JP2006143210A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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【課題】電動パワーステアリング装置の制御装置において、望ましい相補感度関数に適合するように機械系及び制御系を設計し、安定かつ快適な操舵感を得るようにして操舵性を向上する。
【解決手段】ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基いて演算された操舵補助指令値と、モータの電流値とから演算した電流指令値に基いてステアリング機構に操舵補助力を与える前記モータを制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置であり、周波数に対する相補感度関数を、抑圧したい外乱が存在する帯域では1に近づくようにし、伝えたい外乱が存在する帯域ではゼロに近づくように設定している。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に望ましい相補感度関数を求め、その相補感度関数に合わせて機械系及び制御系を設計した電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
自動車や車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助トルク)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流制御値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
電動パワーステアリング装置が市場に出てから約10年が経過し、適応車格も2000ccクラスにまで拡大している。それと同時に、ステアリング装置に求められている性能についても高度化してきている。最近では、従来の油圧式パワーステアリングの性能に追いつくだけではなく、電動パワーステアリングの特徴を生かした機能を開発し、新たなる付加価値のある製品の出現を目指している。
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図28に示して説明すると、ステアリングホイールの軸はトーションバー、減速ギア、ユニバーサルジョイント等を経て走行車輪のタイロッドに結合されている。ステアリングホイールの軸には、ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルクセンサが設けられており、ステアリングホイールの操舵力を補助するモータがクラッチ(図示せず)、減速ギアを介して軸に結合されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)には、バッテリからイグニションキー(図示せず)を経て電力が供給され、コントロールユニットは、トルクセンサで検出された操舵トルクTと車速センサ(図示せず)で検出された車速Vとに基いてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行い、演算された操舵補助指令値Iに基いてモータに供給する電流を制御する。なお、図28において、SATはセルフアライニングトルクを示している。
コントロールユニットは主としてCPUで構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図29のようになる。
コントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出されて入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相補償器31で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力される。また、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助指令値演算器32に入力される。操舵補助指令値演算器32は、入力された操舵トルクTA及び車速Vに基いてモータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを決定する。操舵補助指令値Iは減算器30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワード系の微分補償器34に入力され、減算器30Aの偏差(I−i)は比例演算器35に入力されると共に、フィードバック系の特性を改善するための積分演算器36に入力される。微分補償器34及び積分補償器36の出力も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bでの加算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモータ駆動回路37に入力される。モータ20のモータ電流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電流値iは減算器30Aに入力されてフィードバックされる。
