JP2006152125A - 耐食光輝性顔料、その製造方法、および耐食光輝性塗膜用塗料組成物 - Google Patents

耐食光輝性顔料、その製造方法、および耐食光輝性塗膜用塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 アルミニウムフレークを用いた光輝性顔料に代わり、電気クロムメッキに近い外観を有し、明るさおよび色調を調整する必要がある新しい顔料のニーズにも対応でき、優れた耐食性および耐薬品性を有する塗膜を得ることができる耐食光輝性顔料を提供する。
【解決手段】 得られるフレーク状合金片において、550nmの波長の光における表面反射率が10%〜95%となるように、Snと、Cu、Cr、TiおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属とからなる合金膜を、乾式成膜法を用いて、基板の表面に形成し、前記基板から該合金膜を剥離し、該合金膜を粉砕することにより、フレーク状合金片を得る工程を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車部品や家電部品などの基材を光輝化する際に用いて好適な耐食光輝性顔料、その製造方法、および該耐食光輝性顔料を用いた耐食光輝性塗膜用塗料組成物に関する。
自動車部品や家電部品などの基材を光輝化する手段として、湿式メッキ、真空蒸着やメタリック塗装がある。特に、メタリック塗装は、手法が簡便であり、広く用いられている。該メタリック塗装では、基材を光輝化するために、アルミニウムの顔料ないしはフレークを塗料に混入させ、アルミニウムを保護するクリアーコートを塗布する。
メタリック塗装で使用されるアルミニウムフレークは、一般的に、スタンプミル法、乾式ボールミル法または湿式ボールミル法などを用いて、機械的に金属アルミニウムを粉砕したり、金属アルミニウムを真空中で蒸発させる真空蒸着法を用いて、アルミニウム薄膜を成膜して、作製される。
アルミニウムは、価格が安く、表面反射率が高い金属であるという利点があるので、箔や膜が顔料として使用される。
一方、アルミニウムは、表面反射率が可視光で80%以上と高く、外観が白っぽく、クロムメッキのような高級感に欠けるという外観上の欠点がある。
これに対して、高級感を得られるために、クロムが使用される。しかし、メタリック塗装でクロムを使用することには、次のような問題がある。すなわち、クロム薄膜を乾式メッキ法で形成すると、成膜中に酸素、窒素、アルゴンなどのガスの影響を受けて、薄膜の色が黒ずんでしまう。これは、電気メッキ法で得られるクロム薄膜の表面反射率が約60%であるのに対して、乾式メッキ法で得られるクロム薄膜の表面反射率が約30%〜40%と、低いためである。また、耐クラック性が低いという問題もある。さらに、異種金属が混じることで、アルミニウムホイールなどではリサイクルを行うことが難しくなり、環境に対する配慮の観点からも問題となる。
アルミニウムを用いる場合、その外観上の欠点を補うために、黒っぽいアンダーコートを下地に塗布する方法が、例えば特開昭62−13565号公報に記載されている。
また、アルミニウムの箔や薄膜は活性であるため、大気に触れると酸化物被膜を形成し、光輝感が失われるだけでなく、酸化物被膜の成長に伴って、基材と塗膜との密着性(塗膜密着性)が低下する。また、水分を含む環境下では、酸化物被膜ではなく、水酸化物被膜が形成される。アルミニウムの箔や薄膜に形成された水酸化物被膜は、乾燥および加熱により、容易に酸化物被膜になるが、乾燥および加熱により生成した塗膜には透水性があるため、塗膜を通過してきた水分とアルミニウムとが塗膜内で反応してしまう。すなわち、水和反応を起こし(水分子と結合し)、塗膜の腐食および剥離に到る可能性がある。
具体的にいえば、膜厚0.05μm〜1.0μmのアルミニウム薄膜は、トップコートなしで40℃〜60℃の温水に浸すと、水和反応により、24時間〜100時間で溶解する。また、キャス(CASS)試験(JIS H 8502;50℃に設定された試験槽に、4%の塩水と0.027%の塩化第二銅(2水和物)の混合液を噴霧して、試験片の腐食性および耐食性を評価する)では、トップコートを塗布していても、トップコートを通じて試験液が浸透し、60時間以上でアルミニウム薄膜が溶解する。
このような性質を持つアルミニウムの箔や薄膜であるが、保護膜としてのトップコートを厚くした場合や、該トップコートに傷などが生じていない場合は、大きな問題は発生しない。
しかし、例えば、基材にある凹凸の奥まった個所では、基材に形成された保護膜が薄くなる場合があり、その箇所では、保護膜を酸またはアルカリなどの薬品が浸透し、アルミニウムの箔や薄膜を溶解する。また、悪路地帯、海岸地帯、凍結防止のために塩を散布する地帯、高温多湿地帯などで、アルミニウムの箔や薄膜を形成したアルミホイールを使用して、トップコートに傷が入った場合(例えば、実車が走行中に、飛び石により傷が入ったり、清掃中に実車に傷が付いた場合など)には、アルミニウムの箔や薄膜が外部環境に触れ、その傷から塗膜の腐食が始まる。塗膜の腐食がいったん始まり、進行していくと、アルミニウムの箔や薄膜は溶解消失し、アンダーコート層が露出する。そうなると、本来の光輝面が損なわれるだけでなく、アンダーコートとトップコートとの密着力が無くなり、膨れが発生する。さらに、そこを基点として、基材の腐食へと進展する可能性がある。
