JP2006147717A - 超音波振動切削装置 - Google Patents

超音波振動切削装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 超音波振動子として電歪振動子を使用した場合でも,ブラシ等の接触式の電極端子を交換する必要が無く,消耗した電極端子屑による被加工物の汚染を防止可能な超音波振動切削装置を提供すること。
【解決手段】
スピンドル25と,スピンドル25を回転可能に支持するスピンドルハウジング26と,スピンドル25の先端部に装着される切削ブレード22と,スピンドル25に設けられスピンドル25を超音波振動させる電歪振動子33とを備え,電歪振動子33からスピンドル25を介して伝達される超音波振動の伝達方向を変換し,切削ブレード22を径方向に超音波振動させて,被加工物を切削する超音波振動切削装置が提供される。この超音波振動切削装置は,電歪振動子33が設けられたスピンドル25に対して非接触で電力を供給する非接触給電装置50を備えることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は,超音波振動切削装置に関し,特に,切削ブレードを径方向に超音波振動させて被加工物を切削する超音波振動切削装置に関する。
半導体ウェハ等の被加工物をチップ状に分割するために,切削砥石である切削ブレードによって半導体ウェハを格子状に切削加工するダイシング装置等の切削装置が知られている。このような切削装置においては,加工点における温度上昇を抑えることや,切削抵抗を増加させずにチッピングを減少させることが,継続的な課題となっている。かかる課題の解決手段として,超音波振動を使用して切削することが検討されている。
このような超音波振動を利用した切削方法の一例として,特許文献1には,切削ブレードをその厚さ方向(回転軸方向)に撓ませるようにして超音波振動させる超音波振動切断装置が記載されている。しかし,この超音波振動切断装置では,超音波振動する切削ブレードによって半導体ウェハの切削溝を広げるような力が働くため,どうしても切削抵抗が増加し,チッピングが発生し易いという問題があった。
このような問題を解決できる方法として,特許文献2には,切削ブレードをその径方向に超音波振動させて被加工物を切断する超音波振動切断装置が記載されている。この超音波振動切断装置では,切削ブレードが取り付けられたスピンドルを介して水平方向に伝達された超音波振動の伝達方向を,切削ブレードと共に取り付けられた振動伝達方向変換部によって垂直方向に変換して,切削ブレードを径方向に振動させている。
上記超音波振動切削装置では,切削ブレードを径方向に超音波振動させるために,超音波振動を発生する超音波振動子がスピンドルに設けられる。この超音波振動子として電歪振動子を用いた場合には,当該電歪振動子に電力を供給する必要がある。例えば,上記特許文献2に記載の超音波振動切削装置では,スピンドルに設けられた超音波振動子に対し,ブラシ等の電極端子を接触させて電力を供給する接触式給電装置が記載されている。
このように,径方向に超音波振動させた切削ブレードによって被加工物を切削加工することにより,超音波振動させていない切削ブレードによる通常の切断加工と比較して,(1)切削抵抗を低減してチッピングを抑制できる,(2)加工点に切削水が供給され易くなるため,加工点における温度上昇を抑えて,熱による歪が生じ難い,(3)切削ブレードの振動によりコンタミネーションが振り落とされるため,切削ブレードにコンタミネーションが付着しない,(4)切削ブレードに対する負荷を軽減して寿命が延びる,といった利点がある。
特開2002−336775号公報 特開2000−210928号公報 特開平11−10420号公報
しかしながら,上記特許文献2に記載の超音波振動切削装置のように,電歪振動子に対して上記ブラシ等の電極端子を接触させて電力供給する構成では,回転するスピンドルとの摩擦により電極端子が消耗し,電極端子を交換する必要であるという問題があった。さらに,消耗した電極端子の屑が,スピンドルハウジング内から外部に排出されて,被加工物に付着して汚染してしまうという問題もあった。
これを解決可能な技術として,特許文献3には,電歪振動子の代わりに超磁歪振動子を使用する超音波振動切削装置が記載されている。この超磁歪振動子は,磁界の変化に応じて伸縮する超磁歪材とバイア磁界を発生させるための永久磁石とからなり,スピンドルハウジング側に配置された励磁コイルに給電されると,振動を発生する構成である。従って,スピンドルに設けられた超磁歪振動子に給電する必要はないので,上記のような接触式の電極端子をスピンドルに接触させなくて済む。
しかし,この超磁歪振動子は,高価であり,かつ,未だ技術的に安定した性能を発揮できないという問題がある。このため,現状では,超音波振動子としては,超磁歪振動子よりも上記電歪振動子を使用した方が好ましい状況にある。
そこで,本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,超音波振動子として電歪振動子を使用した場合でも,ブラシ等の接触式の電極端子を交換する必要が無く,消耗した電極端子屑による被加工物の汚染を防止することが可能な,新規かつ改良された超音波振動切削装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,スピンドルと,スピンドルを回転可能に支持するスピンドルハウジングと,スピンドルの先端部に装着される切削ブレードと,スピンドルに設けられスピンドルを超音波振動させる電歪振動子とを備え,電歪振動子からスピンドルを介して伝達される超音波振動の伝達方向を変換し,切削ブレードを径方向に超音波振動させて,被加工物を切削する超音波振動切削装置が提供される。この超音波振動切削装置は,電歪振動子が設けられたスピンドルに対して非接触で電力を供給する非接触給電装置を備えることを特徴とする。