このような電動パワーステアリング装置の伝達関数によるブロック線図は図30のように示され、「s」はラプラス演算子を示している。
特に電動パワーステアリングでは、その設計の自由度を生かし、ドライバが運転し易いように、路面からの情報を加工し伝えることが可能であるという利点がある。図28及び図30より、路面情報に対する感度設計は、路面からの入力から操舵トルクまでの伝達特性をいかに望ましい特性に定義できるかという課題として扱えることが分る。
一方、ドライバにとって望ましい操舵感を実現するためには、操舵角から操舵トルクまでの伝達特性をチューニングすることによって実現している。一般に、すっきりとした操舵感或はしっとりとした操舵感等に対する要求は、この伝達特性に大きく依存する。ここで、この2つの仕様はそれぞれトレードオフの関係にあることが、図30の概略ブロック線図より分る。具体的には、高速走行において発生するフラッタに対する感度を下げるためにパワーステアリング系に摩擦を加えた結果、操舵に摩擦感が出てきてしまった例がこれに相当する。
電動パワーステアリング装置の分野においては、電動パワーステアリングの特徴を生かした機能でかつ油圧式のパワーステアリング性能を凌駕し、路面情報に合致した望ましい相補感度関数に適合するように機械制御系及び電気制御系を設計し、安定かつ快適な操舵感を得るようにした装置の出現が要請されている。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、望ましい相補感度関数を求め、その相補感度関数に合わせて制御系を設計した電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基いて演算された操舵補助指令値と、モータの電流値とから演算した電流制御値に基いてステアリング機構に操舵補助力を与える前記モータを制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置に関するもので、本発明の上記目的は、周波数に対する相補感度関数を、抑圧したい外乱が存在する帯域では1に近づくようにし、伝えたい外乱が存在する帯域ではゼロに近づくように設定することによって達成される。
また、前記相補感度関数を機械制御系及び電気制御系の設計より得ることによって、本発明の上記目的はより効果的に達成される。
本発明では路面情報からの望ましい相補感度関数を求め、その相補感度関数に対応して機械系及び電流制御系を設計しているので、不自然な操舵感を防ぐことができ、快適な操舵フィーリングを得ることができる。
電動パワーステアリングでは、路面情報をドライバに伝える途中に油圧式パワーステアリングにはない電動式モータが存在し、モータの持つ摩擦及び慣性により路面情報のほとんどがブロックされてしまい、ドライバに伝えにくい構成となっている。一方、電動パワーステアリングは、モータの存在により不要外乱を遮断できる利点も持ち合わせている。本発明者は永年電動パワーステアリング装置の研究に携わって来ており、路面からの情報について、必要な情報と外乱として抑圧されるべき情報とで、大よそ図1のように分けられることを知見した。即ち、ドライバが感応する周波数に対する相補感度関数T(s)は常時1以下であり、電動パワーステアリング装置の固有値(10Hz〜13Hz)からサスペンションの固有値(13Hz〜17Hz)を経て、更にフラッタ振動領域(15Hz〜25Hz)を経てモータのトルクリップル領域(15Hz〜30Hz)までの領域において平坦、つまり0dB=1に近い直線特性となっており、他の領域においてゼロに近づくような傾斜特性となっている。
ここにおいて、電動パワーステアリング装置では周波数領域上での設計が可能であるため、トレードオフの問題を図30における相補感度関数の周波数領域上で区別して解決することが可能である。つまり、良いステアリングでは不要な外乱は抑圧し、必要な外乱をハンドルに伝えることができる。例えば従来の油圧式パワーステアリングでは、この問題に対してステアリング系の摩擦を調整することで対処しているが、両方を同時に満足させることはできない。これに対し電動パワーステアリングでは、路面からハンドルまでの伝達特性を定義できるので、周波数領域でトレードオフの問題を解決することができる。具体的には、制御系の相補感度関数を抑圧したい外乱が存在する帯域では相補感度関数T(s)が“1”に近づくように、伝えたい外乱が存在する領域では相補感度関数T(s)をゼロに近づけるように設定する。即ち、相補感度関数T(s)の定義から、“1”のときは完全に外乱を抑圧し、ゼロのときは全く抑圧されずに伝わることを意味するからである。
相補感度関数は自動車がSAT(セルフアライニングトルク)を発生するまでの伝達特性を単純なばね(ばね乗数Kv)を持つものとして計算し、常数ゲインはK/Kv/αとなる。また、抑圧したい外乱が存在する帯域では、相補感度関数は1に近くなる。そして、相補感度関数を定義する上で、図30を以下のように解釈する。図30はトーションバーの変位を減少させるように制御を行う制御系という解釈ができ、トーションバーの変位を減らすことは、図30より操舵トルクを減らすことと等価である。従って、θhを目標にθbをフィードバックし、制御ゲインK(トーションバーの剛性)と電動パワーステアリングのコントローラを持つ制御系とみなすことができる。ここで、電動パワーステアリングのコントローラの定常ゲインはアシスト特性の勾配になるので、トルクの小さい領域では定常ゲインはゼロである。トーションバーの剛性とコントローラを合わせて新たなコントローラC(s)とし、ステアリング系をP(s)とすると、図2のような一般的な制御系に単純化できる。そして、相補感度関数T(s)は図2に示す式で表わされ、d(s)はタイヤから入ってくる外乱を示しており、この外乱d(s)は不要外乱及び自動車の特性と単純なばねとの動特性の差を含んでいる。従って、相補感度関数T(s)の目的は単純なばねと実際の動特性との差を適度な帯域で伝え、かつ不要外乱を抑圧することになる。
