JP2006144679A - 4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006144679A
JP2006144679A JP2004336868A JP2004336868A JP2006144679A JP 2006144679 A JP2006144679 A JP 2006144679A JP 2004336868 A JP2004336868 A JP 2004336868A JP 2004336868 A JP2004336868 A JP 2004336868A JP 2006144679 A JP2006144679 A JP 2006144679A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel injection
stroke
fuel
determination
combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004336868A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4359890B2 (ja
Inventor
Hisanori Ozawa
壽則 小澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2004336868A priority Critical patent/JP4359890B2/ja
Publication of JP2006144679A publication Critical patent/JP2006144679A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4359890B2 publication Critical patent/JP4359890B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】行程判別がなされるとき、4ストロークに2度の燃料噴射から1度の燃料噴射に切り替える4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置にあって、行程判別後の燃料噴射量を適切に制御する。
【解決手段】クランク軸の基準位置が検出され、且つ行程判別が完了すると(ステップS12)、行程判別後の初回の燃料噴射であるか否かを判断する(ステップS14)。そして、行程判別後の初回の燃料噴射であるときにおいて、行程判別直前に圧縮上死点で燃料が噴射されている場合には、ステップS17において要求噴射量TAUの「1/2」の燃料を噴射し、行程判別直前に排気上死点で燃料が噴射されている場合には、ステップS15において要求噴射量TAUの燃料が噴射される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、行程判別の前後で燃料の噴射制御態様を切り替える4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置に関する。
4ストロークエンジンは、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程の4つの行程によってその運転の1サイクルが完結するエンジンである。4ストロークエンジンにおいては、その出力軸が2回転することでサイクルが完結する。このため、出力軸の1回転内の回転角度によっては、いずれの行程にあるかを判別するいわゆる行程判別をすることができない。そして、行程判別ができないと、燃料噴射制御を行なうタイミングが把握できず、エンジンの運転を的確に制御することができない。
このため、4ストロークエンジンでは、例えば出力軸が1回転する間に2回転するカムシャフトの回転角度等に基づき、行程判別をするようにしている。行程判別がなされると、燃料噴射制御のタイミングや、点火時期制御のタイミング等を的確に把握することができる。ただし、行程判別は、カムシャフトの回転に基づいて行なわれるものであるため、カムシャフトの回転開始直後には、未だ行程判別が完了されていない状況にある。
そこで従来は、例えば特許文献1に見られるように、多気筒エンジンにおいて、行程判別前には、全気筒に燃料噴射を同時に行なうようにした燃料噴射制御装置も提案されている。すなわち、図7に4気筒エンジンについて例示するように、行程判別前には、1サイクルの間に全気筒に対し同時に燃料噴射を4回行なう。これにより、行程判別前にあっても、吸気行程において、エンジンの燃焼室に要求される量の燃料が供給されることとなる。更に、特許文献1に記載の燃料噴射制御装置では、N気筒エンジンにおいて、行程判別後の最初の「N−1」回の燃料噴射量を、要求される噴射量よりも減量することも提案されている。すなわち、図7に示すように、4気筒エンジンにおいては、行程判別後の「4−1」回の燃料噴射量が減量補正される。このため、行程判別後の燃料噴射を行なう始めの3つの気筒において、燃料噴射量がそれぞれ「γ1×TAU、γ2×TAU、γ3×TAU(TAUは要求される燃料量:γ1<γ2<γ3<1)」に減量補正される。これにより、行程判別後の燃焼行程において燃焼に供される燃料量が過剰となることを回避することができる。
