JP2006145741A - 像ぶれ補正装置及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 補正光学系を移動させるアクチュエーターとして用いた圧電素子の変形ストロークの増大を図る。
【解決手段】 アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子21と、圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段23と、圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段20、20、・・・とを設け、上記圧電素子の一端部をレンズ鏡筒に対して固定し他端部を補正光学系に対して可動とし、圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と被写体像を形成する撮影光学系との初期位置を調整する調整手段を設けた。
【選択図】図6
【解決手段】 アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子21と、圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段23と、圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段20、20、・・・とを設け、上記圧電素子の一端部をレンズ鏡筒に対して固定し他端部を補正光学系に対して可動とし、圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と被写体像を形成する撮影光学系との初期位置を調整する調整手段を設けた。
【選択図】図6
Description
本発明は像ぶれ補正装置及び撮像装置についての技術分野に関する。詳しくは、補正光学系の初期位置調整を行い、補正光学系を移動させるアクチュエーターとして用いた圧電素子の変形ストロークの増大を図る技術分野に関する。
ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置には、レンズ鏡筒内に像ぶれ補正を行うぶれ補正用レンズを有する像ぶれ補正装置が設けられているものがある。補正光学系は、撮像装置に揺れが生じたときに、これを打ち消す方向にアクチュエーターの駆動力によって移動され、像ぶれ補正を行う。
このような補正光学系を有する撮像装置には、補正光学系を移動させるアクチュエーターとして、マグネット、ヨーク、コイル等によって構成されたリニアモーターが用いられたものがあるが、リニアモーターを用いた場合には、補正光学系を、その光軸と撮像光学系の光軸とが一致する初期位置に保持するために常時通電する必要性があるため消費電力が大きく、また、上記のように多数の部品によって構成されるため小型化を阻害するという欠点を有している。
そこで、アクチュエーターとして圧電素子を用いた撮像装置がある(例えば、特許文献1参照)。圧電素子は電荷の蓄積により変形される素子であるため、間欠的な通電で変形状態を保持することができ消費電力が小さく、小型化にも適するという長所を有する。
ところが、アクチュエーターとして用いられる圧電素子は、焼結により形成されるため、一般に、加工上の寸法誤差が生じ易い。従って、レンズ鏡筒の内部に圧電素子を介して補正光学系を支持する構造においては、補正光学系と撮像光学系との相対的な位置関係や補正光学系と圧電素子との相対的な位置関係に組立誤差が生じ易いという問題がある。
この場合、組立後に圧電素子に駆動電圧を印加し組立誤差を補正して撮像光学系に対する補正光学系の初期位置を設定することも可能であるが、組立誤差を補正した分の変形量が圧電素子の変形可能量から相殺され、圧電素子の変形可能なストローク量が小さくなってしまう。
この変形可能なストローク量を大きくするためには、圧電素子の有効長さを長くする必要があるが、長さを長くすると、上記した組立誤差のさらなる悪化や圧電素子の推力の低下を生じてしまう。
そこで、本発明は、上記した問題点を克服し、補正光学系を移動させるアクチュエーターとして用いた圧電素子の変形ストロークの増大を図ることを課題とする。
本発明像ぶれ補正装置及び撮像装置は、上記した課題を解決するために、アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子と、圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段と、圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段とを設け、上記圧電素子の一端部をレンズ鏡筒に対して固定し他端部を補正光学系に対して可動とし、圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と被写体像を形成する撮影光学系との初期位置を調整する調整手段を設けたものである。
従って、本発明像ぶれ補正装置及び撮像装置にあっては、補正光学系の撮像光学系に対する初期位置が装置の組立前に設定される。
別の本発明像ぶれ補正装置及び撮像装置は、上記した課題を解決するために、アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子と、圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段と、圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段とを設け、上記圧電素子の一端部をレンズ鏡筒に対して固定し他端部を補正光学系に対して可動とし、圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と圧電素子との初期位置を調整する調整手段を設けたものである。
