JP2001271175A - 表面処理亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

表面処理亜鉛系めっき鋼板

Info

Publication number
JP2001271175A
JP2001271175A JP2000086545A JP2000086545A JP2001271175A JP 2001271175 A JP2001271175 A JP 2001271175A JP 2000086545 A JP2000086545 A JP 2000086545A JP 2000086545 A JP2000086545 A JP 2000086545A JP 2001271175 A JP2001271175 A JP 2001271175A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
galvanized steel
metal
acid
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000086545A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Unno
茂 海野
Hiroyuki Ogata
浩行 尾形
Chiyoko Tada
千代子 多田
Kazuhiko Higai
和彦 樋貝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP2000086545A priority Critical patent/JP2001271175A/ja
Publication of JP2001271175A publication Critical patent/JP2001271175A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐食性に優れた、無公害性の亜鉛系めっき鋼板
の提供。 【解決手段】亜鉛系めっき鋼板に、Mg、Mn、Alの
化合物(リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、水酸化
物、フッ化物)と、2価以上の金属イオンに配位可能な
有機酸を含有する水性組成物を、塗装し、硬化して皮膜
を形成して課題を達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面処理亜鉛系めっ
き鋼板に関し、より詳しくは、クロムを含有する表面処
理剤を用いることなく得られる、耐食性に特に優れた表
面処理亜鉛系めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミ
めっき鋼板などの亜鉛系めっき鋼板は家電、自動車、建
築の分野で広く使用されている。これらの鋼板は、鋼板
の耐食性向上のために、めっきの上にクロメート被覆処
理を施して、もしくはクロメート被覆処理を施した上に
さらに有機皮膜を施して使用されている。有機皮膜を施
す場合、このクロメート皮膜は有機皮膜との密着性を向
上させるという役割も果たす。
【0003】しかし、クロメート皮膜は耐食性や塗装密
着性に優れているものの、6価クロムを含有するので、
クロメート被覆工程において水質汚染防止法に規定され
る特別な排水処理を行う必要があり、コストアップにな
る欠点を有していた。このため、鋼板、特に亜鉛系めっ
き鋼板の白錆の発生を防止するために、クロムを用いな
い表面処理技術が求められている。これに呼応して多数
の提案がある。
【0004】例えば、特開平5−195244号公報
には、(イ)少なくとも4個のフッ素原子と、Ti、Z
rなどの少なくとも1種の元素とからなる陰イオン成分
(例えば、(TiF6 2- )で示されるフルオロチタン
酸)、(ロ)Co、Mgなどの陽イオン成分、(ハ)P
H調節のための遊離酸、および(ニ)有機樹脂を含有す
るクロムフリー組成物からなる金属の表面処理方法が提
案されている。
【0005】特開平9−241856号公報には、
(イ)水酸基含有共重合体、(ロ)P、および(ハ)C
u、Coなどの金属のリン酸塩を含有するクロムフリー
組成物からなる金属の表面処理方法が提案されている。
【0006】特開平11−50010号公報には、
(イ)ポリヒドロキシエーテルセグメントと不飽和単量
体の共重合体セグメントを有する樹脂、(ロ)リン酸、
および(ハ)Ca、Coなどの金属のリン酸塩を含有す
るクロムフリー組成物からなる金属の表面処理剤が提案
されている。
【0007】特開平11−106945号公報には、
(イ)Mn,Coなどの多価金属イオン、(ロ)フルオ
ロ酸、リン酸、酢酸などの酸、(ハ)シランカップリン
グ剤、および(ニ)重合単位2〜50の水溶性重合体を
水性媒体に溶解した水溶性表面処理剤が提案されてい
る。
