JP2009293063A - 高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法 - Google Patents

高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温長時間クリープ強度に優れた高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.05〜0.12%、Si:0.2〜0.5%、Mn:0.3〜0.6%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Cr:8.0〜12%未満、V:0.15〜0.25%、Nb:0.03〜0.08%、N:0.005〜0.07%、sol.Al:0.015%以下、Ni:0.5%以下を含み、さらにMo:0.1〜1.1%およびW:1.5〜3.5%のうちの1種または2種を含有し、残部がFeおよび不純物からなる組成を有する鋼を、下記の(1)〜(5)の工程により加工及び熱処理を行うことを特徴とする、高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法。この鋼材は、さらに、B:0.015%以下、Cu:1.5%以下、Co:5%以下、Ti:0.05%以下、Ta:0.05%以下、Nd:0.05%以下及びCa:0.01%以下のうちの1種以上を含有してもよい。
(1) 最終の加工終了温度が1000℃以下の熱間加工工程、
(2) 750〜820℃の範囲で20min以上2hr以下の軟化処理工程、
(3) 断面減少率15%以上の冷間加工工程、
(4) 750〜820℃の範囲で20min以上2hr以下の軟化処理工程、
(5) 焼ならし焼戻し処理工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法に関する。詳しくは、ボイラ、原子力発電設備および化学工業設備などにおいて、高温高圧の環境下で使用される熱交換用および配管用に用いられる、高温長時間クリープ強度に優れた高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法に関する。特に、ボイラチューブ等の高Crフェライト系耐熱鋼からなる管材を製造する際に、好適な製造方法である。
ボイラ、原子力発電設備および化学工業設備などにおいて、高温高圧の環境で使用される耐熱鋼材には、その形状(板材、管材、棒材等)やサイズを問わず、一般に高温クリープ強度、クリープ疲労強度、耐食性、耐酸化性等が要求される。
高Crフェライト系鋼材は500〜650℃の温度で使用される場合には、強度および耐食性の点で低合金鋼よりも優れている。また、高Crフェライト系鋼材は、熱伝導率が高く、かつ熱膨張率が小さいことから、オーステナイト系ステンレス鋼材と比較して耐熱疲労特性に優れ、かつ安価であるという特徴がある。さらには、スケール剥離が起こりにくいこと、応力腐食割れを起こさないことなど、数々の利点がある。
従来、高Crフェライト系耐熱鋼としては、「火STBA26」で示される9Cr-1Mo鋼や、「火STBA27」で示される9Cr-2Mo鋼などが用いられてきた。
1980年代後半から1990年代にかけて、より高強度の高Crフェライト系耐熱鋼が提案された。これは、特許文献1〜8で開示されているように、WまたはMoを含有し、さらにNbとVの複合炭窒化物で強化したものであって、たとえば特許文献1〜8で開示されている。
そして、WまたはMoを含有し、さらにNbとVの複合炭窒化物で強化した高強度の高Crフェライト系耐熱鋼は、「火STBA28」や「火STPA28」で示されるASME P91/T91鋼、「火STBA29」や「火STPA29」で示されるASME P92/T92鋼、「火SUS410J3TB」や「火SUS410J3TP」で示されるASME P122/T122鋼などが実用化され、蒸気温度566℃以上の超臨界ボイラに用いられてきた。これらの材料はいずれも、NbとVの複合炭窒化物からなるMX型炭窒化物(M=Nb、V;X=C、N)を微細析出させることにより、長時間クリープ強度を確保している。
そして、クリープ強度をさらに向上させる手法が特許文献9〜12に提案されている。すなわち、特許文献9には1100〜1130℃に加熱して熱間加工を施し、その後730〜830℃で焼戻し熱処理を行う方法が開示され、特許文献10および11には熱間加工後に2段の焼ならし処理を行う方法が開示されており、そして、特許文献12には焼準処理後に2段の焼戻しを行う方法が開示されている。
このようなWまたはMoを含有し、さらにNbとVの複合炭窒化物で強化した高強度の高Crフェライト系耐熱鋼は、ボイラ、原子力発電設備および化学工業設備などにおいて、高温高圧の環境で使用される耐熱鋼材として、その実用化が図られている。たとえば、蒸気温度600℃程度の超々臨界圧ボイラにおいて適用されている。
しかしながら、近年、地球環境問題からCOの排出削減が求められており、さらなる高温高圧化の環境で使用される耐熱鋼材が求められている。たとえば、蒸気温度630℃程度の高温度域の超々臨界圧ボイラにおいて適用できる耐熱鋼材が求められている。
特開昭61-69948号公報 特開昭61-231139号公報 特開昭62-297436号公報 特開平7-286246号公報 特開平9-71846号公報、 特開2000-26940号公報 特開2001-192781号公報 特開2002-363709公報 特開平3-20410号公報 特開平4-350118号公報 特開平8-225832号公報 特開平8-225833号公報
しかしながら、WまたはMoを含有し、さらにNbとVの複合炭窒化物で強化した高強度の高Crフェライト系耐熱鋼を用いて、高温高圧の環境で使用される耐熱鋼材を製造した場合には、長時間クリープ強度がその形状(板材、管材、棒材等)には依存しないが、そのサイズの大小に依存する傾向が見出された。このような傾向は、9Cr-1Mo鋼や9Cr-2Mo鋼などの従来の高Crフェライト鋼ではみられない。