従って、別の本発明像ぶれ補正装置及び撮像装置にあっては、補正光学系の圧電素子に対する初期位置が装置の組立前に設定される。
本発明像ぶれ補正装置は、レンズ鏡筒内に配置され結像面上における像ぶれを補正する補正光学系と像ぶれの補正時に補正光学系を移動させるアクチュエーターとを備えた像ぶれ補正装置であって、上記アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子と、圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段と、圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段とを備え、上記圧電素子は一端部がレンズ鏡筒に対して固定され他端部が補正光学系に対して可動とされ、圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と被写体像を形成する撮影光学系との初期位置を調整する調整手段を設けたことを特徴とする。
従って、初期位置において、補正光学系と撮像光学系との相対的な位置関係における組立誤差が生じておらず、その分、圧電素子の変形ストローク量を最大限使用することができるため、大きな変形ストローク量を確保するために圧電素子の有効長さを長くする必要がなく、像ぶれ補正装置の小型化を図ることができる。
また、圧電素子の長さを長くする必要がないため、圧電素子の推力の向上が図られ、ぶれ補正時の良好な追従性を確保することができる。
さらに、初期位置において、圧電素子に電圧を印加して補正光学系と撮像光学系との光軸を一致させる必要がないため、消費電力の低減を図ることができる。
本発明撮像装置は、レンズ鏡筒内に配置され結像面上における像ぶれを補正する補正光学系と像ぶれの補正時に補正光学系を移動させるアクチュエーターとを備えた像ぶれ補正装置であって、上記アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子と、圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段と、圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段とを備え、上記圧電素子は一端部がレンズ鏡筒に対して固定され他端部が補正光学系に対して可動とされ、圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と被写体像を形成する撮影光学系との初期位置を調整する調整手段を設けたことを特徴とする。
従って、初期位置において、補正光学系と撮像光学系との相対的な位置関係における組立誤差が生じておらず、その分、圧電素子の変形ストローク量を最大限使用することができるため、大きな変形ストローク量を確保するために圧電素子の有効長さを長くする必要がなく、撮像装置の小型化を図ることができる。
また、圧電素子の長さを長くする必要がないため、圧電素子の推力の向上が図られ、ぶれ補正時の良好な追従性を確保することができる。
さらに、初期位置において、圧電素子に電圧を印加して補正光学系と撮像光学系との光軸を一致させる必要がないため、消費電力の低減を図ることができる。 別の本発明像ぶれ補正装置は、レンズ鏡筒内に配置され結像面上における像ぶれを補正する補正光学系と像ぶれの補正時に補正光学系を移動させるアクチュエーターとを備えた像ぶれ補正装置であって、上記アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子と、圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段と、圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段とを備え、上記圧電素子は一端部がレンズ鏡筒に対して固定され他端部が補正光学系に対して可動とされ、圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と圧電素子との初期位置を調整する調整手段を設けたことを特徴とする。
従って、初期位置において、補正光学系と圧電素子との相対的な位置関係における組立誤差が生じておらず、その分、圧電素子の変形ストローク量を最大限使用することができるため、大きな変形ストローク量を確保するために圧電素子の有効長さを長くする必要がなく、像ぶれ補正装置の小型化を図ることができる。
また、圧電素子の長さを長くする必要がないため、圧電素子の推力の向上が図られ、ぶれ補正時の良好な追従性を確保することができる。
さらに、初期位置において、圧電素子に電圧を印加して補正光学系と圧電素子の相対的な位置関係を一致させる必要がないため、消費電力の低減を図ることができる。
別の本発明撮像装置は、レンズ鏡筒内に配置され結像面上における像ぶれを補正する補正光学系と像ぶれの補正時に補正光学系を移動させるアクチュエーターとを備えた像ぶれ補正装置であって、上記アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子と、圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段と、圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段とを備え、上記圧電素子は一端部がレンズ鏡筒に対して固定され他端部が補正光学系に対して可動とされ、圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と圧電素子との初期位置を調整する調整手段を設けたことを特徴とする。