かかる構成により,電歪振動子に給電するために,従来のように接触式の電極端子(ブラシ等)をスピンドルに接触させなくて済む。このため,消耗した電極端子を交換する必要がないので省力化が図れ,さらに,消耗した電極端子屑がスピンドルハウジング外に排出され被加工物に付着してしまうこともない。
また,この超音波振動切削装置は,電歪振動子からスピンドルを介して伝達される超音波振動の伝達方向を変換し,切削ブレードを径方向に超音波振動させる。これにより,スピンドルを介して切削ブレードを正確かつ均等に超音波振動させることができる。また,電歪振動子は,超磁歪振動子と比べて,安価であり,かつ性能が安定しているという利点がある。
また,上記非接触給電装置は,スピンドルハウジングに連結される略円筒状の一次側トランスと;スピンドルに連結され,一次側トランスの内部に所定間隔離隔して配置される略円柱状の二次側トランスと;を備え,一次側トランスの内周面と二次側トランスの外周面とは,スピンドルの軸方向と略平行に対面するようにしてもよい。かかる構成により,スピンドルの径を大きくせずとも,スピンドルの軸方向の長さを延長することにより,一次側トランスに設けられる一次側コイルの巻き数と,二次側トランスに設けられる二次側コイルの巻き数を増加させて,非接触給電装置の給電量を増加させることができる。従って,非接触給電装置の給電量を増加させるため上記コイルの巻き数を増加させたとしても,軸方向に延長されたスピンドルのバランスが取り易く,かつ,スピンドルの重量増加を抑制できるため,スピンドルを駆動するモータの消費電力の増大を抑制できる。
また,上記一次側トランスは,スピンドルハウジングの後端部に設置され,上記二次側トランスは,スピンドルの後端部に設置されるようにしてもよい。これにより,一次側トランスおよび二次側トランスが取り外し易くなるので,非接触給電装置の修理,交換等のメンテナンスを,迅速かつ容易に実行できる。
また,上記スピンドルハウジングは,空気圧によってスピンドルを非接触で支持するエアベアリングを備えるようにしてもよい。これにより,スピンドルは,上記非接触給電装置により非接触で給電されるとともに,スピンドルハウジングによって非接触で回転可能に支持されるので,いずれの部材とも接触することなくスピンドルが円滑に回転できる。
以上説明したように本発明によれば,超音波振動子として,磁歪振動子と比べて安価で安定性に優れた電歪振動子を使用したとしても,この電歪振動子に給電するために,ブラシ等の接触式の電極端子を使用する必要がない。このため,当該電極端子を交換しなくて済むので省力化が図れ,また,消耗した電極端子の屑が被加工物に付着して汚染することがない。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず,図1に基づいて,本発明の実施形態にかかる超音波振動切削装置の一例として構成されたダイシング装置10の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるダイシング装置10を示す全体斜視図である。
図1に示すように,ダイシング装置10は,例えば,半導体ウェハなどの被加工物12を切削加工する切削ユニット(スピンドルユニット)20と,被加工物12を保持する保持手段であるチャックテーブル15と,切削ユニット移動機構(図示せず。)と,チャックテーブル移動機構(図示せず。)とを備える。
切削ユニット20は,スピンドルに装着された切削ブレード(詳細は後述する。)を備えている。この切削ユニット20は,径方向に超音波振動する切削ブレードを高速回転させながら被加工物12に切り込ませることにより,被加工物12を切削して極薄のカーフ(切溝)を形成することができる。
また,チャックテーブル15は,例えば,上面が略平坦な円盤状のテーブルであり,その上面に真空チャック(図示せず。)等を具備している。このチャックテーブル15は,例えば,ウェハテープ13を介してフレーム14に支持された状態の被加工物12が載置され,この被加工物12を真空吸着して安定的に保持することができる。
切削ユニット移動機構は,切削ユニット20を,Y軸方向に移動させる。このY軸方向は,切削方向(X軸方向)に対して直交する水平方向であり,例えば,切削ユニット20内に配設されたスピンドルの軸方向である。このようなY軸方向の移動により,切削ブレードの刃先を被加工物12の切削位置(切削ライン)に位置合わせすることができる。また,この切削ユニット移動機構は,切削ユニット20をZ軸方向(垂直方向)にも移動させる。これにより,被加工物12に対する切削ブレードの切り込み深さを調整したり,後述するブレード検出手段に向けて切削ブレードを降下したりできる。
チャックテーブル移動機構は,通常のダイシング加工時には,被加工物12を保持したチャックテーブル15を切削方向(X軸方向)に往復移動させて,被加工物12に対し切削ブレードの刃先を直線的な軌跡で作用させる。
