JP2006144420A - 仕上材支持アンカー - Google Patents
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Abstract
【課題】 壁面に傷を付けたり局所的圧力を作用させたりすることなく仕上材支持アンカーを取り付ける。
【解決手段】 両側部に係止爪5を備えた可撓性のプレート4からなり、外壁面等に取り付けられる仕上材に設けられている係止溝に係止爪5を差し入れ、プレート4を変形させることによって係止爪5を当該係止溝に係止させて仕上材に固定される仕上材支持アンカーのプレート4の一部を波状部6とし、かつ、該波状部6を表裏から挟み付けて押圧し、プレート4を変形させることによって係止用爪5を移動させ係止溝に係止させる押圧部材7を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 両側部に係止爪5を備えた可撓性のプレート4からなり、外壁面等に取り付けられる仕上材に設けられている係止溝に係止爪5を差し入れ、プレート4を変形させることによって係止爪5を当該係止溝に係止させて仕上材に固定される仕上材支持アンカーのプレート4の一部を波状部6とし、かつ、該波状部6を表裏から挟み付けて押圧し、プレート4を変形させることによって係止用爪5を移動させ係止溝に係止させる押圧部材7を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、仕上材支持アンカーに関する。さらに詳述すると、本発明は、仕上材の設置対象である壁面(本明細書では設置対象である各種壁面を総称して外壁面等という)に仕上材を取り付ける場合に、この仕上材を支持するため当該仕上材の裏面に固定される仕上材支持用のアンカーの構造の改良に関する。
建物の壁面上に、例えば陶板を使った化粧材などの外装板(本明細書ではこれらを仕上材という)を取り付けるにあたっては、例えばモルタルを塗布して所定間隔で貼っていくという湿式工法や、仕上材の上下端を取付金物で保持し、胴縁材を使って固定するという乾式工法が利用されている。
乾式工法の場合、取付用の金具が仕上材の表面に露出してしまうことがあり、外観の見栄えが劣るという美感上の問題が起こりうるため、このような問題に対処すべく種々の乾式用アンカーが使用されている。乾式用アンカーとしては、例えば仕上材の裏面に設けられた係止溝に係止爪を引っ掛けるなどして固定され、その状態で外壁面等に取り付けられて仕上材を支持するといったものなどがある。
このような乾式用アンカーとして、従来、アンカー金物自体を変形させることによって係止爪105,205を仕上材102,202上の係止溝103,203に引っ掛けるようにした構造のものが提案されている。具体的には、例えば、フレーム104の両側に内側を向く係止爪103を形成するとともに、フレーム104の中央付近を凸状に曲げ、この凸状部分106に横向きにボルト107を貫通させた構造の仕上材支持アンカー101や(図24参照)、フレーム204を上方に膨らむように湾曲させ、その中央のボルト孔に上からボルト206を貫通させた仕上材支持アンカー201(図25参照)などが提案されている(特許文献1参照)。
図24の仕上材支持アンカー101の場合には、両側の係止爪105を係止溝103に差し入れた状態でボルト107を回せば凸状部分106が徐々に閉じ、これによって係止爪105が係止溝103に引っ掛かって仕上材支持アンカー101自体が仕上材102上に固定される。また、図25の仕上材支持アンカー201の場合には、同じく両側の係止爪205を係止溝203に差し入れた状態でボルト206を回し、ボルト先端を仕上材202上に突き当ててからさらに回せばフレーム204が膨らむようにして上方に押し上げられ、係止爪205が係止溝203に引っ掛かって仕上材支持アンカー201自身が仕上材202上に固定される。
しかしながら、図24に示した仕上材支持アンカー101の場合には、フレーム104と外壁面等との間へのコンクリート充填のし易さという点で問題がある。また、仕上材支持アンカー101を例えば厚さ1mm程度の薄いプレートに取り付けるような場合、プレートにタップを切ってボルトを締め付けることがあるが、これだとボルトの締め付けにタップが耐えられない、あるいはボルトを締め付けていくうちにプレートが閉じてタップの向きがずれてくるなど、構造に対する信頼性という面で問題がある。
一方、図25に示した仕上材支持アンカー201の場合には、ボルト206の先端を仕上材202に押し付ける(あるいは擦り付ける)ことになるため、仕上材202にどうしても傷が付いてしまうという問題がある。仕上材支持アンカー201をより強固に取り付けようとすれば自ずとボルト206を強く回し込むことになるためにこのような問題はさらに顕著となる。また、仕上材支持アンカー201が取り付けられた後は仕上材202上に局所的圧力がかかった状態が続くために変形やひび割れなどが起こるおそれもある。
そこで、本発明は、仕上材に傷を付けたり局所的圧力を作用させたりすることなく取り付けることができる仕上材支持アンカーを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、両側部に係止爪を備えた可撓性のプレートからなり、外壁面等に取り付けられる仕上材に設けられている係止溝に係止爪を差し入れ、プレートを変形させることによって係止爪を当該係止溝に係止させて仕上材に固定される仕上材支持アンカーにおいて、プレートの一部が波状部とされ、かつ、該波状部を表裏から挟み付けて押圧し、プレートを変形させることによって係止用爪を移動させ係止溝に係止させる押圧部材を備えていることを特徴とするものである。
