JP2006143543A - 耐熱絶縁被覆用ガラス - Google Patents

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和嗣 草別
Shinichi Iizuka
慎一 飯塚
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Abstract

【課題】 比較的低い融点を有する、高いガラス転移点等を有し耐熱性に優れる、熱膨張率が銅に近い、そして絶縁性も高い、との特性を全て満たす耐熱絶縁被覆用ガラスを提供する。
【解決手段】 (1)P酸化物及びB酸化物、並びに(2)2種類以上のアルカリ金属酸化物を含有し、ガラス転移点における熱膨張率が8〜23×10−6/℃であることを特徴とする耐熱絶縁被覆用ガラス、特にP酸化物及びB酸化物が、それぞれ、P及びBである耐熱絶縁被覆用ガラス。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高い耐熱性を有し、高温下で使用される導体の絶縁被覆に好適に用いられる無機系絶縁材に関するものである。
近年パワーアップ等の目的で、電気製品の大電流化(導線の電流密度の上昇)が求められる場合が多くなっている。大電流化に伴い、電気製品内や電気製品間を繋ぐ導線等の発熱も大きくなるので、これらを被覆する絶縁材には高い耐熱性が求められる。
耐熱性の高い絶縁材としては、ポリイミド樹脂が知られており、ポリイミド樹脂により絶縁被覆されたポリイミド線は、耐熱寿命250℃を達成する。しかし、現在さらに高い耐熱性が望まれており、この要望を満たすものとして、無機ガラス系絶縁材料が期待されている。
ガラス系絶縁材料は、通常、ポリイミド線の耐熱寿命の温度(約250℃)よりはるかに高いガラス転移点(Tg)や軟化点(Tc)を有し、耐熱性に優れる。又、ガラスは共有結合による緻密な分子構造をとるため、酸素や水等を遮断し、外因による劣化も防ぐことができるとの特徴も有する。さらに、一般的にガラス転移点以上では材料が急激に軟化するが、ガラス系絶縁材料は、ガラス転移点での粘度が樹脂よりも高く、軟化しにくいとの特徴も有する。しかし、前記のようにガラス転移点以上では、ガラスは急激に軟化するとともに、軟化点以上となると、軟化溶融により絶縁皮膜として保持されなくなるので、より優れた耐熱性を得るためには、ガラス転移温度や軟化温度は高い方が好ましい。
一方、導線を形成する金属上への被覆形成を容易にするため、通常のガラスよりは低い融点(700℃程度以下)を有するものが望まれる。又、絶縁材であるので高い絶縁性が求められる。
さらに、ガラス系絶縁材料は脆く、振動や曲げ等の変形により割れや亀裂等の破断が生じやすいとの問題がある。特に、導線を形成する金属との熱膨張率の差が大きいと、温度変化によりガラスに割れや亀裂等の破断が生じるので、導線を形成する金属と熱膨張率の差が小さいことが求められる。
金属表面を被覆するガラスとしては、SiO、NaO、Al等からなる無機系ガラスが特開平1−122936号公報に開示されている。しかし、このガラスは、比較的低い融点を有するものではなく、又導線を形成する金属、特に銅との熱膨張率の差が大きい問題がある。又、比較的低い融点を有するガラスとしては、PbOを多く含む鉛ガラスが挙げられるが、PbOは有毒である。
SiO系ガラスと比べて融点が低いガラスとしては、PやB等からなるガラスも知られている。Pからなるガラスは、さらに変形、摩耗に強いとの特徴も有するが、耐水性が低い問題がある。又Bからなるガラスは、導線を形成する金属、特に銅との熱膨張率の差が大きい問題がある。
アルカリ金属酸化物を含有するガラスは、熱膨張率が大きく、銅との熱膨張率差を小さくすることができる。しかし、アルカリ金属酸化物を含有させるとガラスのイオン導電率が高くなり、ガラスの絶縁性が低下する問題がある。
このように、従来の無機系ガラスによっては、比較的低い融点を有する、高いガラス転移点等を有し耐熱性に優れる、熱膨張率が銅に近い、そして絶縁性も高い等との特性を全て満たすことはできなかった。そこで、これらの特性を全て満たす耐熱絶縁被覆用ガラスが望まれていた。
