JP2006147188A - 基板用コネクタにおける端子金具とアライメントプレートの組付け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板用コネクタにおいて、端子金具の基板接続部に対するアライメントの組み付け作業を容易に行えるようにする。
【解決手段】 端子金具20に対するアライメントプレート30の組み付けを、射出圧によって端子金具20のアライメントに狂いが生じるインサート成形前に行うので、インサート成形後にアライメントプレートを組み付けるものに比べて、組付けが容易である。インサート成形時は、アライメントプレート30が基板接続部23における中子11に近い位置を位置決めするので、中子11は、射出圧を受けてもアライメントプレート30により変形が防止され、基板接続部23のアライメントの狂いを確実に防止できる。
【選択図】 図4
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、インサート成形によりハウジングと端子金具を一体化させる基板用コネクタにおいて、端子金具の基板接続部に対するアライメントの組み付け作業を容易に行えるようにすることを目的とする。
端子金具に対するアライメントプレートの組み付けを、インサート成形の前、即ち射出圧によって端子金具の基板接続部のアライメントに狂いが生じる前に行うようになっているので、インサート成形後にアライメントプレートを組み付けるようにしたものに比べると、アライメントプレートの組み付け作業が容易である。
また、インサート成形の際には、基板接続部とアライメントプレートが収容されている収容空間は二次成形用の成形空間から隔絶されているので、基板接続部とアライメントプレートに射出圧が作用することがなく、しかも、アライメントプレートが、基板接続部における中子に近い基端側位置を位置決めしているので、射出圧が中子に作用した場合でも、アライメントプレートの剛性によって中子の変形が防止または抑制される。これにより、基板接続部のアライメントの狂いがより確実に防止される。
しかも、インサート成形後は、アライメントプレートを基板接続部の基端側位置から先端側位置へ変位させることにより、基板接続部の先端部を位置決めすることができるので、回路基板のスルーホールに基板接続部の先端部を挿入する際の作業性がよい。
アライメントプレートは係止手段によって基板接続部の先端側位置に確実に保持されるので、アライメントプレートによる基板接続部の先端部の位置決めを確実に行うことができる。
二次成形部側の係止手段が二次成形部に一体に形成されているので、二次成形部側の係止手段が二次成形部とは別々に成形されて二次成形部に組み付けられるものである場合に比べると、部品点数が少なくて済む。
二次成形部側の係止手段とアライメントプレート側の係止手段のうち少なくとも一方の係止手段が、弾性撓み可能な撓み係止片からなるので、係止手段が無理嵌め構造によって係止されるものに比べると、アライメントプレートを基板接続部の基端側位置へ移動させる際の抵抗が少なくて済み、作業性に優れている。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図13を参照して説明する。本実施形態の基板用コネクタAは、合成樹脂製のハウジング10に複数の端子金具20を保持させるとともに、複数の端子金具20の基板接続部23をアライメントプレート30により整列させた状態に保持し、基板接続部23の先端部(下端部)を回路基板PのスルーホールHに貫通させて半田付けにより固着するようにしたものである。
中子11は、複数の構成体12を組み付けて構成されている。中子11は、重ね合わされる構成体12の間に複数の端子金具20を挟み込むことにより、複数の端子金具20を所定の配置で整列させた状態で保持している。また、中子11の外周縁部には、上面が中子11の上面と面一状をなすとともに全周に亘って連続するフランジ部13が形成され、このフランジ部13の下面は、後述する端子金具20の基板接続部23の配置領域を包囲する左右方向に長い方形枠状の当接面14となっている。
アライメントプレート30には、その左右両端縁部から上方へ壁状に立ち上がるとともに左右方向に貫通する係止孔34L,34Rを有する一対の係止部33L,33R(本発明の構成要件である係止手段)が形成されている。2つの係止部33L,33Rのうち右側の係止部33Rは、アライメントプレート30の右側縁における全領域に亘って形成され、この係止部33Rには、その前後両側縁部から左方へ延出するとともに、アライメントプレート30の右端部における前後両側縁から立ち上げられた形態の一対の補強リブ35Rが形成されている。一方、左側の係止部33Lは、アライメントプレート30の左側縁におけるほぼ中央位置に配され、この係止部33Lには、その前後両側縁部から右方へ延出するとともに、アライメントプレート30の左端部における前後両側縁よりも中央寄りの位置から立ち上げられた形態の一対の補強リブ35Lが形成されている。また、アライメントプレート30には、位置決め孔31間の領域において左右方向(アライメントプレート30の長さ方向)に延びる前後一対の補強リブ36が形成されている。補強リブ36は、断面形状が三角形をなし、アライメントプレート30の上面側へ突出しており、アライメントプレート30の下面には、補強リブ36と対応する領域を左右方向に沿って細長く凹ませた形態の前後一対の溝部37が形成されている。