ところで、行程判別前には必ずしも同時噴射が望ましいわけではない。例えば、排気上死点近傍で燃料を噴射する場合、行程判別以前においても、出力軸によって、排気上死点と圧縮上死点との双方を含む上死点については、これを特定することができる。このため、行程判別前に、上死点近傍となる毎に燃料噴射を行なうようにすることもできる。ただし、行程判別前に、上死点近傍となる毎に燃料を噴射する場合等には、上記特許公報の燃料噴射制御装置によっては行程判別後の燃料噴射を適切に行なうことができないことがある。
例えば図8に示すように、2気筒エンジンにおいて、行程判別後、初回の燃料噴射を行なう際、その噴射量を「α×TAU(α<1)」に減量すると、適切な燃料噴射量とならない。これは、行程判別前に2番気筒に噴射された燃料が行程判別前の吸気行程において燃焼室に供給され、その後、燃焼に供されるためである。
なお、図8の例に限らず、行程判別がなされるとき、2ストロークに1度の燃料噴射から4ストロークに1度の燃料噴射に切り替える4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置等にあっては、行程判別後の燃料噴射量を適切に制御することが困難なこうした実情も概ね共通したものとなっている。
特開平9−242594号公報
本発明の解決しようとする課題は、行程判別の前後で燃料の噴射制御態様を切り替える4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置にあって、行程判別後の燃料噴射量の適切な制御が困難なことにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について説明する。
手段1では、4ストロークを1サイクルとする4つの行程のいずれにあたるかの判別である行程判別が完了されるとき、2ストロークに1度の燃料噴射から4ストロークに1度の燃料噴射に切り替える4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置において、前記2ストロークに1度の燃料噴射は、前記4ストロークに1度の燃料噴射において噴射がなされる行程及び該行程から「360°CA」隔てた行程にて行なわれるものであり、前記行程判別の完了される直前に噴射された燃料が燃焼に供されたか否かを判断する手段と、前記燃焼に供されていないと判断されるとき、前記行程判別後の初回の燃料噴射量を減量する手段とを備えるようにした。
行程判別がなされる前には、エンジンの出力軸の1回転内の回転角度によって、4ストロークに1度の燃料噴射が行なわれる時期を一義的に指定することができない。しかし、出力軸の1回転内の回転角度によって、4ストロークに1度の燃料噴射において噴射がなされる行程及び該行程から「360°CA」隔てた行程の2つの行程を同時に指定することはできる。こうした態様にて燃料噴射制御を行なうなら、燃料噴射を行なう1回転内の角度領域を行程判別前後で共有することができる。このため、上記構成では、出力軸の一回転内の角度領域にて行程判別前の燃料噴射時期を簡易に設定することができる。
更に、行程判別がなされる直前に噴射された燃料が燃焼に供されたか否かを判断することで、燃料に供されている場合には、行程判別後の燃料噴射量を減量することなく適切な量の燃料を噴射することができる。ここで、「直前に噴射された燃料が燃焼に供された」とは、行程判別後に噴射される燃料が燃焼に供される燃焼行程より前の燃焼行程において、行程判別直前に噴射された燃料が燃焼に供されることと定義する。
手段2では、手段1において、当該エンジンが多気筒エンジンであり、前記判断する手段は、各気筒毎に、前記行程判別のなされる直前に噴射された燃料が燃焼に供されたか否かを判断し、前記減量する手段は、前記燃焼に供されていないと判断されるとき、前記各気筒毎に、前記行程判別後の初回の燃料噴射量を減量するようにした。
これにより、各気筒において、行程判別直後の燃焼行程において燃焼に供される燃料量を適切なものとすることができる。
なお、多気筒エンジンに手段1を適用した場合であっても、行程判別後の初回の燃料噴射量を適切に制御することはできる。ただし、手段1は、単気筒エンジンに適用することが特に望ましい。
手段3では、手段1又は2において、前記判断する手段は、前記行程判別のなされる直前の燃料噴射が、前記4ストロークに1度の噴射がなされる行程でなされたか否かに基づいて前記燃焼に供されたか否かの判断を行なうようにした。
