JP2006150445A - ナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続冷間鍛造における半加工品および成形品の表面割れの発生を、鍛造型製作前に予測して、連続冷間鍛造の工程設計および表面割れの生じない鍛造型を短期間に、かつ安価に製作するナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法を提供する。
【解決課題】 連続冷間鍛造の各工程における半加工品または成形品の表面拡大率(伸び率)ρを表面割れの評価指標とし、半加工品または成形品の表面のすべての個所の表面拡大率(伸び率)ρをその鍛造素材の限界表面拡大率(伸び率)ρA以下とする。
【選択図】 図2
【解決課題】 連続冷間鍛造の各工程における半加工品または成形品の表面拡大率(伸び率)ρを表面割れの評価指標とし、半加工品または成形品の表面のすべての個所の表面拡大率(伸び率)ρをその鍛造素材の限界表面拡大率(伸び率)ρA以下とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、自動車のナックルスピンドルの連続冷間鍛造時の半加工品および成形品の表面割れの防止に関する。
従来より、自動車のナックルスピンドルは、靭性を必要とするため連続冷間鍛造法が使用されてきた。
そして、連続冷間鍛造時の半加工および成形品の表面に発生する割れを防止するために、鍛造素材特性の改善に加えて、特許文献1に示されているような潤滑剤の改善、特許文献2に示されているような連続冷間鍛造時にビレットの温度がその潤滑皮膜の耐熱温度未満の温度で、かつ該ビレットの残留応力を減少させ得る温度に加熱する方法、特許文献3に示されているような型形状や製品形状を小修正する方法等種々の検討が行われ、その効果を鍛造型の製作前に評価する方法として非特許文献1に示されているような破壊条件式等が用いられてきた。
特開昭62−169899号公報
特開平03−189041号公報
特開2001−205385号公報
大矢根守哉 「延性破壊の条件式について」日本機械学会誌 第75巻 第639号 昭和47年4月 P596〜601
しかしながら、ニアネットシェイプ化が進むに従って、鍛造素材、潤滑条件、鍛造工程数等、あらゆる条件の限界点における操業が要求されるため、従来から行なわれてきた、過去の経験に基づく実機によるトライ&エラー方式では対応できなくなった。
そのため、実機で検討する前にCAEによる表面割れの有無を事前に精度高く予測する必要があるが、上記の非特許文献1に係る「延性破壊の条件式」等を使用しても、割れが生じる部位と応力値の高い部位とが異なることがあるため、鍛造金型を製作する前に表面割れの有無を精度高く予測することが困難で、これに代わる手法が求められている。
本発明は上記課題を達成するためになされたものであり、種々検討の結果、表面拡大率(伸び率)なる評価指標を用いることによって、割れの有無を事前により精度高く予測できることに着眼してなされた連続冷間鍛造方法である。
前記課題を達成するための第1の発明は、mass%で、C:0.45〜0.60%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.20〜0.50%、B:5〜50ppm、Ti:0.02〜0.05%、N≦:100ppmであり、その他不純物元素を含む炭素鋼を完全球状化熱処理後、連続冷間鍛造するナックルスピンドルの製造方法であって、全鍛造工程における該ナックルスピンドルの半加工品または成形品の表面のすべての個所の表面拡大率(伸び率)を、前記炭素鋼の完全球状化熱処理後の限界表面拡大率(伸び率)以下とすることを特徴とするナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法である。
第2の発明は、mass%で、C:0.45〜0.60%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.20〜0.50%、B:5〜50ppm、Ti:0.02〜0.05%、N≦:100ppmであり、その他不純物元素を含む炭素鋼を完全球状化熱処理後、連続冷間鍛造するナックルスピンドルの製造方法であって、全鍛造工程における該ナックルスピンドルの半加工品または成形品のボール部内面の半径方向の表面伸び率を、10以下とすることを特徴とするナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法である。連続冷間鍛造においては表面拡大率が10以下となるように工程設計、型設計を行うことにより半加工品または成形品の表面割れを防止することができる。
