本発明は、デビット決済を実現するデビット決済装置および方法に関し、特に、携帯電話やICキャッシュカードなどの情報記憶媒体によってプリペイドカード購入のデビット決済を行えるようにしたデビット決済システムおよび方法に関する。
一般に、デビット決済は、銀行や郵便局などの金融機関が発行するキャッシュカードを用いて支払いを行うことができ、デパートやガソリンスタンドや医療機関などで幅広く使用されている決済手段である。
デビット決済を行うには、利用者がキャッシュカード(デビット決済に利用するキャッシュカードを「デビットカード」という)を用いてデビット決済に対応した端末機にキャッシュカード情報を読み取らせ、併設されたボタンを用いてキャッシュカードの暗証番号を入力する。これによって端末機は、金融機関と通信を行い、キャッシュカード情報に含まれる金融機関口座と暗証番号の情報によって利用金額が引き落とされる。
このようにデビットカードを用いたデビット決済によって現金を保持せずとも、取引をスムーズに行うことができるようになる。
遊技店内において、デビットカード等の複数種類のカードを効率的に利用できるようにした従来技術として、特許文献1に開示されたものがある。
この特許文献1では、複数の異なる種類のカード(プリペイドカードおよび会員カード)を共通の挿入口を介して受け入れ、異なる種類のカードの読み取りおよび所要の処理を行えるようにしてスペース的、コスト的な問題を解消し、操作性および遊技者の利便性を向上させている。
特許文献1では、遊技店内の遊技機の利用に現金しか用いることができないため更なる利便性の向上に向けて以下の特許文献2または特許文献3が公開されている。
特許文献2では、デビット端末をプリペイドカードシステムのカード発行機と接続し、デビット端末にデビットカードを受け入れてデビット決済によるカード発行を行うためのデビット決済装置として用いる技術が開示されている。このシステムでは、デビット端末におけるデビット決済に際して入力する暗証番号を覗かれないようにかざし等でのセキュリティを設けている。
また、特許文献3では、遊技機間に設けられる台間処理機毎にデビット端末を配置し、各台間デビット端末では、台間処理機でキャッシュカード挿入及び暗証番号入力を経てデビット決済を行うシステム構成が開示されている。
特開2002−301260
特開2003−144737
特開2002−922
しかしながら、特許文献1に示された従来技術においては、プリペイドカードや会員カードなどの磁気記録を中心としたカードの購入の際に現金を用いて取引を行っているため利用者が現金を持ち合わせておらず利用できないという問題やプリペイドカード購入に手間隙がかかるという問題がある。
また、特許文献1乃至3に記載された従来技術では、プリペイドカードや会員カードの性質上、限られた施設での利用となり汎用性、利便性にかける。さらに、磁気カードである場合にはデータの書き換えを行うことができないだけでなく、簡単に複製カードを作成されてしまうという危険性のほか、操作キーが配置された固定的な位置で暗証番号を入力するために暗証番号を他人に盗み見されるという問題もある。
そこで、本発明は、遊技施設を利用する利用者の利便性を高め、高いセキュリティを実現したデビット決済を行えるようにしたデビット決済システムおよび方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、登録された情報の交換を行う情報交換機能を有する情報記憶媒体を用いて遊技店におけるプリペイドカード購入のデビット決済を行うデビット決済システムにおいて、前記情報記憶媒体に登録されたキャッシュカード情報を読み取るデータ読取手段と、前記データ読取手段によって読み取ったキャッシュカード情報に対する暗証番号およびデビット決済金額とを入力する入力手段と、前記入力手段で入力されたデビット決済金額と前記データ読取手段で読み取ったキャッシュカード情報に基づき該当金融機関と前記プリペイドカード購入に係るデビット決済を行うデビット決済手段とを具備することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記デビット決済手段は、前記入力手段により前記プリペイドカード購入に係る上限値を越えるデビット決済金額が入力された場合は、該上限値でデビット決済を行うことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記デビット決済手段は、前記入力手段により前記プリペイドカード購入に係る上限値を越えるデビット決済金額が入力された場合は、該デビット決済金額でデビット決済を行い、前記上限値を越える分は電子マネーとして前記情報記憶媒体にチャージすることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記情報記憶媒体は、携帯電話機であり、前記入力手段は、前記暗証番号および前記デビット決済金額を前記携帯電話機の操作キーを用いて入力することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記情報記憶媒体は、携帯電話機であり、前記入力手段は、前記暗証番号を前記携帯電話機の操作キーを用いて入力することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記情報記憶媒体は、ICキャッシュカードであり、前記入力手段は、前記暗証番号および前記デビット決済金額を前記キャッシュカード情報を読み取る装置の操作キーを用いて入力することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれかの発明において、前記情報記憶媒体は、携帯電話機であり、前記携帯電話機に前記デビット決済手段によるデビット決済の履歴を記憶するデビット決済履歴記憶手段とを更に具備することを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかの発明において、前記デビット決済手段は、前記遊技店の台間装置に内蔵されたプリペイドカードに前記デビット決済された利用金額を登録することにより前記プリペイドカード購入を行うことを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記デビット決済手段は、電子マネー機能を搭載する前記情報記憶媒体に利用金額をチャージするチャージ手段を具備し、前記チャージ手段により前記情報記憶媒体にチャージされた電子マネーを用いて前記プリペイドカード購入を行うことを特徴とする。
また、請求項10の発明は、登録された情報の交換を行う情報交換機能を有する情報記憶媒体を用いて遊技店におけるプリペイドカード購入のデビット決済を行うデビット決済方法において、前記情報記憶媒体に登録されたキャッシュカード情報をデータ読取手段で読み取り、前記データ読取手段によって読み取ったキャッシュカード情報に対する暗証番号およびデビット決済金額とを入力手段で入力し、前記入力手段で入力されたデビット決済金額と前記データ読取手段で読み取ったキャッシュカード情報に基づき該当金融機関と前記プリペイドカード購入に係るデビット決済をデビット決済手段で行うことを特徴とする。
本発明によれば、登録された情報を交換する機能である情報交換機能を有する情報記憶媒体(以下、「キャリア」という)をデビット端末にセットすることで、ICに登録されたキャッシュカード情報などの情報を読み込み、利用指定金額と暗証番号に基づいてデビット決済を行えるような構成にしたので、キャッシュカード情報が盗用される危険性を回避することが可能になり、遊技機を利用する利用者の利便性が向上するという効果を奏する。また、発展的に遊技機を提供する企業にとって、遊技機の稼働率が向上することにより利益が拡大するという効果を奏する。
さらに、上記キャリアとして携帯電話機を利用する場合には、携帯電話機のボタンを用いて利用指定金額と暗証番号を入力できるように構成したので、暗証番号の盗み見などによる情報の流出を防ぐことが可能になるという効果を奏する。また、この携帯電話機を用いたデビット決済では、プリペイドカードの最大発券金額を超過した高額デビット決済が行われた場合に最大発券金額からの超過分を電子マネーとしてキャリアにチャージできるようにし、チャージされた電子マネーによる遊技機の利用をも可能にしたので、限られた施設の利用にとどまらず汎用的な電子マネーの利用が可能になり、利用者の利便性が向上するという効果を奏する。
そして、ICカード機能を利用した非接触のキャリアを利用することにより、カードリーダなどに差し込む必要がなくなり、磁気カードとIC機能を併用したカードよりもより高いセキュリティを実現できるという効果を奏する。
以下、本発明に係わるデビット決済システムおよび方法の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、本願発明は、パチンコ店などの遊技場に設置されたパチンコ台やスロットマシンに代表されるような遊技機に適用可能であり、以下の説明ではパチンコ店におけるデビット決済によってパチンコ台の利用を行う場合を例に説明する。
図1は、本発明に係わるデビット決済システムのシステム構成図である。
図1において、このデビット決済システムは、パチンコ店におけるパチンコ台利用のためのデビット決済を行うシステムを示し、デビット決済を行う媒体として、非接触型のICカード機能(Integrated Circuit:集積回路)が搭載された携帯電話機やキャッシュカード情報が記憶されたICキャッシュカードを用いることができる。もちろん、磁気カードなどの接触型のカードを用いたデビット決済は可能である。
図1に示すデビット決済システムは、ターミナルコントローラ(以下、「TC(Terminal Controller)」という)101、パチンコ台102、カード処理ユニット103、カード販売機104、島コントローラ105、デビット端末106、携帯電話機107、ICキャッシュカード108、情報処理センタ110、CAFIS(Credit And Finance Information System:クレジットカード通信システム)111、金融機関112を具備して構成され、図に示すように複数のパチンコ台102を1グループとして「島」を形成している。