かかる構成のダイシング装置10は,高速回転する切削ブレードを被加工物12に切り込ませながら,切削ユニット20とチャックテーブル15とを相対移動させることにより,被加工物12をダイシング加工することができる。なお,ダイシング装置10には,モニタ等の表示装置16が設けられている。この表示装置16は,アライメント時に撮像された被加工物12表面の画像や,切削加工設定情報などの各種情報を表示できる。
次に,図2に基づいて,本実施形態にかかる切削ユニット20の構成について説明する。なお,図2は,本実施形態にかかる切削ユニット20を示す斜視図である。
図2に示すように,切削ユニット20は,例えば,フランジ21と,切削ブレード22と,ナット24と,スピンドル25と,スピンドルハウジング26と,切削水供給ノズル27と,ホイルカバー28と,を主に備える。
切削ブレード22は,例えば,略リング形状を有する極薄の切削砥石である。かかる切削ブレード22は,例えば,フランジ21およびナット24などによって,スピンドル25の先端部に装着される。なお,本実施形態にかかる切削ブレード22は,例えば,外周部に配される切断砥石である切り羽部と,当該切り羽部をスピンドル25に軸着するための基台部(一側のフランジ21a,図3及び図4参照)とが一体構成されたハブブレードで構成されている。しかし,かかる例に限定されず,切削ブレード22を所謂ワッシャーブレードで構成し,その両側からフランジ21a,21b(図3及び図4参照)で挟持してスピンドル25に軸着するようにしてもよい。
また,スピンドル25は,例えば,後述するモータ(図示せず。)の回転駆動力を切削ブレード22に伝達するための回転軸であり,装着された切削ブレード22を例えば30,000rpmで高速回転させることができる。このスピンドル25の大部分は,スピンドルハウジング26に覆われているが,その先端部は,スピンドルハウジング26から露出しており,かかる先端部にブレード22等が装着される。
また,スピンドルハウジング26は,スピンドル25を覆うようにして設けられたハウジングである。このスピンドルハウジング26は,内部に設けられたエアベアリングによって,スピンドル25を高速回転可能に支持することができるが,詳細については後述する。
また,切削水供給ノズル27は,例えば切削ブレード22の側方に脱着可能に設けられ,加工点付近に切削水を供給して冷却する。また,ホイルカバー28は,切削ブレード22の外周を覆うにして設けられ,切削水や切削屑などの飛散を防止する。
かかる構成の切削ユニット20は,スピンドル25により切削ブレード22を高速回転させ,かかる切削ブレード22の刃先を被加工物12に切り込ませて相対移動させる。これにより,例えば,被加工物12の加工面を切削加工して,切削ラインに沿って極薄の切溝(カーフ)を形成することができる。
次に,図3および図4に基づいて,本発明の第1及び第2の実施形態にかかる切削ユニット20におけるスピンドルハウジング26の内部構成について説明する。なお,図3は,第1の実施形態にかかるスピンドルハウジング26の内部構成を示す部分切り欠き側面図であり,図4は,第2の実施形態にかかるスピンドルハウジング26の内部構成を示す部分切り欠き側面図である。この図3および図4では,説明の便宜上,スピンドルハウジング26および非接触給電装置40,50等を,スピンドル25の中心軸を含む垂直面で切断した断面で表してある。
なお,第1の実施形態(図3)と第2の実施形態(図4)とでは,本発明の特徴である非接触給電装置40,50の構成が異なる点で相違するのみであり,その他については略同一の機能構成を有するので,以下に共通して説明する。
図3および図4に示すように,切削ユニット20のスピンドルハウジング26の内部には,例えば,スピンドル25と,スピンドル25を回転可能に支持するラジアルエアベアリング30およびスラストエアベアリング31と,ロータ321およびステータ322を有するモータ32と,ステータ322に電力を供給するためのステータ用給電装置34と,スピンドル25の後端部側に設けられた電歪振動子33と,ラジアルエアベアリング30及びスラストエアベアリング31に高圧エアを供給するためのエア供給路(図示せず。)と,ラジアルエアベアリング30およびスラストエアベアリング31によって噴出されたエアを排出するための排気路(図示せず。)と,が設けられている。さらに,スピンドルハウジング26の後端部には,電歪振動子33に電力を供給するための非接触給電装置40または50が設けられている。
スピンドル25の後端部側は,モータ32を構成する回転軸であるロータ321が連結されている。ステータ用給電装置34によりステータ322に電力を供給すると,ロータ321およびステータ322の相互作用により回転駆動力が発生し,この回転駆動力によってスピンドル25が高速回転する構成である。また,スピンドル25の先端部側には,スピンドル25の軸径よりも大径のスラストプレート251が設けられている。
ラジアルエアベアリング30及びスラストエアベアリング31は,上記エア供給路を介して,高圧ポンプ等で構成されたエア供給手段(図示せず。)と連通している。これにより,エア供給手段が提供する高圧エアは,ラジアルエアベアリング30及びスラストエアベアリング31に供給される。
ラジアルエアベアリング30は,例えば,スピンドルハウジング26の内周面に略均等に設けられた複数の噴射口(図示せず。)から,スピンドル25の外周に向けてエアを噴出する。これにより,ラジアルエアベアリング30は,スピンドル25が軸に対して垂直な径方向(ラジアル方向,即ち,XおよびZ軸方向)へ移動することを制限して,高速回転するスピンドル25をラジアル方向に支持することができる(即ち,横ブレを防止できる)。
