JP2006150947A - ジャケットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 繰返し利用しても割れが発生するといったことがなく、また表面の段差などが転写されることのない搬送ベルトを製造するためのジャケットの製造方法を提案する。
【解決手段】 網状パターンを有する金型3に未加硫ゴムシート4を巻きつけて網状パターン2を設けたエンドレスの予備スリーブ5を作成し、該予備スリーブ5の外側に更にゴムシート7を巻き重ねて加硫一体化することによって搬送ベルトを製造するためのジャケット1を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は主に搬送ベルトの製造に用いられるジャケットの製造方法に関し、特に、両替機、自動販売機や自動集札機等に用いられる紙幣、カード、切符、葉書等の紙葉類もしくは硬貨をベルトの表面の摩擦力によって搬送する搬送用ベルトの製造に用いられるジャケットの製造方法に関する。
従来から、ジュース、雑誌、切符等の自動販売機の内部構造において、紙幣や、プリペイドカードの搬送は、ローラを用いた機構が使用されてきた。しかし、搬送の途中で紙幣などの搬送物がローラに巻きつくなどの問題があり、搬送の確実さを向上させるために最近では、平坦な背面を有するエラストマー製のベルトを2本背中あわせに配置してベルトの背面同士で挟持して搬送する機構を使用しているものが多くなってきている。
現状において、ベルトを用いた機構の場合、ベルトの搬送能力を効率よく使うために、ベルト背面の全面を使って物品との間の接触面積が最大の状態にして用いられている。そのために、ベルトの背面の表面は平滑にして、できるだけ物品との間の接触面積を増やすようにし、更には摩擦係数を上げるためにベルト背面のエラストマーの硬度を下げるなどの手段が採られている。
このように、接触面積を大きくすることとエラストマー自体を柔らかくすることは紙幣やカードなどの搬送において効果が高く、確実な搬送を実現していた。しかし、使用期間が長くなると、ベルトの紙幣やカードの搬送面に紙幣屑をはじめとするゴミ、埃が付着してしまったり、被搬送物に付着して搬入される雨等による水滴がついてしまったりし、ベルト搬送面の摩擦係数が低下しそれと共に搬送能力が低下してしまうという問題があった。また、摩擦係数を上げるためにエラストマー硬度を低くしていることが、逆に耐摩耗性を落とすことになり、ベルトの搬送面の摩耗屑が周辺センサーなどに悪影響を及ぼしたり、搬送物品を汚したりする問題があると共に、ベルトの耐久性が悪くなり寿命を短くしてしまうことになっていた。
そこで前記のような問題を解消するために、ベルトの搬送面にパターンを設けることによって、摩擦係数の低下や、送り精度の低下などを抑制することが提案されており、例えば搬送用ベルトの背面に編布などの網状部材を食い込ませておいて剥がすことによって得られるパターンを設けたものがある(例えば特許文献1参照)。
このベルトは、ベルト背面に油分や水が付着した場合においても一定の摩擦係数を維持することが可能で、また使用期間が長くなった場合においても、紙幣、カード、切符、葉書等の紙葉類、もしくは硬貨等の搬送物の送り精度が低下しないという面で優れた搬送用ベルトである。
しかし、次のような問題もある。ゴムシートに編布を被せた状態で加硫し、加硫後にゴムに食い込んだ編布を剥がすことにより、非常に深い編布パターンをつけることができるが、ベルトの製造工程において編布を剥がす工程を必須とすることから手間がかかる。また、冷却後では編布を剥がすことができないので冷却前の高温時に剥がす必要があるため工程の順序に制約ができてしまうこと、剥がす際に編布が破れてしまうとその後の剥がす作業が困難になり、不良品となってしまうこともある。
一方で、ゴムの搬送面を有する搬送用ベルトの製造方法において、搬送面が未加硫の状態で、網状パターンを設けたジャケットを前記搬送面に当接させた状態で加硫することにより、前記搬送面に網状パターンを設けることが提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2000−247477号公報 特開2002−273740号公報
ここで用いられる網状パターンを設けたジャケットの製造方法としては、具体的には網状パターンをつけた金属板に未加硫ゴムを積層し平プレスでパターンを設けたパターン付加硫ゴムシートを金型に巻きつけて更に未加硫ゴムシートを積層し加硫一体化する方法、編布等を未加硫ゴムシートに積層して加硫し、その編布を剥すことによってパターンを設けたパターン付加硫ゴムシートを同様に金型に巻きつけて未加硫ゴムシートを積層し加硫一体化してジャケットとする方法などがあった。