TC101、パチンコ台102、カード処理ユニット103、カード販売機104、島コントローラ105、デビット端末106を具備して構成されるパチンコ店は、各デビット端末106が公衆回線網109を介して情報処理センタ110と接続されている。また、情報処理センタ110は、クレジットカード会社、金融機関、企業、店などをネットワーク接続することによりリアルタイムでオンライン決済ができるネットワークサービスであるCAFIS111を介してデビット決済のための口座が開設された所定の金融機関とデビット決済通信を行う。
これにより、利用者は、パチンコ店に設置されたデビット端末106におけるデビット決済によってカード販売機104によるプリペイドカード販売が行われ、パチンコ台の利用が可能になる。
次に、パチンコ店の構成を説明する。
TC101は、パチンコ店の事務所などに設置されたコンピュータによって実現され、パチンコ店全体を統括して管理する装置であり、会員の管理やプリペイドカード販売による入金登録、さらにはプリペイドカードの残額管理などを行う。
パチンコ台102は、パチンコ店が提供する遊技機の一例であり、パチンコ玉を打ち出すことによって遊ぶことができる。一例としてパチンコ台を示すが、パチンコ台に限られず、コインを用いたスロットマシンなども含まれる。
カード処理ユニット103は、デビット端末106を用いたデビット決済によって決済された発券金額により購入されたプリペイドカードによってパチンコ台102で利用するパチンコ玉の貸し出しを行う装置である。
カード販売機104は、利用者により指定されたプリペイドカードの発券金額をデビット端末106に通知すると共に、該通知した発券金額に基づきデビット端末106から情報処理センタ110に送出されるデビット決済依頼に対するデビット決済の可否の通知をデビット端末106を通じて受信し、デビット決済が行われた場合には、指定された発券金額に対するプリペイドカードを発券する。
なお、販売されるプリペイドカードは100円を1度数とする度数表示により、指定金額を利用可能としてもよい。
島コントローラ105は、パチンコ台102やカード処理ユニット103とTC101などの上位機との情報をやり取りする装置である。
デビット端末106は、携帯電話機107やICキャッシュカード108などに記憶されたキャッシュカード情報を読み取り、情報処理センター110と通信を行うことにより指定された利用金額分をデビット決済する。
また、デビット決済され、プリペイドカードの発券が行われた場合には、利用明細を示すレシートの発行も行う。
このような構成により、IC機能が搭載された携帯電話機107やICキャッシュカード108を用いてデビット決済を行うことができ、プリペイドカードの発券を受けてパチンコ台の利用を行うことができる。
図2は、本発明のデビット決済システムにおけるデビット端末106、カード販売機104の装置構成を示す図である。
デビット端末106は、ICキャッシュカードまたはキャッシュカード情報が記憶された携帯電話機に基づいてプリペイドカードの発券金額やデビット設備を利用する利用料のデビット決済を行うことができ、表示部201、ボタン群202、ICカードリーダ203、レシート発行口204を含んで構成される。
表示部201は、利用者に対する指示内容を表示する。例えば、キャッシュカード機能を利用するためにボタン群202を用いて入力した暗証番号をアスタリスクで表示したり、上記利用料などを利用者に対して表示したりするために用いる。
ボタン群202は、デビット端末に指示を出したり、暗証番号の入力を行ったりするボタンを有する外部操作入力部である。例えば、数字「0〜9」、取消ボタン、確認ボタンなどがあり、デビット端末106に対して外部操作入力を行うことができる。
ICカードリーダ203は、ICキャッシュカードや携帯電話機のICに記憶されたキャッシュカード情報を読み取ることができる。読み取ったキャッシュカード情報を用いてデビット端末106は、情報処理センター110を介して各金融機関112とデビット決済をオンラインで行うことができる。
レシート発行口204は、デビット決済処理の利用明細を示すレシートの発行を行う。ICキャッシュカードや携帯電話機をICカードリーダ203にセットすることによりキャッシュカード情報を読み取らせ、ボタン群202を用いて暗証番号を入力し、情報処理センター112との通信によりデビット決済を行う。決済された場合に、カード販売機104でプリペイドカードの発券を可能にし、利用者が所望の発券金額が示されたプリペイドカードのボタンを押下すると利用明細を示すレシートが発券される。
利用者はレシートを確認することによってデビット決済の利用明細を確認することができ、金融機関から引き落とされた金額を把握することができる。
そして、カード販売機102は、パチンコ台を利用するためのプリペイドカードを発券する装置であり、表示部208、金額選択ボタン209、プリペイドカード発券口210、取消ボタン211を含んで構成されている。
表示部208は、デビット端末106のICカードリーダ203によって読み込んだキャッシュカード情報に対してボタン群202で入力された暗証番号が入力された場合に発券するプリペイドカードの金額を選択する旨のメッセージを表示するなど利用者に対してメッセージを通知する。
金額選択ボタン209は、発券するプリペイドカードの金額を選択するボタンである。例えば、1000円、2000円、3000円、5000円、10000円のボタンがあり、それぞれの表示金額分の玉貸しが可能なプリペイドカードが発券される。
このとき金額選択ボタン209によって指定されたプリペイドカードの発券金額に基づいてデビット決済が行われる。
プリペイドカード発券口210は、金額選択ボタン209で選択したプリペイドカードの発券金額に対するプリペイドカードを発券する。発券されたプリペイドカードを図1に示すカード処理ユニット103に挿入することによって選択した金額分の玉貸しが可能となる。
取消ボタン211は、ICキャッシュカードや携帯電話機を用いてキャッシュカード情報の読み込みを行ったのちにプリペイドカードの発券を中止する場合に押下するボタンである。
このような構成により、ICキャッシュカードまたは携帯電話機から読み込んだキャッシュカード情報、ボタン群202を用いた入力した暗証番号、プリペイドカードの発券金額に基づいて情報処理センタ110を介して金融機関112でデビット決済を行うことができ、遊技機に利用が可能になる。
図3は、デビット端末とカード販売機の詳細を示すブロック図である。
図3は、図1ないし図2に示すデビット端末とカード販売機の詳細を示しており、デビット端末106は、表示部201、ボタン群202、ICカードリーダ203、レシート発行口204、デビット制御部301、記憶部303、内部操作入力部304、第1通信I/F部308、第2通信I/F部309を具備して構成され、カード販売機104は、表示部208、金額選択ボタン209、プリペイドカード発券口210、発券制御部310、第1通信I/F部314、第2通信I/F部315を具備して構成される。
まず、デビット端末106について説明する。
デビット制御部301は、デビット端末106におけるデビット決済を制御する。記憶部303に記憶されたデビット決済プログラムを実行し、情報処理センタ110を介して金融機関でデビット決済を行う。さらに第1通信I/F部308、第2通信I/F部309を介して他の装置との通信が可能である。
ICカードリーダ203は、ICキャッシュカードや携帯電話機に記憶されたキャッシュカード情報を読み取り、読み取った情報をデビット制御部301に通知する。なお、キャッシュカード情報とは、銀行番号、支店番号、口座番号が含まれ、デビット決済における識別情報として利用される。
記憶部303は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどを示し、デビット決済を行うためのデビット決済プログラムやデータを記憶している。
内部操作入力部304は、係員モードスイッチを備えて構成したものである。従業員がメンテナンスのために使用する内部スイッチなどを示す。
ボタン群202は、「0〜9」の数字ボタンや確認ボタン、取消ボタンなど利用者がデビット端末に対して指示するボタンやスイッチを示す。
表示部201は、液晶ディスプレイなどにより構成され、デビット制御部301から送出されてきた画面データを表示する。例えば、暗証番号やデビット決済金額の入力を指示したり、デビット決済の処理内容を表示したりする。
レシート発行部204は、デビット決済が行われた際にデビット決済の明細をレシートに印字する。また、印字されたレシートが利用者によって抜き取られたことをデビット制御部301に通知する。このとき、デビット制御部301からカード販売機の発券制御部310に通知し、発券制御部310がプリペイドカード発券口210からプリペイドカードを発券する。
第1通信I/F部308、第2通信I/F部309は、それぞれカード販売機104の第2通信I/F部315、情報処理センター110と接続されており、通信を実現するインターフェースである。全ての通信データはこれらのインターフェース部を介してデータの送受信が行われる。
以上のような構成により、デビット端末106は情報処理センタ110、CAFIS111を介して金融機関でデビット決済を行うことができる。
次に、カード販売機104について説明する。
発券制御部310は、カード販売機104の主制御部であり、発券制御部310に接続された金額選択ボタン209、ICカードリーダ210、表示部208、第1通信I/F部314、第2通信I/F部315を制御する。
金額選択ボタン209は、利用者による図2の金額選択ボタン209のほか、取消ボタン211などの押下をも検出し、押下されたボタンを発券制御部310に通知することができる。
プリペイドカード発券口210は、デビット端末106によりデビット決済が行われ、金額選択ボタン209で検出した発券金額のプリペイドカードを発券する処理を行う。プリペイドカードの発券には、レシート発行口204で印字されたレシートの抜き取りを検出した後に発券するような構成にすることによってレシートの抜き忘れを防止することができる。
