JP4305157B2 - 塗装金属板 - Google Patents

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本発明は、白色度 (即ち、全反射率) が非常に高く、耐ブロッキング性にも優れている塗装金属板 (PCM) に関する。本発明に係る塗装金属板は、例えば、照明器具の反射板に適しているが、用途はそれに限定されるものではない。
昨今の環境問題に対する意識の高まりから、あらゆる家電製品について省エネルギーにつながる高効率化の要求が高まっている。例えば、照明器具の反射板に利用される塗装金属板については、全反射率が高いことが望まれる。反射板の全反射率、従って白色度 (L値) が高いほど、照明器具の器具効率が高まるためである。
反射率が高い塗装金属板として、特開2001−243819号公報に、L値>90、光沢度>80の光反射性を有する塗装金属板が提案されている。この塗装金属板は下記構成を有する:
1)下塗り塗膜中に防錆顔料と白色顔料のチタニアを含有させる;
2)チタニアを含有するポリエステル系樹脂からなる上塗り塗膜には、塗膜比重が1.75以上、2.3 以下になるようにチタニアを含有させる。
上記公報に記載の塗装金属板は、上塗り塗膜に加えて、下塗り塗膜にもチタニアを含有させ、かつ上塗り塗膜中のチタニア含有量を特定範囲に調整することで、高い反射率と加工性との両立を狙ったものである。実施例には、L値93.5までの例が示されている。加工性は2T 180°曲げにより評価している。
特開2001−243819号公報
本発明の目的は、上述した従来の塗装金属板よりさらに高い白色度 (L値) と加工性を有する塗装金属板、具体的には、L値が94以上、好ましくは95以上と白色度に優れ、かつ加工性が 180°曲げで2T以下と良好な塗装金属板、を提供することである。
白色度が高く、しかも加工性も良好な従来の塗装金属板の多くは、コイル状に巻いた際 (または切板を積み重ねた際) に、ブロッキングやプレッシャーマークを発生しやすいという欠点があった。本発明の別の目的は、この点についても改善された、高反射性で加工性が良好な塗装金属板を提案することである。
塗膜に白色顔料、例えば、チタニアを添加して高反射性を付与した塗装金属板は、塗膜へのチタニア添加量を増大させると白色度が高くなる傾向がある。しかし、塗膜中のチタニア濃度がある限度を超えると、白色度はむしろ低下し、加工性も低下する。これは、チタニアの分散性が低下して、チタニアの一部が凝集体を形成するためではないかと推量される。
従って、塗膜中のチタニア濃度は適正な範囲内にとどめなければならない。この適正範囲内で高濃度のチタニアを含有する塗膜を形成した高反射性の塗装金属板は、その塗膜の厚みが大きくなるほど反射率 (従って、白色度) が向上する。
しかし、あまりに厚い塗膜を一度の塗装で形成しようとすると、ワキと呼ばれる塗装欠陥が発生する。ワキとは、金属板上に塗られた塗料がオーブンで乾燥される際に、塗膜内部に存在する溶剤が、固まり始めた塗膜表面をうまく通過できずに「突沸的」に蒸発する現象であり、塗膜表面に噴火状の欠陥を残存させる結果となるので、塗装金属板においては許容できない。
つまり、ワキを発生させずに一度に塗装 (塗布→乾燥) できる塗膜厚み (以下、ワキ限界塗膜厚みという) に自ずから限界が存在する。ポリエステル/メラミン硬化剤系で代表される通常の塗装金属板では、この厚みはおよそ20〜30μm程度である。
チタニアを含有させた塗膜でL値を94以上にしようとすると、ワキ限界塗膜厚みを超える塗膜厚みが必要となることが多い。従って、従来の一般的な塗装金属板のように、上塗り塗膜だけにチタニアを含有させる場合、L値を94以上にするような厚みは一度の塗装では実現できないので、上塗りの塗装回数を増やす必要があり、経済的な負担が大きく、工業的には実施しにくい。
