JP2006143517A - 炭素含有不焼成耐火物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、金属アルミニウムを含有してなる炭素含有不焼成耐火物において、消化の原因となる炭化アルミニウム、窒化アルミニウムの生成を防止し、且つ優れた耐酸化性を付与できる炭素含有不焼成耐火物及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】即ち、本発明の炭素含有不焼成耐火物は、耐火性原料、炭素質原料、金属アルミニウム及びバインダーを必須の構成成分とする炭素含有不焼成耐火物において、炭素質原料の表面が酸化物コロイドにより被覆された非晶質金属酸化物薄膜を有し、且つバインダーの少なくとも一部が有機バインダーであることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】即ち、本発明の炭素含有不焼成耐火物は、耐火性原料、炭素質原料、金属アルミニウム及びバインダーを必須の構成成分とする炭素含有不焼成耐火物において、炭素質原料の表面が酸化物コロイドにより被覆された非晶質金属酸化物薄膜を有し、且つバインダーの少なくとも一部が有機バインダーであることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、炭素含有不焼成耐火物及びその製造方法に関し、特に、耐消化性及び耐酸化性に優れる炭素含有不焼成耐火物及びその製造方法に関する。
Al2O3−C質耐火物、MgO−C質耐火物、Al2O3−MgO−C質耐火物のような炭素含有耐火物は、耐食性及び耐スポーリング性に優れることから、溶鋼処理用容器の内張り材等の用途に広く使用されている。炭素含有耐火物は、炭素が酸化され易いため、強度付与や耐酸化性の向上を目的として、金属アルミニウム等が一般的に添加されている。炭素含有耐火物に添加されている金属アルミニウムは、耐火物の使用中に炭化物、窒化物を生成し、これら生成物は使用末期まで耐火物中に残存する。炭化物や窒化物は、水和反応を起こし易く、一旦水和すると耐火物中に亀裂が発生し、耐火物組織が崩壊する。
これらの問題を解決するために、例えば特許文献1には、実質的に1重量%(質量%)以上のカーボンを含有する耐火れんが素材にアルミニウム粉末、マグネシウム粉末の夫々単独またはその混合粉末を1〜10重量%(質量%)含有させたことを特徴とするカーボン含有耐火れんが(第1項);実質的に1重量%(質量%)以上のカーボンを含有する耐火れんが素材にアルミニウム粉末、マグネシウム粉末の夫々単独または混合粉末1〜10重量%(質量%)、さらにシリコン粉末0.5〜6重量%(質量%)含有させたことを特徴とするカーボン含有耐火れんが(第2項)が開示されている。即ち、アルミニウム粉末またはマグネシウム粉末とシリコン粉末を併用することが開示されている。
また、特許文献2には、3〜50重量%(質量%)の黒鉛と97〜50重量%(質量%)のマグネシアを含有する耐火物原料に、水面被覆面積が10000cm2/g以下の鱗片状の金属アルミニウム片を前記耐火物原料に対して1〜10重量%(質量%)配合してなることを特徴とするMgO−C質耐火物が開示されている。
更に、非特許文献1には、MgO−Cれんが中での、炭化物、窒化物の生成による消化、崩壊を防止するために、MgO−Cれんがにアルカリ成分を添加することが開示されている。
また、特許文献3には、耐火性原料及び炭素質原料を含む原料配合物において、該原料配合物が、無機バインダーを含有し、且つ被熱過程において臭気及び/又は煙を発生しないことを特徴とする炭素含有不焼成れんが(請求項1)が開示されている。
更に、特許文献4には、予めSiO2系、Al2O3系、TiO2系及びZrO2系から選択された1種または2種以上のコロイド溶液を用いてコーチングを施した炭素質物質3〜50重量部(質量部)及び耐火材料50〜97重量部(質量部)よりなることを特徴とする炭素含有耐火物が開示されている。
