JP2004250862A - 重ね葺き用固定具およびこの固定具を用いた改修構造 - Google Patents

重ね葺き用固定具およびこの固定具を用いた改修構造 Download PDF

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Abstract

【課題】新設屋根による負荷にも接続・固定関係が失われるようなことがなく、固定具と既設屋根すなわち母屋側との接続・固定関係が得られて、既設屋根上に新設屋根を重ね葺きして施工することが可能な重ね葺き用固定具およびこの固定具を用いた改修構造を提供すること。
【解決手段】下取付部2と上取付部3とを備え、下取付部2にはガイド穴4と、ガイド穴4に連通して、ボルト9のネジ部分9aの径よりもやや大幅の挿入溝5を形成してある。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は既設屋根上に新設屋根を重ね葺きするのに用いられる重ね葺き用固定具およびこの固定具を用いた改修構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
先行文献1には、屋根補修工法が記載され、同工法に用いられるクランプ金具として、断面山形の底面部に、その頂部を貫通してフックボルトのナット直下の軸部回りに嵌合せしめる穴と、該穴と底面部の上記端縁とを連通せしめてフックボルトの軸部を上記穴に嵌入させるガイド溝からなる切欠きを形成し、且つ、上記ガイド溝は上記穴との連接部の溝幅が上記孔の径よりも小さく、溝幅が底面部端縁の開口に向けて拡大するテーパー状に形成したものが記載および図示されている。
ところで、かかるクランプ金具では、ボルトの軸部と穴との嵌合関係を、穴およびこの穴に続くガイド溝の拡開により確保している構成のものであるため、この拡開によって嵌合関係という位置規制が失われる恐れがあるものであり、穴からボルトが外れてしまうことも起こり得る構造上の不備がある。この点は、底面部が断面山形で既設の波形スレートの山部に沿う形状であること、そして、新設の金属板屋根材の重量が負荷されることが相乗することにより、穴およびガイド溝は拡開動作し易くなっているといえる。
また、座金下のパッキン材により得ている接触摩擦抵抗は、パッキン材の劣化或いは振動等によって損なわれる虞れがあり、既設屋根との接続関係に対する貢献度は低いものになる。
このような拡開状態になれば、既設屋根材に対する固定具の接続・固定関係が失われるわけであるから、固定具ともども新設屋根材はフリーになってしまうという重大な問題に発展することにもなりかねない。
【0003】
【先行文献1】
特許2907422
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする課題は、第1には、新設屋根による負荷にも接続・固定関係が失われるようなことがなく、固定具と既設屋根すなわち母屋側との接続・固定関係が得られて、既設屋根上に新設屋根を重ね葺きして施工することが可能な重ね葺き用固定具を、第2には、さらに、接続・固定関係に強制的に規制することで、より堅固な接続・固定関係に重ね葺きして施工することが可能な重ね葺き用固定具を、第3には、新設屋根による負荷にも接続・固定関係が失われるようなことがなく、この接続・固定関係に強制的に規制されていることで、固定具と既設屋根すなわち母屋側との接続・固定関係が堅持され、かかる固定具を経て既設屋根上に新設屋根が確実に重ね葺きされている改修構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した課題を達成するため、重ね葺き用固定具では、既設屋根の上方に突出するボルトのネジ部分に螺合されるナットにより母屋材に固定された既設屋根に対し重ね葺きされる新設屋根を、前記既設屋根上に連結固定する重ね葺き用固定具において、前記既設屋根上に取り付けられる下取付部と、前記新設屋根を取り付ける上取付部とを備えており、前記下取付部には、前記ナットおよび座金の径よりも大径のガイド穴と、該ガイド穴に連通して、前記ボルトのネジ部分の径よりもやや大幅の挿入溝を形成してあることを特徴とする。
また、前記した重ね葺き用固定具では、ボルトを挿入溝内に抜止規制可能な規制手段を有していることを特徴とする。
そして、かかる固定具を用いた改修構造では、前記の重ね葺き用固定具を用い、既設屋根上に新設屋根を重ね葺きしてなる改修構造であって、前記固定具の下取付部を、母屋材に固定された既設屋根上に載置すると共にボルトがガイド穴から挿入溝に挿入するようにスライドし、規制手段によりボルトが挿入溝内に抜止規制された状態の固定具における上取付部上に新設屋根を構築したことを特徴とする。
【0006】
本発明における固定具の形態は、既設屋根上に取り付けられる下取付部と、新設屋根を取り付ける上取付部とが上下位置関係を有するもの全てを含み、この上下位置関係としては、上下対向状或いは上下対称状等が挙げられる。下取付部は既設屋根に沿う形状に形成されるのが望ましい。また、新設屋根を取り付ける上取付部は、屋根材等の外装材を直接取り付ける態様のものであっても良いし、垂木等の支持部材、或いは外装材の保持部材(吊子等)、断熱材等を介在させて取り付ける態様のものであっても良い。この上取付部は、外装材を直接取り付ける場合は、その外装材の形状に沿う形状としても良いし、上下両面が水平状の垂木等を介在する場合は略水平状に形成しても良い。同様に、既設屋根上に取り付けられる下取付部は、屋根上面に直接取り付けられる態様のものであっても良いし、他の部材を介在させて取り付けられる態様のものであっても良い。かかる固定具は、複数の部材から形成されているものであっても良い。