行程判別のなされる直前において、4ストロークに1度の燃料噴射において噴射がなされる行程で燃料噴射がなされる場合には、この噴射された燃料は、行程判別後に噴射される燃料が燃焼に供される燃焼行程より前の燃焼行程において燃焼に供されることとなる。このため、上記構成では、燃焼に供されたか否かの判断を適切に行なうことができる。
なお、手段1〜3のいずれかにおいては、手段4によるように、当該機関の運転状態及び運転環境の少なくとも一方に基づき燃料噴射量を算出する手段を更に備え、前記初回の燃料噴射量の減量は、前記算出される燃料噴射量を減量補正することで行なわれるようにしてもよい。
手段5では、手段4において、前記4ストロークに2度の燃料噴射における燃料噴射量を、前記算出される燃料噴射量の略「1/2」に設定するようにした。
上記構成によれば、行程判別前の燃焼行程においても適切な量の燃料が燃焼に供されることとなり、エンジンの始動性を向上させることができる。
手段6では、手段4又は5において、前記燃料噴射量の減量補正が、前記算出される燃料噴射量を略「1/2」とする補正であるようにした。
上記構成では、行程判別後に減量補正を行なう場合の減量補正量を簡易且つ適切に定めることができる。
以下、本発明にかかる4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置を2気筒エンジンの燃料噴射制御装置に適用した一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態の燃料噴射制御装置及びその制御対象となる2気筒エンジンの構成を示す。
図示されるように、エンジン1は、1番気筒2a及び2番気筒2bの2つの気筒を備える。1番気筒2a及び2番気筒2bのそれぞれには、吸気通路4a及び吸気通路4bが接続されている。吸気通路4a,4bには、燃料を吸気通路4a,4bに噴射供給するインジェクタ6a,6bがそれぞれ設けられている。また、吸気通路4a,4bには、各々その流路面積を調整するスロットルバルブ8a,8bが設けられており、更に、その上流側はエアクリーナ10に接続されている。このように、エンジン1は、吸気通路4a,4bが集合することなく互いに独立して設けられるとともに、吸気通路4a,4bの各々の流路面積が個別に調整されるいわゆる独立吸気エンジンとなっている。
一方、電子制御装置20は、中央処理装置やメモリを備えてエンジン1の運転状態を制御するものである。詳しくは、エンジン1の運転状態や運転環境を検出する各種センサの検出結果を取り込み、これに基づきエンジン1の運転状態を制御する。これら各種センサとしては、例えば、吸気通路4a内の圧力を検出する吸気圧センサ30や、エンジン1の出力軸(クランク軸32)の回転角度を検出するクランク角センサ34がある。
ここで、クランク軸32には、所定間隔(例えば「15°CA」)で繰り返される凹凸と、該凹凸が変則的に欠けた欠け歯部とを有するシグナルロータ36が設けられている。そして、クランク角センサ34は、シグナルロータ36の凹凸及び欠け歯部に基づきクランク軸32の回転角度を検出する。すなわち、シグナルロータ36の欠け歯部に基づき、クランク軸32の基準角度を検出し(基準位置判別)、ここを基準として凸部を検出する毎にクランク軸32が上記所定間隔だけ回転したことを検出する。
ただし、クランク角センサ34のみによっては、1番気筒2a及び2番気筒2bの各々がいずれの行程にあるかを判別することができない。このため、本実施形態では、吸気圧センサ30の検出値を用いて行程判別を行なう。図2に、特定気筒の吸気圧の推移を示す。図示されるように、特定気筒の吸気圧は、吸気行程となることで低下し、吸気行程の終了後に上昇する。このため、吸気圧センサ30の検出値が低下するときに、1番気筒2aが吸気行程にあると判別することができ、1番気筒の行程判別を行なうことができる。更に、2番気筒2bのサイクルは1番気筒2aのサイクルと予め定められた関係にあるため、1番気筒2aの行程判別に基づき、2番気筒2bの行程判別をすることができる。
次に、本実施形態にかかる燃料噴射制御について説明する。
本実施形態においては、エンジン1の運転状態に応じて要求される燃料噴射量を算出し、基本的には、これに基づいて燃料噴射を行なう。ただし、行程判別がなされる前後では、要求される燃料噴射量を補正した上で燃料噴射制御を行なうこともある。
ここで、まず、要求される燃料噴射量を算出する処理について説明する。図3に、要求される燃料噴射量の算出にかかる処理手順を示す。この処理は、例えば所定周期で電子制御装置20により繰り返し実行される。
この一連の処理においては、まずステップS1において、吸気圧センサ30の検出値やクランク角センサ34の検出値等、エンジン1の運転状態の検出値を取り込む。ここで、吸気圧センサ30の検出値は、エンジン1の負荷を把握するためのパラメータであり、クランク角センサ34の検出値は、クランク軸32の回転速度を把握するためのパラメータである。続くステップS2において、ステップS1で取り込んだ検出値に基づき、要求される燃料噴射量(要求噴射量TAU)を算出する。