上述の特許文献1のように、カーボン含有耐火れんがに金属アルミニウムと金属シリコンを併用すると、炭化アルミニウム、窒化アルミニウムの生成を抑制することができ、消化をある程度抑制することが認められている。しかしながら、特許文献1のカーボン含有耐火れんがでは、消化性物質の生成及び残存を完全に抑制することは不可能であり、例えば間欠操業などの場合、消化が進行して損傷が増大することがあり、消化の問題を実用的なレベルで解決するには至っていない。
また、特許文献2に記載されているMgO−C質耐火物では、鱗片状の金属アルミニウム片を添加することで、炭化アルミニウムや窒化アルミニウムの生成をある程度抑制できても、消化して耐火物を崩壊するのに充分な炭化アルミニウムや窒化アルミニウムが生成するため、消化の問題を実用的なレベルで解決するには至っていない。
また、非特許文献1に記載されるようなMgO−Cれんがへのアルカリ成分の添加は、炭化アルミニウムや窒化アルミニウムの生成を防止し、耐消化性を向上させることができる。しかしながら、高温でのアルカリ成分の揮発により、れんがの気孔率が増大するため、耐食性が低下する等の問題点がある。
更に、特許文献3に記載されている炭素含有不焼成れんがでは、無機バインダーを使用することにより、炭化アルミニウムや窒化アルミニウムの生成が若干抑制されるものの、金属アルミニウムと炭素との接触により炭化アルミニウムが生成するために、消化性物質の生成を完全に防止することはできない。
また、特許文献4に記載されている炭素含有耐火物では、コロイド溶液を炭素質物質表面にコーティングすることによって、耐酸化性は改善されるものの、金属アルミニウムを併用した材質と比較して、耐酸化性が充分ではなく、また、耐消化性の改善については何ら記載されていない。
従って、本発明の目的は、金属アルミニウムを含有してなる炭素含有不焼成耐火物において、消化の原因となる炭化アルミニウム、窒化アルミニウムの生成を防止し、且つ優れた耐酸化性を付与できる炭素含有不焼成耐火物及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、耐消化性及び耐酸化性に優れる炭素含有不焼成耐火物を開発すべく鋭意検討を行なった結果、添加する炭素質原料の表面に予め酸化物コロイド溶液を用いて被覆し、且つ有機バインダーを使用することが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の炭素含有不焼成耐火物は、耐火性原料、炭素質原料、金属アルミニウム及びバインダーを必須の構成成分とする炭素含有不焼成耐火物において、炭素質原料の表面が酸化物コロイドにより被覆された非晶質金属酸化物薄膜を有し、且つバインダーの少なくとも一部が有機バインダーであることを特徴とする。
また、本発明の炭素含有不焼成耐火物は、酸化物コロイドは、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア及びジルコニアからなる群から選択される1種または2種以上の酸化物を水または有機溶剤に懸濁させたものであることを特徴とする。
更に、本発明の炭素含有不焼成耐火物は、シリコン、マグネシウム、チタン、クロム及びジルコニウムからなる群から選択された1種または2種以上の金属あるいはこれらの合金を含有してなることを特徴とする。
また、本発明の炭素含有不焼成耐火物は、炭素含有不焼成耐火物の1000℃で3時間焼成後の酸化速度が2mm/時間未満であることを特徴とする。
更に、上記炭素含有不焼成耐火物は、耐火性原料、炭素質原料、金属アルミニウム及びバインダーを混練して得られた坏土を加圧成形することを特徴として製造することができる。
また、本発明の炭素含有不焼成耐火物の製造方法は、加圧成形を大気圧未満の減圧下で行なうことを特徴とする。
本発明によれば、炭素質原料の表面を予め酸化物コロイドで被覆して非晶質金属酸化物薄膜を形成し、かつバインダーの少なくとも1部として有機バインダーを使用することで、耐火物内での炭化アルミニウム、窒化アルミニウムの生成を防止することができ、耐酸化性に優れた炭素含有不焼成耐火物を提供することができる。
