応する各導体パターンB71の一端とそれぞれ電気的に接続される。
磁性体グリーンシートA73の表面には、各導体パターンB71が互いに所定の間隔を有して、磁性体グリーンシートA73の長手方向に並設されている。各導体パターンB71は、それぞれ略6の字状に形成されており、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB71の一端には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C61と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB71の他端は、磁性体グリーンシートA73を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C62とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB71は、積層体1が積層された状態で、各スルーホール電極C62を介して対応する各導体パターンB72の一端とそれぞれ電気的に接続される。
磁性体グリーンシートA74の表面には、各導体パターンB72が互いに所定の間隔を有して、磁性体グリーンシートA74の長手方向に並設されている。各導体パターンB72は、それぞれ略9の字状に形成されており、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB72の一端には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C62と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB72の他端は、磁性体グリーンシートA74を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C63とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB72は、積層体1が積層された状態で、各スルーホール電極C63を介して対応する各導体パターンB73の一端とそれぞれ電気的に接続される。
磁性体グリーンシートA75の表面には、各導体パターンB73が互いに所定の間隔を有して、磁性体グリーンシートA75の長手方向に並設されている。各導体パターンB73は、それぞれ略6の字状に形成されており、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB73の一端には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C64と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB73の他端は、磁性体グリーンシートA75を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C64とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB73は、積層体1が積層された状態で、各スルーホール電極C64を介して対応する各導体パターンB74の一端とそれぞれ電気的に接続される。
磁性体グリーンシートA76の表面には、各導体パターンB74が互いに所定の間隔を有して、磁性体グリーンシートA76の長手方向に並設されている。各導体パターンB74は、それぞれ略C字状に形成されており、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB74の一端には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C64と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB74の他端は、磁性体グリーンシートA76を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C65とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB74は、積層体1が積層された状態で、各スルーホール電極C65を介して対応する各導体パターンB75の一端とそれぞれ電気的に接続される。
磁性体グリーンシートA77の表面には、各導体パターンB75が互いに所定の間隔を有して、磁性体グリーンシートA77の長手方向に並設されている。各導体パターンB75は、それぞれ略I字状に形成されており、互いに電気的に絶縁されている。各導体パターンB75の一端には、積層体1が積層された状態で各スルーホール電極C65と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB75の他端は、磁性体グリーンシートA77の縁にそれぞれ引き出され、各端部が磁性体グリーンシートA77の端面にそれぞれ露出している。このため、各導体パターンB75は、対応する出力端子5とそれぞれ電気的に接続されることとなる。