次に、本実施形態にかかる燃料噴射制御について説明する。図4に、燃料噴射制御の処理手順を示す。この処理は、各気筒毎に、換言すれば、1番気筒2a及び2番気筒2bのそれぞれについて独立に行なわれる。
この一連の処理において、基準位置判別が完了していないと判断されるとき(ステップS11、NO)には、燃料噴射制御を行なわない。一方、基準位置判別が完了して且つ行程判別が完了していないとき(ステップS12、NO)には、クランク軸32の回転角度に基づき、2ストロークに1度の燃料噴射制御を行なう。ここで、燃料噴射を行なう時期は、4ストロークに1度の燃料噴射において噴射がなされる行程及び該行程から「360°CA」隔てた行程である。換言すれば、1番気筒2a及び2番気筒2bのそれぞれについての排気上死点近傍(排気行程及び吸気行程)及び圧縮上死点近傍(圧縮行程及び燃焼行程)である。このため、「360°CA」毎に燃料噴射が行なわれることとなる。また、燃料噴射量は、先の図3に示した処理において算出される要求される燃料噴射量TAUの「1/2」の量とする。
そして、行程判別が完了すると(ステップS12、YES)、4ストロークに1度、換言すれば「720°CA」毎に、燃料噴射制御が行なわれる。ここで、噴射がなされる行程は、1番気筒2a及び2番気筒2bのそれぞれについての排気上死点近傍とする。ここでは、基本的には、先の図3に示した処理にて算出される要求噴射量TAUの燃料が噴射される(ステップS14、NO且つステップS15)。ただし、この際、行程判別後の初回の燃料噴射(ステップS14、YES)に際しては、ステップS16の判断に応じて燃料の噴射制御態様を異ならしめる。
すなわち、初回の燃料噴射であって、且つ前回の噴射行程(行程判別直前の噴射行程)が圧縮上死点近傍(裏)であるとき(ステップS16、NO)には、要求噴射量TAUの「1/2」の燃料を噴射する(ステップS17)。一方、初回の燃料噴射であって、且つ前回の噴射行程が排気上死点近傍近傍(表)であるとき(ステップS16、YES)には、要求噴射量TAUの燃料を噴射する(ステップS15)。このように、ステップS16において、1番気筒2a及び2番気筒2bのそれぞれについて、行程判別直前に噴射された燃料が燃焼に供されたか否かが判断されるため、これに応じて初回の燃料噴射量が設定されることとなる。
ここで、本実施形態にかかる燃料噴射制御の作用効果について図5及び図6を用いて説明する。
まず、行程判別直前の燃料噴射が圧縮上死点でなされる場合を、図5に示す。
図5(a)は、1番気筒2a及び2番気筒2bの各サイクルの推移を、図5(b)は、クランク角センサ34の出力の推移を、図5(c)は、吸気通路4a,4bの吸気圧の推移を、図5(d)は、1番気筒2aの燃料噴射タイミング及び噴射量の推移を、図5(e)は、2番気筒2bの燃料噴射タイミング及び噴射量の推移をそれぞれ示している。
図示するように、行程判別がなされる前には、要求噴射量TAUの「1/2」の燃料が噴射されるため、1番気筒2a及び2番気筒2bのそれぞれの吸気行程で、要求噴射量TAUの燃料が燃焼室に取り込まれ、燃焼行程において燃焼に供されることとなる。
一方、行程判別後の初回の燃料噴射に際しては、要求燃料量TAUの「1/2」の燃料が噴射される。これにより、行程判別後の最初の吸気行程では、行程判別前に最後に噴射された燃料量「TAU/2」と行程判別後に最初に噴射された燃料量「TAU/2」とが燃焼室に取り込まれることとなる。このため、行程判別後の最初の燃焼行程においても要求噴射量TAUの燃料が燃焼に供されることとなる。
これに対し、行程判別後、初回の燃料噴射量を要求噴射量TAUとすると、図5(f)、図5(g)に1番気筒2a及び2番気筒2bのそれぞれの燃料噴射タイミング及び噴射量の推移を示すように、行程判別後の初回の吸気行程において、行程判別前に最後に噴射された燃料量「TAU/2」と行程判別後に最初に噴射された燃料量である要求噴射量TAUとが燃焼室に取り込まれることとなる。このため、行程判別後の初回の燃焼行程において燃焼に供される燃料量が過剰となる。
一方、行程判別直前の燃料噴射が排気上死点近傍でなされる場合を、図6に示す。
図6(a)は、1番気筒2a及び2番気筒2bの各サイクルの推移を、図6(b)は、クランク角センサ34の出力の推移を、図6(c)は、吸気通路4a,4bの吸気圧の推移を、図6(d)は、1番気筒2aの燃料噴射タイミング及び噴射量の推移を、図6(e)は、2番気筒2bの燃料噴射タイミング及び噴射量の推移をそれぞれ示している。
図示するように、この場合、行程判別後の初回の燃料噴射に際して、要求燃料量TAUの燃料が噴射される。これにより、行程判別後の最初の吸気行程では、行程判別後に噴射された上記要求噴射量TAUの燃料が燃焼室に取り込まれることとなる。このため、行程判別後の最初の燃焼行程においても要求噴射量TAUの燃料が燃焼に供されることとなる。すなわち、この場合、行程判別直前の燃料噴射において噴射された燃料は、行程判別前の吸気行程において燃焼室に取り込まれることから、行程判別直後の燃料噴射時には、既に燃焼に供されている。このため、行程判別直後の燃料噴射において、要求噴射量TAUの燃料を噴射することで、適切な量の燃料を供給することが可能となる。
