JP2002273740A - 搬送用ベルトの製造方法 - Google Patents

搬送用ベルトの製造方法

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JP2002273740A
JP2002273740A JP2001079049A JP2001079049A JP2002273740A JP 2002273740 A JP2002273740 A JP 2002273740A JP 2001079049 A JP2001079049 A JP 2001079049A JP 2001079049 A JP2001079049 A JP 2001079049A JP 2002273740 A JP2002273740 A JP 2002273740A
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belt
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rubber
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Akihiko Motozaki
昭彦 本▲崎▼
Arata Hasegawa
新 長谷川
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦係数を維持することにより、硬貨等の搬
送物の送り精度が低下しないという面で優れた搬送用ベ
ルトを、極めて簡単な工程で製造することができる搬送
用ベルト製造方法を提供する。 【解決手段】 ゴムの搬送面を有する搬送用ベルトの製
造方法において、搬送面6が未加硫の状態で、網状パタ
ーン12を設けたジャケット11を前記搬送面6に当接
させた状態で加硫することによって、前記搬送面6に網
状パターンを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主に比較的軽量な物
品を搬送するためのベルトに関し、特に、両替機、自動
販売機や自動集札機等に用いられる紙幣、カード、切
符、葉書等の紙葉類もしくは硬貨をベルトの表面の摩擦
力によって搬送する搬送用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、人件費を節約することができるほ
か、営業時間も昼間に限定されることのない自動販売機
がいたるところに普及しており、ジュース、雑誌、切符
等いろいろなものが自動販売機によって購入できるよう
になっている。さらに、自動販売機でも紙幣、プリペイ
ドカードの使用の可能になったものが、通常になってい
る。
【0003】従来、この自動販売機の内部構造におい
て、紙幣や、プリペイドカードの搬送は、ローラーを用
いた機構が使用されてきたが、搬送の途中で紙幣などの
搬送物がローラーに巻きつくなどの問題もあり、搬送の
確実さを向上させるために最近では、平坦な背面を有す
るエラストマー製のベルトを2本背中あわせに配置して
ベルトの背面同士で挟持して搬送する機構を使用してい
るものが多くなってきている。
【0004】現状において、ベルトを用いた機構の場
合、ベルトの搬送能力を効率よく使うために、ベルト背
面の全面を使って物品との間の接触面積が最大の状態に
して用いられている。そのために、ベルトの背面の表面
は平滑にして、できるだけ物品との間の接触面積を増や
すようにし、更には摩擦係数を上げるためにベルト背面
のエラストマーの硬度を下げるなどの手段が採られてい
る。
【0005】このように、接触面積を大きくすることと
エラストマー自体を柔らかくすることは紙幣やカードな
どの搬送において効果が高く、確実な搬送を実現してい
た。しかし、使用期間が長くなると、ベルトの紙幣やカ
ードの搬送面に紙幣屑をはじめとするゴミ、埃が付着し
てしまったり、被搬送物に付着して搬入される雨等によ
る水滴がついてしまい、ベルト搬送面の摩擦係数が低下
しそれと共に搬送能力が低下してしまうという問題があ
った。また、摩擦係数を上げるためにエラストマー硬度
を低くしていることが、逆に耐摩耗性を落とすことにな
り、ベルトの搬送面の摩耗屑が周辺センサーなどに悪影
響を及ぼしたり、搬送物品を汚したりする問題があると
共に、ベルトの耐久性が悪くなり寿命を短くしてしまう
ことになっていた。
【0006】そこで前記のような問題を解消するため
に、ベルトの搬送面にパターンを設けることによって、
摩擦係数の低下や、送り精度の低下などを招くことのな
いベルトを得るために、搬送用ベルトの背面に編布など
の網状部材を食い込ませておいて剥がすことによって得