一方,スラストエアベアリング31は,スラストプレート251の左右両側に設けられた噴射口(図示せず。)から,スラストプレート251を挟持するようにエアを噴出する。これにより,スラストエアベアリング31は,スピンドル25が軸方向(スラスト方向,即ち,Y軸方向)へ移動することを制限して,高速回転するスピンドル25をスラスト方向に支持することができる(即ち,縦ブレを防止できる)。
このように,スピンドルハウジング26は,ラジアルエアベアリング30及びスラストエアベアリング31から噴出するエアによって,スピンドル25を高速回転可能に支持することができる。なお,エアベアリングの構成は,上記図3および図4の例に限定されず,多様に設計変更可能である。例えば,スラストエアベアリング31およびスラストプレート251は,図3および図4の例のように,スピンドル25の切削ブレード22側に1組だけ設けられる構成でなくてもよく,例えば,スピンドル25の略中央部や基部側などの箇所に1組設けられる,或いはこれらの箇所に複数組設けられるなどしてもよい。
また,ラジアルエアベアリング30およびスラストエアベアリング31から噴出されたエアの大部分は,上記排気路を通ってスピンドルハウジング26外部に排気されるが,一部のエアは,切削ブレード22側におけるスピンドル25とスピンドルハウジング26との隙間から排出され,エアシールとして機能する。なお,上記のようにしてスピンドルハウジング26内を流通するエアは,スピンドルハウジング26およびスピンドル25の温度を制御する温度制御媒体としても機能する。これにより,スピンドル25の温度を所定温度に維持して,スピンドル25に熱歪みが生ずることを防止できる。
以上のような,スピンドル25,スピンドルハウジング26,ラジアルエアベアリング30,スラストエアベアリング31,モータ32,エア供給路,排気路およびエア供給手段などは,エアスピンドルを構成している。
さらに,本実施形態にかかる切削ユニット20には,図3および図4に示すように,スピンドル25を介して切削ブレード22を超音波振動させるための超音波振動発生手段として,電力供給を受けて超音波振動を発生する電歪振動子33と,この電歪振動子33に電力を供給するための非接触給電装置40,50とが設けられている。
電歪振動子33は,例えば,スピンドル25の後端部側(切削ブレード22とは反対側)において,ロータ321よりさらに後端部側に配設されている。この電歪振動子33は,例えば,ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックス材料などで構成されている。かかる電歪振動子33は,非接触給電装置40から供給された電力により,所定周波数(例えば50kHz)の縦波の超音波振動を発生する。この電歪振動子33は,超磁歪振動子と比べて,安価であり,かつ,性能が安定しているためスピンドル25を好適に超音波振動させることができるという利点がある。なお,電歪振動子33は,例えば,スピンドル25の最後端部,中央部,先端部など,スピンドル25の如何なる箇所に設置してもよい。
非接触給電装置40,50は,上記電歪振動子33に非接触方式で電力を供給する。非接触給電装置40,50は,外部電源(図示せず。)に接続された給電側のトランスである一次側トランス42,52と,スピンドル25の後端部に連結された受電側のトランスである二次側トランス44,54とからなる。この一次側トランス42,52と,二次側トランス44,54とは,所定間隔を空けて離隔配置されている。この非接触給電装置40,50は,外部電源からの電力を,一次側トランス42,52から二次側トランス44,54に電磁誘導方式により非接触で伝達し,スピンドル25を介して電歪振動子33に供給する。このように供給された電力により,電歪振動子33は超音波振動を発生してスピンドル25を超音波振動させる。例えば,電歪振動子33を例えば50kHzで超音波振動させるために,非接触給電装置40,50は,例えば50kw〜60kwの電力を供給する。しかし,非接触給電装置40,50の供給電力は,電歪振動子33の特性に応じて異なり,かかる例に限定されるものではない。
このように第1及び第2の実施形態にかかる非接触給電装置40,50は,スピンドル25に設けられた電歪振動子33に対して,非接触方式で給電している。上記のように,エアスピンドル機構においてスピンドル25はスピンドルハウジング26によって非接触で保持されている。かかるエアスピンドル機構において,上記非接触給電装置40,50によって給電することにより,従来の接触式の給電装置のように,ブラシ等の接触式の電極端子をスピンドル25に対して接触させて給電しなくて済むので,スピンドル25が円滑に回転でき,エアスピンドルの利点を生かすことができる。なお,かかる非接触給電装置40,50の詳細については,後述する。
かかる構成の非接触給電装置40から電力が供給された電歪振動子33は,超音波振動を発生してスピンドル25を超音波振動させる。この超音波振動は,スピンドル25の軸方向(Y軸方向)に伝達され,スピンドル25の先端部に装着された切削ブレード22に向かう。
さらに,このようにスピンドル25の軸方向(Y軸方向)に伝達される超音波振動を切削ブレード22の径方向(XZ平面方向)に変換するときの振動伝達方向変換点のY軸位置が,スピンドル25に対する切削ブレード22の装着位置(切削ブレード22のY軸位置)と同一となるように,スピンドル25の構造,配置や,電歪振動子33の周波数などが調整されている。
