JP2006137292A - 車両用フロアリフト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、荷重を自動検出することにより、可動フロアの不意の下降を確実に防止することが可能な車両用フロアリフト装置を提供する。
【解決手段】 可動フロア11は、ねじりばね5により所定の開き角度をなすように付勢されたばね蝶番1を介してリンク機構20の一端側に接続されている。可動フロア11は、展開状態においてばね蝶番1の圧縮または復元に応じて変位され、荷重検出部80は、展開状態における可動フロア11の変位を検出したことに基づき、フロア荷重検出信号を出力する。制御部40は、フロア荷重検出信号の検出により可動フロア11上に一定以上の荷重が加わったと判定されたことを条件として、駆動部30の駆動を禁止する制御を行う。
【選択図】 図8

Description

本発明は、車両用フロアリフト装置に係り、特に、車両フロアより低い乗降用固定ステップが設けられた車両に適用され、乗降時以外はステップ上の空間を塞いで車両フロアの有効面積を拡大させる可動フロアを備えた車両用フロアリフト装置に関する。
一般に、ワンボックスカー等の車両においては、車室のフロアが比較的高く設定されているため、車両フロアの乗降口側には、一段低くなるようにステップが設けられている。しかし、単に、車両フロアの乗降口にステップを設けた従来の乗降ステップ構造では、ステップを設けた分だけ車両フロアの有効面積が小さくなるため、実用上において以下のような問題点があった。すなわち、ステップの側部や後部の車両フロア上には座席が設置されているが、これら座席に着座した乗員の足元にステップを設けたことによって凹部空間が形成されるために、乗員が不自然な着座姿勢を強いられたり、或いは車室内に積み込んだ荷物が前記凹部空間へ落下してしまったりするという問題があった。そこで、これらの事情に鑑み、種々の車両用フロアリフト装置等が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
例えば、特許文献1に記載の車両フロア構造では、スライドドアの閉扉時にステップカバーを車両フロアと同一面上に並ぶように展開させて、ステップの上部における凹部空間を塞ぐことにより車両フロア面積を確保し、また、スライドドアの開扉時には、ステップカバーを格納させて乗降口にステップが出現する構成となっている。また、特許文献2に記載の昇降補助装置では、ステップが電動モータを用いた駆動手段によって垂直方向に昇降される構成となっている。
実公平7−10957号公報(第2頁、図1−図6) 特開平5−310080号公報(第2−5頁、図1、図5)
しかしながら、特許文献1に記載の車両フロア構造は、ステップカバーを回動させるワイヤが必要になると共に、ワイヤの配線処理が必要になるなど、装置全体の構造がたいへん複雑である。従って、上記特許文献1に記載の車両フロア構造を、一般的なワンボックスカーや、いわゆるミニバンなどの乗用車等に容易に搭載することは困難であるという問題がある。
また、特許文献2に記載の昇降補助装置では、モータを用いた駆動機構が大掛かりなものとなっているため、一般的なワンボックスカーや、いわゆるミニバンなどの乗用車等に容易に搭載することが困難であるという問題がある。
さらに、上記特許文献1,特許文献2に記載の乗降機構では、乗員がステップカバー上に搭乗している場合における誤作動防止機能が備えられていないという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、荷重を自動検出することにより、可動フロアの不意の下降を確実に防止することが可能な車両用フロアリフト装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、装置全体構成を簡素化でき、低コストで製造可能とすると共に、車載性を向上させることが可能な車両用フロアリフト装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、車両フロア面積を十分に確保することができると共に、乗員の乗降車時における利便性を向上させることが可能な車両用フロアリフト装置を提供することにある。
前記課題は、請求項1に記載の車両用フロアリフト装置によれば、車両フロアより低い乗降用固定ステップの上方を覆うように展開された展開状態と前記乗降用固定ステップを車室に出現させるように格納された格納状態とに変位可能な可動フロアと、該可動フロアを前記展開状態と前記格納状態とに変位させる展開格納手段と、を備えた車両用フロアリフト装置において、前記展開格納手段は、一端側が前記可動フロアに接続されたリンク機構と、該リンク機構の他端側に接続された駆動部と、該駆動部を制御する制御部と、前記可動フロア上の荷重を検出してフロア荷重検出信号を出力する荷重検出部と、を備え、前記制御部は、前記フロア荷重検出信号を検出することにより、前記可動フロア上に一定以上の荷重が加わったと判定されたことを条件として、前記駆動部の駆動を禁止することにより解決される。
