JP2006152758A - 錠装置および建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 操作部材14の回動軸152を、錠受け12から遠ざかる側に付勢する軸付勢ばね18を設ける。回動軸152が挿通される台座13の軸受け長孔132は長孔であり、鎌錠部16が錠受け12と係合しない限り、回動軸152は、軸付勢ばね18に付勢されて軸受け長孔132の左端側に位置する。このとき、鎌錠部16を施錠方向へ回動させると、回動軸152と一体的に形成されている裏板材19の当接部193が、台座13の被当接部134に当接し、鎌錠部16の回動が規制されて空掛けが防止されるようになっている。当接部193が被当接部134に当接すると、回動軸152に負荷が集中するが、回動軸152は容易に太くすることができ、十分に強度を高めることができるから、破損のおそれが少なくなる。
【選択図】 図4
Description
ところで、錠受けが係合可能位置に無いにもかかわらず鎌錠が施錠方向へ回動されてしまうと、いわゆる空掛けの状態になってしまう。この空掛けを防止するために、錠装置における種々の空掛け防止機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、鎌錠と錠受けとが係合可能位置に有る場合には、回動部材を施錠方向へ回動させると、揺動体の感知部が錠受けと当接して、揺動体はねじりコイルばねの付勢力に抗して揺動される。すると、揺動体の係止部が台座の係合部との係合可能位置から外れ、回動部材の回動が許容されて施錠操作を継続できるようになっている。
また、鎌錠部と錠受けとが係合可能位置にない場合には、操作部の操作によって鎌錠部を解錠状態から施錠方向へ回動させても、鎌錠部は錠受けに係合されず、鎌錠部が錠受け側へ引き寄せられることがなく、付勢手段によって付勢されて軸受け長孔の一方側にある。これにより、操作部材の当接部が台座の被当接部に当接するので、鎌錠部の施錠方向への回動が規制され、鎌錠部を施錠状態まで回動させることができず、空掛けが防止できる。
この錠装置では、共に突出部によって構成される当接部および被当接部が当接されることで空掛けが防止される。
この錠装置によれば、台座の裏面側に当接部および被当接部を配置することができるから、台座の裏面側の内部スペースを有効に利用することができ、錠装置をコンパクトに構成することができる。
ここで、室内側および室外側障子のいずれか一方のみが可動部材とされる場合には、片引き窓が構成され、室内側および室外側障子の双方が可動部材とされる場合には、引違い窓が構成される。
ここで、障子が面材の室内側に設けられるときは、いわゆる内動片引き窓が構成され、障子が面材の室外側に設けられるときは、いわゆる外動片引き窓が構成される。なお、面材としては、袖壁等の建物躯体であってもよく、また、ガラスパネル等を有した窓であってもよい。
また、本発明の建具によれば、本発明の錠装置について前述したように、空掛けが防止でき、建具の施錠が確実に行えるから、防犯性を高めることができる。
図1は、本発明の建具としての引違い窓1の一部を示す横断面図である。図2は、引違い窓1に設けられた本発明の錠装置10のクレセント錠11を示す分解斜視図である。図3は、クレセント錠11と錠受け12とが係合可能位置に無い場合における錠装置10の解錠状態を示す側面図である。図4は、錠装置10の空掛け時の動作を示す側面図である。図5は、クレセント錠11と錠受け12とが係合可能位置に有る場合における錠装置10の解錠状態を示す側面図である。図6は、錠装置10の施錠時の動作を示す側面図である。図7は、錠装置10の施錠状態を示す側面図である。
引違い窓1は、図示しない窓枠の内部に開閉移動可能に支持された可動部材としての室内外一対の障子2,3を備えて構成されている。障子2,3は、上下左右の框を四周框組みした内部に、ガラスパネル4を嵌め込んで構成されている。障子2,3を閉じると、これらの召合せ部の縦框(召合せ框)5,6が見込み方向に重なるようになっている。室内側障子2の召合せ框5にはクレセント錠11が固定され、室外側障子3の召合せ框6には錠受け12が固定されている。これらのクレセント錠11および錠受け12によって錠装置10が構成され、両者が互いに係合されることによって引違い窓1の施錠が行われるようになっている。
操作部材14は、回動操作を行う操作部としてのハンドル部15と、このハンドル部15の操作によって回動されて錠受け12と係合可能な鎌錠部16とを備えて構成されている。
挿通孔172の径は、回動軸152の円柱部152Aの径よりもわずかに大きく、円柱部152Aは、挿通孔172内をがたつきなく低摩擦で回動できるようになっている。また、円柱部152Aが軸受け長孔132内を、その長尺方向に沿って移動する際、可動板17は、台座13の直動ガイド133(図3参照)によってガイドされて、回動軸152と一体的に、軸受け長孔132の長尺方向に沿って移動されるようになっている。