以上のような構成によって,スピンドル25の軸方向に超音波振動を伝達させ,切削ブレード22と同一位置にある振動伝達方向変換点で,当該伝達された超音波振動の伝達方向を切削ブレード22の径方向に変換できる。これにより,切削ブレード22を径方向に超音波振動させる,即ち,リング形状の切削ブレード22を高周波で拡径,縮径を繰り返すように振動させながら,当該切削ブレードによって被加工物12を切削することができる。
このように切削ブレード22を径方向に超音波振動させる原理についは,例えば上記特許文献2に記載されており公知であるが,以下に,図5に基づいて簡単に説明する。
図5は,本実施形態にかかる切削ユニット25において,電歪振動子33からの超音波振動に共振する振動波形W1と,伝達方向が径方向に変換された振動波形W2とを示す説明図である。振動波形W1は,共振による超音波振動の瞬間的な変位(振動振幅)を表し,振動波形W2は,伝達方向が径方向に変換された超音波振動の瞬間的な変位(振動振幅)を表す。
図5に示すように,スピンドル25の軸上(Y軸上)には,振動波形W1の最大振動振幅点A,C,E,Gと,最小振動振幅点B,D,F,Hが存在する。通常,最小振動振幅点B,D,F,Hでは,スピンドル25の径方向の伸長が最大となる。従って,スピンドル25とスピンドルハウジング26との間隔は,少なくとも最小振動振幅点B,D,F,Hにおけるスピンドル25の最大拡径量よりも大きくしなければならない。しかし,その他の点に関しては,切削ユニット20がエアスピンドル機構を採用しているため,メカスピンドル機構の場合のように最小振動振幅点B,D,F,H付近を構造的に補強したりする必要はない。
振動波形W1の最小振動振幅点Bは,振動伝達方向変換点であり,この振動伝達方向変換点の位置に切削ブレード22が設けられている。振動伝達方向変換点Bにおいて,超音波振動の伝達方向が,スピンドル25の軸方向(以下,単に「軸方向」という場合もある。)から,切削ブレード22の径方向(以下,単に「径方向」という場合もある。)に変換される。このように伝達方向が径方向に変換された超音波振動の振動波形W2における最大振動振幅点α,βが,切削ブレード22の刃先に位置するように,切削ブレード22のブレード径や超音波振動の周波数が調整されている。
さらに,上記超音波振動を好適に伝達および変換するために,切削ブレード22とフランジ21a,21bとが密着し,さらに,フランジ21a,21bとスピンドル25とが密着するように,各部材が構成されている。
以上のようにして,スピンドル25を軸方向に伝達してきた超音波振動の伝達方向を径方向に変換することにより,切削ブレード22は拡径,縮径を繰り返して,切削ブレード22の刃先が,図5の矢印で示す径方向に振動する。
なお,振動伝達方向変換点(上記B点)において,振動伝達方向変換を促すために,ホーンなどの振動伝達方向変換部材を配置してもよい。この振動伝達方向変換部材を設けることにより,切削ブレード22を超音波振動させるときの精度や制御を行い易くなる。しかし,振動伝達方向変換点の位置と切削ブレード22の位置とが正確に合致していれば,この振動伝達方向変換部材を別途に配設しなくとも,振動伝達方向を変換することは可能である。
以上,本発明の第1および第2の実施形態にかかる切削ユニット20の構成,特に,切削ブレード22を径方向に超音波振動させるための構成について説明した。
次に,本発明の特徴である非接触給電装置40,50について詳細に説明する。上述のように,第1および第2の実施形態にかかる非接触給電装置40,50では,スピンドルハウジング26に連結された一次側トランス42,52と,スピンドル25に連結された二次側トランス44,54とが,所定間隔を空けて離隔配置されており,これらのトランス間において非接触方式で給電する。つまり,外部電源と接続された給電側である一次側トランス42,52の一次側コイルから発生する交流磁場によって,受電側である二次側トランス44,54の二次側コイルに電圧を発生させる「電磁誘導方式」によって,一次側トランス42,52から二次側トランス44,54に非接触で電力を伝達する。
まず,図6に基づいて,第1の実施形態にかかる非接触給電装置40について詳述する。図6に示すように,第1の実施形態にかかる非接触給電装置40は,スピンドルハウジング26の後端部に連結された円柱状の一次側トランス42と,スピンドル25に連結された円柱状の二次側トランス44とを備える。この一次側トランス42と二次側トランス44とは,例えば,略同一の外径を有し,スピンドル25の軸25a方向(Y軸方向)に対面するように,スピンドル25の軸25aと同軸上に配設されている。
一次側トランス42は,外部電源(図示せず。)からの電圧が印加される一次側コイル422と,一次側コイル422が巻回される一次側ボビン424と,一次側コイル422および一次側ボビン424が埋設される円柱状の一次側コア材料426とを備える。一次側コイル422は,スピンドル25の軸25aを中心として,一次側ボビン424に環状に巻回されている。かかる一次側トランス42は,一次側コア材料426を支持する取付部材428によって,スピンドルハウジング26の後端部に連結されている。このため,一次側トランス42が回転することはない。
