JP4397745B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、紙おむつや、生理用ナプキン、尿取りパッド、失禁パッド等の吸収性物品に適用可能な体液吸収構造に関するものである。
紙おむつや、生理用ナプキン、尿取りパッド、失禁パッド等の吸収性物品は、一般に、表面シートの下に、体液保持性を有する吸収材が備えられた体液吸収構造を有する。そして、従来、かかる体液保持性を有する吸収材は、例えば、綿状パルプや合成パルプなどのパルプや、フラッフ状パルプ中に、粒状粉などとされた高吸収性ポリマーが混入された材料で形成されていた。しかしながら、これらの材料からなる吸収材は、体液を吸収するスピードが遅いため、体液は、吸収材に吸収される前に、物品端部にまで移動してしまい、その端部から漏れが生じるおそれがあった。
そこで、近年では、表面シートと体液保持性を有する吸収材との間に、不織布シートを介在させるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。この不織布シートは、体液をすばやく吸収して、体液の物品端部への移動を阻止する機能を有する。
しかしながら、不織布シートは、体液の吸収容量が少ないことから、不織布シートを介在させた体液吸収構造には、次のような問題が残った。
すなわち、不織布シートは、吸収した体液を、そのまま透過させて体液保持性を有する吸収材に吸収させるところ、体液保持性を有する吸収材は、前述したように、体液を吸収するスピードが遅いため、不織布シートの体液透過性が、いわば入口は広いが出口は狭い先詰まりの状態になる。したがって、体液の吸収容量が少ない不織布シートでは、体液を繰り返し吸収しなければならない場合など、多量の体液を吸収する場合に、オーバーフローの状態に陥り、体液の物品端部への移動を完全に阻止することができず、漏れが生じるおそれがあった。
特表2001−524399号公報
本発明の解決しようとする主たる課題は、体液の漏れ防止効果を完全なものとすることができる体液吸収構造を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
表面シートの下に、体液保持性を有する吸収材が備えられるとともに、
前記表面シートと前記体液保持性を有する吸収材との間に、体液透過性を有する吸収材が介在された、吸収性物品であって、
前記体液透過性を有する吸収材は、繊度1〜16デニールのセルロースアセテート連続繊維のトウからなる、空隙率が60〜85%の繊維集合体であり、
前記体液透過性を有する吸収材は、前記体液保持性を有する吸収材の幅方向中央部上にのみ設けられ、0022
前記体液保持性を有する吸収材の上面における、前記体液透過性を有する吸収材の両側縁の側方に、長手方向に沿う条溝が圧搾加工によりそれぞれ形成されている、ことを特徴とする吸収性物品
〔請求項記載の発明〕
前記体液透過性を有する吸収材は、前記体液保持性を有する吸収材の幅方向中央かつ長手方向中央の部分上にのみ設けられ、
前記体液保持性を有する吸収材の上面における、前記体液透過性を有する吸収材の前縁の前方及び後縁の後方に、幅方向に沿う条溝が圧搾加工によりそれぞれ形成されている、請求項1記載の吸収性物品
〔請求項記載の発明〕
前記体液保持性を有する吸収材が、トウからなる繊維集合体と、その分散された高吸収性ポリマーと、前記繊維集合体を被覆する液透過性シートとを有するものである、請求項1又は2記載の吸収性物品
〔請求項記載の発明〕
表面シートと前記体液透過性を有する吸収材との間に、体液透過性を有する吸収シートが介在されており、
この吸収シートの両側部が、前記体液透過性を有する吸収材の幅方向両側縁よりも側方にそれぞれ延出されるとともに、この延出部分と重なる位置に、前記長手方向に沿う条溝が形成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品
〔請求項記載の発明〕
前記体液透過性を有する吸収材は、前記体液保持性を有する吸収材の幅方向中央かつ長手方向中央の部分上にのみ設けられるとともに、クレープ紙によって被覆されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
本発明によると、体液の漏れ防止効果を完全なものとすることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
〔用途〕
本発明の体液吸収構造は、尿や径血等の体液を吸収する物品一般に適用することができる。この種の体液吸収性物品としては、例えば、紙おむつや、生理用ナプキン、尿取りパッド、失禁パッド等を例示することができる。
〔体液吸収構造〕
(第1の形態)
図1に示すように、第1の形態の体液吸収構造50は、使用面側に位置する表面シート51の下に、体液保持性を有する吸収材53Aが備えられている。そして、表面シート51と体液保持性を有する吸収材53Aとの間には、従来、不織布シートが介在されていたのに替えて、トウからなる繊維集合体を含む体液透過性を有する吸収材52が、介在されている。トウからなる繊維集合体は、不織布シートに比して、体液の吸収容量が著しく多いので、体液を繰り返し吸収しなければならない場合など、多量の体液を吸収する場合においても、オーバーフローの状態に陥ることがなく、体液の物品端部への移動を完全に阻止することができる。したがって、本体液吸収構造50によると、体液の漏れ防止効果が完全なものとなる。
なお、本体液吸収構造50においては、体液保持性を有する吸収材53Aの裏面側を、例えば、体液透過性を有しない裏面シート54で覆うことができる。これにより、物品裏面側への体液の漏れが防止される。