本発明の炭素含有不焼成耐火物に使用する炭素質原料は、その表面に酸化物コロイドを被覆することにより形成された非晶質金属酸化物薄膜が形成されており、酸化性ガス雰囲気下においても炭素質原料が該薄膜により保護され、酸化性ガスの影響を受け難く、耐酸化性に優れるものである。また、炭素含有不焼成耐火物中で、炭素質原料の表面は薄膜により保護されているために、同時に添加される金属アルミニウムは、炭素質原料と直接接触することがなく、温度が上昇しても炭化アルミニウムを生成することがない。
ここで、本発明の炭素含有不焼成耐火物に使用される炭素質原料は、特に限定されるものではなく、例えば鱗状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛や、コークス等の人造黒鉛、電極屑、炭素繊維、熱分解炭素等を例示することができる。また、酸化物コロイドとしては、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニアの1種または2種以上の混合物を水または有機溶剤に懸濁させたものを使用することができる。なお、酸化物コロイドとしては、好ましくはアルミナまたはシリカを主成分とするものが好ましい。これは、アルミナまたはシリカは高温域まで耐酸化性の薄膜が維持され、また、価格が比較的安価であり、適用が容易であるためである。また、有機溶剤としては例えばエチレングリコール、エチルエーテル、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール等を使用することができる。なお、被覆に用いられる酸化物コロイドは、固形分濃度5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%のものを使用することが望ましい。
炭素質原料への酸化物コロイドの被覆は、ミキサーによる撹拌混合やスプレーによって容易に行なうことができる。なお、酸化物コロイドの被覆量は、特に限定されるものではないが、固形分として炭素質原料100質量部に対して0.1〜20重量%、好ましくは1〜10質量%の範囲内である。被覆量が0.1質量%未満であると、炭素質原料表面に充分に薄膜を形成することができず、本発明が目的とする炭化アルミニウム、窒化アルミニウムの生成防止効果が充分に得られないために好ましくなく、また、被覆量が20質量%を超えると、耐食性が低下するために好ましくない。
酸化物コロイドの被覆による非晶質金属酸化物薄膜を有する炭素質原料の炭素含有不焼成耐火物への配合割合は、特に限定されるものではなく、例えば0.5〜50質量%、好ましくは3〜25質量%の範囲内である。ここで、前記配合量が0.5質量%未満であると、スラグ浸潤が発生し、また、耐火物の弾性率が高くなり、耐スポーリング性が著しく悪化するために好ましくなく、また、前記配合量が50質量%を超えると、耐酸化性が悪化するために好ましくない。
また、本発明の炭素含有不焼成耐火物に使用する耐火性原料としては、例えばマグネシア、アルミナ、スピネル、カルシア、シリカ、クロミア、ジルコニア、チタニアなどの酸化物や複合酸化物、またはそれらの共存原料あるいは電融原料、炭化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、窒化硼素、炭化硼素、硼化ジルコニウム等の炭素含有不焼成耐火物に一般に使用される耐火性原料を任意に使用することができる。なお、耐火性原料の炭素含有不焼成耐火物への配合割合は、特に限定されるものではなく、例えば50〜99.5質量%、好ましくは75〜97質量%の範囲内である。
更に、本発明の炭素含有不焼成耐火物には、金属アルミニウムを配合する。金属アルミニウムの配合量は、特に限定されるものではなく、例えば上述の炭素質原料と耐火性原料の合計量100質量部に対して外掛で0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%の範囲内である。金属アルミニウムの配合量が炭素質原料と耐火性原料の合計量100質量部に対して外掛で0.1質量%未満であると、金属アルミニウムによる酸化防止効果や強度付与効果を充分に発揮させることができないために好ましくなく、また、該配合量が10質量%を超えると、耐火物の弾性率が上昇して耐スポーリング性が低下するために好ましくない。