られるパターンを設けたものが提案されている(特開2
000−247477号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このベルトは、ベルト
背面に油分や水が付着した場合においても一定の摩擦係
数を維持することにより、使用期間が長くなった場合に
おいても、紙幣、カード、切符、葉書等の紙葉類、もし
くは硬貨等の搬送物の送り精度が低下しないという面で
優れた搬送用ベルトである。
【0008】しかし、次のような問題もある。ベルトの
製造工程において、ゴムシートに編布を被せた状態で加
硫し、加硫後にゴムに食い込んだ編布を剥がすことによ
り、非常に深い編布のパターンをつけているが、少なく
とも、編布を剥がすという工程が必要であるということ
がある。また、冷却後では編布を剥がすことができない
ので冷却前の高温時に剥がす必要があるため工程の順序
に制約ができてしまうこと、剥がす際に編布が破れてし
まうとその後の剥がす作業が困難になり、不良品となっ
てしまうこともある。
【0009】そこで、本発明は製造工程をできるだけ簡
素にしかも制約を受けないようにすることができ、しか
も編布の破れによって不良を発生してしまうようなこと
のない搬送用ベルトの製造方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために請求項1では、加硫したゴム素材からなり、
ゴムの搬送面を有する搬送用ベルトの製造方法におい
て、少なくとも搬送面が未加硫の状態で、網状パターン
を設けたジャケットを前記搬送面に当接させた状態で加
硫することによって、前記搬送面に網状パターンを設け
る工程を有することを特徴とする。
【0011】請求項2では、加硫したゴム素材からな
り、ゴムの搬送面を有する搬送用ベルトの製造方法にお
いて、金型に未加硫ゴムシートを巻きつけた後にジャケ
ットを被せて加熱加圧する工程を有する製造方法であ
り、前記ジャケットのゴムシートと接する側の面には網
状パターンが設けられていることを特徴とする。
【0012】ベルトを製造する際のジャケットに網状パ
ターンを設けておき、ベルトの加硫時にジャケットから
そのパターンを転写することによって、搬送用ベルトの
搬送面に網状パターンを施すことができ、油分や水が付
着した場合においても一定の摩擦係数を維持することに
より、使用期間が長くなった場合においても、紙幣、カ
ード、切符、葉書等の紙葉類、もしくは硬貨等の搬送物
の送り精度が低下しないという面で優れた搬送用ベルト
を、極めて簡単な工程で製造することができるものであ
る。
【0013】請求項3では、網状パターンの平均深さが
0.1〜0.6mmの範囲である搬送用ベルトの製造方
法としており、油分や水が付着した場合の摩擦係数低下
の防止をより確実にし、また、カード、切符、はがき、
紙幣、硬貨などの搬送物の送り精度をより高いレベルで
維持することができる。
【0014】請求項4では、網状パターンを編布パター
ンとした搬送用ベルトの製造方法としており、編布独特
のパターンを設けることによって、ベルトの搬送性能の
低下を長期に渡って防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法によって製造さ
れる搬送用ベルトを添付図面に従って説明する。図1は
本発明にて製造される搬送用ベルトの要部断面斜視図で
あり、図2は、図1におけるA−A断面図拡大であり、
図3は搬送用ベルトの使用形態例を示す側面概略図であ
る。尚、ここでは、本発明にて製造される搬送用ベルト
を歯付ベルトに適用した場合について説明するが、歯付
ベルトに限られるものではなく、Vリブドベルト、ロー
エッジベルト、ローエッジコグベルト、平ベルト等ま
た、ローラの外層としても適用することができる。
【0016】図1において、搬送用歯付ベルト1はベル
ト長手方向に沿って複数の歯部2を有するとともに、心
線3を埋設した背部4を有しており、上記歯部2の表面
には歯布5が貼着されている、上記歯部2のピッチは3
mm以下が好ましく、これにより回転変動率を小さくし
て送り精度を高めることができる。
【0017】前記歯部2及び背部4に使用されるゴムは
クロロプレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴ
ム、天然ゴム、EPT(エチレン・プロピレン・ターポ
リマー)、スチレン―ブタジエンゴム、ブチルゴム、ク
ロロスルフォン化ポリエチレンゴム等を用いたゴム組成
物からなる。上記ゴムの中には配合剤として、カーボン
ブラック、亜鉛華、ステアリン酸、可塑剤、老化防止剤
等が添加され、また加硫剤として硫黄、有機過酸化物が
