JP6154618B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、主に自動車用の無段変速機に関する。
従来、例えば特許文献1、2に示される無段変速機が知られている。無段変速機は、入力軸と出力軸にそれぞれ設けられた2つのプーリと、これら2つのプーリ間に架け渡されるチェーンベルトなどの動力伝達部で構成される。プーリは、それぞれ円錐状のコーン面を有する固定シーブと可動シーブから構成される。プーリには、2つのコーン面が対向することで断面形状がV型の溝が形成され、可動シーブが移動してシーブ間の距離を調整することで溝の幅が可変となっている。
そして、溝の幅を大きくすると動力伝達部の巻き付け径が小さくなり、溝の幅を小さくすると動力伝達部の巻き付け径が大きくなる。このように、2つのプーリにおいて、それぞれ可動シーブを可動してV型の溝幅を変更することで、無段変速が可能となる。特許文献1、2には、一対のシーブ(可動シーブおよび固定シーブ)それぞれに関し、コーン面の反対側の背面に、シーブの径方向に延在する補強リブが、シーブの周方向に間隔をあけて複数設けられた構成が記載されている。このように補強リブを設けることで、シーブの剛性を高め、シーブの変形によってV型の溝幅が拡がることがないように、シーブの変形を抑制している。
特開2011−122677号公報 特開2004−232805号公報
プーリを構成するシーブは、動力伝達部との接触などの影響により振動が生じる。この振動によって瞬間的にV型の溝幅が拡縮される。そして、固有の振動モードによって一対のシーブが共振すると、V型の溝幅の拡縮が大きくなり、動力伝達部の巻き付け位置が変化して、シーブや動力伝達部において、摩耗が進行したりノイズが発生すると共に、トルクの伝達効率の低下等の問題が生じる。
本発明は、シーブの共振に起因するシーブや動力伝達部におけるノイズ、および、摩耗を抑え、トルクの伝達効率低下を抑制することができる無段変速機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の無段変速機は、第1シャフトと一体回転するプライマリプーリと、第2シャフトと一体回転するセカンダリプーリと、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリ間に張架され、該プライマリプーリと該セカンダリプーリ間で動力を伝達する動力伝達部と、を備え、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリは、互いに対向するコーン面を有し、該コーン面によって前記動力伝達部が張架される溝が形成されると共に、対向間隔が可変である一対のシーブで構成され、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリの少なくとも一方の前記一対のシーブは、それぞれに、前記コーン面の反対側の背面から突出するとともに該シーブの径方向に延在する補強リブが、周方向に90度間隔で4つずつ設けられ、一方の前記シーブに設けられた全ての補強リブ、他方の該シーブに設けられ周方向に隣接する2つの補強リブの設置間隔の中間に配されることを特徴とする。
本発明によれば、シーブの共振に起因するシーブや動力伝達部におけるノイズ、および、摩耗を抑え、トルクの伝達効率低下を抑制することができる。
自動車用の動力伝達機構の概略を示す図である。 一対のシーブの共振の影響を説明するための説明図である。 比較例のシーブの振動の腹位置および節位置を説明するための説明図である。 比較例のシーブにおける振動を説明するための説明図である。 シーブにおける振動を説明するための説明図である。 比較例の一対のシーブにおける振動を説明するための第1の説明図である。 本実施形態の一対のシーブにおける振動を説明するための説明図である。 第1変形例における一対のシーブにおける振動を説明するための説明図である。 比較例の一対のシーブにおける振動を説明するための第2の説明図である。 第2変形例における一対のシーブにおける振動を説明するための説明図である。 第3変形例における一対のシーブにおける振動を説明するための説明図である。 比較例の一対のシーブにおける振動を説明するための第3の説明図である。 第4変形例における一対のシーブにおける振動を説明するための説明図である。 第5変形例における一対のシーブにおける振動を説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、自動車用の動力伝達機構1の概略を示す図である。図1に示すように、動力伝達機構1は、エンジンEのクランクシャフト2からの動力を駆動輪3に接続された出力シャフト4に伝達する。