従って、初期位置において、補正光学系と圧電素子との相対的な位置関係における組立誤差が生じておらず、その分、圧電素子の変形ストローク量を最大限使用することができるため、大きな変形ストローク量を確保するために圧電素子の有効長さを長くする必要がなく、撮像装置の小型化を図ることができる。
また、圧電素子の長さを長くする必要がないため、圧電素子の推力の向上が図られ、ぶれ補正時の良好な追従性を確保することができる。
さらに、初期位置において、圧電素子に電圧を印加して補正光学系と圧電素子の相対的な位置関係を一致させる必要がないため、消費電力の低減を図ることができる。
以下に、本発明像ぶれ補正装置及び撮像装置を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。以下に示す最良の形態は、本発明撮像装置をスチルカメラに適用し、本発明像ぶれ補正装置をこのスチルカメラに用いられた像ぶれ補正装置に適用したものである。尚、本発明の適用範囲はスチルカメラ又はスチルカメラに用いられた像ぶれ補正装置に限られることはなく、本発明は、ビデオカメラの他、動画撮影又は静止画撮影の機能を有する各種の撮像装置又はこれらの撮像装置に用いられた各種の像ぶれ補正装置に適用することができる。
撮像装置1(デジタルスチルカメラ)は、図1に示すように、撮像機能を有するカメラブロック2と、撮影された画像信号のアナログ−デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部3と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部4と、撮影された画像等を表示する表示部5と、記録媒体100に対する記録/再生を行う記録再生部6と、撮像装置1の全体を制御する中央演算処理装置7と、ユーザーによる操作入力を行うための入力操作部8と、カメラブロック2の各種のレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部9とを備えている。
カメラブロック2は、レンズ鏡筒10、該レンズ鏡筒10内に配置された各レンズやCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子11等を有する撮像光学系及び像ぶれの補正を行う像ぶれ補正装置等により構成される。
カメラ信号処理部3は、撮像素子11からの出力信号(アナログ信号)のデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度信号や色差信号への変換等の信号処理を行う。
画像処理部4は、所定の画像データーフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化、伸長復号化処理、解像度等のデーター仕様の変換処理等を行う。
記録媒体100は、例えば、着脱可能な半導体メモリーである。
表示部5は、例えば、液晶ディスプレイである。
記録再生部6は、画像処理部4によって符号化された画像データーの記録媒体100への書込や記録媒体100に記録された画像データーの読出を行う。
中央演算処理装置7は、撮像装置1に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部であり、入力操作部8からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
入力操作部8は、例えば、シャッター操作を行うためのシャッターレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等により構成され、ユーザーによる操作に応じた指示入力信号を中央演算処理装置7に対して出力する。
レンズ駆動制御部9は、中央演算処理装置7からの制御信号に基づいて、レンズ鏡筒10の内部に配置された各レンズ、例えば、ズーム用の後述する変倍レンズやフォーカス用の後述するフォーカスレンズを駆動する図示しないモーター等を制御する。
以下に、撮像装置1の動作を簡単に説明する。
撮影の待機状態においては、中央演算処理装置7による制御の下で、カメラブロック2において撮影された画像信号が、カメラ信号処理部3を介して表示部5に出力され、カメラスルー画像として表示される。
入力操作部8からのズーミングのための指示入力信号が入力されると、中央演算処理装置7がレンズ駆動制御部9に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部9の制御に基づいて、レンズ鏡筒10に配置された後述する変倍レンズが移動される。
フォーカシングは、例えば、シャッターレリーズボタンが半押しされた場合、又は、記録のために全押しされた場合等に、中央演算処理装置7からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部9がレンズ鏡筒10内の後述するフォーカスレンズを移動させることにより行われる。
入力操作部8からの指示入力信号によりカメラブロック2の図示しないシャッターが動作されると、画像信号がカメラ信号処理部3から画像処理部4に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデーターフォーマットのデジタルデーターに変換される。変換されたデーターは記録再生部6に出力され、記録媒体100に書き込まれる。