(第2の形態)
図2に示すように、第2の形態の体液吸収構造60は、使用面側に位置する表面シート51の下に、体液保持性を有する吸収材53Bが備えられている。そして、この体液保持性を有する吸収材53Bが、トウからなる繊維集合体内に高吸収性ポリマーを移動させて得た吸収材で形成されている。トウからなる繊維集合体内に高吸収性ポリマーを移動させて得た吸収材は、体液を吸収するスピードが速いうえに、体液の吸収容量が著しく多いので、体液を繰り返し吸収しなければならない場合など、多量の体液を吸収する場合においても、オーバーフローの状態に陥ることがなく、体液の物品端部への移動を完全に阻止することができる。したがって、本体液吸収構造60によっても、体液透過性を有する吸収材52及び体液保持性を有する吸収材53Aが備えられた第1の形態と同様に、体液の漏れ防止効果が完全なものとなる。
(第3の形態)
図3に示すように、第3の形態の体液吸収構造70は、第1の形態の体液吸収構造50を応用したものである。本体液吸収構造70においては、表面シート51とトウからなる繊維集合体を含む吸収材、つまり体液透過性を有する吸収材52との間に、体液透過性を有する吸収シート55が、介在されている。本体液吸収構造70においては、吸収シート55の下に備えられた体液透過性を有する吸収材52が、トウからなる繊維集合体を含むものであり、吸収スピードが極めて速いため、吸収シート55は、体液透過性に関して、いわば入口とともに出口も広い状態になり、体液が直ちに透過(通過)してしまうことになる。したがって、吸収シート55は、いったん体液を吸収しても、その後、直ちにさらっとした状態に戻ることになり、表面シート51を介しての逆戻りが防止され、肌触りが良好になる。もちろん、吸収シート55を介在させることにより、体液透過性を有する部材全体(本形態では、吸収材52及び吸収シート55)の吸収容量が増えるとの利点もある。
(第4の形態)
図4に示すように、第4の形態の体液吸収構造80は、第2の形態の体液吸収構造60を、第3の実施の形態と同様の観点に基づいて、応用したものである。本体液吸収構造80においては、表面シート51とトウからなる繊維集合体を含む吸収材、つまり体液保持性を有する吸収材53Bとの間に、体液透過性を有する吸収シート55が、介在されている。本体液吸収構造80においては、吸収シート55の下に備えられた体液保持性を有する吸収材53Bが、トウからなる繊維集合体を含むものであり、吸収スピードが極めて速いため、吸収シート55は、体液透過性に関して、第3の形態の場合と同様の状態になり、体液が直ちに透過(通過)してしまうことになる。したがって、吸収シート55は、いったん体液を吸収しても、その後、直ちにさらっとした状態に戻ることになり、表面シート51を介しての逆戻りが防止され、肌触りが良好になる。もちろん、本形態においても、吸収シート55を介在させることにより、吸収容量が増えるとの利点がある。
体液透過性を有する吸収材の介在領域
以上の形態では、体液透過性を有する吸収材52が、いかなる領域に介在されるかを、特に示さなかったが、本発明では、その介在領域表面シート51の下の一部に限定される
一部に介在させる形態としては、例えば、図7や図8、図11、図12などに示すように、幅方向中央部かつ長手方向中央部のみに介在させる形態や、図9及び図10に示すように、幅方向中央部に、かつ前端縁から後端縁まで延在するように、介在させる形態などを、例示することができる。前者の形態(図7など)によると、図7の右側に示すように、前後端部を折り曲げるなどして3つ折り等に折り重ねた場合の厚さが、厚くならず、商品として提供するのに好ましい構造となる。また、後者の形態(図9など)によると、長手方向に関して広い領域で体液が吸収されることになる点で、好ましい構造となる。
ところで、以上、図7〜図12の例では、体液透過性を有する吸収材52の配置を、一部としているほか、一部としたことによって体液透過性を有する吸収材52に覆われないことになった体液保持性を有する吸収材53Aに、エンボス等による圧搾加工を施し(この圧搾加工は、表面シート1などを重ねた状態で、行うことができる。)、もって条溝56を形成している。これは、体液が、条溝56を跨いでの拡散をしにくい、条溝56に沿った拡散をし易い、という特性を利用して、体液の拡散をコントロールする趣旨である。
具体的には、例えば、図7に示すように、体液透過性を有する吸収材52の前方及び後方に、それぞれ幅方向に沿って条溝56,56を形成した形態によると、体液透過性を有する吸収材52を伝わって拡散してきた体液が、条溝56,56でとどめられ、それよりも前方又は後方には拡散しにくくなる。したがって、前後漏れを防止し易い構造となる。また、この形態によると、体液の幅方向への拡散は、迅速になされることになる。一方、図8〜図10に示すように、体液透過性を有する吸収材52の側方や前方、後方などに、それぞれ長手方向に沿って条溝56,56を形成した形態によると、体液透過性を有する吸収材52を伝わって拡散してきた体液が、条溝56,56でとどめられ、それよりも側方には拡散しにくくなる。したがって、横漏れを防止し易い構造となる。また、この形態によると、体液の長手方向への拡散は、迅速になされることになる。