第3の発明は、mass%で、C:0.45〜0.60%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.20〜0.50%、B:5〜50ppm、Ti:0.02〜0.05%、N≦:100ppmであり、その他不純物元素を含む炭素鋼を完全球状化熱処理後、連続冷間鍛造するナックルスピンドルの製造方法であって、全鍛造工程における該ナックルスピンドルの半加工品または成形品のボール部内面の半径方向の表面拡大率(伸び率)を鍛造素材鋼のロックウエル硬さを加味した限界表面拡大率(伸び率)を示す式(1)で求められる値以下とすることを特徴とするナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法。
ρAR=20-0.125h・・・・・(1)
ρAR:鍛造素材鋼の硬さを加味した限界表面拡大率(伸び率)
h:鍛造素材鋼の鍛造前のロックウエル硬さ(HRB)
ρAR=20-0.125h・・・・・(1)
ρAR:鍛造素材鋼の硬さを加味した限界表面拡大率(伸び率)
h:鍛造素材鋼の鍛造前のロックウエル硬さ(HRB)
第4の発明は、第1乃至3の発明において、前記全鍛造工程が4つの工程からなり、その第3工程におけるボー基部の内面側のR形状が10mm以上であることを特徴とするナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法である。
本願発明は、連続冷間鍛造の各工程における半加工品または成形品の表面拡大率(伸び率)を表面割れの評価指標とし、該半加工品または成形品の表面のすべての個所の表面拡大率(伸び率)を鍛造素材の限界表面拡大率(伸び率)以下とすることによって、表面割れの防止を可能とするナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法であるから、CAEによる応力計算値を使用する場合に比較して、連続冷間鍛造工程おける表面割れを容易に予測することができ、トライ&エラーを繰返す必要がなくなるため、鍛造工程数を必要最小限とした最適の鍛造工程設計および鍛造型設計が可能となり、熱処理工程の廃止、製造準備期間の短縮、鍛造型の製作費用の削減ができるという効果が得られる。
図1は本実施の形態に係る鍛造工程設計および鍛造型製作のフロー図である。
図1において、先ず第1作業において従来の経験またはデータベースに基づき、製品形状を睨んで所定の鍛造工程数と各工程の型形状(素材形状)を定める。
次に、第2作業において、各工程における素材表面のすべての個所の表面拡大率(伸び率)ρを三次元CAEにより算出する。
続いて、第3作業において、第2作業で算出した表面拡大率(伸び率)ρと鍛造素材のデータベース内の限界表面拡大率(伸び率)ρAとの大小を比較する。そして算出した表面拡大率(伸び率)ρが限界表面拡大率(伸び率)ρAより小さいとき、即ちρ≦ρAのときには、鍛造工程数は確定され、鍛造型の製作に着手可能となる。
表面拡大率(伸び率)ρが限界表面拡大率(伸び率)ρAより大きいとき、即ちρ>ρAのときは、第1作業に戻って、表面拡大率(伸び率)ρの大きい部位の形状を修正して第2作業以降の作業を繰返す。
また、第3作業において、表面拡大率(伸び率)ρが限界表面拡大率(伸び率)ρAに対して余裕のあるとき、即ちρ≪ρAのときには、第1作業における工程設計において、鍛造工程を削減して第2作業以降の作業を繰返し、逆に第3作業において表面拡大率(伸び率)ρが限界表面拡大率(伸び率)ρAよりはるかに大きいとき、即ちρ≫ρAのときは、鍛造工程を増加させる必要がある。
なお、上記第2作業において、表面拡大率(伸び率)ρは三次元CAEによって算出したが、プラスティシン実験によって測定することも可能であり、金型を製作した後に改修するとき、或いは金型に先行して試作金型を製作して金型形状を決定するときにはプラスティシン実験によって測定することが有効である。