上記特許文献1に提案されるように下塗り塗膜にもチタニアを含有させると、上塗り塗装が一度でも、下塗りと合わせることでチタニア含有塗膜厚みを大きくすることができる。しかし、下塗り塗膜にも多量のチタニアを含有させると、加工性が低下する傾向がある。また、耐ブロッキング性は、塗膜厚みが大きくなると、著しく低下する。
ワキ限界塗膜厚みを増大させるには、蒸気圧の小さい(ゆっくりと蒸発する)高沸点溶剤の使用が有効である。しかし、白色度の高い塗装金属板の場合、微量の溶剤残存でも、塗装金属板のb値(黄色み)を増加させてしまう傾向が見られるため、沸点が200 ℃を超えるような溶剤を使用するのは困難である。
ライン速度を小さくして、オーブン風速を小さくし、金属板の昇温速度を小さくするのも、ワキ発生の防止には有効であるが、この場合には生産速度が低下するので、やはり経済的に不利となる。
また、塗料中の溶剤量を減少させる方法も、ワキ限界塗膜厚みを増大させる効果を有する。しかし、通常のロールコータでは塗装困難になる (気泡を巻き込みやすい、ロール目が出やすい) といった不具合を伴い、工業的には採用しにくい。
本発明者は、上塗り塗膜と下塗り塗膜のいずれかに、チタニアと一緒に樹脂粒子を含有させると、上述した難点を伴わずに、ワキ限界塗膜厚みが従来よりはるかに大きくなることを見出した。さらに、樹脂粒子そのものにもチタニアを含有させて、樹脂粒子を白色化することにより塗膜の白色度をさらに高めることができることもわかった。それにより、塗装金属板のL値が94以上、好ましくは95以上となる厚みの白色塗膜を一度の塗装で形成することが可能となる。また、このような樹脂粒子を含有する塗膜は、ブロッキングやプレッシャーマークが発生しにくいことも判明した。
本発明は、下塗り塗膜と上塗り塗膜とを有する塗装金属板であって、下塗りと上塗りの少なくとも一方の塗膜、好ましくは少なくとも下塗り塗膜が、チタニアに加えて平均粒径5〜50μmの熱硬化型樹脂粒子 0.5〜10質量%を含有することを特徴とする、白色度に優れた塗装金属板である。好ましくは、前記樹脂粒子はチタニアを含有する白色樹脂粒子であり、そのときの塗装金属板のL値が95以上であることが特に好ましい。
本発明により、L値が94以上、好ましくは95以上と白色度が高く、保管時のブロッキングやプレッシャーマークが発生しにくく、かつ加工性に優れた、照明器具の反射板などとして最適の、白色度に優れた塗装金属板が提供される。それにより、照明器具の器具効率が向上し、省エネルギーにつながる。しかも、チタニアと樹脂粒子を含有する白色塗膜のワキ限界塗膜厚みが大きいため、本発明の塗装金属板は、上塗りと下塗りのいずれについても、ロールコーターを用いた通常のライン速度での1回の塗装により製造することができ、経済性と生産性にも優れている。
本発明に係る塗装金属板は、下塗り塗膜または上塗り塗膜が、白色顔料であるチタニアと熱硬化型樹脂粒子の両方を含有する白色塗膜であることを特徴とする。熱硬化型樹脂粒子は、好ましくはチタニアを含有する白色樹脂粒子である。この白色塗膜はワキ限界塗膜厚みが大きいため、L値が94以上、好ましくは95以上と白色度に優れた塗装金属板を、上塗りと下塗りのいずれも一回ずつの塗装で製造することが可能となる。
このチタニアと樹脂粒子を含有する白色塗膜とするのは、下塗り塗膜と上塗り塗膜のいずれでもよい。
