JP2006151857A - オキセタン環を有するフェノール誘導体およびその製法 - Google Patents

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裕介 清水
Takami Hikita
貴巳 疋田
Shu Mochizuki
周 望月
Hisae Uchiyama
寿恵 内山
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Abstract

【課題】厚膜形成性,硬化性,耐熱性に優れた重合物を作製可能なオキセタン環を有する新規なフェノール誘導体を提供する。
【解決手段】下記の構造式(1)で表されるオキセタン環を有するフェノール誘導体である。
【化1】
Figure 2006151857

【選択図】なし

Description

本発明は、カチオン重合が可能なオキセタン環を有するフェノール誘導体およびその製法に関するものであって、上記化合物を用いて得られる光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂は、厚膜形成性,硬化性,耐熱性,靱性および機械特性に優れ、さらに高屈折率を示すため、塗料,コート材,接着剤,光学レンズ,光導波路等の材料として有用である。
オキセタン環を有する化合物は、カチオン重合が可能なモノマーとして、近年注目されている化合物であり、多くの単官能性および多官能性のオキセタン化合物が開発され、それに伴い種々のオキセタン化合物の合成法が提案されている。
例えば、下記の構造式(4)で表されるオキセタン化合物が提案されている(特許文献1参照)。
Figure 2006151857
さらに、ノルボルネン骨格を有するオキセタン誘導体をはじめとするオキセタン化合物が提案されている(特許文献2参照)。一方、上記以外に、下記の構造式(5)および構造式(6)で表されるオキセタン環を有するビフェニル誘導体が提案されている(特許文献3および特許文献4参照)。
Figure 2006151857
特開平6−16804号公報 特開2000−302774号公報 特開平11−106380号公報 特開2001−31665号公報
しかしながら、上記化合物のうち、ビフェニル誘導体は低分子量を示す化合物であるため、低粘度であり、例えば、基板上に膜形成する際には厚膜形成性に難点を有している。また、2官能性であるため硬化に時間を要するという欠点もある。さらに、これ以外の化合物に関しても、厚膜形成性や硬化性、さらには耐熱性等に優れた重合体を得ることのできるオキセタン化合物が未だ得られていないのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、厚膜形成性,硬化性,耐熱性に優れた重合物を作製可能なオキセタン環を有する新規なフェノール誘導体およびその製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の構造式(1)で表されるオキセタン環を有するフェノール誘導体を第1の要旨とする。
Figure 2006151857
また、本発明は、アルカリ金属の存在下、下記の構造式(2)で表されるフェノール化合物を、下記の構造式(3)で表される3−ヒドロキシメチルオキセタン類のスルホン酸エステルと反応させることにより上記オキセタン環を有するフェノール誘導体を製造するオキセタン環を有するフェノール誘導体の製法を第2の要旨とする。
Figure 2006151857
Figure 2006151857
本発明者らは、厚膜形成性,硬化性,耐熱性に優れた重合物を作製可能とする新規な化合物を求め鋭意検討を重ねた。そして、特殊な構造を有する様々な化合物を合成し実験を重ねた結果、上記構造式(1)で表される特定のオキセタン環を有するフェノール誘導体を用いると、上記のような所期の目的が達成されることを突き止めた。すなわち、上記新規な化合物が、1分子中に4個のオキセタン環を有するため、速硬化性を有し、かつ硬化物が高密度なネットワーク構造を形成することから優れた耐熱性を有することとなる。したがって、先に述べたような特性に優れた重合物が得られることを見出し本発明に到達した。
このように、本発明は、上記特定の構造を示す構造式(1)で表されるオキセタン環を有するフェノール誘導体である。このため、上記フェノール誘導体は、既存の化合物のような低分子量ではなく高分子量であることから高粘度となり、容易に厚膜形成が可能となる。また、1分子中に4個のオキセタン環を含有するため、光または熱によって迅速に硬化するという性質を有する。したがって、本発明のオキセタン環を有するフェノール誘導体を用いた光硬化性樹脂組成物や熱硬化性樹脂組成物は、硬化性,耐熱性,靱性および機械特性に優れ、さらに高屈折率を有するため、例えば、塗料,コート材,接着剤,光学レンズ,光導波路等の形成材料として有用である。
そして、このような上記構造式(1)で表されるオキセタン環を有するフェノール誘導体は、アルカリ金属の存在下、上記構造式(2)で表されるフェノール化合物を、上記構造式(3)で表される3−ヒドロキシメチルオキセタン類のスルホン酸エステルと反応させることにより容易に製造することができる。
本発明のオキセタン環を有するフェノール誘導体は、下記の構造式(1)で表される化合物であり、1分子中に4個のオキセタン環を有する構造を備えている。そして、式(1)において、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であるが、特にR1 がメチル基もしくはエチル基の場合、低コスト化が図られる。
Figure 2006151857
上記構造式(1)で表されるオキセタン環を有するフェノール誘導体は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、アルカリ金属の存在下、さらに必要に応じて相間移動触媒等の触媒を加えて、下記の構造式(2)で表されるフェノール化合物を、下記の構造式(3)で表される3−ヒドロキシメチルオキセタン類のスルホン酸エステルと反応させることにより製造することができる。
Figure 2006151857
Figure 2006151857
上記アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムあげられる。また、上記相間移動触媒としては、例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド、トリオクチルエチルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムクロリド等があげられる。
また、上記製造条件において、例えば、反応温度は、30〜150℃、特に50〜120℃に設定することが好ましい。そして、反応時間はその反応温度にもよるが、4〜12時間に設定することが好ましい。さらに、反応圧力は、特に限定するものではなく、常圧、加圧、減圧のいずれであってもよい。