これらの問題に対し、アルミニウムの箔や薄膜の耐食性および耐薬品性を向上させようとする処理方法が、種々、提案されている。しかしながら、アルミニウム自体の耐食性および耐薬品性が低いので、あまり大きな効果が得られていないのが実状である。これらの提案例とその欠点を、次の(1)〜(5)に示す。
(1)特開2000−354828号公報には、有機または無機の着色顔料にアルミニウムフレークを混入させたメッキ調コートで、アルミニウムホイールの表面を被覆することが記載されている。この着色顔料の反射とアルミニウムフレークの反射との混合で、外観意匠ニーズに合った特殊な色調ができる。クロムメッキの外観に近い外観を得るために、各種の顔料と混合するのである。
また、特開平7−292294号公報には、鱗片状着色金属顔料(Am)と、異なる色調の1色以上の鱗片状着色金属顔料(An)とを含有することを特徴とするカラーフリップフロップ性メタリック塗料が記載されている。具体的には、鱗片状アルミニウムフレークの表面に、さまざまな色の着色顔料を付着させたものを組み合わせたものである。
しかし、これらの顔料は、光輝化する材質がアルミニウムであり、メッキ調コートは耐食性および耐薬品性が低い。そのため、ホイールなどの隅や縦面など、保護膜が塗布しづらい個所では、フレークが溶解する可能性が高い。また、アルミニウムフレークを使用しているため、白っぽく高級感のない外観を克服することができない。さらに、アルミニウムフレークの混合比率の調整方法によっては、光輝感が低下する。
(2)特開平9−311561号公報には、アルミニウムフレークを燐酸基含有樹脂の上に塗装することが記載されている。アルミニウムフレーク塗膜を改善するために、特殊な塗装を行っているが、この方法では、作業性が悪く、コスト高になり、広い範囲に塗布する場合には、適用できない。
(3)特開平9−122575号公報には、アルミニウムフレークが有機溶剤によって変色するのを防止するために、有機溶剤に浸漬した後の色変化が、汚染用グレースケールで色票4号以上の色差を有するアルミニウムフレークを用いることが記載されている。しかし、この塗膜も、アルミニウムフレークを含むため、耐薬品性が低い。
(4)特開平7−150374号公報には、耐食性を付与するために、アルミニウムフレークを腐食防止剤で処理することが記載されている。腐食防止剤は、イットリウムおよび希土類金属などの水溶性塩などを含む。しかし、このような貴重な金属を使用し、複雑な工程を経て、アルミニウムフレークが処理されるので、アルミニウムフレークがコスト高になる。
(5)特開平7−133440号公報および特開平6−57171号公報には、アルミニウムに対してMo金属換算量で0.1質量%〜10質量%のモリブデン酸被膜を成膜し、その上に、アルミニウムに対してP元素換算量で0.05質量%〜5質量%の燐酸エステルを吸着させることが記載されている。しかし、この処理は、複雑で時間がかかり、コストアップの原因にもなる。
また、その他の問題として、アルミニウムの箔や薄膜だけでは、明るさおよび色調が同じであるため、明るさおよび色調を調整する必要がある新しい顔料のニーズに答えられなかった。
また、蒸着法で形成した金属薄膜自体には色調が乏しいため、着色顔料の中に金属箔膜を投入し、表面を被覆することによって、着色金属顔料を得ていた。
特開昭62−13565号公報
特開2000−354828号公報
特開平7−292294号公報
特開平9−311561号公報
特開平9−122575号公報
特開平7−150374号公報
特開平7−133440号公報
特開平6−57171号公報
本発明の目的は、前記問題点を解決し、アルミニウムフレークを用いた光輝性顔料に代わり、電気クロムメッキに近い外観を有し、明るさおよび色調を調整する必要がある新しい顔料のニーズにも対応でき、優れた耐食性および耐薬品性を有する塗膜を得ることができる耐食光輝性顔料を提供することにある。
本発明の耐食光輝性顔料は、Snを主成分として、Cu、Cr、TiおよびNiからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含むフレーク状合金片からなる。あるいは、Snを主成分として、Cuと、Cr、TiおよびNiのいずれかを含むフレーク状合金片からなる。
さらに、前記フレーク状合金片におけるSnの含有量が、50質量%〜99質量%であることが好ましい。
また、前記フレーク状合金片が、Cuを0.5質量%〜20質量%、Crを0.5質量%〜30質量%をそれぞれ含むか、前記フレーク状合金片が、Cuを0.5質量%〜20質量%、Tiを0.5質量%〜30質量%をそれぞれ含むか、前記フレーク状合金片が、Cuを0.5質量%〜20質量%、Niを0.5質量%〜30質量%をそれぞれ含むことが好ましい。
また、前記フレーク状合金片は、厚さが10nm〜200nmであり、大きさが5μm〜40μmであることが好ましい。
また、前記フレーク状合金片が、乾式成膜法により、基板の上に薄膜を形成し、該薄膜を基板より剥離し、粉砕することにより得られることが好ましい。
本発明の耐食光輝性塗膜用塗料組成物は、前記のいずれかの耐食光輝性顔料と、ビヒクルとを含有することが好ましい。