これに対し、行程判別後、初回の燃料噴射を要求噴射量TAUの「1/2」とすると、図6(f)、図6(g)に1番気筒2a及び2番気筒2bのそれぞれの燃料噴射タイミング及び噴射量の推移を示すように、行程判別後の初回の吸気行程において、行程判別後に噴射された噴射量「TAU/2」の燃料が燃焼室に取り込まれることとなる。このため、行程判別後の初回の燃焼行程において燃焼に供される燃料量が不足する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)行程判別のなされる直前に噴射された燃料が燃焼に供されていないと判断されるとき、行程判別後の初回の燃料噴射量を減量するようにした。これにより、行程判別直前に噴射された燃料が燃焼に供されていない場合には、行程判別後の噴射量を減量することで、行程判別後の初回の燃焼行程において燃焼に供される燃料量を適切なものとすることができる。更に、行程判別直前に噴射された燃料が燃料に供されている場合には、行程判別後の燃料噴射量を減量することなく適切な量の燃料を噴射することができる。
(2)図4に示した処理を1番気筒2a及び2番気筒2bのそれぞれで独立に行なった。これにより、1番気筒2a及び2番気筒2bのそれぞれにおいて、行程判別直後の燃焼行程において燃焼に供される燃料量を適切なものとすることができる。
(3)行程判別前において、4ストロークに1度の燃料噴射において噴射がなされる行程(排気上死点近傍)と、該行程から「360°CA」隔てた行程(圧縮上死点近傍)とに、燃料噴射を行なうようにした。これにより、行程判別前の燃料噴射と行程判別後の燃料噴射とを互いに同じクランク角度領域にて行なうことができる。これにより、クランク軸32の一回転内のクランク角度領域にて簡易に燃料噴射時期を設定することができる。
(4)行程判別のなされる直前の燃料噴射が、4ストロークに1度の燃料噴射において噴射がなされる行程(排気上死点近傍)でなされたか否かに基づいて、同行程判別のなされる直前に噴射された燃料が燃焼に供されたか否かの判断を行なった。これにより、燃焼に供されたか否かの判断を適切に行なうことができる。
(5)行程判別前の燃料噴射量を、要求噴射量TAUの「1/2」に設定することで、行程判別前の燃焼行程においても適切な量の燃料が燃焼に供されることとなり、エンジン1の始動性を向上させることができる。
(6)行程判別後、初回の燃料噴射量を減量する場合には、要求噴射量TAUの「1/2」の燃料を噴射することで、減量補正量を簡易且つ適切に定めることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・行程判別後、初回の燃料噴射量を減量する際の態様は、必ずしも要求噴射量TAUの「1/2」とするものに限らない。例えば今回算出される要求噴射量TAUから前回噴射された燃料量を減算するようにしてもよい。
・行程判別前の燃料噴射量の設定態様は、必ずしも要求噴射量TAUの「1/2」とするものに限らない。例えば今回算出される要求噴射量TAUから前回噴射された燃料量を減算するようにしてもよい。
・要求される燃料噴射量の算出態様としては、先の図3に例示したものに限らない。例えば、外気温等のエンジン1の運転環境を加味して要求される燃料噴射量を算出する等、エンジン1の運転状態及び運転環境の少なくとも一方に基づき燃料噴射量を算出するようにしてもよい。
・1番気筒2a及び2番気筒2bの各サイクルの相対関係は上記実施形態で例示したものに限らない。また、エンジン1が2気筒である場合に限らず、単気筒や3気筒以上の複数気筒である場合であっても、本発明の適用は有効である。特に3気筒以上の4ストロークエンジンにあっては、行程判別の前後で2ストロークに1度の燃料噴射から4ストロークに1度の燃料噴射に切り替えるものであれば、上記特許文献1のように、気筒数を「N」としたとき、行程判別後の最初の「N−1」の気筒に噴射する燃料を減量したのみでは適切な燃料噴射制御ができない。また、2気筒エンジンにあっては、先の図5、図6、及び図8に例示したように、4ストロークに1度の燃料噴射において噴射のなされる行程(タイミング)が、気筒間で互いに「360°CA」ずれていないときにも、上記特許文献1のような制御では、行程判別後の燃料噴射量を適切な量とすることができない。
・4ストロークエンジンとしては、独立吸気エンジンに限らない。また、吸気ポート噴射を行なうものに限らず、筒内噴射式エンジンであってもよい。更に、4ストロークに1度の燃料噴射において噴射がなされる行程や、2ストロークに1度の燃料噴射において噴射がなされる行程は、排気上死点近傍や圧縮上死点近傍に限らず、エンジンの運転制御にかかる要求に応じて適宜設定してよい。
・行程判別を行なう手段としては、特定の気筒の吸気圧を検出する手段を備えて構成されるものに限らず、例えばカム軸の回転角度を検出する手段を備えて構成されるものであってもよい。