【0008】特開平11−29724号公報には、
(イ)チオカルボニル基含有化合物、(ロ)リン酸イオ
ン、および(ハ)水分散性シリカを含有する水性防錆コ
ーティング剤を亜鉛被覆鋼にコーティングする方法が提
案されている。
【0009】前記〜の方法において、金属板に十分
な付着量の表面処理剤(被覆剤、コーティング剤)を被
覆した場合、すなわち、十分な膜厚の皮膜を施した場合
には、まずまずの耐食性が得られるが、例えば、金属板
の凸部などの一部が露出するような皮膜が施されていた
り、膜厚が薄過ぎる場合には、耐食性が極めて不十分で
あった。つまり、金属板上の皮膜に欠陥や傷が入ると、
その部分から腐食が進行してしまうため、耐食性が不十
分であった。
【0010】また、前記の方法におけるチオカルボニ
ル基含有化合物のような硫化物は、Znなどの金属表面
に吸着しやすく、さらにチオール基イオンは、リン酸イ
オンとの相乗作用により、コーティング時に活性な亜鉛
表面のサイトに吸着されて防錆効果を発揮する。この表
面処理方法で得られた亜鉛系めっき鋼板は、表面を−N
CS、−OCS基を有する層により被覆されると高耐食
性を有するが、皮膜の膜厚を薄くするとチオカルボニル
基含有化合物で被覆されていない部分が出現し、発錆の
原因になる。また、金属板上の皮膜に欠陥や傷が入る
と、その部分から腐食が進行してしまうため、耐食性が
不十分であった。
【0011】さらに、前記〜の方法は、いずれも金
属表面と表面処理剤が形成する皮膜と界面で強固に付着
させる発想に基づく技術である。微視的に捕らえれば、
金属表面と表面処理剤とは完全には密着し得ないので、
付着性向上には限界があった。すなわち、皮膜に損傷が
あると、腐食により発錆し、腐食が周囲に進行してしま
う問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたもので、亜鉛系めっき鋼板への表面処理
剤の被覆工程および得られた表面処理亜鉛系めっき鋼板
の使用の際に、特別な排水処理が不要で、従来の表面処
理亜鉛系めっき鋼板が有する欠点を改良し、耐食性に優
れた表面処理皮膜を有する亜鉛系めっき鋼板を提供する
ことを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するため、鋭意検討した結果、亜鉛系めっき鋼板の
表面に、クロメート被覆することなく、金属塩と有機酸
を含有する表面処理剤を塗布することにより、特に耐食
性に優れた皮膜を形成できることを見出し、本発明を完
成するに至ったものである。
【0014】すなわち、本発明は、亜鉛系めっき鋼板の
表面に、下記(a)および(b)を含有する水性組成物
を塗布して形成された皮膜層を有することを特徴とする
表面処理亜鉛系めっき鋼板である。 (a)Mg、MnおよびAlからなる群より選ばれる少
なくとも1種の金属のリン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸
塩、水酸化物およびフッ化物からなる群より選ばれる少
なくとも1種の金属化合物、(b)2価以上の金属イオ
ンに配位可能な有機酸。
【0015】好ましい本発明は、前記(a)の金属化合
物の他に、さらに、(c)Zn、Co、Ti、Sn、N
i、Fe、Zr、Sr、Y、Cu、Ca、VおよびBa
からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属のリン酸
塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物およびフッ化物
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有
することを特徴とする表面処理亜鉛系めっき鋼板であ
る。
【0016】また、好ましい本発明は、前記水性組成物
が、さらに、(d)スチレン−カルボキシル基含有化合
物共重合体を含有することを特徴とする表面処理亜鉛系
めっき鋼板である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面処理亜鉛系め
っき鋼板について、詳細に説明する。本発明の基板の亜
鉛系めっき鋼板は、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−ニ
ッケルめっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミ
溶融めっき鋼板などであり、亜鉛系のめっきが施された
鋼板であれば特に制限されることはない。
【0018】本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板は、亜
鉛系めっき鋼板の表面に、(a)Mg、MnおよびAl
の金属化合物の少なくとも1種と、(b)2価以上の金
属イオンに配位可能な有機酸を含有する水性組成物を塗