本発明の耐食光輝性顔料の製造方法は、得られるフレーク状合金片において、550nmの波長の光における表面反射率が10%〜95%となるように、Snと、Cu、Cr、TiおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属とからなる合金膜を、乾式成膜法を用いて、基板の表面に形成し、前記基板から該合金膜を剥離し、該合金膜を粉砕することにより、フレーク状合金片を得る工程を含む。
本発明により、アルミニウムフレークを用いた光輝性顔料に代わり、電気クロムメッキに近い外観を有し、黒っぽい反射率の外観から、明るい金属光沢の反射率の高い薄膜まで、幅広く作製することができる。よって、明るさおよび色調を調整する必要のある新しいニーズにも対応でき、意匠性に優れ、かつ、優れた耐食性および耐薬品性を有する塗膜を得ることができる。
また、環境に優しく安全であるため、リサイクル性に優れ、簡単な塗装法により表面処理ができるので、施工性にも優れている。
本発明の耐食光輝性顔料は、Snを主成分として、Cu、Cr、TiおよびNiからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含むフレーク状合金片からなる。
前記フレーク状合金片において、Snを主成分とするのは、電子銃出力が1000V、200mAという成膜条件において、Snの融点の505℃が、Alの融点の933℃よりも低いため、蒸発しやすいことから、また、Sn薄膜は、その色が青白く、Alより耐食性が高いためである。
一方、その他の金属の添加については、Cuは、耐食性と、膜の柔軟性とを増すことに寄与する。また、Cr、TiまたはNiは、融点が高い金属であり、(前記条件において、それぞれ2163℃、1948℃、および1726℃)、乾式成膜法で同時に蒸発させ、薄膜を形成しようとすると、条件によっては、Snに比べて蒸発時期が遅れ、得られる金属薄膜の最も外側の表面側にこれらの金属が比較的多く存在する。このように、これらの金属が一種の傾斜材料として機能する場合がある。また、これらの金属は、反射率が高く、さらに、酸化膜になりやすく、不動態化して、耐食性の向上にも寄与する。傾向として、得られた薄膜の一方側の表面は、黒っぽく、反射率の低い薄膜となり、反対側の表面は、明るい金属光沢の反射率の高い状態となっており、各表面反射率を選択することにより、新しい色調の顔料を得ることができる。ただし、Cu、Cr、TiおよびNiは、融点が高いので、添加量を多くすると、成膜速度が低下するので、注意を要する。
具体的には、本発明の耐食光輝性顔料では、構成するフレーク状合金片におけるSnの含有量が、50質量%〜99質量%であることが好ましい。50質量%よりも少なくなると、金属全体の融点が上がり、蒸発速度が遅くなってしまい、好ましくない。一方、99質量%よりも多くなると、Snの膜は結晶粒が大きく、膜が乱反射を起こし、青白くくすんだ色となり、好ましくない。なお、Snの表面反射率は、38%であり、Alの表面反射率はおよそ70%であることから、Alに比較してかなり低い。
一方、添加金属については、任意の組み合わせが許容されるが、特に、CuとCr、CuとTiもしくはCuとNiを添加させることによって、それぞれの色調で、反射率の高い膜を得ることができる。
具体的には、前記フレーク状合金片において、Cuを0.5質量%〜20質量%とし、Cr、TiまたはNiのいずれかを0.5質量%〜30質量%含むようにすることが好ましい。
これらの組成において、Cuの含有量を、0.5質量%〜20質量%とすることにより、薄膜の耐食性を向上させることができるとともに、薄膜は赤みを帯びた色調になる。0.5質量%よりも少ないと、耐食性向上の効果が得られず、20質量%を超えると、薄膜の赤みの色調が強くなりすぎ、光輝感が減少し、使用用途が限られてしまう。なお、Cuの表面反射率は、60%である。
同時に添加するCr、TiおよびNiの各元素は、耐食性を主として向上させるために添加される元素であり、同時に、薄膜の反射率を高くすることができる。なお、Cr、TiおよびNiの各元素の表面反射率は、それぞれ46%、48%、48%である。
Cr、TiおよびNiの各元素は、0.5質量%〜30質量%の添加量が望ましい。0.5質量%より少ないと、金属外観が得られず、反射率が低くなってしまい、30質量%を超えると、耐食性は向上するが、高融点金属の含有が増すため、成膜速度が低下し、生産性が落ちてくる。これらの金属が、1質量%以上添加されるなら、耐食性の点からは、Cuの添加が最小限で済むこととなる。
さらに、前記フレーク状合金片は、厚さが10nm〜200nmであり、大きさが5μm〜40μmであることが好ましい。ここで、フレーク状合金片の大きさとは、該合金片の定方向径(合金片に外接する長方形の縦−横辺長)を意味する。
厚さが10nmより薄いと、下地が透けて見え、白っぽい外観になり、表面反射率が下がりすぎてしまう。一方、厚さが200nmを超えると、フレーク状合金片の応力が大きくなり、フレーク状合金片に割れが入る可能性が高くなる。また、厚さが200nmを超えても、表面反射率に変化はなく、従って、薄膜成膜に長時間かかるため、かえってコストが上昇してしまう。
大きさが5μm未満では、反射面が小さくなり、光輝感が損なわれる。一方、大きさが40μmを超えると、反射面が広がり、表面反射率は上がるが、フレーク状合金片同士の隙間が大きくなってしまい、下地が見える可能性が出てくる。また、フレーク状合金片を用いた耐食光輝性顔料を使用した耐食光輝性塗膜用塗料組成物を、塗装ラインで用いた場合、塗装ラインのフィルタで捕獲され、目詰まりを起こす可能性がある。
