JP2006140179A - 固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コンデンサ素子の積層方向であって複数のコンデンサ素子の最上層から第1層の方向に向けてレーザを照射したときに、レーザ照射により基板を貫通してしまうことを防止する固体電解コンデンサの製造方法、及び当該製造方法により製造される固体電解コンデンサの提供。
【解決手段】 4つのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の端部11B〜41Bは、これらを互いに電気的に接続する第1接続部1Aを有する。コンデンサ素子10は、コンデンサ素子10と基板50の第1の導電パターン51Aとを電気的に接続する第2接続部1B、1Bを有する。第1接続部1A、第2接続部1Bは、それぞれコンデンサ素子10〜40の積層方向の最上層40から第1層10に向けて照射されるレーザにより溶接されてなる。
【選択図】図4

Description

本発明は固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法に関し、特に複数のコンデンサ素子が積層され基板上に載置されてなる固体電解コンデンサ、及び当該固体電解コンデンサの製造方法に関する。
固体電解コンデンサとしては、コンデンサ素子が基板上に載置されて1つの固体電解コンデンサをなす構成が従来より知られている。例えば、特開2004−104048号公報(特許文献1参照)にはこの構成の固体電解コンデンサが記載されている。固体電解コンデンサは、固体電解コンデンサを構成する1つ又は2つのコンデンサ素子が基板上に載置されて構成されており、載置されたコンデンサ素子の陽極部、陰極部にそれぞれ接続された導電パターンは、スルーホールを介して基板のコンデンサ素子が載置されている側に対する反対の側に設けられた導電パターンに接続されている。
特開2004−104048号公報
高い静電容量を確保するためには、略板状の複数のコンデンサ素子が積層され電気的に並列接続されて固体電解コンデンサ素子を構成することが考えられる。この場合コンデンサ素子としては、表面に酸化膜層が形成された弁作用金属からなる板状の陽極部の、当該表面の所定の領域上に層状に陰極部が形成される構成が考えられる。
より具体的には、弁作用金属の表面全体には絶縁性の酸化膜層が形成され、陰極部は、固体電解質層とグラファイトペースト層と銀ペースト層とからなり、この順で酸化膜層上に積層される。このような構成のコンデンサ素子が複数積層され、基板上に載置される。基板上には第1の導電パターンと第2の導電パターンとが設けられており、基板は複数のコンデンサ素子と平行な位置関係で第1層のコンデンサ素子と対向配置され、積層されたコンデンサ素子のうちの第1層のコンデンサ素子の陽極部が第1の導電パターンに電気的に接続され、陰極部が第2の導電パターンに電気的に接続される。
積層されたコンデンサ素子が載置される基板の裏面には、積層されたコンデンサ素子の第1層に対向する表面同様に、第1の導電パターンと第2の導電パターンとが設けられている。裏面の第1の導電パターン、第2の導電パターンは、基板に形成されたスルーホールを介して表面の第1の導電パターン、第2の導電パターンにそれぞれ電気的に接続されている。裏面の第1の導電パターン、第2の導電パターンは、それぞれ固体電解コンデンサを電子回路等に実装するためのいわゆるユーザ端子である。
陰極部を構成する銀ペースト層は導電性を有しているため、複数のコンデンサ素子の陰極部と第2の導電パターンとの接続は、導電性接着剤を複数のコンデンサ素子の陰極部間、及び第1層のコンデンサ素子の陰極部と基板の第2の導電パターンとの間に塗布することにより行うことが考えられる。
陽極部の表面全体には、前述のように絶縁性の酸化膜層が形成されているため、陰極部の場合のように導電性接着剤を用いて接続することはできない。そこで、複数のコンデンサ素子の陽極部の第1の導電パターンへの接続は、コンデンサ素子の積層方向であって最上層から第1層の方向に向けてレーザ照射を行い、最上層から基板の第1の導電パターンに至るまでレーザにより溶融させることにより互いに電気的に接続することが考えられる。
レーザ照射を行う際には、基板のユーザ端子、即ち、基板の裏面の第1の導電パターンを損傷しないようにするために、複数の陽極部をレーザにより貫通し基板の表面上の第1の導電パターンに至るまで照射が行われるようにし、且つ基板を貫通しないようにする必要がある。基板を貫通してユーザ端子を損傷してしまうと、固体電解コンデンサの信頼性が低下し、また、固体電解コンデンサを製造するときの歩留まりが悪くなるからである。また、損傷したユーザ端子の部分から水分が浸入し、ショートをまねく恐れがあるからである。
しかし、レーザの照射出力を調整してユーザ端子の損傷を防止しようとしても、コンデンサ素子が複数層積層されているため実際にはこの調整は難しく、レーザ照射により基板を貫通してしまい、ユーザ端子を損傷してしまうという不具合が生ずる。また、基板を貫通させないためにレーザ照射の出力を弱くすると、基板の表面上の第1の導電パターンへの複数のコンデンサ素子の溶接が不十分となってしまうという不具合が生ずる。
そこで、本発明は、コンデンサ素子の積層方向であって複数のコンデンサ素子の最上層から第1層の方向に向けてレーザを照射したときに、レーザ照射により基板を貫通してしまうことを防止する固体電解コンデンサの製造方法、及び当該製造方法により製造される固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、基板と、コンデンサ素子とを備える固体電解コンデンサである。基板には、表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ、該表面の該第1導電パターン、該第2の導電パターンは、それぞれ該裏面の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンとスルーホールを介して電気的に接続される。コンデンサ素子は、表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部と、該陽極部の表面の所定の領域に固体電解質層を有して層状に形成された陰極部とにより構成される。また、該コンデンサ素子は、該基板の表面上に載置されて該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該陽極部、該陰極部が電気的に接続される。該コンデンサ素子は略板状をなし複数設けられ、該複数のコンデンサ素子は該陽極部の端部同士が互いに隣接して積層配置されるとともに該陰極部同士が互いに隣接して積層配置され、該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該陽極部の端部、該陰極部が整合配置される。該複数のコンデンサ素子は、少なくとも積層固定用のコンデンサ素子と基板固定用のコンデンサ素子との2種類を有する。全ての該積層固定用のコンデンサ素子の該陽極部の端部及び該基板固定用のコンデンサ素子の該陽極部の端部は、互いに溶接されて互いに電気的に導通する第1の接続部を有する。また、該基板固定用のコンデンサ素子の該陽極部の端部は、該複数のコンデンサ素子の積層方向において該積層固定用コンデンサ素子の陽極部の端部とは重ならない位置で該基板の表面上の該第1の導電パターンと溶接されて電気的に導通する第2の接続部を有する。
全ての積層固定用のコンデンサ素子の陽極部の端部及び基板固定用のコンデンサ素子の陽極部の端部は、互いに溶接されて互いに電気的に導通する第1の接続部を有し、基板固定用のコンデンサ素子の陽極部の端部は、複数のコンデンサ素子の積層方向において積層固定用コンデンサ素子の陽極部の端部とは重ならない位置で基板の表面上の第1の導電パターンと溶接されて電気的に導通する第2の接続部を有するため、第2の接続部によって基板に固定されるコンデンサ素子を基板固定用コンデンサ素子のみとすることができ、複数のコンデンサ素子の積層方向においてすべてのコンデンサ素子を積層した場合の全体の厚さよりも比較的薄くすることができる。このため、第2の接続部を形成するために溶接が行われる際に、溶接の照射出力を調整することが容易となり、レーザ等の溶接の照射出力を低くすることにより、基板を貫通して基板の裏面の第1の導電パターンを損傷することを防止することができる。このため、製品の信頼性、歩留まりを向上させることができる。