すなわち、本発明にかかる仕上材支持アンカーは、波状に形成された部材が圧力下で変形する作用ないしはその性質が利用されているものである。つまり、プレートの一部はあらかじめ波状に形成され、尚かつ、当該波状部は、押圧部材によって平状となるように表裏から押圧される。この仕上材支持アンカーにおける係止爪は、このようにして波状部が押圧されると所定の動作をして係止溝に引っ掛かるように形成されている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の仕上材支持アンカーにおいて、押圧部材は、波状部に設けられた貫通孔を通るボルトと、このボルトに嵌合するナットとで構成されているというものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の仕上材支持アンカーにおいて、波状部は少なくとも中央の谷部とその両側の山部とを有する形状であり、ナットは少なくとも両側の山部の両方に当接することができる大きさであるというものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の仕上材支持アンカーにおいて、プレートに対してボルトが空回りするのを防ぐための回り止めを備えているというものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の仕上材支持アンカーにおいて、回り止めは、プレートに設けられた係合孔と、ボルトの頭部に設けられた突起であってこの係合孔に嵌り込む形状および大きさの係合突起とで構成されているというものである。
請求項6に記載の発明は、請求項2から5のいずれかひとつに記載の仕上材支持アンカーにおいて、ボルトのねじ部と外壁面等との間に介在するアンカー取付部材を備えていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の仕上材支持アンカーにおいて、アンカー取付部材は、ボルトのねじ部に取り付けられる透孔または切り欠きと、外壁面等へねじ込まれるねじ等の締結手段の一部を通過させる締結用の透孔または切り欠きとを備えたものであることを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の仕上材支持アンカーにおいて、アンカー取付部材は、ボルトのねじ部に取り付けられる透孔または切り欠きと、外壁面等へ直接または間接的に引っ掛かる鉤状の係合手段とを備えたものであることを特徴としている。
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の仕上材支持アンカーにおいて、アンカー取付部材は、外壁面等に取り付けられる下地用パネル材であることを特徴としている。
請求項10に記載の発明は、請求項6から9のいずれかひとつに記載の仕上材支持アンカーにおいて、ボルトは、そのねじ部が少なくともアンカー取付部材が取り付けられるのに十分な程度の長さとされているというものである。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれかひとつに記載の仕上材支持アンカーにおいて、プレートのうち、波状部が形成されている部分の一部が切り欠かれているというものである。
請求項12に記載の発明は、請求項1から11のいずれかひとつに記載の仕上材支持アンカーにおいて、プレートが樹脂製であることを特徴としている。
請求項1記載の仕上材支持アンカーによると、プレートの波状部を挟み込むように押圧した際のプレートの形状に由来する変形作用を利用して係止爪を係止溝に係止させ、当該仕上材支持アンカー自身を仕上材の裏面に固定することができる。この場合の押圧部材はプレート上の波状部を挟み込みように作用するだけであり、壁面に触れたり擦ったりするようなことがない。したがって、仕上材に傷を付けたり局所的圧力を作用させて変形やひび割れを生じさせたりすることがなくアンカーを設置することができる。また、押圧部材をさらに強く締め付けて押圧力を大きくしたとしても、仕上材に傷が付いたり変形等を生じさせたりするようなことは皆無である。
請求項2の仕上材支持アンカーによると、ボルトとナットという汎用的な部材を利用して押圧部材を構成し、波状部を押圧することができる。しかも、ボルトとナットを利用した場合には確実に締め付けて波状部に対し徐々に力を作用させることができるし、ボルトまたはナットの相対回転量に応じた強い押圧力を作用させることもできる。
請求項3の仕上材支持アンカーによると、波状部に設けられた両側の山部をナットによって押圧し、また、波状部中央の谷部をボルトの頭部によって押圧し、挟み込むようにして平板状あるいはこれに近い状態となるように当該プレートを変形させることができる。
請求項4の仕上材支持アンカーによると、回り止めにより、プレートに対してボルトが空回りする(ナットの締め付け時にボルトが供に回ってしまう)のを防ぐことができる。このため、ナットの回転量に応じた押圧力を得てプレートを必要十分な程度まで変形させることが可能となり、その分だけ無駄な手間が省けて効率がよい。
