JP2006150653A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】コックリングの発生しないインクジェット記録用紙を提供すること。
【解決手段】原紙上に少なくとも1層のインク受容層を設け、塗工層とラミネート層を除く原紙とインク受容層の厚さが200μm以下である。インク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に顔料を含有する少なくとも1層の塗工層を設け、この塗工層上にプラスチック材料を主成分とする少なくとも1層のラミネート層を設ける。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録により発生する、印字面が波打つコックリングと呼ばれる現象が生じないインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて記録用紙に付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、高速で低騒音且つ多色化が容易であり、記録パターンの融通性が大きく、現像と定着が不要であるなどの特徴があるので、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途において急速に普及している。さらに、多色インクジェット記録方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。また、作製部数が少なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安価であることから、フルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。特に、近年では、インクジェット記録装置の高精細化が進み、写真画質を謳ったインクジェット記録装置が出現している。
これらインクジェット記録装置の高性能化や用途の多様化により、インクジェット記録用紙に求められる要求特性もかなり高度になってきている。特に画像の高精細化を謳った記録装置や大判印字可能な記録装置では、画像を形成するために使用されるインクの量が従来よりかなり増加している。そのため、インク中の水分がインク受容層を抜け、原紙層にまで達して原紙層を膨潤させ、表面に波打ちを生じる現象であるコックリングが発生しやすくなる。
このコックリング現象は、記録用紙にインクが印字された際に、伸縮により記録用紙が歪むことで発生するのであるから、インクジェット記録中に発生する。そのため、インクジェット記録中に記録用紙上を走査している記録ヘッド部分がコックリングにより波打った用紙表面に接触するヘッド擦れという現象を引き起こす場合がある。そのヘッド擦れにより印字部表面が削れ、印字品質を著しく低下させるばかりか、記録ヘッドが目詰まりし、印字不良を引き起こすことがある。さらに、印字後も用紙表面は波打ったままであるため、画質は高品位であっても、見た目の質感が著しく損なわれる。そのため、コックリングの発生は大きな問題となっている。特に、光沢を有する記録用紙においては、反射される光が散乱するため、普通紙やマット紙と比較してコックリングが目立つので、コックリングの回避は重要な課題となっている。
コックリングを回避する手段として、原紙を厚くする方法が知られている。しかし、原紙を厚くすることで対処するにはかなりの厚さが必要となり、通常使用する記録用紙の厚さである70〜250μmを大きく上回る必要がある。その結果、原紙の剛性が高くなり、記録用紙の柔軟性が不足することから、インクジェット記録装置内での搬送性が低下する。さらに、原紙が厚くなることでインク吸収容量を低下させるため、印字滲みが発生しやすくなるという問題が懸念される。
また、インク受容層の塗工量を増加し、インクが原紙に達しないようにする方法も知られている。しかし、塗工量を増加するためのコストが増大するとともに生産性が低下するという問題がある。
さらに、印字されたインクが原紙まで浸透しないように、原紙とインク受容層の間にバリア層を設ける方法も考えられる。しかし、この方法では、記録用紙のインク吸収容量が低下するので、インクの溢れや滲みが発生し、良好な画像を得ることができない。
そこで、コックリングを改善する手段として、特許文献1には、インク受容層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接して光沢層を形成し、このキャスト処理面を鏡面ドラムから剥離後、原紙面に水蒸気を作用させる、インクジェット記録用キャスト塗被紙の製造方法が提案されている。
また、特許文献2〜6には、原紙上に少なくとも1層のインク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、インク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に少なくとも1層の非水系樹脂を主成分とするサポート層を設けたインクジェット記録用紙が提案されている。
特開平9−11607号公報 特開平11−34482号公報 特開平11−99737号公報 特開平11−301101号公報 特開2000−263924号公報 特開2000−263925号公報
特許文献1には、原紙に強制的に水分を付与することによって、コックリングがどのようなメカニズムによって防止されるかという点についての説明はなく、原紙に強制的に付与した水分を乾燥させるのは紙の残存熱であるため、キャスト処理面を鏡面ドラムから剥離してから原紙面に水分を付与するまでの時間(リテンションタイム)が重要であるが、リテンションタイムが長いと紙の温度が低下し、水分を乾燥させることができないのでコックリングを防止することができないばかりか、コックリングの発生を助長することになるという致命的な欠点がある。