上記のとおり、各鍛造工程における素材表面のすべての個所の表面拡大率(伸び率)ρを限界表面拡大率(伸び率)ρA以下にすることが必要であるが、上記フロー図の第2作業の実作業においては、素材表面の表面拡大率(伸び率)ρが限界表面拡大率(伸び率)ρAに近いと予想される部位のみを選んでCAE解析を行えば目的を達成することができ、CAEの解析工数を低減できる。
mass%で、C:0.45〜0.60%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.20
〜0.50%、B:5〜50ppm、Ti:0.02〜0.05%、N≦:100ppm
であり、その他不純物元素を含む炭素鋼で完全球状化焼鈍材(引張り強さ590MPa)を鍛造素材に用い、鍛造工程設計と鍛造型製作に表面拡大率(伸び率)ρを適用したナックルスピンドルの連続冷間鍛造である実施例について以下説明する。
〜0.50%、B:5〜50ppm、Ti:0.02〜0.05%、N≦:100ppm
であり、その他不純物元素を含む炭素鋼で完全球状化焼鈍材(引張り強さ590MPa)を鍛造素材に用い、鍛造工程設計と鍛造型製作に表面拡大率(伸び率)ρを適用したナックルスピンドルの連続冷間鍛造である実施例について以下説明する。
図2は本発明の実施例に係るナックルスピンドルの連続冷間鍛造の各工程における素材の形状図(断面)であり、図1に示す鍛造工程設計および鍛造型製作のフロー図に基づいて工程設計され、鍛造型の製作がなされたものである。
図2において、10はナックルスピンドルであり、軸部20とボール部30で形成されている。このナックルスピンドル10は4つの冷間鍛造工程で構成され、図(A)は第1工程を示し、円筒状の鍛造素材のうち、主として製品の軸部となる部分が加工成形されている。
図(B)は第2工程であり、主として製品のボール部となる部分が加工成形され、図(C)は第3工程であり、第2工程に続いて主として製品のボール部がさらに加工成形されている。図(D)は最終工程となる第4工程であり、製品形状まで加工成形されている。
図3は本発明の実施例1に係るナックルスピンドルの連続冷間鍛造における三次元CAEによる変形解析図であり、図(A)は円筒形状素材の1部(3角柱状体)を有限要素法
により3角形状のエレメントに分割したものであり、図(B)は図2に示す第3工程に達したときの素材およびエレメントの変化の状態を示している。また鍛造素材の中心部(O点)から外周部(G点)まで100個の標点を設け、それぞれの標点間の表面拡大率(伸び率)ρを算出している。
により3角形状のエレメントに分割したものであり、図(B)は図2に示す第3工程に達したときの素材およびエレメントの変化の状態を示している。また鍛造素材の中心部(O点)から外周部(G点)まで100個の標点を設け、それぞれの標点間の表面拡大率(伸び率)ρを算出している。
なお、図3は変形をグラフィックに表現してはいるものの、目視によって表面拡大率(伸び率)ρを定量的に捕らえることは困難である。しかし、三次元CAEによる解析においては表面拡大率(伸び率)ρはデジタルに把握され、このエレメントの伸び率が所定の値を超えたところで表面割れが発生し、従来の延性破壊条件式等のように、割れの発生の判断基準とする応力の計算値の最大部位と表面割れの発生部位とが異なることがないので、表面割れの評価が容易にできる。
図4は本発明の実施例に係る連続冷間鍛造の第3工程におけるパンチの表面形状を示す外形線図であり、後述の比較例についても実施例と対比して表示している。
表1は実施例の第3工程と第4工程について表面拡大率と最大主応力を一覧表示したものであり、合せて後述の比較例についても実施例と対比して表示している。
表1において、実施例1の第3工程は図2に示すようにナックルスピンドルのコーナRを15mmとしたものであり、表面拡大率(伸び率)ρが7.9であり、最大主応力σ0
が120MPaであって表面割れは発生していない。また第4工程は表面拡大率(伸び率)ρが8.2であり、最大主応力σ0が640MPaであって表面割れは発生していない。
が120MPaであって表面割れは発生していない。また第4工程は表面拡大率(伸び率)ρが8.2であり、最大主応力σ0が640MPaであって表面割れは発生していない。
これに対して、比較例1は実施例1と同じ4つの工程からなり、同一の素材鋼を使用しているが、鍛造型の形状が異なり(コーナR=1mm)、表面拡大率(伸び率)ρが16.8と大きく表面割れ(図3(B)矢印部)が発生している。