本発明の耐食光輝性顔料を、フレーク状合金片として構成する理由は、耐食光輝性顔料において表面反射は重要な性能の1つであり、フレーク状合金片は、その表面のうちに平面が占める割合が高いためである。
該フレーク状合金片は、乾式成膜法、すなわち、蒸着法、スパッタリング法およびイオンプレーティング法のいずれかにより、基板の上に薄膜を形成し、該薄膜を基板より剥離し、該薄膜を粉砕することにより、得られる。
例えば、フレーク状合金片の原料となる薄膜を、スパッタリング法を用いて成膜する場合、真空中で、薄膜の原料となる金属からなるターゲットにアルゴンイオンを衝突させて、エネルギーを与え、該ターゲットを構成する原子を飛び出させ、対象物(基板)に付着させる。熱で蒸気化して飛ばす方法ではなく、蒸気圧による成分の狂いがないので好ましい。そのため、1つの組成のターゲットのみが用いられれば、使用されるターゲットの組成とほぼ同じ組成の薄膜が得られる。スパッタリング方式は、DCマグネトロン方式とRFマグネトロン方式のどちらでも良い。ターゲットには、溶解法や焼結法で作製した焼結体より得たものが使用できる。また、同時スパッタリング法を用いて、本発明に使用されるフレーク状合金片の原料となる金属を、複数のターゲットに含有させて成膜させることも可能である。
また、フレーク状合金片の原料となる薄膜は、蒸着法やイオンプレーティング法で形成することもできる。蒸着法やイオンプレーティング法でも、フレーク状合金片の原料となる金属を1つの坩堝に入れて、電子銃で一気に蒸発させることが望ましい。
本発明の耐食光輝性塗膜用塗料組成物は、前記のいずれかの耐食光輝性顔料と、ビヒクルとを混合させて得る。
前述のように、蒸着法、スパッタリング法およびイオンプレーティング法のいずれかにより、薄膜を剥離しやすい構造の基板の上か、塗料を塗布した基板の上に、約0.1μmの厚さの薄膜を形成し、その後、基板をアクリルラッカー等の溶液に浸漬し、溶剤で前記塗料を溶出させて薄膜を基材から剥離させるか、物理的に基材から薄膜を掻き落としたり剥ぎ取ったりして回収する。
その後、ボールミルなどの従来の手法や、溶液中に入れた後に超音波を適用した手法などにより、該薄膜を粉砕する。あるいは、基板に形成した薄膜を、基板ごと溶液中に入れた後に、化学的に基板より剥離させながら粉砕することもできる。
本発明の耐食光輝性塗膜用塗料組成物における前記耐食光輝性顔料の好ましい含有量は、塗料中のビヒクル100固形分質量部に対して、5質量部〜30質量部である。5質量部よりも少ないと、耐食光輝性顔料の隠蔽性が低下し、鮮明な白さを発現する塗膜を得られないおそれがあり、30質量部を超えると、塗膜外観が低下する恐れがある。より好ましくは、5質量部〜15質量部である。
本発明において用いるビヒクルは、耐食光輝性顔料を分散するものであって、塗膜形成用樹脂と、必要に応じて架橋剤とから、構成される。
ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が、挙げられ、これらは、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましい。
(a)アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体が、挙げられる。共重合体に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸またはメタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が、挙げられる。これらと共重合可能なこれら以外のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等が、挙げられる。
(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が、挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が、挙げられる。多塩基酸としては、飽和多塩基酸および不飽和多塩基酸が、挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等が、挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が、挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコール等が、挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が、挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が、挙げられる。
(c)アルキド樹脂としては、前記多塩基酸と多価アルコールに、さらに油脂および油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂を用いることができる。