以上のように、各磁性体グリーンシートA72〜A77が積層され、各導体パターンB70〜B75がスルーホール電極C61〜C65を介して相互に電気的に接続されることにより、4個のコイルLが構成されることとなる。なお、導体パターンB70〜B75及びスルーホール電極C61〜C65は、第1実施形態と同じく、それぞれPdを主成分とするペーストを磁性体グリーンシートA72〜A77にスクリーン印刷することによって形成される。導体パターンB72〜B77の厚みは、例えば14μmである。
次に、コンデンサ部30の構成について説明する。コンデンサ部30は、グランド電極B76,B78,B80,B82,B84、ホット電極B77,B79,B81,B83及びそれらの導出部B76a〜B84aがそれぞれ形成された誘電体グリーンシートA79〜A87を含む複数(本第3実施形態では11枚)の誘電体グリーンシートA78〜A88が積層されることにより構成される。実際の積層型電子部品E3は、誘電体グリーンシートA78〜A88間の境界が視認できない程度に一体化されている。誘電体グリーンシートA78〜A88は、焼成されることにより絶縁層として機能する。なお、グランド電極B76,B78,B80,B82,B84は接地用のコンデンサ電極であり、ホット電極B77,B79,B81,B83は信号用のコンデンサ電極である。
誘電体グリーンシートA78〜A88は、第1実施形態と同じく、例えばTiOに微量のCuO、NiO、Mnを添加した混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。誘電体グリーンシートA78〜A88の厚みは、例えば40μmである。
各誘電体グリーンシートA79,A81,A83,A85,A87の表面には、グランド電極B76,B78,B80,B82,B84及び導出部B76a,B78a,B80a,B82a,B84aがそれぞれ形成されている。各グランド電極B76,B78,B80,B82,B84には、両短辺の中央部に一対の導出部B76a,B78a,B80a,B82a,B84aがそれぞれ一体的に形成されている。各グランド電極B76,B78,B80,B82,B84の各導出部B76a,B78a,B80a,B82a,B84aは、それぞれ略矩形状を呈しており、各誘電体グリーンシートA79,A81,A83,A85,A87の縁に引き出され、その端部が各誘電体グリーンシートA79,A81,A83,A85,A87の端面にそれぞれ露出している。このため、各グランド電極B76,B78,B80,B82,B84の各導出部B76a,B78a,B80a,B82a,B84aは、積層体1が積層された状態で上から見て互いに重なる位置に配置されており、各グランド端子7にそれぞれ電気的に接続されることとなる。
各誘電体グリーンシートA80,A82,A84,A86の表面には、ホット電極B77,B79,B81,B83及び導出部B77a,B79a,B81a,B83aがそれぞれ形成されている。各ホット電極B77,B79,B81,B83には、導出部B77a,B79a,B81a,B83aがそれぞれ一体的に形成されている。各ホット電極B77,B79,B81,B83の各導出部B77a,B79a,B81a,B83aは、略矩形状を呈しており、各誘電体グリーンシートA80,A82,A84,A86の縁にそれぞれ引き出され、その端部が各誘電体グリーンシートA80,A82,A84,A86の端面に露出している。また、各導出部B77a,B79a,B81a,B83aは、各ホット電極B77,B79,B81,B83の長手方向にずれて配置されている。このため、各ホット電極B77,B79,B81,B83の各導出部B77a,B79a,B81a,B83aは、対応する出力端子3にそれぞれ電気的に接続されることとなる。
以上のように、各誘電体グリーンシートA78〜A88が積層され、各ホット電極B77,B79,B81,B83が各グランド電極B76,B78,B80,B82,B84に挟まれることにより、4個のコンデンサCが構成されることとなる。なお、グランド電極B76,B78,B80,B82,B84、ホット電極B77,B79,B81,B83及び導出部B76a〜B84aは、第1実施形態と同じく、例えばそれぞれPdを主成分とするペーストを各誘電体グリーンシートA43〜A47にそれぞれスクリーン印刷することにより形成される。グランド電極B40,B42,B44、ホット電極B41,B43及び導出部B40a〜B44aの厚みは、例えば5μmである。
バリスタ部10とコイル部20との間には、クロストーク対策のため、グランド電極B69と導体パターンB70との積層体1の積層方向における間隔(絶縁体層間厚み)Gを稼ぐ目的で、複数(本第3実施形態では4枚)の中間材グリーンシートA89〜A92が積層されている。中間材グリーンシートA89〜A92は、第1実施形態と同じく、例えばZnO及びFeを主成分とした混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。中間材グリーンシートA89〜A92の厚みは、例えば30μmである。なお、絶縁体層間厚みGが100μm以上となるように、中間材グリーンシートA89〜A92の枚数を適宜調整することが好ましい。