また、表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ、表面の第1導電パターン、第2の導電パターンは、それぞれ裏面の第1の導電パターン、第2の導電パターンとスルーホールを介して電気的に接続される基板の、表面の第1の導電パターンと第2の導電パターンとにそれぞれ積層された複数のコンデンサ素子の陽極部、陰極部が電気的に接続されるため、裏面の第1の導電パターン、第2の導電パターンをユーザ電極とすることができる。このため、ユーザ端子としてリードフレームを用いる場合と比較して、積層された複数のコンデンサ素子とユーザ電極との距離を極めて短くすることができ、ESR(等価直列抵抗)を低減することができる。
また、表面の第1導電パターンと裏面の第1導電パターンとを結ぶスルーホールと、表面の第2導電パターンと裏面の第2導電パターンとを結ぶスルーホールとが近接して平行に配置されている場合には、第1の導電パターンには積層された複数のコンデンサ素子の陽極部が電気的に接続され、第2の導電パターンには積層された複数のコンデンサ素子の陰極部が電気的に接続されているため、各スルーホール内を流れる電流により発生する磁束が互いに打ち消しあい、ユーザ端子としてリードフレームを用いる場合と比較して、固体電解コンデンサにおいて生ずるESL(等価直列インダクタンス)を低減することができる。
ここで、該基板と該基板固定用のコンデンサ素子との間には、該第2の接続部形成に要する熱により溶融する低融点金属材料が介装されていることが好ましい。この構成により、照射力の強いレーザ等により溶接する代わりに、照射力の弱いレーザ等により基板固定用のコンデンサ素子の陽極部の端部を加熱することにより溶融した低融点金属によって、基板上の第1の導電パターンと基板固定用のコンデンサ素子とを電気的に接続することができる。
また、本発明は、基板と、コンデンサ素子とを備える固体電解コンデンサである。基板には、表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ、該表面の該第1導電パターン、該第2の導電パターンは、それぞれ該裏面の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンとスルーホールを介して電気的に接続される。コンデンサ素子は、表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部と、該陽極部の表面の所定の領域に固体電解質層を有して層状に形成された陰極部とにより構成される。また、該コンデンサ素子は、該基板の表面上に載置されて該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該陽極部、該陰極部が電気的に接続される。該コンデンサ素子は略板状をなし複数設けられ、該複数のコンデンサ素子は該陽極部の端部同士が互いに隣接して積層配置されるとともに該陰極部同士が互いに隣接して積層配置され、該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該陽極部の端部、該陰極部が整合配置される。該複数のコンデンサ素子の陽極部の端部と該基板の表面の第1導電パターンの間には、導電性の材料からなる略板状のスペーサが該コンデンサ素子に平行に設けられ、全ての該コンデンサ素子の該陽極部の端部及び該スペーサは、互いに溶接されて電気的に導通する第1の接続部を有する。該スペーサは、該複数のコンデンサ素子の積層方向において該コンデンサ素子の陽極部の端部とは重ならない位置で該基板の表面上の該第1の導電パターンと溶接されて電気的に導通する第2の接続部を有する。
全てのコンデンサ素子の陽極部の端部及びスペーサは、互いに溶接されて電気的に導通する第1の接続部を有し、スペーサは、複数のコンデンサ素子の積層方向においてコンデンサ素子の陽極部の端部とは重ならない位置で基板の表面上の第1の導電パターンと溶接されて電気的に導通する第2接続部を有するため、第2の接続部によって基板に固定される部分をスペーサのみとすることができ、複数のコンデンサ素子の積層方向においてすべてのコンデンサ素子及びスペーサを積層した場合の全体の厚さよりも比較的薄くすることができる。このため、第2の接続部を形成するために溶接が行われる際に、溶接の照射出力を調整することが容易となり、レーザ等の溶接の照射出力を低くすることにより、溶接により基板を貫通して基板の裏面の第1の導電パターンを損傷することを防止することができる。このため、製品の信頼性、歩留まりを向上させることができる。
固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子では、固体電解質層や陰極部が設けられている部分は、これらが設けられていない陽極部の端部の部分と比較して積層方向の幅が厚くなっており、この厚い部分である陰極部を互いに隣接させて積層させると、陰極部が積層されることに伴い互いに積層される陽極部の端部の部分では、厚さの違いにより当該端部間に空隙が形成されることになる。それを互いに当接するように隣接させると、積層されている陽極部の端部のうちの最上層のものが極端に曲げられることになる。
しかし、上述のようにスペーサを設けることにより、基板と第1層のコンデンサ素子の陽極部の端部との間のスペースを大きく確保することができるため、陽極部の端部が極端に曲げられることを防止することができる。このため、陽極部の端部に極端な曲げによる亀裂が生じることを防止することができ、亀裂に起因する漏れ電流の増大や陽極部端部の切断や接続不良を防止することができる。また、基板上に積層された複数のコンデンサが載置固定されているため、ESL、ESRを低減することができる。
ここで、該基板と該スペーサとの間には、該第2の接続部形成に要する熱により溶融する低融点金属材料が介装されていることが好ましい。この構成により、照射力の強いレーザ等により溶接する代わりに、照射力の弱いレーザ等によりスペーサを加熱することにより溶融した低融点金属によって、基板上の第1の導電パターンとスペーサとを電気的に接続することができ、スペーサを介してコンデンサ素子の陽極部の端部と第1の導電パターンとを電気的に接続することができる。
また、該複数のコンデンサ素子の積層方向において、該スペーサの該第2の接続部の位置における厚さは該スペーサの該第1の接続部の位置における厚さよりも薄いことが好ましい。スペーサの第1の接続部の位置における厚さが大きく、基板と陽極部の端部との間にスペースを大きく確保することができるため、陽極部の端部が極端に曲げられることを効果的に防止することができる。このため、陽極部の端部に極端な曲げによる亀裂が生じることを効果的に防止することができ、亀裂に起因する漏れ電流の増大や陽極部端部の切断や接続不良を防止することができる。これに対して第2の接続部の位置における厚さが小さいため、第2の接続部を形成するために溶接が行われる際に、溶接の照射出力を調整することが容易となり、溶接の照射出力を低くしてスペーサを基板の第1の導電パターンに接続することができる。