(d)フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂および四フッ化エチレン樹脂のいずれか、またはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合物、および、その他の共重合可能なビニル系化合物からなるモノマーを共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂を、挙げることができる。
(e)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を、挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、Fが、挙げられる。ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009が、挙げられる。
(f)ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分と、ポリイソシアネート化合物とによって得られるウレタン結合を有する樹脂を、挙げることができる。前記ポリイソシアネート化合物としては、2、4−トリレンジイソシアネート(2、4−TDI)、2、6−トリレンジイソシアネート(2、6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネート(4、4’−MDI)、ジフェニルメタン−2、4’−ジイソシアネート(2、4’−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1、5−ジイソシアネート(NDI)、3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を、挙げることができる。
(g)ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、もしくはポリオキシブチレン系ポリエーテル、またはビスフェノールAもしくはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂を、挙げることができる。また、前記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、あるいは、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂を、挙げることができる。
また、塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプがあるが、通常、硬化性を有するタイプの塗膜形成用樹脂が使用される。硬化性を有するタイプの塗膜形成用樹脂の場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して用いられ、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成用樹脂と、硬化性を有するタイプの塗膜形成用樹脂とを併用することも可能である。
本発明において使用されるビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が90質量%〜50質量%、架橋剤が10質量%〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85質量%〜60質量%であり、架橋剤が15質量%〜40質量%である。架橋剤が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。なお、架橋剤としては、イソシアネート系、アミン系架橋剤等が挙げられる。
前述のように、得られた耐食光輝性塗膜用塗料組成物を、塗装スプレー等を用いて塗装することによって、耐食光輝性塗膜が得られる。
得られた耐食光輝性塗膜が、電気クロムメッキに近い表面反射率や外観を有する塗膜とするために、フレーク状合金片の表面反射率を550nmの波長の光で10%〜95%とすることが望ましい。そのためには、使用するフレーク状合金片の厚みおよび大きさを、前述のような所定の範囲に合わせて、フレーク状合金片の各金属膜の表面反射率を、適宜、調整すればよい。得られる塗膜の乾燥膜厚は、20μm〜100μmが好ましく、この範囲を外れると塗膜外観が低下する恐れがある。より好ましくは、30μm〜50μmである。
(実施例1)
10cm角、厚さ1mmのポリプロピレン板の基板を用い、アクリルラッカー塗料(日本ペイント製)溶液に浸漬し取り出して、基板表面に約0.1μm厚さのアクリルラッカー塗料の塗膜を形成した。
その後、蒸着装置として、電子銃を備え、金属を蒸発させる坩堝を3個有するイオンプレーティング装置(神港製作所製)を用い、蒸発源となるSn、CuおよびCrを、Sn:Cu:Cr=20質量部:2質量部:1.5質量部で混合し、坩堝にそれぞれ配置した。
前記基板を蒸着装置内に配置し、該基板上に、蒸着法により、前記蒸発源を蒸発させ、50nm厚で薄膜を形成した。ここで、電子銃の成膜電流は、230mAとし、5分で成膜を行った。得られた薄膜の反射率は、65%であった。
次に、ポリプロピレン板を基板ごとアセトンに浸すと、アクリルラッカーが溶出し、薄膜も剥離した。剥離した薄膜を、アセトンに浸漬したまま、超音波(出力:90W、周波数:43kHz)で、5分間、粉砕し、乾燥して、フレーク状合金片を得た。得られたフレーク状合金片の大きさは約50μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、分光光度計(日立製作所製)を用い、550nmの波長の光で測定した。表面反射率は、60%であった。