一方,二次側トランス44は,上記一次側コイル422と略同一径を有する環状の二次側コイル442と,二次側コイル442が巻回される二次側ボビン444と,二次側コイル442および二次側ボビン444が埋設される円柱状の二次側コア材料446とを備える。二次側コイル442は,スピンドル25の軸25aを中心として,二次側ボビン444に環状に巻回されている。かかる二次側トランス44の二次側コア材料446は,スピンドル25の後端部に連結されている。このため,二次側トランス44は,スピンドル25とともに軸25aを中心として回転する。
このように,第1の実施形態にかかる非接触給電装置40では,相互に略同一径を有する環状の一次側コイル422と二次側コイル442とが,スピンドル25の軸25a方向(Y軸方向)に対面するよう離隔配置されている。かかる構成により,外部電源と接続された一次側コイル422から二次側コイル442に対して電磁誘導方式で電力を伝達できるため,スピンドル25に非接触で給電できる。この給電動作は,スピンドル25が回転している最中であっても可能である。よって,非接触給電装置40は,切削加工時において,高速回転するスピンドル25に設けられた電歪振動子33に対して好適に給電できる。
このように,非接触給電装置40は,外部電源からの電力を,電磁誘導方式により非接触でスピンドル25に伝達して,電歪振動子33に供給する。このため,電歪振動子33に給電するためにブラシ等の接触式の電極端子を設ける必要がないので,当該電極端子の交換が不要であり,また,消耗した電極端子の屑がスピンドルハウジング26から排出されて,被加工物12を汚染することもない。
また,非接触給電装置40の一次側トランス42は,スピンドルハウジング26の外部に露出するようにして,スピンドルハウジング26の後端部から突出して配設されている。このため,一次側トランス42を容易に取り外すことができるので,一次側トランス42および二次側トランス44の交換,修理等を,迅速かつ容易に実行できる。
しかし,上記のような第1の実施形態にかかる非接触給電装置40では,一次側コイル422と二次側コイル442の巻き数を増加させて,給電量を増加させることが困難であるという問題がある。この理由は以下の通りである。
非接触給電装置40による給電量を増加させるためには,一次側コイル422と二次側コイル442を構成する導線の太さを変えない場合,当該導線の長さを長くして,一次側コイル422と二次側コイル442の巻き数を増加させる必要がある。
ところが,非接触給電装置40において,給電量を増加させようとすると,一次側コイル422と二次側コイル442の巻き数を増加させるためのスペースを確保するために,スピンドル25の径を大きくせざるを得ない。しかし,スピンドル25の径を大きくすると,スピンドル25のバランスを取ることが難しくなるだけでなく,スピンドル25の重量が重くなり,モータ32の消費電力が増大してしまう。したがって,第1の実施形態にかかる非接触給電装置40において,給電量を増加させることは困難であった。
そこで,本願発明者らは鋭意努力して,給電量を好適に増加可能な非接触給電装置を得るべく,以下に説明するような第2の実施形態にかかる非接触給電装置50を開発した。
以下に,図7に基づいて,第2の実施形態にかかる非接触給電装置50について詳述する。なお,図7は,第2の実施形態にかかる非接触給電装置50を示す断面図である。
図7に示すように,第2の実施形態にかかる非接触給電装置50は,スピンドルハウジング26の後端部に連結される円筒状部分を含む一次側トランス52と,この一次側トランス52の内側に配置され,スピンドル25の後端部に連結される円柱状の二次側トランス54とを備える。
この一次側トランス52と二次側トランス54とは,スピンドル25の軸25aを中心として同軸上に配設されており,一次側トランス52が二次側トランス54の外周を取り囲むように配置されている。かかる一次側トランス52の内周面と二次側トランス54の外周面とは,所定間隔を空けて離隔しており,スピンドル25の軸25a方向(Y軸方向)と略平行に対面している。換言すると,一次側トランス52の内周面と二次側トランス54の外周面とは,スピンドル25の軸25aに対して垂直な切断面では,軸25aを中心とした同心円となっている。
一次側トランス52は,スピンドルハウジング26の後端部に,スピンドル25の軸25a方向に突出するように設けられている。この一次側トランス52は,外部電源(図示せず。)からの電圧が印加される一次側コイル522と,一次側コイル522が巻回される一次側ボビン524と,一次側コイル522および一次側ボビン524を支持する一次側コア材料526とを備える。
一次側コイル522は,一次側ボビン524に,スピンドル25の軸25aを中心とした円筒状に巻回されている。また,一次側ボビン524は,一次側コア材料526の内周側に取り付けられ,巻回された一次側コイル522を支持・固定している。
一次側コア材料526は,二次側トランス54を覆うようなキャップ形状を有する。具体的には,この一次側コア材料526は,例えば,スピンドル25の軸25a方向に延びる円筒部526aと,円筒部526aの一端を閉塞する略円板状の底部526bとを有する。この一次側コア材料526の円筒部526aの内周面には,上記一次側コイル522および一次側ボビン524が配設されている。また,一次側コア材料526の円筒部526aの他端は,スピンドルハウジング26の後端部に連結されている。このため,一次側トランス52が回転することはない。
一方,二次側トランス54は,スピンドル25の後端部に,スピンドル25の軸25a方向に突出するように設けられている。この二次側トランス54は,二次側コイル542と,二次側コイル542が巻回される二次側ボビン544と,外周部に二次側コイル542および二次側ボビン544が配設される円柱状の二次側コア材料546とを備える。