あるが、これらの配合剤や加硫剤は、特に制限されな
い。また、本発明の搬送用歯付ベルト1は使用態様から
静電防止機能を有していてもよく、そのため上記カーボ
ンブラック等の添加量によりベルトの電気抵抗値を6M
Ω等の低い値に調整しておくことも可能である。
【0018】また、ゴム成分の少なくとも一部として、
耐結晶性に優れたクロロプレンゴムを配合してもよい。
この耐結晶性のクロロプレンゴムとしては、耐結晶性グ
レードとして市販されているものを使用することができ
るが、耐結晶性の目安としては、0℃に100時間放置
したときの硬度(JIS)の硬度上昇が10℃以下のも
のとするのがよい。もちろん、硬さの変化は0であるこ
とが理想である。またこの耐結晶性のクロロプレンゴム
の配合量は、ゴム組成物中での含有率が40重量%以上
になるように設定するのが好ましく、ゴム成分の全てを
耐結晶性のクロロプレンゴムが占めるようにしてもよ
い。
【0019】耐結晶性のクロロプレンゴムは、低温環境
下に長時間放置しても結晶化しがたく、硬くなりにく
い。したがって、耐結晶性のクロロプレンゴムを含有す
るゴム組成物で、背部4と歯部2を構成するゴム層を形
成すると、低温環境下での結晶化によるゴム層の硬度上
昇を抑制し、低温時の摩擦係数の低下を防ぐことができ
る。
【0020】そして図4は本発明の製造方法において、
金型10に搬送用ベルト(ベルトスリーブ)1が巻きつ
けられ、ジャケット11を被せて加硫した後の、ジャケ
ット11を展開したところの様子を示す斜視図であり、
本発明の搬送用ベルトの製造方法では、少なくとも搬送
面6が未加硫の状態で、網状パターン12を設けたジャ
ケット11を前記搬送面6に当接させた状態で加硫する
ことによって、前記搬送面6に網状パターンを転写して
いる。よって、その搬送面の網状パターンによって油分
や水分が付着しても摩擦係数を低下させることなく、搬
送物の送り精度などの搬送能力を高いレベルで維持する
ことができる。
【0021】また、搬送用ベルト1の使用形態としては
図3に示すように2本のベルト1a、1bを背中合わせ
に駆動し、搬送面6である背面同士で搬送物を挟持して
搬送するものであるが、前記のように網状パターンを有
していることによって、搬送物の屑、ゴミ、埃が付着し
たとしてもベルト同士の擦れ合いでパターンの溝や搬送
面6の外へ除去することができ、搬送物との接点である
凸になった部分には屑、ゴミ、埃などが堆積しにくい。
よって長期にわたって良好な搬送能力を維持することが
できる。
【0022】また、搬送物を搬送面の凸になった部分で
引っ掛けて搬送するということもできるので、よりスリ
ップなどの搬送ミスが起こりにくくなるといえる。
【0023】本発明の搬送用ベルトの製造方法を歯付ベ
ルトの場合を例にとって、更に具体的に説明する。まず
歯形を有するドラム10の円周方向に伸縮性を有する歯
布5を巻き付け、その上に心線3となるロープをスパイ
ラル状に巻きつけて、さらに歯部2および背部4となる
未加硫ゴムシートを巻き付ける。さらに未加硫ゴムシー
トの外側にジャケット11を被せる。ここまでは歯付ベ
ルトを製造する通常の工程である。そして、本発明にお
いては、この未加硫ゴムシートの外側に巻きつけるジャ
ケット11の、搬送面6(歯付ベルトの背面)に当接す
る面に、網状パターン12が設けられている。
【0024】ジャケット11を被せた状態で加硫缶内に
挿入配置して、加硫缶を密閉状態にし、蒸気などの手段
で所定時間、加熱・加圧する。このときの時間は20〜
40min程度、温度は160〜170℃程度、圧力は
0.75〜0.85MPa程度である。
【0025】網状パターン12を設けたジャケット11
を当接した状態で加硫を行うことによって、搬送面6
(歯付ベルトの背面)には、ジャケット11に設けられ
た網状パターン12が転写される。加硫が完了して加硫
缶から取りだしてジャケット11を外すと、搬送用ベル
ト(ベルトスリーブ)の搬送面6に網状パターンが付い
ている。
【0026】パターンをつけた後、搬送用ベルトのスリ
ーブを金型10から脱型し、必要に応じて所定幅にカッ
トすることによってベルトが製造できる。
【0027】未加硫ゴムは、加硫時に加熱することによ
って流動性が増すので、ジャケット11で抑えつける力
によって、ジャケット11に設けた網状パターン12が
流動性を増したゴムに食い込むことになる。そして食い
込んだ状態のまま加硫が進んで硬化した加硫ゴムとな
る。
【0028】従来方法である網状部材を未加硫状態のゴ
ムに被せておいて加硫することによって、網状部材をゴ
ムに食い込ませ、加硫後に編布を強制的に剥ぎとること
によって網状パターンを付ける方法よりも、ジャケット