特開平1−122936号公報
本発明は、比較的低い融点を有する、高いガラス転移点等を有し耐熱性に優れる、熱膨張率が銅に近い、そして絶縁性も高い、との特性を全て満たす耐熱絶縁被覆用ガラスを提供することを課題とする。
本発明者は検討の結果、P(りん)の酸化物及びB(ホウ素)の酸化物と、2種類以上のアルカリ金属酸化物とを含有するガラスが、P系、B系のガラスとしての変形、摩耗に強いとの性質を有する上に、さらに前記の特性を全て満たすことを見出し、本発明を完成した。
本発明は、(1)P酸化物及びB酸化物、並びに(2)2種類以上のアルカリ金属酸化物を含有し、ガラス転移点における熱膨張率が8〜23×10−6/℃であることを特徴とする耐熱絶縁被覆用ガラスを提供する(請求項1)。通常、ガラス中には、P酸化物、B酸化物、アルカリ金属酸化物が、それぞれ独立した分子としては存在しない。本発明のガラスは、P酸化物、B酸化物及び2種類以上のアルカリ金属酸化物が、それぞれ独立した分子として存在していると仮定した場合と同じ組成を有する。「(1)並びに(2)を含有する。」とは、このことを意味する。
本発明の耐熱絶縁被覆用ガラスは、そのガラス転移点における熱膨張率が8〜23×10−6/℃であることを特徴とする。ガラス転移点における熱膨張率をこの範囲内とすることにより、室温からガラス転移点の範囲の温度で、銅に近い熱膨張率を有することになり、温度変化によるガラス(すなわち絶縁被覆)の破断(割れや亀裂等の発生)を防ぐことができる。熱膨張率は、P酸化物とB酸化物の比率や、アルカリ金属酸化物の含有量により変動するので、これらを、後述する範囲内で調整することにより、前記範囲の熱膨張率を得ることができる。
(1)P酸化物及びB酸化物と、(2)2種類以上のアルカリ金属酸化物の比率は、モル比で1:0.1〜1:1.2の範囲が好ましい。(2)の含有量が(1)の1モルに対し0.1モル以下になると、熱膨張率が低化し、8〜23×10−6/℃の範囲とすることが困難になる。一方、1.2モル以上となるとガラス化しにくくなる。請求項2は、この好ましい態様に該当し、前記の耐熱絶縁被覆用ガラスであって、(1)P酸化物及びB酸化物の合計含有量1モルに対する、(2)2種類以上のアルカリ金属酸化物の合計含有量が、0.1〜1.2モルであることを特徴とする耐熱絶縁被覆用ガラスを提供するものである。
(2)の含有量が(1)の1モルに対し0.6モル以上となると、ガラス転移点や軟化点が低下する。又絶縁抵抗も低下する。そこで、より高い耐熱性、絶縁抵抗を得るためには、(1)と(2)の比率は、モル比で1:0.1〜1:0.6の範囲がより好ましい。
(1)P酸化物及びB酸化物としては、それぞれ、P及びBが例示される。P及びBを用いる場合、両者の比率はモル比で、1:0.9〜1:3.5の範囲が好ましい。より好ましくは、1:1〜1:3の範囲である。Pの比率が上記の範囲より大きくなると、ガラスの耐水性が低下する場合があり、吸湿による絶縁性の低下により劣化しやすくなる。一方、Bの比率が上記の範囲より大きくなると、ガラスの熱膨張率が低下し、8〜23×10−6/℃の範囲とすることが困難になる。又ガラスが硬く脆くなる傾向がある。
請求項3は、この好ましい態様に該当し、前記の耐熱絶縁被覆用ガラスであって、(1)P酸化物及びB酸化物が、それぞれ、P及びBであり、P:Bのモル比が、1:0.9〜1:3.5の範囲であることを特徴とする耐熱絶縁被覆用ガラスを提供するものである。
本発明の耐熱絶縁被覆用ガラスは、アルカリ金属を2種類以上含有することを特徴とする。前記のようにアルカリ金属は、イオン伝導性が大きいので、ガラスの絶縁性を低下させる。しかし、本発明者は、2種類以上のアルカリ金属をガラス中に含有させると、ガラスの絶縁性の低下を防ぐことができることを見出したのである。
アルカリ金属酸化物としては、その入手しやすさ等から、LiO、NaO又はKOが好ましい。請求項4は、この好ましい態様に該当し、前記の耐熱絶縁被覆用ガラスであって、(2)2種類以上のアルカリ金属酸化物が、LiO、NaO及びKOから選ばれることを特徴とする耐熱絶縁被覆用ガラスを提供するものである。