編布等を未加硫ゴムシートに積層して金型に巻きつけて加硫し、編布を剥すことでパターンを設けた場合、一度はエンドレスのスリーブ状のものができるが、金型に編布を巻きつけたときの繋ぎ目でパターンが大きく乱れるのでその部分をカットして使用する必要があり、結局は端部を有するシート状のものになる。
いずれの方法においても端部を有するパターン付加硫ゴムシートを金型に巻きつけて更に未加硫ゴムシートと積層し加硫一体化する方法を採ることから、ジャケットの内面にパターン付加硫ゴムシートのジョイント部がどうしてもできてしまう。加硫ゴムシートの接合であることからジョイント部はどうしても完全に一体化してしまうことはなく他の部分と比べると弱点になってしまうことや段差を生じてしまう等があり、得られたジャケットを用いてベルトを製造する際に繰返し加圧されることから早期にジョイント部に割れが発生しジャケットとして使えなくなってしまう問題や、割れが発生しなくてもジョイント部に段差を生じている場合にはその段差が製品であるベルトに転写されてしまいベルトの品質を低下させることになる。
そこで本発明ではこのような問題点を解決し、ベルトを製造するためのジャケットとして、少なくともベルトと接する面にジョイント部のないジャケットとして繰返し使用しても割れが発生したり段差がベルトに転写されたりすることのないようなジャケットの製造方法の提供を目的とする。
以上のような目的を達成し課題を解決するために本発明の請求項1では、網状パターンを設けたジャケットの製造方法であって、網状パターンを設けた金型に未加硫のゴムシートを巻きつけて加硫し片面に網状パターンを有する予備スリーブを作製し、該予備スリーブを網状パターンが内側になるようにして金型に被せ更に未加硫ゴムシートを積層した後加硫一体成形することを特徴とする。
請求項2では、予備スリーブを作製する際の加硫が半加硫であるジャケットの製造方法としている。
請求項3では、網状パターンの平均深さが0.1〜0.6mmの範囲であるの搬送用ベルトの製造方法としている。
請求項4では、網状パターンが編布パターンである搬送用ベルトの製造方法としている。
本発明では網状パターンを設けた金型に未加硫ゴムシートを巻きつけて加硫することによって網状パターンを有するエンドレスの予備スリーブを作製し、そのパターンのついた面がジャケットの内面になるようにして、更に未加硫ゴムを外側に巻きつけて加硫しジャケットを作製することからジャケットでベルトを製造する際にベルトと接触する少なくとも内面においてジョイント部が存在しない。よって、そのジャケットでは繰返し使用してもジョイント部から割れが発生するという問題が起こらず、ジョイント部の段差がそのジャケットを用いて製造したベルトに転写されるといった問題が起こらない。
また、予備スリーブを作製する際に半加硫状態にしておくことで、更に外側に積層した未加硫ゴムシートと加硫した際に強固に一体化される。
請求項3においては網状パターンの平均深さが0.1〜0.6mmの範囲であるとしており、そのようなパターンを転写した搬送用ベルトでは、油分や水が付着した場合の摩擦係数低下の防止をより確実にし、また、カード、切符、はがき、紙幣、硬貨などの搬送物の送り精度をより高いレベルで維持することができる。
請求項4では、網状パターンを編布パターンとしているが、編布独特のパターンを設けることによって、ベルトの搬送性能の低下を長期に渡って防止することができる。
図1は本発明の製造方法により得られる網状パターン2を設けたジャケット1の斜視図であって、搬送ベルトを製造するのに用いられるジャケット1は内周面に網状パターン2が設けられていると共に、少なくともこの内周面が加硫ゴムで構成されている。
本発明に係るジャケット1の製造方法を添付図面に従って説明する。表面に網状パターンを設けた円筒形状の金型3に未加硫ゴムシート4を巻きつけて例えば図3に示すような加硫管K内にジャケットJを被せて入れて加熱・加圧して加硫する。そのときに未加硫ゴムシート4には金型3の網状パターンが転写されて金型から脱型すると内面に網状パターンを有する予備スリーブ5が得られる。
次に、図4のように表面が平滑な円筒形状の金型6に、前記予備スリーブ5を網状パターンが内側になるように被せ、更に外側に未加硫ゴムシート7巻きつけて積層し加熱・加圧して加硫一体成形し、内周面に網状パターン2を有する筒状のジャケット1を成形することができる。
金型4に設ける網状パターン2として用いることができるものとしては、編布パターン、織布パターン、スダレ織布パターンなどを挙げることができるが、最も好ましくは編布パターンを用いることである。編布パターン独特のパターンを搬送ベルトの搬送面に転写することにより、摩擦係数の低下を防止し、送り精度などの搬送性能を高めるとともに長期に渡ってその性能を維持することができる。