ガイド穴は、丸穴状、角穴状、半円状、その他のこれらに類する形状のいずれであっても良い。挿入溝は、ボルトが挿入可能な例えば略U字状等の溝であれば良く、溝入口はガイド穴側に向けて広がるテーパー状であるのが望ましい。
【0007】
規制手段は、下取付部または上取付部或いは両部間の起立部の一部から下方へ突出されて既設屋根に噛合可能な噛合部であっても良いし、上取付部または下取付部或いは両部間の起立部の一部に形成されて既設屋根の上方に突出するボルト或いはナットに当接可能な抜止ストッパーであっても良いし、挿入溝に至る溝途中に形成されて、ボルトを挿入溝内に抜止規制可能な抜止顎部或いは抜止突部であっても良い。また、下取付部下面に形成されて既設屋根に噛合可能な鋸歯状或いはローレット状等の噛合部であっても良いし、さらに、前記した噛合とストッパーを併用しても良く、この規制手段としては、下取付部のスライド(ボルトが挿入溝に挿入する動き)を妨げない一方で、下取付部の逆スライド(ボルトが挿入溝から外れ出る動き)を規制して、ボルトを挿入溝内に抜止規制可能な態様のものであれば良い。また、前記した抜止ストッパーは、予め下方へ突出成形しておいてボルト或いはナットに当接可能にしてある態様でも良いし、既設屋根上に取り付けられた後に下方へ折り下げられることでボルト或いはナットに当接可能な態勢を整え可能な態様のものであっても良い。
固定具の材質は、金属或いは樹脂等の硬質材になる。
新設屋根としては、新設屋根材に限らず、垂木や床板等も含まれる。既設屋根としては、固定具を取り付け可能なようにボルト(若しくは類する部材)等が立設されている公知の既設屋根(主に波形スレート屋根)であれば良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1〜図3には本発明の重ね葺き用固定具における実施の1形態を示しており、固定具1は断面略コ状のピース材で、後で説明する既設屋根材8の突条部8a上面に沿う形状の断面凸曲状下取付部2と、後で説明する新設屋根材13の下面に沿う形状の水平状上取付部3とを上下対向状に備えている。
下取付部2には、板面の長手方向に沿いガイド穴4および挿入溝5を相互に連通状に開口しており、ガイド穴4は、既設屋根材8の上方に突出するフックボルト9のネジ部分9aに螺合されるナット10および座金11並びに弾性材12の径よりも大径の丸穴状に形成し、挿入溝5は、フックボルト9のネジ部分9aの径よりもやや大幅で且つナット10および座金11並びに弾性材12の径よりも小径の略U字状に形成している。また、挿入溝5の入口両溝縁は、フックボルト9がガイド穴4側から入り易いようにテーパー状に形成してある。
また下取付部2には噛合爪部6を板面から打ち出して形成してある。この噛合爪部6は、挿入溝5側の側縁からガイド穴4側とは反対方向の斜め下方へ突出され、下取付部2のスライドすなわち噛合爪部6が既設屋根材8上面を摺動することにより挿入溝5内へのフックボルト9の挿入を妨げない一方で、下取付部2の逆スライドすなわち挿入溝5内からフックボルト9が抜け出ようとする動きを噛合爪部6が既設屋根材8上面に噛合することにより阻止し得るように形成してある。この噛合爪部6は、下取付部2の逆スライドを阻止することで、フックボルト9を挿入溝5内に抜止規制可能に形成してある。
【0009】
図4には本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示しており、構成は前記した図1の態様のものと断面略口状に形成してある点を除いて基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0010】
図5には本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示しており、構成は前記した図1の態様のものと側面コ状で且つ上取付部3が下取付部2と上下対向状に形成してある点を除いて基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0011】
図6には本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示しており、構成は前記した図1の態様のものと側面クランク状で且つ上取付部3が下取付部2と上下対称状に形成してある点を除いて基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0012】
図7〜図9には本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示しており、構成は前記した図1の態様のものと側面クランク状で且つ下取付部2と上取付部3を上下対称状に形成してある点およびガイド穴4が半円状である点を除いて基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0013】
