JP2008028298A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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充貴 松瀬
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Abstract

【課題】プリント基板の導電パターンとスペーサとが導電性接着剤によって電気的に接合され、ESRが低く良好な特性を得ることができる個体電解コンデンサの提供。
【解決手段】積層される4つのコンデンサ素子の第1層をなす第1コンデンサ素子の陽極部11の端部11Bとプリント基板50の第1の導電パターン51Aとの間には、銅(Cu)からなるスペーサ本体62Aを有する基板接続用スペーサ62が設けられている。スペーサ本体62Aの周囲全体には、ニッケル(Ni)からなる下地めっき層62Bが設けられ、更にその上に金(Au)からなる貴金属めっき層62Cが設けられている。基板接続用スペーサ62の下面の貴金属めっき層62Cと第1の導電パターン51Aの基板側貴金属層51Dとは、導電性ペースト71によって電気的に接続されている。
【選択図】図3

Description

本発明は固体電解コンデンサに関し、特に複数のコンデンサ素子が積層され電気的に並列接続されてなる固体電解コンデンサに関する。
固体電解コンデンサとしては、高い静電容量を確保するために複数のコンデンサ素子が積層され電気的に並列接続されている構成が従来より知られている。例えば、特開平5−205984号公報(特許文献1参照)にはこの構成の積層型固体電解コンデンサが記載されている。積層型固体電解コンデンサを構成する複数の単板コンデンサたるコンデンサ素子は、各陽極部間にそれぞれスペーサが挟まれた状態で積層されている。
陽極部及びスペーサの端面は溶接されており、このことにより各コンデンサ素子の陽極部は、機械的及び電気的に接合されている。各コンデンサ素子の陰極部は、銀ペーストにより互いに電気的に接続されている。積層されたコンデンサ素子の陽極部と、各コンデンサ素子の陰極部を接続する銀ペーストには、いわゆるユーザ電極となるリードフレームがそれぞれ接合されている。
特開平5−205984号公報
ユーザ電極としてリードフレームを用いることに代えて、例えばプリント基板を用いることが考えられる。具体的には、プリント基板上に、ユーザ電極の陽極となる第1の導電パターンと、ユーザ電極の陰極となる第2の導電パターンとを設け、第1の導電パターンと陽極部とを電気的に接合し、第2の導電パターンと陰極部とを電気的に接合する。
また、上記公報のように陽極部及びスペーサの端面を溶接することに代えて、例えばスペーサとコンデンサ素子の陽極部とが互いに対向する面において抵抗溶接によりスペーサとコンデンサ素子の陽極部とを電気的に接合することが考えられる。
上述のような場合において、プリント基板の第1の導電パターンと、積層されたコンデンサ素子のうちの最下層の陽極部との間に基板接続用スペーサを設け、基板接続用スペーサをプリント基板の第1の導電パターンに抵抗溶接しようとすると、プリント基板上の導電パターンが剥がれる等損傷することがあり、抵抗溶接することができない。抵抗溶接を用いずに、例えば導電性接着剤を用いてプリント基板の第1の導電パターンと基板接続用スペーサとを電気的に接合しようとすると、基板接続用スペーサの表面は自然酸化して自然酸化膜が形成されているため、ESRが増加し、良好な固体電解コンデンサの特性を得ることができない。
そこで発明は、プリント基板の導電パターンとスペーサとが導電性接着剤によって電気的に接合され、ESRが低く良好な特性を得ることができる個体電解コンデンサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部と、該表面の所定の領域に固体電解質層を有して層状に形成された陰極部とにより構成されるコンデンサ素子を複数備え、該複数のコンデンサ素子は該陽極部の端部同士が互いに隣接して積層配置されるとともに該陰極部同士が互いに積層配置されて、互いに電気的に並列接続される固体電解コンデンサであって、最下層の該コンデンサ素子の該陽極部の端部に対向配置された第1の導電パターンと該最下層のコンデンサ素子の該陰極部に対向配置された第2の導電パターンとを有するプリント基板を備え、該陽極部の端部間には、該複数のコンデンサ素子の各該陽極部の該端部を互いに電気的に接続するための導電性を有する端部間スペーサが設けられ、該最下層のコンデンサ素子の該陽極部の端部と該第1の導電パターンとの間には、該複数のコンデンサ素子の該陽極部の該端部と該第1の導電パターンとを互いに電気的に接続するための導電性を有する基板接続用スペーサが設けられ、該基板接続用スペーサは、導電性材料により構成されるスペーサ本体と、少なくとも該第1の導電パターンに対向する対向面に設けられた貴金属層とを備え、該貴金属層と該第1の導電パターンとは導電性接着剤により電気的に接合されている固体電解コンデンサを提供している。
