JP2006142357A - ダイクッション駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プレス機のダイクッション駆動装置をサーボモータにより電動化し、そのサーボモータの回生エネルギーを電源に戻すことによりエネルギーの節約を実現する
【解決手段】 プレス機のダイクッション(52)を駆動する駆動源としてのサーボモータ(11)と、そのサーボモータからの回生エネルギーを交流電源(13)へ回生する回生機能付き電源回路(12)とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明はプレス機のダイクッション駆動装置に関し、特にサーボモータにより電動化したダイクッション駆動装置に関する。
従来のプレス機のダイクッションの駆動源としては油圧を用いていた。
図5は従来のプレス機のダイクッション駆動装置の構成を示す側面図である。同図において、51は板金等の被加工物(図示せず)を押下するために上下に移動するスライド、52は上記被加工物に対して上方に圧力をかけるダイクッション、53はスライド51を駆動するモータ、54はモータの回転エネルギーを上下運動のエネルギーに変換する機構、55はその上下運動エネルギーをスライド51に与えるアーム、56は油圧シリンダ、57は油圧パイプ、58は油圧装置である。
力行時は、モータ53からのエネルギーによりスライド51が下方に移動し、且つ油圧装置58から油圧パイプ57を通って油圧シリンダ56に油が伝達されることによりダイクッション52は上側に押し上げられて、被加工物が加工される。
上記従来の油圧式ダイクッション駆動方式では、スライド51からダイクッション52への力が、ダイクッション52からスライド51への力より上回っている場合には図示太線矢印の方向にエネルギーが伝達されて油圧装置58から熱として放熱されていたので、エネルギーが無駄に消費されていたという課題があった。
本発明の目的は、ダイクッション駆動装置をサーボモータにより電動化し、そのサーボモータの回生エネルギーを電源に戻すことによりエネルギーの節約を実現することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様においては、プレス機のダイクッションを駆動する駆動源としてのサーボモータからの回生エネルギーを交流電源へ回生する回生機能付き電源回路を備えることを特徴としたダイクッション駆動装置が提供される。
本発明の第2の態様においては、回生機能付き電源回路は、交流電源からの交流を直流に変換するコンバータ回路と変換された直流をサーボモータに供給する交流に変換するインバータ回路とを備えたインバータ装置である。
本発明の第3の態様においては、コンバータ回路は、ダイオードとトランジスタとの対からなる素子を備え、ダイオードはトランジスタのエミッタとコレクタの間に順方向に接続されており、コンバータ回路の素子は、ダイオードの定格電流に対し、トランジスタの定格電流を大きくしている。
本発明の第4の態様においては、インバータ回路はダイオードとトランジスタとの対からなる素子を備え、ダイオードはトランジスタのエミックとコレクタの間に順方向に接続されており、インバータ回路の素子は、トランジスタの定格電流に対し、ダイオードの定格電流を大きくしている。
本発明の第5の態様においては、回生機能付き電源回路は、素子による電源回生機能が機能しなくなった場合でも、抵抗回生手段を備えることにより、ダイクッションの機能を維持するようにした。
本発明の第6の態様においては、回生機能付き電源回路はマトリクスコンバータである。
本発明の第7の態様においては、コンバータ回路は、電源電流を正弦波に制御する正弦波コンバータ回路である。
本発明の第1及び第2の態様によれば、プレス機のダイクッションは、スライドが持つエネルギーを動作サイクル毎に受け取るため、ダイクッションを駆動するサーボモータの動作の殆どは回生動作となる。そのため、そのエネルギーを、サーボモータを経由してインバータ装置から交流電源側に戻し、そのエネルギーが他の装置で利用される事で、省エネ化を達成できるという効果が得られる。
本発明の第3及び第4の態様においては、インバータ装置の設計において力行動作時にインバータ装置を流れる電流の大きさよりも回生動作時にインバータ装置を流れる電流の大きさが大きくなるように素子を構成することにより、サーボモータの動作に合わせた最適な設計を行う事で、インバータ装置の小型化および低価格化が実現出来るという効果も得られる。
本発明の第5の態様によれば、抵抗回生機能を併せ持つ事で、電源異常時などの電源回生機能が機能しなくなった場合でも、スライド側からのエネルギーを受け止め、ダイクッションの機能を維持する事で機械へのダメージを低減する事が出来るという効果が得られる。
図1は本発明の実施例によるプレス機のダイクッション駆動装置の構成を示す側面図である。同図において、図5に示した従来の構成と同一部分には同一の参照番号を付してあり、ここでは説明を省略する。本実施例では、ダイクッション52を駆動するためのサーボモータ11と、サーボモータ11に交流電力を供給するインバータ装置12と、力行時にインバータ装置12に電力を供給する三相交流電源13とが設けられている。サーボモータ11の回転エネルギーはボールねじ14を介してダイクッション52の軸15に上下の運動エネルギーとして与えられる。
力行時には、モータ53からのエネルギーによりスライド51が下方に移動し、且つインバータ装置12は三相交流電源13からの交流をサーボモータ12の駆動に最適な周波数および振幅を持った交流に変換してサーボモータ11を駆動し、それによりダイクッション52を上方向に押し上げる。
モータ54からのエネルギーがサーボモータ11からのエネルギーより大きい場合や、サーボモータの制動時等の回生時には、図示太線矢印の方向に回生エネルギーが流れて三相交流電源に回生される。この時の回生エネルギーEはモータ53がスライド51に与える力Fとスライド51の移動距離Lとの積である。
図2は図1に示したインバータ装置12の1実施例による回路を示す回路図である。同図において、インバータ装置12は三相交流電源13からの三相交流を直流に変換するコンバータ回路21と、その直流を平滑するコンデンサ22と、平滑された直流をサーボモータ11の駆動に最適な周波数の交流に変換するインバータ回路23とを備えている。
コンバータ回路21はダイオードとトランジスタを並列接続した6個の素子211〜216と制御回路217とからなっている。素子211〜216の各々はNPNトランジスタとダイオードとを並列接続して構成されている。即ち、NPNトランジスタのエミッタとコレクタの間にダイオードが順方向に接続されている。トランジスタ211のエミッタとトランジスタ212のコレクタが接続されており、トランジスタ213のエミッタとトランジスタ214のコレクタが接続されており、トランジスタ215のエミッタとトランジスタ216のコレクタが接続されている。それらの接続点には三相交流電源13の各相が接続されている。トランジスタ211、213、215のコレクタは接続されており、トランジスタ212、214、216のエミッタは接続されており、トランジスタ211〜216のベースには制御回路217から回生時にそれらのトランジスタを適切なタイミングでオンにする制御信号が供給される。
インバータ回路23はダイオードとトランジスタを並列接続した6個の素子231〜236と制御回路237とからなっている。素子231〜236の各々もはNPNトランジスタとダイオードとを並列接続して構成されている。即ち、NPNトランジスタのエミッタとコレクタの間にダイオードが順方向に正極が接続されている。トランジスタ231のエミッタとトランジスタ232のコレクタが接続されており、トランジスタ233のエミッタとトランジスタ234のコレクタが接続されており、トランジスタ235のエミッタとトランジスタ236のコレクタが接続されている。それらの接続点にはサーボモータ11の各相が接続されている。トランジスタ231、233、235のコレクタは接続されており、トランジスタ232、234、236のエミッタは接続されており、トランジスタ231〜236のベースには制御回路237から力行時にそれらのトランジスタを適切なタイミングでオンにする制御信号が供給される。
次に図2に示した回路の動作を説明する。力行時には三相交流電源13からの三相交流は素子211〜216のダイオードを流れることにより直流化される。これを平滑コンデンサ22で平滑化し、インバータ回路にてサーボモータ11の駆動に最適な周波数の交流に変換するように制御回路237からトランジスタ231〜236のベースに制御信号を供給し、それにより得られた交流をサーボモータ11の各相に供給する。
回生時には、サーボモータ11からの回生電流は図示太線矢印の方向に流れ、インバータ回路23内では主としてダイオード内を流れ、コンバータ21内では主としてトランジスタ内を流れて三相交流電源13に回生される。
したがって、インバータ回路23においては回生動作時により多くの期間、電流が流れるダイオードの許容電流の大きさをトランジスタのそれより大きくし、コンバータ回路21においては回生動作時により多くの期間、電流が流れるトランジスタの許容電流の大きさをダイオードのそれより大きくする。このように、素子の設計を素子の使用条件を考慮し最適にする事で、発熱を低減させ装置の小型化が図られる。
図3は図1に示したインバータ装置12の他の実施例による回路を示す回路図である。同図において、図2と異なるところは、抵抗放熱体31と、スイッチング用トランジスタ32と、制御回路33とからなる抵抗回生手段が追加されていることである。抵抗放熱体31の一方の端子は素子211、213、215、231、233、235の中のトランジスタのコレクタに接続されている。抵抗発熱体31の他方の端子はNPNトランジスタ32のコレクタに接続されている。NPNトランジスタ32のエミッタは素子212、214、216、232、234、236のコレクタに接続されている。ダイクッション駆動時には制御回路33からの制御信号は、トランジスタ32のベースに供給されてトランジスタ32が導通状態になっている。この抵抗回生手段を設けたことにより、電源異常時などの電源回生機能が機能しなくなった場合でも、スライド51の側からのエネルギーを受け止め、ダイクッションの機能を維持する事で機械へのダメージを低減する事ができる。
図2および図3の回路において、制御回路217および237による制御はPWM制御で行うが、本発明はPWM制御に限定されず他の任意のパルス制御で同様の回生動作が実現可能である。
また、本発明の他の実施例によれば、制御回路217および237による制御は、電源回生時の電源電流を正弦波に制御する正弦波コンバータを用いてもよい。
図4は本発明のさらに他の実施例による回生機能付き電源回路を示す回路図である。同図において、この回生機能付き電源回路は、AC-AC変換器であるマトリクスコンバータである。このマトリクスコンバータはサーボモータ11のU相に接続された3つの双方向スイッチ41と、V相に接続された3つの双方向スイッチ42と、W相に接続された3つの双方向スイッチ43と、三相交流電源のR相に接続されたインタクタ44と、S相に接続されたインダクタ45と、T相に接続されたインダクタ46と、R相とS相の間に接続されたコンデンサ47と、S相とT相の間に接続されたコンデンサ48と、R相とT相の間に接続されたコンデンサ49と、双方向スイッチ41,42及び43を制御する制御回路411を備えている。双方向スイッチ41、42及び43の第1のものは三相交流電源13のR相側に接続されており、第2のものは三相交流電源13のS相側に接続されており、第3のものは三相交流電源13のT相側に接続されている。
双方向スイッチの各々は、2つのNPNトランジスタを並列接続して構成されている。即ち、NPNトランジスタ411のエミッタとNPNトランジスタ412のコレクタを接続し、NPNトランジスタ411のコレクタとNPNトランジスタ412のエミッタを接続して構成されている。
動作において、制御回路411からPWM制御信号等の適切な制御信号を双方向スイッチに与えることにより、力工時にはNPNトランジスタ411に電流が流れ、回生時にはNPNトランジスタ412に電流が流れて、力行時にはサーボモータ11に適切な交流電流が供給され、回生時には図示太線矢印の方向に回生エネルギーが流れ、三相交流電源13に戻される。
本発明によりプレス機のダイクッションを駆動するインバータ装置に電源回生機能を持たせたので、電源エネルギーの省エネ化が実現できる。
本発明の実施例によるプレス機のダイクッション駆動装置の構成を示す側面図である。 図1に示したインバータ装置12の1実施例による回路を示す回路図である。 図1に示したインバータ装置12の他の実施例による回路を示す回路図である。 本発明のさらに他の実施例による回生機能付き電源回路を示す回路図である。 従来のプレス機のダイクッション駆動装置の構成を示す側面図である。
符号の説明
11 サーボモータ
12 インバータ装置
13 三相交流電源
21 コンバータ回路
23 インバータ回路
31 抵抗放熱体
32 トランジスタ
33 制御回路
41〜43 双方向スイッチ
51 スライド
52 ダイクッション

Claims (7)

  1. プレス機のダイクッションを駆動する駆動源としてのサーボモータと、該サーボモータからの回生エネルギーを交流電源へ回生する回生機能付き電源回路とを備えることを特徴としたダイクッション駆動装置。
  2. 前記回生機能付き電源回路は前記交流電源からの交流を直流に変換するコンバータ回路と前記変換された直流を前記サーボモータに供給する交流に変換するインバータ回路とを備えたインバータ装置であることを特徴とする請求項1に記載のダイクッション駆動装置。
  3. 前記コンバータ回路は、ダイオードとトランジスタとの対からなる素子を備え、
    前記ダイオードは前記トランジスタのエミッタとコレクタの間に順方向に接続されており、
    前記コンバータ回路の素子は、ダイオードの許容電流に対し、トランジスタの許容電流を大きくした事を特徴とする請求項2に記載のダイクッション駆動装置。
  4. 前記インバータ回路は、ダイオードとトランジスタとの対からなる素子を備え、
    前記ダイオードは前記トランジスタのエミッタとコレクタの間に順方向に接続されており、
    前記インバータ回路の素子は、トランジスタの許容電流に対し、ダイオードの許容電流を大きくした事を特徴とする請求項2に記載のダイクッション駆動装置。
  5. 前記回生機能付き電源回路は、前記素子による電源回生機能が機能しなくなった場合でも、抵抗回生手段を備えることにより、ダイクッションの機能を維持することを特徴とする請求項3に記載のダイクッション駆動装置。
  6. 前記回生機能付き電源回路はマトリクスコンバータである請求項1に記載のダイクッション駆動装置。
  7. 前記コンバータ回路は、電源電流を正弦波に制御する正弦波コンバータ回路であることを特徴とする請求項2に記載のダイクッション駆動装置。
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