例えば、ボイラチューブに関して、2007年7月10日付発行の「発電用火力設備の技術基準の解釈」における許容引張応力においては、火STPA28と火STBA28との比較では625℃で大径管の許容引張応力が高く、火STPA29と火STBA29との比較では600℃と625℃で大径管の許容引張応力が高くなっている。そして、火SUS410J3TPと火SUS410J3TBとの比較でも600℃で大径管の許容引張応力が高くなっている。
すなわち、WまたはMoを含有し、さらにNbとVの複合炭窒化物で強化した高強度の高Crフェライト系耐熱鋼材は、長時間クリープ強度は大径管よりも小径管において低くなる傾向が認められることが分かった。長時間クリープ強度は、板材、管材、棒材といった鋼材の形状には依存しないので、長時間クリープ強度はそのサイズの大小に依存する傾向があると判断される。
本発明の目的は、WまたはMoを含有し、さらにNbとVの複合炭窒化物で強化した高強度の高Crフェライト系耐熱鋼材に特有のサイズ依存性の問題を解決するためのものであって、高温長時間クリープ強度に優れた高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、高温長時間クリープ強度に優れた高Crフェライト系耐熱鋼材を製造するために、次に示すように、鋼材の金属組織の旧オーステナイト粒径に着目した。
ASME P91鋼、ASME P92鋼、ASME P122鋼など、WまたはMoを含有し、さらにNbとVの複合炭窒化物で強化した高強度の高Crフェライト系耐熱鋼は、いずれも焼戻しマルテンサイト単相の組織を有するか、あるいはせいぜい10%以下のδフェライト相を含む二相組織を有する。これらの鋼材の金属組織は、鋼種によっても製品(鋼板、鋼管等)のサイズによっても、本質的には大きく変わるものではない。
しかしながら、より詳細に金属組織をみると、鋼材の金属組織の旧オーステナイト粒径は、板材、管材、棒材等の形状には無関係であり、製品のサイズ依存性が大きい。特に、シームレス鋼管において、その粒径は管の外径によって顕著に異なっている。たとえば、ボイラチューブとして用いられる外径150mm以下の小径管はASTM粒度番号で7.5以上の細粒であるのに対し、外径150mm以上の大径管はASTM粒度番号で7.5より小さな粗粒である。
そこで、本発明者らは、次の(i)〜(v)に示すとおり、種々の実験を行い、旧オーステナイト粒径の長時間クリープ試験結果に及ぼす影響と、加工および熱処理工程における製造条件の旧オーステナイト粒径に及ぼす影響について、新たな知見を得た。
(i) まず、本発明者らは、表1に示す化学組成を有する「火STBA29」(ASME T92)相当鋼からなる板材の板材に関して、熱間加工条件を変えて、次の(A)および(B)の2種類の実験を行った。
Figure 2009293063
第一の実験(A)は、肉厚30mmの板材を1000℃に加熱後、終了温度が900℃の熱間加工により厚さ15mmまで圧延した後、1050℃で10min間保持する焼ならし処理後、780℃で1hr間保持して焼戻し処理を行った。その結果、旧オーステナイト粒径がASTM粒度番号8の細粒の鋼材が得られた。この鋼材を、650℃において90MPaの引張強度にて長時間クリープ試験を行ったところ、クリープ試験破断時間は約8000hrであった。
第二の実験(B)は、肉厚30mmの板材を1000℃に加熱後、終了温度が900℃の熱間加工により厚さ15mmまで圧延した後、空冷して1120℃で1hrのソーキング処理後、1050℃で10minの間保持する焼ならし処理後、780℃で1hrの間保持して焼戻し処理を行った。その結果、旧オーステナイト粒径がASTM粒度番号5の粗粒の鋼材が得られた。この鋼材を、650℃において90MPaの引張強度にて長時間クリープ試験を行ったところ、クリープ試験破断時間は約14000hrであった。
表2は、上記2つの熱間加工プロセス、鋼材の旧オーステナイト粒径(ASTM粒度番号)および650℃における90MPaの引張強度でのクリープ試験破断時間を比較したものである。
Figure 2009293063
これらの実験結果から、旧オーステナイト粒径の大きさが長時間クリープ試験結果に大きく影響を及ぼすものであることが分かった。これは、ソーキング処理により、焼ならし処理前の旧オーステナイト粒径を大きくすることで、焼ならし時の核生成サイトが少なくなるため、最終的な組織も粗粒になり、その結果として、クリープ試験破断時間が大きく増加したものであると考えられる。
しかしながら、本手法を製品の製造プロセスに適用することは困難である。すなわち、1120℃で1hrのソーキング処理によって鋼材表面には厚い酸化スケールが付着するため、そのスケールの除去に手間がかかり、製品の製造能力を大きく落とす要因になり、実製造への適用には問題がある。
(ii) 次に、上記の旧オーステナイト粒径に関する知見が、鋼材の形状の違いには影響されず、たとえば管材にも適用できることを確認するための実験と検討を行った。
一般に、鋼管の製造は、熱間加工、焼ならし処理、焼戻し処理の順になされる。通常、熱間加工によって成形した後、1050〜1100℃の温度域で保持後室温まで冷却する焼ならし処理と、750〜800℃程度に保持する焼戻し処理を施して使用する。例えば、鋼管の熱間加工はマンネスマン・マンドレルミル法、ユジーンセジュルネ法、エルハルトプッシュベンチ法などで行われるが、一般に小径管になればなるほど加工度が大きくなり、低温まで加工がなされるため、熱間加工完了段階の金属組織の粒径は細かくなる傾向である。なお、最終的な製品の粒径は焼ならし処理の工程で決定される。