表示部208は、表示部201と同様、液晶ディスプレイなどにより構成され、発券制御部310から送出されてきた画面データを表示する。例えば、プリペイドカードの発券金額を示す金額選択ボタン209の選択を指示する旨の画面を表示する。
第1通信I/F部314、第2通信I/F部315は、それぞれ島コントローラ105、デビット端末106と接続されており、ぞれぞれの装置と通信を実現するインターフェースである。
以上のような構成により、カード販売機104は、デビット端末106によるデビット決済された発券金額に応じてプリペイドカードの発券を行うことができる。
図4は、デビット端末の表示部あるいはカード販売機の表示部に表示される画面の内容を示す図である。
図4において、図4(a)は、ICキャッシュカードまたは携帯電話機をICリーダにセットすることによりキャッシュカード情報が読み込まれた場合にキャッシュカード情報を利用する暗証番号の入力を促す画面であり、図4(b)は、暗証番号が入力された後にプリペイドカード発券にかかる料金の表示を行う画面であり、図4(c)は、読み込んだキャッシュカード情報に対する暗証番号が入力され、発券するプリペイドカードの発券金額を選択指示する画面である。
図4(a)は、デビット端末の表示部に表示される画面を示し、暗証番号ボックス401に4桁の暗証番号が図2のボタン群202から入力された状態を示している。この状態から図2に示す確認ボタンを押下するとカード販売機に対して暗証番号の入力完了を示す通知が送出される。
図4(b)は、カード発券金額402、利用料403が示されており、暗証番号が入力されると発券するプリペイドカードの発券金額とその発券金額に対してデビット設備を使用する利用料が示される。例えば、1000円分のプリペイドカードの購入にデビット設備を利用する場合には利用料として50円かかることを示している。
図4(c)は、図2のカード販売機104における表示部208の下部に設置された金額選択ボタン209のうち、発券するプリペイドカードの発券金額を選択指示する内容の画面を表示する。
図5は、デビット決済のレシートの一例を示す図である。
図5は、図1〜図3に示す構成によってデビット決済を行った際に発行されるレシートの一例を示す図である。
レシートの題名として「デビットカード口座引落確認書」が示され、その表示項目として取引日時501、発行銀行502、端末番号503、伝票番号504、処理通番505、承認番号506、取引内容507、購入金額508、利用料509、合計510が示されている。
プリペイドカードを発行するにあたって現金の引き落とし(取引)を行った銀行(金融機関)を発行銀行502に示し、その取引を行った日時を取引日時501に示している。すなわち発券したプリペイドカードの金額分が発行銀行502に示された金融機関の利用者の口座から引き落とされることになる。端末番号503は、情報処理センターが自動的に割り振るデビット端末の端末固有のIDであり、その情報処理センターとの取引ごとに付与される番号を伝票番号504に示す。
さらに図1に示すCAFISが割り振る処理の番号を処理通番505に示し、CAFISの通信により取引を行う金融機関や情報処理センターが取引ごとに割り振る番号を承認番号506に示す。
また、取引の内容を取引内容507に示し、図5に示す例では「売上」であることが示されている。さらに、プリペイドカードの発券金額である購入金額508とデビット設備の利用金額を示す利用料509に示している。そして、その購入金額508と利用料509との合計金額を合計510に示している。これによって利用者はいつ何処でいくら分のデビット決済を行ったかを確認することができる。
図6は、本発明におけるデビット決済システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図6において、ICキャッシュカードまたはIC機能が搭載された携帯電話機をデビット端末のICカードリーダにセットすると処理が開始され、デビット端末のデビット表示部に暗証番号の入力を促す画面を表示し(S601)、利用者による暗証番号入力を受け付ける(S602)。続いて発行するプリペイドカードの金額とその金額に対する利用料とを表示した画面を表示する(S603)。また、表示する動作と同時にデビット端末からカード販売機に対して暗証番号入力完了通知を送付し(S604)、発券するプリペイドカードの金額選択ボタンの押下を指示する画面をカード販売機の表示部に表示する(S605)。
利用者によって発券するプリペイドカードの金額が選択されると、押下された金額をデビット端末に対して通知し(S606)、デビット端末は通知されたプリペイドカードの発券金額、暗証番号、キャッシュカード情報に基づいてデビット決済の処理依頼を情報処理センタに通知する(S607)。情報処理センタから受けたデビット決済の結果をカード販売機に通知し(S608)、デビット決済できたか判断し(S609)、暗証番号の不一致、預金金額不足などの理由によりデビット決済できなかった場合(S609でNO)には、カード販売機の表示部にデビット決済できなかった旨の画面を表示(S610)して処理を終了する。
それに対して、デビット決済できた場合(S609でYES)には、TCにプリペイドカードの入金登録を行い(S611)、TCからカード販売機に対してプリペイドカード入金登録完了通知を送信する(S612)。カード販売機では、プリペイドカード入金登録完了通知を受信すると選択された金額のプリペイドカードの発券準備を行い、準備が完了したことを示す発券準備完了通知をデビット端末に送出する(S613)。デビット端末はこれを受けて発券するプリペイドカード金額に対するレシートを発行し(S614)、レシートが利用者によって抜取されたことを確認してプリペイドカードを発券する(S615)。
このような処理により、ICキャッシュカードまたはIC機能が搭載された携帯電話機でプリペイドカードを購入することができるため利用者にとって利便性が向上し、遊技施設の稼働率も向上することによる利益の拡大につながる。
以上に示すような構成により、キャリアを用いたプリペイドカードの購入が可能になり利便性が向上し、さらには磁気カードを用いた利用に比べてキャッシュカード情報の盗用が軽減し、セキュリティが向上する。
なお、予めICキャッシュカードや携帯電話機に正規の暗証番号を記憶しておき、入力された暗証番号と比較するような構成にしてもよい。
図7は、本発明のデビット決済システムにおける他の利用構成を示す図である。
図7に示す利用構成や利用方法は、図1〜図3に示す構成と類似しているため、異なる点を中心に説明する。
図7は、IC機能が搭載された携帯電話機を用いてデビット決済を行う方法を示している。
携帯電話機107のICに記憶されたキャッシュカード情報を利用するために携帯電話機107で携帯電話機用アプリケーションを起動し、そのアプリケーションを用いてキャッシュカード情報の利用の暗証番号登録を行う。登録された暗証番号とキャッシュカード情報が記憶された携帯電話機をデビット端末のICカードリーダ203にかざすことによって情報を読み込ませてデビット決済処理を行う。
図2に示す構成と異なる点として、図2では、キャッシュカード情報が記憶された携帯電話機107をデビット端末のICカードリーダにセットすることによってキャッシュカード情報を読み取り、デビット端末106のボタン群202を用いて暗証番号を入力することで情報処理センタ110を介して各金融機関112でデビット決済を行うような構成になっている。それに対して、図7では、キャッシュカード情報が記憶された携帯電話機107で暗証番号を入力し、デビット決済処理に利用できるようにした携帯電話機用アプリケーションを保持している。この携帯電話機107をデビット端末にかざすことによりキャッシュカード情報と暗証番号が読み込まれる。
キャッシュカード情報と暗証番号が読み込まれた後のプリペイドカード発行までの処理は図2に示す処理と同様である。
以上に示すような処理により、利用者は暗証番号の入力を携帯電話機107を用いて行うことができるため、デビット端末のボタン群を用いて他人から見えないようにして行うことができるため、固定的に設けられるデビット決済の処理依頼を安全に行うことができる。
なお、より高いセキュリティを確保するため、暗証番号を入力したときから一定の時間が経過してもデビット端末106によって暗証番号などが読み取られない場合には登録された暗証番号を消去し、必要であれば再度入力しなおすような機能を携帯電話機用アプリケーションに持たせてもよい。
図8は、図7の例において、携帯電話機を用いた暗証番号の入力を促す画面を示す図である。
図8において、図8(a)は、キャッシュカード情報の利用にあたって暗証番号を入力する画面を示し、図8(b)は、暗証番号の登録が行われたことを利用者に対して示す画面である。
図8(a)は、キャッシュカード情報を利用するための携帯電話機用のアプリケーションを起動すると表示される画面であり、暗証番号入力ボックス801、確定ボタン802を含んだ構成である。
暗証番号入力ボックス801に携帯電話機のボタンを用いて暗証番号を入力し、十字キーまたはポイント移動ボタンなどを用いてフォーカスを暗証番号入力ボックス801から確定ボタン802に移動し、実行すると暗証番号が携帯電話機の一時記憶領域に登録されて図8(b)に示す画面に遷移する。
携帯電話機をデビット端末にかざすとICに記憶されたキャッシュカード情報と一時記憶領域に登録された暗証番号とを読み出す。
図8(b)は、図8(a)の画面を用いて暗証番号を入力したのちに表示される画面であり、利用者に対して登録が完了し、読み込み処理を行うことができることを通知している画面である。
このような構成により、携帯電話機を用いて暗証番号を入力することができるので暗証番号の入力における秘匿性を高めることができ、セキュリティが向上する。このとき発行されるレシートは図5に示すレシートの例と同様である。