また、本発明は、コンデンサ素子製造工程と、基板固定工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法である。コンデンサ素子製造工程は、表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部の該表面の所定の領域に、固体電解質層を有する陰極部を層状に形成する工程を有する。基板固定工程では、該コンデンサ素子工程により製造されたコンデンサ素子を、第1の導電パターンと第2の導電パターンとを有する基板上に載置固定する。該コンデンサ素子製造工程は、略板状の積層固定用のコンデンサ素子を製造する積層固定用のコンデンサ素子製造工程と、該積層固定用のコンデンサ素子とは該陽極部の端部の形状が異なる基板固定用のコンデンサ素子を製造する基板固定用のコンデンサ素子製造工程とを有して複数のコンデンサ素子を製造する。該基板固定工程は、該陽極部の端部同士が互いに隣接するように該複数のコンデンサ素子を積層配置するとともに該陰極部同士が互いに隣接するように積層配置し、該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該陽極部の端部、該陰極部を整合配置する積層工程と、積層した該複数のコンデンサ素子を互いに電気的に並列接続する接続工程とを有する。該接続工程は、該複数のコンデンサ素子の積層方向において全ての陽極部端部が重畳する第1重畳部を互いに溶接することにより第1接続部を設けて電気的に導通させる第1導通工程と、該複数のコンデンサ素子の積層方向において該積層固定用コンデンサ素子の陽極部の端部とは重畳せず該基板の該第1の導電パターンと重畳する該基板固定用のコンデンサ素子の第2重畳部を該基板の該第1の導電パターンと溶接することにより第2接続部を設けて電気的に導通させる第2導通工程とを有する。
接続工程は、複数のコンデンサ素子の積層方向において全ての陽極部端部が重畳する第1重畳部を互いに溶接することにより第1接続部を設けて電気的に導通させる第1導通工程と、複数のコンデンサ素子の積層方向において積層固定用コンデンサ素子の陽極部の端部とは重畳せず基板の第1の導電パターンと重畳する基板固定用のコンデンサ素子の第2重畳部を基板の第1の導電パターンと溶接することにより第2接続部を設けて電気的に導通させる第2導通工程とを有する。このため、第2の導通工程において第2の接続部によって基板に固定されるコンデンサ素子を基板固定用コンデンサ素子のみとすることができ、複数のコンデンサ素子の積層方向においてすべてのコンデンサ素子を積層した場合の全体の厚さよりも比較的薄くすることができる。この結果、第2の接続部を形成するために溶接が行われる際に、溶接の照射出力を調整することが容易となり、複数のコンデンサ素子を基板に載置固定するためのレーザ等の溶接の照射出力を低くすることにより、基板を貫通して基板の裏面の第1の導電パターンを損傷することを防止することができる。このため、製品の信頼性、歩留まりを向上させることができる。
ここで、該第2の導通工程において、該基板固定用のコンデンサ素子を該基板の該第1の導電パターンと電気的に導通させるために要する熱により溶融する低融点金属材料を、該基板と該基板固定用のコンデンサ素子との間に介装させる工程を行うことが好ましい。この工程を行うことにより、照射力の強いレーザ等により溶接する代わりに、照射力の弱いレーザ等により基板固定用のコンデンサ素子の陽極部の端部を加熱することにより溶融した低融点金属によって、基板上の第1の導電パターンと基板固定用のコンデンサ素子とを電気的に接続することができる。
また、本発明は、コンデンサ素子製造工程と、基板固定工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法である。コンデンサ素子製造工程は、表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部の該表面の所定の領域に、固体電解質層を有する陰極部を層状に形成する工程を有する。基板固定工程では、該コンデンサ素子工程により製造されたコンデンサ素子を、第1の導電パターンと第2の導電パターンとを有する基板上に載置固定する。該コンデンサ素子製造工程を複数回行うことにより複数のコンデンサ素子を製造する。該基板固定工程は、陽極部の端部の形状とは異なる形状のスペーサと該陽極部の端部同士とが互いに隣接するように該複数のコンデンサ素子及び該スペーサを積層配置するとともに該陰極部同士が互いに隣接するように積層配置し、該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該スペーサ、該陰極部を整合配置する積層工程と、積層した該複数のコンデンサ素子を互いに電気的に並列接続する接続工程とを有する。該接続工程は、該複数のコンデンサ素子の積層方向において全ての陽極部端部及び該スペーサが重畳する第1重畳部を互いに溶接することにより第1接続部を設けて電気的に導通させる第1導通工程と、該複数のコンデンサ素子の積層方向において該コンデンサ素子の陽極部の端部とは重畳せず該基板の該第1の導電パターンと重畳する該スペーサの第2重畳部を該基板の該第1の導電パターンと溶接することにより第2接続部を設けて電気的に導通させる第2導通工程とを有する。
接続工程は、複数のコンデンサ素子の積層方向において全ての陽極部端部及びスペーサが重畳する第1重畳部を互いに溶接することにより第1接続部を設けて電気的に導通させる第1導通工程と、複数のコンデンサ素子の積層方向においてコンデンサ素子の陽極部の端部とは重畳せず基板の第1の導電パターンと重畳するスペーサの第2重畳部を基板の第1の導電パターンと溶接することにより第2接続部を設けて電気的に導通させる第2導通工程とを有する。このため、第2の導通工程において第2の接続部によって基板に固定される部分をスペーサのみとすることができ、複数のコンデンサ素子の積層方向においてすべてのコンデンサ素子及びスペーサを積層した場合の全体の厚さよりも比較的薄くすることができる。この結果、第2の接続部を形成するために溶接が行われる際に、溶接の照射出力を調整することが容易となり、複数のコンデンサ素子を基板に載置固定するためのレーザ等の溶接の照射出力を低くすることにより、基板を貫通して基板の裏面の第1の導電パターンを損傷することを防止することができる。このため、製品の信頼性、歩留まりを向上させることができる。
また、スペーサを設けることにより、基板と陽極部の端部との間のスペースを大きく確保することができるため、積層工程及び接続工程において陽極部の端部が極端に曲げられることを防止することができる。このため、陽極部の端部に極端な曲げによる亀裂が生じることを防止することができ、亀裂に起因する漏れ電流の増大や陽極部端部の切断や接続不良を防止することができる。
ここで、該第2の導通工程において、該スペーサを該基板の該第1の導電パターンと電気的に導通させるために要する熱により溶融する低融点金属材料を、該基板と該スペーサとの間に介装させる工程を行うことが好ましい。この工程を行うことにより、照射力の強いレーザ等により溶接する代わりに、照射力の弱いレーザ等によりスペーサを加熱することにより溶融した低融点金属によって、基板上の第1の導電パターンとスペーサとを電気的に接続することができる。
以上により、コンデンサ素子の積層方向であって複数のコンデンサ素子の最上層から第1層の方向に向けてレーザを照射したときに、レーザ照射により基板を貫通してしまうことを防止する固体電解コンデンサの製造方法、及び当該製造方法により製造される固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態による固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法について図1乃至図4に基づき説明する。図1に示されるように固体電解コンデンサ1は、積層された4つのコンデンサ素子10〜40と、プリント基板50と、4つのコンデンサ素子10〜40を覆うようにしてモールドする図示せぬモールド部とを備えている。
4つのコンデンサ素子10〜40は、それぞれ略同一形状且つ略同一の構成であり、図1に示されるように陽極部11〜41と、陰極部12〜42とを備えている。なお、4つのコンデンサ素子10〜40の構成は、コンデンサ素子10の陽極部11の図1に示される左側の端部11Bの形状が他のコンデンサ素子20〜40の陽極部21〜41の図1に示される左側の端部21B〜41Bと異なること以外は同一であるため、図2を参照して説明する以下の説明では、当該同一の部分についてはコンデンサ素子10のみについて図示し、他のコンデンサ素子20〜40については説明を省略する。当該形状が異なる部分については後述する。