本発明者らは、表1に示す化学組成を有するASME P92鋼から、外径60mm(肉厚8mm)、外径350mm(肉厚35mm)および外径500mm(肉厚70mm)の3種類のサイズの鋼管を製造した。
そして、鋼管製造時の熱間加工終了時と、1070℃で30minの焼ならし処理終了時に、それぞれサンプルを採取し、実験室にて780℃で1hr保持する焼戻し処理を実施し、旧オーステナイト粒径を測定した。ちなみに、各サイズの最終の熱間加工終了温度は、それぞれ、950℃、1050℃および1130℃であった。別途、鋼管製造時の熱間加工まま材を実験室にて1070℃で30minの焼ならし処理後、780℃で1hr保持する焼戻し処理を実施し、旧オーステナイト粒径を測定した。
すなわち、上記の3種類の肉厚の鋼管について、次の(C)〜(E)に示す3種類の加工および熱処理条件で実験を行ったことになる。
(C)熱間加工まま
(D)熱間加工→工場での焼ならし処理→実験室焼戻し処理
(E)熱間加工→実験室での焼ならし処理→実験室焼戻し処理
表3に、それぞれの旧オーステナイト粒径(ASTM粒度番号)の測定結果を示す。
Figure 2009293063
このように、管材においても焼ならし処理後の粒径は熱間加工完了段階の粒径に依存するものであって、管材の外径が大きいほど、すなわち熱間加工の終了温度が高いほど粗粒となることが明らかになった。また、実験室での焼ならし処理でも、工場での焼ならし処理と同様の粒度番号の鋼が得られており、実験室での焼ならし処理によって工場での焼ならし処理と同等の処理が再現されていることが確認できた。
ここで、結晶粒径の支配因子は、核生成と粒成長である。一般に、核生成サイトとしてもっとも有力であるのは結晶粒界であり、熱間加工ままで細粒な材料ほど核生成サイトが多いため、細粒になりやすいと考えられる。粒成長に関しては、粒成長を阻害するピン止め粒子の存在が重要である。
表1に示す化学組成を有するASME P92鋼からなる鋼管の焼ならし処理において、粒成長を阻害するピン止め粒子は、VおよびNbの炭窒化物である。この鋼管には、質量%でNbが0.06%とVが0.2%含まれるが、その炭窒化物の一部が熱間加工完了の状態で析出しており、焼ならし処理時に粒成長を阻害する。この鋼管の熱間加工完了の状態におけるNbの炭窒化物の析出量を調査したところ、外径60mmの鋼管で0.039%、外径350mmの鋼管で0.035%、そして外径500mmの鋼管で0.032%が、それぞれ析出していた。Nbの炭窒化物の析出量は小径管の方が多く、焼ならし処理時に粒成長を阻害するピン止め粒子の数は小径管の方が多いと考えられる。しかしながら、大径管においては、相応のピン止め粒子がありながら粗粒になっていることから、焼ならし処理後の粒径の支配因子として、核生成サイトの数が最も重要であると考えられる。
これに対して、熱間加工の加工度が大きく、低温まで加工される小径管においては、熱間加工完了の段階で非常に核生成サイトが多く細粒になりやすいと考えられる。すなわち、小径管においては、低温強加工により細粒になっているのに加え、加工の影響と加工後の冷却中に生じたマルテンサイト変態により導入された多量の転位も核生成サイトになり得ると考えられるため、核生成の駆動力は非常に高いと考えられる。
(iii) 次に、本発明者らは、熱間加工まま材の核生成の駆動力を減らす方法として、A変態点近傍での軟化処理の可否を検討した。この軟化処理の目的は、低温強加工およびマルテンサイト変態で導入された転位を減らすとともに、再結晶を生じさせて粒径を大きくすることである。
このため、熱間加工後、焼ならし焼戻し処理の前に、軟化処理を行った(以下、このときの加工および熱処理条件を(F)とする。)。すなわち、肉厚30mmの板材を1000℃に加熱後、終了温度が900℃の熱間加工により厚さ15mmまで圧延した後、800℃で30minの軟化処理後、光学顕微鏡でその金属組織を観察した。
軟化処理材の組織は、熱間加工ままの組織が焼戻された、焼戻しマルテンサイト組織であり、期待された様な再結晶は起こしていなかった。しかしながら、軟化処理後の鋼材のビッカース硬さは240であり、熱間加工後のビッカース硬さ430と比較すれば軟化しており、熱間加工およびマルテンサイト変態で導入された転位は減っており、核生成の駆動力は若干小さくなる傾向と期待される。そこで次に、この軟化処理材を1050℃で10min間保持する焼ならし処理および780℃で1hr間保持する焼戻し処理を施し、金属組織を調査した。焼ならし焼戻し処理後の旧オーステナイト粒径はASTM粒度番号7.5で熱間加工まま材を焼ならした場合と同等で、期待した粗粒化は起こらなかった。これは800℃×30minの軟化処理では再結晶が生じず、転位が依然として多いことに加え、熱間加工ままの粒径が保持されているため、核生成サイトが多いままであったためと推定される。
表4に、この(F)の加工および熱処理条件で製造した鋼材の旧オーステナイト粒径(ASTM粒度番号)の測定結果を、前述の(A)の条件で製造した鋼材のものと比較して示す。
Figure 2009293063
(iv) A変態点近傍での軟化処理によって再結晶を生じなかった理由として、熱間加工後にマルテンサイト変態で導入された転位の分布が非常に均一であることが挙げられる。核生成の駆動力が小さい低温のA変態点近傍でのフェライト温度域では、むしろ転位の分布が不均一で、一部転位が再配列した領域がある方が再結晶を生じやすい可能性を考慮し、冷間加工により強制的に転位を導入し、そのあとに軟化処理を行うことを検討した。
このため、熱間加工後、軟化処理を行い、冷間加工した後、再度軟化処理を行った(以下、このときの加工および熱処理条件を(G)とする。)。すなわち、肉厚30mmの板材を1000℃に加熱後、終了温度が900℃の熱間加工により厚さ15mmまで圧延した後、800℃×30minの軟化処理を行い、さらに肉厚10.5mmまで冷間加工した後、再度800℃で30minの軟化処理を施した。冷間加工後、再度800℃×30minの軟化処理を行った材料の光学顕微鏡組織を図1に示す。冷間加工後の軟化処理材のビッカース硬さは165であり、再結晶フェライト組織が形成されたことがわかる。