エンジンEから伝えられた動力は、始めにトルクコンバータ5に伝達される。トルクコンバータ5は、ポンプインペラ5a、タービンライナ5b、ステータ5cを備える。
ポンプインペラ5aは、後述するフロントカバー6aを介してクランクシャフト2と一体回転する。タービンライナ5bは、後述するクラッチプレート6bを介してタービンシャフト5dに固定され、タービンシャフト5dと一体回転する。ステータ5cは、ポンプインペラ5aとタービンライナ5bの間に設けられている。
ポンプインペラ5a、タービンライナ5b、ステータ5cには、それぞれ、複数のブレードが配列されている。そのため、ポンプインペラ5aがクランクシャフト2とともに回転すると、トルクコンバータ5のハウジングに封入された作動流体が、ポンプインペラ5aの外周側に送出され、ハウジングに沿って回転方向に流れる。
そして、作動流体の流れによってタービンライナ5bが回転することで、ポンプインペラ5aからタービンライナ5bに動力が伝達される。また、ステータ5cは、タービンライナ5bを回転させた後の作動流体を内周側に向かわせて還流させ、ポンプインペラ5aの回転を促進する。そのため、トルクコンバータ5は伝達トルクを増幅することができる。
ロックアップ機構6は、フロントカバー6aとクラッチプレート6bを有する。フロントカバー6aは、クランクシャフト2に固定され、クランクシャフト2と一体回転する。また、クラッチプレート6bは、タービンシャフト5dに固定され、タービンシャフト5dと一体回転する。
そして、不図示の制御部による油圧制御によって、クラッチプレート6bがフロントカバー6aに接触して押圧されると、クランクシャフト2とタービンシャフト5dが一体回転する。また、クラッチプレート6bがフロントカバー6aに滑りながら当接することで、クランクシャフト2からタービンシャフト5dへの動力伝達状態を調整できる。このように、ロックアップ機構6を作動させることで、トルクコンバータ5による動力伝達損失を抑制することが可能となる。
前後進切換機構7は、ダブルピニオン式の遊星歯車機構7a、前進クラッチ7b、後退ブレーキ7cを備える。第1シャフト8は、前後進切換機構7を介してタービンシャフト5dと連動しており、前後進切換機構7によって、タービンシャフト5dから第1シャフト8へ伝達される動力の回転方向を切り換える。
例えば、前進クラッチ7bを締結して後退ブレーキ7cを解放すると、タービンシャフト5dの回転が遊星歯車機構7aを介してそのまま第1シャフト8に伝達される。一方、前進クラッチ7bを解放して後退ブレーキ7cを締結すると、タービンシャフト5dの回転が遊星歯車機構7aを介して逆回転に切り換えられて第1シャフト8に伝達される。
第2シャフト9は、第1シャフト8と平行に配されており、第1シャフト8と第2シャフト9との間には無段変速機10が設けられる。無段変速機10は、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ12、動力伝達部13を有する。プライマリプーリ11は、第1シャフト8と一体回転し、セカンダリプーリ12は、第2シャフト9と一体回転する。動力伝達部13は、リンクプレートをピンで連結したチェーンベルトで構成され、プライマリプーリ11とセカンダリプーリ12との間に張架され、プライマリプーリ11とセカンダリプーリ12との間で動力を伝達する。ここでは、動力伝達部13がチェーンベルトで構成される場合について説明したが、動力伝達部13は、例えば、2つのリングで複数のコマ(エレメント)を挟持して構成される金属ベルトで構成されてもよい。
プライマリプーリ11は、一対のシーブ11a、11bで構成される。一対のシーブ11a、11bは、互いに第1シャフト8の軸方向に対向して設けられる。また、一対のシーブ11a、11b双方の対向面が、大凡円錐形状のコーン面11cとなっており、このコーン面11cによって動力伝達部13が張架される溝が形成される。