陽極部11は略長方形状をした板状をなしており、図1及び図2に示される左右方向に長辺が指向する。陽極部11は弁作用金属であるアルミニウムにより構成されており、図2に示されるように、その表面には、表面積を増やすためにエッチングが施されることにより粗面化(拡面化)されてポーラス状になっている。このポーラス状の表面全体は化成処理(陽極酸化)によって絶縁性の酸化膜層(誘電体層)11Aが形成されている。陽極部11の寸法は、長手方向の長さが100mm、幅が50mm程度であり、厚さ、即ち、図2に示される上下方向の幅は100μm程度である。
陽極部11の表面の所定の領域、即ち、図2に示される陽極部11の右側の端部から左側の端部11Bに向って陽極部11の左右方向の長さの略2/3の位置に至るまでの領域全体には、導電性のポリマーにより構成される固体電解質層12Aが形成されている。固体電解質層12Aは酸化膜層11Aの上に積層して設けられており、酸化膜層11Aに対向する固体電解質層12Aの部分は、エッチングにより陽極部11の表面に形成されたポーラスの中に入り込んでいる。固体電解質層12A上には、グラファイトペースト層12Bと、銀ペースト層12Cとがこの順で積層されており、固体電解質層12A、グラファイトペースト層12B、及び銀ペースト層12Cは陰極部12を構成する。グラファイトペースト層12B及び銀ペースト層12Cは、固体電解質層12Aが形成されている陽極部11及び酸化膜層(誘電体層)11Aの領域を覆うようにして固体電解質層12A上に形成されている。
陽極部11の図2に示される左側の端部11Bであって陰極部12が設けられていない領域と陰極部12との境界位置には、絶縁性を有するエポキシ系樹脂等からなるレジスト13が設けられている。レジスト13は、固体電解質層12Aを陽極部11上に形成するために陽極部11となる化成箔を溶液に浸漬させているときに、ポーラス状になっている陽極部11の表面において毛細管現象により溶液が所定の領域よりも図2の左側の方へ上がってくることを防止し、固体電解質層12Aが形成されていない陽極部11の図2に示される左側の端部11Bを確保するために設けられている。
4つのコンデンサ素子10〜40は、図1に示されるように、陰極部12〜42同士が互いに隣接して積層配置されている。陰極部12〜42は、板状の陽極部11〜41上に形成されているため、陽極部11〜41の厚さ方向に対して略垂直な上面10A〜40Aと下面10B〜40Bとを有している。図1に示されるように、積層される4つのコンデンサ素子10〜40の第1層をなす第1コンデンサ素子10の上面10Aと第2コンデンサ素子20の下面20Bとが導電性接着剤71によって接着され、第2コンデンサ素子20の上面20Aと第3コンデンサ素子30の下面30Bとが導電性接着剤71によって接着され、第3コンデンサ素子30の上面30Aと第4コンデンサ素子40の下面40Bとが導電性接着剤71によって接着されている。従って、4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42は電気的に接続されており、後述のように4つのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41B同士が電気的に接続されることと相まって、4つのコンデンサ素子10〜40は電気的に並列接続されている。
4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42が設けられていない陽極部11〜41の端部11B〜41Bの部分は、陰極部12〜42が設けられている部分と比較して銀ペースト層12C等が形成されていないことから薄くなっている。このため、図1に示されるように、コンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bは、後述のプリント基板50の表面50A上の第1の導電パターン51Aに押し付けられるように曲げられて互いに当接し合った状態で隣接して積層配置されている。
コンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bは、第1層の第1コンデンサ素子10から最上層である第4コンデンサ素子40へ向うにつれて、曲げられている度合いが大きくなっている。なお、図1においては、説明の便宜上当該端部11B〜41Bの曲がり具合を強調して図示しているが、実際にはこれほど極端には曲がっていない。
積層された4つのコンデンサ素子10〜40は、陽極部11〜41と略同一形状をしたプリント基板50上に載置されている。プリント基板50は、例えば、エポキシ樹脂製のプリント基板50である。4つのコンデンサ素子10〜40は、プリント基板50に対して形状が一致して重なるようにプリント基板50上に載置されている。プリント基板50は、積層された4つのコンデンサ素子10〜40のうちの第1コンデンサ素子10の陰極部12及び陽極部11の端部11Bに対向している。
プリント基板50の表面50A及び裏面50Bには、第1の導電パターン51A、51Bと第2の導電パターン52A、52Bとがそれぞれ設けられている。表面50Aの第1導電パターン51A、第2の導電パターン52Aは、それぞれ裏面50Bの第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bと、スルーホール50a、50bを介して電気的に接続されている。スルーホール50aとスルーホール50bとは、互いに近接して平行に配置されている。
第1の導電パターン51Aは、第1コンデンサ素子10の陽極部11の図1に示される左側の端部11Bに対向する位置に配置されており、第2の導電パターン52Aは、第1コンデンサ素子10の陰極部12に対向する位置に配置されている。陰極部12は、導電性接着剤71によって第2の導電パターン52Aに電気的に接続されている。
プリント基板50の裏面50Bの第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bは、それぞれ図示せぬ電子回路等に実装されるいわゆるユーザ端子であり、プリント基板50の表面の第1の導電パターン51A、第2の導電パターン52Aと同様の金属材料により構成されている。
ここで、コンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bの形状について説明する。コンデンサ素子20〜40の陽極部21〜41の図1に示される左側の端部21B〜41Bは、それぞれ図3に示されるように、あたかも長方形状の一の短辺を挟む2つの角部を、それぞれ切欠いて取除いたような形状をなしており、このため略長方形状をした陽極部21〜41の長手方向、即ち、図1に示される左右方向であって陽極部21〜41の外方へ突出する凸部21C〜41Cが設けられた形状をなしている。
これに対してコンデンサ素子10の陽極部11の図1に示される左側の端部11Bは、陽極部11の長方形状の一の短辺を挟む2つの角部の部分は、端部21B〜41Bのように切欠かれておらず取除かれたような形状とはなっておらず、そのまま2つの角部の部分が残ったままの形状となっている。このため、コンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bにおいては、凸部21C〜41Cの部分、及び複数のコンデンサ素子10〜40の積層方向において凸部21C〜41Cと重畳する端部11Bの部分11Dが、同方向において互いに重畳する第1重畳部をなしている。また、複数のコンデンサ素子10〜40の積層方向において凸部21C〜41Cと重畳しない端部11Bの図3における左右端部11E、11Fは、同方向においてプリント基板50の第1の導電パターン51Aと重畳する第2重畳部をなしている。コンデンサ素子10は基板固定用のコンデンサ素子に相当し、コンデンサ素子20〜40は積層固定用のコンデンサ素子に相当する。