冷間加工後の軟化処理により、再結晶した材料を、さらに1050℃で10min間保持する焼ならし処理と780℃で1hr間保持する焼戻し処理を行い、光学顕微鏡でその金属組織を観察した。
表4に、この(G)の加工および熱処理条件で製造した鋼材の旧オーステナイト粒径(ASTM粒度番号)の測定結果を示す。
この結果、(G)の加工および熱処理条件で製造した鋼材、すなわち、軟化処理後に冷間加工により強制的に転位を導入し、そのあとにさらに軟化処理を施した鋼材の組織は、旧オーステナイト粒径がASTM粒度番号6.0の粗粒であって、明らかに粗粒化されている。これは、再結晶させて核生成サイトを少なくしたためと考えられる。
(v) ちなみに、通常のボイラチューブで一部行われている冷間加工を模擬して、熱間加工後、軟化処理を行い、さらに冷間加工したが、再度の軟化処理を行わないプロセスを採用して、実験を行った(以下、このときの加工および熱処理条件を(H)とする。)。
すなわち、肉厚30mmの板材を1000℃に加熱後、終了温度が900℃の熱間加工により厚さ15mmまで圧延した後、800℃×30minの軟化処理を行い、さらに肉厚10.5mmまで冷間加工した後、1050℃で10min間保持する焼ならし処理後、780℃で1hr間保持して焼戻し処理を行った。
表4に、この(H)の加工および熱処理条件で製造した鋼材の旧オーステナイト粒径(ASTM粒度番号)の測定結果を示す。
この結果、(H)の加工および熱処理条件で製造した鋼材、すなわち、軟化処理後に冷間加工により強制的に転位を導入したときの鋼材の組織は、旧オーステナイト粒径がASTM粒度番号8.0の細粒である。これは、冷間加工後の熱処理を核生成が容易な高温(オーステナイト域)で行っているため、結果として核生成サイトが多いためと推定される。
本発明は、上記の知見を基礎としてなされたもので、その要旨は下記の(1)〜(4)に示す高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法にある。
(1)質量%で、C:0.05〜0.12%、Si:0.2〜0.5%、Mn:0.3〜0.6%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Cr:8.0〜12%未満、V:0.15〜0.25%、Nb:0.03〜0.08%、N:0.005〜0.07%、sol.Al:0.015%以下、Ni:0.5%以下を含み、さらにMo:0.1〜1.1%およびW:1.5〜3.5%のうちの1種または2種を含有し、残部がFeおよび不純物からなる組成を有する鋼を、下記の(1)〜(5)の工程により加工及び熱処理を行うことを特徴とする、高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法。
(1) 最終の加工終了温度が1000℃以下の熱間加工工程、
(2) 750〜820℃の範囲で20min以上2hr以下の軟化処理工程、
(3) 断面減少率15%以上の冷間加工工程、
(4) 750〜820℃の範囲で20min以上2hr以下の軟化処理工程、
(5) 焼ならし焼戻し処理工程。
(2)質量%で、さらに、次に示す第1グループから第3グループまでのうちの少なくとも1つのグループの中から選択される成分のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする、上記(1)の高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法。
第1グループ:質量%で、B:0.015%以下、
第2グループ:質量%で、Cu:1.5%以下およびCo:5%以下のうちの1種又は2種、
第3グループ:質量%で、Ti:0.05%以下、Ta:0.05%以下、Nd:0.05%以下及びCa:0.01%以下のうちの1種または2種以上。
(3)上記(1)又は(2)の高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法において、(1)の工程と(4)の工程との間で、(2)の工程と(3)の工程を複数回繰り返すことを特徴とする高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法。
(4)高Crフェライト系耐熱鋼材がボイラチューブであることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかの高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法。
本発明によれば、ボイラ、原子力発電設備および化学工業設備などにおいて、600〜650℃の高温の環境下で使用される熱交換用および配管用に用いられる、高温長時間クリープ強度に優れた高Crフェライト系耐熱鋼材が得られる。特に、ボイラチューブ等の高Crフェライト系耐熱鋼からなる管材を得るのに好適である。
以下に、本発明に係る高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法において用いる鋼を構成する成分の規定理由並びに加工および熱処理工程の規定理由を説明する。なお、含有量に関する「%」は「質量%」を意味する。
A.鋼を構成する成分の規定理由について
C:0.05〜0.12%
Cは、オーステナイト安定化元素として組織を安定化する。また、MC(Mは合金元素)炭化物あるいはM(C、N)炭窒化物を形成して、クリープ強度の向上に寄与する。しかし、0.05%以下では上記の効果が充分得られない上に、δフェライト量が多くなり強度を低下させる場合がある。一方、0.12%を超えて多量に含有させると、加工性や溶接性を劣化させるとともに、使用初期から炭化物の凝集粗大化が起こり、長時間クリープ強度の低下を招く。したがって、Cの含有量を0.05〜0.12%とした。