実施例2は比較例1に使用した鍛造型と同一型(図2に示すようにコーナRを1mmとしたもの)を使用して成形したものであるが、第3工程においては第2工程終了後、ボンデ処理を行ない潤滑を強化したことによってコーナRが1mmと小さいにも拘らず摩擦係数μが0.10と小さく、表面拡大率(伸び率)ρが7.2であり、最大主応力σ0が−10MPaであって表面割れの発生はない。また第4工程においては表面拡大率(伸び率)ρが7.5であり、最大主応力σ0が740MPaであって表面割れは発生していない。
比較例2は比較例1と同じ4つの工程からなり、同一の素材鋼、同一形状の鍛造型を使用し、第3工程は比較例1の第3工程に対して、潤滑剤の種類を変更することにより摩擦係数を減少させたものであり、表面拡大率(伸び率)ρが13.4であり、最大主応力σ
0が290MPaであって表面割れが発生していないが、第4工程においては表面拡大率(伸び率)ρが13.8であり、最大主応力σ0が850MPaであって表面割れが発生
している。
0が290MPaであって表面割れが発生していないが、第4工程においては表面拡大率(伸び率)ρが13.8であり、最大主応力σ0が850MPaであって表面割れが発生
している。
鍛造素材鋼のデータベースによると、上記実施例および比較例に使用した鍛造素材の限界表面拡大率(伸び率)ρAは10であり、引張り強さσBは590MPaである。
実施例1、2の第3工程における表面拡大率(伸び率)ρはそれぞれ7.9、7.2であり、4工程における表面拡大率(伸び率)ρはそれぞれ8.2、7.5であり、いずれも限界表面拡大率(伸び率)ρAが10以下であって、表面割れが発生していないことと符合する。実施例1、2の第3工程における最大主応力σ0はいずれも引張り強さ以下であり、4工程における最大主応力σ0はいずれも引張り強さを超えており、最大主応力σ0の値の如何に拘わらず、表面拡大率(伸び率)ρが限界表面拡大率(伸び率)ρA以下でありさえすれば表面割れが生じないことが分かる。
また、比較例1の第3工程と比較例2の第4工程において表面割れが発生したのは、表面拡大率(伸び率)ρがそれぞれ16.8、13.8で、いずれも限界表面拡大率(伸び率)ρAを超えているためであり、表面拡大率(伸び率)ρが限界表面拡大率(伸び率)ρAを超えれば最大主応力σ0の値の如何に拘わらず、表面割れが発生することと符合する。
比較例2の第3工程における表面拡大率(伸び率)ρは13.4であり、限界表面拡大
率(伸び率)ρAを超えているが表面割れの発生はなく、最大主応力σ0が290MPaと小さい。即ち、表面拡大率が限界表面拡大率(伸び率)ρAの10を超える場合でも、最大主応力σ0が小のときは表面割れが生じない。
率(伸び率)ρAを超えているが表面割れの発生はなく、最大主応力σ0が290MPaと小さい。即ち、表面拡大率が限界表面拡大率(伸び率)ρAの10を超える場合でも、最大主応力σ0が小のときは表面割れが生じない。
結局、表面拡大率ρを限界表面拡大率ρA以下にさえすれば、最大主応力σ0の値の如何に拘わらず表面割れが発生することがないので、応力の検討をすることなく、連続鍛造の工程設計を行うことができ工程設計および鍛造型の製作の効率化を図ることができる。特にプラスティシン実験によって表面拡大率を測定する場合に有効である。
表2は、表面拡大率と鍛造素材鋼の鍛造前のロックウエル硬さ(HRB)を加味した限界表面拡大率と表面割れの関係を一覧表示したものである。図5は、表2をグラフ表示したものであり、直線(A)は鍛造素材鋼の鍛造前のロックウエル硬さ(HRB)を加味した限界表面拡大率を示し、表1の実施例、比較例およびその他の実施例(不記)に基いて求めたものである。表面拡大率が、このロックウエル硬さ(HRB)を加味した限界表面拡大率以下の場合は割れが生じることはなく(○印表示)、超えると割れが生じる(×印表示)。
さらに詳細に述べると、表2、図5において、実施例4乃至6は表面拡大率が10以下であり、最大主応力の値に関係なく表面割れは生じていない。これに対して、実施例3と実施例7は表面拡大率ρがそれぞれ10.1、11.9と前述の限界表面拡大率ρAの10を超えているが、素材鋼の硬さを加味した限界表面拡大率ρARの10.9、12.0より小さいため、最大主応力を超えているか否かに拘わらず表面割れは生じていない。