コイル部20とコンデンサ部30との間には、コイル部20とコンデンサ部30との縮率を調整する目的で、複数(本第3実施形態では2枚)の中間材グリーンシートA93,A94が積層されている。中間材グリーンシートA93,A94は、電気絶縁性を有する絶縁体である。中間材グリーンシートA93,A94は、第1実施形態と同じく、例えばFe、CuO及びZnOに微量のMnを添加した混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。中間材グリーンシートA93,A94の厚みは、例えば30μmである。
上述した構成の積層型電子部品E3では、入力端子3にはホット電極B62,B64,B66,B68及び各導体パターンB70が電気的に接続され、出力端子5には各導体パターンB75及びホット電極B77,B79,B81,B83が電気的に接続され、グランド端子7にはグランド電極B61,B63,B65,B67,B69,B76,B78,B80,B82,B84が電気的に接続されている。そのため、積層型電子部品E3は、図7に示されるように、4個のコイルL及び4個のコンデンサCからなるL型フィルタアレイに4個のバリスタVが付加された回路構成となっている。
次に、積層型電子部品E3の作製方法について説明する。
まず、バリスタグリーンシートA61〜A70、磁性体グリーンシートA71〜A77、誘電体グリーンシートA78〜A88及び中間材グリーンシートA89〜A92を用意する。次に、磁性体グリーンシートA72〜A76の所定の位置、すなわちスルーホール電極C61〜C65を形成する予定位置に、レーザー加工等によってスルーホールを形成する。
次に、バリスタグリーンシートA61にマーク8を形成し、バリスタグリーンシートA62〜A70に各電極B61〜B69及び各導出部B61a〜B69aをそれぞれ形成する。また、磁性体グリーンシートA72〜A77に導体パターンB70〜B75をそれぞれ形成する。また、誘電体グリーンシートA80〜A87に各電極B76〜B84及び各導出部B76a〜B84aをそれぞれ形成する。さらに、各スルーホール電極C61〜C65を形成する。
次に、バリスタグリーンシートA61〜A70、磁性体グリーンシートA71〜A77、誘電体グリーンシートA78〜A88及び中間材グリーンシートA89〜A92を、図9に示された順序にて積層して圧着し、チップ単位に切断した後に所定温度(例えば、1100〜1200℃)にて焼成する。これにより、各グリーンシートA61〜A92間の境界が視認できない程度に一体化され、積層体1が形成されることとなる。積層体1は、例えば、完成後における長手方向の長さが3.2mm、幅が1.6mm、高さが1.2mmとなるようにする。
次に、この積層体1に入力端子3、出力端子5及びグランド端子7を形成する。これにより、積層型電子部品E3が形成されることとなる。入力端子3、出力端子5及びグランド端子7は、それぞれ積層体1の両側面9c,9dに銀を主成分とする電極ペーストを転写した後に所定温度(例えば、700〜800℃)にて焼き付け、更に電気めっきを施すことにより形成される。
以上のように、本第3実施形態の積層型電子部品E3においても、上述した第1実施形態の積層型電子部品E1と同じ作用効果を奏することとなる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、第1〜第3実施形態の積層型電子部品E1〜E3は、磁性体グリーンシートを積層してコイル部20とする構成としたが、これに限られることなく、積層型電子部品E1〜E3が適用される周波数帯により、非磁性体グリーンシートを積層してコイル部20とする構成としてもよい。非磁性体グリーンシートは、例えばFe、CuO及びZnOに微量のMnを添加した混合紛を原料としたスラリーをドクターブレード法によってフィルム上に塗布することで形成される。
また、第1実施形態の積層型フィルタE1は、各グランド端子7を各入力端子3と各出力端子5との間にそれぞれ設ける構成としたが、これに限られることなく、各グランド端子7を側面9c,9dにそれぞれ対向するように設ける構成としてもよい。
第1実施形態に係る積層型電子部品を示す斜視図である。 第1実施形態に係る積層型電子部品の断面構成を説明するための図である。 第1実施形態に係る積層型電子部品に含まれる積層体の分解斜視図である。 第1実施形態に係る積層型電子部品の等価回路を説明するための図である。 第2実施形態に係る積層型電子部品を示す斜視図である。 第2実施形態に係る積層型電子部品に含まれる積層体の分解斜視図である。 第2実施形態に係る積層型電子部品の等価回路を説明するための図である。 第3実施形態に係る積層型電子部品を示す斜視図である。 第3実施形態に係る積層型電子部品に含まれる積層体の分解斜視図である。 第3実施形態に係る積層型電子部品の等価回路を説明するための図である。
符号の説明