図10〜図12には本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示しており、構成は前記した図1の態様のものと基本的に同一であるため、共通している構成の説明は符号を準用して説明を省略し、相違する構成について説明する。
挿入溝5の入口両溝縁は、フックボルト9がガイド穴4側から入り易いようにアール状に形成してある。
上取付部3には抜止ストッパー17を板面から打ち出して形成してある。この抜止ストッパー17は、ガイド穴4上から挿入溝5側に向けて斜め下方へ突出されていると共に、ストッパー先端部17aが固定具1の取り付け状態における挿入溝5内のフックボルト9のネジ部分9aに当接し得るように形成してあり、下取付部2が既設屋根材8上面を摺動してスライドすることにより挿入溝5内へのフックボルト9の挿入を妨げない一方で、下取付部2の逆スライドすなわち挿入溝5内からフックボルト9が抜け出ようとする動きを抜止ストッパー17がネジ部分9aに当接することにより阻止し得るように形成してある。この抜止ストッパー17は、下取付部2の逆スライドを阻止することで、フックボルト9を挿入溝5内に抜止規制可能に形成してある。
【0014】
図13には本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示しており、構成は前記した図10の態様のものと比べて断面略口形状で且つ折り曲げ辺部に穴部18が開けられて折り曲げ加工し易く形成してある点を除いて基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0015】
図14〜図16には本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示しており、構成は前記した図1の態様のものと基本的に同一であるため、共通している構成の説明は符号を準用して説明を省略し、相違する構成について説明する。
挿入溝5の入口両溝縁は、フックボルト9がガイド穴4側から入り易いようにアール状に形成してある。
上取付部3には抜止ストッパー19を板面から打ち出して形成してある。この抜止ストッパー19は、ガイド穴4上から挿入溝5側に向けて斜め下方へ突出状に折り下げ可能に形成されていると共に、折り下げ時にストッパー先端部19aが固定具1の取り付け状態における挿入溝5内のフックボルト9に螺合しているナット10に当接し得るように形成してあり、下取付部2が既設屋根材8上面を摺動してスライドすることにより挿入溝5内へのフックボルト9の挿入を妨げない一方で、下取付部2の逆スライドすなわち挿入溝5内からフックボルト9が抜け出ようとする動きを抜止ストッパー19が折り下げられてナット10に当接することにより阻止し得るように形成してある。この抜止ストッパー19は、下取付部2の逆スライドを阻止することで、フックボルト9を挿入溝5内に抜止規制可能に形成してある。
【0016】
図17〜図18には本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示しており、構成は前記した図1の態様のものと挿入溝5が略L状で且つ内側の屈曲角部に抜止顎部6aを形成している点を除いて基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0017】
図19には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の1形態として、図1の固定具を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を例示しており、母屋材7に大波スレート製の既設屋根材8を敷設した状態に、既設屋根材8の突条部8a上方に突出するフックボルト9のネジ部分9aに螺合したナット10により座金11およびパッキング等の弾性材12を介在させて固定している。
この既設屋根材8における上方へ突出しているネジ部分9a位置の突条部8aには固定具1の下取付部2をこれのガイド穴4にナット10、座金11、弾性材12が通るように被せて載置すると共に、固定具1を突条部8aに沿いスライドさせて、突条部8a上面と弾性材12下面との間に下取付部2を押し込むことにより、フックボルト9をガイド穴4側から挿入溝5に挿入してある。この挿入状態では、噛合爪部6が既設屋根材8上面に噛合し、下取付部2の逆スライドすなわちフックボルト9が挿入溝5から抜け外れる方向への動きを阻止することで、フックボルト9を挿入溝5内に抜止規制してある。
【0018】
既設屋根材8上には折板製の新設屋根材13を敷設し、既設屋根材8の突条部8a上に係止固定された固定具1における上取付部3上面には、隣り合う左右の新設屋根材13における左右の側縁部13aを上下重合状に載置すると共に、この左右側縁部13aをタッピングネジ等の留め具14で上取付部3に接続固定してある。留め具14の拡大頭部14aと側縁部13aとの間には座金15およびパッキング等の弾性材16を介在させて雨仕舞している。この弾性材16の劣化或いは振動等によっても、固定具1と既設屋根材8すなわち母屋側との固定関係が堅持され、かかる固定具1を経て既設屋根材8上に新設屋根材13が確実に重ね葺きされている。
【0019】
図20には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図4の固定具を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図19の態様のものと基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0020】