基板接続用スペーサは、少なくとも第1の導電パターンに対向する対向面に設けられた貴金属層を備えているため、導電性接着剤によって第1の導電パターンと電気的に接合されるスペーサ本体の対向面の部分が、導電性接着剤によって接合される前に自然酸化して当該部分に自然酸化膜が形成されてしまうことを防止することができる。このため基板接続用スペーサと第1の導電パターンとを導電性接着剤で電気的に接合した場合であっても、ESRが増加することを防止できる。
ここで、該スペーサ本体と該貴金属層との間にはNi層が設けられていることが好ましい。スペーサ本体と貴金属層との間にはNi層が設けられているため、スペーサ本体に対する貴金属層の接着性を向上させることができる。
また、該貴金属層は、該スペーサ本体を覆うめっきにより構成されていることが好ましい。貴金属層は、スペーサ本体を覆うめっきにより構成されているため、予めスペーサ本体に対してめっき処理しておくことで、別途貴金属層を設けずに済み、製造の容易な固体電解コンデンサとすることができる。
また、少なくとも該基板接続用スペーサに対向する第1の導電パターン上には、基板側貴金属層が設けられていることが好ましい。
少なくとも基板接続用スペーサに対向する第1の導電パターン上には、基板側貴金属層が設けられているため、導電性接着剤によって基板接続用スペーサに電気的に接合される第1の導電パターンの部分が、導電性接着剤によって接合される前に自然酸化して当該部分に自然酸化膜が形成されてしまうことを防止することができる。このため基板接続用スペーサと第1の導電パターンとを導電性接着剤で電気的に接合した場合であっても、ESRが増加することを防止できる。
以上により、プリント基板の導電パターンと基板接続用スペーサとが導電性接着剤によって電気的に接合され、ESRが低く良好な特性を得ることができる個体電解コンデンサを提供することができる。
本発明の実施の形態による固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法について図1乃至図3に基づき説明する。図1に示されるように固体電解コンデンサ1は、積層された4つのコンデンサ素子10〜40と、プリント基板50と、端部間スペーサ61及び基板接続用スペーサ62と、4つのコンデンサ素子10〜40を覆うようにしてモールドする図示せぬモールド部とを備えている。
4つのコンデンサ素子10〜40は、それぞれ同一形状且つ同一の構成であり、図1に示されるように陽極部11〜41と、陰極部12〜42とを備えている。なお、図2を参照して説明する以下の説明では、4つのコンデンサ素子10〜40の構成は同一であることから、コンデンサ素子10のみについて図示し、他のコンデンサ素子20〜40については説明を省略する。
陽極部11は略長方形状をした板状をなしており、図1及び図2に示される左右方向に長辺が指向する。陽極部11は弁作用金属であるアルミニウムにより構成されており、図2に示されるように、その表面には、表面積を増やすためにエッチングが施されることにより粗面化(拡面化)されてポーラス状になっている。このポーラス状の表面全体は化成処理(陽極酸化)によって絶縁性の酸化膜層(誘電体層)11Aが形成されている。陽極部11の寸法は、長手方向の長さが10mm、幅が5mm程度であり、厚さ、即ち、図2に示される上下方向の幅は100μm程度である。
陽極部11の表面の所定の領域、即ち、図2に示される陽極部11の右側の端部から左側の端部11Bに向って陽極部11の左右方向の長さの略2/3の位置に至るまでの領域全体には、導電性のポリマーにより構成される固体電解質層12Aが形成されている。固体電解質層12Aは酸化膜層11Aの上に積層して設けられており、酸化膜層11Aに対向する固体電解質層12Aの部分は、エッチングにより陽極部11の表面に形成されたポーラスの中に入り込んでいる。固体電解質層12A上には、グラファイトペースト層12Bと、銀ペースト層12Cとがこの順で積層されており、固体電解質層12A、グラファイトペースト層12B、及び銀ペースト層12Cは陰極部12を構成する。グラファイトペースト層12B及び銀ペースト層12Cは、固体電解質層12Aが形成されている陽極部11及び酸化膜層(誘電体層)11Aの領域を覆うようにして固体電解質層12A上に形成されている。