そこで、本発明では、路面情報から操舵トルクまでの伝達特性と、操舵角から操舵トルクまでの伝達特性との違いに着目し、不要外乱に対してはモータの慣性を積極的に利用し、操舵したときに感じるモータの慣性はトルク制御系で補償する。図3のゲイン図に、モータの慣性(高慣性、低慣性)による操舵角から操舵トルクまでの伝達特性の比較を示す。図3に示すモータの周波数応答より、モータの慣性の影響は位相遅れ特性として現れることが明らかであり、モータの慣性の影響は位相遅れ特性の逆特性となる位相進み特性を用いることにより、トルク制御系で補償することができる。図3の位相図の特性Aが補償なしの場合であり、特性Bが補償した場合である。
路面感度設計を行うに際し、先ずは路面情報がトルクセンサによって検出できなくてはならない。即ち、モータが路面情報を阻止するのを防ぐような構成をとった上で、トルク制御系の相補感度関数が図1に示す特性に近づくように設計する。タイヤで発生する路面情報は各要素の摩擦分を差し引いた量で伝えられ、モータの慣性は機械的なローパスフィルタとして働くため、慣性が大きいと路面情報が減衰してしまう。相補感度関数の設計は、一般の制御系設計方法等を応用し十分に制御系の安定性を確保した上で、車両に合わせたファインチュ−ニングを行う。というのは、人の感性は微妙であり、理想的な特性を伝達特性で表現できないからであり、保守的になり易い一般の設計方法では十分な対応がなし得ないからである。このため、チューニング自体がチューニング技術者のノウハウに依存しているのが実情である。
これに対し、本発明では図1に示す相補感度関数を実現するために、転がり式ラックアンドピニオン、モータ減速機構のラバーダンパ、非接触式トルクセンサ及びトルク制御系を改善している。以下に、これら手法を順次説明する。
モータが路面情報を阻止するのを防ぐ上で、次の要素(1)〜(3)が有効である。即ち、(1)オブザーバを用いた状態フィードバックによる路面情報に適したモータ特性の定義、(2)メカニカルクラッチ機構採用によるモータとコラム軸のディカップリング、(3)低摩擦要素の採用、である。このようにして設計した電動パワーステアリング装置の特性例を、油圧式の特性と比較して図4乃至図7に示す。図4はチューニングされた路面感度の測定例であり、太線が感度(dB)であり、細線が位相(度)を示している。また、図5及び図6はそれぞれベルジアン路を走行したときの操舵トルクの測定例を油圧式と電動式について示しており、油圧式パワーステアリング装置の操舵トルクが変動しているのはサスペンションの振動を検知しているためである。図5及び図6の各(A)図は時間に対する操舵トルクの変動を示しており、各(B)図は0〜60Hzの周波数応答を示している。図7(A)は100Km/hで走行したときの油圧式パワーステアリング装置の操舵特性(操舵角度対操舵トルク)の測定例であり、図7(B)は100Km/hで走行したときの電動パワーステアリング装置の操舵特性(操舵角度対操舵トルク)の測定例であり、油圧式パワーステアリング装置の操舵トルクが変動しているのはフラッタによる振動を検知しているためである。
次に、本発明で使用する転がり式ラックアンドピニオンの機構を図8に示し、その特性を図9に示して従来機構と比較して説明する。即ち、入力軸にはピニオン軸が同軸に装着され、そのピニオン軸がラック軸に噛合されており、ラック軸はローラを介してハウジング内のプレッシャパッド部のピン軸に結合されている。ピン軸はニードル軸受で保持され、摩擦ブロックを経てコイルスプリングに結合されている。コイルスプリングは保持器に収容され、プレッシャパッド部に押圧力を印加するようになっており、保持器はハウジングの内壁との間に懸架されたスプリングによって弾性的に保持されている。なお、かかる転がり式ラックアンドピニオンの詳細は、本出願人による特開2000−159128に詳述されている。
本発明の転がり式ラックアンドピニオンはピニオンを支持しているプレッシャパッド部が、ローラ、摩擦ブロック、ニードル軸受、保持器等で構成されているため、高支持剛性と低作動抵抗を両立できる。特に、図10に示す従来の滑り式ラックアンドピニオンの機構と比較すると、図9の特性図から分るようにプレッシャパッド部に摩擦ブロックが配設されていることにより、ラック推力が低い領域での逆入力が低いことが特徴で、高速走行で重要な微小舵角領域での路面情報改善に役立つ。図10に示す従来の機構(摩擦ブロックなし)では、プレッシャパッド部に摩擦ブロック等がないため、ラック推力が低い領域で逆入力が高くなっている。
次に、本発明によるモータ減速ギア部におけるラバーダンパについて説明する。
