JP7406176B1 - 光輝性塗料及び塗装物品 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、近年、作業工程が簡単で、設備や被塗物の大きさに制限がないことなどから、光輝顔料として鱗片状の金属フィラーを配合した光輝性塗料が使用されている。
しかし、実際には金属フィラーが塗膜表面に対し不規則に配向することが多く、充分な光輝性を発現することは容易ではなかった。
特許文献1の塗料によれば、光輝性に優れる塗膜を形成できるとされている。
これは、鱗片状インジウムは鱗片状アルミニウムよりも粒径が小さく、かつ比重が大きいためであると考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みて、鱗片状金属フィラーとして鱗片状インジウムを使用した場合にも塗膜の形成過程において充分配向させることができ、光輝性に優れる塗膜を形成できる光輝性塗料の提供を目的とする。
[1]アニリン点が40℃以上である炭化水素系溶剤(A)と、
前記炭化水素系溶剤(A)と相溶しない樹脂(B1)と、
前記炭化水素系溶剤(A)および前記樹脂(B1)と相溶し、かつ前記炭化水素系溶剤(A)よりも沸点が低い溶剤(C)と、
鱗片状金属フィラー(D)と、
シロキサン系界面活性剤(E)と、
を含有し、
前記鱗片状金属フィラー(D)が鱗片状インジウム(D1)である、光輝性塗料。
[2]前記シロキサン系界面活性剤(E)が、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤(E1)である、[1]に記載の光輝性塗料。
[3]基材と、前記基材の表面に形成された塗膜を有し、
前記塗膜が[1]又は[2]に記載の光輝性塗料を塗装して得られた塗膜である塗装物品。
これに対して、ある成分と別のある成分とが「相溶する」とは、両成分が分離せず、両成分の間に界面が形成されないことを意味する。
本明細書および特許請求の範囲において、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
(A)成分:アニリン点が40℃以上である炭化水素系溶剤
(B1)成分:(A)成分と相溶しない樹脂
(B2)成分:(B1)成分を溶解又は分散させる溶剤であって、(A)成分と相溶しない溶剤
(C)成分:(A)成分および(B1)成分と相溶し、かつ(A)成分よりも沸点が低い溶剤
(D)成分:鱗片状金属フィラー
(E)成分:シロキサン系界面活性剤
(A)成分は、アニリン点が40℃以上である炭化水素系溶剤である。
アニリン点が40℃以上であれば、詳しくは後述するが、塗膜の形成過程において(B)成分と分離し、(A)成分の層(以下、「A層」という。)と(B)成分の層(以下、「B層」という。)とが形成される。アニリン点の上限値については特に制限されないが、90℃が好ましい。アニリン点の高い溶剤は概して分子量が大きく、そのため沸点が高くなる傾向にある。アニリン点が90℃以下であれば、加熱処理によって(A)成分が容易に揮発しやすい。
アニリン点は、JIS K 2256:2013(ISO 2977:1997)に準拠して測定される値である。(A)成分が2種以上の成分を含む場合、混合された状態でのアニリン点が40℃であればよい。
脂肪族炭化水素系溶剤としては、組成式CnaH2na+2(ただし、na≧6)で表されるパラフィン類、組成式CnbH2nb(ただし、nb≧7)で表される単環ナフテン類およびそのアルキル基付加体、組成式CncH2nc-2で表される二環ナフテン類およびそのアルキル基付加体が挙げられる。
不飽和炭化水素系溶剤としては、例えばリモネン、ジイソブチレンなどが挙げられる。
(A)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B1)成分は、(A)成分と相溶しない樹脂である。
(B1)成分は、本発明の光輝性塗料より形成される塗膜の主成分である。
メラミン樹脂としては、例えばメチル化メラミン樹脂、ノルマルブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂などが挙げられる。
(B1)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B2)成分は、(B1)成分を溶解又は分散させる溶剤であって、塗膜の形成過程において(B1)成分とともに、B層を形成する溶剤である。(B2)成分は、(A)成分と相溶しない。
(B2)成分なしでも塗料の粘度が塗装可能な程度に低ければ、(B2)成分は使用しなくてもよい。
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1、2-ブタンジオール、テトラメチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
含窒素元素または含硫黄元素の非プロトン性極性溶剤としては、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B2)成分の沸点は、150~300℃が好ましく、180~250℃がより好ましい。