第1重畳部、即ち、凸部21C〜41Cの部分、及びコンデンサ素子10〜40の積層方向において凸部21C〜41Cと重畳する端部11Bの部分11Dには、第1の接続部1Aが設けられている。第1の接続部1Aは、コンデンサ素子10〜40の積層方向であって図1の上から下に向う方向へYAGレーザの照射を第1重畳部が受けることにより互いに溶接されてなり、陽極部11〜41の端部11B〜41Bを互いに電気的に導通する。
また、第2重畳部、即ち、複数のコンデンサ素子10〜40の積層方向において凸部21C〜41Cと重畳しない端部11Bの左右端部11E〜11Fには、図4に示されるように第2の接続部1B、1Bがそれぞれ設けられている。第2の接続部1Bは、コンデンサ素子10〜40の積層方向であって図1の上から下に向う方向へYAGレーザの照射を第2重畳部が受けることにより、第1のコンデンサ素子10の陽極部11の端部11Bとプリント基板50の表面50A上の第1の導電パターン51Aとが溶接されてなり、これらを互いに電気的に導通する。第2の接続部1Bは、プリント基板50を貫通してはおらず、プリント基板50の表面50A上の第1の導電パターン51Aの位置において留まる。従って、プリント基板50の裏面50B上の第1の導電パターン51Bには、レーザ照射による損傷は全く生じていない。
全てのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の端部11B〜41Bが第1の接続部1Aを有しており、コンデンサ素子10の陽極部11の端部11Bの左右端部11E、11Fが第2の接続部1Bを有しているため、第2の接続部1Bによってプリント基板50に固定されるコンデンサ素子を第1コンデンサ素子10のみとすることができ、コンデンサ素子10〜40の積層方向においてすべてのコンデンサ素子10〜40を積層した場合の全体の厚さよりも比較的薄くすることができる。
このため、第2の接続部1Bを形成するために溶接が行われる際に、溶接の照射出力を調整することが容易となり、レーザ等の溶接の照射出力を低くすることにより、プリント基板50を貫通してプリント基板50の裏面50Bの第1の導電パターン51Bを損傷することを防止することができる。このため、製品の信頼性、歩留まりを向上させることができる。
また、表面50Aの第1導電パターン51A、第2の導電パターン52Aは、それぞれ裏面50Bの第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bとスルーホール50a、50bを介して電気的に接続されており、積層されたコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41、陰極部12〜42が、表面50Aの第1の導電パターン51Aと第2の導電パターン52Aとにそれぞれ電気的に接続されているため、裏面50Bの第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bをユーザ電極とすることができる。このため、ユーザ端子としてリードフレームを用いる場合と比較して、積層された複数のコンデンサ素子とユーザ電極との距離を極めて短くすることができ、ESR(等価直列抵抗)を低減することができる。
また、スルーホール50aとスルーホール50bとが近接して平行に配置されているため、第1の導電パターン51Aには積層されたコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41が電気的に接続され、第2の導電パターン52Aには積層されたコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42が電気的に接続されているため、各スルーホール50a〜50b内を流れる電流により発生する磁束が互いに打ち消しあい、ユーザ端子としてリードフレームを用いる場合と比較して、固体電解コンデンサ1において生ずるESL(等価直列インダクタンス)を低減することができる。
固体電解コンデンサの製造方法では、先ず、コンデンサ素子製造工程を行う。実際に行われるコンデンサ素子製造工程では、複数のコンデンサ素子が同時に製造されるが、ここでは、説明の便宜上1つのコンデンサ素子10が製造される工程を一回のコンデンサ素子製造工程とする。先ず、表面に酸化膜層11Aが形成され陽極部11となるアルミニウム板、即ち、化成箔を打抜いて一端を陽極部11の形状とする。このとき、後述のように陰極層が形成される化成箔の部分は、複数同時に製造される他のコンデンサ素子の陰極部が形成される化成箔の他端の部分と、製品にならない余分な化成箔の部分を介して接続された状態となっている。後述の接続工程を行う直前に行う切断の工程において、この余分な化成箔の部分は切断され除去される。
次に、スクリーン印刷法を用いて、陽極部11の所定の位置であって陰極部12と陽極部11との境界となる位置にレジスト13を形成する。次に、前述のように化成箔を打抜いたときに、打抜いた断面には酸化膜層11Aが形成されていない部分が生ずるが、この部分に酸化膜層11Aを生成するために再度酸化させる再化成を行う。
次に、レジスト13を境とする所定の領域、即ち図1に示される陽極部11のレジスト13よりも右側の部分に相当する化成箔の部分を、固体電解質層12Aを形成するための反応溶液中に浸漬し、化学酸化重合を行うことにより、固体電解質層12A、即ち、導電性ポリマー層を形成する。陽極部11の表面はエッチングによりポーラス状になっているので、直接銀ペースト層12Cを形成することができないため、銀ペースト層12Cを形成する準備のために固体電解質層12Aを形成するのである。
次に、何らかの原因により、化成箔の表面に形成されている酸化膜層11Aに破損が生じることがある。この部分を修正するために再度酸化させる修復工程を行う。次に、導電性高分子層の上にグラファイトペースト層12Bと、銀ペースト層12Cとをこの順で積層して形成する。グラファイトペースト層12B、銀ペースト層12Cの形成は、ディップ法やスクリーン印刷法やスプレー塗布法等が用いられる。以上がコンデンサ素子製造工程である。このコンデンサ素子製造工程を4回行うことによって、4つのコンデンサ素子を製造する。
次に、積層工程を行う。積層工程では、4つのコンデンサ素子10〜40を、陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41B同士が互いに隣接するように積層配置するとともに、陰極部12〜42同士が互いに隣接するように積層配置する。陰極部12〜42間には、導電性接着剤71が塗布され、陰極部12〜42同士が導電性接着剤71によって互いに電気的に接続される。導電性接着剤71としては、例えば、銀−エポキシ系接着剤が用いられる。
次に、積層された状態の4つのコンデンサ素子10〜40を、製品とならない余分な化成箔の部分から切断して陰極部12〜42の形状とすることにより、略長方形状をしたコンデンサ素子10〜40の形状とする。
次に、接続工程を行う。接続工程では第1導電工程と基板載置工程と第2導電工程とを行う。第1導電工程では、積層した複数のコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41Bを電気的に接続することにより、4つのコンデンサ素子10〜40を互いに電気的に並列接続する。具体的には、第1重畳部に対してコンデンサ素子10〜40の積層方向から、即ち、図1又は図2に示される上方向からYAGレーザを照射して、図3に示されるように第1接続部1Aを設ける。このことにより、コンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の端部11B〜41Bを互いに電気的に接続する。
