JP2006144982A - 防振支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防振支持装置の可動板および第1、第2可動板ホルダ間の間隙を精度良く管理できるようにする。
【解決手段】 防振支持装置の上下の液室間を減衰通路30と開口h1,h2とによって連通させる仕切部材19は、ゴム製の第1、第2可動板ホルダ26,27間に配置された可動板28を備える。可動板28は円弧状の第1、第2スリット28a,28bの内側および外側の固定部28c,28dを第1、第2可動板ホルダ26,27に挟持されて固定され、また第1、第2スリット28a,28bの間で前記開口h1,h2に臨む可動部28eは、間隙αを介して第1、第2可動板ホルダ26,27の凹部26c,27cに対向し、この間隙αの範囲で上下に移動可能である。可動板28の固定部28c,28dをゴム製の第1、第2可動板ホルダ26,27で挟持したので、可動板28の厚さにばらつきが存在しても間隙αの大きさを安定させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、振動の入力に伴って容積が拡大・縮小する第1、第2液室間を、第1、第2可動板ホルダ間に可動板を移動自在に支持した仕切部材で仕切った防振支持装置に関する。
かかる防振支持装置は、例えば下記特許文献1、2により公知である。従来のこの種の防振支持装置は、第1、第2可動板ホルダ間に微小な間隙を介して可動板を支持することで、前記間隙の範囲内で液圧の変動に伴う可動板を移動を可能にしていた。この可動板タイプの防振支持装置は、エンジン音領域の微小振動(振幅が0.1mm程度)が入力したときに可動板が移動して動ばね定数が極めて小さくなるので、騒音の遮断効果が高いという利点がある反面、可動板が移動できる微小振動の領域では減衰力が発生しないという問題がある(図6の破線参照)。従って、エンジン音領域では可動板を移動を可能にして動ばね定数を極力小さくしつつ、車両が平坦路を走行するような場合にやや大きな振動(振幅が0.25mm程度)が入力したときに、直ちに可動板の移動を拘束して減衰力を発生させることが望ましい。
また弾性部材で構成した可動膜の周囲を第1、第2可動板ホルダに固定し、液圧の変動に伴って可動膜を撓ませる構造の防振支持装置も知られている。この可動膜タイプの防振支持装置は、全振幅領域で減衰力を発生可能であるが、微小振幅のエンジン音領域での動ばね定数が可動板タイプの防振支持装置よりも高く、かつ大振幅領域で減衰力が低いという問題がある(図6の鎖線参照)。
実公平6−37217号公報 実公平5−24835号公報
ところで、可動板タイプの防振支持装置において、エンジン音領域では可動板を移動を可能にして動ばね定数を極力小さくしつつ、エンジン音領域よりも振幅が大きい振動が入力したときに直ちに減衰力を発生させるには、可動板および第1、第2可動板ホルダ間の微小な間隙を精密に管理することが必要である。しかしながら、第1、第2可動板ホルダの間に可動板を移動可能にフローティング支持した従来のものは、第1、第2可動板ホルダおよび可動板の寸法精度によって前記間隙の大きさが変動してしまい、しかもゴム製の可動板および第1、第2可動板ホルダが液体との接触により膨潤するため、前記間隙の初期設定値を大きめに設定する必要があり、可動板の機能が切り換わる振幅の大きさを望ましい値よりも大きくせざるを得ないという問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、防振支持装置の可動板および第1、第2可動板ホルダ間の間隙を精度良く管理できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、振動体に取り付けられる第1取付部材と、支持体に取り付けられる第2取付部材と、第1、第2取付部材間を接続する弾性体と、弾性体の内部に区画された第1液室と、第1液室に減衰通路を介して連通し、第1液室の容積の拡大・縮小に応じて容積が縮小・拡大する第2液室と、第1、第2液室間を仕切るように所定間隔を有して配置され、第1、第2液室を連通させる開口が形成された弾性部材からなる第1、第2可動板ホルダと、第1、第2可動板ホルダ間に支持された可動板とを備えた防振支持装置において、前記可動板にスリットを挟んで固定部および可動部を形成し、固定部を第1、第2可動板ホルダ間に挟んで固定し、前記開口に臨む可動部を第1、第2可動板ホルダ間に間隙を介して変位可能に配置したことを特徴とする防振支持装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記可動板は円板状であり、前記スリットは同心に配置された小径円