(C)成分は、(A)成分および(B1)成分と相溶し、かつ(A)成分よりも沸点が低い溶剤である。
光輝性塗料が(B2)成分を含有する場合、(C)成分は(B2)成分とも相溶することが好ましい。
(C)成分としては、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、鎖状カーボネート系溶剤などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルコール系溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、2-ブタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エステル系溶剤としては、例えばメチルアセテート、エチルアセテート、ノルマルプロピルアセテート、イソプロピルアセテート、ノルマルブチルアセテート、イソブチルアセテート、セカンダリーブチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、ノルマルプロピルプロピオネート、メチル-2-メチルブチレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
鎖状カーボネート系溶剤としては、例えばジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(C)成分の沸点は、125℃以下が好ましく、50~100℃がより好ましい。(C)成分の沸点が125℃以下であれば、塗膜の形成過程において揮発しやすい。
(D)成分は、鱗片状金属フィラーであって、光輝性塗料より得られる塗膜に光輝性を付与する成分である。
鱗片状金属フィラーとしては、鱗片状インジウム(D1)、鱗片状アルミニウム等が挙げられるが、鱗片状インジウム(D1)は、塗膜の形成過程において配向しにくいこと、高価であるため少量で高輝性を有する塗膜を形成する必要があることから、本発明の適用対象として適している。
また、「平均粒子径」とは、レーザー回折散乱法(マイクロトラック法)により測定される50%粒径(D50%)のことである。
(D)成分の厚さは、電子顕微鏡を用いて測定される。
(D)成分は、鱗片状金属フィラーの表面が、脂肪酸やシランカップリング剤等の表面処理剤によって表面処理されたものや、透明性を有する樹脂で被覆されたものを(D)成分として用いてもよい。
なお、「透明」とは(D)成分の表面を被覆した際に(D)成分の金属調を損なわないことを意味し、全光線透過率が50%以上であることが好ましい。
蒸着金属薄膜は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の基材フィルム上に金属を蒸着し、基材フィルム上に蒸着金属薄膜を形成した後、基材フィルムから剥離することで得られる。蒸着金属薄膜は不定形に解砕され、鱗片状金属フィラーとされる。
不定形に解砕した鱗片状金属フィラーを「コーンフレーク状の圧延金属フレーク」ともいい、円形に解砕した鱗片状金属フィラーを「コイン状の圧延金属フレーク」ともいう。コイン状の圧延金属フレークは、滑らかな端部を有し、表面が平滑である。
(E)成分は、シロキサン系界面活性剤である。シロキサン系界面活性剤は、ケイ素(Si)と酸素(O)が化学結合により交互に連なったシロキサン結合を主骨格に持つシリコーンの一部に親水性の有機基を導入した構造をもつ界面活性剤である。
シロキサン結合の主骨格は直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でもよい。
シロキサン結合の主骨格が直鎖状の場合、変性によって有機基を導入する箇所としては、側鎖、両末端、片末端、側鎖および両末端等の態様が挙げられるが、側鎖に導入することが好ましい。
光輝性塗料は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じて(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
任意成分としては、例えばアニリン点が40℃未満の炭化水素系溶剤(以下、「他の炭化水素系溶剤」ともいう。)、(A)成分および(B1)成分と相溶し、かつ(A)成分よりも沸点が高いもしくは同等の沸点の溶剤、添加剤などが挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えばメチルアミルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルヘキシルケトンなどが挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ペンタノール、ノルマルヘキサノール、ノルマルヘプタノールなどが挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、などが挙げられる。