記録媒体100に記録された画像データーを再生する場合は、入力操作部8による操作に応じて、記録再生部6により記録媒体100から所定の画像データーが読み出され、画像処理部4で伸張復号化処理された後、再生画像信号が表示部5に出力される。これにより再生画像が表示される。
次に、カメラブロック2の構成例について説明する(図1参照)。
カメラブロック2のレンズ鏡筒10の内部には、撮像光学系を構成する各種のレンズ又はレンズ群(以下には、単に「レンズ」とする。)が配置されている。
レンズ鏡筒10の内部には、例えば、4群構成のレンズが配置されており、被写体側から順に、対物レンズ12、変倍レンズ13、ぶれ補正用レンズ14、フォーカスレンズ15とされている。変倍レンズ13はズーム用の可動レンズとして機能し、フォーカスレンズ15はフォーカス用の可動レンズとして機能する。
対物レンズ12、変倍レンズ13及びフォーカスレンズ15は上記撮像素子11とともに、被写体の撮影を行う撮像機能を有する撮像光学系の構成要素であり、ぶれ補正用レンズ14は撮像素子11の結像面上における像ぶれを補正する補正光学系の構成要素である。
対物レンズ12はレンズ鏡筒10の前端部に固定されている。
変倍レンズ13及びフォーカスレンズ15はそれぞれ図示しないレンズ保持枠に保持され、光軸方向へ移動可能とされている。変倍レンズ13が前方側へ移動されると広角となり、後方へ移動されると望遠となる。
図2はカメラブロックを変倍レンズ13及びフォーカスレンズ15を省略した状態で示す概略図である。
ぶれ補正用レンズ14はレンズ保持枠16に保持されている。レンズ保持枠16はぶれ補正用レンズ14を保持する保持部17と、該保持部17の下端部に設けられた連結部18と、保持部17の外周縁より外方に位置する被案内部19とから成る。連結部18は前方に開口された摺動凹部18aを有している。
レンズ鏡筒10の内部には、上下に位置する各一対の案内ピン20、20、・・・が設けられている。案内ピン20、20、・・・は、ぶれ補正用レンズ14の光軸OL方向への移動を規制すると共にぶれ補正用レンズ14の光軸OLと直交する方向における移動を案内する案内手段として機能する。レンズ保持枠16は、被案内部19がそれぞれ案内ピン20、20間に位置され、該案内ピン20、20、・・・に案内されて光軸OLと直交する面内において移動される。
レンズ鏡筒10の下端部には取付突部10aが設けられ、該取付突部10aにアクチュエーターとして機能する圧電素子21が取り付けられている。圧電素子21は前後に長い扁平な形状に形成され、例えば、互いに反対方向へ変形可能なバイモルフ型が用いられている。
圧電素子21は、例えば、その前端部が接着剤22によって取付突部10aの上面に固定されている。圧電素子21の後端部には球状に形成された摺動部材23が取り付けられている。摺動部材23は圧電素子21の変形時に、ぶれ補正用レンズ14の光軸OLと直交する方向における移動を許容する許容手段として機能する。
摺動部材23はレンズ保持枠16の連結部18に形成された摺動凹部18aに挿入され、圧電素子21の変形時に連結部18に対して摺動される。
圧電素子21は電圧が印加されることにより変形され、この電圧の印加は処理制御部24によって行われる(図1参照)。処理制御部24からの電圧の印加は、ぶれ検出部25による検出結果に基づいて行われる。
従って、撮像装置1に揺れが生じると、その揺れによる結像面上におけるぶれ量及びぶれ方向がぶれ検出部25によって検出され、検出結果が処理制御部24に送出される。処理制御部24はぶれ検出部25からの検出結果に基づいた大きさの電圧を圧電素子21の所定の部位に印加し、印加された部位及び電圧の大きさに応じた方向及び量の圧電素子21の変形が行われる。圧電素子21においては、生じたぶれを打ち消す方向及び量の変形が行われる。
例えば、図3に示すように、電圧の印加により圧電素子21が後端部が上方へ移動する方向へ変形されると、この変形に伴ってぶれ補正用レンズ14を保持するレンズ保持枠16が案内ピン20、20、・・・に案内されて上方へ移動される。このとき圧電素子21の変形に伴って摺動部材23がレンズ保持枠16の連結部18に対して摺動され、摺動部材23は僅かに前方へ移動される。
逆に、図4に示すように、電圧の印加により圧電素子21が後端部が下方へ移動する方向へ変形されると、この変形に伴ってぶれ補正用レンズ14を保持するレンズ保持枠16が案内ピン20、20、・・・に案内されて下方へ移動される。このとき圧電素子21の変形に伴って摺動部材23がレンズ保持枠16の連結部18に対して摺動され、摺動部材23は僅かに前方へ移動される。
以上に記載した通り、撮像装置1にあっては、ぶれ補正用レンズ14を移動させるためのアクチュエーターとして圧電素子21を用い、ぶれ補正用レンズ14の光軸方向への移動を規制すると共に光軸に直交する方向における移動を確保しているため、消費電力の低減及び部品点数の削減による小型化を図ることができると共にぶれ補正時にフォーカスずれのない動作を簡素な機構によって確保することができる。
また、上記のように、圧電素子21の一端部をレンズ鏡筒10に固定し、圧電素子21の他端部に摺動部材23を取り付けてレンズ保持枠16に対して可動とすることにより、簡素な構成により確実にぶれ補正用レンズ14を光軸OLと直交する方向に移動させることができる。
