JP2006144857A - ベルト式無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】無段変速機において積層されたベルトの各ベルト間の摺動抵抗を低減する。
【解決手段】
本発明は、無段変速機においてエンジン側に連結される第1のプーリ(1)と、駆動輪側に連結される第2のプーリ(2)と、複数の穴(9、10)を有するリング状のベルト(5)を複数積層して、周方向に複数個設けられるエレメント(7)によって嵌合保持した、第1のプーリ(1)及び第2のプーリ(2)に掛け回される積層ベルト(6)とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】
本発明は、無段変速機においてエンジン側に連結される第1のプーリ(1)と、駆動輪側に連結される第2のプーリ(2)と、複数の穴(9、10)を有するリング状のベルト(5)を複数積層して、周方向に複数個設けられるエレメント(7)によって嵌合保持した、第1のプーリ(1)及び第2のプーリ(2)に掛け回される積層ベルト(6)とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、ベルト式無段変速機のベルトに関するものである。
ベルト式無段変速機では、プライマリプーリとセカンダリプーリとに掛け回されたベルトの接触半径を変化させることで、車両の運転状況に応じてエンジンの回転速度を変速して駆動輪へと伝達する。ベルトにはエンジンからの入力トルクに応じた応力が発生するので、十分な強度を確保する必要がある。
そこで、リング状のベルトを半径方向に積層した積層ベルトをベルトの周方向に複数配置されるエレメントによって嵌合保持することで、ベルトの強度を向上させる技術が特許文献1に記載されている。
特開2002−235810
しかし、上記従来の技術では積層されたベルトの各ベルト間に摺動抵抗を生じるので、ベルト全体としてのフリクショントルクによって駆動力の伝達効率が低下する。
また、無段変速機ユニットの軸方向のサイズを小形化して搭載性を向上させるためには積層ベルトの幅を小さくすればよいが、入力トルクに対する強度を保持するためにはその分ベルトの積層数を増加させる必要があり、これによりフリクショントルクがさらに増大する。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、積層されたベルトの各ベルト間の摺動抵抗を低減してベルト全体としてのフリクショントルクを低減することができるベルト式無段変速機を提供することを目的としている。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、エンジン側に連結される第1のプーリ(1)と、駆動輪側に連結される第2のプーリ(2)と、複数の穴(9、10)を有するリング状のベルト(5)を複数積層して、周方向に複数個設けられるエレメント(7)によって嵌合保持した、第1のプーリ(1)及び第2のプーリ(2)に掛け回される積層ベルト(6)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ベルトに設けられた穴によってベルトにおける潤滑油の保油性が向上するので、積層されたベルトの各ベルト間の摺動抵抗を低減してベルト全体としてのフリクショントルクを低減させることができる。よって、駆動力の伝達効率を向上させて燃費を向上させることができる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態におけるベルト式無段変速機の全体構成図である。プライマリプーリ1はエンジンと機械的に連結され、エンジンの駆動力によって回転する。セカンダリプーリ2は駆動輪側に連結され駆動輪へ駆動力を伝達する。スチールベルト3はプライマリプーリ1とセカンダリプーリ2との間に掛け回され、プライマリプーリ1からセカンダリプーリ2へ駆動力を伝達する。オイルポンプ4から油圧シリンダ12、13に供給する油圧を調整してプライマリプーリ1及びセカンダリプーリ2の溝幅を変化させ、ベルト3の接触半径を変化させることで変速比を無段階に切り替えることができる。
次に図2を参照しながらスチールベルト3の構造について説明する。図2はスチールベルト3の概略構成を示した構成図である。図2(a)は積層ベルトの全体構成図、図2(b)は図2(a)の積層ベルトをエレメントに嵌合した状態におけるエレメント及び積層ベルトの断面図、図2(c)は図2(b)に示す積層ベルト6の拡大図である。
スチールベルト3は、リング状の肉厚の薄いベルト5を径方向に多数積層した二束の積層ベルト6を、ベルト5の周方向に多数配設される各エレメント7の両側に形成された凹部8にそれぞれ嵌合して構成される。すなわち、一本のスチールベルト3は二束の積層ベルト6をエレメント7で一体化して構成される。