上塗り塗膜を樹脂粒子を含有する白色塗膜とすると、一般に上塗り塗膜の方が下塗り塗膜より厚いことが多いため、より多量の樹脂粒子を含有させることができる。そのため、樹脂粒子がチタニアを含有する白色樹脂粒子である場合、塗装金属板の白色度はより高くなる。また、耐ブロッキング性も著しく高くなる。しかし、この場合、光沢が徐々に低下する傾向があるが、光沢の低下は、ユーザーや用途によってはさほど問題にならない。また、樹脂粒子を上塗り塗膜に含有させると、ワキ限界塗膜厚みの増大効果も高く、ワキを発生させずに35μm程度までの厚みの塗膜を一度の塗装で形成することが可能となる。
一方、下塗り塗膜を上記白色塗膜とすると、光沢低下が抑えられため、良好な光沢が持続する。耐ブロッキング性は、樹脂粒子を含有しない場合に比べて、やや向上する。下塗り塗膜に樹脂粒子を含有させる場合であっても、上塗り塗膜のワキ限界塗膜厚みの増大効果がいくらかは得られる。その結果、上塗り塗膜が樹脂粒子を含有していなくても、30μm程度までの厚みの上塗り塗膜を一度の塗装で形成することが可能となる。
もちろん、下塗り塗膜と上塗り塗膜の両方を、チタニアと樹脂粒子を含有する白色塗膜としてもよい。
この白色塗膜を下塗りと上塗りの一方だけに形成する場合、他方の塗膜は白色顔料を含有しない塗膜としてもよいが、好ましくは適量のチタニアを含有する塗膜とする。
以下では、片面 (化粧面) の上塗り塗膜をチタニアとに樹脂粒子を含有する白色塗膜とする本発明の白色塗装金属板の態様について、主に説明するが、本発明の塗装金属板はこの態様に制限されるものではない。上述したように、チタニアと樹脂粒子は上塗り塗膜ではなく、下塗り塗膜に、または上塗り塗膜と下塗り塗膜の両方に、含有させることもできる。また、このような白色の下塗り塗膜および/または上塗り塗膜を金属板の両面に形成して、両面とも化粧面とすることもできる。上塗り塗膜の上にさらにクリア塗装を施すことも可能である。
本発明の塗装金属板における基材の金属板は、典型的には亜鉛系めっき鋼板、特に溶融亜鉛系めっき鋼板である。その例としては、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、溶融5%Al−Znめっき鋼板、溶融55%Al−Znめっき鋼板等が挙げられる。基材の金属板は、電気亜鉛または亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、チタン板、アルミニウム板などであってもよい。
基材金属板には、塗装前に塗膜密着性と防錆性を高めるため、一般に下地処理が施される。この下地処理は、従来より一般的であった塗布型クロメート処理でもよく、或いは最近使用されるようになってきた各種のノンクロム型の下地処理でもよい。
高反射性が付与される化粧面には、一般に下塗りと上塗りの2回の塗装が施される。この塗装に用いる塗料は特に制限されない。例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂またはフッ素樹脂等から塗膜を形成することができる。好ましいのは、ポリエステル、ポリウレタン、またはエポキシ樹脂に、硬化剤成分としてメラミン樹脂、ポリイソシアネート、ポリアミン、フェノール樹脂等の1種以上を添加して、焼付け硬化塗膜としたものである。特に好ましくは、熱可塑性の高分子量ポリエステルをベース樹脂とし、これに硬化剤成分としてメラミン樹脂またはポリイソシアネートを配合した塗料である。
下塗り塗膜の厚みは、好ましくは5〜25μm、より好ましくは10〜20μmの範囲である。塗料の組成によっても異なるが、膜厚がおよそ15μm以下であれば、樹脂粒子を含有していなくても、ワキを発生させずに一度の塗装で下塗り塗膜を形成することができる場合が多い。
