JP2006149453A - 吸収体の製造設備および吸収体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維で構成されたトウからなる繊維集合体10を搬送する搬送ラインと、この搬送ライン上の繊維集合体10に対し、周期的に付与量を変化させつつ高吸収性ポリマーを付与するポリマー散布付与手段11と、高吸収性ポリマーを付与した繊維集合体10に気体を通過させ、気体の通過力により高吸収性ポリマーを繊維集合体10内に移動させるポリマー移動手段12とを用いて吸収体を製造する。
【選択図】図2
Description
<請求項1記載の発明>
繊維で構成されたトウからなる繊維集合体を搬送する搬送ラインと、
この搬送ライン上の繊維集合体に対し、周期的に付与量を変化させつつ高吸収性ポリマーを付与するポリマー付与手段と、
を備えたことを特徴とする吸収体製造設備。
このように繊維集合体に対し、周期的に付与量を変化させつつ高吸収性ポリマーを付与するポリマー付与手段を備えることによって、搬送方向に吸収特性を変化させたり、高吸収性ポリマーを有する部分と有しない部分を設けたりすることができる。
前記ポリマー付与手段により高吸収性ポリマーを付与した繊維集合体に気体を通過させ、気体の通過力により前記高吸収性ポリマーを前記繊維集合体内に移動させるポリマー移動手段を備えた、請求項1記載の吸収体製造設備。
本項記載の発明では、気体の通過力を利用して高吸収性ポリマーを繊維集合体内に移動させることができるため、単に散布させるだけの従来手法と比べて、より多くの高吸収性ポリマーが繊維集合体内に良好に保持されるようになる。よって、ジャリジャリとした手触り感を低減できる。また、吸収量等の吸収特性に意図しない偏りが発生し難くなる、換言すれば、吸収特性を意図した形態、例えば均一にするまたは不均一にすることができる。
前記ポリマー付与手段により高吸収性ポリマーを付与した繊維集合体に対し、気体の通過による高吸収性ポリマーの移動を行わない、請求項1記載の吸収体製造設備。
この場合、高吸収性ポリマーの殆どが繊維集合体の外部に位置する構造、すなわち高吸収性ポリマーからなる層と繊維集合体からなる層とを有する積層構造の吸収体を製造できる。このような吸収体は、繊維集合体の層側から吸収を行うように用いると、吸収速度が速くなるという利点がある。
前記ポリマー付与手段は、前記高吸収性ポリマーを搬送方向に間欠的に付与し、高吸収性ポリマーを付与した部分と付与していない部分とを搬送方向に交互に設けるものであり、高吸収性ポリマーを付与していない部分で個別の吸収体に切断するカッター装置を備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収体製造設備。
カッター刃の寿命が短くなる点について鋭意研究したところ、一般的に使用される高吸収性ポリマーの硬度が予想外に高いことが原因であることが判明した。本項記載の発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、高吸収性ポリマーの間欠的付与、ならびに高吸収性ポリマーを付与していない部分での切断によって、高吸収性ポリマーが殆ど存在しない部分での切断が可能となり、もってカッター刃の寿命の短命化を回避しようとするものである。また本項記載の発明によれば、切断箇所に高吸収性ポリマーが殆ど存在しないため、切断箇所から高吸収性ポリマーが零れ落ち難くなり、ポリマーの飛散やそれにともなう設備故障を防止できる。なお、本発明において高吸収性ポリマーを付与していない部分とは、高吸収性ポリマーの目付けが0.01g/cm2未満の部分をいう。
繊維で構成されたトウからなる繊維集合体と、高吸収性ポリマーと、これらを包むシートとを有する吸収体であって、
長手方向の一部分における高吸収性ポリマーの量が他の部分における高吸収性ポリマーの量よりも多い、ことを特徴とする吸収体。
本項記載の吸収体は、長手方向の一部分における高吸収性ポリマーの量が他の部分における高吸収性ポリマーの量よりも多くされており、吸収体の吸収特性を長手方向において異ならしめることができる。