布、乾燥して形成された皮膜を有している。(a)金属
化合物は、リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、水酸化
物およびフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1
種である。
【0019】また、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板
は、上記(a)、(b)に加えて、(c)Zn、Co、
Ti、Sn、Ni、Fe、Zr、Sr、Y、Cu、C
a、VおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1
種の金属の化合物がさらに含有されている水性組成物を
塗布、乾燥して形成された皮膜を有している。(c)金
属化合物は、リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、水酸
化物およびフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも
1種である。場合によっては、本発明の表面処理亜鉛系
めっき鋼板は、さらに、上記(a)、(b)、(c)に
加えて、(d)スチレン−カルボキシル基含有化合物を
含有する水性組成物を塗布して形成された皮膜を有して
いる。
【0020】本発明に使用される水性組成物の成分につ
いて、詳細に説明する。 [金属化合物]本発明の水性組成物に含有される金属化
合物は、(a)Mg化合物、Mn化合物、およびAl化
合物であり、これらの金属化合物はリン酸塩、炭酸塩、
硝酸塩、酢酸塩、水酸化物およびフッ化物の6種である
が、好ましいのはリン酸塩、硝酸塩、酢酸塩である。こ
れらの金属化合物は、単独よりは2種以上、特に3種以
上併用されるのが好ましい。一段と好ましいのは、Mg
化合物、Mn化合物、およびAl化合物の3種を併用す
る場合である。併用の場合の各金属化合物の組成比(質
量比)に特に制限はないが、例えば、3種併用の場合に
は、Mg/Mn/Al=1/1/1〜2/1/1であ
る。
【0021】これらの金属化合物の水性組成物中におけ
る含有量は、全固形分に対し1〜50質量%である。1
質量%未満では、耐食性が劣り、50質量%を超える
と、溶接性が劣る場合がある。好ましいのは30〜45
質量%であり、特に好ましいのは35〜40質量%であ
る。
【0022】本発明の水性組成物に、前記3種の金属化
合物の他に金属化合物として、(c)Zn、Co、T
i、Sn、Ni、Fe、Zr、Sr、Y、Cu、Ca、
VおよびBaからなる群から選ばれる少なくとも1種の
金属の化合物を含有させると、耐食性がより一層向上す
る。これら13種の金属の化合物は、リン酸塩、炭酸
塩、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物およびフッ化物の6種で
あるのが好ましい。前記13種の金属の中では、Znが
好ましい。13種の金属の化合物を併用する場合の各金
属化合物の組成比(質量比)は特に制限されない。
【0023】使用に際し、13種の金属化合物の酸基
を、前記の3種の金属化合物の酸基と一致させる必要は
ないが、同種の酸基であるのが好ましい。これら13種
の金属化合物の水性組成物中における含有量は、前記3
種の金属化合物の含有量と合計して、固形分に対し1〜
60質量%である。1質量%未満では、耐食性が劣り、
60質量%を超えると、溶接性が劣る場合がある。好ま
しいのは35〜50質量%である。(a)金属化合物と
(c)金属化合物の組成比(質量比)は特に制限されな
いが、(a)金属化合物が多い方が好ましい場合が多
い。特に好ましい(a)金属化合物と(b)金属化合物
の併用例は、Mg化合物、Mn化合物、Al化合物とZ
n化合物の場合である。
【0024】金属化合物の耐食性に及ぼす作用効果は明
らかではないが、以下のように推察される。塩水噴霧環
境下において、表面処理した皮膜下の亜鉛めっき、特に
皮膜損傷部から、下記(1)および(2)の反応によっ
てZn2+とOH- が溶出し、下記(3)および(4)の
反応によって導電性のZnOを生成する。結果として、
腐食が進行する。この際、皮膜損傷部(腐食部)に水性
組成物に含有される金属イオンMen+が存在すると、下
記(5)の反応によって、MeとZnからなる安定な水
酸化物(腐食生成物)が生成され、腐食の進行が停止す
る。すなわち、耐食作用が発揮される。
【0025】 アノード反応: Zn=Zn2++2e- (1) カソード反応: H2 O+1/2O2 +2e- =2OH- (2) 水酸化物の生成:Zn2++2OH- =Zn(OH)2 (3) Zn(OH)2 =ZnO+H2 O (4) Men++Zn2++mOH- =(Me,Zn)(OH)m (5) (Meは前記(a)金属化合物を構成する金属の少なく