まず、図1に示すように、構成体12を複数の端子金具20とともに組み付けて中子11を構成し、次いで、端子金具20に対し、その基板接続部23を位置決め孔31に貫通させつつアライメントプレート30を下から組み付ける。このとき、基板接続部23の下端部(先端部)のアライメントが少々狂っていても、ガイド面32によって基板接続部23が確実に位置決め孔31内に誘い込まれる。端子金具20にアライメントプレート30を組み付けた状態では、図2に示すように、左右両係止部33L,33Rの上端面が中子11の下面に当接するとともに、位置決め孔31が、基板接続部23の基端部位置、即ちプレート保持部24に対して圧入するようにして嵌合され、このプレート保持部24と位置決め孔31の内周との間の摩擦抵抗により、アライメントプレート30は基板接続部23に対する上下方向の相対変位を規制される。また、係止部33L,33Rの外側面は中子11の外側面に対して面一状に連なる。以上により、端子金具20と中子11とアライメントプレート30とから構成される一次構成物50が組み上げられる。
この後、金型40を型開きする。型開きに際しては、まず、上型を上昇させ、次に、第2下型42を第1下型41及び成形済みの二次成形部15に対して相対的に下方へ変位させる。これにより、成形された撓み係止片18の外面側が第2金型40の係止片成形部49による拘束状態から解放される。この後、第1下型41から二次成形部15、中子11、アライメントプレート30を上方へ抜き取るが、このとき、撓み係止片18が外面側へ弾性撓みすることによって、係止突起18aが突起成形部47から離脱される(図5を参照)。以上により、基板用コネクタAの製造が完了する。
そして、この状態で、基板接続部23の先端部(下端部)を回路基板PのスルーホールHに差し込み、半田付けにより、基板接続部23を回路基板Pに対して導通可能に固着させるとともに、二次成形部15の弾性係止片17を回路基板Pの嵌合孔Eに嵌合させることで、ハウジング10を回路基板Pに固定する(図7を参照)。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(2)上記実施形態ではスルーホールに差し込んだ基板接続部を半田付けにより回路基板に固着するようにしたが、本発明は、基板接続部の先端部を弾性撓み可能とし、その基板接続部の弾性復元力によって回路基板に固着する場合にも適用できる。
(3)上記実施形態ではアライメントプレートが基板接続部の先端側位置に移動したときに係止手段によってアライメントプレートを変位規制するようにしたが、本発明によれば、このように係止手段を設けず、位置決め孔と基板接続部との間の摩擦抵抗によってアライメントプレートを先端側位置に保持するようにしてもよい。
(4)上記実施形態では二次成形部側の係止手段のみを撓み係止片としたが、本発明によれば、アライメントプレート側の係止手段のみを撓み係止片としてもよく、二次成形部側の係止手段とアライメントプレート側の係止手段の両方を撓み係止片としてもよい。
(5)上記実施形態では二次成形部側とアライメントプレート側のうち一方の係止手段を撓み変形しない形態としたが、本発明によれば、二次成形部側とアライメントプレート側の双方の係止手段が撓み変形せず、双方の係止手段の間の摩擦抵抗によってアライメントプレートを先端側位置に保持してもよい。
(6)上記実施形態では二次成形部側の係止手段を二次成形部に一体に形成したが、本発明によれば、二次成形部とは別々に成形された係止手段を二次成形部に組み付けても良い。
(7)上記実施形態ではアライメントプレート側の係止手段をアライメントプレートに一体に形成したが、本発明によれば、アライメントプレートとは別々に成形された係止手段をアライメントプレートに組み付けても良い。
P…回路基板
H…スルーホール
10…ハウジング
11…中子
15…二次成形部
18…撓み係止片(係止手段)
20…端子金具
23…基板接続部
30…アライメントプレート
33L…左側の係止部(係止手段)
33R…右側の係止部(係止手段)
40…金型
44…収容空間
51…成形空間
Claims (4)
- 複数の端子金具を保持する中子と、前記中子を金型にセットしてインサート成形を行うことにより成形された二次成形部とを一体化させた形態のハウジングと、前記複数の端子金具の基板接続部を貫通させることで整列させるアライメントプレートとを備え、前記基板接続部の先端部を回路基板のスルーホールに挿入するようにした基板用コネクタにおける、前記複数の基板接続部と前記アライメントプレートとの組付け構造であって、
インサート成形の際には、
前記基板接続部における前記中子に近い基端側位置に前記アライメントプレートが嵌合されているとともに、
収容空間を有する前記金型に対し、前記収容空間の開口部を塞ぐように前記中子がセットされ、前記収容空間内に前記基板接続部と前記アライメントプレートが収容されるとともに前記収容空間が二次成形用の成形空間から隔絶されるようになっており、
インサート成形後においては、前記アライメントプレートが前記基板接続部の基端側位置から先端側位置への変位を可能とされていることを特徴とする基板用コネクタにおける端子金具とアライメントプレートの組付け構造。 - 前記二次成形部と前記アライメントプレートには、前記アライメントプレートを前記基板接続部の先端側位置へ変位させたときに互いに係止することで、前記アライメントプレートの変位を規制する係止手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の基板用コネクタにおける端子金具とアライメントプレートの組付け構造。
- 前記二次成形部側の前記係止手段が、前記二次成形部に一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の基板用コネクタにおける端子金具とアライメントプレートの組付け構造。
- 前記二次成形部側の前記係止手段と前記アライメントプレート側の前記係止手段のうち少なくとも一方の係止手段が、弾性撓み可能な撓み係止片からなることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の基板用コネクタにおける端子金具とアライメントプレートの組付け構造。
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