請求項5の仕上材支持アンカーによると、ボルトの頭部に設けられた係合突起が、プレートに設けられた係合孔に嵌り込むことによって回り止めとして機能する。したがって、押圧時、ボルトが空回りするのを防ぐことができる。
請求項6の仕上材支持アンカーによると、アンカー取付部材を介して当該仕上材支持アンカーおよび仕上材を外壁面等に取り付けることが可能になる。したがって、例えば、アンカー取付部材を外壁面等に取り付けることによって外壁面等に仕上材を取り付けることができる。
請求項7の仕上材支持アンカーによると、ボルトのねじ部にアンカー取付部材を取り付け、さらにねじ等の締結手段でこのアンカー取付部材を外壁面等に固定することによって、仕上材を外壁面等に取り付けることができる。
請求項8の仕上材支持アンカーによると、係合手段を利用してアンカー取付部材を外壁面等に引っ掛けることにより、仕上材を外壁面等に取り付けることができる。
請求項9の仕上材支持アンカーによると、外壁面等に取り付けられる下地用パネル材を介して仕上材を外壁面等に取り付けることができる。
請求項10の仕上材支持アンカーによると、ボルトのねじ部を利用してアンカー取付部材を取り付けることができる。しかも、この場合にはアンカー取付部材自身がナットの緩み防止部材としても機能しうる。
また、請求項11の仕上材支持アンカーによると、波状部が形成されている部分の一部を切り欠いているために、変形させたい部分にのみ有効に押圧力を作用させ、プレートの波状部を効果的に変形させることが可能となっている。
さらに、請求項12の仕上材支持アンカーによると、プレートを樹脂製としたことにより、であることを特徴としている。必要な強度を確保しつつ軽量化を図ることが可能となる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図7に本発明の一実施形態を示す。本発明にかかる仕上材支持アンカー1は、外壁面等(以下、単に「壁面」という)10に仕上材2を取り付ける際に利用されるアンカー治具の一種であり、仕上材2の裏面等に固定されて支持用治具として機能するものである。より具体的には、この仕上材支持アンカー1は両側部に係止爪5を備えた可撓性のプレート4からなるもので、仕上材2に設けられている係止溝3にこの係止爪5を差し入れ、プレート4を変形させることによって係止爪5を当該係止溝3に係止させ、仕上材2に固定される構造となっている。このようにして仕上材2に固定された仕上材支持アンカー1は、壁面10を覆うように取り付けられる仕上材2を裏面から支持する部材として機能する。
本実施形態の仕上材支持アンカー1は、プレート4の一部が波状部6とされ、かつ該波状部6を表裏から挟み付けて押圧する押圧部材7を備えている(図1等参照)。すなわち、本実施形態の仕上材支持アンカー1は、表面が平坦ではない部材がプレスされるよう圧力を受けると変形する作用ないしはその性質が利用されているものである。つまり、プレート4の一部はあらかじめ波状に形成され、尚かつ、仕上材2への取付時、当該波状部6が押圧部材7によって表裏から押圧されて平坦ないしはこれに近い状態まで変形するようになっている。この仕上材支持アンカー1における係止爪5は、このように波状部6が押圧されてプレート4が変形するのに伴い移動し、このように移動することによって係止溝3に引っ掛かるように形成されている。
プレート4は例えば金属製の板状物からなり、表裏から強く押圧すると変形する程度の可撓性を備えたものである。このプレート4の両側部には一対の係止爪5が設けられている。これら係止爪5は仕上材2の係止溝3に引っ掛かる形状のもので、例えば本実施形態では、プレート4の側部を内側に折り曲げて形成したフック状(鉤状)の爪を係止爪5として機能させている(図1、図2参照)。これら一対の係止爪5は、仕上材2の係止溝3に入り込んだ状態で両側から挟み込むようにしてこれら係止溝3に係止し、これによって仕上材支持アンカー1を仕上材2上に固定させる(図2参照)。
なお、これら係止爪5の内側への折り曲げ角度は特に限定されるものではないが、仕上材2上で仕上材支持アンカー1をより強固かつ確実に固定するという観点からすれば、仕上材2に取り付けられたとき、係止溝3の角度とほぼ一致する角度となっていることが好ましい。本実施形態では、仕上材2に取り付ける前の状態における係止爪5の曲げ角度を係止溝3の角度よりも僅かに開き気味としておき(図1の実線参照)、仕上材2に取り付けたとき、これら係止爪5が内側に閉じながら係止溝3の奥側へ溝の面に沿って移動することによって、係止溝3の溝角度とほぼ一致するようにしている(図2参照)。
プレート4の一部には波状部6が形成されている。この波状部6は、何ら外力が作用していない時はその断面が所定形状に曲がった形状であり、その一方で表裏面から押圧されると潰れて平板状もしくはこれに近い状態となるように形成されている(図1、図2参照)。例えば本実施形態では、プレート4の中央付近に波状部6を形成するとともに、この波状部6を押圧して平板状としたときにプレート4の断面形状が変形する作用を利用して両側の係止爪5が下方向(詳しくは、係止爪5の爪が向いている方向)に移動するようにしている(図1参照)。より具体的には、プレート4の中央を緩やかな谷部とし、その両側を山部として波状部6をあたかも潰れたM字形状のような断面とし、押圧部材7によってこれら谷部と山部とを押し潰すように圧力をかけることによって変形する形状としている(図1参照)。