なお、図7に示す実施例では、携帯電話機用のアプリケーションを用いてキャッシュカード情報の暗証番号を入力してデビット決済を行っているが、以下の図9、図10、図11に示す例のように携帯電話機の画面で暗証番号のほかにプリペイドカードの発券金額をも指定するような構成にしてもよい。
図9は、本発明のデビット決済システムにおいて携帯電話機に発券金額と暗証番号を入力することによりデビット決済を行えるように構成した構成図である。
図9では、携帯電話機用のアプリケーションを用いてキャッシュカード情報の暗証番号とプリペイドカードの発券金額を指定した後に情報処理センタ110を介して各金融機関112でデビット決済を行う。すなわち、図7に示す構成での処理のようにカード販売機104でプリペイドカードの発券金額を選択するのではなく、発券するプリペイドカードの発券金額をも暗証番号の入力と同様に携帯電話機用のアプリケーションで指定する。
図7と異なる点を説明する。異なる点として、デビット端末106のボタン群202に確認ボタン901と取消ボタン902が設置されており、携帯電話機で入力した暗証番号とプリペイドカードの発券金額をICカードリーダ203で読み込み、デビット端末106の表示部201に発券金額と利用料とを示す画面を表示する。
承認しない場合や処理を取り消す場合には、取消ボタン902を押下することにより処理が中止され、デビット決済が行われない。
承認する場合には、確認ボタン901を押下することでデビット決済要求を行う。デビット決済が行われると、デビット端末106からカード販売機104に対して決済された決済金額と決済完了通知とを送出する。これを受けたカード販売機は、TC101に対してプリペイドカードの入金登録を行い、TC101からの入金登録完了通知に基づいてカード販売機104でプリペイドカードの販売準備を行ってデビット端末106に発券準備完了通知を送出する。
発券準備完了を受けたデビット端末106は、デビット決済の利用明細を示すレシートをレシート発行口204から発行する。
この場合、携帯電話機で利用金額の指定を行っているため、プリペイドカード発券金額の上限金額(以下、「最大発券金額」という)の範囲内で所定のプリペイドカードが発券される。そして、プリペイドカードがプリペイドカード発券口210から発券されるとカード販売機104の表示部208にプリペイドカードの発券を知らせる画面が表示される。
これにより、利用者が指定した発券金額でプリペイドカードを発券できる。
図10は、図9の構成において携帯電話機に表示される画面の例を示す図である。
図10において、図10(a)は、デビット決済のための暗証番号とプリペイドカードの発券金額とを入力する画面であり、図10(b)は、暗証番号と発券金額の登録完了を通知する画面である。
携帯電話機でデビット決済を行うための携帯電話機用のアプリケーションを起動すると図10(a)に示す暗証番号と発券金額とを入力する画面が表示され、それぞれに入力が完了すると図10(b)に示す登録完了を示す画面が表示される。利用者は、図10(b)のような登録完了を示す画面を確認した後にデビット端末106のICカードリーダ203に携帯電話機をかざす。これによって、キャッシュカード情報、暗証番号及び発券金額がデビット端末へ送られ、デビット端末から情報処理センタに対してデビット決済の処理依頼が送出され、デビット決済が正常に行われた場合にプリペイドカードが発券される。
図11は、利用料と利用可能金額を表示する画面を示す図である。
図11は、図10に示すように暗証番号と決済金額とを登録した携帯電話機をデビット端末のICカードリーダにかざした場合にデビット端末106の表示部201に表示される画面である。
図11において、図11(a)は、プリペイドカードの発券金額として指定された利用指定金額1101とデビット設備を利用する利用料1102とを示す画面であり、図11(b)は、プリペイドカードの発券金額として指定された利用指定金額1103とその利用指定金額1103に対して取引可能な金額を示す取引可能金額1104とデビット設備を利用する利用料1105とを示す画面である。
図11(a)は、携帯電話機で指定されたプリペイドカードの発券金額が最大発券金額以下である場合に表示される画面である。例えば、プリペイドカードの最大発券金額が「10000円」である場合、10000円以下の発券金額が指定された場合に表示される。
また、それに対して図11(b)は、携帯電話機で指定された発券金額が最大発券金額を超過している場合に表示される画面である。例えば、プリペイドカードの最大発券金額が「10000円」である場合に、10000円を超過した金額が指定された場合に表示される。
利用指定金額1103は、携帯電話機で指定された利用金額であってこの利用指定金額が最大発券金額以下であるか否かにより表示される画面が異なる。
例えば、利用指定金額として「20000円」が指定され、一度に発券できる最大発券金額が「10000円」であって利用料が「250円」である場合には、利用指定金額1103に「20000円」、取引可能金額1104に「10000円」、利用料に「250円」がそれぞれ表示される。
上記、図11(a)、図11(b)の画面で確認ボタンを押下すると、情報処理センタを介して各金融機関でデビット決済処理が行われ、プリペイドカードの発券が行われる。なお、利用しない場合には取消ボタンを押下する。
上記実施例1または実施例2ではカード販売機または携帯電話機を用いて利用金額を指定し、最大発券金額を考慮して指定された発券金額に応じたプリペイドカードの発券を行うようにしているが、本実施例では、電子マネーの取引に対応した携帯電話機またはICキャッシュカードを利用する場合に最大発券金額を超過した超過分を電子マネーとして携帯電話機またはICキャッシュカードにチャージする例を示す。
図12は、本発明のデビット決済システムを適用して構成した実施例3におけるシステム構成図である。
図12は、図1に示すシステム構成図と類似しているため異なっている箇所を中心に説明する。
図12では、新たに電子マネーセンタ1201を接続した構成となっている。図12に示すデビット端末106では、電子マネー機能を有するICキャッシュカードや携帯電話機などのキャリアによってデビット決済が行われ、デビット決済金額とプリペイドカード発券金額との差額を電子マネーとしてキャリアにチャージすることができる。
電子マネーセンタ1201は、デビット端末106で行われた電子マネーのチャージ情報を一括して管理する管理センターである。デビット端末106は、ある一定の時間に行われた電子マネーの取引状況を示す電子マネーチャージ情報を電子マネーセンター1201に対してバッチ処理する。
これにより電子マネーセンタ1201では電子マネーの取引情報を確認することができる。
図13は、電子マネー機能が搭載されたキャリアでデビット決済を行う構成をデビット端末とカード販売機を中心に説明した図である。
図13には、ICカード機能が搭載された携帯電話機やICキャッシュカードなどのキャリアをセットするとデビット決済の処理を実行するデビット端末106、デビット端末106からのプリペイドカード発券通知に基づいてプリペイドカード発券処理を行うカード販売機104、カード販売機104で販売されたプリペイドカードの入金登録など管理を行うTC101、デビット決済の仲介処理を行う情報処理センター110、情報処理センター110とCAFIS111を介して接続され、電子マネーの取引状況を管理する電子マネーセンタ1201、デビット決済の取引をデビット端末106と行う金融機関112を具備して構成される。
デビット端末106は、表示部201、ボタン群202、設置部1301、レシート発行部1308を含んで構成されている。
表示部201は、利用者への通知を行うユーザインターフェースであり、設置部1301に携帯電話機やICキャッシュカードがセットされるとプリペイドカードの発券金額とキャッシュカードの暗証番号入力を促す図14(a)に示すような画面が表示される。さらに利用金額、暗証番号の入力が行われると利用可能金額や利用料が示された図14(b)、図14(c)に示すような画面が表示される。
ボタン群202は、利用金額や暗証番号の入力などに用いられるボタンである。また確認ボタン901、取消ボタン902を含み、表示部201に表示された利用可能金額や利用料が示された画面を確認する際に確認ボタン901を押下し、反対に取消ボタン902を押下することにより処理を取り消すことができる。
設置部1301は、携帯電話機やICキャッシュカードなどに記憶されたキャッシュカード情報を読み取るためにキャリアを設置する(セットする)。これにより、プリペイドカードの発券金額として指定された金額と取引が可能な金額との差額を電子マネーとしてキャリアにチャージすることができる。
レシート発行部204は、カード販売機104からプリペイドカードの発券準備通知が送出されてきた場合に明細を示すレシートの発行を行う。
カード販売機104は、表示部208、利用金額指定ボタン209、プリペイドカード発券口210、取消ボタン211を含んで構成されている。
表示部208は、プリペイドカードの発券を行うためのユーザインターフェースであり、図16に示すような発券するプリペイドカードの発券金額を選択することができる画面を表示する。
利用金額指定ボタン209は、プリペイドカードの発券金額を選択するボタンであり、ここで指定された発券金額のプリペイドカードが発券される。このときデビット端末106で入力した発券金額と発券したプリペイドカードの発券金額とに差額が生じる場合には、デビット端末106の設置部1301に設置されたキャリアに電子マネーとしてチャージする。
例えば、デビット端末106で入力した利用金額が「20000円」であり、利用金額指定ボタン209で指定されたプリペイドカードの発券金額が「10000円」である場合には、その差額として「10000円」を電子マネーとしてキャリアにチャージする。
プリペイドカード発券口210は、利用金額指定ボタン209で指定された発券金額のプリペイドカードを発券する。
さらに、デビット端末106で電子マネーのチャージ情報を電子マネーセンタ1201に一括送信する。このとき情報の一括送信処理であるバッチ処理は、予め設定した時間を経過した後にそれまでに処理を行った電子マネーのチャージ情報をまとめて送信する。