基板載置工程では、4つの積層されたコンデンサ素子10〜40とは別体として用意されたプリント基板50の表面50A上に、積層された状態のコンデンサ素子10〜40を載置する。具体的には、プリント基板50の表面50A上の第1の導電パターン51Aに第1コンデンサ素子10の陽極部11の端部11Bを対向させ、表面50A上の第2の導電パターン52Aに第1コンデンサ素子10の陰極部12を対向させる。そして、第2の導電パターン52Aに対向する陰極部12の位置に導電性接着剤71を塗布し、第1コンデンサ10をプリント基板50に接着固定させる。
第2導電工程では、図4に示されるように、プリント基板50上に4つの積層されたコンデンサ素子10〜40を電気的に接続する。具体的には、先ず、コンデンサ素子10の陽極部11の端部11Bの凸部11Cを第1の導電パターン51Aに当接させ、第2重畳部に対してコンデンサ素子10〜40の積層方向から、即ち、図1又は図2に示される上方向からYAGレーザを照射して、図4に示されるように第2の接続部1Bを設ける。このことにより、コンデンサ素子10の凸部11Cをプリント基板50の第1の導電パターン51Aに電気的に接続する。
その後、固体電解コンデンサ1を保護するためにモールドを行い、切断を行い、更に、損傷している部分を修復するためのエージングを行い、特性検査、外観検査を経て固体電解コンデンサの製造方法の全工程を終了する。
接続工程は、第1接続部1Aを設けるための第1導通工程と、第2接続部1Bを設けるための第2導通工程とを有するようにして、2ステップに分けて溶接をするようにしたため、第2の導通工程において第2の接続部1Bによってプリント基板50に固定されるコンデンサ素子をコンデンサ素子10のみとすることができ、コンデンサ素子10〜40の積層方向においてすべてのコンデンサ素子10〜40を積層した場合の全体の厚さよりも比較的薄くすることができる。
このため、第2の接続部1Bを形成するために溶接が行われる際に、溶接の照射出力を調整することが容易となり、コンデンサ素子10〜40をプリント基板50に載置固定するためのレーザ等の溶接の照射出力を低くすることにより、プリント基板50を貫通してプリント基板50の裏面50Bの第1の導電パターン51Bを損傷することを防止することができる。このため、製品の信頼性、歩留まりを向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態による固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法について図5乃至図6に基づき説明する。第2の実施の形態による固体電解コンデンサ2は、プリント基板50とコンデンサ10′の陽極部11′の端部11B′との間にスペーサ60が設けられている点、及びコンデンサ10′の陽極部11′の端部11B′の形状が、他のコンデンサ20〜40の陽極部21〜41の端部21B〜41Bの形状と同一である点で、第1の実施の形態による固体電解コンデンサ1とは異なる。
コンデンサ10′の陽極部11′の端部11B′の形状は、他のコンデンサ20〜40の陽極部21〜41の端部21B〜41Bの形状と同一であるため、端部11B′は、図6に示されるように、凸部21C〜41Cと同一形状の凸部11C′を有している。
スペーサ60は、略長方形状の板状をなしており、Niにより構成されている。スペーサ60は、第1コンデンサ素子10′の陽極部11′の図5に示される左側の端部11B′と、プリント基板50の第1の導電パターン51Aとの間に配置されており、コンデンサ素子10′〜40の陽極部11′〜41の長手方向、即ち、図5の略左方向から見ると、図6に示されるようにコンデンサ素子10′〜40の積層方向において中央部分61が厚く構成されている。
この中央部分61は、第1コンデンサ素子10′の陽極部11′の図5に示される左側の端部11B′の凸部11C′と、プリント基板50の第1の導電パターン51Aとの間に配置されており、中央部分61と凸部11C′〜41Cとは、コンデンサ素子10′〜40の積層方向において互いに重畳する第1重畳部をなしている。スペーサ60の図6のおける左右端部62、63は、コンデンサ素子10′〜40の積層方向においてコンデンサ素子10′〜40の陽極部11′〜41の端部11B′〜41Bとは重畳せずプリント基板50の第1の導電パターン51Aと重畳する第2重畳部をなしている。
スペーサ60の中央部分61の厚さが大きく、プリント基板50と陽極部11′の端部11B′との間にスペースを大きく確保することができるため、陽極部41の端部41B等が極端に曲げられることを防止することができる。このため、陽極部41の端部41B等に極端な曲げによる亀裂が生じることを防止することができ、亀裂に起因する漏れ電流の増大や陽極部41の端部41B等の切断や接続不良を防止することができる。
第1重畳部、即ち、端部11B′〜41Bの部分及び中央部分61には、図6に示されるように、第1の接続部2Aが設けられている。第1の接続部2Aは、その積層方向であって図1の上から下に向う方向へYAGレーザの照射を第1重畳部が受けることにより互いに溶接されてなり、陽極部11′〜41の端部11B′〜41Bとスペーサ60の中央部分61とを互いに電気的に導通する。
また、第2重畳部、即ち、複数のコンデンサ素子10′〜40の積層方向において凸部11′C〜41Cと重畳しないスペーサの図6における左右端部62、63には、第2の接続部2B、2Bがそれぞれ設けられている。第2の接続部2Bは、コンデンサ素子10′〜40の積層方向であって図1の上から下に向う方向へYAGレーザの照射を第2の重畳部が受けることにより、スペーサ60の中央部分61とプリント基板50の表面上の第1の導電パターン51Aとが溶接されてなり、これらを互いに電気的に導通する。第2の接続部2Bは、プリント基板50を貫通してはおらず、プリント基板50の表面上の第1の導電パターン51Aの位置において留まる。従って、プリント基板50の裏面上の第1の導電パターン51Bには、レーザ照射による損傷は全く生じていない。
全てのコンデンサ素子の10′〜40の陽極部11′〜41の端部11B′〜41B及びスペーサ60は第1の接続部2Aを有し、スペーサ60は第2の接続部2Bを有するため、第2の接続部2Bによってプリント基板50に固定される部分をスペーサ60のみとすることができ、コンデンサ素子10′〜40の積層方向においてすべてのコンデンサ素子10′〜40及びスペーサ60を積層した場合の全体の厚さよりも比較的薄くすることができる。
このため、第2の接続部2Bを形成するために溶接が行われる際に、溶接の照射出力を調整することが容易となり、レーザ等の溶接の照射出力を低くすることにより、溶接によりプリント基板50を貫通してプリント基板50の裏面50Bの第1の導電パターン51Bを損傷することを防止することができる。このため、製品の信頼性、歩留まりを向上させることができる。
固体電解コンデンサの製造方法では、凸部21C〜41Cのみならず凸部11C′も設ける。また、積層工程では、4つのコンデンサ素子10′〜40とともに、スペーサ60の中央部分61がコンデンサ素子10′の凸部11C′と重畳し且つスペーサの左右両端部が凸部11C′と重畳しないように、スペーサ60をコンデンサ素子10′〜40に積層する。
また、第1導電工程では、コンデンサ素子10′〜40の陽極部11′〜41の図1に示される左側の端部11B′〜41B及びスペーサ60の中央部分61を電気的に接続することにより、4つのコンデンサ素子10′〜40を互いに電気的に並列接続する。具体的には、第1重畳部に対してコンデンサ素子10′〜40の積層方向から、即ち、図1又は図2に示される上方向からYAGレーザを照射して、図3に示されるように第1の接続部2Aを設ける。このことにより、コンデンサ素子10′〜40の陽極部11′〜41の端部11B′〜41B及びスペーサ60の中央部分61を互いに電気的に接続する。
また、基板載置工程では、4つの積層されたコンデンサ素子10′〜40とは別体として用意されたプリント基板50の表面50A上に、積層された状態のコンデンサ素子10′〜40をスペーサ60とともに載置する。具体的には、プリント基板50の表面50A上の第1の導電パターン51Aにスペーサ60を対向させ、表面50A上の第2の導電パターン52Aに第1コンデンサ素子10′の陰極部12′を対向させる。そして、第2の導電パターン52Aに対向するコンデンサ素子10′の陰極部の位置に導電性接着剤71を塗布し、第1コンデンサ10′をプリント基板50に接着固定させる。