とも1種、およびさらには(c)金属化合物を構成する
金属の少なくとも1種である)
【0026】[有機酸]本発明の水性組成物に含有され
る、2価以上の金属イオンに配位する有機酸は、水性組
成物中で解離した前記(a)金属化合物および(c)金
属化合物の2価〜6価の金属イオンに配位できるもので
あり、(b)オキサル酸、トリカルバリル酸、クエン
酸、イソクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、グルタル酸な
どが例示される。好ましいのはトリカルバリル酸、クエ
ン酸、イソクエン酸、コハク酸である。これらは2種以
上併用してもよい。有機酸は、亜鉛めっき面のエッチン
グを促進させるとともに、水性組成物に含有させた金属
化合物に配位し、水性組成物から形成された皮膜をより
緻密にする。皮膜が緻密化すると、腐食環境下での亜鉛
系めっきの溶出が抑制され、耐食性が向上する。
【0027】有機酸の含有量は特に制限されないが、水
性組成物の全固形分の1〜10質量%であるのが好まし
い。1質量%未満であると、未架橋点が多くなり、皮膜
の緻密化が妨げられ、結局、耐食性が不十分になる虞が
ある。逆に、10質量%を超えると、水性組成物として
の安定性が保持できない。
【0028】[スチレン−カルボキシル基含有化合物共
重合体]本発明の水性組成物に含有されるスチレン−カ
ルボキシル基含有化合物共重合体は、スチレンとカルボ
キシル基含有化合物との共重合体、およびスチレン、カ
ルボキシル基含有化合物とその他の重合性化合物との共
重合体である。前者のスチレン−カルボキシル基含有化
合物共重合体を、単独使用しても、数種併用してもよ
く、後者のスチレン−カルボキシル基含有化合物−その
他の重合性化合物共重合体を、単独使用しても、数種併
用してもよい。また、前者の共重合体と後者の共重合体
を併用してもよい。共重合体はグラフト共重合体であっ
てもよい。
【0029】スチレン−カルボキシル基含有化合物共重
合体は、表面処理剤の塗布により形成される皮膜のアル
カリ環境下での安定性の向上に有効であり、耐食性、塗
膜密着性の改善をもたらす。
【0030】スチレン−カルボキシル基含有化合物共重
合体におけるカルボキシル基含有化合物の含有量が共重
合体の0.5重量%以上であると、耐食性が向上するの
で、好ましい。また共重合体の重量平均分子量は特に限
定されないが、1万〜数十万程度である。
【0031】カルボキシル基含有化合物としては、例え
ば、エチレン性不飽和カルボン酸とその誘導体をあげる
ことができる。エチレン性不飽和カルボン酸は、例え
ば、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸などのモ
ノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸など
のジカルボン酸である。誘導体としてはアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、エステルなどをあ
げることができる。好ましい誘導体はアクリル酸やメタ
アクリル酸のブチルエステル、メチルエステルなどの低
級アルキルエステルである。
【0032】スチレン以外、およびカルボキシル基含有
化合物以外の重合性化合物は、ビニルエステル、水酸基
含有ビニル化合物、スルフォン酸基含有ビニル化合物、
リン酸基含有ビニル化合物、その他のビニル化合物など
である。
【0033】スチレン−カルボキシル基含有化合物共重
合体の水性組成物中における含有量は特に限定されない
が、全固形分の1〜10質量%であるのが好ましい。1
重量%未満であると、皮膜のアルカリ環境下での安定性
の向上が不十分で、耐食性の改善が不十分である。逆
に、10質量%を超えると、水性組成物としての安定性
が保持できない。
【0034】本発明の水性組成物の塗布によって形成さ
れた皮膜の塗料密着性を上げ、さらに皮膜の緻密性を上
げるため、水性組成物に金属酸化物を含有させるのが好
ましい。金属酸化物はSiO2 、MgO、ZrO2 、A
2 3 、SnO2 、Sb23 、Fe2 3 、Fe3
4 などが例示されるが、これらを併用することもでき
る。好ましいのはシリカ(SiO2 )であり、コロイダ
ルシリカ、気相シリカが特に好ましい。金属酸化物の粒
径は特に限定されないが、粒子が小さいほど、表面処理
剤成分との混合が良好になり好ましい。金属酸化物、特
にシリカは、カップリング剤と併用すると、相乗効果が
期待できる。金属酸化物の含有量は、従来の亜鉛めっき
鋼板用表面処理剤に含有されている量と同程度であれ
ば、十分な効果を発揮することができる。
【0035】本発明の水性組成物に、ワックスやその他
の一般的な添加剤を通常使用される量だけ含有させ、前
記の耐食性などの効果、および耐指紋性などの、その他