押圧部材7は該波状部6を表面と裏面とから挟み付けて押圧するための部材で、このように押圧することによってプレート4を変形させ、これによって係止爪5を移動させる。例えば係止溝3に差し入れられた状態で閉じて互いに近付くように移動する本実施形態の一対の係止爪5は、係止溝3に係止して当該仕上材支持アンカー1を仕上材2上の所定位置に固定するという役割を果たす。
本実施形態においては、上記のような押圧部材7として、ボルト8とナット9の組み合わせを利用している。すなわち、プレート4の波状部6に貫通孔4aを設け(図4参照)、この貫通孔4aにボルト8のねじ部8bを下から通し、当該ねじ部8bに上からナット9を取り付ける構成としている(図1参照)。ここで使用されるボルト8はその頭部8aが一般的な六角形のものなどでも構わないが、波状部6に加える下面からの圧力を分散させて力をより均等に作用させるという観点からすれば、縦方向(ここでいう縦方向とは、図3や図4中においてプレート4の折り曲げ線に沿った図中縦の方向)に長い形状とすることが好ましい。本実施形態では、この頭部8aの形状を縦方向に長い矩形とし、当該頭部8aと波状部6との接触面積または接触領域が六角形などの通常の頭部の場合よりも大きくなるようにしている(図3、図4参照)。このようにして両部材(プレート4と頭部8a)の接触面積または接触領域をできるだけ大きくした場合には、押圧時、波状部6に局所的な力が作用するのを防止することができるため、これによってプレート4に捻りが加わったり特定箇所を曲げるような力が加わったりするのを回避し、当該プレート4を均等に曲げて平板状とすることが可能となる。
一方、ナット9には、波状部6のうち、少なくとも両側の山部の両方に当接することができる大きさのものが用いられている。本実施形態では必要十分な大きさの六角ナット9を採用し(図3参照)、この六角ナット9を回すことによってボルト8の軸方向に移動させ、頭部8aとで波状部6を挟み込んで押圧することができるようにしている(図1等参照)。
なお、ナット9を回して波状部6を締め付ける際、ボルト8が空回りするのを防ぐための回り止め11を備えていることが好ましい。回り止め11を備えていれば、ナット9の回転量に応じた分だけ押圧力を徐々に大きくしながらプレート4を必要十分な程度まで変形させることが可能となり、その分だけ無駄な手間が省けて効率がよくなる。例えば本実施形態では、ボルト8の頭部8aであってプレート4と接触する面に係合突起11aを形成し(図5、図6参照)、プレート4に設けた係合孔11bにこの係合突起11aを落とし込んで係合させ、回り止め11として機能させることとしている(図3、図4参照)。なお、このような係合突起11aおよび係合孔11bは一組設けられていれば回り止め11として足りるが、本実施形態では、プレート4の貫通孔4aを中心とした対称位置に一対の係合孔11bを設けるとともに、ねじ部8bを中心とした対称位置に一対の係合突起11aを設け、計二組を設けることとしている(図4、図6参照)。ただし、以上の実施形態は回り止め11の構成の一例に過ぎず、例えば、ボルト8の頭部8aをさらに大型化し、頭部8aの一部がプレート4のいずれかの部分に引っ掛かってそれ以上回らないようにすることによって回り止め11を構成し、本実施形態と同様の効果が得られるようにすることも可能である。
また、押圧時にプレート4の波状部6を効果的に変形させるという観点からすれば、プレート4のうち、波状部6が形成されている部分の一部を切り欠いておいて面積を少なくしておくことも好ましい。こうした場合、変形させたい部分にのみ有効に押圧力を作用させ、比較的小さな力でプレート4を変形させることが可能となる。例えば本実施形態の場合には、プレート4の縦方向にそれぞれ対称形状の略半円形状の切り欠き12を設け、波状部6の面積(ないしは領域)を小さくしている(図3、図4参照)。特に図示はしていないが、同様の観点からすれば、プレート4のうち波状部6が形成されている部分をその他の部分よりも薄く形成するということも可能である。
一方、仕上材支持アンカー1が取り付けられる仕上材2の裏面には、仕上材支持アンカー1の係止爪5を係止させるための係止溝3が設けられている(図2等参照)。例えば本実施形態の係止溝3は平行に延びる2本の溝によって構成されており、それぞれの溝に各係止爪5が引っ掛けられる構造となっている。また、これら2本の係止溝3はその断面形状が、それぞれの溝が内側に切れ込むように斜めであり両方で略V字形となるように形成されている。このように断面視略V字形に形成された係止溝3は、外側から引っ掛けられるフック状の係止爪5を係止させ、その状態で外れないようにして仕上材2の所定位置に仕上材支持アンカー1を固定させる(図2参照)。
続いて、本実施形態の仕上材支持アンカー1を利用して壁面10に仕上材2を取り付ける際の手順ないしは工程について説明する(図1等参照)。ここでは、一例として、テラコッタタイルからなる仕上材2に仕上材支持アンカー1を固定し、この仕上材支持アンカー1を利用して当該仕上材2を壁面10に取り付ける場合について説明する。
まず、係止爪5が開いている状態(図1に示す実線の状態)で両側の係止爪5をそれぞれ係止溝3に差し入れ、仕上材2上の所定位置にいわば仕上材支持アンカー1を仮止めした状態とする。そうしたら、この状態でナット9を回し込み、ボルト8の頭部8aとこのナット9とでフレーム4の波状部6を徐々に締め付けて押圧する。これにより波状部6は徐々に変形し、一対の係止爪5が内側に閉じて係止溝3に係止した状態となり、その結果、仕上材支持アンカー1が仕上材2上に固定される(図1、図2参照)。以上のような簡単な手順(工程)にて仕上材支持アンカー1を固定したら、引き続き、同様にして他の仕上材支持アンカー1を仕上材2上の所定位置に順次取り付けて固定する。