陽極部11の図2に示される左側の端部11Bであって陰極部12が設けられていない領域と陰極部12との境界位置には、絶縁性を有するエポキシ系樹脂等からなるレジスト13が設けられている。レジスト13は、固体電解質層12Aを陽極部11上に形成するために陽極部11となる化成箔を溶液に浸漬させているときに、ポーラス状になっている陽極部11の表面において毛細管現象により溶液が所定の領域よりも図2の左側の方へ上がってくることを防止し、固体電解質層12Aが形成されていない陽極部11の図2に示される左側の端部11Bを確保するために設けられている。
4つのコンデンサ素子10〜40は、図1に示されるように、陰極部12〜42同士が互いに積層配置されている。陰極部12〜42は、板状の陽極部11〜41上に形成されているため、陽極部11〜41の厚さ方向に対して略垂直な上面10A〜40Aと下面10B〜40Bとを有している。図1に示されるように、積層される4つのコンデンサ素子10〜40の第1層をなす第1コンデンサ素子10の上面10Aと第2コンデンサ素子20の下面20Bとが導電性接着剤71によって接着され、第2コンデンサ素子20の上面20Aと第3コンデンサ素子30の下面30Bとが導電性接着剤71によって接着され、第3コンデンサ素子30の上面30Aと第4コンデンサ素子40の下面40Bとが導電性接着剤71によって接着されている。
従って、4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42は電気的に接続されており、後述のように4つのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41B同士が電気的に接続されることと相まって、4つのコンデンサ素子10〜40は電気的に並列接続されている。導電性接着剤71は、銀−エポキシ系接着剤、即ち、エポキシ樹脂と銀とを主成分とし、銀がエポキシ樹脂中に混合されて構成されている。
4つのコンデンサ素子10〜40の陰極部12〜42が設けられていない陽極部11〜41の端部11B〜41Bの部分は、陰極部12〜42が設けられている部分と比較して銀ペースト層12C等が形成されていないことから薄くなっている。このため、図1に示されるように、コンデンサ素子10〜40の積層方向において、陽極部11〜41の図の左側の端部11B〜41B同士が互いに所定の間隔で離間して隣接して積層配置されている。
図1に示されるように、積層される4つのコンデンサ素子10〜40の第1層をなす第1コンデンサ素子10の陽極部11の端部11Bと第2コンデンサ素子20の陽極部21の端部21Bとの間には、導電性材料たるニッケル(Ni)からなる端部間スペーサ61が設けられている。陽極部11の端部11Bに対向する端部間スペーサ61の下面と端部間スペーサ61に対向する陽極部11の端部11Bの上面とは、抵抗溶接によって電気的に接続されている。同様に、陽極部21の端部21Bに対向する端部間スペーサ61の上面と端部間スペーサ61に対向する陽極部21の端部21Bの下面とは、抵抗溶接によって電気的に接続されている。
同様に、第2層をなす第2コンデンサ素子20の陽極部21の端部21Bと第3コンデンサ素子30の陽極部31の端部31Bとの間にも端部間スペーサ61が設けられており、互いに抵抗溶接によって電気的に接続されている。第3層をなす第3コンデンサ素子30の陽極部31の端部31Bと第4コンデンサ素子40の陽極部41の端部41Bとの間にも端部間スペーサ61が設けられており、互いに抵抗溶接によって電気的に接続されている。従って、4つのコンデンサ素子10〜40の陽極部11〜41の端部11B〜41Bは電気的に接続されている。図1の上下方向におけるスペーサの厚さは、所定の間隔で離間して隣接して積層配置された陽極部11〜41の端部11B〜41B間の当該所定の間隔と略同一である。
