JP2006144131A - クロムフリー金属表面処理用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水酸基含有モノマーを共重合成分として5重量%以上含有する有機樹脂 100重量部に対し、リン酸を2〜60重量部配合し、かつ、Cu、Co、Fe、Mn、Sn、V 、Mg、Ba、Al、Ca、Sr、Nb、Y 及びZnの1種或いは2種以上をリン酸系化合物として0.015 〜1.5 グラム分子部配合するクロムフリーの金属表面処理用組成物。
【選択図】 なし
Description
第二の目的は冷延鋼板あるいはZn又はZn系合金めっき鋼板、Ni、Cu、Pb、Sn、Cd、Al、Ti等の金属板またはこれら金属のめっき鋼板又はこれら金属の合金めっき鋼板の上に上記処理剤によって、加工後の裸耐食性、塗料密着性に優れた皮膜を特定量形成せしめる加工後の裸耐食性、塗料密着性に優れたクロムフリーの表面処理剤を提供するものである。
(1)Znめっき鋼板上に、前記組成物を塗布して形成させた皮膜が、沸騰水に30分間浸漬後も剥離しない。
本発明における特殊有機樹脂、リン酸、特殊元素のリン酸系化合物を成分とする表面処理液あるいはさらに特殊無機物質を含有せしめた表面処理剤は、冷延鋼板あるいはZn又はZn系合金めっき鋼板をはじめ各種金属上に塗布することにより各種金属と極めて優れた密着性を確保し、加工後の裸耐食性に優れ、かつ、各種有機樹脂との密着性にも優れた表面処理皮膜を形成することができる。
この極めて優れた各種金属との密着性は特殊有機樹脂とリン酸及び特殊元素のリン酸系化合物との組合せによって確保される。
また、極めて優れた裸耐食性は特殊有機樹脂と特殊元素のリン酸系化合物との組合せによって初めて実現できる。
また、優れた塗料密着性は特殊有機樹脂とリン酸及び特殊元素のリン酸系化合物との組合せによって確保される。
本発明における水酸基含有有機樹脂とは、水酸基含有モノマーを共重合成分として5重量%以上含有する有機樹脂(以後本有機樹脂と言う)を言う。なお、以後単に%と示す場合は重量%を意味し、部とあるのは重量部を示す。
水酸基含有モノマー成分の例としては、(メタ)アクリル酸- ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3− ヒドロキシブチル、アクリル酸−2,2− ビス(ヒドロキシメチル)エチル、(メタ)アクリル酸−2,3− ジヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3− クロル−2− ヒドロキシプロピル等の(メタ)サクリル酸ヒドロキシエステル類、アリルアルコール類及びN−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチロール(メタ)アクリルアミド等のアルコールアミド類の還元性水酸基を含有するモノマー及び酸性液中で水酸基と同様な反応性を期待できるグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、β- メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有するモノマー、アクロレインアミドのアルデヒド基を有するモノマーが使用出来るが、特に好ましくはアクリル酸−2− ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2− ヒドロキシエチルである。なお、(メタ)アクリル酸〜は、メタアクリル酸〜及び/又はアクリル酸〜を表している。
他の有機樹脂としてはエチレン系不飽和カルボン酸やその他のエチレン系不飽和化合物のいずれか1者或いは2者を同時に使用することが望ましい。
エチレン系不飽和カルボン酸成分としては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等のエチレン系不飽和モノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等のエチレン系不飽和ジカルボン酸と、それらのカルボン酸アルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が使用できる。
これらから選ばれた1種又は2種以上を併用することができる。
さらに上記水酸基含有モノマーを主成分とした本有機樹脂100 重量部と、リン酸を2〜60重量部配合することが好ましい。
本有機樹脂としてはヒドロキシエチルアクリレート(水酸基含有モノマ−)50部- メタアクリル酸メチル20部- アクリル酸15部(水酸基含有モノマー:59%)を共重合した樹脂を100 g/l(固形分)(100 重量部) 添加した。また、リン酸を15g/l(15重量部) 添加し、さらにMnの各種化合物(塩化Mn、硫酸Mn、硝酸Mn、酢酸Mn、リン酸Mn、水酸化Mn、酸化Mn) をそれぞれ種々の割合で添加した。これら水性液よりなる表面処理浴を作成し、電気Znめっき鋼板(Zn 付着量:30g/m2)に全固形分が0.45 g/m2 となるように塗布し、乾燥して形成した場合の皮膜について素材(電気Znめっき鋼板)との密着性、塗料密着性および加工後裸耐食性がどのように変化するかを調べた。
◎: 皮膜剥離面積 0 %