このような構成により、利用者が指定した発券金額が一度に利用できる最大発券金額を超過した場合に、その差額を電子マネーとしてチャージすることができる。これにより、最大発券金額を超過して発券金額が指定された場合に再度、金額の指定し直しが不要となるので操作性や利用性が向上する。
なお、情報処理センタがデビット決済を行う際の情報処理センタ手数料として指定された金額に上下限が設けられており、この上限を超えた上記利用料の設定を行うことができない。例えば、情報処理センタ手数料の上限値として「200円」、下限値として「80円」が指定されている場合に遊技場がデビット決済の設備を利用するための利用料は最大「200円」となる。利用料が最大「200円」であることから、利用者としては高額の決済をまとめて行うほど「得」をする。
図14は、デビット端末の表示部に表示される画面を示す図である。
図14において、図14(a)は、プリペイドカードの発券金額と暗証番号の入力を指示する内容の画面を示し、図14(b)は、電子マネー機能を持つキャリアにおける利用可能金額と利用料の表示を行う画面であり、図14(c)は、電子マネー機能を持たないキャリアにおける利用可能金額と利用料の表示を行う画面である。
図14(a)は、利用金額ボックス1401、暗証番号ボックス1402を含んで構成されており、電子マネー機能が利用できる携帯電話機、ICキャッシュカードを図13に示すデビット端末106の設置部1301に設置した際に、デビット端末106の表示部201に表示される画面である。
利用金額ボックス1401でデビット決済を行う金額を指定し、暗証番号ボックス1402にデビット決済を行うキャッシュカード情報の暗証番号を指定する。
図14(b)は、プリペイドカードの発券金額として入力された利用指定金額1403、デビット設備を利用する利用料である利用料1404が示されている。例えば、利用金額ボックス1401に「20000円」が指定された場合、利用指定金額1403には「20000円」と表示され、利用料1402に「250円」と表示される。すなわち、デビット決済によって利用者の金融機関の口座から引き落とされる金額は、「20250円」であることを示している。
図14(c)は、プリペイドカードの発券金額として入力された利用指定金額1405、利用指定金額1405として指定された金額のうち取引が可能な金額を示す利用可能金額1406、利用可能金額1406で指定された利用金額に対してデビット設備を利用する利用料である利用料1407を含んで構成されている。
例えば、利用指定金額1405として「20000円」が指定されており、発券するプリペイドカードの最大発券金額が「10000円」である場合には、利用可能金額1406として「10000円」が表示され、利用料1407として「150円」が表示される。
さらに、利用指定金額1405として「5000円」が指定されており、最大利用金額が「10000円」である場合には利用可能金額1406として「5000円」が表示され、利用料1407として「90円」が表示される。
以上に示すように、利用指定金額1405に示された金額が予め設定されているプリペイドカード発券の最大発券金額以下である場合に、利用可能金額1406として利用指定金額1405に指定された金額が表示される。それに対して、最大発券金額を超過した場合には、利用可能金額1406として最大発券金額が表示されることになる。
図15は、電子マネー機能を持つキャリアでデビット決済と電子マネー利用を行った際のレシート1500の一例を示す図である。
図15は、デビット決済と電子マネー利用を行った際のレシート1500であり、デビット決済によって金融機関から引き落とされた金額と発券されたプリペイドカードの発券金額との差額を電子マネーとしてチャージした場合などに発行される。
レシート1500は、デビットカード口座引落確認書1501、電子マネーご利用明細書1502から構成され、デビット口座引落確認書1501は、図5に示すデビット口座引落確認書と同じ構成である。図5に示すデビット口座引落確認書の購入金額508として「10000円」が示され、利用料509として「150円」が示されているが、図15に示すデビット口座引落確認書の購入金額には「20000円」、利用料には「250円」がそれぞれ示されている。
電子マネーご利用明細書1502には、端末番号1503、決済番号1504、キャリアID1505、取引前残高1506、取引内容1507、チャージ金額1508、利用料1509、取引金額(計)1510、取引後残高1511が示されている。
端末番号1503は、電子マネーセンターがユニークに割り振った固体番号であり、電子マネーにチャージを行ったデビット端末ごとに割り振られている。決済番号1504は、デビット端末が取引ごとに付与する取引番号である。
キャリアID1505は、ICキャッシュカードや携帯電話機などのキャリアの固体番号を示しており、取引前残高1506は、取引を行う前に電子マネーとしてチャージされていた金額を示す。ここに示す例では、「12000円」がチャージされていたことを示している。取引内容1507は、取引が行われた内容が示され、電子マネーのチャージが行われたことを示している。
チャージ金額1508は、電子マネーとしてチャージされたチャージ金額を示している。利用料1509は、電子マネー設備を利用する利用料を示している。取引金額(計)1510は、チャージ金額1508と利用料1509を加算した金額であり、今回の取引である「チャージ」の合計金額を示している。すなわち、取引金額(計)1510に示された金額が電子マネーとして引き落とされる金額である。
取引後残高1511は、取引前残高1506と取引金額(計)1510との差額を示し、電子マネーとしての残金である。
図16は、電子マネーとしてチャージが可能なキャリアを用いてデビット決済を行った際にカード販売機の画面に表示される内容を示す図である。
図16は、デビット端末106からデビット処理要求に基づいて情報処理センタ110を介して各金融機関112でデビット決済が行われ、カード販売機104がデビット端末106からデビット決済可能であることを示す決済完了通知とその決済金額の通知を受けた場合に発券するプリペイドカードの金額を利用者に選択するよう促す画面である。
デビット決済された金額がカード販売機104で販売されるプリペイドカードの最大発券金額以下である場合には、決済された金額に応じたプリペイドカードの発券金額ボタンを押下することができる。例えば、デビット決済された金額が「10000円」であり、最大発券金額が「10000円」である場合には、「10000円」までのプリペイドカードの発券が可能である。
それに対して、決済された金額が最大発券金額を超過する場合には、最大発券金額からの超過分をキャリアに電子マネーとしてチャージする。
また、デビット決済された金額と発券したプリペイドカードの発券金額とに差額が生じる場合には、その差額分を電子マネーとしてキャリアにチャージする。
図17は、プリペイドカード発券後、デビット端末の画面に表示される内容を示す図である。
図17において、図17(a)は、電子マネーとしてチャージが完了してデビット端末の設置部に設置したキャリアの取り外しが可能となったことを示しており、取引前残高1701、チャージ金額1702、取引後残高1703を含んで表示されている。
取引前残高1701は、電子マネーをチャージする以前の電子マネー残高を示している。例えば、図15に示すようなレシートが発行される前の時点では、電子マネーとして「12000円」がチャージされている状態を示している。
チャージ金額1702は、決済された金額が最大発券金額を超過した場合や決済された金額と発券したプリペイドカードの発券金額とに差額が生じた場合などに、電子マネーとしてチャージする金額を示している。ここでは、図14(a)に示す利用指定金額1401と最大発券金額との差額である「10000円」を電子マネーとしてチャージする例を示している。
取引後残高1703は、取引前残高1701とチャージ金額1702とを加算した合計金額を示している。電子マネーとしてチャージされた金額が「22000円」であることを示している。
図17(b)は、電子マネー機能を有さないキャリアを用いてデビット決済処理を行った際に表示される画面であり、決済の明細を示すレシートが発行されたことを示している。
図18は、図12及び図13に示す構成における処理の流れを示すフローチャートである。
図18において、IC機能付きの携帯電話機やICキャッシュカードなどのキャリアがデビット端末にセットされると処理が開始され、デビット端末の画面に利用指定金額とキャッシュカード情報の暗証番号を入力する画面を表示し(S1801)、デビット端末に設けられたボタン群を用いて発券金額と暗証番号が入力されると、セットされたキャリアが電子マネー機能を有しているか判断し(S1802)、電子マネー機能を有している場合(S1802でYES)には、図14(b)に示すような入力された利用指定金額1403とその利用指定金額1403ごとに定められた利用料1404とを示す画面を表示する(S1803)。それに対して、電子マネー機能を有さない場合(S1802でNO)には、図14(c)に示された利用指定金額1405と取引可能な取引金額1406と取引金額1406に対する利用料1407とを表示した画面を示す(S1804)。
まず、電子マネー機能を有するキャリアがセットされた場合(S1802でYES)の処理を以下に示す。
図14(b)に示すような画面が表示され、利用者によりボタンが押下されると押下されたボタンを判断し(S1805)、確認ボタンである場合(S1805でYES)には、入力された発券金額に対してデビット決済処理を行う(S1806)。また、取消ボタンが押下された場合(S1805でNO)には、今までの処理内容を取消し、処理を終了する。
デビット決済処理が行うことができたか判断し(S1807)、デビット決済が行うことができなかった場合(S1807でNO)には、処理を終了する。このとき再度、発券金額を指定できるようにしてもよい。