予備スリーブ5は、ブチルゴム、シリコンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム等を用いた単体もしくはブレンドのゴム組成物からなる。これらの中でもブチルゴム、シリコンゴムを用いることが高温下での使用頻度が多くてもジャケットの硬度上昇が抑えられ耐久性がよいことから好ましい。上記ゴム組成物には配合剤として、加硫剤、カーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、可塑剤、老化防止剤等が添加される。しかし、これらの配合剤は特に制限されるものではなく、所望に応じて添加される。
また、予備スリーブ5の外側に積層する未加硫ゴムシート7としては、予備スリーブ5のゴムと同配合のゴム組成物であることが望ましい。しかし、所望に応じて別配合とすることも可能である。また未加硫ゴムシート7は1枚に限られず、ジャケット1として用いるのに必要とする厚みに達するまで複数枚積層することができる。
予備スリーブ5を加硫する際に完全に加硫せず、半加硫状態で作製することが好ましい。そうすることによって予備スリーブ5の外側に巻きつけて積層した未加硫ゴムシート7と予備スリーブ5が加熱・加圧して加硫することでより強固に一体化することができ、得られるジャケット1の寿命をより長いものとすることができる。また、そのときの半加硫の加硫度は45〜75%の範囲とすることが好ましい。加硫度が45%未満であると予備スリーブ5に転写形成した網状パターンの形状を保持することが困難となり、75%を超えると予備スリーブ5の外側に巻きつけた未加硫ゴムシート7との加硫接着が不完全になり、両者の間で剥離する等の問題につながるので好ましくない。
次に上記の方法で作製されたジャケット1を用いて製造されるベルトとしては例えば次のようなものである。
本発明の製造方法によって製造される搬送用ベルトを添付図面に従って説明する。図5は本発明に係る搬送用ベルトの要部断面斜視図であり、図6は、図5におけるA−A断面図拡大であり、図7は搬送用ベルトの使用形態例を示す側面概略図である。尚、ここでは、本発明にて製造される搬送用ベルトを歯付ベルトに適用した場合について説明するが、歯付ベルトに限られるものではなく、Vリブドベルト、ローエッジベルト、ローエッジコグベルト、平ベルト等また、ローラの外層としても適用することができる。
図1において、搬送用歯付ベルト11はベルト長手方向に沿って複数の歯部12を有するとともに、心線13を埋設した背部14を有しており、上記歯部12の表面には歯布15が貼着されている。また搬送面16には網状パターンが設けられている。上記歯部12のピッチは3mm以下が好ましく、これにより回転変動率を小さくして送り精度を高めることができる。
前記歯部12及び背部14に使用されるゴムはクロロプレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、天然ゴム、EPT(エチレン・プロピレン・ターポリマー)、スチレン―ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム等を用いたゴム組成物からなる。上記ゴムの中には配合剤として、カーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、可塑剤、老化防止剤等が添加され、また加硫剤として硫黄、有機過酸化物があるが、これらの配合剤や加硫剤は、特に制限されない。また、本発明の搬送用歯付ベルト1は使用態様から静電防止機能を有していてもよく、そのため上記カーボンブラック等の添加量によりベルトの電気抵抗値を6MΩ等の低い値に調整しておくことも可能である。
また、ゴム成分の少なくとも一部として、耐結晶性に優れたクロロプレンゴムを配合してもよい。この耐結晶性のクロロプレンゴムとしては、耐結晶性グレードとして市販されているものを使用することができるが、耐結晶性の目安としては、0℃に100時間放置したときの硬度(JIS)の硬度上昇が10℃以下のものとするのがよい。もちろん、硬さの変化は0であることが理想である。またこの耐結晶性のクロロプレンゴムの配合量は、ゴム組成物中での含有率が40重量%以上になるように設定するのが好ましく、ゴム成分の全てを耐結晶性のクロロプレンゴムが占めるようにしてもよい。
耐結晶性のクロロプレンゴムは、低温環境下に長時間放置しても結晶化しがたく、硬くなりにくい。したがって、耐結晶性のクロロプレンゴムを含有するゴム組成物で、背部14と歯部12を構成するゴム層を形成すると、低温環境下での結晶化によるゴム層の硬度上昇を抑制し、低温時の摩擦係数の低下を防ぐことができる。