もちろん、条溝56,56は、以上の形態のように、幅方向あるいは長手方向に一直線に形成しなければならないものではない。例えば、図10に示すように、その後端部56A,56Aが、幅方向に広がった形態とすることもできる。適宜、体液を拡散させたい方向に沿う条溝56を形成し、また、体液を拡散させたくない方向に直交する条溝56を、形成するとよい。また、条溝56,56は、以上の形態のように、幅方向及び長手方向のいずれか一方に沿わせなければならないものではなく、例えば、図11及び図12に示すように、体液透過性を有する吸収材52の周囲を囲むように形成することもできる。この際、例えば、セカンドシートなどとして、吸収シート55を介在させるのであれば、図11に示すように、条溝56を、その全てが、吸収シート55上に位置するように形成することも、図12に示すように、その前後端部が、吸収シート55から外れるように形成することもできる。
以上の条溝56は、さまざまな態様で形成することができるが、図示例のように、体液透過性を有する吸収材52を跨がないように形成するのが好ましい。本発明において、かかる吸収材52は、トウからなる繊維集合体を含むものであるところ、トウからなる繊維集合体は、体液吸収によりへたり易く、したがって、体液透過性を有する吸収材52上に条溝56を形成しても、体液吸収によって、条溝56両側方の吸収材52も沈んでしまい、条溝56による効果が、発揮されなくなってしまうためである。また、特にトウからなる繊維集合体の構成繊維が、セルロースアセテートである場合は、セルロースアセテートの融点が230℃と高く、例えば、エンボスなどを深く入れることができないため、体液透過性を有する吸収材52を跨がないように形成する必要性が大きくなる。
〔体液吸収性物品及びその製造例〕
次に、本発明の体液吸収構造を適用した吸収性物品、及び、その製造例について、説明する。
(第1の例)
図13に平面図を、図14にそのI−I線断面図を示すように、第1の吸収性物品は、表面シート51と裏面シート54との間に、長方形状の体液保持性を有する吸収材53Aが介在されており、この吸収材53Aと表面シート51との間に、トウからなる繊維集合体を含む体液透過性を有する吸収材52が介在されている。
表面シート51及び裏面シート54は、本物品の平面外形と同じ形状とされており、その両側部は、体液保持性を有する吸収材53Aの両側縁よりも側方に延出している。この延出は、特に、長手方向中央部において、大きくなっており、この大きく延出した部位が、例えば、使用時にショーツ等の被服の外面に重なる方向に折り返される、折り返しフラップとなっている。また、表面シート51及び裏面シート54は、少なくともその前後端部C,Cが、例えば、ホットメルト接着、超音波シール、ヒートシール(熱融着)、ヒートプレス(熱圧着)又はこれらの組み合わせによって、本例では、ヒートシールによって、接合されている。
一方、体液透過性を有する吸収材52は、体液保持性を有する吸収材53Aの幅方向中央部のみに介在されており、また、その前後端縁は、体液保持性を有する吸収材53Aの前後端縁位置まで、延在している。
本吸収性物品を製造するにあたっては、例えば、図15に示すように、まず、コンベア等の搬送手段などによって搬送される帯状の体液保持性を有する吸収材53Aの表面に、塗布装置21によって、ホットメルト接着剤等の接着剤を塗布する。次いで、その上に、体液透過性を有する吸収材52を載せて、接着剤の接着力により、両者を接合する。
接合された吸収材52及び53Aは、裁断機22まで搬送されて、裁断され、各物品に備えられる長さの吸収材52及び53Aとなる。したがって、吸収材52及び53Aの裁断部が、各物品に備えられる吸収材52及び53Aの前後端縁となり、先に説明したように、体液透過性を有する吸収材52の前後端縁が、体液保持性を有する吸収材53Aの前後端縁位置まで、延在した状態となる。
裁断した吸収材52及び53Aは、搬送されつつ、リール23から巻き出された表面シート51、及びリール24から巻き出された裏面シート54が、それぞれ吸収材52の表面、又は吸収材53Aの裏面に貼り合わされる。
表面シート51及び裏面シート54が貼り合わされた吸収材52及び53Aは、例えば、エンボス付与装置25まで搬送して、エンボスを付与することができる(なお、図13及び図14では、エンボスの記載を省略している。)。このエンボスの付与は、例えば、体液透過性を有する吸収材52の両側方に、物品長手方向に沿うように、行うことができる(図10参照)。
エンボスを付与するなどの適宜の加工をした吸収材52及び53Aは、ヒートシール装置26まで搬送され、その表裏面に貼り合わされた表面シート51と裏面シート54とが、ヒートシール接合される。このヒートシール接合は、各吸収材52及び53Aと、その前後において搬送される吸収材52及び53Aと、の間のほぼ中間位置、つまり吸収材52及び53Aが介在されていない位置において行われる。このヒートシール箇所は、本物品の前後端縁を構成することになる。
(第2の例)
図16に平面図を、図14にそのI−I線断面図を(なお、この断面図は、第1の例と同じなので、第1の例を説明するに際して用いた図を、流用している。)、図17にそのII−II線断面図を示すように、第2の吸収性物品は、第1の吸収性物品と、ほぼ同じ形態とされている。
ただ、本吸収性物品においては、体液透過性を有する吸収材52が、体液保持性を有する吸収材53Aの幅方向中央部のみに介在されているものの、その前後端縁は、表面シート51及び裏面シート54の前後端縁位置まで、延在している(図17参照)。この点、体液の前後漏れを防止するという観点や、表面シート51及び裏面シート54の前後端縁の接合を確実なものとするという観点からは、先に説明した第1の吸収性物品のように、体液透過性を有する吸収材52の前後端縁が、体液保持性を有する吸収材53Aの前後端縁位置まででとどまっているほうが好ましい。しかしながら、製造容易性の観点などからの必要性がある場合は、本形態のようにすることもできる。