LiO、NaO及びKOから選ばれる組合せの中でも、LiO及びKOの組合せが、絶縁性の低下を防ぐ点から、特に好ましい。2種類以上のアルカリ金属酸化物間の比率は、等モルに近い程絶縁性の低下を防ぐ効果が大きい。LiO:KOのモル比としては、1:0.8〜1:1.2の範囲で、絶縁性の低下を充分に防ぐことができる。請求項5は、この好ましい態様に該当し、前記の耐熱絶縁被覆用ガラスであって、(2)2種類以上のアルカリ金属酸化物がLiO及びKOからなり、LiO:KOのモル比が、1:0.8〜1:1.2の範囲であることを特徴とする耐熱絶縁被覆用ガラスを提供するものである。
本発明の耐熱絶縁被覆用ガラスに、さらに、(3)P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物を加えると、ガラスの耐水性を向上させることができるので好ましい。特に、P酸化物のB酸化物に対する比率が大きい場合は、耐水性が低下する傾向があるので、(3)の添加が好ましい。(3)は、いわゆる無機修飾酸化物であり、ガラスを形成するものではないが、ガラスを形成する原子間の隙間に入り、ガラスの物性を変える効果を有するものである。
請求項6は、この好ましい態様に該当し、前記の耐熱絶縁被覆用ガラスであって、さらに(3)P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物を含有することを特徴とする耐熱絶縁被覆用ガラスを提供するものである。ここで含有するとは、前記の(1)及び(2)の場合と同様に、(3)を必ずしも独立した分子として含有するものではないが、(3)を分子として含有したと仮定した場合と同じ組成をガラスが有することを意味する。
P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物としては、Al及びSiOが例示される。請求項7は、この態様に該当し、請求項6の耐熱絶縁被覆用ガラスであって、(3)P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物が、Al及びSiOから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする耐熱絶縁被覆用ガラスを提供するものである。
P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物の量としては、(1)P酸化物及びB酸化物の合計1モルに対して、(3)P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物の合計含有量が、0.0015〜0.15モルとなる範囲が好ましい。(3)の含有量が、(1)の1モルに対して0.0015モル以下となると、耐水性向上の効果が充分に得られない場合がある。一方、0.15モル以上となると、熱膨張率が低下し、8〜23×10−6/℃の範囲とすることが困難になる場合がある。
請求項8は、この好ましい態様に該当し、前記の耐熱絶縁被覆用ガラスであって、(1)P酸化物及びB酸化物の合計含有量1モルに対する、(3)P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物の合計含有量が、0.0015〜0.15モルであることを特徴とする耐熱絶縁被覆用ガラスを提供するものである。
本発明の耐熱絶縁被覆用ガラスは、P、B、アルカリ金属又は酸素を含有する原料化合物を混合して溶融し、その後固化することにより得ることができる。(3)P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物を含有させる場合は、さらに、(3)の酸化物を形成することができる元素(AlやSi等)を含有する原料化合物を、前記原料化合物に混合して溶融する。