また、裏板材本体191には、台座13が取り付けられる召合せ框5側に突出した突出部によって構成される当接部193と、回動付勢ばね21の一端を取り付けるための取付け部194とが設けられている。
次に、錠装置10の空掛け時の動作について、図3,4を用いて説明し、また、錠装置10の施錠時の動作について、図5〜7を用いて説明する。
ここで、「空掛け時」とは、図1に示される障子2,3が開状態にあって召合せ框5,6が見込み方向に重ならず、クレセント錠11の鎌錠部16と錠受け12とが係合可能位置に無い場合を意味する。すなわち、図3,図4に示すように、想像線で示された錠受け12が鎌錠部16との係合可能位置に無く、ハンドル部15の操作によって鎌錠部16を施錠方向(図3〜7では、時計回り方向)に回動させたとしても、鎌錠部16が錠受け12に係合されない状態を意味する。
なお、図3の解錠状態において、操作部材14のハンドル部15は回動軸152の下方(図3中)に位置している。この際、裏板材19の当接部193は、回動付勢ばね21の付勢力によって付勢されるとともに、直動ガイド133における下側(図3中)のガイドの端部に当接されて位置決めされている。また、図3の解錠状態においては、回動付勢ばね21によって鎌錠部16が解錠方向へ付勢されているので、鎌錠部16の無駄な動き(ガタ)が抑制できる。
この図において、操作部材14の回動軸152(特に、円柱部152A)は、可動板17を介して、軸付勢ばね18によって図中左方に付勢されている。そのため、回動軸152は、台座13の軸受け長孔132の一端側(図3〜7では、左端側)に位置している。そのため、図4に示されるように、裏板材19の当接部193が、その回動軌跡上にある台座13の被当接部134に当接し、これ以上鎌錠部16を施錠方向へ回動させることができなくなっている。すなわち、鎌錠部16の回動が規制され、錠装置10の空掛けが防止されている。
また、このとき、回動付勢ばね21が収縮しようとすることによって、裏板材19を介して、鎌錠部16に解錠方向(図3〜7では反時計回り方向)への付勢力が作用しているので、施錠操作を中止すれば鎌錠部16は解錠方向へと回動され、自動的に解錠状態(図3)へ戻される。
ここで、「施錠時」とは、障子2,3が閉状態にあって召合せ框5,6が見込み方向に重なり、クレセント錠11の鎌錠部16と錠受け12とが係合可能位置に有る場合、すなわち、図1に示される場合を意味する。すなわち、図5〜図7に示すように、実線で示された錠受け12が鎌錠部16との係合可能位置に有り、ハンドル部15の操作によって鎌錠部16を施錠方向に回動させると、鎌錠部16が錠受け12に係合される状態を意味する。
なお、図5〜図7(障子2,3の閉状態)におけるクレセント錠11と錠受け12との間の距離は、図3,図4(障子2,3の開状態)におけるクレセント錠11と錠受け12との間の距離よりも小さくなっている。これは、障子2,3に設けられている煙返しや引き寄せ片などのために、障子2,3が閉じられると互いに引き寄せられて距離が縮まるようになっているからである。
このように、鎌錠部16を解錠状態(図5)から施錠方向へ回動させる際に、鎌錠部16の一部が錠受け12に係合すると、それに伴って鎌錠部16が錠受け12側へ引き寄せられる。これは、鎌錠部16の係合部162(図2参照)が、厳密な円弧形状ではなく、先端部(錠受け12と最初に係合する部分)において径が最大で、そこから徐々に径が小さくなるように構成されているためである。そして、鎌錠部16と錠受け12との係合に伴って鎌錠部16が錠受け12側へ引き寄せられると、図6に示されるように、回動軸152が軸付勢ばね18の付勢力に抗して軸受け長孔132の他端側(図3〜7では右端側)へ移動する。このとき、回動軸152の移動に伴って、可動板17および裏板材19も一体的に図中右方へ移動する。そのため、裏板材19の当接部193が、台座13の被当接部134に当接せず、鎌錠部16を施錠方向へ回動させることができる。
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
空掛けを防止するために従来における小型の部材(揺動体など)を用いる必要がなく、空掛け防止時に負荷が集中する回動軸152を太く形成して強度を容易に高めることができるので、回動軸152が破損しにくくすることができる。したがって、十分な強度を備え、確実に空掛けを防止できる錠装置10が提供できる。
本発明は、以上で説明した実施形態によって限定されるものではなく、この実施形態を、本発明の目的を達成できる範囲内において変形したものであれば、本発明の技術的範囲に含まれる。