電動パワーステアリング装置では図11に示すように、モータ減速ギアのウォーム軸支持部に、ギアのラトル音の低減のために、ラバーダンパ(ゴム)をブッシュを介してスプライン部に挿入している。一方、ゴムの弾性域では、モータの変位とコラム軸の変位とが独立して作動可能であるため、モータの摩擦及び慣性に阻止されることなく路面情報をハンドル軸に伝えることができる。従って、図1に示すような路面情報の感度関数の設計を、本機構により実現することが可能である。ただし、ラバーダンパの挿入により、制御対象が固有振動数の低い動特性を持つことになるので、制御器の構成が高次になる。
ラバーダンパを装着しない場合の周波数特性は図12に示すようになり、ラバーダンパを装着すると図13に示すような周波数特性となり、ノイズレベルが減少することが分る。
次に、電動パワーステアリングに使用するトルクセンサの改良について説明する。
トルクセンサの検出特性のヒステリシス特性は、微小トルクにおいては遅れ特性として見えてくるため、なるべく小さく抑える必要がある。この目的から、本発明では、図14及び図15に示すようなヒステリシス幅の小さい非接触式トルクセンサを使用する。即ち、図14は非接触式トルクセンサのステアリングホイール軸への配設構造を示しており、図15はセンサ部の構造を一部断面の斜視図で示している。SUS,Fe等の磁性材で成る入力軸(センサシャフト)の外周部には、検出回路ユニットを形成するボビンヨークがスリーブ上に配設されており、ボビンヨーク内には2組のコイルが巻回されている。スリーブは導電性の非磁性材(例えばアルミニウム)で成り、円環状のコイル列に沿って窓が形成されており、入力軸の内部にはトーションバーが配設されている。
このような構成において、スリーブの導電性及び非磁性と入力軸の磁性を利用して、入力軸に対するトルクを非接触で検出する。即ち、表皮効果を利用してスリーブ内側に周方向に周期的な磁界の緻密状態を作り出し、その磁界と入力軸のスプラインの位相差によって入力軸の自発磁化を増減させ、それにより生じるインピーダンス変化を、コイル等で形成されたブリッジ回路によりコイル端電圧変化として検出するようになっている。
次に、電気制御系の設計について説明する。
路面情報の感度設計を実現する上で、電流制御の応答性も重要な要素である。特に電流が流れ始めるあたりの応答性は、中立付近の操舵性を改善する上でできるだけ線形化することが望ましい。線形化に際し、従来のようなPI制御器をベースにした電流制御の代わりに、規範モデルをベースにしたロバスト制御を採用することにより、電流制御の線形化を行っている。
図16は本発明による制御機能のブロック図である。操舵トルクTは操舵補助指令値演算部100及びセンタ応答性改善部101に入力され、各出力が加算器102に入力され、その加算結果がトルク制御演算部103に入力されている。トルク制御演算部103の出力信号はモータロス電流補償部104に入力され、その出力が加算器105を経て最大電流制限部106に入力され、最大電流値が制限されて電流制御部110に入力される。電流制御部110の出力は、Hブリッジ特性補償部111を経て電流ドライブ回路112に入力され、これによりモータ113を駆動する。
モータ113のモータ電流iは、モータ電流オフセット補正部120を経てモータ角速度推定部121、電流ドライブ切換部122及び電流制御部110に入力され、モータ端子電圧Vmはモータ角速度推定部121に入力される。モータ角速度推定部121で推定された角速度ωはモータ角加速度推定部・慣性補償部123、モータロストルク補償部124及びヨーレート推定部125に入力され、ヨーレート推定部125の出力は収れん制御部126に入力され、収れん制御部126及びモータロストルク補償部124の各出力は加算器127で加算され、その加算結果が加算器102に入力される。また、電流ディザ信号発生部130が設けられており、電流ディザ信号発生部130及びモータ角加速度推定部・慣性補償部123の各出力が加算器131で加算され、その加算結果が加算器105に入力されている。
このような構成において、本発明では先ずセンタ応答性改善部101を図17に示すように、位相補償部101A、近似微分部101B及びゲイン設定部101Cで構成とし、位相補償部101Aを図18に示す周波数特性とし、近似微分部101Bを図19に示す周波数特性とする。これにより、位相補償と近似微分との合成特性は図20に示すようになる。また、ゲイン設定部101Cでは、車速V及び操舵トルクTによってゲインを図21のように切り換えて設定する。更に、ハンドルが急に戻されるような不安な操舵感を低減し、保舵を安定させるため、操舵トルク大で、かつ操舵トルク変化率大とし、操舵トルク減少方向の場合にゲインを小さくする。即ち、切り換え条件は、|操舵トルク|(=A)>約1.37Nm、かつ|操舵トルクー操舵トルク(1サンプリング前)|(=B)>約0.137Nm、かつsign(A)<>sign(B)である。切り換え後のゲインは例えば、車速0〜2で“46”、車速4〜78で“47”、車速80以上で“41”である。なお、sign(A)<>sign(B)は、A=操舵トルクと、B=操舵トルクー操舵トルク(1サンプリング前)の符号が異なることを意味している。