の効果を発揮させることもできる。
【0036】水性組成物は前記成分を、水系媒体に溶解
ないし分散して使用される。該溶液ないし分散液は固形
分濃度が1〜60質量%、好ましくは5〜50質量%に
調整される。
【0037】本発明の水性組成物を、亜鉛系めっき鋼板
に適用し、該鋼板の上に、皮膜を形成するには、該組成
物の溶液ないし分散液を、亜鉛系めっき鋼板の一方また
は両方の表面に、塗布し、リンガーロールで押圧し、乾
燥して、皮膜を形成・硬化させる方法が一般的である。
水性組成物を亜鉛系めっき鋼板に塗布するには、ロール
コート、スプレー塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、カーテン
フローなどの方法が用いられる。
【0038】皮膜の膜厚は0.1〜5μmであるのが好
ましく、0.5〜2.0μmであるのが特に好ましい。
0.1μm未満であると、耐食性が劣化する。逆に、5
μmを超えると、耐食性は向上するが、コストアップに
なる。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳しく説明
する。 [発明例1〜25、比較例1〜5]第1表に記載した金
属化合物、下記の有機酸、および第1表に記載した成分
を、水性媒体中で、第1表に記載した割合で混合して水
性組成物を調製した。該組成物を、下記の亜鉛系めっき
鋼板A〜Gにロールコート塗布した。その後、鋼板温度
が20秒間で150℃となるように加熱し、乾燥・硬化
させて、膜厚が0.05〜6μmの皮膜を形成させ、試
験片を作製した。
【0040】[亜鉛系めっき鋼板A〜G] 鋼板A: 電気亜鉛めっき鋼板(板厚:1.0mm、Z
n:20g/m2 ) 鋼板B: 電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板(板厚:1.
0mm、Zn−Ni:20g/m2 、Ni:12質量
%) 鋼板C: 溶融亜鉛めっき鋼板(板厚:1.0mm、Z
n:60g/m2 ) 鋼板D: 合金化溶融亜鉛めっき鋼板(板厚:1.0m
m、Zn:60g/m2 、Fe:10質量%) 鋼板E: 亜鉛5%アルミニウム鋼板([ガルファ
ン]、板厚:1.0mm、60g/m2 、Al:5質量
%) 鋼板F: 亜鉛55%アルミニウム鋼板([ガルバリウ
ム]、板厚:1.0mm、60g/m2 、Al:55質
量%) 鋼板G: 陽極電解処理鋼板(板厚:1.0mm、Zn
−Ni:10g/m2 、Ni:12質量%)
【0041】[金属化合物A〜G]パターンの数値は金
属イオンの質量比率である。全体の含有量と、Men+
Me1 n+、Me2 n+の金属種は第1表に記載した。M
e、Me1 、Me2 は、それぞれ(c)金属化合物の金
属を示し、Me1 、Me2 は、別種の金属であることを
示す。n+は金属イオンの価数を示し、2価〜6価であ
る。 パターンA: Mg2+/Mn2+/Al3+/Men+=1/
1/1/1 パターンB: Mg2+/Mn2+/Al3+/Men+=1/
0/1/2 パターンC: Mg2+/Mn2+/Al3+/Men+=2/
1/0/1 パターンD: Mg2+/Mn2+/Al3+/Me1 n+/M
2 n+=1/1/1/1/1 パターンE: Mg2+/Mn2+/Al3+/Me1 n+/M
2 n+=1/0/1/2/1 パターンF: Mg2+/Mn2+/Al3+/Me1 n+/M
2 n+=2/1/1/1/1 パターンG: Mg2+/Mn2+/Al3+/Me1 n+/M
2 n+=0/1/0/1/1 パターンH: Mg2+/Mn2+/Al3+=1/1/1
【0042】[金属化合物A〜Gを構成する酸基]第1
表の金属イオン欄に示した酸基。 酸基P: リン酸 酸基C: 炭酸 酸基N: 硝酸 酸基A: 酢酸 酸基H: 水酸化物 酸基F: フッ化物
【0043】[有機酸A〜D] 有機酸A: トリカルバリル酸 有機酸B: クエン酸 有機酸C: イソクエン酸 有機酸D: コハク酸
【0044】[スチレン−カルボキシル基含有化合物共
重合体A〜D] 共重合体A: スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合
体(固形分40質量%) 共重合体B: スチレン−アクリル酸ブチル共重合体
(固形分40質量%) 共重合体C: スチレン−アクリル酸共重合体(固形分
45質量%) 共重合体D: スチレン−メタアクリル酸メチル共重合
体(固形分40質量%)
【0045】各試験片の特性(耐アルカリ性、平板部耐
食性、塗装後耐食性、アルカリ脱脂後耐食性および上塗
り塗装密着性)を下記の試験方法に従って評価した。 [耐アルカリ性]直径48mmの円板状に打ち抜いた試
験片を、アルカリ脱脂液([CL−N364S]:日本
パーカライジング社製)に60℃で2分間浸漬した。浸
漬前後のCカウントを蛍光X線分析を用いて測定し、固