前記長手方向両端部に、高吸収性ポリマーを実質的に有しない、請求項5記載の吸収体。
製造に際して吸収体の長手方向両端部を切断する場合に、カッター刃の寿命が短くなるのを防止できる。
繊維で構成されたトウからなる繊維集合体に接着剤を供給する、接着剤供給手段と、
接着剤を供給した後または接着剤を供給する前の繊維集合体の外面に高吸収性ポリマーを付与するポリマー付与手段と、
高吸収性ポリマーを付与した繊維集合体に気体を通過させ、気体の通過力により前記高吸収性ポリマーを前記繊維集合体内に移動させるポリマー移動手段と、
を備えたことを特徴とする吸収体の製造設備。
本項記載の発明では、気体の通過力を利用して高吸収性ポリマーを繊維集合体内に移動させることができ、また予め繊維集合体に供給しておいた接着剤により、繊維集合体内に移動したポリマーを固定することができる。このため、単に高吸収性ポリマーを繊維集合体に散布させるだけの従来手法と比べて、より多くの高吸収性ポリマーを繊維集合体内に確実に固定できるようになる。よって、ジャリジャリとした手触り感を低減できる。また、吸収量等の吸収特性に意図しない偏りが発生し難くなる、換言すれば、吸収特性を意図した形態、例えば均一にするまたは不均一にすることができる。一方、製造に際しては、高吸収性ポリマーがトウに接着された状態で搬送されるため、ポリマーの脱落、飛散もしくはこれに起因する設備故障等が防止される。
繊維で構成されたトウを圧縮エアーにより開繊し繊維集合体を形成する開繊手段と、この開繊手段から前記接着剤供給手段へ向かうエアーを遮る遮蔽手段とを備えた、請求項7記載の吸収体の製造設備。
圧縮エアーを用いた開繊手段が接着剤供給手段の前工程に設けられている場合、漏出した圧縮エアーが繊維集合体に沿って接着剤供給手段に流れ込み、接着剤の供給を乱したり、接着剤を乾燥させたりするおそれがあるが、本項記載の発明では、遮蔽手段を設けることによりこれらの問題が防止される。
繊維集合体における高吸収性ポリマーを付与した面にシートを被せる被覆手段を備えており、
前記ポリマー移動手段は、前記繊維集合体におけるシートを被せた面の反対側面から吸引を行うものであり、
前記シートに接着剤を塗布する手段を備えていない、請求項7または8記載の吸収体の製造設備。
このように繊維集合体の一方側にシートを配した状態で、その反対側から吸引を行うと、高吸収性ポリマーに作用する吸引力が増加し、より効率良く高吸収性ポリマーを移動させることができるようになるため好ましい。この場合、高吸収性ポリマーを固定するため、あるいは他の目的で接着剤をシートに塗布することも考えられたが、シートに接着剤を塗布すると、トウの蛇行、幅入り(搬送張力により長手方向中間部の幅が相対的に狭くなる現象)によって、接着剤が設備に付着するおそれがある。よって、本項記載の発明ではシートに接着剤を塗布しないことによって、接着剤の設備付着およびそれに起因して発生する諸問題を防止できるようにしたものである。
繊維で構成されたトウからなる繊維集合体と、高吸収性ポリマーとを有する吸収体であって、
前記高吸収性ポリマーが、前記繊維集合体の内部に分散されるとともに接着剤を介して繊維に接着されている、ことを特徴とする吸収体。
本発明の吸収体では、高吸収性ポリマーが繊維集合体の内部に分散されるとともに接着剤を介して繊維に接着されているため、単に高吸収性ポリマーが繊維集合体に散布されているだけの従来手法と比べて、より多くの高吸収性ポリマーが繊維集合体内に確実に固定されるようになる。よって、ジャリジャリとした手触り感が低減する。また、吸収量等の吸収特性に意図しない偏りが発生し難くなる、換言すれば、吸収特性を意図した形態、例えば均一にするまたは不均一にすることができる。
前記繊維集合体は繊維目付けが90〜30g/m2のものであり、前記高吸収性ポリマーは、粒径20〜250μmの粒子数が全粒子数の90%以上の粒子状高吸収性ポリマーであり、前記繊維集合体に対する高吸収性ポリマーの目付けが0.03g/cm2以下であり、かつ前記繊維集合体に対する接着剤の目付けが1g/m2以上である、請求項10記載の吸収体。