所定数の仕上材支持アンカー1を仕上材2の裏面の所定位置に固定したら、続いて、これら仕上材支持アンカー1を利用して当該仕上材2を壁面10に取り付ける。ここで、仕上材2の取り付けの一例としては、壁面10上の所定位置に仕上材支持アンカー1をモルタル20で接合する手法を挙げることができる(図7参照)。すなわち、各仕上材支持アンカー1と対応する壁面10上の位置にこれら仕上材支持アンカー1の少なくとも一部(例えば、ボルト8のねじ部8bの一部)を収容可能な窪みをあらかじめ形成しておき、そこにモルタル20を流し込んで接合するという手法である。こうした場合、壁面10の所定位置に固定された仕上材支持アンカー1によって仕上材2が固定されることとなる。この場合、ねじ部8bにはナットなどからなるプレート状の抜け止め21を設けておくことが好ましい(図7参照)。
以上説明した本実施形態の仕上材支持アンカー1は、プレート4自体の形状に由来する変形作用を利用して仕上材2に取り付けられるものであり、取付作業時において押圧部材7の一部(例えばボルトの先端など)が仕上材2に接触するようなことがない。また、仕上材支持アンカー1が仕上材2に取り付けられた状態においても、当該仕上材支持アンカー1の本体が両側の係止爪5のみによって支持された状態にあることから、押圧部材7は仕上材2から乖離していわば宙に浮いた状態となっており仕上材2の裏面には接触していない。つまり、取付開始から終了までの間、押圧部材7の一部が仕上材2に強く押し付けられたり擦り付けられたりするようなことはないために、従来技術(図25参照)のように仕上材2に傷が付いたり局所的圧力がかかって変形やひび割れを生じたりするようなことが皆無である。また、当然のことであるが、押圧部材7をさらに強く締め付けて押圧力を大きくしたとしてもやはり傷が付いたり変形等を生じたりするようなことがないのは同様である。
加えて、本実施形態の仕上材支持アンカー1の場合には、プレート4の変形時、係止爪5が移動して下がることから、相対的に、プレート4の波状部6や押圧部材7が仕上材2の裏面からさらに乖離する構造となっている(図1参照)。この場合、プレート4の足の長さ(つまり波状部6から係止爪5までの長さ)を変えれば壁面10から仕上材2までの支持高さを適宜変えることができるという利点もある。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態では仕上材2の一例としてテラコッタタイルを例示したうえで説明したが、これは一例にすぎず、他の材質からなる陶板など、テラコッタタイル以外の仕上材2に対しても本発明を適用することができる。
また、本実施形態ではプレート4の一例として、矩形の板状物を所定形状に折り曲げ、尚かつ略半円形の切り欠き12を設けたものを説明したが、これは好適な例であって他の形状ないしは材質とすることもできる。すなわち、押圧したときの変形動作によって係止爪5を仕上材2の所定位置に係止させることができるものであれば上述したような形状には限られることはなく種々の形状とすることが可能である。また、本実施形態では金属製のプレート4を例に説明したが、押圧時に所定の変形動作をし、尚かつ仕上材2の支持用アンカー(支持部材)として必要な強度を備えるものであれば特に金属製に限られることはなく、例えば樹脂製とすることも可能である。樹脂製とした場合には、必要な強度を確保しつつ軽量化を図れるという利点もある。具体的には、いわゆるエンジニアプラスチックと呼ばれるものの中で所要の強度を備えているプラスチック材料、繊維で複合強化されたプラスチック材料などが適用可能である。
また、仕上材2を壁面10へと取り付けるにあたり、本実施形態においては壁面10の窪みに仕上材支持アンカー1の一部を収容し、そこにモルタル20を流し込んで接合するという手法を説明したがこれも一例に過ぎず、他の手法を採用することもできる。以下では、具体的なその他の手法をそれぞれ第2〜第5の実施形態として説明する(図8〜図15参照)。
第2の実施形態は、ボルト8と壁面10との間にアンカー取付部材13を介在させ、このアンカー取付部材13を利用して仕上材支持アンカー1および仕上材2を壁面10に取り付けるというものである(図8参照)。こうした場合には、壁面10の材質によっても変わるが、モルタルを使わずとも、例えばセルフタップねじ(ノープラグビス)によるビス止め、プラグを利用したビス止め、ハイアンカー(別のアンカー部材)を利用した固定など、モルタル以外の各種取付方法が可能となる。アンカー取付部材13としては種々のものが考えられるが、一例を示せば、ボルト8のねじ部8bに取り付けられる透孔13aと、壁面10への締結手段(例えば壁面10へねじ込まれるねじ等)14の一部を通過させる締結用の透孔13bとを備えた部材を挙げることができる(図8参照)。このようなアンカー取付部材13は、仕上材支持アンカー1と壁面10との間に介在し、壁面10上でこれら仕上材支持アンカー1や仕上材2を支持することから、仕上材支持アンカー1の一部を壁面10に埋め込む必要がなくなる。また、このようなアンカー取付部材13を利用する場合には、図8に示すように、プレート4とナット9との間にこのアンカー取付部材13を設置することができる(図8参照)。こうした場合にはプレート4とナット9とでアンカー取付部材13を挟み付けて固定することができるため、固定用の他の部材が不要となる。この場合のアンカー取付部材13は、ナット9の代わりにプレート4を直接押圧して変形させる(図8参照)。もちろんこれも一例であって、特に図示はしていないが、ナット9を取り付けてからアンカー取付部材13をねじ部8bに取り付けることとしてもよい。なお、ここでは13a,13bともに透孔である場合を例示したがこれらは必ずしも透孔である必要はなく、例えば切り欠きとしても同様に機能させることが可能である。