二次側コイル542は,二次側ボビン524に,スピンドル25の軸25aを中心として円筒状に巻回されている。このように円筒状に巻回された二次側コイル542は,上記円筒状に巻回された一次側コイル522の内側に,電磁誘導が起こりうる所定間隔だけ離隔して配設されている。この一次側コイル522と二次側コイル542とは,ともにスピンドル25の軸25aを中心として巻回されているので,いずれの箇所においても一次側コイル522と二次側コイル542との距離は略等間隔である。この結果,一次側コイル522と二次側コイル542とは,上記所定間隔を空けてスピンドル25の軸25a方向と平行となるように対面(換言すると,スピンドル25の周方向に沿って上記所定距離だけ離隔して対面)している。
また,二次側ボビン544は,二次側コア材料546の外周に取り付けられ,巻回された二次側コイル542を支持・固定している。また,二次側コア材料546は,略円柱形状を有し,その外周面には上記二次側コイル542および二次側ボビン544が配設されている。この二次側コア材料546の一端は,スピンドル25の後端部に固設されている。このため,二次側トランス44は,スピンドル25とともに,スピンドル25とともに軸25aを中心として回転する。
このように,第2の実施形態にかかる非接触給電装置50では,円筒状の一次側コイル522の内側に,円筒状の二次側コイル542が所定間隔だけ離隔して配置され,この一次側コイル523と二次側コイル542とがスピンドル25の周方向に沿って対面している。かかる構成により,外部電源と接続された一次側コイル522から二次側コイル542に対して電磁誘導方式で電力を伝達できるため,スピンドル25に非接触で給電できる。この給電動作は,スピンドル25が回転している最中であっても可能である。よって,非接触給電装置50は,切削加工時において,高速回転するスピンドル25に設けられた電歪振動子33に対して好適に給電できる。
このように,第2の実施形態にかかる非接触給電装置50は,外部電源からの電力を,電磁誘導方式により非接触でスピンドル25に伝達して,電歪振動子33に好適に供給できる。さらに,第2の実施形態にかかる非接触給電装置50は,上述した第1の実施形態にかかる効果に加えて,以下に説明するように,上記第1の実施形態にかかる非接触給電装置40と比して,給電量を容易に増加することができるという利点がある。
上述したように,上記第1の実施形態にかかる非接触給電装置40では,一次側コイル422と二次側コイル442の巻き数を増加させるためには,スピンドル25の径を大きくせざるを得ず,この結果,スピンドル25のバランスを取ることが困難になり,かつ,スピンドル25の重量が重くなりモータ32の消費電力が増大するといった問題があった。このため,給電量を増加させることは困難であった。
これに対し,第2の実施形態にかかる非接触給電装置50では,一次側トランス52の内周面と二次側トランス54の外周面とを,スピンドル25の軸25a方向と平行になるように対面させた構成である。このため,スピンドル25を軸25a方向に延長することにより,スピンドル25の径を大きくすることなく,コイル522,542の巻き数を増加して,給電量を増加させることが可能である。
つまり,給電量を増加させたい場合には,二次側コイル542の巻き数の増加に応じて,二次側コア材料546および二次側ボビン544をスピンドル25の軸25a方向に延長することによって,二次側コイル542を巻回するスペースを確保できる。さらに,このように二次側コイル542の巻き数の増加に応じて,当該二次側コイル542に対向する一次側コイル522の巻き数を増加させるべく,一次側トランス52の一次側ボビン524および一次側コア材料526を軸25a方向に延長することにより,一次側コイル522を巻回するスペースを確保できる。このように,コイル522,542の巻き数を増加させるためにスピンドル25を軸25a方向に延長する構成であれば,上述したスピンドル25の径を大きくする場合と比べて,スピンドル25のバランスが非常に取り易い。さらに,スピンドル25の重量の増加も,上記径方向に大きくする場合と比較すると顕著に抑制できるので,モータ32の消費電力の増加量も抑制できる。
また,上記とは別の問題として,給電時に,一次側トランス42,52と二次側トランス44,54とが対向する空間には大きな磁場が発生するが,当該空間から電磁波が漏れてしまうという問題もある。このように電磁波がダイシング装置10外部に漏れてしまうと,当該ダイシング装置10に隣接して配置された他の装置の誤作動を引き起こす原因となるため,電磁波漏れに関しては厳しい規制が要求される。非接触給電装置40,50をスピンドルハウジング26内部に完全に密閉することができれば,かかる電磁波漏れの問題は解消されるが,非接触給電装置40,50を故障等により交換するなどといったメンテナンスの容易さを考慮すると,非接触給電装置40,50をスピンドルハウジング26内部に完全に密閉することも難しい。