下塗り塗膜は、好ましくはチタニアを含有する白色塗膜とする。下塗り塗膜に、チタニアに加えて、体質顔料としてシリカ、アルミナ等、ならびに防錆顔料としてリン酸アルミニウム等の1種以上をさらに添加してもよい。下塗り塗膜におけるチタニアは、平均一次粒子径が0.23〜0.30μm程度のものが好ましく、その含有量は10〜60質量%の範囲内とすることが好ましい。このような下塗り塗膜は、チタニアを含有する市販の白色塗料を塗装することにより形成することができる。下塗り塗膜の場合、チタニアのより好ましい含有量は40〜50質量%である。
上塗り塗膜には、本発明に従って、チタニアと樹脂粒子とを含有させる。チタニアに加えて樹脂粒子を含有させることにより、塗膜のワキ限界厚みが大きくなり、チタニアの分散性を低下させることなく塗膜厚みを増大させることが可能となる。それにより、例えば、一度の塗装で35μm程度までの十分な厚みの上塗り塗膜を、ワキを発生させずに形成することができる。また、塗装金属板の耐ブロッキング性も著しく改善され、コイルに巻いたり、積み重ねた時のプレシャーマークが発生しにくくなる。樹脂粒子の添加によってワキ限界厚みが増加するのは、固形分濃度が増加することと、粒子の凹凸による表面積増加のため、溶剤の蒸発面が広がるためであると推定される。
上塗り塗膜においても、使用するチタニアは、平均一次粒子径が0.23〜0.30μmのものが好ましく、その含有量は10〜70質量%の範囲内とすることが好ましい。上塗り塗膜におけるチタニアのより好ましい含有量は50〜60質量%である。
樹脂粒子としては、塗膜の焼付け後も粒子形状を保持するように、熱硬化型樹脂の粒子を使用する。好ましい熱硬化型樹脂はアクリル樹脂およびメラミン樹脂である。樹脂粒子の平均粒径は5〜50μmの範囲が適当である。平均粒径が過小であると、樹脂粒子の粉砕が困難で、経済的に不利である。50μmを越える樹脂粒子を使用すると、塗膜表面に凹凸が発生し、平滑な塗装表面を得ることが困難になる。樹脂粒子の平均粒径は、好ましくは5〜30μmである。
樹脂粒子の塗膜中の含有量 (即ち、塗料中の全固形分に対する含有量) は 0.5〜10質量%の範囲が適当であり、好ましくは1〜5質量%である。樹脂粒子の含有量が過小では、上記効果を顕著に得ることができない。樹脂粒子は高価であるので、その含有量が過大では経済性に劣る上、樹脂液の安定性や塗布性が悪化することもある。
熱硬化型の樹脂粒子としては、チタニアを含有する白色樹脂粒子を使用することが好ましい。それにより、塗膜の白色度がさらに向上し、L値が95前後またはそれ以上と、白色度が非常に高い塗装金属板を、一度の上塗り塗装で確実に製造することができる。
このチタニアを含有する白色樹脂粒子の製造方法は特に制限されない。例えば、重合反応をチタニアの存在下で実施して、得られた重合体を必要に応じて粉砕することにより、白色樹脂粒子を製造することができる。また、白色粉体塗料用に市販されている、チタニアを含有する熱硬化型樹脂粒子を、本発明における白色樹脂粒子として利用することも可能である。
上記の上塗り塗膜の形成に用いる上塗り塗料は、市販または適当な方法で調製したチタニアを含有する白色塗料に、熱硬化型樹脂粒子、好ましくはチタニアを含有する白色樹脂粒子を、混合物の全固形分に基づいて 0.5〜20質量%となる量で添加して混合して均一に分散させることにより、容易に調製することができる。
前述したように、上塗り塗料に樹脂粒子を添加することで、この塗料のワキ限界塗膜厚みが増大するので、一度の塗装で従来より厚い上塗り塗膜を形成することができる。例えば、従来は25μm程度が限界であったのが、本発明では35μm程度までの厚みが可能となる。上塗り塗膜の厚みは、塗装金属板のL値が94以上となるように設定することが好ましい。このための好ましい厚みは25〜35μmの範囲である。