に予め編布パターンを設けたものを用いてパターンを設
ける本発明の方法のほうが、網状部材を装着する工程、
網状部材を剥ぎ取る工程などを省略することができるだ
けでも容易であると言うことができる。
【0029】また、網状部材を剥ぎ取る工程においては
網状部材が破れてしまうこともあり、そうなると完全に
編布を剥がすのが困難となり、場合によっては剥ぎ取る
ことができずに製品として不良品となってしまうことも
あったのに対して、本発明の方法では網状部材の破れと
いった問題が発生することはなく、製造が容易になるの
みならず製品の不良率を下げることにも役立つ。
【0030】網状パターン12として用いることができ
るものとしては、編布パターン、織布パターン、スダレ
織布パターンなどを挙げることができるが、最も好まし
くは編布パターンを用いることである。編布パターン独
特のパターンにより、摩擦係数の低下を防止し、送り精
度などの搬送性能を高めるとともに長期に渡ってその性
能を維持することができる。
【0031】ジャケット11に網状パターン12を設け
る方法としては、ジャケット製造用の金型に編布などの
適当なパターンをエッチング加工により転写し、その金
型を用いてジャケットを製作するという方法が挙げられ
る。
【0032】ジャケット11に設ける網状パターン12
の深さであるが、平均深さで0.1〜0.6mmの範囲
のパターンとすることが好ましい。この平均深さが0.
1mm未満であるとパターンの凸部によって搬送物を引
っかけるように搬送する効果が薄くなり、摩擦係数を維
持し送り精度などの搬送性能を高めるとともに維持する
ことがあまり期待できなくなり、逆に0.6mmを超え
るような深さであると搬送物との摩擦や、2本のベルト
で挟持搬送する場合のベルト同士の摩擦によって、搬送
面表面の凸部が削り取られたりちぎられたりすることに
よって、周囲にゴム粉を撒き散らしたり、場合によって
はベルトの破損につながったりすることもあるので好ま
しくない。
【0033】次に本発明の実施例と比較例を用いて本発
明の効果を確かめる試験を行った。
【0034】
【実施例】(実施例)実施例のベルトとしては、30m
mφの金型に歯布を巻きつけ、芯線をスパイラル状に巻
いて、次に未加硫のゴムシートを巻き付けて、夫々を仮
固定し、平均深さが0.3mmの編布パターンを設けた
ジャケットを前記未加硫ゴムシートの上に被せて加硫缶
内に挿入配置し、160℃、0.8MPa、40min
の条件で加硫した。
【0035】加硫後に加硫缶から取りだし、金型から脱
型し、搬送面となるベルトスリーブ外周面から編布を剥
ぎ取った。次いで6mm幅にカットすることによって搬
送面に網状パターンを有するベルトを得た。
【0036】(比較例1)比較例1のベルトとしては、
30mmφの金型に歯布を巻きつけ、芯線をスパイラル
状に巻いて、次に未加硫のゴムシートを巻き付けて、夫
々を仮固定し、素材がポリエステルからなる40dの糸
を編んで空隙率が80%とした30mmφの円筒形状に
編んだ編布を前記未加硫ゴムシートの上に被せて加硫缶
内に挿入配置し、160℃、0.8MPa、40min
の条件で加硫した。
【0037】加硫後に加硫缶から取りだし、金型から脱
型し、搬送面となるベルトスリーブ外周面から編布を剥
ぎ取った。次いで6mm幅にカットすることによって搬
送面に網状パターンを有するベルトを得た。
【0038】(比較例2)比較例2のベルトは編布を用
いずに製造し、搬送面に網状パターンを有していない以
外は比較例1のベルトと全く同じベルトとした。
【0039】実施例および比較例1および2のベルトを
夫々、油粘土溶液(180ccのエタノールに5gの油
粘土を溶かした溶液)に任意の回数浸漬し、ベルトとカ
ードとの間の摩擦係数の変化を測定した。測定は図5に
示す測定機を用いて行った。即ち、ベース板41の上に
プリペイドカード42を、磁気面を上にしておき、この
上にベルトより切り出した幅6.0mm×長さ20mm
の切り出し片45の背部が上になるように載置し、バネ
ばかり44に接続した重量100g(=Mとする)のお
もり43をベルトの切り出し片45上に載せ、プリペイ
ドカード42を矢印方向へ移動速度300mm/min
で移動させたときのバネばかり44の最大目盛りを摩擦
力Fとして読み、摩擦係数μ=F/Mとして算出した。
油粘土溶液の塗布回数に対する摩擦力の変化を図6に示
す。
【0040】図6からわかるように編布パターンを付け
ていない比較例2が油粘土溶液塗布回数が増すに従って
摩擦係数の低下が著しいのに比べて本発明の搬送用ベル
トである実施例では油粘土溶液塗布回数が多くなって
も、あまり摩擦係数が低下しないことがわかる。
【0041】また、編布を搬送面に食い込ませて剥がす