上記には、圧電素子21の一端部をレンズ鏡筒10に固定し、圧電素子21の他端部に摺動部材23を設けてレンズ保持枠16に対して可動とした例を示したが、以下に示すように、固定側と可動側を逆の構成とするカメラブロックとすることも可能である(図5参照)。
カメラブロック2Aのレンズ鏡筒10Aの下端部には取付突部10bが設けられ、該取付突部10bには後方へ開口された摺動凹部10cが形成されている。
圧電素子21の前端部には摺動部材23が取り付けられている。摺動部材23は取付突部10bの摺動凹部10cに挿入され、圧電素子21の変形時に取付突部10bに対して摺動される。圧電素子21の後端部は接着剤22によってレンズ保持枠16の連結部18に固定されている。
カメラブロック2Aにおいて、電圧の印加により圧電素子21が後端部が上方へ移動する方向へ変形されると、この変形に伴ってぶれ補正用レンズ14を保持するレンズ保持枠16が案内ピン20、20、・・・に案内されて上方へ移動される。このとき圧電素子21の変形に伴って摺動部材23がレンズ鏡筒10の取付突部10bに対して摺動され、摺動部材23は僅かに後方へ移動される。
逆に、電圧の印加により圧電素子21が後端部が下方へ移動する方向へ変形されると、この変形に伴ってぶれ補正用レンズ14を保持するレンズ保持枠16が案内ピン20、20、・・・に案内されて下方へ移動される。このとき圧電素子21の変形に伴って摺動部材23がレンズ鏡筒10の取付突部10bに対して摺動され、摺動部材23は僅かに後方へ移動される。
このように、圧電素子21の一端部に摺動部材23を取り付けてレンズ鏡筒10に対して可動とし、圧電素子21の他端部をレンズ保持枠16に固定することにより、簡素な構成により確実にぶれ補正用レンズ14を光軸OLと直交する方向に移動させることができる。
撮像装置1にあっては、上記したように、揺れが生じたときにぶれ補正を行うぶれ補正用レンズ14を有する補正光学系が設けられているが、この補正光学系と被写体像を形成する撮影光学系との初期位置調整又は補正光学系と圧電素子21との初期位置調整を行う調整手段が設けられている(図6参照)。
調整手段は、例えば、カメラブロック2Bのレンズ鏡筒10Bの取付突部10dに形成された球面状の調整用凹部10eと圧電素子21の一端部に取り付けられた球状の調整部材26とによって構成されている。調整部材26は調整用凹部10eに対して任意の回転方向へ摺動可能とされている。
取付突部10dにはレンズ鏡筒10の外部から調整用ネジ27が螺合され、該調整用ネジ27によって調整部材26が取付突部10dに固定可能とされている。
初期位置調整は、圧電素子21に電圧を印加していない状態において調整用ネジ27を緩め、調整部材26を調整用凹部10eに対して必要な方向へ回転して撮像光学系の光軸と補正光学系の光軸とを一致させ、両者の光軸が一致した状態で調整用ネジ27を締めて調整部材26を取付突部10dに固定することにより行う。
尚、上記した接着剤22によって圧電素子21を固定した図2及び図5に示した構成においても初期位置調整を行うことができる。例えば、接着剤22によって固定する前の圧電素子21に電圧を印加していない状態において、圧電素子21及びぶれ補正用レンズ14を保持したレンズ保持枠16を任意の調整手段、例えば、図示しない調整用治具によって保持し、この調整用治具により圧電素子21及びレンズ保持枠16を撮像光学系に対して必要な方向へ移動し、撮像光学系の光軸と補正光学系の光軸とを一致させ、両者の光軸が一致した状態で接着剤22によって圧電素子21を固定することにより行う。
上記した各初期位置調整は圧電素子21の可動端側又は固定端側の何れの側においても行うことが可能である。
上記のような初期位置調整を行うことにより、圧電素子21に電圧が印加されていない初期位置においては、補正光学系と撮像光学系との相対的な位置関係における組立誤差が生じておらず、補正光学系の光軸と撮像光学系の光軸とが一致されている。
従って、圧電素子21の変形ストローク量を最大限使用することができるため、大きな変形ストローク量を確保するために圧電素子の有効長さを長くする必要がなく、その分、撮像装置1の小型化を図ることができる。
また、圧電素子の長さを長くする必要がないため、圧電素子21の推力の向上が図られ、ぶれ補正時の良好な追従性を確保することができる。
さらに、初期位置において、圧電素子21に電圧を印加して補正光学系と撮像光学系との光軸を一致させる必要がないため、消費電力の低減を図ることができる。
尚、上記には、圧電素子21としてバイモルフ型を用いて互いに反対方向へ変形させる例を示したが、これに代えて、一方向にのみ変形するユニモルフ型を組み合わせて互いに反対方向に変形するように構成してもよい。
また、上記には、ぶれの補正時に補正光学系が上下方向に移動される例を示したが、これに加え、ぶれの補正時に左右方向にも移動される機構を組み合わせることも可能である。
さらに、圧電素子21の取付位置もレンズ鏡筒10の下端部に限られることはなく、補正光学系がぶれを補正する方向へ移動される構成であれば、任意の位置に取り付けることが可能である。
尚、上記に示した上下前後の方向は説明の便宜上のものであり、これらの方向に限定されることはない。
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
1…撮像装置、10…レンズ鏡筒、14…ぶれ補正用レンズ(補正光学系)、20…案内ピン(案内手段)、21…圧電素子(アクチュエーター)、23…摺動部材(許容手段)、10A…レンズ鏡筒、10B…レンズ鏡筒、10e…調整用凹部(調整手段)、26…調整部材(調整手段)
Claims (4)
- レンズ鏡筒内に配置され結像面上における像ぶれを補正する補正光学系と像ぶれの補正時に補正光学系を移動させるアクチュエーターとを備えた像ぶれ補正装置であって、