具体的には、本吸収性物品を製造するにあたっては、例えば、図18に示すように、コンベア等の搬送手段などによって搬送される帯状の体液保持性を有する吸収材53Aを、まず、単独で裁断して、各物品に備えられる長さの吸収材53Aとすることができる。この点、先に説明した第1の製造例のように、吸収材53Aに吸収材52を接合してから裁断しようとすると、特に、本形態のように、吸収材53Aと吸収材52の嵩高さ、柔らかさ等の物性が異なる場合は、正確かつ確実に裁断することができないおそれがある。しかしながら、本製造例のように、吸収材53Aを単独で断裁するのであれば、かかる問題が生じないのである。
本製造例において、裁断した吸収材53Aは、その表面に、塗布装置21によって、ホットメルト接着剤等の接着剤を塗布し、その上に、体液透過性を有する吸収材52を載せて、接着剤の接着力により、両者を接合する。
接合された吸収材52及び53Aは、以後、第1の製造例と同様に、表面シート51及び裏面シート54の貼り合わせやエンボスの付与、ヒートシール接合が、行われる。
ただ、本製造例においては、ヒートシール接合を、体液透過性を有する吸収材52が裁断されていない状態において行うので、ヒートシール箇所には、かかる吸収材52が、介在されていることになる。つまり、本製造例によると、体液透過性を有する吸収材52が、表面シート51及び裏面シート54の前後端縁位置(物品前後端縁位置)まで、延在する吸収性物品が、製造されることになる。
(第3の例)
図19に平面図を、図20にそのIII−III線断面図を示すように、第3の吸収性物品も、第1や第2の吸収性物品と、ほぼ同じ形態とされている。
ただ、本吸収性物品においては、体液透過性を有する吸収材52が、体液保持性を有する吸収材53Aの幅方向中央部かつ長手方向中央部のみに介在され、しかも、かかる吸収材52が、クレープ紙57によって、被覆されている。この点、先に説明したように、体液透過性を有する吸収材52を、長手方向中央部のみに介在させると、3つ折り等に折り重ねた場合の厚さが軽減し、商品として提供するのに好ましいものとなるが(図7参照)、使用時において、形状が崩れ、介在の効果が発揮されなくなる可能性もある。しかしながら、本物品のように、クレープ紙57で被覆しておくと、かかる可能性が低減する。
このクレープ紙57を被覆する方法は、特に限定されず、例えば、図21に示す方法によることができる。
すなわち、本方法においては、まず、コンベア等の搬送手段などによって搬送されるクレープ紙57の表面に、塗布装置21によって、ホットメルト接着剤等の接着剤を塗布する。本工程において、クレープ紙57は、帯状で、かつ体液透過性を有する吸収材52よりも幅広とされている。
クレープ紙57の表面に接着剤を塗布したら、次いで、その上に、体液透過性を有する吸収材52を載せて、接着剤の接着力により、両者を接合する。そして、クレープ紙57及び吸収材52を、搬送手段によって、搬送しつつ、この搬送過程において、セーラー27によって、クレープ紙57の両側部を、吸収材52の両側端を回りこませて折り返し被覆する。これにより、体液透過性を有する吸収材52は、その幅方向への形状崩れが、クレープ紙57による抑え込みにより、その前後方向への形状崩れが、クレープ紙57との接合により、抑制されることになる。
クレープ紙57で被覆された体液透過性を有する吸収材52は、その後、裁断機22で裁断して、本物品に備えられる長さとする。
(その他の例)
以上、第1〜第3の例では、表面シート51と体液保持性を有する吸収材53Aとの間に、体液透過性を有する吸収材52が、1本(1枚)介在される物品について、説明した。ただし、体液透過性を有する吸収材52を、1本(1枚)に限定する趣旨ではない。
例えば、図22〜図24に示すように、2枚、3枚、4枚又はそれ以上の複数枚(本)を、図示例では、上側吸収材52A及び下側吸収材52Bの2枚を、積層介在させることも、図26に示すように、2本、3本、4本又はそれ以上の複数本を、図示例では、中央吸収材52C及び両側吸収材52D,52Dの3本を、並列介在させることもできる。
体液透過性を有する吸収材52を、積層介在させる方法や、並列介在させる方法は、特に限定されない。例えば、積層介在させる場合であれば、図25に示すように、配置調節手段28の一対のロール間に、その斜め上方及び下方から、それぞれ上側吸収材52A又は下側吸収材52Bを送り込むことにより、積層状態とすることができる。この際、上側吸収材52A及び下側吸収材52Bの幅を適宜設計することにより、図22〜図24に示す形態の吸収性物品を製造することができる。なお、図22の吸収性物品においては、上側吸収材52Aに比して、下側吸収材52Bが、幅狭となっている。また、図23の吸収性物品においては、上側吸収材52A及び下側吸収材52Bが、同じ幅となっている。さらに、図24の吸収性物品においては、上側吸収材52Aが、下側吸収材52Bに比して、幅狭となっている。
一方、体液透過性を有する吸収材52を、並列介在させる場合であれば、図27に示すように、配置調節手段29の一対のロール間に、その中央及び斜め両側方から、それぞれ吸収材52C又は52D,52Dを送り込み、並列状態とすることができる。
〔各部材の素材等〕
(トウからなる繊維集合体)
トウからなる繊維集合体とは、繊維で構成されたトウ(繊維束)からなる(トウを原材料として製造された)ものである。トウ構成繊維としては、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などを用いることができるが、特に、セルロースエステル及びセルロースが好ましい。