限界表面拡大率が前述の10より大きくなったのは、限界表面拡大率ρAが鍛造素材鋼の鍛造前のロックウエル硬さ(HRB)に依存し、この鍛造前のロックウエル硬さ(HRB)が80より小さい場合は限界表面拡大率が大きくなるためである。比較例3〜9はいずれも、表面拡大率ρが鍛造前のロックウエル硬さ(HRB)を加味した限界表面拡大率ρARを超えており、ロックウエル硬さ(HRB)、最大主応力の値の如何を問わず表面割れが生じている。
図5中、直線(A)は下記の式(1)で示される。
ρAR=20−0.125h・・・・・(1)
ρA:限界表面拡大率
h:鍛造素材鋼の鍛造前のロックウエル硬さ(HRB)
ρAR=20−0.125h・・・・・(1)
ρA:限界表面拡大率
h:鍛造素材鋼の鍛造前のロックウエル硬さ(HRB)
ナックルスピンドルの半加工品または成形品の表面のすべての箇所の表面拡大率(伸び率)を求め、その値が10を超える場合は、上記の式(1)によって求めた素材鋼の鍛造前のロックウエル硬さを考慮した限界表面拡大率(伸び率)ρARを求めてその値と比較し、その値より小さい場合には、表面割れが生ずることはないので、限界表面拡大率(伸び率)の適用範囲が拡大し、鍛造型の限界設計が容易となる。
上述の通り、本実施例によると表面拡大率(伸び率)ρによって、三次元CAEによる応力計算値を使用する場合に比較して、連続冷間鍛造工程おける表面割れを容易に予測することができるので、トライ&エラーを繰返す必要がなくなり、鍛造工程数の削減を可能とする最適の鍛造工程設計および鍛造型設計が可能となり、熱処理工程の廃止、製造準備期間が短縮でき、鍛造型の製作費用の削減もできる。
10・・・ナックルスピンドル
20・・・ボール部
30・・・軸部
20・・・ボール部
30・・・軸部
Claims (4)
- mass%で、C:0.45〜0.60%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.20
〜0.50%、B:5〜50ppm、Ti:0.02〜0.05%、N≦:100ppm
であり、その他不純物元素を含む炭素鋼を完全球状化熱処理後、連続冷間鍛造するナックルスピンドルの製造方法であって、全鍛造工程における該ナックルスピンドルの半加工品または成形品の表面のすべての個所の表面拡大率(伸び率)を、前記炭素鋼の完全球状化熱処理後の限界表面拡大率(伸び率)以下とすることを特徴とするナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法。 - mass%で、C:0.45〜0.60%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.20
〜0.50%、B:5〜50ppm、Ti:0.02〜0.05%、N≦:100ppm
であり、その他不純物元素を含む炭素鋼を完全球状化熱処理後、連続冷間鍛造するナックルスピンドルの製造方法であって、全鍛造工程における該ナックルスピンドルの半加工品または成形品のボール部内面の半径方向の表面伸び率を、10以下とすることを特徴とするナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法。 - mass%で、C:0.45〜0.60%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.20
〜0.50%、B:5〜50ppm、Ti:0.02〜0.05%、N≦:100ppm
であり、その他不純物元素を含む炭素鋼を完全球状化熱処理後、連続冷間鍛造するナックルスピンドルの製造方法であって、全鍛造工程における該ナックルスピンドルの半加工品または成形品のボール部内面の半径方向の表面拡大率(伸び率)を鍛造素材鋼のロックウエル硬さを加味した限界表面拡大率(伸び率)を示す式(1)で求められる値以下とすることを特徴とするナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法。
ρAR=20-0.125h・・・・・(1)
ρAR:鍛造素材鋼の硬さを加味した限界表面拡大率(伸び率)
h:鍛造素材鋼の鍛造前のロックウエル硬さ(HRB) - 前記全鍛造工程が4つの工程からなり、その第3工程におけるボール基部の内面側のR形状が10mm以上であることを特徴とする請求項1乃至3に記載のナックルスピンドルの連続冷間鍛造方法。
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