一対のシーブ11a、11bのうち、図1中、左側のシーブ11aは、第1シャフト8の軸方向の位置が可変となっている。具体的には、シーブ11aのコーン面11cの背面側に油圧室11dが設けられており、油圧室11dの油圧によって、シーブ11aの位置が調整可能となる。
同様に、セカンダリプーリ12は、一対のシーブ12a、12bで構成される。一対のシーブ12a、12bは、互いに第2シャフト9の軸方向に対向して設けられる。また、一対のシーブ12a、12b双方の対向面が、大凡円錐形状のコーン面12cとなっており、このコーン面12cによって動力伝達部13が張架される溝が形成される。
一対のシーブ12a、12bのうち、図1中、右側のシーブ12aは、第2シャフト9の軸方向の位置が可変となっている。具体的には、シーブ12aのコーン面12cの背面側に油圧室12dが設けられており、油圧室12dの油圧によって、シーブ12aの位置が調整可能となる。
このように、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ12は、一対のシーブ11a、11b、一対のシーブ12a、12bそれぞれの対向間隔が可変である。また、一対のシーブ11a、11b、一対のシーブ12a、12bそれぞれのコーン面11c、12cは、シーブ11a、11b、12a、12bの径方向内方の対向間隔が、径方向外方の対向間隔よりも狭くなる傾斜部11e、12eを有している。ここでは、傾斜部11e、12eは、コーン面11c、12c全体に亘って設けられているものとするが、傾斜部11e、12eは、コーン面11c、12cの一部にのみ設けられていてもよい。
そして、動力伝達部13が張架される溝は、一対のシーブ11a、11b、および、一対のシーブ12a、12bの径方向内方が狭く、径方向外方が広くなっている。そのため、コーン面11c、12cの対向間隔が変わり、動力伝達部13が張架される溝の幅が変更されると、動力伝達部13の張架される位置が変わる。
プライマリプーリ11を例に挙げると、コーン面11cの対向間隔が広くなり、動力伝達部13が張架される溝の幅が広くなると、コーン面11cのうち、動力伝達部13の張架される位置が内径側となる。すなわち、巻き付け径が小さくなる。
また、コーン面11cの対向間隔が狭くなり、動力伝達部13が張架される溝の幅が狭くなると、コーン面11cのうち、動力伝達部13の張架される位置が外径側となる。すなわち、巻き付け径が大きくなる。こうして、無段変速機10は、第1シャフト8と第2シャフト9との間の伝達動力を無段変速する。
減速機14は、第2シャフト9に伝達された動力を減速し、減速比に応じて伝達トルクを増幅して出力シャフト4に伝達する。
また、出力シャフト4は、2つのシャフト4a、4bで構成され、それぞれに駆動輪3が固定されている。差動装置15は、それぞれのシャフト4a、4b(駆動輪3)に伝達する動力に差を付けることで、例えば、内輪差を吸収する。
続いて、上述した無段変速機10に関し、本実施形態の特徴である詳細な構成について説明する。以下、プライマリプーリ11を構成するシーブ11a、11bについて説明し、セカンダリプーリ12を構成するシーブ12a、12bについては、シーブ11a、11bと実質的に同じであるため、説明は省略する。
図2は、一対のシーブ11a、11bの共振の影響を説明するための説明図であり、コーン面11cと動力伝達部13の当接部分を抽出して示す。図2(a)に示すように、シーブ11a、11bのコーン面11cに対し、動力伝達部13のリンクプレート13aが当接している。
そして、シーブ11a、11bが共振し、例えば、シーブ11a、11bそれぞれのコーン面11cが、図2(b)に示すように、瞬間的に互いに離隔する方向に反った場合、コーン面11cのうち、動力伝達部13のリンクプレート13aが張架される位置は内径側にずれる。すなわち、巻き付け径が小さくなる。
一方、例えば、シーブ11a、11bそれぞれのコーン面11cが、図2(c)に示すように、瞬間的に互いに近づく方向に反った場合、コーン面11cのうち、動力伝達部13のリンクプレート13aが張架される位置は外径側にずれる。すなわち、巻き付け径が大きくなる。