また、本発明の炭素含有不焼成耐火物には、金属アルミニウムに加えて、炭素質原料の酸化防止等の目的で、シリコン、マグネシウム、チタン、クロム、ジルコニウムなどの金属あるいはこれらの合金や混合物を適宜配合することができる。これら金属の配合量は、上述の炭素質原料と耐火性原料の合計量100質量部に対して外掛で0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%の範囲内である。上記金属の配合量が上記範囲外であると、その酸化防止や強度向上効果を充分に発揮させることができなかったり、高温下での弾性率が過剰になることがあるために好ましくない。
本発明の炭素含有不焼成耐火物は、上述のような配合割合を有する配合物にバインダーを添加、混練して所定の形状に成形することにより得ることができる。ここで、バインダーの少なくとも1部として、有機バインダーを使用する。本発明に使用できる有機バインダーは、混練時に配合物への分散性に優れ、成形時に粘結性に優れたものであれば、充分に緻密な耐火物を得ることができ、例えばフェノール樹脂、フラン樹脂、タール、ピッチ、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アラビアゴム等を使用することができる。配合物の混練時に添加される有機バインダーは、乾燥工程で揮発分を除去するが、実機使用時においては、温度上昇に伴い熱分解反応を起こして分解ガスを放出する。この分解ガスは、有機バインダーが芳香族化合物の場合には、ベンゼン、フェノール、クレゾール、メタン、水素等が主体となる。この分解ガスが有機バインダーの熱分解時に耐火物中に放出、充満されることで、耐火物中の気孔内に存在していた大気は耐火物外に除去される。その結果、耐火物の気孔内の窒素ガス分圧は非常に低くなり、金属アルミニウムと窒素ガスとの反応が起こり難くなり、窒化反応は抑制される。
有機バインダーの配合量は、特に限定されるものではなく、例えば上述の炭素質原料と耐火性原料の合計量100質量部に対して外掛で1〜10質量%、好ましくは2〜4質量%の範囲内である。有機バインダーの配合量が炭素質原料と耐火性原料の合計量100質量部に対して外掛で1質量%未満であると、バインダーが坏土に充分になじまないために好ましくなく、また、該配合量が10質量%を超えると、成形時に亀裂が発生し易くなるために好ましくない。
また、本発明では、珪酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機バインダーを併用することも可能である。これらの無機バインダーを併用することにより、高温に晒された際に、耐火物の焼結を促進し、緻密な組織が形成されるため、耐酸化性を向上することができる。なお、無機バインダーの添加量は、特に限定されるものではないが、例えば上述の炭素質原料と耐火性原料の合計量100質量部に対して外掛で0.5〜5質量%の範囲内である。無機バインダーの添加量が上記範囲外であると、その酸化防止効果を充分に発揮できなかったり、高温下での弾性率が過剰になることがあるために好ましくない。
上記配合物へバインダーを配合して混練する際に、ウェットパンミキサー、ハイスピードミキサー、アイリッヒミキサー等の混練機を使用することができる。混練後の練り土はバインダーと耐火性原料のなじみを促進させるために保管することも可能である。その後、坏土は充分に緻密な耐火物組織を得るために加圧成形される。加圧成形機には、緻密な組織を得る観点からフリクション式プレス、油圧式プレス、ラバープレスなどを用いることが望ましい。なお、加圧成形時の雰囲気ガスは特に限定されるものではなく、大気圧下での加圧成形も可能であるが、緻密な組織を得るためには、雰囲気ガスを大気圧未満に減圧した状態で坏土を加圧成形することが望ましい。なお、加圧成形後、得られた成形体を乾燥処理することが望ましい。