積層された4つのコンデンサ素子10〜40は、陽極部11〜41と略同一形状をしたプリント基板50上に載置されている。プリント基板50は、例えば、エポキシ樹脂製のプリント基板50である。4つのコンデンサ素子10〜40は、プリント基板50に対して形状が一致して重なるようにプリント基板50上に載置されている。プリント基板50は、積層された4つのコンデンサ素子10〜40のうちの第1コンデンサ素子10の陰極部12及び陽極部11の下面に対向している。
プリント基板50の表面50A及び裏面50Bには、第1の導電パターン51A、51Bと第2の導電パターン52A、52Bとがそれぞれ設けられている。表面50Aの第1導電パターン51A、第2の導電パターン52Aは、それぞれ裏面50Bの第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bと、スルーホール50a、50bを介して電気的に接続されている。第1の導電パターン51Aは、第1コンデンサ素子10の陽極部11の図1に示される左側の端部11Bに対向する位置に配置されており、第2の導電パターン52Aは、第1コンデンサ素子10の陰極部12に対向する位置に配置されている。
プリント基板50の裏面の第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bは、それぞれ図示せぬ電子回路等に実装されるいわゆるユーザ端子であり、プリント基板50の表面の第1の導電パターン51A、第2の導電パターン52Aと同様の金属材料により構成されている。陽極部11の図1に示される左側の端部11Bは、プリント基板50の表面の第1の導電パターン51Aに後述の基板接続用スペーサ62及び導電性接着剤71を介して電気的に接続されている。また、陰極部12が導電性接着剤71によって第2の導電パターン52Aに電気的に接続されている。
第1の導電パターン51A、第2の導電パターン52Aは銅(Cu)により構成されており、その一部は、図3に示されるように、エポキシ樹脂からなる板状部50Cの上面に形成された凹部50cに嵌合し、第1の導電パターン51Aの上面、第2の導電パターン52Aの上面は板状部50Cの上面よりも突出した位置にある。図3の上下方向における第1の導電パターン51A、第2の導電パターン52Aの厚さは、それぞれ略16〜65μm程度である。
板状部50Cの上面よりも突出している第1の導電パターン51Aの部分及び第2の導電パターン52Aの部分には、それぞれニッケル(Ni)からなる下地めっき層51C及び図示せぬ下地めっき層と、更にその上にそれぞれ金(Au)からなる基板側貴金属層51D及び図示せぬ基板側貴金属層とが、それぞれ第1の導電パターン51A、第2の導電パターン52Aを覆うように設けられている。下地めっき層51Cの厚さは略3.0μm程度であり、基板側貴金属層51Dの厚さは略0.3μm程度である。第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bについても同様にニッケル(Ni)、金(Au)からなる2層構造の図示せぬ下地めっき層及び図示せぬ基板側貴金属層が設けられている。
固体電解コンデンサ1がプリント基板50を有しており、プリント基板50には、表面及び裏面に第1の導電パターン51A、51Bと第2の導電パターン52A、52Bとがそれぞれ設けられ、表面の第1導電パターン51A、第2の導電パターン52Aは、それぞれ裏面の第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bとスルーホール50a、50bを介して電気的に接続されているため、裏面の第1の導電パターン51B、第2の導電パターン52Bをユーザ電極とすることができる。このため、ユーザ端子としてリードフレームを用いる場合と比較して、積層された複数のコンデンサ素子10〜40とユーザ電極との距離を極めて短くすることができ、ESR(等価直列抵抗)を低減することができる。
また、後述のように導電性ペースト71を介して基板接続用スペーサ62に接続される第1の導電パターン51Aに基板側貴金属層51Dが設けられているため、第1の導電パターン51Aの表面が自然酸化して、自然酸化膜が形成されることを防止することができる。このため、ESRを更に低減することができる。
図1に示されるように、積層される4つのコンデンサ素子10〜40の第1層をなす第1コンデンサ素子10の陽極部11の端部11Bとプリント基板50の第1の導電パターン51Aとの間には、導電性材料たる銅(Cu)からなるスペーサ本体62Aを有する基板接続用スペーサ62が設けられている。スペーサ本体62Aの周囲全体には、図3に示されるように、ニッケル(Ni)からなる下地めっき層62Bが設けられ、更にその上に金(Au)からなる貴金属めっき層62Cが設けられている。貴金属めっき層62Cは貴金属層に相当する。