また、搬送用ベルト11の使用形態としては図7に示すように2本のベルト11a、11bを背中合わせに駆動し、搬送面16である背面同士で搬送物を挟持して搬送するものであるが、前記のように網状パターンを有していることによって、搬送物の屑、ゴミ、埃が付着したとしてもベルト同士の擦れ合いでパターンの溝や搬送面16の外へ除去することができ、搬送物との接点である凸になった部分には屑、ゴミ、埃などが堆積しにくい。よって長期にわたって良好な搬送能力を維持することができる。
また、搬送物を搬送面の凸になった部分で引っかけて搬送するということもできるので、よりスリップなどの搬送ミスが起こりにくくなるといえる。
また、ベルトを製造する手順を歯付ベルト製造する例を挙げて説明する。まず歯形を有する金型20の円周方向に伸縮性を有する歯布15を巻き付け、その上に心線13となるロープをスパイラル状に巻きつけて、さらに歯部12および背部14となる未加硫ゴムシートを巻き付ける。さらに未加硫ゴムシートの外側にジャケット1を被せる。ここまでは歯付ベルトを製造する通常の工程である。そして、本発明においては、この未加硫ゴムシートの外側に巻きつけるジャケット1の、搬送面16(歯付ベルトの背面)に当接する面に、網状パターン2が設けられている。
ジャケット1を被せた状態で、図8に示すように内部に空気圧で膨らむ加硫ゴム製の袋状の加圧部材21を有した加硫器22内に配置する。加圧部材21内に加圧空気を送り込むことによって加圧部材21が膨らんでジャケット1を加圧する。加硫時間は20〜40min程度、温度は160〜170℃程度、圧力は0.75〜0.85MPa程度である。
また、加熱については金型20の内部や加硫器22の内部に電熱ヒータ23を設けておくことによって、心線13を含み歯部12、背部14の未加硫ゴムからなる積層体を加熱し、加硫が完了する。加熱方法は電熱ヒータに限られるものではなく、加熱したオイルを型内に循環させたり、スチームを送り込んだりすることによって加熱することも可能である。
網状パターン2を設けたジャケット1を当接した状態で加硫を行うことによって、図9に示すようにベルトの内面には歯が形成されるとともに搬送面16(ベルトの背面)には、ジャケット1に設けられた網状パターン2が転写された搬送ベルト(ベルトスリーブ)11ができあがる。加硫が完了して加硫缶から取りだしてジャケット1を外し必要に応じて所定幅にカットすることによってベルトが製造できる。
未加硫ゴムは、加硫時に加熱することによって流動性が増すので、ジャケット1で抑えつける力によって、ジャケット1に設けた網状パターン2が流動性を増したゴムに食い込むことになる。そして食い込んだ状態のまま加硫が進んで硬化した加硫ゴムとなる。
従来方法である網状部材を未加硫状態のゴムに被せておいて加硫することによって、網状部材をゴムに食い込ませ、加硫後に編布を強制的に剥ぎとることによって網状パターンを付ける方法よりも、ジャケットに予め編布パターンを設けたものを用いてパターンを設ける本発明の方法のほうが、網状部材を装着する工程、網状部材を剥ぎ取る工程などを省略することができるだけでも容易であると言うことができる。
また、網状部材を剥ぎ取る工程においては網状部材が破れてしまうこともあり、そうなると完全に編布を剥がすのが困難となり、場合によっては剥ぎ取ることができずに製品として不良品となってしまうこともあったのに対して、本発明の方法では網状部材の破れといった問題が発生することはなく、製造が容易になるのみならず製品の不良率を下げることにも役立つ。
ジャケット1に設ける網状パターン2の深さであるが、平均深さで0.1〜0.6mmの範囲のパターンとすることが好ましい。この平均深さが0.1mm未満であるとパターンの凸部によって搬送物を引っかけるように搬送する効果が薄くなり、摩擦係数を維持し送り精度などの搬送性能を高めるとともに維持することがあまり期待できなくなり、逆に0.6mmを超えるような深さであると搬送物との摩擦や、2本のベルトで挟持搬送する場合のベルト同士の摩擦によって、搬送面表面の凸部が削り取られたりちぎられたりすることによって、周囲にゴム粉を撒き散らしたり、場合によってはベルトの破損につながったりすることもあるので好ましくない。