上述のようにして得られた本発明の炭素含有不焼成耐火物は、1000℃で3時間焼成後の耐火物の酸化速度が2mm/時間未満であることが必要である。ここで、1000℃で3時間焼成後の耐火物の酸化速度が2mm/時間以上であると、実機使用において、酸化損傷が著しく増大することがあり望ましくない。
以下の表1に記載する配合割合の坏土をフリクションプレスを用いて50torrの減圧下で200mm×150mm×100mmの形状に加圧形成した後、250℃で10時間乾燥することにより本発明品及び比較品の炭素含有不焼成耐火物を得た。
得られた炭素含有不焼成耐火物の物性を表1に併記する。
得られた炭素含有不焼成耐火物の物性を表1に併記する。
表1中、鱗状黒鉛Aは、未処理品である。
鱗状黒鉛Bは、所定量の鱗状黒鉛及びアルコール性シリカゾル(SiO2含量30質量%)を万能ミキサーに投入し、10分間混練し、鱗状黒鉛表面にアルコール性シリカゾルを均一に被覆し、30℃で24時間放置することにより得られた非晶質シリカ薄膜を有するものであり、シリカ含量5質量%のものである。
鱗状黒鉛Cは、所定量の鱗状黒鉛及び水系シリカゾル(SiO2含量20質量%)を万能ミキサーに投入し、10分間混練し、鱗状黒鉛表面に水系シリカゾルを均一に被覆し、30℃で24時間放置することにより得られた非晶質シリカ薄膜を有するものであり、シリカ含量10質量%のものである。
鱗状黒鉛Dは、所定量の鱗状黒鉛及び水系アルミナゾル(Al2O3含量20質量%)を万能ミキサーに投入し、10分間混練し、鱗状黒鉛表面に水系アルミナゾルを均一に被覆し、30℃で24時間放置することにより得られた非晶質アルミナ薄膜を有するものであり、アルミナ含量7質量%のものである。
鱗状黒鉛Eは、所定量の鱗状黒鉛及びTiO2系アルコキシドゾル(TiO2含量10質量%)を万能ミキサーに投入し、10分間混練し、鱗状黒鉛表面にTiO2系アルコキシドゾルを均一に被覆し、30℃で24時間放置することにより得られた非晶質チタニア薄膜を有するものであり、チタニア含量5質量%のものである。
鱗状黒鉛Bは、所定量の鱗状黒鉛及びアルコール性シリカゾル(SiO2含量30質量%)を万能ミキサーに投入し、10分間混練し、鱗状黒鉛表面にアルコール性シリカゾルを均一に被覆し、30℃で24時間放置することにより得られた非晶質シリカ薄膜を有するものであり、シリカ含量5質量%のものである。
鱗状黒鉛Cは、所定量の鱗状黒鉛及び水系シリカゾル(SiO2含量20質量%)を万能ミキサーに投入し、10分間混練し、鱗状黒鉛表面に水系シリカゾルを均一に被覆し、30℃で24時間放置することにより得られた非晶質シリカ薄膜を有するものであり、シリカ含量10質量%のものである。
鱗状黒鉛Dは、所定量の鱗状黒鉛及び水系アルミナゾル(Al2O3含量20質量%)を万能ミキサーに投入し、10分間混練し、鱗状黒鉛表面に水系アルミナゾルを均一に被覆し、30℃で24時間放置することにより得られた非晶質アルミナ薄膜を有するものであり、アルミナ含量7質量%のものである。
鱗状黒鉛Eは、所定量の鱗状黒鉛及びTiO2系アルコキシドゾル(TiO2含量10質量%)を万能ミキサーに投入し、10分間混練し、鱗状黒鉛表面にTiO2系アルコキシドゾルを均一に被覆し、30℃で24時間放置することにより得られた非晶質チタニア薄膜を有するものであり、チタニア含量5質量%のものである。
耐消化性試験は、本発明品及び比較品の供試体をコークスブリーズ中で1300℃/3時間還元焼成した後、0.2MPaでオートクレーブ試験を行なった後の亀裂発生状況で評価したものである。数値が大きい程、亀裂が大きいことを示し、−印は亀裂無しを示す。
1300℃焼成後の炭化アルミニウム及び窒化アルミニウムは、上記還元焼成後の供試体を粉砕し、粉末X線回折により炭化アルミニウム、窒化アルミニウムの生成を評価したものである。数値は粉末X線回折のピーク強度を示し、数値が大きい程、生成量が多く、−印は生成無しを示す。