Si:0.2〜0.5%
Siは、鋼の脱酸に効果があり、また耐水蒸気酸化性を高める効果を有する元素である。水蒸気酸化性能を損なわないためには、0.2%以上含有させる必要がある。ただし、0.5%を超えて多量に含有させると、クリープ強度の低下が著しい。したがって、Siの含有量を0.2〜0.5%とした。
Mn:0.3〜0.6%
Mnは、鋼の脱酸に効果があり、オーステナイト安定化元素として寄与する。また、MnSを形成し、Sを固定する。それらの効果を得るためには0.3%以上必要である。ただし、0.6%を超えるとクリープ強度の低下を招く。したがって、Mnの含有量を0.3〜0.6%とした。
P:0.02%以下
Pは、熱間加工性、溶接性、クリープ強度、クリープ疲労強度などの観点から低い方が望ましい。ただし、著しい鋼の清浄化は大幅なコストアップを招くため、上限を0.02%とした。
S:0.005%以下
Sは、熱間加工性、溶接性、クリープ強度、クリープ疲労強度などの観点から低い方が望ましい。ただし、著しい鋼の清浄化は大幅なコストアップを招くため、上限を0.005%とした。
Cr:8.0%以上かつ12%未満
Crは、高温における耐食性や耐酸化性、特に耐水蒸気酸化特性を確保するために不可欠な元素である。さらに、炭化物を形成してクリープ強度を向上させる。それらの効果を得るためには8.0%以上とする必要がある。しかし多量に含有させると、長時間クリープ強度の低下を招くため12%未満とした。
V:0.15〜0.25%
Vは、固溶強化および微細な炭窒化物を形成してクリープ強度の向上に寄与する元素である。その効果を発揮させるためには0.15%以上含有させる必要がある。しかしながら、0.25%を超えて含有させるとδフェライトの生成を促進し、長時間クリープ強度の低下を招く。したがって、Vの含有量は0.15〜0.25%とした。
Nb:0.03〜0.08%
Nbは、微細な炭窒化物を形成して長時間クリープ強度の向上に寄与する元素である。その効果を発揮させるためには、0.03%以上含有させる必要である。しかしながら、0.08%を超えて含有させるとδフェライトの生成を促進し、長時間クリープ強度の低下を招く。したがって、Nbの含有量を0.03〜0.08%とした。
N :0.005〜0.07%
Nは、Cと同様オーステナイト安定化元素として有効である。またNは窒化物または炭窒化物を析出させて、高温強度を高める。その効果を発揮させるためには0.005%以上含有させることが必要である。しかし、多量に含有させると溶解時にブローホールを生成したり、溶接欠陥の原因となったりするとともに、窒化物、炭窒化物の粗大化によるクリープ強度の低下をもたらすため、上限を0.07%とした。
sol.Al:0.015%以下
Alは、溶鋼の脱酸剤として用いるが、0.015%を超えて多量に含有させると、クリープ強度の低下を招くので、sol.Alの含有量の上限を0.015%とした。
Ni:0.5%以下
Niは、微量に含有してもクリープを低下させる元素である。しかし、微量のNiは溶解原料からの混入を避けられない。0.5%以下であれば、クリープ強度への影響は小さいため、許容量の上限を0.5%とした。
Mo: 0.1〜1.1%及びW:1.5〜3.5%のうちの1種または2種
MoおよびWは、それぞれ、固溶強化元素としてクリープ強度の向上に寄与する。さらに、Cr炭化物中に一部固溶して、炭化物の凝集と粗大化を抑制してクリープ強度の向上に寄与する。単独で添加する場合には、Mo:0.1%未満、W:1.5%未満では、クリープ強度の向上効果は小さい。一方、Moを1.1%を超えて含有させると、δフェライトの生成を促進し、クリープ強度の低下を招く。また、Wを3.5%を超えて含有させるとδフェライトの生成を促進し、クリープ強度の低下を招く。なお、MoとWの2種を複合して含有させる場合には、同様の観点から、Mo+0.5Wの上限を1.5%とすることが望ましい。
本発明に係る高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法において用いる鋼を構成する成分として、上記の成分のほかに、質量%で、次に示す第1グループから第3グループまでのうちの少なくとも1つのグループの中から選択される成分のうちの少なくとも1種を含有させてもよい。
第1グループ:
B:0.015%以下
Bは任意添加元素であり、必要に応じて含有させることができる。Bを含有させた場合には、焼入れ性を高め、高温強度の確保に重要な役割を果たす。しかしながら、0.015%を超えて含有させると、溶接性および長時間クリープ強度を低下させる。そのため、含有させる場合はその含有量の上限を0.015%とする。なお、上記効果を確実に得るためには、0.003%以上含有させることが好ましい。
第2グループ:
Cu:1.5%以下およびCo:5%以下のうちの1種又は2種
Cuは、任意添加元素であり、必要に応じて含有させることができる。Cuを含有させた場合には、オーステナイト安定化元素として作用する。しかしながら、1.5%を超えて含有させるとクリープ強度の低下を招く。そのため、含有させる場合はその含有量の上限を1.5%とする。なお、上記の作用を確実に得るためには、0.3%以上含有させることが好ましい。
Coは、任意添加元素であり、必要に応じて含有させることができる。Coを含有させた場合には、オーステナイト安定化元素として作用する。しかしながら、5%を超えて含有させるとクリープ強度の低下を招く。そのため、含有させる場合はその含有量の上限を5%とする。なお、上記の作用を確実に得るためには、0.5%以上含有させることが好ましい。
第3グループ:
Ti:0.05%以下、Ta:0.05%以下、Nd:0.05以下及びCa:0.01以下のうちの1種または2種以上