得られたフレーク状合金片10gを、溶剤(酢酸エチル)20gに調合し、超音波で均等に配合し、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得た。
アルミニウム合金鋳物AC4C(Al−Si−Mg系)製の板材(厚さ3mm)に、クロメート処理で化成被膜を、クロム量で80g/m2〜150g/m2に形成した。次に、表面を平滑にするため、アクリル粉体塗料を100μm塗布し、150℃で、1時間、乾燥した。さらに、アンダーコートとして、透明なポリエステル・メラミン樹脂をエアースプレーガンで30μm、形成し、140℃で、30分、乾燥した。
その後、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を、前記板材の上にエアースプレーで、1μm〜2μm、塗布した。その上に、アクリル・メラミン樹脂のトップコートをエアースプレーガンで5μm、10μmおよび25μmの3種類、形成し、140℃で30分、乾燥した。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表1に示す。
(実施例2)
蒸発源となるSn、CuおよびCrを、Sn:Cu:Cr=16質量部:1質量部:1質量部で混合した以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、70%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約48μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、65%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表1に示す。
(実施例3)
蒸発源となるSn、CuおよびCrを、Sn:Cu:Cr=20質量部:2質量部:3質量部で混合した以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、60%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約48μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、55%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表1に示す。
(実施例4)
蒸発源となるSn、CuおよびCrを、Sn:Cu:Cr=15質量部:4質量部:3質量部で混合したことと、電子銃による成膜時間を6分としたこと以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、57%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約40μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、50%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表1に示す。
(実施例5)
蒸発源となるSn、CuおよびCrを、Sn:Cu:Cr=15質量部:4質量部:6質量部で混合したことと、電子銃による成膜時間を6分としたこと以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、52%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約35μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、42%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表2に示す。
(実施例6)
蒸発源となるSn、CuおよびTiを、Sn:Cu:Ti=16質量部:1質量部:1質量部で混合した以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、65%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約40μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、60%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表2に示す。
(実施例7)
蒸発源となるSn、CuおよびTiを、Sn:Cu:Ti=15質量部:4質量部:6質量部で混合した以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、57%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約30μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、50%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表2に示す。