デビット決済が行うことができた場合(S1807でYES)には、デビット端末からカード販売機に対して決済完了通知と決済金額を送出する(S1808)。通知されたカード販売機によって発券するプリペイドカードの金額ボタンを選択する画面を表示し(S1809)、金額ボタンが利用者によって押下されるとTCに対してプリペイドカードの入金登録を通知する(S1810)。TCは通知を受けて入金登録処理を実行する(S1811)。TCは入金登録処理が終了すると入金登録完了通知をカード販売機に対して送出するので、カード販売機はこれを受けてデビット端末に対して、プリペイドカードの発券準備を通知する(S1812)。
発券準備されたプリペイドカードの発券金額とデビット決済を行った金額とに差額が生じるか判断し(S1813)、差額が生じる場合(S1813でYES)には、その差額を電子マネーとしてチャージし(S1814)、図17(a)に示すような電子マネーのチャージ完了とレシートの発行を示す画面を表示する(S1815)。それに対して、差額が生じない場合(S1813)には、図17(b)に示すようなレシートの発行画面を表示する(S1816)。
このように電子マネー機能を有するキャリアの場合には差額をチャージすることができる。
次に、電子マネー機能を有さないキャリアがセットされた場合(S1802でNO)の処理を以下に示す。
図14(c)に示すような画面が表示され、利用者によりボタンが押下されると押下されたボタンを判断し(S1817)、取消ボタンが押下された場合(S1817でNO)には処理を終了する。また、確認ボタンが押下された場合(S1817)には、取引可能な金額でデビット決済処理を行う(S1818)。決済が行われると図17(b)に示すようなレシートの発行画面を表示する(S1819)。
以上に示すようなレシートの発行を示す画面(図17(a)、図17(b))が表示されると、レシートが発行され(S1820)、発行されたレシートが利用者によって抜き取られるとデビット端末からカード販売機に対してレシートが抜き取られたことを示すレシート抜取通知と電子マネーにチャージを行った場合にはチャージを完了したことを示すチャージ完了通知とを送出する(S1821)。これを受けたカード販売機はプリペイドカードを発券する(S1822)。
さらに、デビット端末によって処理を行った電子マネーのチャージ情報を電子マネーセンターに一括送信する。例えば、利用量の少ない夜間に夜間バッチ処理を行う。
このような処理により、最大発券金額を超えた高額デビット決済を行うことができ、最大発券金額を超えた差額については電子マネーとしてキャリアにチャージすることが可能となる。さらに、利用料が最大「200円」であることから、利用者としては高額の決済をまとめて行うほど「得」をすることができる。
以上、実施例3では、ICカード機能付きの携帯電話機やICキャッシュカードなどのキャリアをデビット端末の設置部にセットし、デビット端末の画面に表示される内容に基づいて発券金額と暗証番号を入力するような構成にしているが、電子マネーに対応したアプリケーションを携帯電話機で起動し、図19に示すような画面を表示して発券金額と暗証番号を登録した後にデビット端末の設置部にセットするような構成にしてもよい。
図19は、電子マネーに対応した携帯電話機用のデビット決済アプリケーションを起動したときの画面を示す図である。
図19は、利用金額ボックス1901、暗証番号ボックス1902、確定ボタン1903を具備して構成される。
利用金額ボックス1901は、遊技施設(パチンコ台)を利用するためのプリペイドカードの発券金額を入力するボックスである。
暗証番号ボックス1902は、デビット決済を行うキャッシュカード情報の暗証番号を入力するボックスである。
それぞれ入力したデータは、確定ボタン1903を押下することにより携帯電話機に登録することができる。
発券金額と暗証番号とを登録した携帯電話機をデビット端末の設置部にセットするとこれらの情報がデビット端末に読み込まれ、情報処理センタを介して金融機関でデビット決済を行うことができる。
このように携帯電話機でアプリケーションを起動して発券金額と暗証番号を入力することで、デビット端末での入力が不要になり、暗証番号の盗み見などを防止することができ、セキュリティを確保することができる。また、利用者の操作性が向上することによって利便性が向上する。
以上のように、携帯電話機にチャージした電子マネーの利用方法を図20のシーケンス図に示す。
図20において、電子マネー機能を有する携帯電話機がデビット端末の設置部にセット(S2001)すると、デビット端末の画面に電子マネーとしてチャージされた金額を示す画面(図21参照)を表示する(S2002)。デビット端末からカード販売機に対してチャージされた電子マネーの金額が通知され(S2003)、カード販売機によって電子マネーとして利用可能な金額が表示される(S2004)。利用者が発券するプリペイドカードの金額ボタンを押下する(S2005)と、押下した金額がデビット端末に通知される(S2006)。
通知されたデビット端末は、設置部にセットされている携帯電話機の電子マネー残高を更新する。例えば、携帯電話機がセットされた時点の残高が15000円であり、発行するプリペイドカードの利用金額が10000円である場合、電子マネーの残高は差し引き5000円から利用料を引いた額が取引後の電子マネーの残高であることを示す。
更新が行われるとカード販売機に対して更新完了通知が送出され(S2008)、さらにTCに対してカード入金登録通知を送出する(S2009)。TCで入金登録を行い(S2010)、カード販売機に対して入金登録完了通知を送出し(S2011)、カード販売機はデビット端末に対して発券準備完了通知を送出する(S2012)。デビット端末では、取引の明細を示すレシートを発行し(S2013)、利用者によってレシートが抜き取られたときにカード販売機に対してレシート抜取完了通知を送出する(S2014)。レシート抜取完了通知を受けたカード販売機は、選択された利用金額のプリペイドカードを発券する(S2015)。
さらに、デビット端末では、予め設定された時間を経過した後(例えば弊店処理時等)に電子マネーのチャージ情報を一括して電子マネーセンターに送信し(S2016)、電子マネーセンターでは、送信されてきたチャージ情報を管理する。
図21は、図20に示した電子マネーの利用の際にデビット端末に表示される電子マネーの残高を表示する画面を示す図である。
図21において、残高ボックス2101にデビット端末の設置部にセットした時点の電子マネーの残高を表示している。
上記、実施例1〜3は、デビット端末とカード販売機など「島」の端に設けられた島端機器が情報処理センター、CAFISを介して金融機関と通信を行うような構成を示しているが、本実施例では、パチンコ台毎に設置された台間機がデビット決済を行い、さらに、必要である場合にはプリペイドカードの発券も行うような構成を示す。
図22は、台間機によるデビット決済システムのシステム構成を示す図である。
図22に示すデビット決済システムは、TC101、パチンコ台102、台間機2201、デビット決済管理装置2202、島コントローラ105、情報処理センタ110、CAFIS111、金融機関112、電子マネーセンタ1201を具備して構成される。
TC101、パチンコ台102、台間機2201、デビット決済管理装置2202、島コントローラ105から構成されるパチンコ店のデビット決済管理装置2202が情報処理センタ110と公衆回線網109で接続されており、情報処理センタ110はデビット決済のネットワークサービスを提供するCAFIS111を介して金融機関112、電子マネーセンタ1201と接続されている。
TC101は、パチンコ店の事務所などに設置されたコンピュータによって実現され、パチンコ店全体を統括して管理する装置であり、会員の管理や台間機2201によるデビット決済の売上管理、電子マネー利用状況の管理を行う。
パチンコ台102は、パチンコを行う遊技機である。
台間機2201は、パチンコ台102に併設された幅4〜5cm程度の形状を成す装置であり、携帯電話機を用いて指定された発券金額、キャッシュカード情報、暗証番号などを読み取り、金融機関とデビット決済を行って決済されたプリペイドカードの発券金額に応じてパチンコ台102に玉貸しを行うことができる。例えば、10000円のデビット決済が行われた場合には、パチンコ台102に10000円分の玉貸しを行うことができる。
また、内蔵されたプリペイドカードにデビット決済金額に応じた発券金額を登録することにより、プリペイドカードの発券をも行うことができる。
さらに、電子マネー機能が搭載されたキャリアを用いた場合には、デビット決済金額とプリペイドカードの発券金額との差額を電子マネーとしてチャージすることもできる。
デビット決済管理装置2202は、各台間機2201で読み取った情報(発券金額、キャッシュカード情報、暗証番号)や台間機2201を特定するための台間機情報に基づいて情報管理センタ110とのデビット決済を制御する。つまり、複数の台間機2201から同時にデビット決済の要求が発生した場合であっても並行して行うことができる。
さらに、電子マネーを用いたデビット決済については、そのデビット決済で発生した電子マネーの利用情報を一括して電子マネーセンタ1201に送信する。
島コントローラ105は、各「島」のパチンコ台102の稼動状況などを制御する装置である。
情報管理センター110は、デビット決済管理装置2202と公衆回線網109で接続されており、デビット決済の決済代行、仲介を行う。
CAFIS111は、クレジットカード会社、金融機関、企業、店などをネットワーク接続することによりリアルタイムでオンライン決済ができるネットワークサービスである。
金融機関112は、デビット決済を行う口座が開設された銀行や郵便局などを示し、台間機2201から送られてきた情報に基づいてデビット決済を行う。
電子マネーセンター2209は、電子マネーの利用状態を管理する。電子マネーセンター1201へは予め設定した時間を経た後にデビット決済管理装置2202によって管理された電子マネー情報を一括して受け付ける。
このような構成によって、パチンコ台102を利用する際に利用者はプリペイドカードの購入のために離席する必要がなくなり、利便性の向上につながる。また、発展的に各パチンコ台の稼働率が向上し、利益の増加につながる。