樹脂粒子を下塗り塗膜に含有させる場合、下塗り塗膜の膜厚は、樹脂粒子を含有させない場合に比べて大きくなる傾向がある。その場合でも、下塗り塗膜の厚みは、上述したように、好ましくは25μm以下とする。一方、上塗り塗膜に樹脂粒子を含有させないと、樹脂粒子によるワキ限界塗膜厚みの増大効果は小さくなるため、一度の塗装で形成できる上塗り塗膜の膜厚は30μm程度となる。このように、樹脂粒子、特に白色樹脂粒子を、相対的に薄い下塗り塗膜の方に含有させ、樹脂粒子を含有しない上塗り塗膜の膜厚は30μm以下となっても、なお本発明のよる塗装金属板の白色度の増大という効果、ならびに耐ブロッキング性や加工性の向上効果は得られる。もちろん、上塗りと下塗りの両方に白色樹脂粒子を含有させると、白色度の増大効果は最も高くなる。また、下塗り塗膜に樹脂粒子を含有させれば、上塗り塗膜が樹脂粒子を含有していなくても、限界ワキ発生厚みの増大効果がいくらかは得られる。
本発明に係る塗装金属板の裏面は、一般的には通常の裏面塗装が施される。但し、裏面の構成はそれに限られるものではなく、めっきのままもしくは下地処理のみでもよく、あるいは本発明に従った白色度に優れた2層塗膜もしくは他の化粧用塗膜を形成することも可能である。
本発明に係る塗装金属板は、前述したように、2T以下という優れた加工性を有すると同時に、L値で94以上、好ましくは95以上という、従来の塗装金属板では実現が困難であった優れた白色度を示す。それに加えて、例えばコイルまたは積み重ねた切板の状態で保管した際に、ブロッキングやプレッシャーマークを発生しにくいという別の利点もある。これは、樹脂粒子により塗膜表面に微小な凹凸が形成されるため、表面と裏面の接触面積が減少するためではないかと推測される。
1. 塗装金属板の作成
基材として、溶融亜鉛めっき鋼板(片面当たりめっき付着量: 60 g/m2 、鋼板厚み0.5 mm) を使用した。この基材の両面に、シリカ系ノンクロム下地処理(日本ペイント製サーフコートE2000 、付着量: 300 mg/m2)を施した。
化粧面となる片面には、下塗り塗料として、チタニアを含有する焼付け型ポリエステル系塗料(関西ペイント製KPカラー8602、硬化剤成分としてメラミン樹脂を含有)を、バーコータで塗装した後、焼付け温度 (最高到達板温度) が200 ℃になるようオーブンにて乾燥を行って、下塗り塗膜を形成した。
上塗り塗料としては、白色顔料としてチタニアを含有する焼付け型高分子量ポリエステル系塗料(関西ペイント製KPカラー1510、硬化剤成分としてメラミン樹脂を含有)を使用した。下塗り塗膜の上に、この上塗り塗料をバーコータで塗装した後、焼付け温度が230 ℃になるようオーブンにて乾燥を行って、上塗り塗膜を形成した。
発明例と一部の比較例においては、下塗り塗料と上塗り塗料の一方または両方に、いずれも大日本精化社性の熱硬化型樹脂粒子 (商品名ラブコロール) を添加して分散させた。使用した樹脂粒子は次の通りである:
樹脂粒子A:ラブコロール230 (平均粒径8μm、クリア) 、
樹脂粒子B:ラブコロール215M (平均粒径8μm、白色) 、
樹脂粒子C:ラブコロール215F (平均粒径20μm、白色) 。
上記樹脂粒子Aはチタニアを含有していない透明樹脂粒子で、樹脂粒子BおよびCはチタニアを含有する白色樹脂粒子であった。これらの樹脂粒子の樹脂種はいずれもアクリル樹脂であった。
下塗り塗膜と上塗り塗膜の厚みと、塗料に添加した樹脂粒子の種類および量 (塗料の全固形分に基づく質量%) を表1に示す。
裏面側には裏面塗料(日本ペイント製RE599)を、塗膜厚みが7μmになるようにバーコータで塗装し、焼付け温度が200 ℃になるように乾燥させた。