これらの元素は任意添加元素であり、必要に応じて含有させることができる。これらの元素を含有させた場合には、微細な炭窒化物を形成してクリープ強度の向上に効果がある。しかしながら、Ti、Ta、Ndは0.05%を超えて含有させてもその効果は飽和し、かえって靭性およびクリープ強度を劣化させる。また、Caは0.01%を超えて含有させてもその効果は飽和し、かえって靭性およびクリープ強度を劣化させる。そのため、これらの元素を含有させる場合は、その含有量の上限を、Ti、Ta、Ndは0.05%とし、Caは0.01%とする。なお、上記のクリープ強度の向上の効果を確実に得るためには、Ti、Ta、Ndは0.005%以上含有させることが好ましく、また、Caは0.0005%以上含有させることが好ましい。
B.加工および熱処理工程の規定理由について
B−1.最終の加工終了温度を1000℃以下とする熱間加工工程について
鋼材の形状には、板材、管材や棒材等がある。このうち、板材は圧延により寸法が整えられる。管材は、マンネスマン・マンドレルミル法、ユジーンセジュルネ法やエルハルトプッシュベンチ法などの熱間加工によって造管がなされる。あるいはさらにその後、ストレッチレデューサーまたはサイザーで寸法を整えられる。そして、棒材は圧延で寸法が整えられる。
ここで、前記(1)の工程、すなわち、最終の加工終了温度を1000℃以下とする熱間加工工程における「最終の加工終了温度」とは、板材と棒材の場合は、熱間圧延により寸法が整えられたときの仕上温度を指す。また、管材の場合には、上記のマンネスマン・マンドレルミル法、ユジーンセジュルネ法やエルハルトプッシュベンチ法などで仕上げた管が最終の熱間加工である場合はその加工終了温度を指し、そして、さらにその後、ストレッチレデューサーまたはサイザーで寸法を整えられた場合には、寸法を整えられたときの終了温度を指す。
また、前記(1)の工程、すなわち、最終の加工終了温度を1000℃以下とする熱間加工工程における「最終の加工終了温度」を1000℃以下とした理由は、次のとおりである。すなわち、大径管のように加工度が小さい鋼材の熱間加工では、1000℃を超える温度で熱間加工を終了することができるので、1000℃を超える温度で熱間加工を終了する限りにおいて、旧オーステナイト粒は粗粒となる。この場合、本発明の(2)〜(4)の工程を適用しなくとも通常の焼ならし焼戻し処理で粗粒組織が得られる。しかしながら、小径管のように加工度が大きい鋼材の熱間加工では、1000℃を超える温度で熱間加工を終了できず、1000℃以下の低温まで加工されてしまうため、熱間加工完了段階の組織は細かくなる。また、加工度の小さい熱間加工であっても、1000℃以下の低温まで加工がなされる場合には、熱間加工完了段階の組織は細かくなる。
本発明は、小径管のように加工度が大きい鋼材の熱間加工だけでなく、大径管のように加工度が小さい鋼材の熱間加工を含めて、加工終了温度を1000℃以下とする熱間加工によって旧オーステナイト粒が細粒となった熱間加工材を粗粒へと変化させるために、前記(1)の工程を適用するものである。加工終了温度の下限は特に設けないが、熱間加工時の加工性や靭性等の機械的性質を確保するには800℃以上が好ましい。
B−2.750〜820℃の範囲で20min以上2hr以下の軟化処理工程について
熱間加工ままの材料は、通常空冷され、その結果、マルテンサイト変態して硬くなっている。したがって、そのままでは冷間加工できない。そのため、冷間加工を行う際には、前記(2)の工程、すなわち、750〜820℃の範囲で20min以上2hr以下の軟化処理工程が必要となる。なお、この軟化処理工程の温度と時間は、材料が軟化する範囲であって、かつ製造を阻害しない範囲となるように、定めたものである。
B−3.断面減少率15%以上の冷間加工工程について
冷間加工の目的は次の軟化工程で再結晶フェライト組織を作製することであるが、冷間加工時の断面減少率が15%を下回る場合には、フェライト温度域での再結晶の駆動力となり得る充分なひずみが加わらない。また、冷間加工では一般に断面減少率が15%以下の軽加工を均一に行うのが難しい。
そのため、前記(3)の工程、すなわち、断面減少率を15%以上とする冷間加工工程とする必要がある。冷間加工度の上限は特に設けないが、一般にフェライト系耐熱鋼の場合、冷間加工における断面減少率が40%以下になるサイズに熱間加工で仕上げて用いることが多い。ここで、冷間加工においてサイズの調整が必要な場合には、より高加工度で加工できる冷間圧延を行うか、または、前記(2)および(3)の工程を繰り返せばよい。なお、冷間加工とは冷間圧延や冷間引抜等を指すが、管材の場合には冷間引抜が適用される場合が多い。
B−4.750〜820℃の範囲で20min以上2hr以下の軟化処理工程について
通常は上記(3)の冷間加工工程で製品の寸法とした後に焼ならし焼戻し処理を施すが、本発明では焼ならし焼戻し処理を施す前に軟化処理を行う。
この軟化処理工程で、冷間加工で導入したひずみを駆動力にフェライト温度域で再結晶させ、ビッカース硬さ200以下の再結晶フェライト組織を形成する。そのために、前記(4)の工程、すなわち、750〜820℃の温度範囲で20min以上2hr以下の時間、軟化処理工程とする必要がある。750℃未満の温度では再結晶が生ぜず、反面、820℃を超える温度で熱処理するとA変態点を超えるので、微細なオーステナイト粒に変態した後にマルテンサイト組織となる。そのため、軟化温度範囲を750〜820℃とした。また、再結晶させるためにはとして20min以上の軟化処理時間を必要とする。特性面からみると、軟化処理時間の上限は特に必要ないが、2hrを超える軟化処理を実施しても金属組織に大きな差はみられないが、経済性および生産性の面からのデメリットを避けるために、軟化処理時間の上限は2hrとした。
B−5.焼ならし焼戻し処理工程について