ことによって編布パターンを設けた比較例1と比べて
も、実施例ではほとんど同レベルで摩擦係数が維持され
ていることがわかる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では、加
硫したゴム素材からなり、ゴムの搬送面を有する搬送用
ベルトの製造方法において、少なくとも搬送面が未加硫
の状態で、網状パターンを設けたジャケットを前記搬送
面に当接させた状態で加硫することによって、前記搬送
面に網状パターンを設ける工程を有することを特徴とす
る。
【0043】請求項2では、加硫したゴム素材からな
り、ゴムの搬送面を有する搬送用ベルトの製造方法にお
いて、金型に未加硫ゴムシートを巻きつけた後にジャケ
ットを被せて加熱加圧する工程を有する製造方法であ
り、前記ジャケットのゴムシートと接する側の面には網
状パターンが設けられていることを特徴とする。
【0044】ベルトを製造する際のジャケットに網状パ
ターンを設けておき、ベルトの加硫時にジャケットから
そのパターンを転写することによって、搬送用ベルトの
搬送面に網状パターンを施すことができ、油分や水が付
着した場合においても一定の摩擦係数を維持することに
より、使用期間が長くなった場合においても、紙幣、カ
ード、切符、葉書等の紙葉類、もしくは硬貨等の搬送物
の送り精度が低下しないという面で優れた搬送用ベルト
を、極めて簡単な工程で製造することができるものであ
る。
【0045】請求項3では、網状パターンの平均深さが
0.1〜0.6mmの範囲である搬送用ベルトの製造方
法としており、油分や水が付着した場合の摩擦係数低下
の防止をより確実にし、また、カード、切符、はがき、
紙幣、硬貨などの搬送物の送り精度をより高いレベルで
維持することができる。
【0046】請求項4では、網状パターンを編布パター
ンとした搬送用ベルトの製造方法としており、編布独特
のパターンを設けることによって、ベルトの搬送性能の
低下を長期に渡って防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のにて製造される搬送用ベルトの斜視断
面図である。
【図2】図1におけるA−A拡大断面図である。
【図3】搬送用ベルトの使用形態例の側面概略図であ
る。
【図4】本発明の製造方法においてジャケットを展開し
たところの概略図である。
【図5】摩擦係数の測定に用いる測定機の概略図であ
る。
【図6】油粘土溶液塗布回数と摩擦係数の関係図であ
る。
【符号の説明】
1 搬送用ベルト 2 歯部 3 芯線 4 背部 5 歯布 6 搬送面 10 金型 11 ジャケット 12 網状パターン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫したゴム素材からなり、ゴムの搬送
    面を有する搬送用ベルトの製造方法において、少なくと
    も搬送面が未加硫の状態で、網状パターンを設けたジャ
    ケットを前記搬送面に当接させた状態で加硫することに
    よって、前記搬送面に網状パターンを設ける工程を有す
    ることを特徴とする搬送用ベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 加硫したゴム素材からなり、ゴムの搬送
    面を有する搬送用ベルトの製造方法において、金型に未
    加硫ゴムシートを巻きつけた後にジャケットを被せて加
    熱加圧する工程を有する製造方法であり、前記ジャケッ
    トのゴムシートと接する側の面には網状パターンが設け
    られていることを特徴とする搬送用ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 網状パターンの平均深さが0.1〜0.
    6mmの範囲である請求項1または2記載の搬送用ベル
    トの製造方法。
  4. 【請求項4】 網状パターンが編布パターンである請求
    項1〜3記載の搬送用ベルトの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006150947A (ja) * 2004-10-26 2006-06-15 Mitsuboshi Belting Ltd ジャケットの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006150947A (ja) * 2004-10-26 2006-06-15 Mitsuboshi Belting Ltd ジャケットの製造方法

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