○: 〃 0 %超〜1 %
△: 〃 1 %超〜10 %
×: 〃 10 %超〜50 %
××: 〃 50 %超
◎: 塗膜剥離面積 0 %
○: 〃 0 %超〜1 %
△: 〃 1 %超〜10 %
×: 〃 10 %超〜50 %
××: 〃 50 %超
い、しごき加工を受けた側面部の赤錆の発生状況で評価した。
腐食試験はJIS−Z−2371規格に準拠した塩水噴霧試験により(塩水濃度5 %,槽内温度35℃、噴霧圧力20PSI)1000時間後の発錆状況を示し、◎、○、△、×、××の5段階で評価し、◎が最良である。
◎: 赤錆発生率 0 %
○: 〃 0 % 超〜1 %
△: 〃 1 % 超〜10 %
×: 〃 10 % 超〜50 %
××: 〃 50 % 超
これに対し、リン酸Mnを添加した液から形成された皮膜はZnめっき鋼板と優れた密着性が得られ、特にリン酸Mnが0.015 グラム分子/l(部)以上、1.5 グラム分子/l(部)以下で極めて優れた密着性が得られ、上記試験において皮膜の剥離面積は皆無(◎)である。
リン酸Mnが0.015 グラム分子/l(部)未満及び1.5 グラム分子/l(部)超になると密着性は低下する。
また、形成した皮膜の塗料との密着性は添加した化合物の種類及び添加量によって大きく異なり、塩化Mn、硫酸Mn、硝酸Mn、酢酸Mn、水酸化Mnおよび酸化Mnを添加した液ではいずれも添加量を変えても優れた塗料密着性は得られなかった。
これに対し、リン酸Mnを添加した液から形成された皮膜は優れた塗料密着性を示し、リン酸Mnが0.015 グラム分子/l(部)以上、1.5 グラム分子/l(部)以下で特に優れた塗料密着性を示し、上記試験において塗膜の剥離面積は皆無(◎)である。また、0.015 グラム分子/l(部)未満及び1.5 グラム分子/l(部)超で塗料密着性は低下する。
形成した皮膜の加工後の裸耐食性は添加した化合物の種類及び添加量によって大きく異なり、塩化Mn、硫酸Mn、硝酸Mn、酢酸Mn、水酸化Mnおよび酸化Mnを添加した液ではいずれも添加量を変えても優れた加工後の裸耐食性は得られなかった。
これに対し、リン酸Mnを添加した液から形成された皮膜は優れた加工後の裸耐食性を示し、リン酸Mnが0.015 グラム分子/l(部)以上、1.5 グラム分子/l(部)以下で特に優れた加工後の裸耐食性を示し、上記試験において赤錆発生は皆無(◎)である。0.015 グラム分子/l(部)未満及び1.5 グラム分子/l(部)超で加工後の裸耐食性は低下する。
これら水性液よりなる表面処理浴を、電気Znめっき鋼板(Zn 付着量:30g/m2)に全固形分が0.40 g/m2 となるように塗布し、乾燥して形成した場合の皮膜について素材(電気Znめっき鋼板)との密着性、塗料密着性および加工後裸耐食性がどのように変化するかを調べた。
本有機樹脂における水酸基モノマーの割合は塗料密着性に影響を及ぼし、5%以上になると塗料密着性は著しく向上し、上記試験で塗膜剥離は皆無である(◎)。5%未満では塗料密着性は低下する。また、本有機樹脂における水酸基モノマーの割合は加工部裸耐食性に大きな影響を及ぼし、5%以上で加工部裸耐食性は著しく向上する(◎)、5%未満では加工部裸耐食性は低下する。
これら水性液よりなる表面処理浴を作成し、電気Znめっき鋼板(Zn 付着量:30 g/m2)に全固形分が0.42 g/m2 となるように塗布し、乾燥して形成した場合の皮膜について素材(電気Znめっき鋼板)との密着性、塗料密着性および加工後裸耐食性がどのように変化するかを調べた。
リン酸の濃度は形成された皮膜と電気Znめっき鋼板との密着性に大きな影響を及ぼし本有機樹脂 100重量部に対し2〜60重量部で優れた密着性を示し、上記試験で皮膜の剥離は皆無である(◎)。2重量部未満あるいは60重量部超で皮膜の密着性は低下する。
リン酸の濃度は塗料密着性に影響を及ぼし、60重量部以下で優れた密着性を示し、上記試験で塗膜剥離は皆無である(◎)。60重量部超で塗料密着性は低下する。また、リン酸の濃度は加工部耐食性にあまり影響を及ぼさない。60重量部超で加工部耐食性はやや低下する。
なお、本発明で言うリン酸とは、浴中でリン酸になるものであれば限定はなく、リン酸ほかに例えばポリリン酸、次亜リン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、第一リン酸、第二リン酸、第三リン酸、ポリメタリン酸、重リン酸などのリン酸系化合物を意味する。
一般に、塩化Mn、硫酸Mn、硝酸Mn及び酢酸Mnなどは水溶液で無機酸が共存する場合にMnCl2 →Mn++ 2Cl- 、MnSO4 →Mn++SO4――、Mn(NO3)2→Mn++2NO3 - 、Mn(CH3COO)2 →Mn++2CH3COO- となって良く溶解し、イオン化する。
これら化合物は溶解後、MnCl2 ではMn++にCl- が、MnSO4 ではMn++にSO4――が、Mn(NO3)2ではMn++に NO3 - が、Mn(CH3COO)2 ではMn++に CH3COO- が配位する。配位する強度はPO4 3- < NO3 - <Cl- <SO4 --< CH3COO- (強い)であり、PO4 3- が極めて弱く配位するのに対し、 NO3 - 、Cl- 、SO4 --、 CH3COO- はかなり強く配位する。