さらに、上記製造に際して、上記構造式(2)で表されるフェノール化合物と、上記構造式(3)で表される3−ヒドロキシメチルオキセタン類のスルホン酸エステルの配合比率は、つぎのように設定することが好ましい。すなわち、構造式(2)で表されるフェノール化合物1モルに対して、構造式(3)で表される3−ヒドロキシメチルオキセタン類のスルホン酸エステルを3.8〜6.0モルに設定することが好ましく、特に好ましくは4.0〜5.0モルである。
また、上記アルカリ金属の使用量は、上記構造式(2)で表されるフェノール化合物1モルに対して、2.0〜5.0モルに設定することが好ましく、特に好ましくは3.0〜4.0モルである。
さらに、上記相間移動触媒の使用量は、上記構造式(2)で表されるフェノール化合物1モルに対して、0.05〜0.5モルに設定することが好ましく、特に好ましくは0.2〜0.4モルである。
得られた上記構造式(1)で表されるオキセタン環を有するフェノール誘導体の同定には、例えば、核磁気共鳴分析装置(NMR)等が用いられる。
そして、本発明の構造式(1)で表されるオキセタン環を有するフェノール誘導体は、具体的には、つぎのようにして用いられる。例えば、光硬化性樹脂組成物の場合は、オキセタン化合物、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物等の硬化性樹脂および硬化剤としての光酸発生剤とともに配合することにより用いられる。
上記オキセタン化合物としては、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル等があげられる。
上記エポキシ化合物としては、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等があげられる。
上記ビニルエーテル化合物としては、ビス〔4−(ビニロキシメチル)シクロヘキシルメチル〕グルタレート、ビス(4−ビニロキシブチル)アジペイト等があげられる。
上記光酸発生剤としては、4,4−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ〕フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、アリルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト等があげられる。
また、熱硬化性樹脂組成物の場合は、先に述べたと同様のオキセタン化合物、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物等の硬化性樹脂および硬化剤としての熱酸発生剤とともに配合することにより用いられる。
上記熱酸発生剤としては、シクロヘキシル−p−トルエンスルホネート、シクロヘキシルトリイソプロピルベンゼンスルホネート等があげられる。
つぎに、本発明を実施例に基づいて説明する。
温度計、冷却管および攪拌装置を備えた1リットル容量の三口フラスコに、前記構造式(2)で表されるTekOC−4HBPA−MF(本州化学工業社製)を32.24g(100mmol)、86重量%の水酸化カリウム26.09g(400mmol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド6.45g(20mmol)を投入し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)400ml中、窒素雰囲気下で70℃×1時間攪拌した。続いて、上記反応液に3−ヒドロキシメチルオキセタン類のスルホン酸エステル〔式(3)において、R1 およびR2 はいずれも−C2 5 である〕108.12g(400mmol)を添加した後、窒素雰囲気下で70℃×10時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応母液を分液ロートに移し、クロロホルム300mlを加え、さらに蒸留水を1リットル加えて攪拌した後、有機層をデカンテーションにより分離した。ついで、有機層を分液ロートに移し、水層が中性になるまで400mlの水で洗浄した。分離した有機層に硫酸マグネシウムを加えて脱水した後、この硫酸マグネシウムを濾別した。そして、濾液の溶媒を留去することにより淡黄色固体50.9gを得た。
得られた淡黄色固体を液体クロマトグラフィー(LC)分析にかけた結果、得られた化合物(淡黄色固体)の純度は91.1%であった。なお、上記LC分析の条件を下記に示す。
〔分析条件〕
LCカラム:Inertsil ODS3(直径4.6mm×25cm,5μm)
カラム温度:40℃
カラム流量:1ml/min
溶離液 :組成;Gradient A;10mM酢酸アンモニウム水溶液
B;メタノール
注入量 :10μl
検出器 :UV210nm
また、得られた淡黄色固体を 1H−NMR(日本電子社製)を用いて分析した結果を下記に示す。分析の結果、得られた化合物(淡黄色固体)は下記の構造式(7)で表される化合物であることが確認された。なお、図1は得られた淡黄色固体の 1H−NMRの分析チャートを示す。
Figure 2006151857
1H−NMR(400MHz、CDCl3 ):δ 0.883(t、J=7.2Hz、3H×2)、0.918(t、J=7.2Hz、3H×2)、1.815(q、J=7.2Hz、2H×2)、1.860(q、J=7.2Hz、2H×2)、3.820(s、2H×2)、4.025(s、2H×2)、4.061(s、2H×2)、4.426(d、J=6.0Hz、1H×4)、4.458(d、J=6.0Hz、1H×4)、4.468(d、J=6.0Hz、1H×4)、4.557(d、J=6.0Hz、1H×4)、6.480(s、1H)、6.810(s、1H)、6.930(s、1H)、7.050(d、J=8.0Hz、2H×2)
本発明のオキセタン環を有するフェノール誘導体は、光硬化性樹脂組成物や熱硬化性樹脂組成物の構成成分として用いられ、これら樹脂組成物は、例えば、塗料,コート材,接着剤,光学レンズ,光導波路等の各種形成材料等に用いられる。
実施例1で得られたオキセタン環を有するフェノール誘導体の 1H−NMRの分析チャート図である。

Claims (2)

  1. 下記の構造式(1)で表されるオキセタン環を有するフェノール誘導体。
    Figure 2006151857
  2. アルカリ金属の存在下、下記の構造式(2)で表されるフェノール化合物を、下記の構造式(3)で表される3−ヒドロキシメチルオキセタン類のスルホン酸エステルと反応させることにより請求項1記載のオキセタン環を有するフェノール誘導体を製造することを特徴とするオキセタン環を有するフェノール誘導体の製法。
    Figure 2006151857
    Figure 2006151857
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