図21には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図5の固定具を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図19の態様のものと基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0021】
図22には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図6の固定具を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図19の態様のものと基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0022】
図23には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図10の固定具を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図19の態様のものと基本的に同一であるため、共通している構成の説明は符号を準用して省略し、相違する構成について説明する。
固定具1を突条部8aに沿いスライドさせて、突条部8a上面と弾性材12下面との間に下取付部2を押し込み、フックボルト9がガイド穴4側から挿入溝5に挿入している挿入状態では、抜止ストッパー17はストッパー先端部17aが溝奥のフックボルト9のネジ部9aに溝入口側から当接し、下取付部2の逆スライドすなわちフックボルト9が挿入溝5から抜け外れる方向への動きを阻止することで、フックボルト9を挿入溝5内に抜止規制してある。
既設屋根材8上には折板製の新設屋根材13を敷設し、既設屋根材8の突条部8a上に係止固定された固定具1における上取付部3上面には、新設屋根材13における山部13bを載置すると共に、この山部13bをタッピングネジ等の留め具14で上取付部3に接続固定してある。留め具14の拡大頭部14aと側縁部13aとの間には座金15およびパッキング等の弾性材16を介在させて雨仕舞している。この弾性材16の劣化或いは振動等によっても、固定具1と既設屋根材8すなわち母屋側との固定関係が堅持され、かかる固定具1を経て既設屋根材8上に新設屋根材13が確実に重ね葺きされている。
【0023】
図24には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図14の固定具を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図23の態様のものと基本的に同一であるため、共通している構成の説明は符号を準用して省略し、相違する構成について説明する。
固定具1を突条部8aに沿いスライドさせて、突条部8a上面と弾性材12下面との間に下取付部2を押し込み後、抜止ストッパー19を折り下げてストッパー先端部19aがナット10に当接可能な態勢に整える。このフックボルト9がガイド穴4側から挿入溝5に挿入している挿入状態では、抜止ストッパー19はストッパー先端部19aが溝奥のフックボルト9のナット10に当接し、下取付部2の逆スライドすなわちフックボルト9が挿入溝5から抜け外れる方向への動きを阻止することで、フックボルト9を挿入溝5内に抜止規制してある。
【0024】
また、本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図7の固定具を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした場合の屋根構造は、前記した図22と同図面になるため、同図を準用して説明を省略する。
また、図13の固定具を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした場合の屋根構造は、前記した図23と同図面になるため、同図を準用して説明を省略する。
また、図17の固定具を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした場合の屋根構造は、前記した図19と同図面になるため、同図を準用して説明を省略する。
【0025】
【発明の効果】
A.請求項1により、新設屋根による負荷にも接続・固定関係が失われるようなことがなく、固定具と既設屋根すなわち母屋側との接続・固定関係が得られて、既設屋根上に新設屋根を重ね葺きして施工することができる。
したがって、既設屋根上に新設屋根を重ね葺きするのに有用であり、また、間に断熱材或いは断熱空間層を形成するような上下の二重葺き屋根の施工に有用である。
B.請求項2により、さらに、接続・固定関係に強制的に規制することで、より堅固な接続・固定関係に重ね葺きして施工することができる。
C.請求項3により、新設屋根による負荷にも接続・固定関係が失われるようなことがなく、この接続・固定関係に強制的に規制されていることで、固定具と既設屋根すなわち母屋側との接続・固定関係が堅持され、かかる固定具を経て既設屋根上に新設屋根が確実に重ね葺きされていて堅牢である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重ね葺き用固定具における実施の1形態を例示している斜視図。