このように、積層ベルト6はリング状のベルト5を多数積層してさらにエレメント7によって嵌合保持されるので隣接するベルト5の面同士が密着する。また、隣接するベルト間の間隙11に潤滑油を保持してフリクションを低減しようとしても、ベルト5の回転による遠心力やベルト間の摺動によって間隙11から潤滑油が外部へ流出して潤滑油が不足する。これにより、スチールベルト3の回転による各ベルト間のフリクショントルクの増大やベルト5の磨耗などが問題となる。
そこで本実施形態では隣接するベルト間の間隙11に保持する潤滑油の保油性を向上させる構造とした。図3は本実施形態における積層ベルトの構成図である。図3(a)は積層ベルトの構成図、図3(b)は真円の穴を設けたベルトの積層状態を示す構成図、図3(c)は楕円の穴を設けたベルトの構成図を示している。図3(b)に示すように積層ベルト6を構成する各ベルト5にはそれぞれ複数の真円の穴9が設けられており、これによりベルト5の回転によって隣接するベルト同士が互いに摺接しても、潤滑油が穴9に保持されベルト間のフリクションを低減することができる。
また、穴9は円形状であるのでベルト5の各部に作用する応力に対してベルト6の強度を保持することができ、またその分ベルト6の幅(軸方向長さ)を小さくでき無段変速機の小形化が可能となる。なお、穴9は円形状に限らず図3(c)に示すような楕円形状の穴10であってもよく、この場合長径がベルト6の周方向と平行になるように配設することでベルト6の強度を保持することができる。
図4は図3(a)の積層ベルトのB−B断面図である。図4に示すように穴9、10の軸方向位置はベルト5の層ごとに異なる位置とする。これにより、ベルト5の穴9、10が隣接する穴9、10と互いに連通することがないので、ベルト間の間隙11に保持される潤滑油が各ベルト5の穴9、10を通流して積層ベルト6の内周端または外周端から外部へ流出することを防止して、潤滑油の保油性をさらに向上させることができる。
また、穴9、10の周方向位置をベルト5の層ごとに異なる位置としてもよい。この場合、積層ベルト6の軸方向断面図が図4に示す図と同様になる。すなわち、穴9、10の位置は軸方向位置または周方向位置の少なくとも一方をベルト5の層ごとに異なる位置となるようにする。
一方、図5は積層ベルトを構成する各ベルトの一部を示した構成図である。図5(a)はベルトの一部の構成図であり、図5(b)は図5(a)のC−C断面図である。図5に示すように各ベルト5の穴9、10は周方向に対して不等ピッチに配設されるので、ベルト5に設けられた各穴9、10の間の周方向長さ(L1、L2)が不均一となる。ここで、ベルト5の各部は回転によって振動を生じ各振動の周期が一致するとベルト全体に共振が発生する。このとき、ベルト5の各部に生じる振動の波長は各穴9、10の間の周方向長さ(L1、L2)となるので、各穴9、10の間の周方向長さを不均一とすることによりそれぞれの振動の周期を不均一にして共振の発生を防止できる。
また、穴9、10の数は積層される各ベルト5ごとに異なる数に設定される。これにより、積層ベルト6を構成する各ベルト5の固有振動数が不均一となり、2つ以上のベルト5の固有振動数が一致して共振が発生することを防止できる。
以下、本実施形態におけるベルト式無段変速機の作用について説明する。本実施形態では、無段変速機のプーリ1、2の回転によってスチールベルト3が回転して積層ベルト6を構成する各ベルト5は隣接するベルト5と摺接する。この摺接によって隣接するベルト間にはフリクションが生じるが、潤滑油がベルト間の間隙11から外部へ流出しないように、積層ベルト6を構成する各ベルト5に設けられた複数の穴9、10に潤滑油が保持される。
また、各ベルト5に設けられた穴9、10はベルト5の層ごとにプーリ1、2の軸方向または周方向に対して異なる位置に設けられるので、ベルト間の間隙11に保持される潤滑油が各ベルト5の穴9、10を通流して積層ベルト6の内周端または外周端から外部へ流出することを防止する。
一方、ベルト5の回転によって各ベルト5には振動が発生し、この振動による共振が生じるおそれがあるが、各ベルト5に設けられた穴9、10はベルト5の周方向に対して不等ピッチに設けられるので、隣接する穴9、10の間の周方向の長さ(L1、L2)がベルト5の周方向位置によって異なる。これにより、ベルト5の各部で発生する振動の波長を不均一にして回転によって発生する振動による共振を防止する。
また、ベルトの振動による共振は各ベルト間の固有振動数が一致することによっても発生するが、各ベルト5に設けられる穴9、10の数はそれぞれ異なるので各ベルト5の固有振動数は不均一となり共振の発生が防止される。
以上のように本実施形態では、積層ベルト6を構成する各ベルト5に複数の穴9、10を設けているので、この穴9、10に潤滑油が保持されて潤滑油がベルト間の間隙11から外部へ流出することを抑制できる。よって、ベルト間の間隙11におけるフリクションを抑制して燃費を向上させることができるとともに、摺接するベルト5の磨耗を抑制することができる。