図23は、台間機の詳細な構造を示す図である。
図23は、図22に示す台間機2201の構成を示しており、ICカードリーダ2301、デビット決済制御部2302、TC制御部2303、プリペイドカード保管部2304、プリペイドカード制御部2305、プリペイドカード発券部2306を具備して構成される。
ICカードリーダ2301は、IC機能を有する携帯電話機からキャッシュカード情報、発券金額、暗証番号などを読み取る。ICカードリーダ2301は、携帯電話機をセットするだけでこれらの情報を読み取ることができ、台間機から適時、情報を記憶することができる。
デビット決済制御部2302は、ICカードリーダ2301で読み取った情報をもとに図22に示すデビット決済管理装置2202などと通信を実現することにより、デビット決済の制御を行う。デビット決済が行えた場合には決済完了通知をデビット決済管理装置2202から受信し、TC制御部2303に通知する。
TC制御部2303は、デビット決済制御部2302からの通知により、プリペイドカード制御部2305がデビット決済された発券金額をプリペイドカード保管部2304に保管されたいずれかのプリペイドカードに記憶したプリペイドカードのIDとその発券金額とを図22に示すTC101に対して送出する。
また、TC2204により入金登録が行われ、入金登録完了通知を受け取るとプリペイドカード制御部2305に送出したIDを持つプリペイドカードに発券金額を登録するようにプリペイドカード制御部2305に通知する。
プリペイドカード保管部2304は、デビット決済が行われた発券金額が関連付けられるプリペイドカードを保管する。保管されたプリペイドカードは、再利用可能であって、利用者がデビット決済を行った玉貸し金額全てを利用した後に、再度デビット決済を行った場合には、同一のプリペイドカードに玉貸し金額を登録することができる。
プリペイドカード制御部2305は、使用されていないプリペイドカードから1つを選択し、その選択されたプリペイドカードが持つIDをTC制御部2303に通知する。TC制御部2303からの玉貸し金額の登録を行う通知を受けると、そのIDを持つプリペイドカードに玉貸し金額を登録する。
プリペイドカード発券部2306は、プリペイドカード保管部2304に保管されたプリペイドカードを発券する。例えば、デビット決済したプリペイドカードの発券金額をプリペイドカードに記憶し、利用者に玉貸しした玉貸し金額をそのプリペイドカードの発券金額から差し引いた金額のプリペイドカードを発券する。また、パチンコ台の移動などの際に移動前にデビット決済した発券金額の残額をプリペイドカードに記憶し、そのプリペイドカードを発券する。
このように発券金額に対する残額を記憶したプリペイドカードを発券することによって、そのプリペイドカードの残額を移動先の台間機で利用することができる。
表示部2307は、利用者に対する指示を行う画面を表示する。表示された画面の内容に基づいて利用者は操作を行う。
このような構成により、台間機2201によってデビット決済を行うことができ、また、利用金額を登録したプリペイドカードの発券を行うことができる。
図24は、台間機とパチンコ台のイメージを示す図である。
図24は、利用者一人一人使用するパチンコ台102のイメージを示しており、パチンコ台102の左隣に台間機2201が設置されている。台間機2201は、プリペイドカードに利用金額が登録されるとパチンコ台102に対して玉の貸し出しが可能になったことを通知する。
パチンコ台102で玉貸ボタンを押下するとTC101に利用金額が登録されたプリペイドカードのIDと貸し出した玉に対する利用金額を通知し、パチンコ台102に玉を放出する。これによって利用者はパチンコを行うことができる。
図25は、台間機を用いたデビット決済の処理の流れを示すシーケンス図である。
図25は、図22に示すシステム構成において、デビット決済を行ってパチンコを行うまでの処理の流れを示している。
図25において、アプリケーションを用いてパチンコの利用金額とデビット決済を行う暗証番号の入力を行った携帯電話機を台間機2201にセットし(S2501)、入力した利用金額と暗証番号のほかに予め記憶されているキャッシュカード情報をICカードリーダで読み取る(S2502)。読み取った情報をデビット決済管理装置2202に通知し(S2503)、デビット決済管理装置2202によって前記利用金額を決済金額とするデビット決済の制御が行われる(S2504)。
デビット決済管理装置2202は情報処理センタ110に対してデビット決済の依頼を示す決済依頼通知を送出し(S2505)、これを受けて情報処理センタ110はデビット決済処理を実行して(S2506)、その決済の結果を通知する(S2507)。さらにデビット決済管理装置2202は台間機2201に対して決済が完了したことを示す決済完了通知を送出する(S2508)。決済された発券金額を登録するプリペイドカードを選択し(S2509)、選択したプリペイドカードのIDと決済された発券金額とをTC101に対して通知する(S2510)。TC101は、入金登録を行い(S2511)、入金完了通知を台間機2202に送出する(S2512)。
台間機2202では、発券金額の履歴を携帯電話機に登録し(S2513)、上記選択されたプリペイドカードに発券金額を登録する(S2514)。これによりパチンコ台102の利用が可能になったため利用可能通知をパチンコ台102に対して送出する(S2515)。
パチンコ台102では、利用可能通知を受けると利用可能となるので玉貸ボタンを押下可能する。利用者により玉貸ボタンが押下されると(S2516)、ボタンが押下されたことを示すボタン押下通知(S2517)が送出される。台間機2201は、TC101の選択したプリペイドカードのIDに対する残高を更新する(S2518)。例えば、玉貸ボタンを一度押下すると、1000円分の玉が貸し出される場合には、TC101の残高は発券金額から1000円の玉貸し金額を差し引いた金額となる。更新されると台間機2201は、パチンコ台に対して玉貸指示通知を送出し(S2519)、玉貸しが行われる(S2520)。
パチンコ台101の利用を終了する際には、返却ボタンを押下する(S2521)と、返却ボタンが押下されたことを通知する返却ボタン押下通知が台間機2201に送出される(S2522)。台間機2201は、利用した玉貸し金額を差し引いた残額を登録したプリペイドカードを返却する(S2523)。
また、上記実施例3では、デビット決済時にプリペイドカードを発行しているが、本実施例では、取引が行われた発券金額分を台間機自体のメモリに記憶し、玉貸しを行う際には、記憶したメモリの金額を減算するような構成にしてもよい。この場合、遊技客が終了(清算)あるいは台移動を行いたいときに返却ボタンを操作するとメモリの残額分の価値が関連付けられたプリペイドカードを発券する。
なお、上記実施例4では、台間機2201に保管されているプリペイドカードに発券金額を登録するような構成にしているが、携帯電話機をかざしたり、セットしたりすることによって携帯電話機に発券金額を登録するような構成にしてもよい。
このような構成にすることで、発券金額に残高が生じてもプリペイドカードを発行する必要が無くなり、処理の効率化と利便性が向上する。
また、図22でデビット決済管理装置2202を設けているがデビット決済管理装置2202を設けることなく、直接、台間機2201が個々にデビット決済処理を行うような構成にしてもよい。
本実施例では、電子マネーを用いたデビット決済を可能とし、電子マネーをチャージする端末とプリペイドカードを発券する端末とが異なる場合の例を示す。
図26は、電子マネーを用いた遊技施設の利用におけるデビット決済のシステム構成図である。
図26では、電子マネーとしてチャージするデビット端末106、デビット端末106でチャージした電子マネーを用いてカード販売を行う電子マネー対応カード販売機2600、プリペイドカードの発行における入金登録や電子マネーの利用状況を管理する管理TC101、デビット決済を行う金融機関や決済代行や仲介を行う情報処理センター110、電子マネーを一括して管理する電子マネー管理センター1201を具備して構成され、電子マネーとしてチャージできる装置と電子マネーを用いてプリペイドカードの発券を行う装置とが別体である構成を示している。
デビット端末104は、表示部201、ボタン群202、ICカードリーダ203、レシート発行口204を含んで構成されている。
表示部201は、IC機能を有する携帯電話機をICカードリーダ203にセットすると、デビット決済を開始する画面が表示される。画面にデビット決済を行う発券金額と暗証番号の入力フィールドが表示され、ボタン群202を用いて入力するとデビット決済後に電子マネーのチャージが行われた旨の画面が表示される。
ボタン群202は、デビット決済を行う発券金額や暗証番号の入力を行うボタンや確認ボタン、取消ボタンを有する。
ICカードリーダ203は、電子マネーのチャージを行う携帯電話機からキャッシュカード情報などの情報を読み取り、デビット決済が行われると決済された金額を電子マネーとして携帯電話機にチャージすることができる。
レシート発行口204は、デビット決済が行われた場合にデビット決済の明細を示すレシートが発行される。
このようにデビット端末106では、携帯電話機に電子マネーをチャージすることができる。
電子マネー対応カード販売機2600は、表示部208、金額選択ボタン209、プリペイドカード発券口210、ICカードリーダ2601、レシート発行口2602を含み、デビット端末106でチャージされた電子マネーをもとにプリペイドカードの発券を行う。
カード販売機表示部2621は、ICカードリーダ2601に電子マネーがチャージされた携帯電話機がセットされると電子マネーの残高を示す画面を表示し、プリペイドカード発行の手続きまでの処理を利用者に対して指示する画面が表示される。
金額選択ボタン209は、発券するプリペイドカードの発券金額を指定するボタンである。金額選択ボタン209は、表示部208で表示された電子マネーの金額以下の発券可能なプリペイドカードの金額ボタンのみが押下可能である。