セルロースとしては、綿、リンター、木材パルプなど植物体由来のセルロースやバクテリアセルロースなどが使用でき、レーヨンなどの再生セルロースであってもよく、再生セルロースは紡糸された繊維であってもよい。セルロースの形状と大きさは、実質的に無限長とみなし得る連続繊維から長径が数ミリ〜数センチ(例えば、1mm〜5cm)程度のもの、粒径が数ミクロン(例えば、1〜100μm)程度の微粉末状のものまで、様々な大きさから選択できる。セルロースは、叩解パルプなどのように、フィブリル化していてもよい。
セルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネートなどの有機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;ポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などを用いることができる。これらのセルロースエステルは、単独で、又は二種類以上混合して使用することができる。セルロースエステルの粘度平均重合度は、例えば、50〜900、好ましくは200〜800程度である。セルロースエステルの平均置換度は、例えば、1.5〜3.0(例えば、2〜3)程度である。
セルロースエステルの平均重合度は、例えば10〜1000、好ましくは50〜900、さらに好ましくは200〜800程度とすることができ、セルロースエステルの平均置換度は、例えば1〜3程度、好ましくは1〜2.15、さらに好ましくは1.1〜2.0程度とすることができる。セルロースエステルの平均置換度は、生分解性を高める等の観点から選択することができる。
セルロースエステルとしては、有機酸エステル(例えば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエステル)、特にセルロースアセテートが好適である。セルロールアセテートは、特に空隙率を高くすることができ、体液の吸収容量を増やすに適するためである。具体的には、例えば、体液透過性を有する吸収材52であれば、空隙率(空隙の容量/吸収材全体の容量×100)を、好ましくは60〜85%と、より好ましくは75〜85%とすることができる。
また、セルロースアセテートの酢化度は、43〜62%程度である場合が多いが、特に30〜50%程度であると生分解性にも優れるため好ましい。
トウ構成繊維は、種々の添加剤、例えば、熱安定化剤、着色剤、油剤、歩留り向上剤、白色度改善剤等を含有していても良い。
トウ構成繊維の繊度は、例えば、1〜16デニール、好ましくは1〜10デニール、さらに好ましくは2〜8デニール程度とすることができる。トウ構成繊維は、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ(2.54cm)当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。捲縮繊維を用いると、嵩高で軽量な吸収材を製造することができるとともに、繊維間の絡み合いにより一体性の高いトウを容易に製造できる。トウ構成繊維の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などのいずれであってもよい。トウ構成繊維は、例えば、3,000〜1,000,000本、好ましくは5,000〜1,000,000本程度の単繊維を束ねることにより形成されたトウ(繊維束)の形で使用することができる。繊維束は、3,000〜1,000,000本程度の連続繊維を集束して構成するのが好ましい。
トウは、繊維間の絡み合いが弱いため、体液の吸収を繰り返した場合においても、広い空隙を確保する目的で、繊維の接触部分を接着又は融着する作用を有するバインダーを用いるのが好ましい。
バインダーとしては、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン酸トリエチルエステルなどのエステル系可塑剤の他、各種の樹脂接着剤、特に熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂は、溶融・固化により接着力が発現する樹脂であり、水不溶性又は水難溶性樹脂、及び水溶性樹脂が含まれる。水不溶性又は水難溶性樹脂と水溶性樹脂とは、必要に応じて併用することもできる。
水不溶性又は水難溶性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系の単独又は共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体などのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体などのスチレン系重合体、変性されていてもよいポリエステル、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド、ロジン誘導体(例えば、ロジンエステルなど)、炭化水素樹脂(例えば、テルペン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、石油樹脂など)、水素添加炭化水素樹脂などを用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は一種又は二種以上使用できる。