【図2】一部切欠して示す平面図。
【図3】図2の(3)−(3)部分拡大縦断面図。
【図4】本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示している斜視図で一部切欠して示す。
【図5】本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示している斜視図。
【図6】本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示している斜視図。
【図7】本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示している斜視図。
【図8】平面図。
【図9】図8の(9)−(9)部分拡大縦断面図。
【図10】本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示している斜視図。
【図11】平面図。
【図12】図11の(12)−(12)部分拡大縦断面図。
【図13】本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示している斜視図。
【図14】本発明の重ね葺き用固定具における実施の他の1形態を例示している斜視図。
【図15】平面図。
【図16】図15の(16)−(16)部分拡大縦断面図。
【図17】本発明の重ね葺き用固定具における実施の1形態を例示している斜視図。
【図18】一部切欠して示す平面図。
【図19】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の1形態として、図1の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す縦断面図。
【図20】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図4の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す縦断面図。
【図21】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図5の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す縦断面図。
【図22】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図6の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す縦断面図。
【図23】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図10の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す縦断面図。
【図24】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図14の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 固定具
2 下取付部
3 上取付部
4 ガイド穴
5 挿入溝
6 噛合爪部(規制手段)
6a 抜止顎部(規制手段)
7 母屋材
8 既設屋根材(既設屋根)
8a 突条部
9 フックボルト
9a ネジ部分9a
10 ナット
11、15 座金
12、16 弾性材
13 新設屋根材(新設屋根)
13a 左右側縁部
13b 山部
14 留め具
14a 拡大頭部
17、19 抜止ストッパー(規制手段)
17a、19a ストッパー先端部
18 穴部
L 調整代

Claims (3)

  1. 既設屋根の上方に突出するボルトのネジ部分に螺合されるナットにより母屋材に固定された既設屋根に対し重ね葺きされる新設屋根を、前記既設屋根上に連結固定する重ね葺き用固定具において、前記既設屋根上に取り付けられる下取付部と、前記新設屋根を取り付ける上取付部とを備えており、前記下取付部には、前記ナットおよび座金の径よりも大径のガイド穴と、該ガイド穴に連通して、前記ボルトのネジ部分の径よりもやや大幅の挿入溝を形成してあることを特徴とする重ね葺き用固定具。
  2. ボルトを挿入溝内に抜止規制可能な規制手段を有していることを特徴とする請求項1記載の重ね葺き用固定具。
  3. 請求項1記載の重ね葺き用固定具を用い、既設屋根上に新設屋根を重ね葺きしてなる改修構造であって、
    前記固定具の下取付部を、母屋材に固定された既設屋根上に載置すると共にボルトがガイド穴から挿入溝に挿入するようにスライドし、規制手段によりボルトが挿入溝内に抜止規制された状態の固定具における上取付部上に新設屋根を構築したことを特徴とする改修構造。
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JP2013091890A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Watahan Koki Kk 屋根補修工法

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