また、本発明では操舵補助指令値演算部100におけるアシスト量の計算において、3つの代表車速(0、30、254Km/h)によるアシスト特性を基本特性として設定し、その他の車速では車速補間ゲインに応じて各基本特性間を車速2Km/h毎の補間を行う。そして、アシスト特性の車速設定範囲0〜254Km/h、分解能2Km/hとする。基本アシスト特性(トルク対電流)は図22に示すものであり、0Km/h=lo特性、30Km/h=la特性、254Km/h=lb特性で表わされている。そして、その他の車速についての車速補間演算は、図23で示す車速(Km/h)対車速補間係数γで2Km/h毎に行う。車速0〜30Km/hのとき、アシスト電流IはI=la(T)+γ(V)(lo(T)−la(T))であり、車速32〜254Km/hのとき、アシスト電流IはI=lb(T)+γ(V)(la(T)−lb(T))である。
更に、本発明ではトルク制御演算部103として電動パワーステアリング装置の機械系の安定化、減速ギア部ゴムダンパによる振動の安定化、操舵フィーリングの調整のため、操舵トルク応答を設定するようにしている。その構成は図24に示すようになっており、クランプ回路103Aの後段に応答性定義部103Bが設けられ、その後段にクランプ回路103Cを経てロバスト安定化補償部103Dが設置されている。そして、ロバスト安定化補償部103Dの後段にクランプ回路103Eを経て位相補償部103Fが設けられ、更にクランプ回路103Gを経てロバスト安定化補償部103Hが設置されている。
ロバスト安定化補償部103Hの特性は図25に示すものであり、制御系全体の特性を図26のようにする。機械系の特性が図27に示すようになっているため、総合的には山部と谷部が相殺されて、ほぼ平坦な特性となる。
また、本発明では、モータ電流が流れてもモータ出力に現れない電流を上乗せして、モータ出力トルク0からの立ち上りを改善するため、センタ感のチューニングとして設定する。そのため、補償値はトルク制御演算出力の符号と同じ符号となるように加算し、補償値は車速により4段階に切り換える。
望ましい相補感度関数を示す特性図である。 図30の単純化ブロック構成図である。 モータ特性を示す周波数応答図である。 路面入力から操舵トルクまでの伝達特性のチューニング例を示す図である。 ベルジアン路を走行したときの操舵トルクの測定例(油圧式)を示す図である。 ベルジアン路を走行したときの操舵トルクの測定例(電動式)を示す図である。 100Km/hで走行したときの操舵特性例を示す図である。 本発明で使用する転がり式ラックアンドピニオンの機構図である。 図7の機構の特性例を従来装置と比較して示す図である。 従来の転がり式ラックアンドピニオンの機構図である モータ減速ギアのウォーム軸支持部の機構図である。 ウォーム軸支持部にゴムを装着しない場合の特性を示す図である。 ウォーム軸支持部にゴムを装着した場合の特性を示す図である。 本発明で使用するトルクセンサの断面機構図である。 本発明で使用するトルクセンサの斜視図である。 本発明の電動パワーステアリング装置の構成例を示すブロック図である。 センタ応答改善部のブロック構成図である。 位相補償部の特性例を示す図である。 近似微分部の特性例を示す図である。 位相補償部及び近似微分部の合成特性を示す図である。 車速及び操舵トルクによるゲインの設定例を示す図である。 基本アシスト特性を示す図である。 車速補間演算の一例を示す図である。 トルク制御演算の構成例を示すブロック図である。 ロバスト安定化補償の特性例を示す図である。 制御系の特性例を示す図である。 機械系の特性例を示す図である。 電動パワーステアリングの一般例を示す機構図である。 コントロールユニットの一般的な内部構成を示すブロック図である。 その伝達関数を示すブロック線図である。
符号の説明
10 トルクセンサ
12 車速センサ
20 モータ
30 コントロールユニット
100 操舵補助指令値演算部
101 センタ応答性改善部
103 トルク制御演算部
110 電流制御部
112 電流ドライブ回路
113 モータ
121 モータ角速度推定部
124 モータロストルク補償部
125 ヨーレート推定部
12 収れん制御部

Claims (2)

  1. ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基いて演算手段で演算された操舵補助指令値と、モータの電流値とから演算した電流制御値に基いてステアリング機構に操舵補助力を与える前記モータを制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置において、周波数に対する相補感度関数を、抑圧したい外乱が存在する帯域では1に近づくようにし、伝えたい外乱が存在する帯域ではゼロに近づくように設定していることを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記相補感度関数を機械制御系及び電気制御系の設計より得るようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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JP2010036846A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Toyota Central R&D Labs Inc 操舵装置

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