水溶性樹脂としては、種々の水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニル単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基又はそれらの塩を有する共重合性単量体との共重合体などのビニル系水溶性樹脂、アクリル系水溶性樹脂、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミドなどを用いることができる。これらの水溶性樹脂は、単独で使用できるとともに二種以上組合せて使用してもよい。
熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、充填剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤などの種々の添加剤を添加してもよい。
繊維集合体は、トウを原材料として、公知の方法により製造することができ、その際、必要に応じて、所望のサイズ、嵩となるように帯状に開繊することができる。トウの開繊幅は任意であり、例えば、幅100〜2000mm、好ましくは150〜1500mm程度とすることができる。トウを開繊すると、後述する高吸収性ポリマーの移動がより容易になるため好ましい。また、トウの開繊度合いを調整することにより、吸収材の空隙率を調整することができる。
トウの開繊方法としては、例えば、トウを複数の開繊ロールに掛渡し、トウの進行にともなって次第にトウの幅を拡大して開繊する方法、トウの緊張(伸長)と弛緩(収縮)とを繰返して開繊する方法、圧縮エアーを用いて拡幅・開繊する方法などを用いることができる。
図5は開繊設備例を示す概略図である。この例では、原反となるトウ1が順次繰り出され、その搬送過程で、圧縮エアーを用いる拡幅手段2と下流側のロールほど周速の速い複数の開繊ニップロール3,4,5とを組み合わせた開繊部を通過され拡幅・開繊された後、バインダー添加ボックス6に通され、バインダーを付与(例えばトリアセチンのミストをボックス中に充満させる)され、所望の幅・密度のトウからなる繊維集合体10として形成されるようになっている。
(表面シート51)
本実施の形態において、表面シート51は、体液を透過する性質を有する。したがって、表面シート51の素材は、この体液透過性を発現するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、本表面シート51は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合わせて得た積層シートからなるものであってもよい。
(体液透過性を有する吸収材52)
本実施の形態において、吸収材52は、表面シート51と同様に、体液を透過する性質を有する。しかしながら、吸収材52は、前述したトウからなる繊維集合体を含む必要があり、トウからなる繊維集合体のみからなると、より好ましいものとなる。トウからなる繊維集合体は、空隙が多く、体液の吸収容量が多くなるためである。
本実施の形態において、吸収材52の状態は、特に限定されない。例えば、1枚のシート状とすることや、2枚、3枚、4枚又はそれ以上の複数枚を積層させた積層シート状とすることや、コア状とすることなどができる。
(体液保持性を有する吸収材53A,53B)
本実施の形態において、体液保持性を有する吸収材53A及び53Bは、ともに吸収した体液を、保持する性質を有する。しかしながら、その素材として、トウからなる繊維集合体を含む必要がないもの(符号53Aで示す吸収材。)と、トウからなる繊維集合体を含む必要があるもの(符号53Bで示す吸収材。)と、に分かれる。
前者の吸収材53Aは、その素材が、特に限定されない。例えば、綿状パルプや合成パルプなどのパルプ単体からなるものや、フラッフ状パルプ中に、粒状粉などとされた高吸収性ポリマーが混入されたものなどの、公知の素材を例示することができる。また、このうちのパルプの原料繊維は、特に限定されず、例えば、機械パルプ、化学パルプ、溶解パルプ等の木材から得られるセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維などを例示することができる。ただし、セルロース繊維の原材料となる木材は、広葉樹より針葉樹の方が、繊維長が長いため、機能及び価格の面で好ましい。
他方、後者の吸収材53Bは、トウからなる繊維集合体内に高吸収性ポリマーを移動させて得た吸収材で形成されている。そこで、この吸収材について、詳しく説明する。
図6は、吸収材53Bの製造設備例を示しており、所望の幅・密度のトウからなる連続帯状の繊維集合体10が供給されるようになっている。このため、この吸収材製造ラインを前述の繊維集合体製造ラインと直結し、製造した繊維集合体10を直接に吸収材製造ラインに送り込むことができる。
供給された繊維集合体10は、まず、ポリマー散布ボックス11に通され、上面に高吸収性ポリマーが散布された後、吸引ドラム12に送り込まれる。この吸引ドラム12は、外周壁に吸気孔を有し、その周方向所定範囲(図示例では略左半分の範囲)にわたり内側から図示しない吸引ポンプにより吸引するように構成したものである。高吸収性ポリマーが散布された繊維集合体10は、吸引ドラム12により外周面に接触されつつ案内される。そして、この過程で、吸引ドラム12の吸気孔から吸引を行うことにより、高吸収性ポリマー付与側から繊維集合体内を通り反対側へ雰囲気が通過され、その通過力により高吸収性ポリマーが、繊維集合体10内に移動される。