上記アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子と、
圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段と、
圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段とを備え、
上記圧電素子は一端部がレンズ鏡筒に対して固定され他端部が補正光学系に対して可動とされ、
圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と被写体像を形成する撮影光学系との初期位置を調整する調整手段を設けた
ことを特徴とする像ぶれ補正装置。 - レンズ鏡筒内に配置され結像面上における像ぶれを補正する補正光学系と像ぶれの補正時に補正光学系を移動させるアクチュエーターとを備えた像ぶれ補正装置であって、
上記アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子と、
圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段と、
圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段とを備え、
上記圧電素子は一端部がレンズ鏡筒に対して固定され他端部が補正光学系に対して可動とされ、
圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と被写体像を形成する撮影光学系との初期位置を調整する調整手段を設けた
ことを特徴とする撮像装置。 - レンズ鏡筒内に配置され結像面上における像ぶれを補正する補正光学系と像ぶれの補正時に補正光学系を移動させるアクチュエーターとを備えた像ぶれ補正装置であって、
上記アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子と、
圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段と、
圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段とを備え、
上記圧電素子は一端部がレンズ鏡筒に対して固定され他端部が補正光学系に対して可動とされ、
圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と圧電素子との初期位置を調整する調整手段を設けた
ことを特徴とする像ぶれ補正装置。 - レンズ鏡筒内に配置され結像面上における像ぶれを補正する補正光学系と像ぶれの補正時に補正光学系を移動させるアクチュエーターとを備えた像ぶれ補正装置であって、
上記アクチュエーターとして用いられ所定の方向に変形して補正光学系を像ぶれを補正する方向へ移動させる圧電素子と、
圧電素子の変形に伴って変位され該圧電素子の変形時に補正光学系の光軸と直交する方向における移動を許容する許容手段と、
圧電素子の変形時に補正光学系の光軸方向への移動を規制すると共に補正光学系の光軸に直交する方向における移動を案内する案内手段とを備え、
上記圧電素子は一端部がレンズ鏡筒に対して固定され他端部が補正光学系に対して可動とされ、
圧電素子の上記一端部又は他端部の少なくとも一方に、補正光学系と圧電素子との初期位置を調整する調整手段を設けた
ことを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004334421A JP2006145741A (ja) | 2004-11-18 | 2004-11-18 | 像ぶれ補正装置及び撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
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JP2009092727A (ja) * | 2007-10-04 | 2009-04-30 | Sony Corp | 光学素子モジュール及び撮像装置 |
JP2009098188A (ja) * | 2007-10-12 | 2009-05-07 | Ricoh Co Ltd | 撮像装置 |
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2004
- 2004-11-18 JP JP2004334421A patent/JP2006145741A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009092727A (ja) * | 2007-10-04 | 2009-04-30 | Sony Corp | 光学素子モジュール及び撮像装置 |
JP4501085B2 (ja) * | 2007-10-04 | 2010-07-14 | ソニー株式会社 | 光学素子モジュール及び撮像装置 |
US7800847B2 (en) | 2007-10-04 | 2010-09-21 | Sony Corporation | Optical element module and image pickup device |
JP2009098188A (ja) * | 2007-10-12 | 2009-05-07 | Ricoh Co Ltd | 撮像装置 |
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