以上のようなアンカー取付部材13を利用するにあたっては、仕上材支持アンカー1や仕上材2に対して傾斜した状態で利用することもできる(図9参照)。例えば、仕上材2の端寄りの裏面に仕上材支持アンカー1を固定しておき、このような仕上材2を複数用意して壁面10に順次取り付けていくような場合、アンカー取付部材13をあらかじめ傾斜させた状態で取り付けておけば、隣接するアンカー取付部材13どうしが干渉するのを避けつつ、仕上材2どうしをできるだけ密に配置することが可能になる(図9参照)。こうした場合には、仕上材2どうしの隙間(目地の部分)を極力狭くし、この目地の部分に締結手段(ねじ等)14をねじ込む(あるいは打ち込む)ようにして仕上材支持アンカー1および仕上材2を取り付けることが可能となる。
第3の実施形態は、ボルト8と壁面10との間に介在させたアンカー取付部材13を利用するという点では上述の場合と同じであるが、ここでは、アンカー取付部材13に、壁面10へ直接または間接的に引っ掛かることが可能な鉤状の係合手段15を設けることとしている(図10、図11参照)。こうした場合には、複数枚の仕上材2のそれぞれを係合手段15を利用して一枚ずつ壁面10に引っ掛けるようにして取り付けることができるようになる。この場合、壁面10には、鉤状の係合手段15が引っ掛かるような窪みをあらかじめ設けておいてもよいし、係合手段15が引っ掛かる形状の胴縁などからなる支持部材(図10において符号16で示す)をあらかじめ設けておいてもよい(図10参照)。いうまでもなく、このような鉤状の係合手段15を利用した場合には壁面10への仕上材2の取付作業が簡便になるとともに、掛け替え時などにおいて取り外す作業も同様に簡便に済むという利点がある。また、隣接する仕上材2どうしの間の隙間をなくすことも可能となるから、壁面10をあたかも連続する単一の仕上部材で処理したかのように処理することができるようになる。
第4の実施形態も、ボルト8と壁面10との間に介在させたアンカー取付部材13を利用するという点では上述の場合と同じであるが、ここでは、アンカー取付部材13として、壁面10に取り付けられる例えば金属製の下地用パネル材を利用している(図12参照)。例えばこの実施形態では、ボルト8のねじ部8bに取付可能なワッシャ18およびナット19を利用してこのアンカー取付部材(下地用パネル材)13を仕上材支持アンカー1および仕上材2と一体化し、1つのユニットを形成することとしている。アンカー取付部材13と仕上材2との間には、いわばパッキンのように機能する弾性接着剤17を介在させている。このアンカー取付部材13は、例えば当該アンカー取付部材(下地用パネル材)13の上端と下端とを支持する取付治具22によって壁面10に取り付けられるようになっている(図12参照)。取付治具22は、例えば胴縁やファスナーなどで構成することができる。
第5の実施形態も、ボルト8と壁面10との間に介在させたアンカー取付部材13を利用するという点では上述の場合と同じであるが、ここでは、アンカー取付部材13として、途中が直角に曲がってL字形状となっているブラケット状の部材(横胴縁材)を採用するとともに、これを直接ボルト8に取り付けることとしている(図13参照)。符号23は、このアンカー取付部材13とは別部材である下地用パネル材である。また、図13において仕上材2の裏面を覆っている斜線部分は、テラコッタタイルや陶板が万が一割れた際に飛散するのを防止するための裏面処理またはその処理材を表している。ちなみに、本実施形態においてはアンカー取付部材(横胴縁材)13と下地用パネル材23のいずれにもアルミ材を用い、軽量化を図ることとしている。ここでは特に図示していないが、アンカー取付部材13は他部材を介して壁面10に取り付けられ、これによって仕上材支持アンカー1および仕上材2が当該壁面10に設置される。ただし壁面10への取り付け方がこれに限られるというわけではなく、ブラケットの先端部分を直接ビス止めするなどして壁面10に直接取り付けることももちろん可能である。また、ナット19が緩むのを確実に防止するという観点からすれば図13に示しているようにダブルナット構造とすることも好ましい。なお、図14と図15に、仕上材支持アンカー1およびアンカー取付部材13が取り付けられた仕上材2を裏面(壁面10へ取り付けられる方の面)から見た様子を参考までに示している。ただし、本実施形態の仕上材2の裏面側には下地用パネル材23が取り付けられているため(図13参照)、図14と図15ではこのパネル材越しにみた図として表れている(図14、図15参照)。ここでは、1枚の仕上材2に2個の仕上材支持アンカー1を取り付けたものを1つのモジュールとしたうえで、このようなモジュールを縦横に並べて壁面10に順次取り付けていくことになる。なお、アンカー取付部材13上の透孔13aを長孔とすることも好ましい。こうした場合には、例えば壁面10への取付時、アンカー取付部材13の相対位置を長孔方向にずらすようにして壁面10への取付位置を微調整することが可能となり、取付作業を簡便にすることができる。