定率を次式により算出し、下記の評価基準に従って評価
した。結果を第2表に示した。 固定率=(浸漬前のCカウント−浸漬後のCカウント)
/浸漬前のCカウント×100 ○: 80%以上 △: 50%以上 80%未満 ×: 50%未満
【0046】<平板部耐食性>試験片を70mm×15
0mmの大きさに剪断後、端面部をシールし、塩水噴霧
試験(JIS Z−2371)を行い、各試験片表面の
面積の5%に白錆が発生するまでに要する時間を下記の
評価基準に従って評価した。結果を第2表に示した。 ◎: 120時間以上 ○: 96時間以上 120時間未満 △: 72時間以上 96時間未満 ×: 72時間未満
【0047】[塗装後耐食性]試験片を70mm×15
0mmの大きさに剪断後、メラミン−アルキッド系樹脂
([オルガノセレクト 120 ホワイト]:日本ペイ
ント社製)を膜厚20μmでバーコート塗装し、135
℃で15分間焼付け(硬化)後、端面部をシールした。
その後、各試験片上の皮膜を貫通して素地鋼に達する切
り傷をカッターナイフでクロスカット状に入れ、塩水噴
霧試験(JIS Z−2371)を行い、1週間後のク
ロスカット傷からの塗膜の片側膨れ幅を見て、下記の評
価基準に従って評価した。結果を第2表に示した。 ◎: 1mm未満 ○: 1mm以上 5mm未満 △: 5mm以上 10mm未満 ×: 10mm以上
【0048】[アルカリ脱脂後耐食性]試験片を70m
m×150mmの大きさに剪断後、アルカリ脱脂液
([CL−N364S]:日本パーカライジング社製)
に60℃で2分間浸漬した。その後、端面部をシール
し、塩水噴霧試験(JIS Z−2371)を行い、各
試験片表面の面積の5%に白錆が発生するまでに要する
時間を下記の評価基準に従って評価した。結果を第2表
に示した。 ○: 72時間以上 △: 48時間以上 72時間未満 ×: 48時間未満
【0049】[上塗り塗装密着性]JIS K−540
0に準拠して、メラミン−アルキッド系樹脂([オルガ
ノセレクト 120 ホワイト]:日本ペイント社製)
を膜厚20μmでバーコート塗装し、135℃で15分
間焼付け(硬化)後、各試験片上の皮膜を貫通して素地
鋼に達する切り傷をカッターナイフで1mm間隔で碁盤
目状に付け、この碁盤目の上に粘着テープを貼り、剥が
した後の塗膜の付着状態(塗膜剥離面積)を目視観察
し、以下の評価基準に従って評価した。結果を第2表に
示した。 ◎: 0% ○: 0%超 5%以下 △: 5%超 15%以下 ×: 15%超 35%以下 ××: 35%超
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】本発明の表面処理亜鉛めっき鋼板はクロ
ムを含有しない、いわゆる無公害のノンクロメート処理
剤の水性組成物で表面処理してあるので、耐食性と環境
対応性が共に優れており、従来の自動車、家電、建材分
野で使用されているクロメート処理鋼板に代替し得る。
また、クロムを含有しない無公害の表面処理亜鉛系めっ
き鋼板であることから、容器関連、食器関連、屋内用建
材に至るまでの広い用途に使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 千代子 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 樋貝 和彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K026 AA02 AA07 AA09 AA12 AA13 AA22 BA01 BA03 BB06 BB08 CA16 CA18 CA23 CA28 CA32 CA33 CA36 CA38 CA39

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛系めっき鋼板の表面に、下記(a)お
    よび(b)を含有する水性組成物を塗布して形成された
    皮膜層を有することを特徴とする表面処理亜鉛系めっき
    鋼板。 (a)Mg、MnおよびAlからなる群より選ばれる少
    なくとも1種の金属のリン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸
    塩、水酸化物およびフッ化物からなる群より選ばれる少
    なくとも1種の金属化合物、 (b)2価以上の金属イオンに配位可能な有機酸。
  2. 【請求項2】前記(a)の金属化合物の他に、さらに、
    (c)Zn、Co、Ti、Sn、Ni、Fe、Zr、S
    r、Y、Cu、Ca、VおよびBaからなる群から選ば
    れる少なくとも1種の金属のリン酸塩、炭酸塩、硝酸
    塩、酢酸塩、水酸化物およびフッ化物からなる群より選
    ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴と