弧状の第1スリットおよび大径円弧状の第2スリットからなり、第1スリットの径方向内側および第2スリットの径方向外側を前記固定部とし、第1、第2スリットの間を前記可動部としたことを特徴とする防振支持装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、第1、第2可動板ホルダは剛性部材からなる第1、第2バックアッププレート間に挟まれており、第1、第2バックアッププレートに対向する第1、第2可動板ホルダの表面に凹部を形成したことを特徴とする防振支持装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、第1、第2可動板ホルダの内部に可動板と平行に延びる補強板を埋設したことを特徴とする防振支持装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、第1、第2可動板ホルダと可動板との間の間隙を、可動板の径方向あるいは円周方向に変化させたことを特徴とする防振支持装置が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、第1、第2可動板ホルダに可動板に向けて突出する突起を形成したことを特徴とする防振支持装置が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、可動板を、第1、第2可動板ホルダよりも高いヤング率の材料で構成したことを特徴とする防振支持装置が提案される。
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1〜請求項7の何れか1項の構成に加えて、可動板を、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリイミドで構成したことを特徴とする防振支持装置が提案される。
尚、実施例のエンジンEは本発明の振動体に対応し、実施例の車体フレームFは本発明の支持体に対応する。
請求項1の構成によれば、振動が入力して第1、第2取付部材間を接続する弾性体が変形すると、弾性体の内部に区画された第1液室に振動的な液圧が発生する。振動の振幅が小さいときには第1、第2可動板ホルダとの間の間隙の範囲内で可動板の可動部が振動するため、第1液室に液圧が発生しないようにして防振支持装置の動ばね定数を低減し、騒音を遮断することができる。また振動の振幅が大きいときには可動板の可動部が第1、第2可動板ホルダの開口を閉塞して第1液室に液圧が発生するため、第1、第2液室の液体が減衰通路を介して行き来することで振動を減衰させる減衰力を発生することができる。可動板の厚さに製造上のばらつきが存在しても、可動板の固定部を弾性部材で構成された第1、第2可動板ホルダ間に挟んで固定したので、第1、第2可動板ホルダの弾性変形によって前記可動板の厚さのばらつきを吸収し、可動板の可動部と第1、第2可動板ホルダとの間の間隙の寸法精度を高めることができる。これにより、可動板が可動板ホルダの開口を開放する状態と閉塞する状態とが切り換わる振動の振幅を精度良く管理することができる。
請求項2の構成によれば、円板状の可動板に小径円弧状の第1スリットおよび大径円弧状の第2スリットを同心に形成し、第1スリットの径方向内側および第2スリットの径方向外側を固定部とし、第1、第2スリットの間を可動部としたので、固定部で可動板を強固に固定しながら、可動部を自由に移動させることができる。
請求項3の構成によれば、第1、第2可動板ホルダを剛性部材からなる第1、第2バックアッププレート間に挟み、第1、第2バックアッププレートに対向する第1、第2可動板ホルダの表面に凹部を形成したので、第1、第2バックアッププレートで第1、第2可動板ホルダの撓みを規制しながら、第1、第2可動板ホルダの液体との接触による膨潤や熱膨張による体積増加を前記凹部により吸収し、可動板の可動部および第1、第2可動板ホルダ間の間隙の変化を最小限に抑えることができる。
請求項4の構成によれば、第1、第2可動板ホルダの内部に可動板と平行に延びる補強板を埋設したので、補強板で第1、第2可動板ホルダを拘束して液体との接触による膨潤や熱膨張の影響を軽減し、可動板の可動部および第1、第2可動板ホルダ間の間隙の変化を最小限に抑えることができる。
請求項5の構成によれば、第1、第2可動板ホルダと可動板との間の間隙を、可動板の径方向あるいは円周方向に変化させたので、液圧で振動する可動板が第1、第2可動板ホルダに接触する面積を次第に増加させて衝突音の発生を抑制することができる。
請求項6の構成によれば、第1、第2可動板ホルダに可動板に向けて突出する突起を形成したので、液圧で振動する可動板が第1、第2可動板ホルダに接触したときに突起を次第に変形させて衝突音の発生を抑制することができる。