特許文献2〜6に開示されたように、サポート層を設ける方法は、コックリングを防止するためにサポート層を厚くする必要がある。サポート層が厚くなることで、インクジェット記録用紙のカール量が大きくなりやすく、印字する場合にプリンターの構成部品と接触しやすくなるので、記録用紙に汚れが発生する原因となる。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、コックリングの発生しないインクジェット記録用紙を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、原紙上に少なくとも1層のインク受容層を設け、塗工層とラミネート層を除く原紙とインク受容層の厚さが200μm以下であるインクジェット記録用紙において、インク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に顔料を含有する少なくとも1層の塗工層を設け、この塗工層上にプラスチック材料を主成分とする少なくとも1層のラミネート層を設けたことを特徴としている。
このように、塗工層とラミネート層からなる複数層をインク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に設けることで、原紙の剛性が向上するのでコックリングが発生しにくくなる。
本発明によるコックリングの防止は、薄い紙ほど、より効果を発揮するので、塗工層とラミネート層を除く原紙とインク受容層の厚さが200μm以下のものに適用するのが好ましい。紙厚の下限については特に規定されるものではないが、使用可能な印字特性の得られる用紙厚さを考慮すると、塗工層とラミネート層を除く原紙とインク受容層の厚さが30μm以上のものに適用するのが好ましい。
コックリングの発生を防止するためには、塗工層の塗工量は多い方が好ましい。しかし、塗工層の塗工量が35g/m2 以上になるとコックリングは発生しなくなるが、塗工層の乾燥に時間を要し、生産性を低下させる。
コックリングの発生を防止するためには、ラミネート層の厚さは厚い方が好ましい。しかし、ラミネート層の厚さが45μm以上になるとコックリングは発生しなくなるが、断裁不良が発生しやすく、プリンターで重送が起こるという不都合がある。
本発明は顔料を含有する塗工層とプラスチック材料を主成分とするラミネート層という、特性の異なる複数層をインク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に設けるので、塗工層の塗工量とラミネート層の厚さをそれぞれ単層の場合より少なくしてもコックリングの発生を防止することが可能であり、塗工層の塗工量を5〜20g/m2 とし、ラミネート層の厚さを5〜10μmとすることによりコックリングの発生を防止できる。
塗工層とラミネート層の数が多くなるほど異層界面が増えて歪みに対する抵抗力が増加するので、コックリングが発生しにくくなる。しかし、むやみに層の数を多くすることは生産性の低下とコスト増加を招くので、塗工層およびラミネート層は、それぞれ2層以下とするのが好ましい。
また、インク受容層は、カールの発生を抑えるためには複数層とするのが好ましいが、層の数が増えることは生産性の低下とコスト増加を招くので、インク受容層の数は、これらの点を考慮して決めるのが好ましい。
本発明によれば、原紙とインク受容層の合計厚さを200μm以下とし、インク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に顔料を含有する少なくとも1層の塗工層を設け、この塗工層上にプラスチック材料を主成分とする少なくとも1層のラミネート層を設けることにより、コックリングの発生しないインクジェット記録用紙を提供することができる。
本発明のインクジェット記録用紙は、原紙上に少なくとも1層のインク受容層を設け、塗工層とラミネート層を除く原紙とインク受容層の厚さが200μm以下であるインクジェット記録用紙において、インク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に顔料を含有する少なくとも1層の塗工層を設け、この塗工層上にプラスチック材料を主成分とする少なくとも1層のラミネート層を設けたことを特徴としているが、以下に、本発明の好ましい実施形態について説明する。
原紙の原料としては、例えば、広葉樹クラフトパルプ、天然パルプ、合成パルプ等を挙げることができる。天然パルプとしては、通常製紙用に用いられるパルプであれば、いずれも使用可能である。すなわち、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等を挙げることができる。また、木材繊維を含む主原料として、化学的に処理されたパルプ、木材以外の繊維原料であるケナフ、麻、葦等非木材繊維を主原料として化学的に処理されたパルプやチップを機械的にパルプ化したグランドパルプ、木材またはチップに化学薬品を添加しながら機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、およびチップを柔らかくなるまで蒸解した後、レファイナー等でパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプ等を挙げることができる。また、必要に応じて、合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質を原料として用いることができる。また、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙等を原料として製造された古紙パルプを配合してもよく、あらゆるパルプ原料を用いることができる。