原料化合物としては、P、BやAl等を用いることもできるし、Al(PO)や、KPO、LiPO等のアルカリ金属とP等を共に含有した化合物を用いることもできる。これらの原料を、混合物中の各成分の比率が所望の範囲となるように、混合して用いる。
このようにして得られた耐熱絶縁被覆用ガラスを用いて、導線等の金属上に絶縁皮膜を形成する方法は特に限定されない。例えば、前記の原料を溶融し固化して得られたガラスを粉砕し、篩にかけて特定の範囲の粒径を有するガラス粉末を得、この粉末を溶剤に分散し、得られたガラス粉末分散液を導線等の金属上に塗布した後、ガラスの軟化点以上の温度で焼付けをすることにより、絶縁皮膜を形成することができる。この方法は、厚みが一定の絶縁皮膜を容易に形成することができるので、好ましい。ここで、分散溶剤としては、150℃以上の高沸点を有するものが好ましく、ポリエチレングリコールやα−テルピネオールが例示される。さらに、粘度を下げるため、好ましくは1−メチル−2−ピロリドン等が該溶剤に添加される。1−メチル−2−ピロリドンを加えたα−テルピネオールを用いる場合、ガラス粉末の濃度は、30〜70重量%が好ましい。又、1−メチル−2−ピロリドンの量は、α−テルピネオールに対して1〜15重量%が好ましい。1−メチル−2−ピロリドンの添加量が1重量%未満の場合は塗料の粘度が上昇して扱いにくくなる場合があり、多すぎると粘度が低くなりすぎる。
本発明の耐熱絶縁被覆用ガラスは、通常のガラスと比べて低い融点を有し導線上への絶縁皮膜の形成を容易に行うことができるとともに、ポリイミド線の耐熱温度よりはるかに高いガラス転移点や軟化点を有し耐熱性に優れる。さらに変形、摩耗に強いとともに、熱膨張率が銅に近いので、使用環境の温度変化による破断を防ぐことができる。又、従来のアルカリ金属を有するガラスに比べてはるかに高い絶縁性を有する。そして、大電流が流されて発熱が大きい導線等、高い温度で使用される導体の絶縁に好適に用いられる。
次に発明を実施するための最良の形態を実施例により説明する。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例
[ガラスの製造]
原料として、B(添川理化学株式会社製、純度99.9%)、LiPO(白辰化学研究所製、純度3N)、KPO(白辰化学研究所製、純度3N)、及びAl(片山化学工業株式会社製、純度98%以上)を用いた。表1に示す各実施例の組成、及び目的の重量のガラスが得られるように、実施例毎に各原料の配合量を計算し、秤量した。例えば、実施例1のガラスを50g作製するときの配合は次のとおりである。
:12.728g LiPO:15.702g
PO:21.567g
秤量後、各原料を十分に混合し、ガラスバッチを作製した。次に、得られたガラスバッチを、高純度アルミナルツボを用いて、電気炉(1100〜1300℃、大気中)で0.5〜1時間溶融した。その後、炉から取り出し、ステンレス鋳型またはグラファイト板にキャストしてガラスを得た。
[絶縁塗料の作成]
このようにして得られたガラスを粉砕した後、50μmメッシュと40μmメッシュの篩を用いて特定の粒径のガラス粉末を得た。得られたガラス粉末50重量部に、分散溶剤のα−テルピネオール50重量部を加えて、ガラス粉末の分散液(絶縁塗料)を作成した。
[絶縁被覆銅線の形成]
このようにして得られた絶縁塗料に、φ1mmの丸銅線を浸漬した後引上げることにより、銅線上に該絶縁塗料をコートした。次にこの銅線を、200℃の電気炉中で10分間保持し、有機溶剤を除去した。その後、電気炉の温度を570℃に加熱し、さらに10分間保持して焼付けを行い、ガラス皮膜を得た。この工程を、膜厚50〜150μmが得られるまで繰り返し、ガラス皮膜により被覆された絶縁被覆銅線を得た。
[ガラスの物性評価方法]
実施例毎に、前記のようにして得られたガラス、ガラス粉末、絶縁被覆銅線について、以下に示す方法で物性評価を行った。
[TG−DTA測定]
前記のようにして得られたガラス粉末の30〜40mgを、RigakuのTG−DTA−8120にセットした。昇温速度10℃/分で室温から800℃まで昇温し、示差熱分析(DTA)曲線を得、このDTA曲線からガラス転移点を得た。結果を表1、2に示す。なお、結晶化開始温度も測定したが、いずれの実施例でも結晶化は開始しなかった。