1…積層体、3…入力端子、5…出力端子、7…グランド端子、8…マーク、9a,9b,9c,9d…側面、9e…上面、9f…底面、10…バリスタ部、20…コイル部、30…コンデンサ部、A1〜A4,A31〜A36,A61〜A70…バリスタグリーンシート、A5〜A11,A37〜A41,A71〜A77…磁性体グリーンシート、A12〜A19,A42〜A47,A78〜A88…誘電体グリーンシート、A20〜A24,A48〜A53,A89〜A94…中間材グリーンシート、B1,B17,B20,B23,B32,B34,B41,B43,B62,B64,B66,B68,B77,B79,B81,B83…ホット電極、B2,B15,B18,B21,B31,B33,B35,B40,B42,B44,B61,B63,B65,B67,B69,B76,B78,B80,B82,B84…グランド電極、B1a〜B3a,B8a,B15a,B18a,B21a,B31a〜B35a,B36a〜B39a,B40a〜B44a,B61a〜B69a,B76a〜B84a…導出部、B3〜B13,B14,B16,B19,B22,B24,B25,B36〜B39,B70〜B75…導体パターン、C1〜C19,C31,C32,C61〜C65…スルーホール電極、C…コンデンサ、E1,E2,E3…積層型電子部品、L,L1,L2…コイル、V…バリスタ。

Claims (6)

  1. 電圧非直線性を発現するバリスタ層と、当該バリスタ層を挟むように位置する一対のバリスタ電極とを含むバリスタを有するバリスタ部と、
    絶縁層と、当該絶縁層を挟むように位置する一対のコンデンサ電極とを含むコンデンサを有するコンデンサ部と、
    複数の絶縁層と当該複数の絶縁層にそれぞれ形成された複数の内部導体とを含むと共に、前記複数の絶縁層の積層方向に隣り合う前記内部導体同士が電気的に接続されることにより構成されるコイルを有するコイル部と、が積層された積層体を備えることを特徴とする積層型電子部品。
  2. 前記積層体の側面には、第1の端子電極、第2の端子電極及び第3の端子電極が形成され、
    前記一対のバリスタ電極のうち一方のバリスタ電極は前記第1の端子電極に電気的に接続され、前記一対のバリスタ電極のうち他方のバリスタ電極は前記第3の端子電極に電気的に接続されており、
    前記一対のコンデンサ電極のうち一方のコンデンサ電極は前記第2の端子電極に電気的に接続され、前記一対のコンデンサ電極のうち他方のコンデンサ電極は前記第3の端子電極に電気的に接続されており、
    前記複数の内部導体のうち前記コイルの一端となる内部導体は前記第1の端子電極に電気的に接続され、前記複数の内部導体のうち前記コイルの他端となる内部導体は前記第2の端子電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品。
  3. 前記コイル部は、前記コイルを2つ含んでおり、
    前記積層体の側面には、第1の端子電極、第2の端子電極及び第3の端子電極が形成され、
    前記一対のバリスタ電極のうち一方のバリスタ電極は前記第1の端子電極に電気的に接続され、前記一対のバリスタ電極のうち他方のバリスタ電極は前記第3の端子電極に電気的に接続されており、
    前記複数の内部導体のうち一方のコイルの一端となる内部導体は前記第1の端子電極に電気的に接続され、前記複数の内部導体のうち他方のコイルの一端となる内部導体は前記第2の端子電極に電気的に接続され、前記複数の内部導体のうち前記一方のコイルの他端となる内部導体と前記複数の内部導体のうち前記他方のコイルの他端となる内部導体とが電気的に接続されており、
    前記一対のコンデンサ電極のうち一方のコンデンサ電極は前記一方のコイルの他端となる前記内部導体及び前記他方のコイルの他端となる前記内部導体に電気的に接続され、前記一対のコンデンサ電極のうち他方のコンデンサ電極は前記第3の端子電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載する積層型電子部品。
  4. 前記積層体には、前記第1の端子電極の位置を示す標識部が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の積層型電子部品。
  5. 前記コイル部は、前記積層体内で前記バリスタ部と前記コンデンサ部との間に位置していることを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品。
  6. 前記一対のバリスタ電極のうち前記コンデンサ部もしくは前記コイル部側に位置するバリスタ電極と、当該バリスタ電極と前記積層体の積層方向に隣り合う前記コンデンサ部の前記コンデンサ電極もしくは前記コイル部の前記内部導体との前記積層体の積層方向における間隔は、100μm以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品。
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