・行程判別のなされる直前に噴射された燃料が燃焼に供されたか否かを判断する手段や、燃焼に供されていないと判断されるとき、行程判別後の初回の燃料噴射量を減量する手段としては、上記電子制御装置20を備えて構成されるものに限らない。
本発明にかかる4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置の一実施形態の構成を示す図。 同実施形態の行程判別を説明するためのタイムチャート。 同実施形態にかかる燃料噴射量の算出にかかる処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる燃料噴射制御の態様を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる燃料噴射制御の態様を示すタイムチャート。 従来の燃料噴射制御の態様を示すタイムチャート。 上記従来の燃料噴射制御の問題点を説明するためのタイムチャート。
符号の説明
1…エンジン、2a…1番気筒、2b…2番気筒、6a,6b…インジェクタ、20…電子制御装置、30…吸気圧センサ、32…クランク軸、34…クランク角センサ。

Claims (6)

  1. 4ストロークを1サイクルとする4つの行程のいずれにあたるかの判別である行程判別が完了されるとき、2ストロークに1度の燃料噴射から4ストロークに1度の燃料噴射に切り替える4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記2ストロークに1度の燃料噴射は、前記4ストロークに1度の燃料噴射において噴射がなされる行程及び該行程から「360°CA」隔てた行程にて行なわれるものであり、
    前記行程判別の完了される直前に噴射された燃料が燃焼に供されたか否かを判断する手段と、
    前記燃焼に供されていないと判断されるとき、前記行程判別後の初回の燃料噴射量を減量する手段とを備えることを特徴とする4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 当該エンジンが多気筒エンジンであり、前記判断する手段は、各気筒毎に、前記行程判別のなされる直前に噴射された燃料が燃焼に供されたか否かを判断し、前記減量する手段は、前記燃焼に供されていないと判断されるとき、前記各気筒毎に、前記行程判別後の初回の燃料噴射量を減量する請求項1記載の4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 前記判断する手段は、前記行程判別のなされる直前の燃料噴射が、前記4ストロークに1度の噴射がなされる行程でなされたか否かに基づいて前記燃焼に供されたか否かの判断を行なう請求項1又は2記載の4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置において、
    当該機関の運転状態及び運転環境の少なくとも一方に基づき燃料噴射量を算出する手段を更に備え、
    前記初回の燃料噴射量の減量は、前記算出される燃料噴射量を減量補正することで行なわれることを特徴とする4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 前記4ストロークに2度の燃料噴射における燃料噴射量を、前記算出される燃料噴射量の略「1/2」に設定する請求項4記載の4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. 前記燃料噴射量の減量補正が、前記算出される燃料噴射量を略「1/2」とする補正である請求項4又は5記載の4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置。
JP2004336868A 2004-11-22 2004-11-22 4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置 Expired - Fee Related JP4359890B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004336868A JP4359890B2 (ja) 2004-11-22 2004-11-22 4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004336868A JP4359890B2 (ja) 2004-11-22 2004-11-22 4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006144679A true JP2006144679A (ja) 2006-06-08
JP4359890B2 JP4359890B2 (ja) 2009-11-11

Family