鎖状カーボネート系溶剤としては、例えばジエチルカーボネートが挙げられる。
(A)成分と相溶する他の成分のうち、樹脂としては例えば低極性アクリル樹脂などが挙げられる。
ここで、「実質的に含有しない」とは、(A)成分と相溶する他の成分の含有量が、光輝性塗料の総質量に対して0.1質量%未満を意味する。
本発明の光輝性塗料により基材の表面に塗膜が形成され、塗装物品が得られるまでの過程の一例を、図1を参照しながら説明する。
なお、以下の説明では、光輝性塗料は(B2)成分も含むものとする。
金属基材の材質としては、例えばアルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、チタン、銅、銀、亜鉛、スズ、インジウム、マグネシウム、これらの酸化物、およびこれらの合金などが挙げられる。
一方、プラスチック基材の材質としては、例えばポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS)、アクリル樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂、アクリル-スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
(C)成分は(A)成分よりも沸点が低いので、光輝性塗料10を自然乾燥または加熱処理すると、(A)成分よりも先に光輝性塗料10中の(C)成分が揮発する。このとき、(B2)成分の沸点が(C)成分よりも低ければ(C)成分と共に(B2)成分も揮発し、(B2)成分の沸点が(C)成分よりも高ければ(C)成分のみが揮発する。
工程(b)において光輝性塗料10を加熱処理する場合、加熱温度は(C)成分の沸点よりも高く、(A)成分の沸点よりも低い温度が好ましい。
工程(c)により(A)成分が揮発する。A層11中に他の炭化水素系溶剤が含まれている場合は、工程(c)において他の炭化水素系溶剤も揮発する。B層12中に(B2)成分や他の炭化水素系溶剤が含まれている場合は、工程(c)において(B2)成分や他の炭化水素系溶剤も揮発する。その結果、A層11が消失し、基材20上にはB層12が残る。工程(c)後のB層12には、(B1)成分と必要に応じて添加剤とが含まれ、(B2)成分は概ね除去される。
(B2)成分の沸点が(A)成分よりも高い場合、工程(c)における加熱温度は(B2)成分よりも高い温度が好ましい。また、工程(c)において加熱温度を段階的に上げてもよい。例えば、(A)成分の沸点よりも高く、(B2)成分の沸点よりも低い温度で加熱処理した後、(B2)成分の沸点よりも高い温度でさらに加熱処理してもよい。
本発明の光輝性塗料においては、(A)成分および(B)成分が(C)成分に相溶し、(D)成分が塗料中で分散し、(E)成分は塗料中に分散して存在しているが、上述したように、塗膜の形成過程において、まず(C)成分が揮発して、(A)成分と(B)成分とが分離する。このとき、A層とB層との界面において(D)成分がある程度局在化する。ついで、(A)成分が揮発することで(D)成分がB層の表面上で該表面に対して略完全に平行に配向し、B層の表面上に(D)成分の膜が形成される。
このように、(D)成分はB層の表面上で該表面に対して平行に配向するので、優れた光輝性を発現できる。よって、本発明の光輝性塗料によれば、(D)成分が鱗片状インジウム(D1)であっても、光輝性に優れる塗膜(光輝性塗膜)を形成できる。
実施例および比較例において使用した原料は、以下の通りである。
<(A)成分>
・A-1:メチルシクロヘキサン(アニリン点:40℃、沸点:101℃)。
・A-2:エチルシクロヘキサン(アニリン点:43℃、沸点:132℃)。
・A-3:脂肪族石油系炭化水素(エクソンモービル社製、「Exxsol(登録商標) DSP 145/160」、アニリン点:66℃、沸点:146~158℃)。
・A-4:脂肪族石油系炭化水素と芳香族石油系炭化水素の混合物(東燃ゼネラル石油株式会社製、「T-SOL(登録商標) 3040 FLUID」、アニリン点:52℃、沸点:159~187℃)。
・A-5:脂肪族石油系炭化水素(エクソンモービル社製、「Isopar(登録商標) G」、アニリン点:83℃、沸点:166~176℃)。
・AX-1:キシレン(アニリン点:28℃、沸点:144℃)。
・AX-2:芳香族石油系炭化水素(出光興産株式会社製、「イプゾール(登録商標)100」、アニリン点:0℃未満、沸点:159~172℃)。
・B1-1:ポリカーボネートジオール(旭化成株式会社製、「デュラノール(登録商標) T5651」)。
・B1-2:イソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成株式会社製、「デュラネート TPA-100」)。
・B1-3:ポリカプロラクトンジオール(株式会社ダイセル製、「プラクセル(登録商標) 210」)。B1-3はポリエステルポリオールである。
なお、B1-1、B1-2およびB1-3は、前記A-2~A-5と相溶しない樹脂である。