本項記載のような特定の繊維目付け、高吸収性ポリマーの粒径、高吸収性ポリマーの目付けおよび接着剤の目付けを採用すると、上記本発明の作用効果を発揮させる上で特に有利である。
請求項10または請求項11記載の吸収体を備えていることを特徴とする吸収性物品。
本発明の吸収性物品の吸収体では、高吸収性ポリマーが繊維集合体の内部に分散されるとともに接着剤を介して繊維に接着されているため、単に高吸収性ポリマーが繊維集合体に散布されているだけのものと比べて、より多くの高吸収性ポリマーが繊維集合体内に確実に固定されるようになる。よって、ジャリジャリとした手触り感が低減する。また、吸収量等の吸収特性に意図しない偏りが発生し難くなる、換言すれば、吸収特性を意図した形態、例えば均一にするまたは不均一にすることができる。
<繊維集合体の構成物>
本発明に用いる繊維集合体は、繊維で構成されたトウ(繊維束)からなるものである。トウ構成繊維としては、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などを用いることができるが、特に、セルロースエステルおよびセルロースが好ましい。
トウからなる本発明の繊維集合体は公知の方法により製造でき、その際必要に応じて、所望のサイズ、嵩となるように帯状に開繊することができる。トウの開繊幅は任意であり、例えば、幅100〜2000mm、好ましくは150〜1500mm程度とすることができる。トウを開繊すると、後述する高吸収性ポリマーの移動がより容易になるため好ましい。また、トウの開繊度合いを調整することにより、吸収体の密度を調整することができる。
次に、上述のようにして得られる維集合体を用いた本発明の吸収体製造設備例について説明する。図2は、本発明に係る製造設備例を示しており、所望の幅・密度のトウからなる連続帯状の繊維集合体10が供給されるようになっている。このため、この吸収体製造ラインを前述の繊維集合体ラインと直結し、製造した繊維集合体10を直接に吸収体製造ラインに送り込むことができる。
次に本発明に係る吸収体について詳説する。図4及び図5は、本発明に係る吸収体の第1の形態を示しており、この吸収体20は、繊維で構成されたトウからなる繊維集合体21と、高吸収性ポリマー22と、これらを包むシート23とを有するものであり、長手方向の一部分20Mにおける高吸収性ポリマーの量が他の部分20Eにおける高吸収性ポリマーの量よりも多くされているものである。具体的に図示例では、長手方向中間部20Mにおける高吸収性ポリマーの量が、長手方向前後部20E,20Eにおける高吸収性ポリマーの量よりも多くされている。また、図示例では、長手方向両端の切断部20C,20Cには高吸収性ポリマーが設けられていない。なお、図中では、高吸収性ポリマーの量の多少は点の濃淡で示している。このような形態は、高吸収性ポリマーの付与量を三段階(多い・少ない・無し)に設定し、少ない・多い・少ない・無しからなる周期を繰り返すことにより製造できる。
次に図11及び図12は、本発明に係る吸収体30の第2の形態を示しており、繊維集合体の幅方向中間部30Cにおける高吸収性ポリマーの量を、繊維集合体の長手方向両脇部30Sにおける高吸収性ポリマーの量よりも多くするのは好ましい形態である。この場合、体液吸収性物品(図示例は紙おむつDP)に幅方向を合わせて用いた場合、より多く体液が供給される幅方向中間部30Cの吸収量を多く確保することができる。
次に図13は、本発明に係る吸収体の第3の形態を示している。この吸収体40は、繊維で構成されたトウからなる繊維集合体及び高吸収性ポリマーを含むコア部分41と、これらを包むシート42とを有しており、特徴的には繊維集合体における高吸収性ポリマーの密度が相対的に高い部分40Cと低い部分40Sとを設けたものである。この密度の高低は図中ではグラデーションで示している。このように、繊維集合体における高吸収性ポリマーの密度が相対的に高い部分40Cと低い部分40Sとを設けると、吸収特性、特に吸収速度に意図的な偏りを持たせることができる。