(実施例8)
蒸発源となるSn、CuおよびNiを、Sn:Cu:Ni=16質量部:1質量部:1質量部で混合したことと、電子銃による成膜時間を6分としたこと以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、63%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約40μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、58%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表2に示す。
(実施例9)
蒸発源となるSn、CuおよびNiを、Sn:Cu:Ni=15質量部:4質量部:6質量部で混合したことと、電子銃による成膜時間を7分としたこと以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、58%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約40μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、52%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表3に示す。
(実施例10)
蒸発源となるSnおよびCrを、Sn:Cr=16質量部:3質量部で混合したことと、電子銃による成膜時間を4分としたこと以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、62%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約30μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、54%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表3に示す。
(実施例11)
蒸発源となるSnおよびTiを、Sn:Ti=16質量部:3質量部で混合したことと、電子銃による成膜時間を4分としたこと以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、60%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約30μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、52%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表3に示す。
(実施例12)
蒸発源となるSnおよびNiを、Sn:Ni=16質量部:3質量部で混合したことと、電子銃による成膜時間を4分としたこと以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、60%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約30μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、50%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて高い光輝感と、クロムメッキに近い色調とを持っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表3に示す。
(実施例13)
蒸発源となるSn、CuおよびCrを、Sn:Cu:Cr=48質量部:2質量部;50質量部で混合したことと、電子銃による成膜時間を12分としたこと以外は、実施例1と同様にして、フレーク状合金片を得た。
成膜後の薄膜の反射率は、46%であった。また、得られたフレーク状合金片の大きさは約32μmであった。
さらに、得られたフレーク状合金片の表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、42%であった。
さらに、溶剤(酢酸エチル)を90gとした以外は、実施例1と同様にして、本実施例の耐食光輝性塗膜用塗料を得て、表面処理剤としての評価を行った。
以上のようにして得た表面処理材の外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装材に比べて少し暗い灰色を帯びた色調を保っていた。
また、電気メッキ規格を主にした試験項目について、トップコートの厚さが異なる3種類の表面処理材を評価した。その結果、全ての試験項目に合格したが、若干、Crの蒸発残りが存在した。試験項目、試験方法および得られた試験結果を表4に示す。
(比較例1)
蒸発源をAlのみとしたこと、および薄膜を20nm厚としたこと以外は、実施例1と同様にして、Alフレークを得た。
成膜後の薄膜の反射率は、75%であった。また、得られたAlフレークの大きさは約44μmであった。
さらに、得られたAlフレークの表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、70%であった。
得られたAlフレーク1gを、溶剤(MEK)99gに調合し、超音波で均等に配合し、本比較例の塗料を得た。