ここで、水酸基を含有する有機樹脂が共存すると、Mn++はOH基を酸化し、Mn++→Mnとなって自身は架橋の役割を果たし、緻密な皮膜を形成する。
これに対し、 NO3 - 、Cl- 、SO4――、 CH3COO- 等が配位すると、これらイオンの配位が強固なため、配位したイオンの妨害によりMn++はOH基を酸化することが困難となる。つまり塩化Mn、硫酸Mn、硝酸Mn及び酢酸Mnを添加した場合にはMn++は架橋剤としての機能を有さない。
すなわち、水酸基含有有機樹脂、リン酸Mn及びリン酸を共存させた水性液を塗布し、乾燥して造膜する際に、Mn++に弱く配位するPO4 3- の触媒作用とによって水酸基含有モノマ−のOH基をMn++が酸化し、自身は樹脂分子間の架橋の役割をはたし、造膜後極めて緻密な皮膜を形成するものと思われる。
本発明者等はさらに検討を重ねた結果、Mn以外の元素Cu、Co、Fe、Sn、V 、Mg、Ba、Al、Ca、Sr、Nb、Y 及びZnについても、これら元素のリン酸系化合物、リン酸及び水酸基含有有機樹脂を共存するとMnの場合と同様に、これら元素のイオンの周囲に弱く配位した燐酸根の樹脂を酸化する触媒機能の助けを受けながらこれら元素のイオンは樹脂の水酸基を酸化し、自身架橋剤となって極めて緻密な皮膜を形成することがわかった。また、形成された皮膜は素材と優れた密着性を示すとともに、塗料との密着性に優れ、かつ、極めて優れた加工後の裸耐食性を示す。
この傾向はコロイダルシリカの代わりに、SiO2粉末又はSnO2、Cr2O3 、Fe2O3 、Fe3O4 、MgO 、Al2O3 あるいはZrO2のコロイド(ゾル)或いは粉末を配合してもほぼ同様の果が得られた。また、これらのうち2種以上を配合してもほぼ同様な結果が得られた。
以上の結果、本発明における表面処理組成物の皮膜の付着量は0.1 g/m2以上とし、上限は経済的な観点から3.0g/m2 とする。
実施例1
Znめっき鋼板(目付量:20 g/m2)にアクリル酸1-ヒドロキシブチル35部− メタアクリル酸メチル20部− アクリル酸ブチル30部− スチレン40部− メタアクリル酸20部− アクリル酸5 部− 有機リンモノマー1 部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマー:23%)60 g/l、リン酸15 g/l、リン酸Cu(Cu: 二価) 0.20 グラム分子/lを配合した水性液をロールで塗布し、130 ℃で乾燥し、全付着量が0.30g/m2となるように皮膜を形成た。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20 g/m2、Ni=11.5%)に 2− ビス(ヒドロキシメチル)エチル10部− メタアクリル酸メチル30部− アクリル酸ブチル50部− グリシジルメタアクリレート10部− メタアクリル酸20部− アクリル酸10部− 有機リンモノマー1部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマー:8 %) 80g/l、リン酸 20 g/l 、リン酸Co 0.32 グラム分子/l、コロイダルシリカ6g/lを配合した水性液をロールで塗布し、135 ℃で乾燥し、全付着量が0.40g/m2となるように皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20 g/m2、Ni=12.3%)にメタアクリル酸−2,3− ジヒドロキシプロピル60部− メタアクリル酸メチル25部− アクリル酸ブチル40部− グリシジルメタアクリレート25部− メタアクリル酸30部− アクリル酸10部− 有機リンモノマー1 部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマ−:31%)60g/l、リン酸 15g/l、リン酸第一Fe(Fe:2 価) 1.15 グラム分子/lを配合した水性液を塗布し、75℃で乾燥して全付着量が0.28g/m2となるように皮膜を形成した。
Zn−Fe 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Fe=12.8%)にアクリル酸ヒドロキシエステル 90 部− メタアクリル酸メチル50部− アクリル酸ブチル15部− スチレン20部− グリシジルメタアクリレート25部− メタアクリル酸20部− アクリル酸10部− 有機リンモノマー1部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマ−:39%) 60 g/l 、リン酸12g/l 、リン酸Mn 0.6グラム分子/l、コロイダルシリカ20 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、110 ℃で乾燥して全付着量が0.30 g/m2 となるように皮膜を形成した。