また、上述の第2〜第5の実施形態に共通することとして、いずれの仕上材支持アンカー1も、ボルト8はそのねじ部8bが少なくともアンカー取付部材13が取り付けられるのに十分な程度となっている。このようにねじ部8bを必要十分な長さとした各実施形態の仕上材支持アンカー1によれば、このボルト8のねじ部8bを利用して、どのような形態かにかかわらずアンカー取付部材13を取り付けることができる。また、このアンカー取付部材13自身が、ナット9の緩み防止部材として機能することも期待することができる。なお、アンカー取付部材13と仕上材2との間に他部材を介在させる場合には、ねじ部8bの長さはその分の厚みも考慮したものとなることはいうまでもない。上述したように、図12に示したボルト8のねじ部8bの長さは、アンカー取付部材13と仕上材2との間に介在する弾性接着剤17の厚みを考慮したものとなっている(図12参照)。また、ねじ部8bの長さは必要十分なものであればよいから、図10に示すように短くすることもできる。
以下では、仕上材支持アンカー1のさらに他の例を説明しておく(図16〜図19参照)。ここで示す仕上材支持アンカー1は、所定形状(例えば略山形)に曲げられて形成されたプレート4からなり、両足の係止爪5を広げた状態で仕上材2に取り付けられた後は、プレート4の弾性に起因する復元力により、両係止爪5を係止溝3に係止させた状態を維持するというものである(図19参照)。プレート4の材質としては、両足を広げることができて尚かつ自己復元して両足を閉じ、しかも容易には広がらない程度の弾性を有する鋼材(いわゆるばね鋼材)が好適だが、同様の特徴を有する限りはその他の材料(例えば上述の実施形態で説明したような樹脂材など)を適用することもできる。
両側に設けられている係止爪5の内側への折り曲げ角度は特に限定されるものではないが、より強固かつ確実に固定するという観点から、上述した実施形態と同様、仕上材2に取り付けられたときに係止溝3の角度とほぼ一致する角度としている(図19参照)。このような形態とした場合には各係止爪5が係止溝3の内面に面接触できるようになって接触領域が増えることから、線接触する場合に比べて安定度が増し、仕上材支持アンカー1がより強固かつ確実に固定されるようになる。このような係止爪5をもつ仕上材支持アンカー1を仕上材2に取り付ける場合、両足を開くと係止爪5の角度も開くが、仕上材2への取付後に自己の弾性で両足を閉じることによって係止爪5の角度が係止溝3の角度に一致する(図19参照)。
また、この仕上材支持アンカー1は、プレート4の両足の一部が仕上材2の表面と平行となるように形成されている(図19参照)。こうした場合には、仕上材2に取り付けられた状態のときの仕上材支持アンカー1と仕上材2との接触領域が増えることとなり、安定度がさらに増して仕上材支持アンカー1がより強固かつ確実に固定されるようになる。
さらに、この仕上材支持アンカー1のプレート4には開口部4aが設けられている(図16〜図18参照)。この開口部4aは、仕上材支持アンカー1がモルタルを用いて実際に仕上材2に取り付けられる際、モルタルがこのプレート4の内側に十分に入り込み、尚かつプレート4の裏側にまで隙間なく回り込むことを可能とするためのものである。したがってこのように開口部4aのある仕上材支持アンカー1を用いた場合には、開口のない仕上材支持アンカー1よりもモルタルがプレート4の内側に容易に入り込むことから、プレート4の内側にモルタルを十分に充填して仕上材2に確実に固定することが可能となる。例えばこの仕上材支持アンカー1の場合には、プレート4の両足付近にまで伸び、尚かつプレート幅のおよそ半分以上の幅を有する平面視矩形の開口部4aを設け、モルタルがプレート4の内側に容易に入り込むようにしている(図16等参照)。
加えて、この仕上材支持アンカー1のプレート4は、固化したモルタルによって確実に保持される形状に形成されている。すなわち、プレート4に上述のような開口部4aを設けることによってモルタルが十分に充填されるようにしたうえで、プレート4が固化後のモルタルにより確実に引っ掛かって保持されるようにしている。具体的には、プレート4の形状を、両足部分から中央部分(略山形の頂上部分)へと向かうにつれて徐々にプレート幅が広くなるいわば逆テーパ形状としている(図18参照)。しかも、平面視矩形の開口部4aを設けたこの仕上材支持アンカー1の場合には、該開口部4aとプレート縁の間の両帯状部分4b自体の幅も、両足部分から中央部分へと向かうにつれて徐々に幅が広くなっている(図18参照)。こうした場合、特に中央部分付近においてプレート4とモルタルとの接触領域が広がることになるため、プレート4の内側にモルタルが容易に流れ込むようにしつつ、固化後のモルタルによってプレート4を確実に支持できるようにしている。このことは、モルタルの固化後、仕上材支持アンカー1および仕上材2を壁面10で支えるのに必要な強度が得られやすいということでもある。