実施例1と同様にして得た表面処理材に、5質量%硫酸を1cm3垂らし、4時間、放置したところ、トップコートの膜厚が5μmの表面処理材では、試験時間が5分で溶解が始まり、滴定した部分のAlフレークが100%溶解した。また、トップコートの膜厚が10μmの表面処理材では、滴定した部分のAlフレークが50%溶解した。
さらに、前記と同様に作製したトップコートの厚さが異なる2種類の表面処理材に、クロスカットを入れて、キャス試験を実施した。その結果、12時間後にクロスカット部から幅5mmで、Alフレークの溶解が起こった。
さらに、前記と同様に作製したトップコートの厚さが異なる2種類の表面処理材に、クロスカットを入れて、60℃温水試験を実施した。その結果、36時間後にクロスカット部からAlフレークの溶解が起こった。
(比較例2)
蒸発源をSnのみとしたこと、電子銃の成膜電流を180mAとし、成膜時間を2分としたこと以外は、実施例1と同様にして、Snフレークを得た。
成膜後の薄膜の反射率は、38%であった。また、得られたSnフレークの大きさは約36μmであった。
さらに、得られたSnフレークの表面反射率を、実施例1と同様に測定したところ、表面反射率は、34%であった。外観的には、青白く光っていた。
得られたSnフレーク1gを、溶剤(MEK)99gに調合し、超音波で均等に配合し、本比較例の塗料を得た。
実施例1と同様にして得た表面処理材に、5質量%硫酸を1cm3垂らし、4時間、放置したところ、面積の50%が溶解した。また、トップコートの膜厚が10μmの表面処理材では、面積の50%が溶解した。
さらに、前記と同様に作製したトップコートの厚さが異なる2種類の表面処理材に、クロスカットを入れて、キャス試験を実施した。その結果、クロスカットを入れた個所でSnフレークの溶解が起こった。
さらに、前記と同様に作製したトップコートの厚さが異なる2種類の表面処理材に、クロスカットを入れて、60℃温水試験を実施した。その結果、クロスカットを入れた個所でSnフレークの溶解が起こった。
Figure 2006152125
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Figure 2006152125
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Claims (10)

  1. Snを主成分として、Cu、Cr、TiおよびNiからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含むフレーク状合金片からなることを特徴とする耐食光輝性顔料。
  2. Snを主成分として、Cuと、Cr、TiおよびNiのいずれかを含むフレーク状合金片からなることを特徴とする耐食光輝性顔料。
  3. 前記フレーク状合金片におけるSnの含有量が、50質量%〜99質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐食光輝性顔料。
  4. 前記フレーク状合金片が、Cuを0.5質量%〜20質量%、Crを0.5質量%〜30質量%をそれぞれ含むことを特徴とする請求項3に記載の耐食光輝性顔料。
  5. 前記フレーク状合金片が、Cuを0.5質量%〜20質量%、Tiを0.5質量%〜30質量%をそれぞれ含むことを特徴とする請求項3に記載の耐食光輝性顔料。
  6. 前記フレーク状合金片が、Cuを0.5質量%〜20質量%、Niを0.5質量%〜30質量%をそれぞれ含むことを特徴とする請求項3に記載の耐食光輝性顔料。
  7. 前記フレーク状合金片は、厚さが10nm〜200nmであり、大きさが5μm〜40μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐食光輝性顔料。
  8. 前記フレーク状合金片は、乾式成膜法により、基板の上に薄膜を形成し、該薄膜を基板より剥離し、粉砕することにより得られることを特徴とする請求請1〜7のいずれかに記載の耐食光輝性顔料。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の耐食光輝性顔料と、ビヒクルとを含有することを特徴とする耐食光輝性塗膜用塗料組成物。
  10. 得られるフレーク状合金片において、550nmの波長の光における表面反射率が10%〜95%となるように、Snと、Cu、Cr、TiおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属とからなる合金膜を、乾式成膜法を用いて、基板の表面に形成し、前記基板から該合金膜を剥離し、該合金膜を粉砕することにより、フレーク状合金片を得る工程を含むことを特徴とする耐食光輝性顔料の製造方法。
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CN104550938A (zh) * 2015-02-04 2015-04-29 湖南师范大学 一种纳米片状Cu-Sn-P合金及制备方法
CN105566991A (zh) * 2015-12-17 2016-05-11 李许生 一种彩色复合岩片的制备方法

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