そして図10は、金型20に搬送用ベルト(ベルトスリーブ)11が巻きつけられ、ジャケット1を被せて加硫した後の、ジャケット1を展開したところの様子を示す斜視図であり、本発明の搬送用ベルトの製造方法では、少なくとも搬送面16が未加硫の状態で、網状パターン2を設けたジャケット1を前記搬送面16に当接させた状態で加硫することによって、前記搬送面16に網状パターンを転写している。よって、その搬送面の網状パターンによって油分や水分が付着しても摩擦係数を低下させることなく、搬送物の送り精度などの搬送能力を高いレベルで維持することができる。
(実施例)
実施例のジャケットは本発明の製造方法で作成されたものであり、金型表面には高さが6μmの編布のパターンをエッチングにより設け、未加硫のブチルゴムシートを巻きつけて半加硫しパターンを有するエンドレスの予備スリーブを作成し、該予備スリーブを表面が平滑な金型に被せて上から未加硫のブチルゴムシートを巻きつけて加硫一体化して内面に接合部や段差の一切ないジャケットを作成した。該ジャケットを使用して歯部および背部が水素化ニトリルゴムからなりポリエステル繊維からなる心線を埋設した搬送用ベルトスリーブであって、総厚みが0.9mmのベルトであり、搬送面である背面にはジャケットに設けた網状パターンを転写することによりパターンを設けたものの加硫を行った。ベルトの加硫条件は170℃×30分であった。ベルトの加硫を繰返し行い。ジャケット内面の様子を観察した。その結果を表1に示す。
(比較例)
比較例のジャケットとしては円筒金型に編布と未加硫のブチルゴムシートを巻きつけて加硫した。編布が食い込んだ状態の無端のゴムスリーブを編布の端部に相当する箇所でカットして有端のシートとし、加硫されたゴムシートに食い込んだ編布を剥ぎ取ることによって編布パターンをつけたシートを得た。編布の端部でパターンが不均一になっているところを切除し、金型にパターンが内側になるように巻きつけ、更に外側に未加硫ゴムシートを巻きつけて積層し加硫することで一体化させジャケットを作成した。該ジャケットを使用して歯部および背部が水素化ニトリルゴムからなりポリエステル繊維からなる心線を埋設した搬送用ベルトスリーブであって、総厚みが0.9mmのベルトであり、搬送面である背面にはジャケットに設けた網状パターンを転写することによりパターンを設けたものの加硫を行った。ベルトの加硫条件は170℃×30分であった。ベルトの加硫を繰返し行い。ジャケット内面の様子を観察した。その結果を表1に示す。
Figure 2006150947
表1の結果からわかるように、従来の接合部を有するジャケットを使用してベルトの加硫を10回使用後に接合部において割れの発生が確認されたのに対して、内面に接合部や段差のない本発明の方法で製造されたジャケットでは200回ベルトの加硫に繰返し使用しても内面に以上は発生しなかった。
また、比較例のジャケットで作成した搬送ベルトの背面には、ジャケットの接合部においてわずかな段差のパターンが転写されているのに対して、実施例のジャケットを使用した搬送ベルトでは均一なパターンを有するベルトとなった。
本発明の製造方法により得られるジャケットの斜視図である。 本発明のジャケットの製造方法において、網状パターンを有する金型に未加硫ゴムシートを巻きつけたところの斜視図である。 加硫缶にて加硫しているところの様子を示す断面図である。 予備スリーブを金型に被せ未加硫ゴムシートを巻きつけたところの斜視図である。 本発明の製造方法で作成されたジャケットを用いて、製造した搬送ベルトの断面斜視図である。 図5におけるA−A拡大断面図である。 搬送用ベルトの使用形態例の側面概略図である。 ベルトを加硫しているところの断面図である。 加硫後の金型に装着された状態のベルトの断面図である。 ジャケットを切り開いた様子を示す斜視説明図である。
符号の説明
1 ジャケット
2 網状パターン
3 金型
4 未加硫ゴムシート
5 予備スリーブ
6 金型
7 未加硫ゴムシート
11 搬送用ベルト
12 歯部
13 芯線
14 背部
15 歯布
16 搬送面
20 金型
21 加圧部材
22 加硫器
23 電熱ヒータ

Claims (4)

  1. 網状パターンを設けたジャケットの製造方法であって、網状パターンを設けた金型に未加硫のゴムシートを巻きつけて加硫し片面に網状パターンを有する予備スリーブを作製し、該予備スリーブを網状パターンが内側になるようにして金型に被せ更に未加硫ゴムシートを積層した後加硫一体成形することを特徴とするジャケットの製造方法。
  2. 予備スリーブを作製する際の加硫が半加硫である請求項1記載のジャケットの製造方法。
  3. 網状パターンの平均深さが0.1〜0.6mmの範囲である請求項1または2記載の搬送用ベルトの製造方法。
  4. 網状パターンが編布パターンである請求項1〜3記載の搬送用ベルトの製造方法。
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