また、前記実施形態の軸付勢ばね18のような伸張方向に付勢するコイルばねに限らず、収縮方向に付勢するコイルばね等を用いてもよい。このとき、ばねの収縮方向(付勢方向)と、軸受け長孔132において他端から一端に向かう方向(図3では、右端から左端に向かう方向)とが一致するようにばねを配置すればよい。
Claims (6)
- クレセント錠と、このクレセント錠が係合される錠受けとを備える錠装置であって、
前記クレセント錠は、台座と、この台座に支持されて解錠状態と施錠状態との間を操作可能に設けられて前記錠受けと係合可能な操作部材と、この操作部材を付勢する付勢手段とを備え、
前記台座は、一方から他方に向かって長尺に形成される軸受け長孔を備え、
前記操作部材は、前記軸受け長孔に挿通されて、当該軸受け長孔の一方側と他方側との間を移動可能に設けられる回動軸と、この回動軸を中心として回動可能に設けられ前記錠受けと係合可能な鎌錠部と、この鎌錠部の回動操作を行う操作部と、前記付勢手段によって付勢された前記回動軸が前記軸受け長孔の一方側にある場合、前記台座に設けられた被当接部に当接可能な当接部とを備え、
前記鎌錠部と前記錠受けとが係合可能位置にある場合には、前記操作部の操作によって前記鎌錠部を解錠状態から施錠方向へ回動させる際に、前記錠受けに係合するのに伴って前記鎌錠部が当該錠受け側へ引き寄せられ、前記付勢手段の付勢力に抗して前記回動軸が前記軸受け長孔の他方側へ移動し、前記当接部が前記被当接部に当接せずに前記鎌錠部の施錠方向への回動が許容され、
前記鎌錠部と前記錠受けとが係合可能位置にない場合には、前記操作部の操作によって前記鎌錠部を解錠状態から施錠方向へ回動させても、前記鎌錠部が前記錠受けに係合せず、前記付勢手段によって付勢されて前記軸受け長孔の一方側にある前記回動軸が他方側へ移動せず、前記当接部が前記被当接部に当接して前記鎌錠部の施錠方向への回動が規制される錠装置。 - 前記軸受け長孔に挿通された前記回動軸の先端部には、前記台座の裏面側において裏板材が固定され、
前記当接部は、前記裏板材に設けられた突出部によって構成され、
前記被当接部は、前記台座の裏面側に設けられた突出部によって構成される請求項1に記載の錠装置。 - 建築物における開口部の開閉を行うために開状態と閉状態との間を移動可能に設けられる少なくとも一つの可動部材と、クレセント錠と、前記可動部材の閉状態において前記クレセント錠が係合される錠受けとを備える建具であって、
前記クレセント錠および前記錠受けのいずれか一方は前記可動部材に設けられ、
前記クレセント錠は、台座と、この台座に支持されて解錠状態と施錠状態との間を操作可能に設けられて前記錠受けと係合可能な操作部材と、この操作部材を付勢する付勢手段とを備え、
前記台座は、一方から他方に向かって長尺に形成される軸受け長孔を備え、
前記操作部材は、前記軸受け長孔に挿通されて、当該軸受け長孔の一方側と他方側との間を移動可能に設けられる回動軸と、この回動軸を中心として回動可能に設けられ前記錠受けと係合可能な鎌錠部と、この鎌錠部の回動操作を行う操作部と、前記付勢手段によって付勢された前記回動軸が前記軸受け長孔の一方側にある場合、前記台座に設けられた被当接部に当接可能な当接部とを備え、
前記可動部材が閉状態にある場合には、前記操作部の操作によって前記鎌錠部を解錠状態から施錠方向へ回動させる際に、前記錠受けに係合するのに伴って前記鎌錠部が当該錠受け側へ引き寄せられ、前記付勢手段の付勢力に抗して前記回動軸が前記軸受け長孔の他方側へ移動し、前記当接部が前記被当接部に当接せずに前記鎌錠部の施錠方向への回動が許容され、
前記可動部材が開状態にある場合には、前記操作部の操作によって前記鎌錠部を解錠状態から施錠方向へ回動させても、前記鎌錠部が前記錠受けに係合せず、前記付勢手段によって付勢されて前記軸受け長孔の一方側にある前記回動軸が他方側へ移動せず、前記当接部が前記被当接部に当接して前記鎌錠部の施錠方向への回動が規制される建具。 - 室内外一対の障子のうち少なくとも一方の障子によって前記可動部材が構成され、
前記台座は、前記室内側障子の召合せ框に固定され、前記錠受けは、前記室外側障子の召合せ框に設けられる請求項3に記載の建具。 - 面材と、この面材の室内側または室外側に設けられる前記可動部としての障子とを備え、前記面材の召合せ部と前記障子の召合せ框とが重なったときに前記開口部を閉じる建具であって、
前記台座は、前記召合せ部および前記召合せ框のいずれか一方に固定され、前記錠受けは、前記召合せ部および前記召合せ框のいずれか他方に設けられる請求項3に記載の建具。 - 前記軸受け長孔に挿通された前記回動軸の先端部には、前記台座の裏面側において裏板材が固定され、
前記当接部は、前記裏板材に設けられた突出部によって構成され、
前記被当接部は、前記台座の裏面側に設けられた突出部によって構成される請求項3から請求項5のいずれかに記載の建具。
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