このように、シーブ11a、11bが共振すると、コーン面11cの間隔(溝幅)の拡縮が大きくなり、動力伝達部13の振動が大きくなってしまう。そこで、本願発明者は、シーブ11a、11bの振動について、周波数が低く振幅が大きくなる1次モードと2次モードの腹位置および節位置を検証した。
図3は、比較例のシーブRの振動の腹位置Rmaxおよび節位置Rminを説明するための説明図であり、シーブRのコーン面と反対側の背面を示す。また、図3(a)には1次モードの振動における腹位置Rmaxおよび節位置Rminを示し、図3(b)には2次モードの振動における腹位置Rmaxおよび節位置Rminを示す。腹位置Rmaxにおいては、振幅が大きく、節位置Rminにおいては振幅が小さくなる。
図3(a)、(b)に示すように、1次モードおよび2次モードそれぞれにおいて、腹位置Rmaxは、シーブRの外周側において、それぞれ、シーブRを周方向に4分割する位置に現れる。また、節位置Rminは、シーブRの外周側において、それぞれ、シーブRを周方向に4分割する90度間隔の位置であって、隣り合う腹位置Rmaxの中間に現れる。つまり、腹位置Rmaxと節位置Rminは、シーブRの周方向に45度間隔で交互に現れることとなる。
また、図3(a)、(b)に示すように、1次モードの腹位置Rmaxおよび節位置Rminと、2次モードの腹位置Rmaxおよび節位置Rminは、シーブRの周方向に45度ずれた位置に現れる。
ただし、シーブRはほとんど軸対称の形状であって、周方向各部の剛性や質量の分布が大凡同じであるため、腹位置Rmaxおよび節位置Rminを決定付ける指向性がない。そのため、各モードの腹位置Rmax、節位置Rminは、図3(a)、(b)に示す相対的な位置関係を保ったまま、シーブRの周方向に回転したいずれの位置にも現れる。
そのため、一対のシーブRの腹位置Rmaxが対向すると、共振によってコーン面の間隔(溝幅)の拡縮が大きくなってしまう。
図4は、比較例のシーブRにおける振動を説明するための説明図である。シーブRのうち、図4(a)に示す位置A〜Eにおける振動について、周波数と振幅の関係を凡例A〜Eとして図4(b)に示す。
上述したように、シーブRの形状には、腹位置Rmaxおよび節位置Rminを決定付ける指向性がないため、図4(b)に示すように、位置A〜Eのいずれにおいても、振幅は大凡等しくなる。
図4(c)には、図4(a)の位置Bにおける振動に関し、1次モードの振動と、2次モードの振動をそれぞれ凡例Ba、Bbで示す。図4(c)を参照すると、1次モードの振動のピークと、2次モードの振動のピークは、いずれも大凡同じ周波数となっており、1次モードの振動の振幅と、2次モードの振動の振幅の和が、位置Bにおける振動の振幅の主要因となっていることがわかる。
図5は、シーブ11aにおける振動を説明するための説明図である。シーブ11aのうち、図5(a)に示す位置A〜Eにおける振動について、周波数と振幅の関係を凡例A〜Eとして図5(b)に示す。なお、図5(b)に示す凡例Zは、補強リブ16aを設けていないシーブRに関する、図4(a)の位置A〜Eのいずれかにおける振動を示す。以降の凡例Zが図示された図面においても同様とする。
本実施形態においては、図5(a)に示すように、シーブ11aに補強リブ16aを設けている。補強リブ16aは、コーン面11cの反対側の背面から背面に垂直な方向に突出するとともに、シーブ11aの径方向に延在する。また、補強リブ16aは、シーブ11aの周方向に等間隔に4つ、90度毎に設けられている。シーブ11bについても、シーブ11a同様に補強リブ16b(図7(a)参照)が設けられている。
そのため、シーブ11aの剛性が高まると共に、シーブ11aの周方向において、補強リブ16aが設けられた位置の剛性が最も高く、隣り合う補強リブ16aの中間位置の剛性が最も低くなる。また、質量は補強リブ16aが設けられた位置が最も大きく、隣り合う補強リブ16aの中間位置が最も小さくなる。さらに、シーブ11aの周方向に等間隔に4つの補強リブ16aを設けた場合も、図3(a)、(b)に示す1次モードの腹位置Rmaxおよび節位置Rminと、2次モードの腹位置Rmaxおよび節位置Rminと同様、シーブ11aの周方向に45度ずれた位置に節と腹が現れる。このように、補強リブ16aを設けると、補強リブ16aが設けられた位置を腹とするモードと、隣り合う補強リブ16aの中間位置を腹とするモードが現れ、腹位置を決定付ける指向性を持つこととなる。また、周方向の剛性や質量の分布が不均一となるため、1次モード、2次モードの発生周波数が分散される。