軟化処理後の鋼材には、前記(5)の工程、すなわち焼ならし焼戻し処理工程を施す必要がある。焼ならし処理は、通常の高Crフェライト系耐熱鋼と同様に、1040〜1100℃の温度範囲で10min〜1hr程度の時間行えばよい。また、焼戻し処理も通常の高Crフェライト系耐熱鋼と同様に、760〜780℃の温度範囲で1〜6hr程度の時間行えばよい。
B−6.ボイラチューブに特有の規定について
ボイラチューブは、耐熱鋼から熱間加工と冷間加工を経て、所定の形状に製造される場合が多い。特に小径管の熱間加工においては、加工度が大きくなって、1000℃を超える温度で熱間加工を終了できず、1000℃以下の低温まで加工されてしまうため、熱間加工完了段階の組織は細かくなる。また、大径管のように加工度が小さい熱間加工であっても、1000℃以下の低温まで加工がなされる場合には、熱間加工完了段階の組織は細かくなる。そのため、小径管の熱間加工だけでなく、大径管の熱間加工を含めて、加工終了温度を1000℃以下とする熱間加工によって旧オーステナイト粒が細粒となった熱間加工材は粗粒へと変化させる必要がある。なお、加工度が大きくなって、1000℃を超える温度で熱間加工を終了できず、1000℃以下の低温まで加工される小径管の管サイズは、特に規定するものではないが、熱間加工と冷間加工を経て製造されるボイラチューブは、通常は外径で150mm以下である。
C.その他
以上に説明した、本発明に係る高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法に用いる鋼は、通常工業的に用いられている製造設備および製造プロセスを用いて製造することができる。すなわち、電気炉、転炉などの炉によって精錬した溶鋼に、脱酸元素および合金元素を含有させることによって成分調整すればよい。特に厳密な成分調整を必要とする場合には、溶鋼に合金元素を含有させる前に、真空処理などの処理を適宜施す方法を採ってもよい。
所定の化学組成に調整された溶鋼は、連続鋳造法または造塊法によって、スラブやビレットまたは鋼塊に鋳造され、これらのスラブや鋼塊などから、板材、管材や棒材を製造することができる。
なお、管材の場合は、小径管の熱間加工はマンネスマン・マンドレルミル法またはユジーンセジュルネ法が用いられる。また、造管後に熱間でストレッチレデューサーまたはサイザーで寸法を整えられることがある。さらに、冷間加工は、冷間引抜法や冷間圧延法が用いられる。熱処理した後の鋼管は、必要に応じて、ショットピーニング、酸洗などの表面処理を施してもよい。
真空誘導溶解炉にて、表5に示す化学組成を有する合金を溶製し、いずれも直径144mmの50kgインゴットを作製した。鋼No.1〜5は本発明の規定する範囲に含まれる鋼であり、鋼No.6〜9は本発明の範囲から成分が外れている比較材である。これらのインゴットを熱間鍛造にて30mm厚の板とし、検討のベース素材とした。なお、鋼No.2は「火STBA29」(ASME T92)相当鋼であり、表1に示したものと同じである。
Figure 2009293063
各種製造法に及ぼす製造プロセスの影響を検討するため、鋼材No.2を用いて、表6に示すとおり、9種類の加工および熱処理条件(マーク2A〜2I)にて、再結晶の有無と旧オーステナイト粒径のASTM粒度番号の測定と、650℃で90MPaの負荷をかけてクリープ破断試験を行った。
Figure 2009293063
ここで、冷間加工後の軟化処理における再結晶の有無は、ビッカース硬さ(荷重9.8N)を測定することによって、その有無を判断した。ビッカース硬さが190以下まで軟化しているものは再結晶していると判断し、表中に○印を付し、ビッカース硬さが190を超えたものは再結晶していないと判断し、表中に×印を付した。ASTM粒度は、焼戻し処理後の材料を樹脂に埋め込み、研磨後ビレラ試薬(ピクリン酸1g、 塩酸5ml、 エタノール100ml)にて腐食し、光学顕微鏡にて倍率100倍で10視野撮影した。撮影した写真を用いて、ASTM E112 Plate I と比較して旧オーステナイト粒径を判定した。10視野の平均でASTM粒度番号が7.5以下の粗粒のものを○と評価し、そして7.5を超える細粒のものを×と評価した。
さらに、熱処理後の板から、試験片の長さ方向が圧延方向となるように、直径6.0mmの試験片を採取し、標点間距離30mm、試験温度650℃、負荷応力90MPaの条件でクリープ破断試験を行い、破断するまでの時間(hr)を測定した。
マーク2Aは、大径管の製造方法(熱間加工の終了温度が高い場合)を模擬したものである。加熱温度が高く、高温で加工が終了するために、熱間加工後の結晶粒径は大きい。熱間加工まま材の組織の影響を受けて、焼ならし焼戻し処理後も粗粒である。この材料のクリープ破断時間は14000hr超と良好である。
マーク2Bおよび2Cは、小径管の製法(熱間加工の終了温度が低い場合)を模擬したものである。いずれも細粒組織となり、クリープ試験における破断時間も、マーク2Aと比較すると大幅に劣る。
マーク2Dは、熱間加工後に軟化処理を行い、その後に焼ならし焼戻し処理を行ったものである。前述のように、熱間加工まま材を軟化処理しても、熱間加工後に生成されたマルテンサイト組織が焼戻されるだけで、再結晶フェライト組織は生じず、その後に焼ならし焼戻し処理を施した後の粒径は細粒なままである。また、クリープ試験における破断時間もマーク2Aと比較すると大幅に劣る。
マーク2E〜2Iは、冷間加工とそれに続く軟化処理によって、金属組織を粗大フェライトにしたうえで、焼ならし焼戻し処理を行うことを狙ったものである。諸条件が本発明で規定する範囲を満たすマーク2Eは、冷間加工後の組織が再結晶フェライトになる。結果として、焼ならし焼戻し処理後の粒径も粒度番号が7.5以下の粗粒であり、クリープ試験における破断時間もマーク2Aと同等のレベルである。一方、冷間加工度、軟化処理の温度、軟化処理の時間のいずれかが本発明で規定する範囲外であるマーク2F〜マーク2Iは軟化処理後に再結晶を生じない。また、焼ならし焼戻し処理後の組織は細粒であり、クリープ試験における破断時間もマーク2Aと比較して大幅に劣る。