また、第2導電工程では、図6に示されるように、プリント基板50上に4つの積層されたコンデンサ素子10′〜40をスペーサ60とともに電気的に接続する。具体的には、先ず、スペーサ60を第1の導電パターン51Aに当接させ、第2重畳部に対してコンデンサ素子10′〜40の積層方向から、即ち、図1又は図2に示される上方向からYAGレーザを照射して、図6に示されるように第2の接続部2B、2Bを設ける。このことにより、スペーサ60をプリント基板50の第1の導電パターン51Aに電気的に接続する。
接続工程は、コンデンサ素子10′〜40の積層方向において全ての陽極部11′〜41端部11B′〜41B及びスペーサ60が重畳する第1重畳部を互いに溶接することにより第1接続部2Aを設けて電気的に導通させる第1導通工程と、コンデンサ素子10′〜40の積層方向においてコンデンサ素子10′〜40の陽極部11′〜41の端部11B′〜41Bとは重畳せずプリント基板50の第1の導電パターン51Aと重畳するスペーサ60の第2重畳部をプリント基板50の第1の導電パターン51Aと溶接することにより第2接続部2Bを設けて電気的に導通させる第2導通工程とを有するため、第2の導通工程において第2の接続部2Bによってプリント基板50に固定される部分をスペーサ60のみとすることができ、コンデンサ素子10′〜40の積層方向においてすべてのコンデンサ素子10′〜40及びスペーサ60を積層した場合の全体の厚さよりも比較的薄くすることができる。
このため、第2の接続部2Bを形成するために溶接が行われる際に、溶接の照射出力を調整することが容易となり、コンデンサ素子10′〜40をプリント基板50に載置固定するためのレーザ等の溶接の照射出力を低くすることにより、プリント基板50を貫通してプリント基板50の裏面50Bの第1の導電パターン51Bを損傷することを防止することができる。このため、製品の信頼性、歩留まりを向上させることができる。
本発明による固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、第1コンデンサ素子10とプリント基板50との間や、スペーサ60とプリント基板50との間に低融点金属が介装されていてもよい。低融点金属としては、例えば、Sn、半田、Zn等を用いる。
この構成により、本実施の形態における第2導電工程のレーザ照射の出力よりも弱いレーザ照射による熱により低融点金属を溶融させることができ、この低融点金属により第1コンデンサ素子10とプリント基板50との間や、スペーサ60とプリント基板50との間を電気的に接続する第2接続部を設けることができる。また、スペーサ60とプリント基板50との間に低融点金属を介在させるのではなく、スペーサ自体を低融点金属により構成してもよい。この構成とすることにより、低融点金属をスペーサに設ける工程を省くことができる。
また、積層されたコンデンサ素子のうちの第1層目の陽極部が第2重畳部を有しておらず、第2層目等の上層の陽極部が第2重畳部を有していてもよい。また、第2重畳部を有する陽極部を備えるコンデンサ素子が複数枚あってもよい。同様にスペーサは、プリント基板50と陽極部11′の端部11B′との間ではなく、例えば、陽極部11′の端部11B′とコンデンサ素子21の陽極部21の端部21Bと間に配置されてもよい。
スペーサは一体の構成で設けられたが、一体でなくてもよい。例えば、板状の長方形部材の略中央の位置に、当該長方形部材の幅と略同一の幅の板状の正方形部材を積層して載置固定するようにして、複数枚の板状部材により構成し、中央部分が厚くなるようにしてもよい。また、中央部分は厚く構成されたが、厚くなくてもよい。従って、単なる平板状の部材によりスペーサが構成されてもよい。
また、コンデンサ素子10′〜40が積層されているときに、コンデンサ素子10′〜40の陽極部11′〜41の端部11B′〜41が互いに当接した状態となるように曲げられる度合いを低減する目的で、プリント基板50の第1の導電パターン51Aから第1コンデンサ素子10′の陽極部11′の端部11B′に至るまでのスペースを確保するために、スペーサ60に代えて基板の表面の導電パターンを厚くしてもよい。
また、陽極部11、11′〜41を構成する弁作用金属はアルミニウムにより構成されたが、これに限定されない。例えばタンタルやニオブ等であってもよい。また、スペーサ60はNiにより構成されていたが、これに限定されない。例えば、SUS、鉄、アルミニウム、銅、リン青銅、Mo、Cr等の導電性の金属あるいは、これら1種以上を含む合金であればよく、また、例えば、日立電線株式会社により製造されている商品名「日立ハイクラッド」のような、異種金属を金属学的に接合させたいわゆるクラッド材等を用いてもよい。また、コンデンサ素子10、10′〜40は4つ設けられていたが、個数は4つに限定されない。
また、レーザはYAGレーザスポット溶接が用いられたが、これに限定されず、例えば、第二高調波レーザや、LD(半導体)レーザ、エキシマレーザ等を用いてもよい。また、溶接はレーザに限られない。半田が用いられたり、抵抗溶接が行われたり、リフローが行われてもよい。半田、リフローの場合には、基板を損傷する可能性を極めて低くすることができる。
また、第1接続部1A、2A、第2接続部1B、2Bは、それぞれコンデンサ素子10〜40の積層方向からレーザを照射することにより設けられたが、レーザを照射する方向はこの方向に限られない。例えば、積層方向に対して垂直な方向でもよい。
本発明の固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法は、多数のコンデンサ素子が積層されて構成される固体電解コンデンサ及び当該固体電解コンデンサの製造方法の分野において有用である。
本発明の第1の実施の形態による固体電解コンデンサを示す断面図。 本発明の第1の実施の形態による固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子を示す断面図。 本発明の第1の実施の形態による固体電解コンデンサを示す分解斜視図。 本発明の第1の実施の形態による固体電解コンデンサを示す要部斜視図。 本発明の第2の実施の形態による固体電解コンデンサの変形例を示す要部断面図。 本発明の第2の実施の形態による固体電解コンデンサを示す要部斜視図。
符号の説明
1、2 固体電解コンデンサ
1A、2A 第1接続部
1B、2B 第2接続部
10、10′〜40 コンデンサ素子
11、11′〜41 陽極部
11A 酸化膜層
11B、11B′〜41B 端部
11C、11C′〜41C 凸部
12〜42 陰極部
12A 固体電解質層
12B グラファイトペースト層
12C 銀ペースト層
50 プリント基板
51A、51B 第1の導電パターン
52A、52B 第2の導電パターン
60 スペーサ
61 中央部分
62、63 左右端部

Claims (9)

  1. 表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ、該表面の該第1導電パターン、該第2の導電パターンは、それぞれ該裏面の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンとスルーホールを介して電気的に接続される基板と、
    表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部と、該陽極部の表面の所定の領域に固体電解質層を有して層状に形成された陰極部とにより構成されるコンデンサ素子とを備え、
    該コンデンサ素子は、該基板の表面上に載置されて該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該陽極部、該陰極部が電気的に接続される固体電解コンデンサであって、