その結果、図5(b)に示すように、シーブ11aの周方向の位置によって、振動のピークの周波数と振幅が異なることとなる。いずれの位置においても、補強リブ16aを設けていない凡例Zに比べれば、振幅は小さくなる。
図6は、比較例の一対のシーブSa、Sbにおける振動を説明するための第1の説明図である。シーブSa、Sbのうち、図6(a)に示す位置A〜Eにおける振動について、周波数と振幅の関係を凡例A〜Eとして図6(b)に示す。
本実施形態では、一対のシーブの振動について言及する場合、シーブ単体の振動ではなく、一対のシーブにおいて対向するコーン面の間隔(溝幅)の拡縮の変位を示す。以下、コーン面の間隔の拡縮を振動、コーン面の間隔の拡縮の変位量を振幅と称する。
図6(a)に示すように、補強リブTa、Tbに関し、シーブSa、Sbの周方向の位置が同じとなるように、シーブSa、Sbを第1シャフト8に固定したとする。この場合、図6(b)に示すように、いずれの位置の振幅も、図5(b)に示す振幅の大凡2倍となる。
これは、シーブSa、Sbに補強リブTa、Tbを設けることで生じた指向性によって、各モードにおける腹位置Rmaxと節位置Rminが、シーブSa、Sbそれぞれに対向する位置に現れてしまい、同じ周波数でシーブSa、Sbの変位量が重なるため振幅が大きく出てしまっていることを示す。
図7は、本実施形態の一対のシーブ11a、11bにおける振動を説明するための説明図である。シーブ11a、11bのうち、図7(a)に示す位置A〜Eにおける振動について、周波数と振幅の関係を凡例A〜Eとして図7(b)に示す。
図7(a)に示すように、本実施形態においては、シーブ11aにおける補強リブ16aと、シーブ11bにおける補強リブ16bとは、シーブ11a、11bの周方向の位置(位相)が45度ずれた状態で、第1シャフト8に固定されている。また、上記のように、補強リブ16a、16bは、シーブ11a、11bに等間隔に4つ、90度毎に設けられている。すなわち、一方のシーブ11aに設けられた補強リブ16aは、他方のシーブ11bに設けられ周方向に隣接する2つの補強リブ16bの設置間隔の中間に配されていることとなる。
上記のとおり、腹位置と節位置は45度間隔で交互に現れる。そのため、補強リブ16a、16bを45度ずらして位置させることで、各モードにおけるシーブ11aの腹位置とシーブ11bの節位置を対向させ、シーブ11aの節位置とシーブ11bの腹位置を対向させることができる。
その結果、図7(b)に示すように、いずれの位置においても、図6(b)に示す比較例よりも振幅を抑制することが可能となる。
図8は、第1変形例における一対のシーブ21a、21bにおける振動を説明するための説明図である。図8(a)に示すように、第1変形例においては、シーブ21aにおける補強リブ26aと、シーブ21bにおける補強リブ26bとは、シーブ21a、21bの周方向の位置(位相)が22.5度ずれた状態で、第1シャフト8に固定されている。
すると、図8(b)に示すように、いずれの位置においても、図6(b)に示す比較例よりも振幅が抑制される。このように、シーブ21aの補強リブ26aは、シーブ21bにおける隣接する2つの補強リブ26bに対し、一方に偏って配されている。この場合であっても、振動を抑制することが可能となる。
ただし、図7(b)と図8(b)を比較してわかるように、上述した実施形態のように、一方のシーブ11aに設けられた補強リブ16aは、他方のシーブ11bに設けられ周方向に隣接する2つの補強リブ16bの設置間隔の中間に配されている方が、振動が抑制される。これは、各モードにおける腹位置と節位置が45度間隔に交互に現れるため、補強リブ16a、16bを45度ずれさせることで、一方のシーブ11aの腹位置に他方のシーブ11bの節位置を対向させることができ、振幅の和を小さく抑えられるためである。
図9は、比較例の一対のシーブUa、Ubにおける振動を説明するための第2の説明図である。シーブUa、Ubのうち、図9(a)に示す位置A〜Eにおける振動について、周波数と振幅の関係を凡例A〜Eとして図9(b)に示す。