陽極部11の端部11Bに対向する基板接続用スペーサ62の上面の貴金属めっき層62Cと基板接続用スペーサ62に対向する陽極部11の端部11Bの下面とは、抵抗溶接によって電気的に接続されている。一方、プリント基板50の第1の導電パターン51Aに対向する基板接続用スペーサ62の下面の貴金属めっき層62Cと第1の導電パターン51Aの基板側貴金属層51Dとは、導電性ペースト71によって電気的に接続されている。
このように基板接続用スペーサ62に貴金属めっき層62Cを設けたため、導電性接着剤71によって第1の導電パターン51Aと電気的に接合されるスペーサ本体62Aの対向面の部分が導電性接着剤71によって接合される前に自然酸化して、当該部分に自然酸化膜が形成されてしまうことを防止することができる。このため基板接続用スペーサ62と第1の導電パターン51Aとを導電性接着剤71で電気的に接合した場合であっても、ESRが増加することを防止できる。また、スペーサ本体62Aと貴金属めっき層62Cとの間にはNi層が設けられているため、スペーサ本体62Aに対する貴金属めっき層62Cの接着性を向上させることができる。また、貴金属めっき層62Cにより貴金属層を構成するようにしたため、予めスペーサ本体62Aに対してめっき処理しておくことで、別途貴金属層を設けずに済み、製造の容易な固体電解コンデンサ1とすることができる。
固体電解コンデンサの製造方法では、先ず、コンデンサ素子製造工程を行う。実際に行われるコンデンサ素子製造工程では、複数のコンデンサ素子が同時に製造されるが、ここでは、説明の便宜上1つのコンデンサ素子10が製造される工程を一回のコンデンサ素子製造工程とする。先ず、表面に酸化膜層11Aが形成され陽極部11となるアルミニウム板、即ち、化成箔を打抜いて一端を略陰極部12の形状とする。このとき、後述のように陽極部となる化成箔の部分は、複数同時に製造される他のコンデンサ素子の陽極部が形成される化成箔の部分と、製品にならない余分な化成箔の部分を介して接続された状態となっている。後述の積層工程を行う直前に行う切断の工程において、この余分な化成箔の部分は切断され除去される。
次に、スクリーン印刷法を用いて、陽極部11の所定の位置であって陰極部12と陽極部11との境界となる位置にレジスト13を形成する。次に、前述のように化成箔を打抜いたときに、打抜いた断面には酸化膜層11Aが形成されていない部分が生ずるが、この部分に酸化膜層11Aを生成するために再度酸化させる再化成を行う。
次に、レジスト13を境とする所定の領域、即ち図1に示される陽極部11のレジスト13よりも右側の部分に相当する化成箔の部分を、固体電解質層12Aを形成するための反応溶液中に浸漬し、化学酸化重合を行うことにより固体電解質層12A、即ち、導電性ポリマー層を形成する。陽極部11の表面はエッチングによりポーラス状になっているので、直接銀ペースト層12Cを形成することができないため、銀ペースト層12Cを形成する準備のために固体電解質層12Aを形成するのである。
次に、何らかの原因により、化成箔の表面に形成されている酸化膜層11Aに破損が生じることがある。この部分を修正するために再度酸化させる修復工程を行う。次に、導電性高分子層の上にグラファイトペースト層12Bと、銀ペースト層12Cとをこの順で積層して形成する。グラファイトペースト層12B、銀ペースト層12Cの形成は、ディップ法やスクリーン印刷法やスプレー塗布法等が用いられる。以上がコンデンサ素子製造工程である。このコンデンサ素子製造工程を4回行うことによって、4つのコンデンサ素子10〜40を製造する。
次に、端部間スペーサ61、基板接続用スペーサ62をコンデンサ素子10〜40に配置する工程を行う。先ずコンデンサ素子10の陽極部11の端部11Bの下面に基板接続用スペーサ62を抵抗溶接し、コンデンサ素子20の陽極部21の端部21Bの下面に端部間スペーサ61を抵抗溶接し、コンデンサ素子30の陽極部31の端部31Bの下面に端部間スペーサ61を抵抗溶接し、コンデンサ素子40の陽極部41の端部41Bの下面に端部間スペーサ61を抵抗溶接する。
次に、陽極部となる化成箔の部分から前述の余分な化成箔の部分を切断し除去し、複数のコンデンサ素子が余分な化成箔の部分によって繋がれている状態から、ばらばらにされた4つのコンデンサ素子10〜40の状態とする。