Zn−Mg 系合金めっき鋼板(目付量:30g/m2 、Mg= 1.2%)にN−メチロールアクリルアミド30部− メタアクリル酸メチル20部− アクリル酸ブチル35部− スチレン10部- グリシジルメタアクリレート25部- メタアクリル酸40部- アクリル酸20部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマー:17%)60g/l 、リン酸10g/l 、リン酸Sn(Sn:2 価) 0.2 グラム分子/lを配合した水性液をロールで塗布し,170℃で乾燥して全付着量が0.85 g/m2 となるように皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=12.4%)にアリルグリシジルエーテル80部− メタアクリル酸メチル15部− アクリル酸ブチル35部- グリシジルメタアクリレート10部− メタアクリル酸35部− アクリル酸10部− ヒドロキシエチルアクリレート10部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマー:41%)80 g/l、リン酸15g/l 、リン酸V 1.4 グラム分子/lを配合した水性液をロールで塗布し、90℃で乾燥して全付着量が1.05 g/m2 となるように皮膜を形成した。
Zn−Mg 系合金めっき鋼板(目付量:30g/m2 、Mg= 1.2%)にグリシジルメタアクリレート25部- メタアクリル酸エチル25部- アクリル酸ブチル30部- メタアクリル酸40部− ヒドロキシエチルアクリレート15部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマ−:30%) 180 g/l 、リン酸25g/l 、リン酸Mg 0.38 グラム分子/l、コロイダルシリカ 15 g/l 、MgO 2g/lを配合した水性液をロールで塗布し、130 ℃で乾燥して全付着量が0.55 g/m2 となるように皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(目付量:30g/m2 、Ni=13.9%)にグリシジルメタアクリレート15部− メタアクリル酸エチル60部− アクリル酸ブチル40部− メタアクリル酸50部− アクリル酸35部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー: 8%)60g/l 、リン酸15g/l 、リン酸Ba 0.8グラム分子/l、コロイダルシリカ15g/l 、MgO 1g/lを配合した水性液をロールで塗布し、100 ℃で乾燥して全付着量が0.75 g/m2 となるように皮膜を形成した。
Zn−Cr 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Cr=10.8%)にメタアクリル酸−3− クロル−2− ヒドロキシプロピル35部− メタアクリル酸メチル25部− アクリル酸ブチル30部− グリシジルメタアクリレート25部− アクリル酸50部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:36%)75g/l 、リン酸15g/l 、リン酸Al 0.7グラム分子/l、コロイダルシリカ6g/l、MgO 0.5 g/l 配合した水性液をロールで塗布し、 110℃乾燥して全付着量が0.45 g/m2 となるように皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=12.1%)にN−ブトキシメチロールメタアクリルアミド40部− メタアクリル酸メチル20部− アクリル酸ブチル55部− メタアクリル酸35部− アクリル酸10部− ヒドロキシエチルアクリレート30部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:37%)100 g/l 、リン酸25g/l 、リン酸Ca 0.20 グラム分子/l、コロイダルシリカ25 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、80℃で乾燥して全付着量が0.50 g/m2 となるように皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=12.1%)にアリルグリシジルエーテル45部− メタアクリル酸メチル30部− アクリル酸ブチル40部− メタアクリル酸10部− ヒドロキシエチルアクリレート35部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:50%)80g/l 、リン酸15g/l 、リン酸Sr 0.75 グラム分子/l、コロイダルシリカ20 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、115 ℃で乾燥して全付着量が0.75 g/m2 なるように皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=12.1%)にβ- メチルグリシジルアクリレート50部− スチレン40部− アクリル酸ブチル50部− ヒドロキシエチルアクリレート15部− メタアクリル酸25部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:36%)90 g/l、リン酸25g/l 、リン酸Nb(Nb:3 価) 0.05 グラム分子/l、コロイダルシリカ10 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、 