前述のように、熱間加工の終了温度が低い場合の小径管のクリープ破断強度が、熱間加工の終了温度が高い場合の大径管のクリープ破断強度よりも劣る現象は、WまたはMoを含有し、さらにVとNbの複合炭窒化物で強化した高強度のCrフェライト系耐熱鋼材で顕在化した現象である。
そこで、VとNbの影響を明確にするために、表7に示すとおり、上記鋼No.1および3〜9を用いて、種々の加工および熱処理条件(マーク1A、1B、1E、3A、3B、3E、4A、4B、4E、5A、5B、5E、6A、6B、6E、7A、7B、7E、8A、8B、8E、9A、9Bおよび9E)にて、再結晶の有無と旧オーステナイト粒径のASTM粒度番号を測定し、そして650℃で90MPaの負荷をかけてクリープ破断試験を行った。
Figure 2009293063
ここで、各マークのうち、数字は上記鋼No.を、そして、アルファベットはそれぞれ次の目的のために設定された加工および熱処理条件であることを意味する。
条件A:大径管の製造方法(熱間加工の終了温度が高い場合)を模擬したものである。加熱温度が高く、高温で加工が終了するために、熱間加工後の結晶粒径は大きい。熱間加工まま材の組織の影響を受けて、焼ならし焼戻し処理後も粗粒である。
条件B:小径管の製法(熱間加工の終了温度が低い場合)を模擬したものである。いずれも細粒組織となる。
条件E:冷間加工とそれに続く軟化処理によって、金属組織を粗大フェライトにしたうえで、焼ならし焼戻し処理を行うことを狙ったものである。
その結果、VとNbを含有する鋼No.1および3〜5は鋼No.2と同様の傾向になった。すなわち、条件Bで作製した鋼材は細粒になり、条件Aで製作した鋼材と比較して長時間クリープ強度は低位となった。また、条件Eで作製した鋼材は、粗粒になり、条件Aで作製した鋼材と同レベルのクリープ強度を有していた。
一方、VとNbのうちの双方もしくは一方を含有しない比較鋼(鋼No.6〜9)では、条件Bで作製した鋼材であっても、粒度番号7.5以下の粗粒であった。これは、VおよびNbの含有量が少なければ極端な細粒にはならないからである。これからも、本発明の化学組成を有する鋼材を条件Bで製作したときの細粒組織の形成に、VおよびNbの複合炭窒化物が寄与していることが明らかになった。また、比較鋼の長時間クリープ強度は、条件A〜Cのいずれも低位であり、長時間クリープ強度の改善にも、VおよびNbの双方を含有させることが必要であることが明らかになった。
本発明によれば、ボイラ、原子力発電設備および化学工業設備などにおいて、600〜650℃の高温の環境下で使用される熱交換用および配管用に用いられる、高温長時間クリープ強度に優れた高Crフェライト系耐熱鋼材が得られる。特に、ボイラチューブ等の高Crフェライト系耐熱鋼からなる管材を得るのに好適である。
冷間加工後、再度800℃×30minの軟化処理を行った材料の光学顕微鏡組織である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.12%、Si:0.2〜0.5%、Mn:0.3〜0.6%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Cr:8.0〜12%未満、V:0.15〜0.25%、Nb:0.03〜0.08%、N:0.005〜0.07%、sol.Al:0.015%以下、Ni:0.5%以下を含み、さらにMo:0.1〜1.1%およびW:1.5〜3.5%のうちの1種または2種を含有し、残部がFeおよび不純物からなる組成を有する鋼を、下記の(1)〜(5)の工程により加工及び熱処理を行うことを特徴とする、高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法。
    (1) 最終の加工終了温度が1000℃以下の熱間加工工程、
    (2) 750〜820℃の範囲で20min以上2hr以下の軟化処理工程、
    (3) 断面減少率15%以上の冷間加工工程、
    (4) 750〜820℃の範囲で20min以上2hr以下の軟化処理工程、
    (5) 焼ならし焼戻し処理工程。
  2. 質量%で、さらに、次に示す第1グループから第3グループまでのうちの少なくとも1つのグループの中から選択される成分のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1に記載の高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法。
    第1グループ:質量%で、B:0.015%以下、
    第2グループ:質量%で、Cu:1.5%以下およびCo:5%以下のうちの1種又は2種、
    第3グループ:質量%で、Ti:0.05%以下、Ta:0.05%以下、Nd:0.05%以下及びCa:0.01%以下のうちの1種または2種以上。
  3. 請求項1又は2に記載の高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法において、(1)の工程と(4)の工程との間で、(2)の工程と(3)の工程を複数回繰り返すことを特徴とする高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法。
  4. 高Crフェライト系耐熱鋼材がボイラチューブであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載の高Crフェライト系耐熱鋼材の製造方法。
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