高吸収性ポリマーとしては、自重の、例えば、10倍以上の体液を吸収して保持するものを使用できる。この例として、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマーの形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマーの散布量(目付け量)は、当該吸収材の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、例えば、3〜400g/m2とすることができる。
特に好ましい形態では、繊維集合体10上に高吸収性ポリマーを散布した後、更にその上にシート13を被せる。この場合、吸引ドラム12において、繊維集合体10におけるシート13を被せた面の反対側面から吸引がなされる。このように、吸引に先立ってシート13が被されていると、何も被せない場合と比較して、より強力な吸引力が高吸収性ポリマーに作用し、効率良く高吸収性ポリマーを繊維集合体10内部へ移動・分散させることができる。このシート13としては、クレープ紙、不織布、孔開きシート等の液透過性シートを用いることができる。
高吸収性ポリマーを繊維集合体10に固定するために、高吸収性ポリマーを付与する前の繊維集合体10に、接着剤を塗布するのも好ましい形態である。このため、図示のように、ポリマー散布ボックス11の上流側に、接着剤塗布装置14を、配設することができる。
また、シート13を被せる場合、シート13を被せるのに先立ち、シート13の繊維集合体10側となる面に接着剤を供給するのも好ましい形態である。このため、図示形態では、吸引ドラム12に対するシート供給経路に接着剤塗布装置15を備えている。この形態を採用すると、繊維集合体10表面に露出する高吸収性ポリマーは接着剤を介してシート13に固定され、未接着の高吸収性ポリマーは、後の吸引により繊維集合体10内部へ移動されるようになる。
さらにまた、吸引後、つまり高吸収性ポリマーを移動させた後の繊維集合体10に対して接着剤を供給するのも好ましい形態である。このため、図示形態では吸引ドラム12の下流側における繊維集合体10の露出側面(シート13側と反対面、図中では上面)に、接着剤塗布装置16を備えている。この形態を採用すると、付与された高吸収性ポリマーのうち繊維集合体10におけるポリマー付与側と反対側に移動した高吸収性ポリマーを繊維集合体10に固定できる。また、繊維集合体10の露出側面に、別途シートを被せる或いはシート13の両脇部を繊維集合体10の両端を回りこませて折り返し被覆する場合、繊維集合体10の露出側面に移動した高吸収性ポリマーを、当該シート13に対して固定することができる。
これらの接着剤の供給は、いずれか1つ又は2つ以上を組み合わせて適用することができる。接着剤としては、熱可塑性樹脂(具体例は前述のとおりである)からなる接着剤を好適に用いることができる。
そして、かくして高吸収性ポリマーが付与された繊維集合体10は、例えば、別途シートを被せる、あるいは図示のようにセーラーによりシート13の両脇部を繊維集合体10の両端を回りこませて折り返し被覆した後、所定の長さに切断されて個別の吸収材53Bとされる。
他方、繊維集合体10に対する高吸収性ポリマーの量的配置、密度分布、繊維密度は汎用を目的とする場合には均一であるのが好ましいが、特別の吸収特性を発揮させることを目的とした場合、その目的に応じて偏らせるのも好ましい。
具体的に図示形態に応用する場合、ポリマー散布ボックス11において、散布量を平面方向に偏らせることができる。特に、紙おむつや生理用ナプキン等の体液吸収性物品においては、吸収材の幅方向中央部の吸収量を増大させることが要望される場合が多く、この場合、ポリマー散布ボックス11において、繊維集合体10の幅方向中央部に対し、両脇部よりも多量の高吸収性ポリマーを散布することができる。
また、吸引ドラム12における吸引力を偏らせることにより、吸引力の高い位置ほど、より多くの量の高吸収性ポリマーが吸引ドラム12側に位置するようになるため、高吸収性ポリマーの密度を偏らせることができる。例えば、吸引ドラム12の幅方向中央における吸引力を両脇部よりも高くする(あるいは吸引時間を長くすることでも良い)ことにより、繊維集合体10の幅方向中央部における高吸収性ポリマーの密度を両脇部よりも高くすることができる。このような構造では、中央部は吸収速度が遅くなり、両脇部の吸収速度が高くなるため、体液吸収性物品に用いた場合には、体液が吸収体全体に広がり易くなる、つまり拡散性が向上する。
さらにまた、トウからなる繊維集合体10は、繊維の連続方向に沿って液が流れ易くなるため、繊維の密度を偏らせることによって特別の吸収特性を付与することができる。このような繊維密度を偏らせる手段としては、繊維集合体10の製造時において偏った開繊を行う、あるいは部分的に複数のトウを束ねて用いる等により達成できる。具体的な偏らせ方としては、例えば、繊維集合体10の幅方向中央部の繊維密度を両脇部よりも高くなるように偏らせることができる。この場合、繊維集合体10の幅方向中央部において、より多くの液が繊維の連続方向に沿って流れるようになる。
本実施の形態において、吸収材53A及び53Bの状態は、特に限定されない。例えば、コア状とすることや、1枚のシート状とすることや、2枚、3枚、4枚又はそれ以上の複数枚を積層させた積層シート状とすることなどができる。
(吸収シート55)
本実施の形態において、吸収シート55は、体液を透過する性質を有する。したがって、吸収シート55の素材は、この体液透過性を発現するものであれば足り、例えば、表面シート51と同様の素材や、体液透過性を有する吸収材52と同様の素材などを例示することができる。
(裏面シート2)