請求項7の構成によれば、可動板のヤング率を第1、第2可動板ホルダのヤング率よりも高く設定したので、可動板の固定部を第1、第2可動板ホルダ間に挟んで固定したときに、第1、第2可動板ホルダ側を弾性変形させて可動板の厚さのばらつきを吸収し、可動板の可動部と第1、第2可動板ホルダとの間の間隙の寸法精度を一層高めることができる。
請求項8の構成によれば、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリイミドで可動板を構成したので、液体との接触による可動板の膨潤を最小限に抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の第1実施例を示すもので、図1は防振支持装置の縦断面図、図2は図1の2部拡大図、図3は仕切部材の分解図、図4は図3の4方向矢視図、図5は図3の5方向矢視図、図6は作用効果を説明するグラフである。
図1〜図5に示すように、自動車のエンジンを車体フレームに弾性的に支持するために用いられる防振支持装置Mは、軸線(減衰軸)Lに関して実質的に軸対称な構造を有するもので、振動体であるエンジンEに取り付けられるスタッドボルト11を有する平板状の第1取付部材12と、支持体である車体フレームFに固定されるフランジ部13aを有する円筒状の第2取付部材13とを備える。環状をなす弾性体支持リング16の下端のカシメ部16aが第2取付部材13の上端にカシメにより固定されており、厚肉のゴムで円錐状に形成された弾性体17の上端が第1取付部材12の下面に加硫接着により固定されるとともに、下端が弾性体支持リング16の上部に加硫接着により固定される。
弾性体17は、その軸線L方向の中間部に埋設されたは補強リング18で上半部および下半部に分割されており、この補強リング18により弾性体17の軸線L方向の座屈強度を確保しながら、軸線Lと直交する方向のばね定数を高めている。また弾性体17の下面には、仕切部材19の上面に当接可能なストッパ部17aが下向きに突設される。弾性体支持リング16の下端を第2取付部材13の上端に固定するカシメ部16aには、仕切部材19の外周部と固定リング20とが挟持されて一体にカシメられる。固定リング20には仕切部材19の下面を覆うダイヤフラム21の外周部が加硫接着される。弾性体17と仕切部材19との間には第1液室22が区画され、ダイヤフラム21と仕切部材19との間には第2液室23が区画される。第1、第2液室22,23には水と不凍液(ポリエチレングリコール)の混合物が充填される。
仕切部材19は、外周部が相互に当接して内周部が相互に離間した円板状の第1バックアッププレート24および第2バックアッププレート25と、第1、第2バックアッププレート24,25間に挟持されたゴム製の第1可動板ホルダ26および第2可動板ホルダ27と、第1、第2可動板ホルダ26,27間に配置された円板状の可動板28と、第1、第2バックアッププレート24,25の中心部の間隔を一定に規制するためのリベット29とを備える。第1実施例の可動板28はゴム製であり、例えば厚さ2mmのゴム板から切り出される。第1、第2バックアッププレート24,25は剛性の高い金属製であり、ゴム製の第1、第2可動板ホルダ26,27の撓みを規制する。
可動板28は円板状の部材であり、180°弱の中心角を有する一対の小径の第1スリット28a,28aと、180°弱の中心角を有する一対の大径の第2スリット28b,28bとを位相を同じくして同心状に備えている。第1スリット28a,28aの内側の領域と第2スリット28b,28bの外側の領域とがそれぞれ第1、第2固定部28c,28dとされ、第1スリット28a,28aおよび第2スリット28b,28bに挟まれた領域が可動部28eとされる。
第1、第2バックアッププレート24,25および第1、第2可動板ホルダ26,27には、リベット29の位置を中心として放射方向に延びる複数の開口h1…,h2…が形成される。また第1、第2可動板ホルダ26,27の可動板28に対向する面には、可動板28の内側の第1固定部28cに当接する第1固定部26a,27aと、可動板28の外側の第2固定部28dに当接する第2固定部26b,27bとが形成され、それら第1固定部26a,27aおよび第2固定部26b,27bの間に浅い凹部26c,27cが形成される。
従って、可動板28の内側の第1固定部28cおよび可動板28の外側の第2固定部28dは、それぞれ第1、第2可動板ホルダ26,27の第1固定部26a,27aおよび第2固定部26b,27bにより挟持されて固定され、可動板28の可動部28eは第1、第2可動板ホルダ26,27の凹部26c,27cに間隙αを介して対向し、第1スリット28a,28aおよび第2スリット28b,28bによって前記間隙αの範囲で上下動が可能になる。