100℃で乾燥して全付着量が0.45 g/m2 となるように皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=12.8%)に3,4−エポキシシクロヘキシルメタアクリレート55部− メタアクリル酸メチル40部− アクリル酸ブチル40部− スチレン40部− メタアクリル酸20部− ヒドロキシエチルアクリレート20部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:35%)75g/l 、リン酸15g/l 、リン酸Y 0.15グラム分子/l、コロイダルシリカ 9 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、85℃で乾燥して全付着量が0.40 g/m2 となるように皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=13.2%)にアクリル酸-2− ヒドロキシエチル40部− アクリル酸ブチル50部− メタアクリル酸35部− ヒドロキシエチルアクリレート35部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:47%)90g/l 、リン酸30g/l 、リン酸Zn 0.37 グラム分子/l、コロイダルシリカ6 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、115 ℃で乾燥して全付着量が0.40 g/m2 となるように皮膜を形成した。
Znめっき鋼板にクロム酸(6価Cr100%クロム酸) 15g/l 、リン酸10g/l 配合の水性液をロールで塗布し、175 ℃で乾燥して付着量がCr換算で45 mg/m2のクロメート皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金鍍金鋼板(目付量:20 g/m2、Ni=12.8%)にクロム酸(6価Cr100%クロム酸)15g/l、リン酸15g/l 、コロイダルシリカ 5g/l の水性液をロールで塗布し、195 ℃で乾燥して付着量がCr換算で57 mg/m2のクロメート皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金鍍金鋼板(付着量:20 g/m2、Ni=12.9%)ニクロム酸(6価Cr100%クロム酸)20g/l、リン酸30g/l 、アクリルエマルジョン(水酸基含有率:0%)80g/l 配合した水性液をロールで塗布し、180 ℃で乾燥して付着量がCr換算で48mg/m2 のクロメート皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(付着量:20 g/m2、Ni=12.3%)にクロム酸(6価Cr100%クロム酸)25g/l、リン酸15g/l 、アクリルアマイド樹脂 60 g/l 配合した水性液をロールで塗布し、130 ℃で乾燥して全付着量が0.55g/m2となるように皮膜を形成した。
Zn−Ni 系合金めっき鋼板(付着量:20 g/m2、Ni=12.9%)にクロム酸(3価Cr/(3 価Cr+6 価Cr) ×100=30(%))25 g/l、リン酸10g/l 、アクリルエマルジョン 60 g/l 、コロイダルシリカ15 g/l配合した水性液をロールで塗布し、175 ℃で乾燥して全付着量が0.65g/m2となるように皮膜を形成した。
また、公知のクロメート皮膜組成のうち無機系クロメートの場合(比較例1、2)、加工後の裸耐食性はSST100時間で赤錆がかなり発生している。樹脂クロメートの場合(比較例3、4)、加工後の裸耐食性はSST600時間で赤錆がかなり発生している。
また、塗膜の密着性も同様で、本発明による表面処理剤を実施した場合、塗料密着性の得にくい低温焼付型(110℃焼付)でも極めて優れた密着性を示す。
これに対し、公知のクロメート皮膜の場合(比較例1、2、3 の場合)は塗料密着性は極めて悪い。また、さらにその上に有機樹脂を被覆した場合でも(比較例4、5)かならずしも充分ではなく、塗膜の剥離が認められる。
Claims (4)
- 水酸基含有有機樹脂、リン酸及びCu、Co、Fe、Mn、Sn、V 、Mg、Ba、Al、Ca、Sr、Nb、Y 及びZnの少なくとも1種の金属を含むリン酸系化合物を含有する組成物であり、該組成物が下記(1)の特性を有する皮膜を形成することができるクロムフリー金属表面処理用組成物。
(1)Znめっき鋼板上に、前記組成物を塗布して形成させた皮膜が、沸騰水に30分間浸漬後も剥離しない。 - 水酸基含有有機樹脂中の水酸基を持つ構成成分の含有量が5重量% 以上である請求項1のクロムフリー金属表面処理用組成物。
- 水酸基含有有機樹脂100 重量部に対し、リン酸が2〜60重量部、リン酸系化合物が0.015 〜1.5 グラム分子を含有する請求項1のクロムフリー金属表面処理用組成物。
- SiO2、Cr2O3 、Fe2O3 、Fe3O4 、MgO 、ZrO2、SnO2、Al2O3 、Sb2O5 のコロイド(ゾル) 或いは粉末の少なくとも1種を含有せしめた請求項1のクロムフリー金属表面処理用組成物。
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