図9(a)に示すように、比較例のシーブUa、Ubは、補強リブVa、Vbが2本、180度間隔で配されている。また、180度間隔で2本の補強リブVa、Vbを配した場合も、図3(a)、(b)に示す1次モードの腹位置Rmaxおよび節位置Rminと、2次モードの腹位置Rmaxおよび節位置Rminと同様、シーブUa、Ubの周方向に45度ずれた位置に節と腹が現れる。このように、補強リブVa、Vbを設けると、補強リブVa、Vbが設けられた位置と周方向に90度ずれた位置を腹とするモードと、これら腹位置から周方向に45度ずれた位置を腹とするモードが現れ、腹位置を決定付ける指向性を持つこととなる。また、周方向の剛性や質量の分布が不均一となるため、1次モード、2次モードの発生周波数が分散される。
そして、補強リブVa、Vbに関し、シーブUa、Ubの周方向の位置が同じとなるように、シーブUa、Ubを第1シャフト8に固定したとする。続いて、この比較例に対する、第2変形例および第3変形例の効果を示す。
図10は、第2変形例における一対のシーブ31a、31bにおける振動を説明するための説明図である。シーブ31a、31bのうち、図10(a)に示す位置A〜Eにおける振動について、周波数と振幅の関係を凡例A〜Eとして図10(b)に示す。
また、図11は、第3変形例における一対のシーブ41a、41bにおける振動を説明するための説明図である。シーブ41a、41bのうち、図11(a)に示す位置A〜Eにおける振動について、周波数と振幅の関係を凡例A〜Eとして図11(b)に示す。
図10(a)に示すように、第2変形例においては、シーブ31aにおける補強リブ36aと、シーブ31bにおける補強リブ36bとは、シーブ31a、31bの周方向の位置(位相)が45度ずれた状態で、第1シャフト8に固定されている。
一方、図11(a)に示すように、第3変形例においては、シーブ41aにおける補強リブ46aと、シーブ41bにおける補強リブ46bとは、シーブ41a、41bの周方向の位置(位相)が22.5度ずれた状態で、第1シャフト8に固定されている。
この場合、図9(b)に示す比較例の振幅に対し、図10(b)、図11(b)のいずれの変形例も、振幅を抑制する効果があることがわかる。特に、補強リブ36a、36bを45度ずらした第2変形例の方が、補強リブ46a、46bを22.5度ずらした第3変形例よりも、位置A、B、Eの振幅抑制効果が高い。
図12は、比較例の一対のシーブWa、Wbにおける振動を説明するための第3の説明図である。シーブWa、Wbのうち、図12(a)に示す位置A〜Eにおける振動について、周波数と振幅の関係を凡例A〜Eとして図12(b)に示す。
図12(a)に示すように、比較例のシーブWaは、補強リブXaが2本、180度間隔で配され、シーブWbは、補強リブXbが4本、90度間隔で配されている。また、補強リブXaに関し、シーブWa、Wbの周方向の位置が、補強リブXbのうちの2本と同じとなるように、シーブWa、Wbを第1シャフト8に固定したとする。続いて、この比較例に対する、第4変形例および第5変形例の効果を示す。
図13は、第4変形例における一対のシーブ51a、51bにおける振動を説明するための説明図である。シーブ51a、51bのうち、図13(a)に示す位置A〜Eにおける振動について、周波数と振幅の関係を凡例A〜Eとして図13(b)に示す。
また、図14は、第5変形例における一対のシーブ61a、61bにおける振動を説明するための説明図である。シーブ61a、61bのうち、図14(a)に示す位置A〜Eにおける振動について、周波数と振幅の関係を凡例A〜Eとして図14(b)に示す。
図13(a)に示すように、第4変形例においては、シーブ51aにおける補強リブ56aは、シーブ51bにおける補強リブ56bに対して、シーブ51a、51bの周方向の位置(位相)が45度ずれた状態で、第1シャフト8に固定されている。
一方、図14(a)に示すように、第5変形例においては、シーブ61aにおける補強リブ66aは、シーブ61bにおける周方向位置が近い方の補強リブ66bに対して、周方向の位置(位相)が22.5度ずれた状態で、第1シャフト8に固定されている。