・B1X-1:アクリルポリオール(東亞合成株式会社製、「ARUFON(登録商標) UH-2041」)。
なお、B1X-1は、前記A-4と相溶する樹脂である。
・B2-1:プロピレンカーボネート(沸点:240℃)。
・B2-2:プロピレングリコール(沸点:188℃)。
・B2-3:1,4-ブタンジオール(沸点:230℃)。
なお、B2-1、B2-2およびB2-3は、前記B-1~B-3と相溶する一方、前記A-1~A-5と相溶しない溶剤である。
・B2X-1:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点:217℃)。 なお、B2X-1は、前記B-1、B-2と相溶する溶剤である。
・C-1:アセトン(沸点:56℃)。
<(CX)成分>
・CX-1:プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点:133℃)。
・D-1:蒸着インジウムフレーク(尾池工業株式会社製、「リーフパウダー(登録商標) 49CJ―1120」、平均粒子径:1μm、厚さ:0.1μm、アスペクト比(平均粒子径/厚さ)10:、不揮発分:20質量%)。
・DX-1:パールマイカ(Merck社製、「Iriogin 111 WNT」)。
・E-1:ポリエーテル変性シロキサン系の界面活性剤(BYK社製「BYK‐307」)。
・E-2:ポリエーテル変性シロキサン系の界面活性剤(BYK社製「BYK‐347」)。
・E-3:ポリエーテル変性シロキサン系の界面活性剤(日信化学社製「SAG005」)。
・E-4:ポリエステル変性シロキサン系の界面活性剤(BYK社製「BYK‐313」)。
・EX-1:アクリル系界面活性剤(BYK社製「BYK‐350」)。
・EX-2:アクリル系界面活性剤(BYK社製「BYK‐392」)。
・DBTDL:ジブチルスズジラウレート。
なお、DBTDLは(A)成分と相溶しない添加剤である。
表1~4に示す配合組成に基づいて各成分を混合し、光輝性塗料を調製した。表1~4における空欄は、当該成分が配合されていないことを示す。
なお、表1~4中、(D)成分の配合量は不揮発分(すなわち、蒸着インジウムフレークまたはパールマイカ)の量である。また、「(D)由来」は(D)成分又は(DX)成分中に含まれる揮発分((C)成分または任意成分に相当)である。
また、表1~4中、(E)成分の配合量は不揮発分の量である。また、「(E)由来」は(E)成分又は(EX)成分中に含まれる揮発分((C)成分または任意成分に相当)である。
得られた塗膜について、以下のようにして光輝性を評価した。結果を表1~4に示す。
(外観評価)
形成した塗膜の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。
◎:近景、遠景ともにはっきりと映り込む。
○:近景ははっきりと映り込むが、遠景がややぼやける。
△:近景ははっきりと映り込むが、遠景がぼやける。
×:近景がぼやける。
形成した塗膜について、20°の光沢度をJIS Z 8741に準拠して、鏡面光沢計(BYK-Gardner社製、「マイクロ-トリ-グロスμ」)を用いて測定した。光沢度は数値が大きいほど光沢が高い(光輝性に優れる)ことを示す。
一方、表3、4から明らかなように、(E)成分を含まない比較例1~3の場合、A層とB層との界面に(D)成分が均一に配向されず、塗膜のエッジ部分の(D)成分が多く溜まってしまった部分でクラックが発生した。
(A)成分と相溶するB1X-1を用いた比較例6の場合、(A)成分と(B)成分とが分離しなかったため、A層とB層との界面が充分に形成されず、(D)成分が局在化しなかった。
(A)成分よりも沸点が高いCX-1を用いた比較例9の場合、(A)成分と(B)成分とが分離しなかったため、A層とB層との界面が充分に形成されず、(D)成分が局在化しなかった。
そのため、比較例1~9、11で得られた光輝性塗料より形成された塗膜は、光輝性に劣っていた。
(C)成分を用いなかった比較例10の場合、塗料中で(A)成分と(B)成分とが分離してしまい、塗装できなかった。
11 A層
12 B層
13 (D)成分
20 基材
30 光輝性塗膜
Claims (3)
- アニリン点が40℃以上である炭化水素系溶剤(A)と、
前記炭化水素系溶剤(A)と相溶しない樹脂(B1)と、
前記炭化水素系溶剤(A)および前記樹脂(B1)と相溶し、かつ前記炭化水素系溶剤(A)よりも沸点が低い溶剤(C)と、
鱗片状金属フィラー(D)と、
シロキサン系界面活性剤(E)と、
を含有し、
前記鱗片状金属フィラー(D)が鱗片状インジウム(D1)である、光輝性塗料。 - 前記シロキサン系界面活性剤(E)が、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤(E1)である、請求項1に記載の光輝性塗料。
- 基材と、前記基材の表面に形成された塗膜を有し、
前記塗膜が請求項1又は2に記載の光輝性塗料を塗装して得られた塗膜である塗装物品。
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