[TMA測定]
前記のようにして得られたガラスを標準試料に合わせたサイズ(例として4×4×12mm)に加工し、RigakuのTMA−8310(加重:10Kg)にセットした。昇温速度10℃/分で、室温からガラスの伸びがマイナスになるまで昇温し、熱膨張(TMA)曲線を得た。このTMA曲線からガラス軟化温度(Tc)と熱膨張率αを得た。結果を表1、2に示す。
[絶縁抵抗(抵抗率)評価]
前記のようにして得られた絶縁被覆銅線の外周の、10cmの長さにスズ箔を巻きつけ、10Vの電圧を印加して、スズ箔と導体間の体積固有抵抗を測定し、絶縁抵抗を評価した。結果を表1、2に示す。
[耐水性評価]
試料を、密閉容器中で、100℃の熱水に96時間浸漬させた後、表面の結晶化状態を観察した。結果を表1、2に、以下の基準で示す。
○: 外観変化なし。
△: 一部に結晶化が見られる。
×: 表面は結晶化している。
Figure 2006143543
Figure 2006143543
表1、2の結果から明らかなように、本発明の組成を有する実施例のガラスは、ポリイミド線の耐熱寿命の温度である250℃をはるかに越える温度のガラス転移点を有し優れた耐熱性を示す一方、通常のガラスよりも低い融点を有する。又、実施例のガラスの熱膨張率は本発明の範囲内であり、銅に近いので、環境温度の変化によるガラスの破断は起こりにくい。又、表1、2の結果に示されるように絶縁性(絶縁抵抗)も優れている。
なお、(2)/(1)が0.6以上である、実施例5、6では、ガラス転移点や軟化点、又絶縁抵抗が比較的低い。従って、より高い耐熱性、絶縁抵抗を得るためには(2)/(1)は0.6未満が好ましいことが示されている。

Claims (8)

  1. (1)P酸化物及びB酸化物、並びに(2)2種類以上のアルカリ金属酸化物を含有し、ガラス転移点における熱膨張率が8〜23×10−6/℃であることを特徴とする耐熱絶縁被覆用ガラス。
  2. (1)P酸化物及びB酸化物の合計含有量1モルに対する、(2)2種類以上のアルカリ金属酸化物の合計含有量が、0.1〜1.2モルであることを特徴とする請求項1に記載の耐熱絶縁被覆用ガラス。
  3. (1)P酸化物及びB酸化物が、それぞれ、P及びBであり、P:Bのモル比が、1:0.9〜1:3.5の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐熱絶縁被覆用ガラス。
  4. (2)2種類以上のアルカリ金属酸化物が、LiO、NaO及びKOから選ばれることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の耐熱絶縁被覆用ガラス。
  5. (2)2種類以上のアルカリ金属酸化物がLiO及びKOからなり、LiO:KOのモル比が、1:0.8〜1:1.2の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の耐熱絶縁被覆用ガラス。
  6. さらに(3)P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の耐熱絶縁被覆用ガラス。
  7. (3)P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物が、Al及びSiOから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の耐熱絶縁被覆用ガラス。
  8. (1)P酸化物及びB酸化物の合計含有量1モルに対する、(3)P酸化物及びB酸化物より融点の高い酸化物の合計含有量が、0.0015〜0.15モルであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の耐熱絶縁被覆用ガラス。
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