この場合、図12(b)に示す比較例の振幅に対し、図13(b)、図14(b)のいずれの変形例も、振幅を抑制する効果があることがわかる。特に、補強リブ56a、56bを45度ずらした第4変形例の方が、補強リブ66a、66bを22.5度ずらした第5変形例よりも、高周波数帯域における位置A、Eの振幅抑制効果が高い。
上述した実施形態および変形例によれば、シーブを腹位置と節位置が現れる位置に指向性を持たせつつ、モードの発生周波数を分散させた形状とし、一対のシーブの腹位置同士が対向しないように配することで、同じ周波数でのシーブ変位量の重なりを抑制し、動力伝達部13の振動を抑制することが可能となる。
上述した実施形態および変形例では、プライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12の両方のシーブ11a、11b、12a、12bに関し、補強リブが設けられている場合について説明した。しかし、補強リブは、プライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12の少なくとも一方の一対のシーブ11a、11b(一対のシーブ12a、12b)に設けられていればよい。
また、上述した実施形態および変形例では、補強リブは、一対のシーブそれぞれの周方向に等間隔に複数設けられ、一方のシーブに設けられた全ての補強リブが、他方のシーブに設けられた全ての補強リブに対して、シーブの周方向の位置が異なる場合について説明した。しかし、補強リブは、周方向の間隔が等間隔でなくともよいし、少なくとも、一方のシーブに設けられた1つの補強リブが、他方のシーブに設けられた全ての補強リブに対して、シーブの周方向の位置が異なっていればよい。こうすることで、少なくとも、他方のシーブに設けられた全ての補強リブに対して、シーブの周方向の位置が異なる補強リブが配された位置において、同じ周波数でのシーブ変位量の重なりを抑制し、動力伝達部13の振動を抑制することが可能となる。
ただし、補強リブは、周方向の間隔が等間隔とし、一方のシーブに設けられた全ての補強リブが、他方のシーブに設けられた全ての補強リブに対して、シーブの周方向の位置が異なる構成とすることで、シーブの周方向のいずれの位置においても、振動を抑制することが可能となる。
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例又は修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
本発明は、主に自動車用の無段変速機に利用できる。
8 …第1シャフト
9 …第2シャフト
10 …無段変速機
11 …プライマリプーリ
11a、11b、21a、21b、31a、31b、41a、41b、51a、51b、61a、61b、 …シーブ
11c …コーン面
12 …セカンダリプーリ
12a、12b …シーブ
12c …コーン面
13 …動力伝達部
16a、16b、26a、26b、36a、36b、46a、46b、56a、56b、66a、66b、 …補強リブ

Claims (1)

  1. 第1シャフトと一体回転するプライマリプーリと、
    第2シャフトと一体回転するセカンダリプーリと、
    前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリ間に張架され、該プライマリプーリと該セカンダリプーリ間で動力を伝達する動力伝達部と、
    を備え、
    前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリは、
    互いに対向するコーン面を有し、該コーン面によって前記動力伝達部が張架される溝が形成されると共に、対向間隔が可変である一対のシーブで構成され、
    前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリの少なくとも一方の前記一対のシーブは、
    それぞれに、前記コーン面の反対側の背面から突出するとともに該シーブの径方向に延在する補強リブが、周方向に90度間隔で4つずつ設けられ、一方の前記シーブに設けられた全ての補強リブ、他方の該シーブに設けられ周方向に隣接する2つの補強リブの設置間隔の中間に配されることを特徴とする無段変速機。
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