次に図14は、本発明に係る吸収体の第4の形態を示しており、特徴的には、この吸収体50は繊維集合体における繊維密度が相対的に高い部分50Cと低い部分50Sとが設けられているものである。この密度の高低を図中では線の粗密で示している。トウからなる繊維集合体は、繊維の連続方向に沿って液を拡散する性質があり、この傾向は密度が高くなるほど顕著になる。よって、繊維集合体における繊維密度が相対的に高い部分50Cと低い部分50Sとを設けることによっても、吸収体50の吸収特性に意図する偏りをもたせることができる。
上記吸収体20を体液吸収性物品に用いる場合、どちらを体液受け入れ側として用いても良いが、特に、図5及び図7に示す形態では、繊維集合体側が体液受け入れ側となるように用いるのが好ましい。
Claims (12)
- 繊維で構成されたトウからなる繊維集合体を搬送する搬送ラインと、
この搬送ライン上の繊維集合体に対し、周期的に付与量を変化させつつ高吸収性ポリマーを付与するポリマー付与手段と、
を備えたことを特徴とする吸収体製造設備。 - 前記ポリマー付与手段により高吸収性ポリマーを付与した繊維集合体に気体を通過させ、気体の通過力により前記高吸収性ポリマーを前記繊維集合体内に移動させるポリマー移動手段を備えた、請求項1記載の吸収体製造設備。
- 前記ポリマー付与手段により高吸収性ポリマーを付与した繊維集合体に対し、気体の通過による高吸収性ポリマーの移動を行わない、請求項1記載の吸収体製造設備。
- 前記ポリマー付与手段は、前記高吸収性ポリマーを搬送方向に間欠的に付与し、高吸収性ポリマーを付与した部分と付与していない部分とを搬送方向に交互に設けるものであり、高吸収性ポリマーを付与していない部分で個別の吸収体に切断するカッター装置を備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収体製造設備。
- 繊維で構成されたトウからなる繊維集合体と、高吸収性ポリマーと、これらを包むシートとを有する吸収体であって、
長手方向の一部分における高吸収性ポリマーの量が他の部分における高吸収性ポリマーの量よりも多い、ことを特徴とする吸収体。 - 前記長手方向両端部に、高吸収性ポリマーを実質的に有しない、請求項5記載の吸収体。
- 繊維で構成されたトウからなる繊維集合体に接着剤を供給する、接着剤供給手段と、
接着剤を供給した後または接着剤を供給する前の繊維集合体の外面に高吸収性ポリマーを付与するポリマー付与手段と、
高吸収性ポリマーを付与した繊維集合体に気体を通過させ、気体の通過力により前記高吸収性ポリマーを前記繊維集合体内に移動させるポリマー移動手段と、
を備えたことを特徴とする吸収体の製造設備。 - 繊維で構成されたトウを圧縮エアーにより開繊し繊維集合体を形成する開繊手段と、この開繊手段から前記接着剤供給手段へ向かうエアーを遮る遮蔽手段とを備えた、請求項7記載の吸収体の製造設備。
- 繊維集合体における高吸収性ポリマーを付与した面にシートを被せる被覆手段を備えており、
前記ポリマー移動手段は、前記繊維集合体におけるシートを被せた面の反対側面から吸引を行うものであり、
前記シートに接着剤を塗布する手段を備えていない、請求項7または8記載の吸収体の製造設備。 - 繊維で構成されたトウからなる繊維集合体と、高吸収性ポリマーとを有する吸収体であって、
前記高吸収性ポリマーが、前記繊維集合体の内部に分散されるとともに接着剤を介して繊維に接着されている、ことを特徴とする吸収体。 - 前記繊維集合体は繊維目付けが90〜30g/m2のものであり、前記高吸収性ポリマーは、粒径20〜250μmの粒子数が全粒子数の90%以上の粒子状高吸収性ポリマーであり、前記繊維集合体に対する高吸収性ポリマーの目付けが0.03g/cm2以下であり、かつ前記繊維集合体に対する接着剤の目付けが1g/m2以上である、請求項10記載の吸収体。
- 請求項10または請求項11記載の吸収体を備えていることを特徴とする吸収性物品。
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