2. 評価
こうして作製した塗装金属板を、下記の要領で、L値、外観 (ワキ発生の有無) 、加工性、耐ブロッキング性について評価した。試験結果も表1に併記する。
化粧面のL値は、JIS Z 8722に基づき、スガ試験機製測色計を使用して測定した。L値94以上が良好であり、95以上は非常に良好である。
ワキは、乾燥後の化粧面の塗膜を肉眼で観察して、ワキが全く見られない場合を○、部分的にワキが見られる場合を△、全面的にワキが見られる場合を×と評価した。×の場合には加工性の評価は不可能である。
加工性は、化粧面を外側に向けて、基材と同じ厚みの金属板N枚を重ねて挟んだ密着曲げ加工を行い、化粧面の塗膜に亀裂の生じない最低板挟み枚数を求めることにより評価した。
耐ブロッキング性は、同じ大きさの2枚の試験片を、一方の化粧面と他方の裏面が接するように重ね合わせ、ホットプレスを用いて60℃、30 kg/cm2 の圧力を24時間かけて、試験後の試験片の分かれ易さにより評価した。全く問題なくすぐに2枚の試験片が分かれる場合を○、高さ10 cm から落下させた場合に分かれる場合を△、高さ10 cm から落下させても力を加えて2枚を引き剥がす必要がある場合を×と評価した。
Figure 0004305157
表1からわかるように、上塗り塗膜か下塗り塗膜の少なくとも一方に樹脂粒子を含有させることにより、上塗り塗料を塗布して焼付ける際のワキの発生が防止される。このワキ防止効果は、樹脂粒子を上塗り塗料に添加する方がより顕著であり、その場合には、ワキを発生させずに35μmまでの厚みの塗膜を一度の塗装で形成することができた。
このワキ発生防止効果は、樹脂粒子を下塗り塗料に添加した場合でもある程度は得られる。例えば、下塗り塗料が樹脂粒子を含有しない場合には、試験No.2、 4に示すように、上塗り塗膜の厚みが28μmの場合、ワキの発生が避けられない。しかし、下塗り塗料に樹脂粒子を添加すると、上塗り塗膜の厚みが同じ28μmである試験No.6〜17に示すように、上塗り塗膜は樹脂粒子を含有しないにもかかわらず、全部の例において、28μmの厚みの上塗り塗膜をワキを発生させずに形成することができた。
また、樹脂粒子を下塗りと上塗りの少なくとも一方の塗膜に含有させることにより、加工性と耐ブロッキング性も著しく向上した。加工性については、上塗り塗膜厚みが25μmを超える厚さとなっても、密着曲げ性で1Tという優れた結果が得られた。但し、樹脂粒子の含有量が5質量%を超えると、加工性が低下し始め、その含有量が10質量%を超えると、加工性はさらに低下したので、樹脂粒子の含有量は10質量%以下、好ましくは5質量%以下とする。
L値 (白色度) については、下塗り塗膜および/または上塗り塗膜に含有させた樹脂粒子がチタニアを含有する白色樹脂粒子 (樹脂粒子BまたはC) であると、L値の増大が得られた。この場合、試験No.11 を除く全ての例で、L値は95以上となり、白色度の向上効果が得られた。

Claims (4)

  1. 下塗り塗膜と上塗り塗膜とを有する塗装金属板であって、下塗りと上塗りの少なくとも一方の塗膜が、チタニアに加えて平均粒径5〜50μmの熱硬化型樹脂粒子 0.5〜10質量%を含有することを特徴とする、白色度に優れた塗装金属板。
  2. 前記樹脂粒子がチタニアを含有する白色樹脂粒子である請求項1記載の塗装金属板。
  3. L値が95以上である請求項2記載の塗装金属板。
  4. 前記樹脂粒子が少なくとも下塗り塗膜に含有される請求項1から3のいずれかに記載の塗装金属板。
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