そして第1、第2液室22,23を連通させる開口h1…,h2…は、可動板28の可動部28eに対向する。また第1、第2可動板ホルダ26,27の合わせ面には略360°に亘って延びる環状の減衰通路30が形成されており、その一端は連通孔h3を介して第1液室22に連通するとともに、その他端は連通孔h4を介して第2液室23に連通する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
エンジンEの振動あるいは車体Fの振動が減衰軸である軸線L方向に入力され、その振動によって第1、第2取付部材12,13が軸線L方向に相互に接近・離間すると、弾性体17が変形して第1液室22の容積が増減する。このとき、エンジンEのアイドリング振動のような微小振幅の振動に対しては、仕切部材19の第1、第2可動板ホルダ26,27間に間隙αを存して支持された可動板28の可動部28eが微小振幅で上下動することで、第1液室22の圧力変動を吸収する。これにより、微小振幅の振動の入力時に防振支持装置Mの動ばね定数を小さくし、騒音の原因となる高周波数の振動を吸収することができる。
また大振幅の振動の入力により弾性体17が変形して第1液室22の液圧が大きく増減すると、可動板28の可動部28eが第1、第2可動板ホルダ26,27に押し付けられて第1、第2バックアッププレート24,25および第1、第2可動板ホルダ26,27の開口h1…,h2…が閉塞される。その結果、第1液室22の容積が減少すると該第1液室22の液体が連通孔h3、環状の減衰通路30および連通孔h4を介して第2液室23に移動し、第1液室22の容積が増加すると第2液室23の液体が連通孔h4、環状の減衰通路30および連通孔h3を介して第1液室22に移動し、その際に大きな減衰力を発生することでカーシェイク等の振動を抑制することができる。
更に大きな振動が入力された場合には、下向きに大きく変形した弾性体17のストッパ部17aが仕切部材19の上面に当接することで、弾性体17の過剰な変形を防止することができる。
図6のグラフには、防振支持装置Mに入力される振動の振幅とtanδ(損失係数)との関係が示される。
鎖線は可動板28の代わりに周囲を固定された可動膜を用いた従来例の特性を示すもので、可動膜を用いると微小振動が入力した場合でも第1液室22に液圧が発生するために減衰力が発生してしまい、エンジンEのアイドル振動やアイドル騒音を効果的に遮断し難くなるだけでなく、振幅の大きい振動が入力して可動膜が大きく撓むと、その膜厚が減少して変形が更に促進されるため、カーシェイク等の大振幅の振動の入力時に充分な減衰力を発生させられなくなる問題がある。
また破線は厚さ2mmのゴム板で構成した可動板28をフローティング支持した従来例の特性を示すもので、本来は入力する振動の振幅が0.1mm程度で減衰力が立ち上がるのが望ましいのに対し、振幅が0.3mm以上になったときに減衰力が遅れて立ち上がっている。
フローティング支持された従来の可動板28の減衰力の立ち上がりが遅れるのは、その間隙αを精密に管理できないからである。第1、第2可動板ホルダ26,27は金型成形されるために寸法精度は比較的に高くなるが、可動板28はゴム板から切り出されるために厚さの寸法精度が比較的に低くなり、その結果として間隙αの寸法精度は可動板28の厚さの精度により支配されることになる。
しかしながら、本実施例によれば、可動板28の第1、第2固定部28c,28dを第1、第2可動板ホルダ26,27の第1固定部26a,27aおよび第2固定部26b,27cで挟持して固定するので、可動板28が設定値よりも厚い場合は第1、第2可動板ホルダ26,27はより多く潰れ、可動板28が設定値よりも薄い場合は第1、第2可動板ホルダ26,27はより少なく潰れることで、可動板28の厚さにばらつきがあっても間隙αの精度を高めることができる。以上の理由から、可動板28のヤング率は第1、第2可動板ホルダ26,27のヤング率よりも高いことが望ましい。
このようにして、可動板28および第1、第2可動板ホルダ26,27間の間隙αの精度が高められると、図6に実線で示すように、入力する振動の振幅が約0.15mm未満のときに可動板28を移動させて動ばね定数を低減し、エンジン音の遮断効果を高めることができる。そして振幅が約0.15mm以上の振動が入力すると、可動板28が第1、第2可動板ホルダ26,27の開口h1…,h2…を閉塞して減衰力を直ちに立ち上げるので、例えば車両が平坦路を走行する場合の振幅が0.25mm程度の振動を効果的に遮断することができる。
図7および図8は本発明の第2実施例を示すもので、図7は前記図2に対応する図、図8は図7の8−8線矢視図である。