    する請求項1に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】前記水性組成物が、さらに、(d)スチレ
    ン−カルボキシル基含有化合物共重合体を含有すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面処理
    亜鉛系めっき鋼板。
JP2000086545A 2000-03-27 2000-03-27 表面処理亜鉛系めっき鋼板 Withdrawn JP2001271175A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000086545A JP2001271175A (ja) 2000-03-27 2000-03-27 表面処理亜鉛系めっき鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000086545A JP2001271175A (ja) 2000-03-27 2000-03-27 表面処理亜鉛系めっき鋼板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001271175A true JP2001271175A (ja) 2001-10-02

Family

ID=18602692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000086545A Withdrawn JP2001271175A (ja) 2000-03-27 2000-03-27 表面処理亜鉛系めっき鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001271175A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023353A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Yuken Industry Co Ltd 亜鉛系めっき部材のノンクロム反応型化成処理
JP2007217482A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Tokuyama Corp 重合体被覆無機粒子
WO2010114170A1 (ja) 2009-03-31 2010-10-07 Jfeスチール株式会社 亜鉛系めっき鋼板
WO2011052701A1 (ja) 2009-10-27 2011-05-05 Jfeスチール株式会社 亜鉛系めっき鋼板
WO2012042883A1 (ja) 2010-09-29 2012-04-05 Jfeスチール株式会社 亜鉛系めっき鋼板の製造方法および亜鉛系めっき鋼板
US8304092B2 (en) 2006-12-13 2012-11-06 Jfe Steel Corporation Surface-treated galvanized steel sheet with superior flat-portion corrosion resistance, blackening resistance, and appearance and corrosion resistance after press forming and aqueous surface-treatment liquid for galvanized steel sheet
KR20140060573A (ko) 2011-09-14 2014-05-20 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 아연계 도금 강판용의 표면 처리액과 아연계 도금 강판 및 그 제조 방법
US9127366B2 (en) 2010-09-29 2015-09-08 Jfe Steel Corporation Zinc-based metal coated steel sheet

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023353A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Yuken Industry Co Ltd 亜鉛系めっき部材のノンクロム反応型化成処理
JP2007217482A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Tokuyama Corp 重合体被覆無機粒子