本発明のインクジェット記録用紙に用いられる原紙は、上記原料を用いて抄紙して製造することができる。抄紙は、例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、ハイブリッド抄紙機または丸網抄紙機等の抄紙機を用いて抄紙することができる。抄紙する際には、パルプに、インクジェット記録用紙を製造する際に通常用いられる添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール系高分子化合物、尿素樹脂、メラミン樹脂、澱粉等の紙力増強剤:硫酸バンド等の薬品定着剤:ポリアクリルアミド、アクリルアミド−アミノメチルアクリルアミドの共重合体の塩、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウムの共重合体等の濾水性あるいは歩留まり向上剤:ロジンサイズ、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)等のサイズ剤:ポリアミド、ポリアミン、エピクロルヒドリン等の耐水化剤:消泡剤、タルク等の填料:染料:色顔料:抗菌剤:紫外線吸収剤:pH調整剤等を挙げることができる。
本発明のインクジェット記録用紙において、原紙上に設けられるインク受容層は、インクを吸収して乾燥するための層であり、顔料を含んでいる。顔料としては、非晶質シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、過硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、アルミナとシリカの複合体、ゼオライト、珪藻土、水酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、マイカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸鉛等を挙げることができる。中でも、インク吸収性を向上させる観点から、非晶質シリカ、コロイダルシリカまたはアルミナを主成分とするのものが好ましい。顔料は、その平均粒径が、0.01〜9.0μmのものが好ましく、0.01〜8.0μmのものがさらに好ましい。また、そのBET比表面積は、100〜400m2/gであることが好ましく、100〜300m2/gであることがさらに好ましい。上記顔料は単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。
インク受容層にはバインダーが含有されていることが好ましく、このようなバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類等を挙げることができる。上記バインダーは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のインクジェット記録用紙に設けられるインク受容層を少なくとも2層とし、最表層を高光沢の鏡面仕上げとすることができる。インク受容層を鏡面仕上げに形成する方法としては、乾燥させたインク受容層の下層の上にインク受容層上層用塗工液を塗工して乾燥させた後に、スーパーカレンダー等によって平滑化処理を施す方法を採用することができる。なお、インク受容層上層用塗工液が湿潤状態にある間に加熱された金属ロールに圧着して乾燥することにより仕上げる方法(ウエットキャスト方式)、または、インク受容層上層用塗工液を一旦乾燥させた後、再湿潤し、加熱された金属ロールに圧着して乾燥することにより仕上げる方法(リウエットキャスト方式)が強光沢を付与できるので好ましい。また、加熱された金属ロールに光沢層用塗工液を直接塗工して、その塗工液がある程度湿潤状態にある間にインク受容層に圧着して乾燥することにより仕上げる方法(プレキャスト方式)を採用することもできる。
インク受容層用塗工液は、上記顔料およびバインダーを含有する。この顔料およびバインダーの配合比率は、顔料100重量部に対してバインダー5〜30重量部が好ましい。バインダーが5重量部未満であると、塗工層の強度が不足することがあり、一方、バインダーが30重量部を超えると、インク吸収性が損なわれることがある。
インク受容層用塗工液には、必要に応じて、種々の助剤を添加することができる。助剤としては、例えば、分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、染料、耐水化剤、蛍光染料、保存剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤および有機カチオン剤等を挙げることができる。
インク受容層用塗工液の塗布方法としては、例えば、エアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機を用いて塗工することができる。この塗工液の塗布量は、固形分換算で、好ましくは5〜40g/m2 であり、さらに好ましくは10〜30g/m2 である。塗工液の塗布量が5g/m2 未満であると、高光沢を得られない場合があり、一方、40g/m2 を超えると、塗工層強度が不足したり、キャスト方式で光沢処理する際、金属ロール上での乾燥性が悪化し、最表層にピンホールが発生することがある。
インク受容層用塗工液は、通常は水性塗工液として調製される。塗工液を塗布した後、乾燥して塗工層とするが、この乾燥工程における乾燥方式には特に制限はなく、例えば、赤外線乾燥、熱風乾燥、常温乾燥等を挙げることができる。
次に、インク受容層が設けられる面とは反対側の原紙上に設けられる塗工層について説明する。