ID=36624655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004336868A Expired - Fee Related JP4359890B2 (ja) 2004-11-22 2004-11-22 4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4359890B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009138659A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Honda Motor Co Ltd エンジン制御方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009138659A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Honda Motor Co Ltd エンジン制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4359890B2 (ja) 2009-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6167700B2 (ja) 筒内噴射エンジンの制御装置
US6823849B2 (en) Fuel injection system and control method for internal combustion engine starting time
JP3858328B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2003013788A (ja) 内燃機関における位相識別方法
US7549409B2 (en) Fuel supply amount control system and boat propulsion unit
JP4359890B2 (ja) 4ストロークエンジンの燃料噴射制御装置
JP6406398B2 (ja) 筒内噴射エンジンの制御装置
JP3812633B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JP3856091B2 (ja) 多気筒エンジンの燃料噴射制御装置
JP2006132398A (ja) デュアル噴射型内燃機関の制御方法
US7568466B2 (en) Control system and timing rotor for multi-cylinder internal combustion engine
JP4349339B2 (ja) 内燃機関の噴射量制御装置
JP5447236B2 (ja) 多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2008297933A (ja) 燃料噴射量制御装置及び燃料噴射量制御システム
JP2004308560A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006037944A (ja) 4サイクルエンジンの行程判別装置
JP2009264280A (ja) 筒内燃料噴射エンジンの制御装置
JP6897534B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2000337235A (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP2006316655A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2561282B2 (ja) 多気筒エンジンの燃料噴射装置
JP3675052B2 (ja) エンジンの燃料噴射制御装置
JP2004204717A (ja) 筒内噴射型火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置
JP3525689B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2003138961A (ja) 内燃機関の始動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090730

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4359890

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120821

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130821

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees