JP2006140240A - 研磨パッド、研磨装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】 low−k膜の剥離、ディシングおよびエロージョンを抑制することを目的とし、さらには、研磨速度の安定性を目的とする。
【構成】 本発明の研磨パッド100は、化学機械研磨(CMP)装置に用いる研磨パッドにおいて、硬度の異なる複数の材料である低硬度樹脂102と高硬度樹脂104とが、研磨面となる表面に形成されることを特徴とする。さらに、前記研磨パッド100の表面に、前記複数の材料である低硬度樹脂102と高硬度樹脂104とが、交互に複数回、配列されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、研磨パッド、研磨装置及び半導体装置の製造方法に係り、特に、Cu(銅)配線を用いた半導体装置の製造方法及びかかる半導体装置の製造に用いる化学機械研磨装置及びかかる化学機械研磨装置に用いる研磨パッドに関するものである。
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、及び高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:chemical mechanical polishing:CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、或いは埋め込み工程において頻繁に利用されている技術である(例えば、特許文献1参照)。
特に、最近はLSIの高速性能化を達成するために、配線技術を従来のアルミ(Al)合金から低抵抗のCu或いはCu合金(以下、まとめてCuと称する。)に代える動きが進んでいる。Cuは、Al合金配線の形成において頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難であるので、溝加工が施された絶縁膜上にCu膜を堆積し、溝内に埋め込まれた部分以外のCu膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン(damascene)法が主に採用されている(例えば、特許文献2参照)。Cu膜はスパッタ法などで薄いシード層を形成した後に電解めっき法により数100nm程度の厚さの積層膜を形成することが一般的である。
さらに、最近は層間絶縁膜として比誘電率の低いlow−k膜を用いることが検討されている。すなわち、比誘電率kが、約4.2のシリコン酸化膜(SiO膜)から比誘電率kが例えば3.5以下のlow−k膜を用いることにより、配線間の寄生容量を低減することが試みられている。また、比誘電率kが2.5以下のlow−k膜材料の開発も進められており、これらは材料中に空孔が入ったポーラス材料となっているものが多い。このようなlow−k膜(若しくはポーラスlow−k膜)とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法は次のようなものである。
図15は、従来のlow−k膜とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
図15では、デバイス部分等の形成方法は省略している。
図15(a)において、シリコン基板による基体200上に化学気相成長(CVD)等の方法により第1の絶縁膜221を成膜する。
図15(b)において、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程により、Cu金属配線或いはCuコンタクトプラグを形成するための溝構造(開口部H)を第1の絶縁膜221に形成する。
図15(c)において、第1の絶縁膜221上にバリアメタル膜240、Cuシード膜及びCu膜260をかかる順序で形成して、150℃から400℃の温度で約30分間アニール処理する。
図15(d)において、Cu膜260とバリアメタル膜240をCMPにより除去することにより、溝である開口部HにCu配線を形成する。
図15(e)において、前記Cu膜260表面に還元性プラズマ処理を施した後に第2の絶縁膜281を成膜する。
さらに、多層Cu配線を形成する場合は、これらの工程を繰り返して積層していくのが一般的である。ここで、第1の絶縁膜221と第2の絶縁膜281の大半がlow−k膜となる。
前記CMPに関し、テーブル(CMPプラテン)の中心を軸に回転するロータリ方式のCMP装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、CMPプラテンがプラテンの中心から偏芯した位置を軸に回転する、いわゆる回転及びオービタル運動するオービタル方式のCMP装置に関する技術が特許文献4に開示されている。
CMP用の研磨パッドとして、硬度の異なる部材を研磨パッドに積層した研磨体を用いる技術が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
米国特許番号4944836 特開平2−278822号公報 特開2001−185515号公報 特開平11−239961号公報 特開2004−23009号公報
図16は、CMPを用いた研磨工程時の半導体装置の断面例を示す図である。
図16では、図15における第1の絶縁膜は、下地CVD膜となるSiC膜212とlow−k膜220とキャップCVD膜となるSiO膜222とにより構成される。
図16において、図15に示す前述の方法によってlow−k膜220を基体200となるシリコンウエハ上に形成しても、low−k膜220はSiO膜222と比較して機械的強度が弱いため、CMPの研磨荷重Pによって構造的な破壊が起こったり、キャップCVD膜となるSiO膜222がlow−k膜220から剥離する問題があった。もしくはlow−k膜220と下地CVD膜となるSiC膜212の界面で剥離する問題があった。特にヤング率や硬度が低いlow−k材料や、キャップCVD膜とlow−k膜の接着強度が低い材料でこの問題が頻発した。
従来はこのようなlow−k膜の剥離を抑制するために、CMPの研磨荷重を下げることで対処していた。しかし、研磨荷重を下げると研磨速度も低下するという問題があった。そのために、従来は安定した研磨速度とウエハ面内均一性を得るために硬質の研磨パッドを用いて6.9×10Pa(1psi)以上の研磨荷重でCMPを行うことが一般的であった。この問題が、層間絶縁膜としてlow−k材を、配線としてCuを用いるlow−k/Cu配線開発の大きな問題となっていた。
この問題を解決するために軟質の研磨パッドを用いて研磨することもあった。
図17は、軟質の研磨パッドを用いて研磨した場合の研磨状況を説明するための図である。
軟質の研磨パッドを用いて研磨する場合、図17(a)に示すように、軟質の研磨パッドではディシングやエロージョンが発生するという問題があった。特に、バリアCMPではなくCu―CMPで軟質の研磨パッドを用いると、この問題が顕著になった。さらに、軟質の研磨パッドを用いると、図17(b)に示すように、Cuの研磨残りが発生したり、研磨速度がウエハごとに安定しないという問題があった。
また、前記特許文献5に記載の技術のように、硬度の異なる部材を研磨パッドに積層した研磨体を用いる場合でも、前記問題点を克服するには不十分であった。
本発明は、上述した問題点を克服し、low−k膜の剥離、ディシングおよびエロージョンを抑制することを目的とし、さらには、研磨速度の安定性を目的とする。
本発明の研磨パッドは、
化学機械研磨(CMP)装置に用いる研磨パッドにおいて、
硬度の異なる複数の材料が、研磨面となる表面に形成されることを特徴とする。
研磨面となる表面に硬度の異なる複数の材料が形成されることにより、高硬度部材の欠点である剥離を低硬度部材で補い、逆に、低硬度部材の欠点であるディシングおよびエロージョンを高硬度部材で補うことができる。
さらに、本発明における前記研磨パッドの表面に、前記複数の材料が、交互に複数回、配列されることを特徴とする。
前記複数の材料が、交互に複数回、配列されることにより、研磨される基板面のどの領域においてでも前記複数の材料で研磨されるようにすることができる。その結果、均一な研磨を行なうことができる。
或いは、前記研磨パッドの表面において、前記複数の材料のうち1つの材料で覆う面中に、他の材料が、円状に配列されるように構成しても有効である。
剥離しやすい絶縁膜の機械的強度に応じて、高硬度部材或いは低硬度部材をベースにして、他方の部材をかかるベースの一部に円状に配列することにより、同様に、硬度の異なる複数の材料同士が、相手の欠点を補うことができる。
さらに、本発明における前記研磨パッドにおいて、前記複数の材料のうち、硬度の小さい材料を下層に配置し、前記硬度の小さい材料の上に、前記硬度の小さい材料と他の材料とを配置することを特徴とする。
研磨パッドを多層化し、下層に硬度の小さい材料を配置することにより研磨面の面内均一性を向上させることができる。さらに、上層に、前記硬度の小さい材料と他の材料とを配置することにより、下層に硬度の小さい材料を配置することにより生じるディシングおよびエロージョンを抑制するとともに、上層に硬度の大きい材料を配置するだけの場合と比べ、硬度の大きい材料の欠点を補うことができる。
或いは、本発明における前記研磨パッドにおいて、前記複数の材料のうち、硬度の小さい材料には開口部が形成され、
前記開口部に他の材料を配置するように構成することも有効である。
前記開口部に他の材料を配置することにより、表面には硬度の異なる複数の材料が配置され、その下に硬度の小さい材料が配置されることになり上述した構成と結果的に同様の効果を得ることができる。
さらに、本発明における前記研磨パッドは、上面に溝が形成され、前記溝の底部に貫通孔が設けられていることを特徴とする。
上面に溝が形成され、前記溝の底部に貫通孔が設けられていることにより、化学機械研磨する場合に、前記溝の底部から研磨液を供給することができる。さらに、溝をつたって供給された研磨液を研磨対象となる半導体基板表面全体に供給することができる。
さらに、前記研磨パッドにおいて、前記溝が格子状に形成されていることを特徴とする。
前記溝が格子状に形成されることで、さらに、研磨液の広がりを促進することができる。
本発明の研磨装置は、
平面運動機構を有するテーブルと、
前記テーブル上に配置され、硬度の異なる複数の材料が、研磨面となる表面に形成された研磨パッドと、
前記研磨パッド上に配置され、半導体基板表面を前記研磨パッド側に向けて支持する支持部と、
を備え、
前記テーブルと共に前記研磨パッドを平面運動させながら、前記半導体基板表面と接触させることにより前記半導体基板表面を化学機械研磨することを特徴とする。
硬度の異なる複数の材料が、研磨面となる表面に形成された研磨パッドを平面運動させながら、前記半導体基板表面を化学機械研磨することにより、上述したように、硬度の異なる複数の材料同士が互いの欠点を補うように前記半導体基板表面を化学機械研磨することができる。よって、前記半導体基板表面の平坦性および均一性を向上させることができる。
さらに、本発明における前記研磨パッドは、研磨パッドと前記半導体基板表面と間に研磨液を供給する供給孔が設けられていることを特徴とする。
前記研磨パッドと前記半導体基板表面と間に研磨液を供給する供給孔が設けられていることにより、前記研磨パッドから研磨液が半導体基板表面に供給される。そして、前記研磨パッドを平面運動させることにより、供給された研磨液を研磨対象となる半導体基板表面全体に供給することができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、
基体上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する開口部形成工程と、
前記開口部に導電性材料を堆積させる堆積工程と、
前記基体表面と対向する位置に配置する、硬度の異なる複数の材料が、研磨面となる表面に形成された研磨パッドを用いて、前記研磨パッドを平面運動させながら前記導電性材料が堆積した基体表面を化学機械研磨する研磨工程と、
を備えたことを特徴とする。
上述したように、硬度の異なる複数の材料が、研磨面となる表面に形成された研磨パッドを用いて、前記研磨パッドを平面運動させながら前記導電性材料が堆積した基体表面を化学機械研磨することにより、研磨面となる表面に、高硬度部材或いは低硬度部材による1つの材料が形成された研磨パッドを用いる場合に比べ、互いの欠点を補う化学機械研磨を行なうことができる。
以上説明したように、本発明によれば、高硬度部材或いは低硬度部材による1つの材料が形成された研磨パッドを用いる場合に比べ、互いの欠点を補うことができるので、low−k膜の剥離、ディシングおよびエロージョンを抑制するとともに、さらには、研磨速度の安定性を向上させることができる。
実施の形態1.
実施の形態1では、Cu―CMPの剥離の問題、不安定性の問題、及びディシング・エロージョンの問題を、硬度の異なる2種類以上の樹脂が表面にある複合CMPパッドでCMPを行うことにより解決する手法を説明する。特に、前記複合CMPパッドでCuのCMPを行うことによって、ダマシンCu配線を搭載した半導体装置を形成することができる。
図1は、実施の形態1における研磨パッドの一部を示す図である。
図1(b)に示すように、CMP装置に用いる研磨パッド100は、硬度の小さい材料の一例である低硬度樹脂102に形成された貫通していない開口部に、硬度の大きい材料の一例である高硬度樹脂104を配置するように構成する。樹脂は、ポリウレタン製のものが望ましい。ポリウレタン製にすることにより研磨する基板を傷つけないようにすることができる。配置の仕方は、図1(a)に示すように、低硬度樹脂102に設けられた四角状の開口部に、開口部のサイズより少し小さいサイズの四角状の高硬度樹脂104を配置し、研磨パッド表面において、低硬度樹脂102と高硬度樹脂104とが交互に複数配列されるように配置する。ここでは、市松模様を構成するように配置している。高硬度樹脂104のサイズを開口部のサイズより少し小さいサイズにすることにより、格子状の溝562を形成する。溝562を形成することにより、後述する研磨工程の際、研磨液を基板表面全面に送ることができる。図1では、後述する研磨液供給用の穴は省略している。
ここで、硬度の高い樹脂は、研磨速度の安定性とディシング・エロージョンを抑制することを担い、硬度の低い樹脂は、研磨のダメージを低減する効果を担っている。硬度の異なる複数の樹脂を研磨パッドの表面に配置することにより、低硬度樹脂102と高硬度樹脂104とが、互いの持つ効果を発揮し、逆に互いのもつ欠点を補うことができる。
図1では、一例として、高硬度樹脂104の面積が50%、低硬度樹脂102の面積が50%となるように配置した。かかる配置する面積割合は、後述するように、研磨するCu膜の下層に形成される絶縁膜の強度に応じて適宜決定することが望ましい。高硬度の樹脂としては、そのD硬度(shore D)が40から70の範囲であることが望ましく、低硬度の樹脂としては、そのD硬度が1から50の範囲であることが望ましい。
また、図1では、低硬度樹脂102に形成された貫通していない開口部に、硬度の大きい材料の一例である高硬度樹脂104を配置する。かかる構成のように、高硬度樹脂104の下に低硬度樹脂102が配置されるように構成することが望ましい。高硬度樹脂104の下に低硬度樹脂102が配置されるようにすることにより、ウエハ面内の均一性を改善することができる。
図2は、研磨装置の構成を説明するための概念図である。
図2において、研磨装置は、オービタル型のCMP装置である。CMPによる化学機械研磨の作用で研磨を行う。平面運動の一例であるオービタル運動機構を有するテーブルであるプラテン520上には、研磨パッド530が配置される。かかる研磨パッド530上に、研磨面を下に向け、すなわち前記研磨パッド530側に向けてウエハ300を保持部の一例であるキャリア510が保持する。ウエハ300表面には、後述するCu膜が形成される。研磨液560は、プラテン520の下部より研磨パッド530を抜けてウエハ300面内に供給される。
前記プラテン520と共に前記研磨パッド530をオービタル運動させながら、ウエハ300表面と前記研磨パッド530を接触させることにより、前記ウエハ300を化学機械研磨する。供給された研磨液560は、プラテン520のオービタル運動に伴い、外周部から排出される。ウエハ300表面で、ウエハ300面より大きく、ウエハ300と平行な、硬度の異なる2種類の樹脂で表面が構成された研磨パッド530面で研磨することにより、均一な研磨を行なうことができる。
図3は、実施の形態1におけるオービタル運動の様子を説明するための図である。
図3において、C1は、研磨パッド530の中心位置、C2は、キャリア510に支持されたウエハ300の中心位置、Aは、研磨パッド530に配置された所定の1点の位置を示している。
図3に示すように、ウエハ300の位置を固定して表わすと、研磨パッド530は、自転せずに所定の周回軌道を移動する。オービタル型の研磨装置では、研磨プラテン520がその中心を軸として回転するのではなく、研磨プラテン520上の全ての点が円を描くように回転するものである。その回転半径は1cmから10cmの範囲であることが望ましい。
さらに、ここでは、キャリア510は、ウエハ300を保持しながら回転させる。ウエハ300を回転させることで、研磨液(スラリー)の排出を促進することができる。
以下、図2の研磨装置を使用した半導体装置の製造方法を説明する。
図4は、半導体装置の構成のうち、層間絶縁膜として、下層のSiO膜形成工程からlow−k膜上のSiO膜形成工程までを示す工程断面図である。それ以降の工程は後述する。
図4(a)において、SiO膜形成工程として、基体200上にCVD法によって、例えば、膜厚200nmの下地SiO膜を堆積し、SiO膜210を形成する。ここでは、CVD法によって成膜しているが、その他の方法を用いても構わない。基体200として、例えば、直径300ミリのシリコンウエハ等の基板を用いる。ここでは、デバイス部分の形成を省略している。
図4(b)において、SiC膜形成工程として、SiO膜210の上に、CVD法によって、SiCを用いた膜厚50nmの下地SiC膜を堆積し、SiC膜212を形成する。ここでは、CVD法によって成膜しているが、その他の方法を用いても構わない。SiC膜212は、エッチングストッパとしての機能も有する。SiC膜の代わりに比誘電率の低いSiOC膜を用いても構わない。或いは、信頼性の高いSiCN膜、SiN膜を用いることができる。
図4(c)において、low−k膜形成工程として、基体200の上に形成された前記SiC絶縁膜形成工程により形成されたSiC膜212の上に多孔質の絶縁性材料を用いたlow−k膜220を200nmの厚さで形成する。low−k膜220を形成することで、比誘電率kが3.5よりも低い層間絶縁膜を得ることができる。low−k膜220の材料としては、例えば、多孔質のメチルシルセスキオキサン(methyl silsequioxane:MSQ)を用いることができる。また、その形成方法としては、例えば、溶液をスピンコートし熱処理して薄膜を形成するSOD(spin on dielectic coating)法を用いることができる。ここでは、スピナーの回転数は900min−1(900rpm)で成膜した。このウエハをホットプレート上で窒素雰囲気中150℃の温度で75秒間の第1のベークを行い、さらに250℃の温度で75秒間第2のベークを行った後、最終的にホットプレート上で窒素雰囲気中450℃の温度で10分間のキュアを行った。MSQの材料や形成条件などを適宜調節することにより、所定の物性値を有する多孔質の絶縁膜が得られる。例えば、密度が0.68g/cmで比誘電率kが1.8、空孔率が55%、ヤング率が1.6GPa、硬度が0.18GPa物性値を有するlow−k膜220が得られる。low−k膜のSiとOとCの組成比は、Siが30%、Oが53%、Cが17%とする。
そして、Heプラズマ処理工程として、このlow−k膜220表面をCVD装置内でヘリウム(He)プラズマ照射によって表面改質する。Heプラズマ照射によって表面が改質されることで、low−k膜220とlow−k膜220上に形成する後述するキャップ膜としてのCVD−SiO膜222との接着性を改善することができる。ガス流量は1.7Pa・m/s(1000sccm)、ガス圧力は1000Pa、高周波パワーは500W、低周波パワーは400W、温度は400℃とした。キャップCVD膜をlow−k膜上に成膜する際は、low−k膜表面にプラズマ処理を施すことがキャップCVD膜との接着性を改善する上で有効である。プラズマガスの種類としてはアンモニア(NH)、亜酸化窒素(NO)、水素(H)、He、酸素(O)、シラン(SiH)、アルゴン(Ar)、窒素(N)などがあり、これらの中でもHeプラズマはlow−k膜へのダメージが少ないために特に有効である。また、プラズマガスはこれらのガスを混合したものでも良い。例えば、Heガスは他のガスと混合して用いると効果的である。
図4(d)において、SiO膜形成工程として、前記Heプラズマ処理を行った後、キャップ膜として、CVD法によってlow−k膜220上にSiOを膜厚50nm堆積することで、SiO膜222を形成する。SiO膜222を形成することで、直接リソグラフィを行うことができないlow−k膜220を保護し、low−k膜220にパターンを形成することができる。かかるキャップCVD膜は、SiO膜、SiC膜、SiOC膜、SiCN膜などがあるが、ダメージ低減の観点からはSiO膜が優れ、低誘電率化の観点からはSiOC膜が、耐圧向上の観点からはSiC膜やSiCN膜が優れている。さらに、SiO膜とSiC膜の積層膜、もしくはSiO膜とSiCO膜の積層膜、もしくはSiO膜とSiCN膜の積層膜を用いることができる。さらにキャップCVD膜の一部、もしくは全てが後述する平坦化工程においてCMPにより除去されても良い。キャップ膜を除去することで誘電率をさらに低減することができる。キャップ膜の厚さとしては10nmから150nmが良く、10nmから50nmが実効的な比誘電率を低減する上で効果的である。
以上の説明において、下層配線における層間絶縁膜は、比誘電率が3.5以下のlow−k膜でなくても構わないが、low−k膜(特に、ポーラスlow−k膜)を含む場合に特に有効である。なぜならば、low−k膜は絶縁耐圧が低い材料が多いだけでなく、CMPプロセスによりダメージを受けやすいからである。言い換えれば、low−k膜は機械的強度が低く、硬質のパッドを用いたCMPにより剥離ダメージを受けやすいからである。軟質パッドを複合したCMPパッドを用いることによってlow−k膜の剥離は大幅に改善することが可能となる。比誘電率が3.5以下の低誘電率絶縁膜としてlow−k膜を一部に形成することで、半導体装置の微細化を図ることができる。low−k膜の種類としては、塗布されることにより形成されるMSQやHSQ(Hydrogen Silsesquioxane)、ポリマー、CVDにより形成されるSiOC系やポリマーのいずれも用いることができる。また、low−k膜の比誘電率は3.0以下のもの、特に2.6以下のものに対して有効である。また、CVD膜とスピン塗布膜を比較した場合、特にスピン塗布膜に対して有効である。前記low−k膜の膜厚としては、100nmから1000nmの範囲であることが望ましい。前述のMSQ膜の組成としては、珪素の濃度は20%から40%、炭素の濃度は10%から30%、酸素の濃度は40%から60%が望ましい。
図5は、配線形成のための開口部形成工程からめっき工程までを示す工程断面図である。それ以降の工程は後述する。
図5(a)において、開口部形成工程として、リソグラフィ工程とドライエッチング工程でダマシン配線を作製するための配線溝構造である開口部150をSiO膜222とlow−k膜220と下地SiC膜212内に形成する。図示していないレジスト塗布工程、露光工程等のリソグラフィ工程を経てSiO膜222の上にレジスト膜が形成された基体200に対し、露出したSiO膜222とその下層に位置するlow−k膜220を、下地SiC膜212をエッチングストッパとして異方性エッチング法により除去し、その後、下地SiC膜212をエッチングして開口部150を形成すればよい。異方性エッチング法を用いることで、基体200の表面に対し、略垂直に開口部150を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング法により開口部150を形成すればよい。
図5(b)において、バリアメタル膜形成工程として、前記開口部形成工程により形成された開口部150及びSiO膜222表面にバリアメタル材料を用いたバリアメタル膜240を形成する。物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)法の1つであるスパッタ法を用いるスパッタリング装置内で窒化タンタル(TaN)を膜厚5nm、タンタル(Ta)膜を膜厚8nm堆積し、バリアメタル膜240を形成する。TaN膜とTa膜とを積層することで、TaN膜によりCuのlow−k膜220への拡散防止を図り、Ta膜によりCuの密着性向上を図ることができる。バリアメタル材料の堆積方法としては、原子層気相成長(atomic layer deposition:ALD法、あるいは、atomic layer chemical vapor deposition:ALCVD法)やCVD法などを用いることでPVD法を用いる場合より被覆率を良くすることができる。
前記バリアメタル膜は、Ta膜、TaN膜、もしくはその積層膜であることが望ましい。前記バリアメタル膜の成膜方法は、CVD法もしくはALD法であることが被覆性の観点から望ましいが、上述したスパッタ法などのPVD法であっても有効である。
図5(c)において、シード膜形成工程として、スパッタ等の物理気相成長(PVD)法により、次の工程である電解めっき工程のカソード極となるCu薄膜をシード膜250としてバリアメタル膜240が形成された開口部150内壁及び基体200表面に堆積(形成)させる。ここでは、シード膜250を膜厚50nm堆積させた。
図5(d)において、めっき工程として、シード膜250をカソード極として、電解めっき等の電気化学成長法によりCu膜260を開口部150及び基体200表面に堆積させる。ここでは、膜厚500nmのCu膜260を堆積させ、堆積させた後にアニール処理を250℃の温度で30分間行った。
図6は、平坦化する研磨工程を示す工程断面図である。
図6において、研磨工程として、CMP法によってSiO膜222の表面に堆積された導電部としての配線層となるCu膜260、シード膜250、及びバリアメタル膜240をCMP研磨もしくは電解研磨により除去することにより、図6に表したような埋め込み構造を形成する。前記研磨工程において、表面の軟質の樹脂により、硬質の樹脂の強すぎる効果を抑制し、一部に形成された比誘電率が3.5以下の低誘電率絶縁膜と他の部分に形成された絶縁膜との剥離を抑制することができる。また、表面の硬質の樹脂により、軟質の樹脂の軟らかすぎる効果を抑制し、ディシングやエロージョンを抑制することができる。さらには、研磨速度の不安定性を解消することができる。
図7は、実施の形態1における研磨装置の概要構成断面図である。
研磨装置は、図示していないオービタル回転機構とヘッド回転機構とにより、プラテン520とキャリア510とを平面運動させる。プラテン520をオービタル回転機構によりオービタル回転させ、キャリア510をヘッド回転機構により自転させる。研磨荷重は1.03×10Pa(1.5psi)に設定した。ここで、研磨パッドには、図1で示した複合研磨パッドを用いた。図1に示すように、研磨パッドは、格子状のXY型の溝が形成されており、溝ごとに2種類の硬度の異なる樹脂が交互に配置されている。ここでは、高硬度樹脂104のD硬度は60、低硬度樹脂102のD硬度は30とした。また、図1では、面積割合が50%ずつに記載されているが、ここでは、low−k膜220の強度の観点から高硬度樹脂104が占める面積が30%、低硬度樹脂102が占める面積が70%とした(溝の部分は省く)。樹脂はポリウレタン製のものである。
研磨液となるCu用スラリーはコロイダルシリカ砥粒を含むスラリー、もしくは砥粒フリースラリーを用いた。いずれも100以上の高い選択比(Cu対バリアメタル)を有するものを用いた。バリアメタル用スラリーはコロイダルシリカ砥粒を含むスラリーを用い、CuとバリアメタルとSiOの選択比が1:4:2のものを用いた。
図8は、高硬度樹脂が占める面積と低硬度樹脂が占める面積とを変更した研磨パッドの一部を示す図である。
図8では、低硬度樹脂102が占める面積に対して、高硬度樹脂104が占める面積を小さくした場合を示している。それぞれの硬度の樹脂が研磨パッドの面積のどの程度の割合を占めるかは、low−k膜の機械的強度を考慮して決めることができる。例えば、比誘電率kが2.7以上の場合、高硬度の樹脂の面積が80%、低硬度の樹脂の面積が20%が望ましい。比誘電率kが2.0より大きく2.7より小さい場合、高硬度の樹脂の面積が50%、低硬度の樹脂の面積が50%が望ましい。また、比誘電率kが2.0以下の場合、高硬度の樹脂の面積が30%、低硬度の樹脂の面積が70%が望ましい。
図9は、多層化された研磨パッドの一部を示す図である。
図1では、低硬度樹脂102に貫通しない開口部を形成し、かかる開口部に高硬度樹脂104を埋め込んでいたが、図9に示すように、低硬度樹脂102の上に、低硬度樹脂102と高硬度樹脂104とを交互に複数配列するように構成しても構わない。研磨パッドは単層パッドでも2層パッドでも良いが、2層の場合は下層が上層よりも軟質の樹脂であることがウエハ面内の均一性を改善する観点から望ましい。
図10は、研磨パッド表面での硬度の異なる材料の配置の仕方の一例を示す図である。
硬度の異なる2種類以上の樹脂は、パッド上に形成された溝ごとに区切られていることが望ましい。図10(a)に示すように、溝562を空けて直線状に形成された低硬度樹脂102と高硬度樹脂104とが、交互に複数配列されるようにしてもよい。溝562の形状は、図1に示すような格子状のXY型が望ましいが、溝562の形状が一方向に交互に繰り返されたもの(一方向の直線状のX型)もパッド作製が容易であるという観点から良い。或いは、図10(b)に示すように、軟質パッドとなる低硬度樹脂102内に多数の丸状の穴を形成して、その中に硬質パッドとなる高硬度樹脂104が入っているものでも良い。或いは、その逆の構造である硬質パッド内に多数の丸状の穴を形成して、その中に軟質パッドがあっても良い。ここでは、溝562も円形をしているが、XY型或いはX型であってもよい。或いは、図10(c)に示すように、円形で内側の円を除いた、いわゆるドーナツ状に低硬度樹脂102と高硬度樹脂104とが、交互に複数配列されるようにしてもよい。ここでも、溝562は、円形をしているが、XY型或いはX型であってもよい。或いは、図10(d)に示すように、低硬度樹脂102と高硬度樹脂104とが、溝562を空けて隣り合うようにしながら螺旋を描くように配列されるようにしてもよい。ここでも、溝562は、円形をしているが、XY型或いはX型であってもよい。ここでも図1同様、研磨液供給用の穴は省略している。
図11は、研磨パッドの表面形状を示す図である。
図11(a)に示すように、研磨パッド530の表面には、格子状の溝562が形成されている。ここでは、例えば、図1の研磨パッドで説明する。溝の交差する位置の底部に前記供給孔550が設けられている。研磨パッド530の上面に溝が形成され、前記溝の底部から研磨液560が供給されることにより、溝をつたって研磨液560をウエハ300表面全体に供給することができる。また、前記研磨パッド530とウエハ300表面との間に残った研磨液560を排出し、新しい研磨液560と置換することができる。そして、前記溝が格子状に形成されることで、さらに、研磨液の広がりを促進することができる。図11(b)に示すように、溝は、例えば、幅2mm、深さ1mmに形成する。図11では、格子状の溝が形成されているが、これに限るものではなく、上述したように、例えば、同心円状の溝が形成されてもよい。図11では、低硬度樹脂102と高硬度樹脂104との区別を省略している。
研磨パッド530には、例えば、140個のスラリー供給用の穴(供給孔550)が施され、研磨液560はこの供給孔550を通して研磨プラテン520の下から図7の矢印のように供給される。設定された研磨荷重によって研磨パッド530とウエハ300表面は接触しており、研磨液560は研磨パッドに施された溝の中を通過して研磨プラテン520の外部に流されるものである。前記研磨パッド530と前記ウエハ300表面と間に研磨液560を供給する供給孔550が設けられていることにより、従来のような前記研磨パッドの上方から滴下される場合より確実に研磨液をウエハ300表面に供給することができる。
以上のように、研磨液は、研磨布となる研磨パッド530に形成された穴を通して研磨プラテン520の裏側からウエハ300表面に供給されることが望ましい。特に、研磨パッド530の表面に格子状の溝や同心円状の溝が施されていることが研磨液を高速に流動させる観点から望ましい。研磨布中の溝が施されている面積は10%から40%であることが高研磨速度を維持する上で望ましい。
図12は、ロータリ型のCMP装置の構成を示す概念図である。
CMP装置は図2に示すようなオービタル型のものでも図12に示すようなロータリ型のものでもどちらでも適用することができる。図12に示すように、ロータリ型のCMP装置において、プラテン620上に配置された、硬度の異なる複数の樹脂が研磨表面に形成された研磨パッド630上に、研磨面を下に向けて基板300をキャリア610が保持する。そして、スラリーを研磨液660として、供給ノズル650から供給する。キャリア610を図12に示すように回転することで基板300を回転させ、プラテン620も回転させる。プラテン620の回転方向先に位置する基板300の手前に研磨液660を供給することで、研磨液660が基板300面内に供給される。
上述した条件でCuのCMPを行った結果、400nm/分の速度でCuが研磨され、研磨を始めてから約70秒で光学式終点信号が検知されてCMPが終了した。その後、TaNのCMPをCMPスラリーに切り替えて1分間研磨を行い、キャップSiO膜222が露出するまで研磨した。
図13は、CMP後の試料の状態を示す概念図である。
CMP後のウエハを欠陥検査装置で検査したところ、図13(b)に示すようにディシングとエロージョンは、許容できる範囲である30nm以下に抑制することができた。さらに、low−k膜の剥離は全く見られなかった。研磨残りも無かった。また、ウエハごとに研磨速度は安定しており(WTWNU; wafer−to−wafer non−uniformity<3%)、ウエハ面内の均一性も良かった(WIWNU;within−wafer non−uniformity<4%)。
これに対して、従来の硬質パッド(D硬度が60のポリウレタン製のもの)でCMPを行った場合、ポーラスlow−k膜に剥離が発生した。一方、従来の軟質パッド(D硬度が40以下のポリウレタン製のもの)でCMPを行った場合、ポーラスlow−k膜に剥離は発生しなかったが、図13(a)に示すような大きなエロージョンとディッシングが発生した。100ミクロンパッドで100nm以上のディシングが発生し、50%以上の密度でCu配線がある場所では50nm以上のエロージョンが発生した。また、ウエハ内の一部で研磨残りが発生することが頻発した。さらにウエハごとに研磨速度が安定せず、ウエハ面内の均一性も劣化した(10%以上)。
本実験をデバイスが搭載されたウエハで実施しても同様の効果を確認することができた。1層目のCu配線層だけでなく、2層目のCu配線層においてもlow−k膜が剥離なく研磨することができ、さらに3層目以上のCu配線層でも剥離なく研磨することができた。low−k材料としては、MSQ以外にHSQ(Hydrogen Silsesquioxane)やポリマー、CVD法によるSiOCを用いても剥離なく研磨することができた。
以上のように、CMPパッドの表面が硬質パッドと軟質パッドを複合したものでCMPを行うことにより、ポーラスlow膜を含むダマシンCu配線を作製する。複合型の研磨パッドを用いることにより、硬質パッドによるポーラスlow−k膜の剥離を抑制し、かつ軟質パッドによる研磨の不安定性を改善することが可能となる。
半導体装置の製造をさらに進めていくには、以下のようにしていけばよい。
図14は、平坦化する研磨工程後、第2の絶縁膜としてのlow−k膜形成工程までを示す工程断面図である。
図14において、研磨処理後、還元性プラズマ処理工程として、CVD装置内でアンモニア(NH)プラズマ処理を行なう。この処理により図6における平坦化工程でのCu−CMPの際にスラリーとの反応によって形成されたCu表面の錯体を還元し、キャップSiO膜上に存在する残留有機物を除去することができる。この処理によりCu−CMPの際にスラリーとの反応によって形成されたCu表面の錯体が還元され、キャップSiO2膜上にある残留有機物も除去されることから絶縁耐圧は改善される。前記還元性のプラズマはアンモニアプラズマ、もしくは水素(H)プラズマが効果的であり、特にアンモニアプラズマが処理装置内におけるガスの扱い易さから好ましい。
還元性プラズマ処理工程では、図示していないCVD装置内におけるチャンバの内部にて、下部電極を兼ねた温度が400℃に制御された基板ホルダの上に基体200となる半導体基板を設置する。そして、チャンバの内部に上部電極内部からガスを供給する。供給するガス流量は11.8Pa・m/s(7000sccm)とした。真空ポンプにより233Paのガス圧力になるように真空引きされたチャンバの内部の上記上部電極と下部電極との間に高周波電源を用いてプラズマを生成させる。高周波パワーは560W、低周波パワーは250W、処理時間は10秒とした。
そして、次の層における第2の絶縁膜形成工程の一部であるSiC膜形成工程として、還元性プラズマ処理した同じCVD装置内で400℃の温度で30nmの膜厚のSiC膜275を形成する。SiC膜275は拡散防止膜の働きがあり、このSiC膜275を形成することで、Cuの拡散を防止することができる。かかるCVD法で形成されるSiC膜275の他に、SiCN膜、SiCO膜、SiN膜、SiO膜を用いることができる。そして、low−k膜形成工程として、図4(c)で説明した工程と同様に、SiC膜275の上にSiC膜275よりも比誘電率の低い低誘電率膜である、多孔質の絶縁性材料を用いたlow−k膜280を形成する。以降、多層配線を必要に応じ順次形成する。
前記実施の形態において、比誘電率が2.6以下の場合、ポーラスlow−k膜が主流となるため、配線溝におけるlow−k膜の側壁が20nm以下の膜厚のCVD膜で被覆保護されていることが望ましい。これはポーラスlow−k膜のポアシーリングの働きがある。特に、バリアメタル膜をCVD法やALD法によって形成する場合に染み込みが無くなるために効果的である。このポアシーリングのためのCVD膜の種類としては、SiC膜、SiCH膜、SiCN膜、SiCO膜、SiN膜が望ましい。特に、低誘電率の観点からSiC膜やSiCH膜が最適である。
以上の説明において、バリアメタルとして、Ta、TaNに限らず、TaCN(炭化窒化タンタル)、WN(窒化タングステン)、WCN(炭化窒化タングステン)、TiN(窒化チタン)等の高融点金属の窒化膜或いは窒化炭素膜であっても構わない。或いはチタン(Ti)、WSiN等であっても構わない。
ここで、上記実施の形態における配線層の材料として、Cu以外に、Cu−Sn合金、Cu−Ti合金、Cu−Al合金等の、半導体産業で用いられるCuを主成分とする材料を用いて同様の効果が得られる。
なお、多層配線構造などを形成する場合には、各図において基体200は、下層の配線層と絶縁膜とが形成されたものである。
上記各実施の形態においては、多孔質絶縁膜の材料としては、多孔質誘電体薄膜材料としてのMSQに限らず、他の多孔質無機絶縁体膜材料、多孔質有機絶縁体膜材料を用いても同様の効果を得ることができる。
特に、多孔質の低誘電率材料に上記各実施の形態を適用した場合には、上述の如く顕著な効果が得られる。上記各実施の形態において多孔質絶縁膜の材料として用いることができるものとしては、例えば、各種のシルセスキオキサン化合物、ポリイミド、炭化フッ素(fluorocarbon)、パリレン(parylene)、ベンゾシクロブテンをはじめとする各種の絶縁性材料を挙げることができる。
以上、具体例を参照しつつ各実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
例えば、各実施の形態で層間絶縁膜が形成された基体200は、図示しない各種の半導体素子あるいは構造を有するものとすることができる。また、半導体基板ではなく、層間絶縁膜と配線層とを有する配線構造の上に、さらに層間絶縁膜を形成してもよい。開口部も半導体基板が露出するように形成してもよいし、配線構造の上に形成してもよい。
さらに、層間絶縁膜の膜厚や、開口部のサイズ、形状、数などについても、半導体集積回路や各種の半導体素子において必要とされるものを適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての半導体装置の製造方法は、本発明の範囲に包含される。
また、説明の簡便化のために、半導体産業で通常用いられる手法、例えば、フォトリソグラフィプロセス、処理前後のクリーニング等は省略しているが、それらの手法が含まれることは言うまでもない。
実施の形態1における研磨パッドの一部を示す図である。 研磨装置の構成を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるオービタル運動の様子を説明するための図である。 半導体装置の構成のうち、層間絶縁膜として、下層のSiO膜形成工程からlow−k膜上のSiO膜形成工程までを示す工程断面図である。 配線形成のための開口部形成工程からめっき工程までを示す工程断面図である。 平坦化する研磨工程を示す工程断面図である。 実施の形態1における研磨装置の概要構成断面図である。 高硬度樹脂が占める面積と低硬度樹脂が占める面積とを変更した研磨パッドの一部を示す図である。 多層化された研磨パッドの一部を示す図である。 研磨パッド表面での硬度の異なる材料の配置の仕方の一例を示す図である。 研磨パッドの表面形状を示す図である。 ロータリ型のCMP装置の構成を示す概念図である。 CMP後の試料の状態を示す概念図である。 平坦化する研磨工程後、第2の絶縁膜としてのlow−k膜形成工程までを示す工程断面図である。 従来のlow−k膜とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。 CMPを用いた研磨工程時の半導体装置の断面例を示す図である。 軟質の研磨パッドを用いて研磨した場合の研磨状況を説明するための図である。
符号の説明
100 研磨パッド
102 低硬度樹脂
104 高硬度樹脂
200 基体
210,222 SiO
212,275 SiC膜
220,280 low−k膜
221,281 絶縁膜
240 バリアメタル膜
250 シード膜
260 Cu膜
300 ウエハ
510,610 キャリア
520,620 プラテン
530,630 研磨パッド
550 供給孔
560,660 研磨液
562 溝
650 供給ノズル

Claims (10)

  1. 化学機械研磨(CMP)装置に用いる研磨パッドにおいて、
    硬度の異なる複数の材料が、研磨面となる表面に形成されることを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記研磨パッドの表面に、前記複数の材料が、交互に複数回、配列されることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
  3. 前記研磨パッドの表面において、前記複数の材料のうち1つの材料で覆う面中に、他の材料が、円状に配列されることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
  4. 前記研磨パッドにおいて、前記複数の材料のうち、硬度の小さい材料を下層に配置し、前記硬度の小さい材料の上に、前記硬度の小さい材料と他の材料とを配置することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の研磨パッド。
  5. 前記研磨パッドにおいて、前記複数の材料のうち、硬度の小さい材料には開口部が形成され、
    前記開口部に他の材料を配置することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の研磨パッド。
  6. 前記研磨パッドは、上面に溝が形成され、前記溝の底部に貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
  7. 前記研磨パッドにおいて、前記溝が格子状に形成されていることを特徴とする請求項6記載の研磨パッド。
  8. 平面運動機構を有するテーブルと、
    前記テーブル上に配置され、硬度の異なる複数の材料が、研磨面となる表面に形成された研磨パッドと、
    前記研磨パッド上に配置され、半導体基板表面を前記研磨パッド側に向けて支持する支持部と、
    を備え、
    前記テーブルと共に前記研磨パッドを平面運動させながら、前記半導体基板表面と接触させることにより前記半導体基板表面を化学機械研磨することを特徴とする研磨装置。
  9. 前記研磨パッドは、研磨パッドと前記半導体基板表面と間に研磨液を供給する供給孔が設けられていることを特徴とする請求項8記載の研磨装置。
  10. 基体上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
    前記絶縁膜に開口部を形成する開口部形成工程と、
    前記開口部に導電性材料を堆積させる堆積工程と、
    前記基体表面と対向する位置に配置する、硬度の異なる複数の材料が、研磨面となる表面に形成された研磨パッドを用いて、前記研磨パッドを平面運動させながら前記導電性材料が堆積した基体表面を化学機械研磨する研磨工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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