塗工層に含まれる顔料としては、例えば、クレー、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、過硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナとシリカの複合体、ゼオライト、珪藻土、水酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、マイカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸鉛等を挙げることができる。中でも、カールの発生を軽減させる観点から、クレーまたは炭酸カルシウムを主成分とするものが好ましい。顔料はその平均粒径が1.0〜5.0μmのものが好ましく、1.0〜2.5μmのものがさらに好ましい。また、そのBET比表面積は5〜50m2/g であることが好ましく、5〜20m2/g であることがさらに好ましい。上記顔料は単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。
塗工層にはバインダーが含有されていることが好ましくい。このバインダーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロヒドリン系樹脂、ポリアクリル酸またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類の樹脂類等を挙げることができる。上記バインダーは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記塗工層は、上記顔料およびバインダーを含有する塗工液を原紙上に塗布し、乾燥して用いることができる。
塗工層を形成するための塗工液中の顔料およびバインダーの配合量は、顔料100重量部に対してバインダー5〜30重量部程度が好ましい。バインダーの割合が5重量部未満であると、塗工層強度が確保できない場合がある。一方、バインダーが30重量部より多いと、キャスト方式で処理する際、キャストドラム上での乾燥性が悪化し、光沢層上にピンホールが発生する場合がある。
塗工層形成用塗工液には、必要に応じて、種々の助剤を添加することができる。助剤としては、例えば、分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、染料、耐水化剤、蛍光染料、保存剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤および有機カチオン剤等を挙げることができる。
塗工層形成用塗工液の塗布方法としては、例えば、エアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター等の公知の塗工機を用いて塗工することができる。
塗工層形成用塗工液は、通常は水性塗工液として調製される。塗工液を塗布した後、乾燥して塗工層とするが、この乾燥工程における乾燥方式には特に制限はなく、例えば、赤外線乾燥、熱風乾燥、常温乾燥等を挙げることができる。
次に、塗工層上に設けられるプラスチック材料を主成分とするラミネート層について説明する。
プラスチック材料としては、熱可塑性樹脂が好ましい。特に、ポリオレフィン樹脂は、安価で入手しやすいという利点を有する上に、溶融し、ラミネーターで押し出した後に冷却するだけでラミネート層を形成できるため、原紙やインク受容層への樹脂の浸透が生じず、インクジェット記録特性への影響が少ないので、好ましく用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの単独重合体、オレフィンの少なくとも2種類の共重合体、およびこれら各種重合体の少なくとも2種類の混合物などから選択することができる。
ポリオレフィン樹脂を主成分とするラミネート層は、一般の溶融押し出しダイ、Tダイ、多層同時押し出しダイ等のラミネーターを用いて形成することができる。
ラミネート層構成成分として、有色顔料、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、可塑剤、分散剤などを必要に応じて添加することができる。
インク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に設ける塗工層の塗工量とラミネート層の厚さは、次のような範囲とするのが好ましい。
塗工層の塗工量が固形分換算で20g/m2 以下ではコックリングが発生する。その塗工量が固形分換算で35g/m2 以上になるとコックリングは発生しなくなるが、塗工層の乾燥に時間を要し、生産性を低下させる。
一方、塗工層を設けずにラミネート層単独では、20μm以下のラミネート層厚さではコックリングが発生する。ラミネート層の厚さが45μm以上になるとコックリングは発生しなくなるが、断裁不良が発生しやすく、プリンターで重送が起こるという不都合がある。
本発明によれば、顔料を含有する塗工層とプラスチック材料を主成分とするラミネート層という、特性の異なる複数層をインク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に設けることにより、塗工層の塗工量を固形分換算で20g/m2 以下とし、ラミネート層の厚さを10μm以下としても、複数異層界面の存在により歪みに対する抵抗力が増すので、コックリングが発生しなくなる。しかし、塗工層の塗工量が固形分換算で5g/m2 未満で且つラミネート層の厚さが5μm未満になると、コックリングが発生する。
そこで、コックリングの発生を防止するには、塗工層の塗工量を5〜20g/m2 とし、ラミネート層の厚さを5〜10μmとするのが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。
1.原紙の製造とインク受容層の形成
以下に説明する原紙とインク受容層は、本発明の実施例および比較例に共通のものである。
(1)原紙の製造
広葉樹クラフトパルプ原料100重量部に対して、硫酸バンド3重量部、サイズ剤10重量部およびタルク10重量部を配合し、長網抄紙機にて抄造し、サイズプレスにて紙面に澱粉を塗布し、米坪55g/m2 の原紙を得た。