次に、積層工程を行う。積層工程では、4つのコンデンサ素子10〜40を、陽極部11〜41の図1に示される左側の端部11B〜41B同士が互いに隣接するように積層配置するとともに、陰極部12〜42同士を互いに積層配置する。陰極部12〜42間には、銀−エポキシ系接着剤たる導電性接着剤71が塗布され、陰極部12〜42同士が導電性接着剤71によって互いに電気的に接続される。陽極部11〜41の端部11B〜41B間は、それぞれ端部間スペーサ61が抵抗溶接されることにより陽極部11〜41の端部11B〜41Bと端部間スペーサ61とは電気的に接続される。
より具体的には、先ず、コンデンサ素子10の陰極部12の上面に導電性接着剤71を塗布し、コンデンサ素子20の陰極部22の下面を、導電性接着剤71を介してコンデンサ素子10の陰極部12に電気的に接続し固定する。また、コンデンサ素子10の陽極部11の端部11Bの上面に、既にコンデンサ素子20の陽極部21の端部21Bに抵抗溶接されている端部間スペーサ61を抵抗溶接して、コンデンサ素子10とコンデンサ素子20とを電気的に並列接続する。
同様に、コンデンサ素子20の陰極部22の上面に導電性接着剤71を塗布し、コンデンサ素子30の陰極部32の下面を、導電性接着剤71を介してコンデンサ素子20の陰極部22に電気的に接続し固定する。また、コンデンサ素子20の陽極部21の端部21Bの上面に、既にコンデンサ素子30の陽極部31の端部31Bに抵抗溶接されている端部間スペーサ61を抵抗溶接して、コンデンサ素子10及びコンデンサ素子20とコンデンサ素子30とを電気的に並列接続する。
同様に、コンデンサ素子30の陰極部32の上面に導電性接着剤71を塗布し、コンデンサ素子40の陰極部42の下面を、導電性接着剤71を介してコンデンサ素子30の陰極部32に電気的に接続し固定する。また、コンデンサ素子30の陽極部31の端部31Bの上面に、既にコンデンサ素子40の陽極部41の端部41Bに抵抗溶接されている端部間スペーサ61を抵抗溶接して、コンデンサ素子10及びコンデンサ素子20及びコンデンサ素子30とコンデンサ素子40とを電気的に並列接続する。
次に、プリント基板接続工程を行う。プリント基板接続工程では、4つの積層されたコンデンサ素子10〜40とは別体として用意されたプリント基板50上に、当該4つの積層されたコンデンサ素子10〜40を載置し電気的に接続する。具体的には、先ず、導電性接着剤71を、第1の導電パターン51A上へドット状に塗布する。また、第2の導電パターン52A上へX字状に塗布する。そして、導電性接着剤71をそれぞれ塗布したプリント基板50の第1の導電パターン51Aの基板側貴金属層51D、第2の導電パターン52Aの図示せぬ基板側貴金属層上に、基板接続用スペーサ62、陰極部12〜42をそれぞれ当接させる。このことにより、基板接続用スペーサ62をプリント基板50の第1の導電パターン51Aに電気的に接続すると共に、陰極部12〜42を第2の導電パターン52Aに電気的に接続する。
その後、固体電解コンデンサ1を保護するためにモールドを行い、切断を行い、更に、損傷している部分を修復するためのエージングを行い、特性検査、外観検査を経て固体電解コンデンサの製造方法の全工程を終了する。
本発明による固体電解コンデンサは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、貴金属めっき層62C、基板側貴金属層51Dは金(Au)により構成されていたが、これに限定されず、酸化されにくく抵抗が少ない他の貴金属、例えば、白金(Pt)や銀(Ag)等により構成されてもよい。また、基板接続用スペーサ62は銅(Cu)により構成されていたが、これに代えて、例えばりん青銅、ステンレス、ニッケル(Ni)、42アロイ等のFe―Ni合金等を用いてもよい。また、端部間スペーサ61はニッケル(Ni)により構成されていたが、これに代えて、例えばりん青銅、ステンレス、Cu、Niを42%含有する42アロイ等のFe―Ni合金等を用いてもよい。
また、貴金属めっき層62Cに代えて、スペーサ本体62Aにめっきを施さずに、スペーサ本体62Aとプリント基板の第1の導電パターンとの間に貴金属層を設けて、貴金属層と導電パターンとの間を導電性接着剤により電気的に接続するようにしてもよい。
また、スペーサ本体62Aの周囲全体に貴金属めっき層62Cが設けられていたが、全体でなくてもよい。この場合であっても、プリント基板50の導電パターン51Aに対向するスペーサ本体の対向面には、貴金属めっき層が設けられる。