第1実施例の可動板28はゴム製であったが、第2実施例の可動板28は厚さが100μm程度の合成樹脂(具体的には、液体に接触しても膨潤し難いポリエチレンテレフタレートやポリイミド)の薄膜で構成される。第1、第2可動板ホルダ26,27および可動板28が両方とも液体との接触により膨潤するゴム製であると、その膨潤によって間隙αが不安定になるが、可動板28を膨潤し難い合成樹脂製とすることで、膨潤の影響を最小限に抑えて間隙αの安定化を図ることができる。可動板28と同様に第1、第2可動板ホルダ26,27も合成樹脂製とすれば間隙αを更に安定化することができるが、可動板28が第1、第2可動板ホルダ26,27に接触したときに、望ましくない打音が発生してしまう問題がある。
第2実施例では、第1、第2可動板ホルダ26,27の膨潤の影響を最小限に抑えるために、第1、第2可動板ホルダ26,27が第1、第2バックアッププレート24,25に接触する面に凹部26d,26e;27d,27eが形成される。一方の凹部26d,27dは開口h1…,h2…の周囲を囲むように比較的に深く形成され、他方の凹部26e,27eはそれ以外の部分に比較的に浅く形成される。
このように、第1、第2可動板ホルダ26,27が第1、第2バックアッププレート24,25に接触する面に凹部26d,26e;27d,27eを形成したことにより、ゴム製の第1、第2可動板ホルダ26,27が液体との接触により膨潤しても、その膨潤による体積増加分を凹部26d,26e;27d,27eで吸収し、間隙αの更なる安定化に寄与することができる。
尚、第1、第2可動板ホルダ26,27の凹部26d,26e;27d,27eは、第1、第2可動板ホルダ26,27の膨潤の影響だけでなく、熱膨張の影響を緩和する機能も発揮することができる。
図9に示す第3実施例は上記第2実施例の変形であって、可動板28を挟むように第1、第2可動板ホルダ26,27の内部に金属板よりなる補強板31,32が埋設される。この補強板31,32で第1、第2可動板ホルダ26,27を補強することで、その膨潤や熱膨張の影響を更に軽減して間隙αの大きさを一層安定化することができる。
ところで、第1、第2可動板ホルダ26,27間に挟まれた可動板28の可動部28eが液圧で振動すると、第1、第2可動板ホルダ26,27に接触して騒音が発生する。この騒音を低減するために第1、第2可動板ホルダ26,27はゴム製とされているが、以下の第4実施例〜第6実施例によれば、可動板28の可動部28eが第1、第2可動板ホルダ26,27に接触したときの騒音を更に低減することができる。
図10に示す第4実施例は、可動板28の可動部28eを円周方向に波うたせたものである。この実施例によれば、可動板28の可動部28eと第1、第2可動板ホルダ26,27との間隙αが円周方向および径方向に変化し、可動板28の可動部28eが第1可動板ホルダ26の下面および第2可動板ホルダ27の上面に所々で接触するため、微小振動が入力したときに第1、第2液室22,23間の液体の流通を阻害することなく、かつ可動板28の可動部28eが第1、第2可動板ホルダ26,27に接触して発生する騒音を更に低減することができる。
尚、可動板28の可動部28eを円周方向に波うたせる代わりに、径方向に波うたせても同様の作用効果を達成することができる。
図11に示す第5実施例は、第1、第2可動板ホルダ26,27の開口h1…,h2…の周囲に、可動板28の可動部28eに向けて突出する複数の突起26f,27fを所定間隔で形成したものである。この実施例によれば、可動板28の可動部28eが液圧で移動すると突起26f,27fが次第に押しつぶされるため、衝突音の発生を防止して騒音を更に低減することができる。
図12に示す第6実施例は、第1、第2可動板ホルダ26,27の開口h1…,h2…が存在しない部分に、可動板28の可動部28eに向けて突出する複数の突起26g,27gを所定間隔で形成したものである。この実施例によっても、可動板28の可動部28eが液圧で移動すると突起26g,27gが次第に押しつぶされるため、衝突音の発生を防止して騒音を更に低減することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例の防振支持装置Mは自動車のエンジンEの支持に適用されているが、本発明は他の任意の用途に適用することができる。
また実施例では可動板28を一部材で構成しているが、内周側の第1固定部28c、外周側の第2固定部28dおよび中央の可動部28eを、内外2個の環状のスリットで完全に分離された別部材で構成しても良い。