本実施の形態において、裏面シート54は、体液を透過しない性質を有する。したがって、裏面シート54の素材は、この体液不透過性を発現するものであれば足り、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで体液不透過性の裏面シート54が構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。
次に、実施例に基づいて、本発明の効果を明らかにする。
本発明者らは、第1の形態の体液吸収構造50、及び、従来の体液吸収構造について、それぞれ水分の吸収スピードを測定する試験を行った。体液吸収構造50においては、体液透過性を有する吸収材52として、セルロースアセテートを原料とするトウからなる繊維集合体を使用した。また、従来の体液吸収構造においては、体液透過性を有する吸収材52に変えて、不織布シートを使用した。吸収させる水分の量は、5cc、10cc、15cc、20cc、25cc、30ccの6通りとした。ただし、水分量を、10cc以上とする場合においては、水分を1度に吸収させるのではなく、筒を用いて5ccの吸収を行わせる作業を、20分間隔で、2回〜6回繰り返す方法によった。吸収に要した時間(秒)を、表1に示した。
Figure 0004397745
表1から、セルロースアセテートを素材とした方が、吸収スピードが速く、特に、吸収量が多くなると、吸収に要する時間に大きな差を生じることが分かる。このことから、不織布に変えて、セルロースアセテートを原材料とするトウからなる繊維集合体を含む体液透過性を有する吸収材52を使用すると、好適であることが分かる。
本発明は、紙おむつや、生理用ナプキン、尿取りパッド、失禁パッド等の吸収性物品に、適用可能である。
第1の形態の体液吸収構造の断面図である。 第2の形態の体液吸収構造の断面図である。 第3の形態の体液吸収構造の断面図である。 第4の形態の体液吸収構造の断面図である。 繊維集合体の製造フローを示す概略図である。 体液保持性を有する吸収材の製造フローを示す概略図である。 その他の形態の体液吸収構造の平面図である。 その他の形態の体液吸収構造の平面図である。 その他の形態の体液吸収構造の平面図である。 その他の形態の体液吸収構造の平面図である。 その他の形態の体液吸収構造の平面図である。 その他の形態の体液吸収構造の平面図である。 第1の例の体液吸収性物品の平面図である。 図13のI−I線断面図である。 第1の例の体液吸収性物品の製造フローを示す概略図である。 第2の例の体液吸収性物品の平面図である。 図16のII−II線断面図である。 第2の例の体液吸収性物品の製造フローを示す概略図である。 第3の例の体液吸収性物品の平面図である。 図19のIII−III線断面図である。 吸収材にクレープ紙を被覆する製造フローを示す概略図である。 その他の例の体液吸収性物品の断面図である。 その他の例の体液吸収性物品の断面図である。 その他の例の体液吸収性物品の断面図である。 その他の例の体液吸収性物品の製造フローを示す概略図である。 その他の例の体液吸収性物品の断面図である。 その他の例の体液吸収性物品の製造フローを示す概略図である。
1…トウ、10…繊維集合体、11…ポリマー散布ボックス、12…吸引ドラム、13…シート、14〜16…接着剤塗布装置、50,60,70,80…体液吸収構造、51…表面シート、52…体液透過性を有する吸収材、53A,53B…体液保持性を有する吸収材、54…裏面シート。

Claims (5)

  1. 表面シートの下に、体液保持性を有する吸収材が備えられるとともに、
    前記表面シートと前記体液保持性を有する吸収材との間に、体液透過性を有する吸収材が介在された、吸収性物品であって、
    前記体液透過性を有する吸収材は、繊度1〜16デニールのセルロースアセテート連続繊維のトウからなる、空隙率が60〜85%の繊維集合体であり、
    前記体液透過性を有する吸収材は、前記体液保持性を有する吸収材の幅方向中央部上にのみ設けられ、
    前記体液保持性を有する吸収材の上面における、前記体液透過性を有する吸収材の両側縁の側方に、長手方向に沿う条溝が圧搾加工によりそれぞれ形成されている、ことを特徴とする吸収性物品
  2. 前記体液透過性を有する吸収材は、前記体液保持性を有する吸収材の幅方向中央かつ長手方向中央の部分上にのみ設けられ、
    前記体液保持性を有する吸収材の上面における、前記体液透過性を有する吸収材の前縁の前方及び後縁の後方に、幅方向に沿う条溝が圧搾加工によりそれぞれ形成されている、請求項1記載の吸収性物品
  3. 前記体液保持性を有する吸収材が、トウからなる繊維集合体と、その分散された高吸収性ポリマーと、前記繊維集合体を被覆する液透過性シートとを有するものである、請求項1又は2記載の吸収性物品
  4. 表面シートと前記体液透過性を有する吸収材との間に、体液透過性を有する吸収シートが介在されており、
    この吸収シートの両側部が、前記体液透過性を有する吸収材の幅方向両側縁よりも側方にそれぞれ延出されるとともに、この延出部分と重なる位置に、前記長手方向に沿う条溝が形成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品
  5. 前記体液透過性を有する吸収材は、前記体液保持性を有する吸収材の幅方向中央かつ長手方向中央の部分上にのみ設けられるとともに、クレープ紙によって被覆されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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