また、導電性接着剤71は、エポキシ樹脂と銀とを主成分とし、銀がエポキシ樹脂中に混合されて構成されていたが、これに限定されない。例えば、エポキシ樹脂に代えてポリイミド、シリコーン、アクリル、フェノキシ、ポリエステル等の樹脂を用いてもよい。
また、導電性接着剤71は、第1の導電パターン51A上へドット状に塗布され、第2の導電パターン52A上へX字状に塗布され、このように第1の導電パターン51A、第2の導電パターン52A上の一部に塗布されたが、これらは導電性接着剤71の塗布の方法の一例であり、導電性接着剤71の塗布はこれらの方法に限定されない。例えば、基板接続用スペーサ62に対向する第1の導電パターン51Aの全面や、陰極部12〜42に対向する第2の導電パターン52Aの全面に塗布されてもよい。
また、コンデンサ素子10〜40は4つ設けられていたが、個数は4つに限定されない。また、陽極部11〜41を構成する弁作用金属はアルミニウムにより構成されたが、これに限定されない。例えばタンタルやニオブ等であってもよい。
本発明の固体電解コンデンサは、多数のコンデンサ素子が積層されて構成される固体電解コンデンサの分野において有用である。
本発明の実施の形態による固体電解コンデンサを示す断面図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサを構成するコンデンサ素子を示す断面図。 本発明の実施の形態による固体電解コンデンサを示す要部断面図。
符号の説明
1 固体電解コンデンサ
10〜40 コンデンサ素子
11〜41 陽極部
11A 酸化膜層
11B〜41B 端部
12〜42 陰極部
12A 固体電解質層
12B グラファイトペースト層
12C 銀ペースト層
51A 第1の導電パターン
51B 第2の導電パターン
51D 基板側貴金属層
61 端子間スペーサ
62 基板接続用スペーサ
62A スペーサ本体
62B 下地めっき層
62C 貴金属めっき層
71 導電性接着剤

Claims (4)

  1. 表面に酸化膜層が形成され弁作用金属からなる陽極部と、該表面の所定の領域に固体電解質層を有して層状に形成された陰極部とにより構成されるコンデンサ素子を複数備え、該複数のコンデンサ素子は該陽極部の端部同士が互いに隣接して積層配置されるとともに該陰極部同士が互いに積層配置されて、互いに電気的に並列接続される固体電解コンデンサであって、
    最下層の該コンデンサ素子の該陽極部の端部に対向配置された第1の導電パターンと該最下層のコンデンサ素子の該陰極部に対向配置された第2の導電パターンとを有するプリント基板を備え、
    該陽極部の端部間には、該複数のコンデンサ素子の各該陽極部の該端部を互いに電気的に接続するための導電性を有する端部間スペーサが設けられ、該最下層のコンデンサ素子の該陽極部の端部と該第1の導電パターンとの間には、該複数のコンデンサ素子の該陽極部の該端部と該第1の導電パターンとを互いに電気的に接続するための導電性を有する基板接続用スペーサが設けられ、
    該基板接続用スペーサは、導電性材料により構成されるスペーサ本体と、少なくとも該第1の導電パターンに対向する対向面に設けられた貴金属層とを備え、該貴金属層と該第1の導電パターンとは導電性接着剤により電気的に接合されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 該スペーサ本体と該貴金属層との間にはNi層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 該貴金属層は、該スペーサ本体を覆うめっきにより構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の固体電解コンデンサ。
  4. 少なくとも該基板接続用スペーサに対向する第1の導電パターン上には、基板側貴金属層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の固体電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009302283A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Panasonic Corp 固体電解コンデンサとそれに用いるコンデンサ素子積層体の製造方法

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