防振支持装置の縦断面図 図1の2部拡大図 仕切部材の分解図 図3の4方向矢視図 図3の5方向矢視図 作用効果を説明するグラフ 第2実施例に係る、前記図2に対応する図 図7の8−8線矢視図 第3実施例に係る、前記図7の枠内に対応する図 第4実施例に係る、前記図7の枠内に対応する図 第5実施例に係る、前記図7の枠内に対応する図 第6実施例に係る、前記図7の枠内に対応する図
符号の説明
12 第1取付部材
13 第2取付部材
17 弾性体
22 第1液室
23 第2液室
24 第1バックアッププレート
25 第1バックアッププレート
26 第1可動板ホルダ
26c,26d,26e 凹部
26f,26g 突起
27 第2可動板ホルダ
27c,27d,27e 凹部
27f,27g 突起
28 可動板
28a 第1スリット
28b 第1スリット
28c,28d 固定部
28e 可動部
30 減衰通路
31,32 補強板
E エンジン(振動体)
F 車体フレーム(支持体)
h1 開口
h2 開口
α 間隙

Claims (8)

  1. 振動体(E)に取り付けられる第1取付部材(12)と、
    支持体(F)に取り付けられる第2取付部材(13)と、
    第1、第2取付部材(12,13)間を接続する弾性体(17)と、
    弾性体(17)の内部に区画された第1液室(22)と、
    第1液室(22)に減衰通路(30)を介して連通し、第1液室(22)の容積の拡大・縮小に応じて容積が縮小・拡大する第2液室(23)と、
    第1、第2液室(22,23)間を仕切るように所定間隔を有して配置され、第1、第2液室(22,23)を連通させる開口(h1,h2)が形成された弾性部材からなる第1、第2可動板ホルダ(26,27)と、
    第1、第2可動板ホルダ(26,27)間に支持された可動板(28)と、
    を備えた防振支持装置において、
    前記可動板(28)にスリット(28a,28b)を挟んで固定部(28c,28d)および可動部(28e)を形成し、固定部(28c,28d)を第1、第2可動板ホルダ(26,27)間に挟んで固定し、前記開口(h1,h2)に臨む可動部(28e)を第1、第2可動板ホルダ(26,27)間に間隙(α)を介して変位可能に配置したことを特徴とする防振支持装置。
  2. 前記可動板(28)は円板状であり、前記スリット(28a,28b)は同心に配置された小径円弧状の第1スリット(28a)および大径円弧状の第2スリット(28b)からなり、第1スリット(28a)の径方向内側および第2スリット(28b)の径方向外側を前記固定部(28c,28d)とし、第1、第2スリット(28a,28b)の間を前記可動部(28e)としたことを特徴とする、請求項1に記載の防振支持装置。
  3. 第1、第2可動板ホルダ(26,27)は剛性部材からなる第1、第2バックアッププレート(24,25)間に挟まれており、第1、第2バックアッププレート(24,25)に対向する第1、第2可動板ホルダ(26,27)の表面に凹部(26c,26d,26e;27c,27d,27e)を形成したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の防振支持装置。
  4. 第1、第2可動板ホルダ(26,27)の内部に可動板(28)と平行に延びる補強板(31,32)を埋設したことを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の防振支持装置。
  5. 第1、第2可動板ホルダ(26,27)と可動板(28)との間の間隙(α)を、可動板(28)の径方向あるいは円周方向に変化させたことを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の防振支持装置。
  6. 第1、第2可動板ホルダ(26,27)に可動板(28)に向けて突出する突起(26f,26g;27f,27g)を形成したことを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の防振支持装置。
  7. 可動板(28)を、第1、第2可動板ホルダ(26,27)よりも高いヤング率の材料で構成したことを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の防振支持装置。
  8. 可動板(28)を、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリイミドで構成したことを特徴とする、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の防振支持装置。
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