かかる電磁波漏れの観点では,第2の実施形態にかかる非接触給電装置50は,一次側トランス52の内周面と二次側トランス54の外周面とが対向する空間の位置が,スピンドルハウジング26と一次側トランス42との接合部から遠いので,第1の実施形態の場合と比して,電磁波が漏れにくいという利点がある。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,超音波振動切削装置としてダイシング装置10の例を挙げて説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,スピンドル25により高速回転する切削ブレード22を用いて被加工物12を切削加工する装置であれば,例えば,ダイシング加工以外の切削加工を行う各種の切削装置であってもよい。
また,上記実施形態では,切削ブレード22として,基台となるハブ(HUB)と切刃部とを備えたハブブレードを用いたが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,リング状の切刃部のみからなる所謂ワッシャーブレードなどを用いてもよい。
また,切削ブレード22をスピンドル25に装着するために,スピンドル25の先端部に,スピンドル25と一体化して突出されたマウント部を設けてもよい。また,上記ハブブレードを用いた場合には,ナットとマウント部材のみを用いて,ハブブレードをスピンドル25に装着してもよい。
また,上記実施形態にかかる切削ユニット20では,スピンドル25の支持機構として,エアスピンドルの例を挙げて説明したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,スピンドル25の支持機構は,スピンドル25をベアリングで機械的に支持するメカスピンドルであってもよい。本発明は,切削ブレード22を径方向に超音波振動させる超音波振動切削装置であれば,如何なるスピンドルの支持機構であっても適用可能である。
また,上記実施形態では,電歪振動子33は,スピンドル25の後端部側に設けられたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,電歪振動子33は,スピンドル25の中央部または先端部側などに設けてもよい。
また,非接触給電装置は,電歪振動子33またはスピンドル25に対して非接触で給電可能であれば,上記第1および第2の実施形態の例に限定されない。例えば,スピンドルハウジング26の内部に非接触給電装置を設けても良い。具体的には,例えば,スピンドルハウジング26の内周部に一次側コイルを配設して一次側トランスを構成し,一方,スピンドル25の外周部に二次側コイルを巻回して二次側トランスを構成するなどしてもよい。
本発明は,電歪振動子を用いて切削ブレードを径方向に超音波振動させながら切削を行う,超音波振動切削装置に適用可能である。
本発明の第1および第2の実施形態にかかるダイシング装置を示す全体斜視図である。 同実施形態にかかる切削ユニットを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかるスピンドルハウジングの内部構成を示す部分切り欠き側面図である。 本発明の第2の実施形態にかかるスピンドルハウジングの内部構成を示す部分切り欠き側面図である。 本発明の第1および第2の実施形態にかかる切削ブレードを径方向に超音波振動させる原理を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかる非接触給電装置の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかる非接触給電装置の構成を示す断面図である。
符号の説明
10 : ダイシング装置
12 : 被加工物
15 : チャックテーブル
16 : 表示装置
20 : 切削ユニット
22 : 切削ブレード
25 : スピンドル
26 : スピンドルハウジング
30 : ラジアルエアベアリング
33 : 電歪振動子
40,50 : 非接触給電装置
42,52 : 一次側トランス
44,54 : 二次側トランス
422,522 : 一次側コイル
424,524 : 一次側ボビン
426,526 : 一次側コア材料
442,542 : 二次側コイル
444,544 : 二次側ボビン
446,546 : 二次側コア材料

Claims (3)

  1. スピンドルと,前記スピンドルを回転可能に支持するスピンドルハウジングと,前記スピンドルの先端部に装着される切削ブレードと,前記スピンドルに設けられ前記スピンドルを超音波振動させる電歪振動子とを備え,前記電歪振動子から前記スピンドルを介して伝達される超音波振動の伝達方向を変換し,前記切削ブレードを径方向に超音波振動させて被加工物を切削する超音波振動切削装置において:
    前記電歪振動子が設けられた前記スピンドルに対して非接触で電力を供給する非接触給電装置を備えることを特徴とする,超音波振動切削装置。
  2. 前記非接触給電装置は,
    前記スピンドルハウジングに連結される略円筒状の一次側トランスと;
    前記スピンドルに連結され,前記一次側トランスの内部に所定間隔離隔して配置される略円柱状の二次側トランスと;
    を備え,
    前記一次側トランスの内周面と前記二次側トランスの外周面とは,前記スピンドルの軸方向と略平行に対面することを特徴とする,請求項1に記載の超音波振動切削装置。
  3. 前記スピンドルハウジングは,空気圧によって前記スピンドルを非接触で支持するエアベアリングを備えることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載の超音波振動切削装置。
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