耐食性試験は、酸素プロパン回転ドラムを使用して5時間実施し、1時間毎に侵食剤を交換する方法で行なった。なお、侵食剤には転炉スラグ(塩基度=3.5)を用い、1700℃で実施した。耐食性の評価は、耐食性試験後の供試体の切断面から侵食量を指数として示した。なお、数値が小さい程、耐食性が良好であることを示す。
耐酸化性試験は、供試体を炉床回転型電気炉を用いて、1000℃/3時間大気雰囲気で加熱することにより行なった。耐酸化性の評価は、試験後の供試体の切断面から酸化層厚みを測定し、酸化速度を算出することにより行なった。
1300℃焼成後の炭化アルミニウム及び窒化アルミニウムは、上記還元焼成後の供試体を粉砕し、粉末X線回折により炭化アルミニウム、窒化アルミニウムの生成を評価したものである。数値は粉末X線回折のピーク強度を示し、数値が大きい程、生成量が多く、−印は生成無しを示す。
耐食性試験は、酸素プロパン回転ドラムを使用して5時間実施し、1時間毎に侵食剤を交換する方法で行なった。なお、侵食剤には転炉スラグ(塩基度=3.5)を用い、1700℃で実施した。耐食性の評価は、耐食性試験後の供試体の切断面から侵食量を指数として示した。なお、数値が小さい程、耐食性が良好であることを示す。
耐酸化性試験は、供試体を炉床回転型電気炉を用いて、1000℃/3時間大気雰囲気で加熱することにより行なった。耐酸化性の評価は、試験後の供試体の切断面から酸化層厚みを測定し、酸化速度を算出することにより行なった。
類似した材質間で比較すると、本発明品1は比較品1に比べ、還元焼成後の炭化アルミニウム、窒化アルミニウムの生成がなく、且つ耐消化性試験においても亀裂発生がないことが分かる。また、耐食性試験においても、侵食量が少なく、同時に耐酸化性も著しく優れていることが分かる。
本発明品3、4、5は、比較品2、3と比較して耐消化性に著しく優れ、また同等以上の耐食性を有し、かつ耐酸化性に著しく優れることが分かる。
本発明品7、8は、比較品4と比較して耐消化性が著しく優れ、また同等以上の耐食性を有し、且つ耐酸化性に著しく優れることが分かる。
本発明品3、4、5は、比較品2、3と比較して耐消化性に著しく優れ、また同等以上の耐食性を有し、かつ耐酸化性に著しく優れることが分かる。
本発明品7、8は、比較品4と比較して耐消化性が著しく優れ、また同等以上の耐食性を有し、且つ耐酸化性に著しく優れることが分かる。
本発明の炭素含量不焼成耐火物は、溶鋼処理用容器の内張り材等の用途に広く使用することができる。
Claims (6)
- 耐火性原料、炭素質原料、金属アルミニウム及びバインダーを必須の構成成分とする炭素含有不焼成耐火物において、炭素質原料の表面が酸化物コロイドにより被覆された非晶質金属酸化物薄膜を有し、且つバインダーの少なくとも一部が有機バインダーであることを特徴とする炭素含有不焼成耐火物。
- 酸化物コロイドは、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア及びジルコニアからなる群から選択される1種または2種以上の酸化物を水または有機溶剤に懸濁させたものである、請求項1記載の炭素含有不焼成耐火物。
- 更に、シリコン、マグネシウム、チタン、クロム及びジルコニウムからなる群から選択された1種または2種以上の金属あるいはこれらの合金を含有してなる、請求項1または2記載の炭素含有不焼成耐火物。
- 炭素含有不焼成耐火物の1000℃で3時間焼成後の酸化速度が2mm/時間未満である、請求項1ないし3のいずれか1項記載の炭素含有不焼成耐火物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項記載の炭素含有不焼成耐火物の製造方法において、耐火性原料、炭素質原料、金属アルミニウム及びバインダーを混練して得られた坏土を加圧成形することを特徴とする炭素含有不焼成耐火物の製造方法。
- 加圧成形を大気圧未満の減圧下で行なう、請求項5記載の炭素含有不焼成耐火物の製造方法。
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