    該コンデンサ素子は略板状をなし複数設けられ、該複数のコンデンサ素子は該陽極部の端部同士が互いに隣接して積層配置されるとともに該陰極部同士が互いに隣接して積層配置され、該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該陽極部の端部、該陰極部が整合配置され、
    該複数のコンデンサ素子は、少なくとも積層固定用のコンデンサ素子と基板固定用のコンデンサ素子との2種類を有し、
    全ての該積層固定用のコンデンサ素子の該陽極部の端部及び該基板固定用のコンデンサ素子の該陽極部の端部は、互いに溶接されて互いに電気的に導通する第1の接続部を有し、該基板固定用のコンデンサ素子の該陽極部の端部は、該複数のコンデンサ素子の積層方向において該積層固定用コンデンサ素子の陽極部の端部とは重ならない位置で該基板の表面上の該第1の導電パターンと溶接されて電気的に導通する第2の接続部を有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 該基板と該基板固定用のコンデンサ素子との間には、該第2の接続部形成に要する熱により溶融する低融点金属材料が介装されていることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 表面及び裏面に第1の導電パターンと第2の導電パターンとがそれぞれ設けられ、該表面の該第1導電パターン、該第2の導電パターンは、それぞれ該裏面の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンとスルーホールを介して電気的に接続される基板と、
    表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部と、該陽極部の表面の所定の領域に固体電解質層を有して層状に形成された陰極部とにより構成されるコンデンサ素子とを備え、
    該コンデンサ素子は、該基板の表面上に載置されて該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該陽極部、該陰極部が電気的に接続される固体電解コンデンサであって、
    該コンデンサ素子は略板状をなし複数設けられ、該複数のコンデンサ素子は該陽極部の端部同士が互いに隣接して積層配置されるとともに該陰極部同士が互いに隣接して積層配置され、該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該陽極部の端部、該陰極部が整合配置され、
    該複数のコンデンサ素子の陽極部の端部と該基板の表面の第1導電パターンの間には、導電性の材料からなる略板状のスペーサが該コンデンサ素子に平行に設けられ、
    全ての該コンデンサ素子の該陽極部の端部及び該スペーサは、互いに溶接されて電気的に導通する第1の接続部を有し、該スペーサは、該複数のコンデンサ素子の積層方向において該コンデンサ素子の陽極部の端部とは重ならない位置で該基板の表面上の該第1の導電パターンと溶接されて電気的に導通する第2の接続部を有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
  4. 該基板と該スペーサとの間には、該第2の接続部形成に要する熱により溶融する低融点金属材料が介装されていることを特徴とする請求項3記載の固体電解コンデンサ。
  5. 該複数のコンデンサ素子の積層方向において、該スペーサの該第2の接続部の位置における厚さは該スペーサの該第1の接続部の位置における厚さよりも薄いことを特徴とする請求項3記載の固体電解コンデンサ。
  6. 表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部の該表面の所定の領域に、固体電解質層を有する陰極部を層状に形成する工程を有するコンデンサ素子製造工程と、
    該コンデンサ素子工程により製造されたコンデンサ素子を、第1の導電パターンと第2の導電パターンとを有する基板上に載置固定する基板固定工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法であって、
    該コンデンサ素子製造工程は、略板状の積層固定用のコンデンサ素子を製造する積層固定用のコンデンサ素子製造工程と、該積層固定用のコンデンサ素子とは該陽極部の端部の形状が異なる基板固定用のコンデンサ素子を製造する基板固定用のコンデンサ素子製造工程とを有して複数のコンデンサ素子を製造し、
    該基板固定工程は、該陽極部の端部同士が互いに隣接するように該複数のコンデンサ素子を積層配置するとともに該陰極部同士が互いに隣接するように積層配置し、該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該陽極部の端部、該陰極部を整合配置する積層工程と、積層した該複数のコンデンサ素子を互いに電気的に並列接続する接続工程とを有し、
    該接続工程は、該複数のコンデンサ素子の積層方向において全ての陽極部端部が重畳する第1重畳部を互いに溶接することにより第1接続部を設けて電気的に導通させる第1導通工程と、該複数のコンデンサ素子の積層方向において該積層固定用コンデンサ素子の陽極部の端部とは重畳せず該基板の該第1の導電パターンと重畳する該基板固定用のコンデンサ素子の第2重畳部を該基板の該第1の導電パターンと溶接することにより第2接続部を設けて電気的に導通させる第2導通工程とを有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 該第2の導通工程において、該基板固定用のコンデンサ素子を該基板の該第1の導電パターンと電気的に導通させるために要する熱により溶融する低融点金属材料を、該基板と該基板固定用のコンデンサ素子との間に介装させる工程を行うことを特徴とする請求項6記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部の該表面の所定の領域に、固体電解質層を有する陰極部を層状に形成する工程を有するコンデンサ素子製造工程と、
    該コンデンサ素子工程により製造されたコンデンサ素子を、第1の導電パターンと第2の導電パターンとを有する基板上に載置固定する基板固定工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法であって、
    該コンデンサ素子製造工程を複数回行うことにより複数のコンデンサ素子を製造し、
    該基板固定工程は、陽極部の端部の形状とは異なる形状のスペーサと該陽極部の端部同士とが互いに隣接するように該複数のコンデンサ素子及び該スペーサを積層配置するとともに該陰極部同士が互いに隣接するように積層配置し、該基板の該第1の導電パターン、該第2の導電パターンにそれぞれ該スペーサ、該陰極部を整合配置する積層工程と、積層した該複数のコンデンサ素子を互いに電気的に並列接続する接続工程とを有し、
    該接続工程は、該複数のコンデンサ素子の積層方向において全ての陽極部端部及び該スペーサが重畳する第1重畳部を互いに溶接することにより第1接続部を設けて電気的に導通させる第1導通工程と、該複数のコンデンサ素子の積層方向において該コンデンサ素子の陽極部の端部とは重畳せず該基板の該第1の導電パターンと重畳する該スペーサの第2重畳部を該基板の該第1の導電パターンと溶接することにより第2接続部を設けて電気的に導通させる第2導通工程とを有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 該第2の導通工程において、該スペーサを該基板の該第1の導電パターンと電気的に導通させるために要する熱により溶融する低融点金属材料を、該基板と該スペーサとの間に介装させる工程を行うことを特徴とする請求項8記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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