(2)インク受容層の形成
シリカ((株)トクヤマ製の商品名シリカファインシールX45、粒径4.5μm、BET比表面積300m2/g) 100重量部、水酸化ナトリウム1重量部、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製の商品名PVA117、ガラス転移温度=0℃)15重量部、およびインク定着剤(住友化学工業(株)製の商品名SR1001)5重量部からなる塗工液を、エアナイフコーターを用いて、上記のようにして得られた原紙上に固形分換算で10g/m2 塗工し、スキャッフドライヤーにて乾燥し、インク受容層の下層を得た。
次いで、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製の商品名コロイダルシリカスノーテックスXL、粒径0.05μm、BET比表面積100m2/g) 100重量部、アクリル樹脂(日本NSC(株)製の商品名KE35)5重量部、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製の商品名PVA117、ガラス転移温度=0℃)10重量部、およびインク定着液(昭和高分子(株)製の商品名ポリフィックス700)5重量部からなる塗工液を、エアナイフコーターを用いて、上記インク受容層の下層の上に固形分換算で13g/m2 塗工し、スキャッフドライヤーにて乾燥し、次いで乾燥した層を水で再湿潤し、100℃に加熱したキャストドラム(表面最大粗さが0.5μmのもの)に圧着して乾燥させて高光沢の鏡面仕上げを行った。
2.塗工層の形成
上記のようにして得られたインク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に、クレー(米国ヒューバー社製の商品名HF90、粒径1.1μm、BET比表面積15m2/g) 50重量部、炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)製の商品名TP−121−7C、粒径1.2μm、BET比表面積8m2/g)50重量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株)製の商品名PA−1277)11重量部からなる塗工液を、ブレードコーターを用いて、固形分換算で5〜30g/m2 塗工し、スキャッフドライヤーにて乾燥することにより、塗工層を形成した。
3.ラミネート層の形成
上記のようにして得られた塗工層の上に、バンバリーミキサーで混合分散した下記組成のポリオレフィン樹脂組成物を、溶融押し出しダイ(溶融温度320℃)を用いて、5〜30μmの厚さに塗工し、その表面を冷却ロールに当接して冷却固化することにより、ラミネート層を形成した。
ポリオレフィン樹脂組成物の組成 高密度ポリエチレン樹脂(密度0.955g/cm3、メルトフローインデックス20g/10分)
4.コックリングの評価
上記のように塗工層とラミネート層を設けたインクジェット記録用紙について、以下に説明するようにコックリングの評価を行った。以下の表1に、本発明の実施例1〜5と比較例1〜4について、コックリングの評価とともに、塗工層の塗工量、ラミネート層の厚さ、塗工層の乾燥時間、生産性と作業性の問題点、および原紙とインク受容層の合計厚み(μm)について記載する。
キャノン社製のインクジェットプリンター(PIXUS850i)を用いて、A4サイズに裁断した各インクジェット記録用紙サンプルの中央部に15cm四方の大きさで黒インクでベタ印字を行った後、印字面および裏面の波打ち度合を目視評価し、次の基準で評価した。
◎=コックリングの発生が全くない。
○=ベタ印字部と非印字部との境界で僅かにコックリングが認められる。
△=印字部全体にコックリングが認められる。
×=印字部全体にコックリングが大きく膨らんだ状態が認められる。
「◎」および 「○」が問題ないレベルであり、「△」および 「×」では、コックリングの発生により画像品質の低下を招くので問題となる。
Figure 2006150653
表1に示すように、塗工層の塗工量を20g/m2 以下とし、ラミネート層の厚みを10μm以下とした本発明の実施例1〜5は、問題のないレベルである。特に、実施例2〜5は、コックリングの発生が全くなく、生産性および作業性の面でも全く問題はない。
しかし、ラミネート層がなく、塗工層の塗工量が20g/m2 である比較例1には、コックリングの発生が認められた。
また、ラミネート層がなく、塗工層の塗工量が35g/m2 である比較例2には、コックリングの発生は認められなかったが、塗工層の乾燥に時間を要した(30秒間)。なお、実施例1〜5の乾燥時間は、13〜20秒間であった。
また、塗工層がなく、ラミネート層の厚さが20μmの比較例3には、コックリングの発生が認められた。
さらに、塗工層がなく、ラミネート層の厚さが45μmの比較例4には、コックリングの発生は認められなかった。しかし、この仕様のインクジェット記録用紙を実機で試験的に製造すると、断裁不良が発生した。

Claims (2)

  1. 原紙上に少なくとも1層のインク受容層を設け、塗工層とラミネート層を除く原紙とインク受容層の厚さが200μm以下であるインクジェット記録用紙において、インク受容層を設けた面とは反対側の原紙上に顔料を含有する少なくとも1層の塗工層を設け、この塗工層上にプラスチック材料を主成分とする少なくとも1層のラミネート層を設けたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 塗工層の塗工量が5〜20g/m2 で、ラミネート層の厚さが5〜10μmである請求項1記載のインクジェット記録用紙。
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