プリペイドカード発券口210は、金額選択ボタン209によって選択されたプリペイドカードを発券する。
ICカードリーダ2601は、携帯電話機から情報を読み取り、電子マネー情報を更新する。
レシート発行口2602は、電子マネーを用いたプリペイドカードの発券における明細を示すレシートを発行する。
さらに、電子マネー対応カード販売機2600は、TC101に対して電子マネーの利用状況を通知し、入金登録要求を通知する。
これにより、電子マネー対応カード販売機2600は、電子マネーを用いてプリペイドカードの販売を行うことができ、電子マネーの利用状況を管理TC101に通知することができる。
このような構成により、電子マネーのチャージを行った携帯電話機を用いてプリペイドカードの発券を行うことができ、電子マネーとしてチャージされた金額に応じたプリペイドカードの発券が行うことができる。
図27は、図26の構成における処理遷移を示すシーケンス図である。
図27において、まず、デビット端末のICカードリーダに電子マネー対応の携帯電話機がセットされ(S2701)、携帯電話機に記憶されたデータの読み込み処理行われる(S2702)。利用者により発券金額と暗証番号の入力が行われると、デビット端末から情報処理センター、金融機関に対してデビット決済を指示するデビット決済通知が送出され(S2703)、情報処理センターや金融機関でデビット決済が行われる(S2704)。デビット決済が行われるとデビット端末に対してデビット決済が完了したことを示すデビット決済完了通知が送出される(S2705)。デビット決済完了通知を受けてデビット端末は、デビット決済された金額を携帯電話機に電子マネーとしてチャージする(S2706)。チャージが完了すると、レシート発行口からレシートが発行される。このような処理遷移によって、携帯電話機にチャージすることができる。
次に、電子マネーのチャージを行った携帯電話機を電子マネー対応カード販売機のICカードリーダにセットすると(S2709)、携帯電話機から電子マネー情報が読み込まれ(S2710)、電子マネーの残高が表示される(S2711)。表示された残高に対して選択可能なカード金額ボタンを押下可能とし、利用者がプリペイドカードの発券金額のボタンを押下すると(S2712)、セットされた携帯電話機の残高が更新される(S2713)。また同時に、管理TCに対して利用された電子マネーの情報を登録する通知と、プリペイドカードの入金登録通知とを送出する(S2714)。
通知を受けた管理TCは、入金登録を行い(S2715)、電子マネー対応カード販売機に対して入金登録が完了したことを示す入金登録完了通知を送出する(S2716)。入金登録完了通知を受けて取引内容の明細であるレシートを発行し(S2717)、プリペイドカードの発券を行う(S2718)。
そして、TC101は、電子マネーの入金状況や利用状況を一括して電子マネー管理センタ1201に送出する(S2719)。
なお、電子マネーのチャージを行うキャリアとして携帯電話機を例にしているが、携帯電話機に限定されることなく、ICキャッシュカードにチャージするような構成にしてもよい。
図28は、電子マネーの引き落としの明細であるレシートを示す図である。
図28は、図15の下部に示す電子マネーご利用明細書と類似するため異なる部分を中心に説明する。
電子マネーご利用明細書2800は、図15に示した電子マネーご利用明細書に取引日時2801が新たに設けられており、電子マネーの取引を行った日時を示している。
また、取引内容1507として「パチンコカード購入」が示されており、電子マネーによる取引によってパチンコカード(プリペイドカード)の購入が行われたことを示している。
さらに、カード金額2802に新たに設けられており、購入したパチンコカードの金額が示されている。
図29は、台間機における電子マネーの取り扱いによるメモリ登録方法を示す図である。
図29において、図29(a)は、台間機2201における同一キャリアの継続利用時の取引一覧を示す図であり、図29(b)は、図29(a)に示した取引ごとの明細を示す図である。
図29(a)は、台間機2201に携帯電話機などのキャリアをセットし、セットした状態で電子マネーのチャージやパチンコ台102への玉貸しを行った取引の一覧を示している。この一覧は、同一のパチンコ台102を用いて何度も利用した場合に発行されるレシートの内容を示している。
図29(a)には、3つの取引内容が示されており、いずれかの取引内容を選択することにより図29(b)に示すような取引の明細が示される。
図29(a)には、セットされたキャリアのID2901、取引項目2902、電子マネーの残高を示す残高項目2903が示されている。
取引項目2902は、取引が行われた日付、取引ごとに付与される取引番号、取引の内容を示す取引内容、取引した金額を示す取引金額からなる。
図29(b)は、図29(a)に示す取引の一覧からいずれかを選択することにより、選択された取引における明細を示す。
図29(b)には、キャリアID2904、デビット決済を行ったデビット端末番号2905、取引詳細2906、利用金額合計2907から構成されており、取引詳細2906は、取引を行ったデビット端末ごとに分けられて表示される。
以上の処理によって、本発明の決済システムでは、ICキャッシュカードやIC機能が搭載された携帯電話機などを用いてデビット決済を行うことができる。また、携帯電話機を用いた場合には、上述した実施例2と同様にデビット決済を行う発券金額や暗証番号をあらかじめ入力してデビット決済を行うことができる。
これによって、携帯電話機やICキャッシュカードを用いたデビット決済が行えるようになるため、遊技機などを利用するプリペイドカードの発券金額の支払いをより簡単に行うことが可能である。
これは、一般的に普段持ち歩く携帯電話機でデビット決済を可能にしているので、取引内容が簡単に確認できるようになり、また明細を携帯電話機に記憶することができるのでレシート発行における紙の節約にもなる。
従って、本発明を適用することにより、利用者は現金が手元に無くとも容易に施設利用が可能になり利便性が向上するほか、携帯電話機でプリペイドカードの発券金額や暗証番号を入力するため暗証番号の盗み見を防止することができ、高いセキュリティを確保できるという効果がある。
さらに、遊技施設の提供を行う企業からすれば、利用者の利便性の向上によって稼働率が上昇し、利益向上が見込まれるという効果を期待することができる。
本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
例えば、レシート発行部によって取引の明細を示すレシートを発行する構成にしているが、明細としてレシートを発行するのではなく、携帯電話機のメモリに記憶するような構成にしてもよい。
本発明は、デビット決済を行うデビット決済システムおよび方法に適用可能であり、特に、携帯電話機を用いたデビット決済が可能であり、あらかじめ携帯電話機の画面上に利用指定金額とデビット決済口座の暗証番号とを入力し、該携帯電話機をデビット決済が行える端末にセットすることで容易にデビット決済が行える。
本発明に係わるデビット決済システムのシステム構成図。
本発明のデビット決済システムにおけるデビット端末、カード販売機の装置構成を示す図。
デビット端末とカード販売機の詳細を示すブロック図。
デビット端末表示部、カード販売機表示部に表示される画面の内容を示す図。
デビット決済のレシートの一例を示す図。
本発明におけるデビット決済システムの処理の流れを示すフローチャート。
本発明のデビット決済システムにおける他の利用構成を示す図。
携帯電話機を用いた暗証番号の入力を促す画面を示す図。
本発明のデビット決済システムにおいて携帯電話機に発券金額と暗証番号を入力することによりデビット決済を行えるように構成した構成図。
図9の構成において携帯電話機に表示される画面の例を示す図。
利用料と利用可能金額を表示する画面を示す図。
本発明のデビット決済システムを適用して構成した実施例3におけるシステム構成図。
電子マネー機能が搭載されたキャリアでデビット決済を行う構成をデビット端末とカード販売機を中心に説明した図。
デビット端末表示部に表示される画面を示す図。
電子マネー機能を持つキャリアでデビット決済と電子マネー利用を行った際のレシートの一例を示す図。
電子マネーとしてチャージが可能なキャリアを用いてデビット決済を行った際にカード販売機の画面に表示される内容を示す図。
プリペイドカード発券後、デビット端末の画面に表示される内容を示す図。
図12及び図13に示す構成における処理の流れを示すフローチャート。
電子マネーに対応した携帯電話機用のデビット決済アプリケーションを起動したときの画面を示す図。
携帯電話機にチャージした電子マネーの利用遷移を示すシーケンス図。
図20に示した電子マネーの利用の際にデビット端末に表示される電子マネーの残高を表示する画面を示す図。
台間機によるデビット決済システムのシステム構成を示す図。
台間機の詳細な構造を示す図。
台間機とパチンコ台のイメージを示す図。
台間機を用いたデビット決済の処理の流れを示すシーケンス図。
電子マネーを用いた遊技施設の利用におけるデビット決済のシステム構成図。
図26の構成における処理遷移を示すシーケンス図。
電子マネーの引き落としの明細であるレシートを示す図。
台間機における電子マネーの取り扱いによるメモリ登録方法を示す図。
符号の説明
101 ターミナルコントローラ(TC)
102 パチンコ台
103 カード処理ユニット
104 カード販売機
105 島コントローラ
106 デビット端末
107 携帯電話機
108 ICキャッシュカード
109 公衆回線網
110 情報処理センタ
111 CAFIS
112 金融機関
201 表示部(デビット端末)
202 ボタン群
203 ICカードリーダ
204 レシート発行口
208 表示部(カード販売機)
209 金額選択ボタン
210 プリペイドカード発券口
211 取消ボタン
301 デビット制御部
303 記憶部
304 内部操作入力部
308 第1通信I/F部
309 第2通信I/F部
310 発券制御部
314 第1通信I/F部
315 第2通信I/F部