また、各ベルト5に設けられた穴9、10はベルト5の層ごとにプーリ1、2の軸方向または周方向に対して異なる位置に設けられるので、各ベルト5の穴9、10が互いに連通することがなく潤滑油を各ベルト5の穴9、10によりよく保持することができる。よって、ベルト間の間隙11におけるフリクションをさらに低減して燃費を向上させることができるとともにベルト5の磨耗をさらに抑制することができる。
さらに、各ベルト5に設けられた穴9、10は真円または楕円形状であるので、ベルト5に作用する応力に対する強度を保持しながらベルト5の幅を縮小させることで無段変速機を小形化することができる。
さらにまた、各ベルト5に設けられた穴9、10はベルト5の周方向に対して不等ピッチに設けられるので、ベルト5の周方向各部で発生する振動の波長を不均一にすることができる。よって、ベルト5の回転によって発生する振動による共振を防止することができる。
さらにまた、積層されたベルト5に設けられる穴9、10の数はベルト5ごとにそれぞれ異なるので各ベルト5の固有振動数が不均一となり、複数のベルト5の固有振動数が一致して共振が発生することを防止できる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
1 プライマリプーリ
2 セカンダリプーリ
3 スチールベルト
4 オイルポンプ
5 ベルト
6 積層ベルト
7 エレメント
8 凹部
9 真円形状の穴
10 楕円形状の穴
11 間隙
12 油圧シリンダ
13 油圧シリンダ
2 セカンダリプーリ
3 スチールベルト
4 オイルポンプ
5 ベルト
6 積層ベルト
7 エレメント
8 凹部
9 真円形状の穴
10 楕円形状の穴
11 間隙
12 油圧シリンダ
13 油圧シリンダ
Claims (5)
- エンジン側に連結される第1のプーリと、
駆動輪側に連結される第2のプーリと、
複数の穴を有するリング状のベルトを複数積層して、周方向に複数個設けられるエレメントによって嵌合保持した、前記第1のプーリ及び前記第2のプーリに掛け回される積層ベルトと、
を備えることを特徴とするベルト式無段変速機。 - 前記ベルトの穴は前記ベルトを積層したときに隣接するベルトの穴と重ならないように、隣接するベルトの穴とは異なる位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機。
- 前記ベルトの穴は真円、または長径が前記ベルトの周方向と略平行な楕円であることを特徴とする請求項1または2に記載のベルト式無段変速機。
- 前記ベルトの穴は各ベルトごとに周方向に対して不等ピッチに設けられることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のベルト式無段変速機。
- 前記ベルトの穴は前記積層ベルトを構成する他のベルトの穴と互いに異なる数だけ設けられることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のベルト式無段変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004333488A JP2006144857A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | ベルト式無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004333488A JP2006144857A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | ベルト式無段変速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006144857A true JP2006144857A (ja) | 2006-06-08 |
Family
ID=36624790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004333488A Pending JP2006144857A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | ベルト式無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006144857A (ja) |
-
2004
- 2004-11-17 JP JP2004333488A patent/JP2006144857A/ja active Pending
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