US8304092B2 (en) 2006-12-13 2012-11-06 Jfe Steel Corporation Surface-treated galvanized steel sheet with superior flat-portion corrosion resistance, blackening resistance, and appearance and corrosion resistance after press forming and aqueous surface-treatment liquid for galvanized steel sheet
WO2010114170A1 (ja) 2009-03-31 2010-10-07 Jfeスチール株式会社 亜鉛系めっき鋼板
WO2011052701A1 (ja) 2009-10-27 2011-05-05 Jfeスチール株式会社 亜鉛系めっき鋼板
US9051654B2 (en) 2009-10-27 2015-06-09 Jfe Steel Corporation Galvanized steel sheet
WO2012042883A1 (ja) 2010-09-29 2012-04-05 Jfeスチール株式会社 亜鉛系めっき鋼板の製造方法および亜鉛系めっき鋼板
US9127366B2 (en) 2010-09-29 2015-09-08 Jfe Steel Corporation Zinc-based metal coated steel sheet
US9499914B2 (en) 2010-09-29 2016-11-22 Jfe Steel Corporation Method for manufacturing zinc or zinc alloy coated steel sheet and zinc or zinc alloy coated steel sheet manufactured by the method
KR20140060573A (ko) 2011-09-14 2014-05-20 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 아연계 도금 강판용의 표면 처리액과 아연계 도금 강판 및 그 제조 방법
US9187829B2 (en) 2011-09-14 2015-11-17 Jfe Steel Corporation Surface-treatment solution for zinc or zinc alloy coated steel sheet and method for manufacturing zinc or zinc alloy coated steel sheet

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100567176B1 (ko) 금속표면처리조성물 및 표면처리금속재료
US6447620B1 (en) Water-based surface-treating agent for metallic material
JP5241075B2 (ja) 金属材料表面処理用のノンクロメート水系表面処理剤
TW201529887A (zh) 金屬材料用表面處理劑、表面處理金屬材料之製造方法
JP4510079B2 (ja) 表面処理金属材料
JP4970773B2 (ja) 金属表面処理剤、金属材の表面処理方法及び表面処理金属材
KR100567175B1 (ko) 표면처리 아연계 도금강판
JP2001271175A (ja) 表面処理亜鉛系めっき鋼板
JP4226770B2 (ja) 金属表面処理組成物
JP2001214283A (ja) 表面処理亜鉛系めっき鋼板
JPH05214265A (ja) 自己析出型水性被覆組成物
JP4207536B2 (ja) 表面処理金属板および表面処理剤
JP3963073B2 (ja) 表面処理亜鉛系めっき鋼板
JP2002294467A (ja) 表面処理亜鉛系めっき鋼板
JP2003253457A (ja) 表面処理亜鉛系めっき鋼板
JP4449126B2 (ja) 金属表面処理組成物
JPH09241857A (ja) クロムフリー金属表面処理用組成物
JP3829951B2 (ja) 金属表面処理用組成物及び表面処理金属板
JPH08209038A (ja) 金属表面処理用組成物
JPH09241856A (ja) クロムフリー金属表面処理用組成物
JP4354851B2 (ja) 鋼板用防錆処理液及び防錆処理方法
JP2000254583A (ja) 樹脂組成物および樹脂被覆鋼板
JPH07300683A (ja) 低温焼付性に優れたクロメート処理方法
US20230374665A1 (en) Cr(iii) based dry-in-place coating composition for zinc coated steel
JP2601734B2 (ja) 金属表面処理浴

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605