続けて、以上説明した仕上材支持アンカー1の変形例も説明しておく(図20〜図23参照)。この仕上材支持アンカー1は、プレート4が略山形となっている点、平面視矩形の開口部4aが設けられている点などは上述のものと共通しているが、両足の係止爪5の幅がプレート幅よりも広く形成されている点で異なる(図20等参照)。このように両足の係止爪5の幅を広く形成した場合には、当該係止爪5と仕上材2との接触領域が広がることによってより強固かつ確実に仕上材支持アンカー1を仕上材2に係止させることができるようになることはいうまでもない。また、このような仕上材支持アンカー1は、中央部から両足部にかけてプレート4の縁がくびれた形状となることから、そうでない形状の支持アンカーよりも目を引くという意匠的効果も期待できる。
1 仕上材支持アンカー
2 仕上材
3 係止溝
4 プレート
4a 貫通孔
5 係止爪
6 波状部
7 押圧部材
8 ボルト
8a 頭部
8b ねじ部
9 ナット
10 壁面(外壁面等)
11 回り止め
12 切り欠き
13 アンカー取付部材
13a ねじ孔
13b 透孔または切り欠き
14 締結手段
15 係合手段
2 仕上材
3 係止溝
4 プレート
4a 貫通孔
5 係止爪
6 波状部
7 押圧部材
8 ボルト
8a 頭部
8b ねじ部
9 ナット
10 壁面(外壁面等)
11 回り止め
12 切り欠き
13 アンカー取付部材
13a ねじ孔
13b 透孔または切り欠き
14 締結手段
15 係合手段
Claims (12)
- 両側部に係止爪を備えた可撓性のプレートからなり、外壁面等に仕上材を取り付ける際、該仕上材に設けられている係止溝に前記係止爪を差し入れ、前記プレートを変形させることによって前記係止爪を当該係止溝に係止させて前記仕上材に固定される仕上材支持アンカーにおいて、前記プレートの一部が波状部とされ、かつ、該波状部を表裏から挟み付けて押圧し、前記プレートを変形させることによって前記係止用爪を移動させ前記係止溝に係止させる押圧部材を備えていることを特徴とする仕上材支持アンカー。
- 前記押圧部材は、前記波状部に設けられた貫通孔を通るボルトと、このボルトに嵌合するナットとで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の仕上材支持アンカー。
- 前記波状部は少なくとも中央の谷部とその両側の山部とを有する形状であり、前記ナットは少なくとも前記両側の山部の両方に当接することができる大きさであることを特徴とする請求項2に記載の仕上材支持アンカー。
- 前記プレートに対して前記ボルトが空回りするのを防ぐための回り止めを備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の仕上材支持アンカー。
- 前記回り止めは、前記プレートに設けられた係合孔と、前記ボルトの頭部に設けられた突起であってこの係合孔に嵌り込む形状および大きさの係合突起とで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の仕上材支持アンカー。
- 前記ボルトのねじ部と前記外壁面等との間に介在するアンカー取付部材を備えていることを特徴とする請求項2から5のいずれかひとつに記載の仕上材支持アンカー。
- 前記アンカー取付部材は、前記ボルトのねじ部に取り付けられる透孔または切り欠きと、前記外壁面等へねじ込まれるねじ等の締結手段の一部を通過させる締結用の透孔または切り欠きとを備えたものであることを特徴とする請求項6に記載の仕上材支持アンカー。
- 前記アンカー取付部材は、前記ボルトのねじ部に取り付けられる透孔または切り欠きと、前記外壁面等へ直接または間接的に引っ掛かる鉤状の係合手段とを備えたものであることを特徴とする請求項6に記載の仕上材支持アンカー。
- 前記アンカー取付部材は、前記外壁面等に取り付けられる下地用パネル材であることを特徴とする請求項6に記載の仕上材支持アンカー。
- 前記ボルトは、そのねじ部が少なくとも前記アンカー取付部材が取り付けられるのに十分な程度の長さとされていることを特徴とする請求項6から9のいずれかひとつに記載の仕上材支持アンカー。
- 前記プレートのうち、前記波状部が形成されている部分の一部が切り欠かれていることを特徴とする請求項1から10のいずれかひとつに記載の仕上材支持アンカー。
- 前記プレートが樹脂製であることを特徴とする請求項1から11のいずれかひとつに記載の仕上材支持アンカー。
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JP2015135009A (ja) * | 2014-01-17 | 2015-07-27 | 重樹 宮村 | 陶板の取付構造、陶板、及び陶板の取付方法 |
JP2018115452A (ja) * | 2017-01-17 | 2018-07-26 | 株式会社Lixil | 壁構造及び壁材 |
CN110485670A (zh) * | 2019-09-09 | 2019-11-22 | 苏州美瑞德建筑装饰有限公司 | 一种防变形的曲面形态墙面板安装结构及其安装方法 |
JP2020196185A (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-10 | 株式会社竹中工務店 | 仕上げ材用のアンカー金物 |
-
2004
- 2004-11-22 JP JP2004337146A patent/JP2006144420A/ja active Pending
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