このように、請求項1に記載のフロアリフト装置では、リンク機構を用いた簡易な構成により、可動フロアを、乗降用固定ステップの上を覆う展開状態から格納状態へ変位させることができる。これにより、展開状態では、乗降時に乗降用固定ステップとして使用される部位を車両フロアとして使用することができ、車両フロアの有効面積を十分に確保することができる。
そして、この車両用フロアリフト装置では、展開状態における可動フロア上の荷重を検出する荷重検出部を備えているので、人や物が可動フロア上にある場合には、荷重を自動検出してフロア荷重検出信号を出力することができる。そして、フロア荷重検出信号の検出により一定以上の荷重が加わったか否か自動判定し、荷重ありと判定された場合には駆動部の駆動を禁止し、フロアの格納作動を行わないようにする。従って、人や物が可動フロア上にある場合には、可動フロアの下降を確実に防止することが可能となる。
また、請求項2に記載のように、前記可動フロアは、一定以上の荷重が加わったことに基づく圧縮状態と圧縮されない復元状態とに変位される連結部を介して前記リンク機構の一端側に接続され、前記展開状態において前記連結部の圧縮または復元に応じて変位されるように構成され、前記荷重検出部は、前記展開状態において前記連結部の圧縮に応じた前記可動フロアの変位を検出したことに基づき、前記フロア荷重検出信号を出力するように構成することができる。
このように、荷重が加わる可動フロアと、この可動フロアを支持するリンク機構との間、すなわち、荷重がかかる可動フロアに最も近い場所に荷重により変位する連結部を設けているので、荷重が可動フロアからダイレクトに連結部に伝達されて連結部が変位し、可動フロアが変位する。従って、このように構成すれば、荷重がダイレクトに可動フロアの変位に反映され、この変位を検出することにより、精度良く荷重を検出することが可能とされる。
また、請求項3に記載のように、前記連結部は、互いに揺動可能に蝶着された2枚の揺動片からなり該揺動片の一方が前記可動フロアに連結されると共に他方が前記リンク機構の一端側に連結された蝶番部材,該蝶番部材が所定の開き角度をなすように付勢する付勢部材,を有して構成され、前記蝶番部材は、前記可動フロア上に一定以上の荷重が加わったことに基づき、開き角度が減少するように構成することができる。
このように、一定以上の荷重が加わった状態では、蝶番部材の開き角度が減少することにより連結部を圧縮状態に変位させ、荷重が加わっていない状態では、蝶番部材が所定の開き角度をなすように付勢する付勢部材の付勢力により、連結部を圧縮されない復元状態に変位させることができる。すなわち、蝶番部材を用いて、簡易な構成により、連結部を圧縮状態と復元状態とに変位可能とすることができる。
また、請求項4に記載のように、前記付勢部材はねじりばねからなり、該ねじりばねの両端に延出された2本のばね足の一方が前記2枚の揺動片の一方に固定され、他方のばね足が他方の揺動片に固定されてなるように構成することができる。このように、ねじりばねを用いたばね蝶番という簡易な構成により、連結部を圧縮状態と復元状態とに変位させることができる。
そして、請求項5に記載のように、前記荷重検出部は、前記可動フロアの変位に応じて変位されない車体固定部に設けられた荷重検出スイッチを備え、該荷重検出スイッチは、前記可動フロアに設けられた荷重検出片の変位を検出可能に構成すると好適である。このように、車体固定部に荷重検出スイッチを設けることにより、荷重検出スイッチに接続するための電線を可動部に配設する必要がない。従って、電線に繰り返し応力がかかることがなく耐屈曲電線を使用する必要がない。また、電線の取り回しが容易となるので構成が簡易化される。従って、低コストで製造可能となる。
また、請求項6に記載のように、車両の乗降口に設けられたドアが開いたことを検出してドア開検出信号を出力するドア開閉検出部をさらに備え、前記制御部は、前記ドア開検出信号を検出することにより、前記フロア荷重検出信号が検出されていないことを条件として、前記駆動部を駆動させて前記可動フロアを前記展開状態から前記格納状態に変位させることができる。
このように構成すると、ドアの開動作に連動して、人や物などの荷重が自動検出されていないことを条件として、可動フロアが自動的に格納作動されるので、乗員の乗降車時における煩わしい操作等を不要にでき好適である。また、人や物が可動フロア上にある場合には、可動フロアの格納作動を確実に行わないようにすることができる。従って、可動フロアの不意の下降を確実に防止することが可能となる。
また、請求項7に記載のように、前記制御部は、前記ドア開検出信号を検出することにより、前記フロア荷重検出信号の検出に基づいて前記駆動部の駆動が禁止された後荷重が消滅してから所定時間経過したと判定されたことを条件として、前記駆動部を駆動させて前記可動フロアを前記展開状態から前記格納状態に変位させることができる。
このように構成すると、人や物などの荷重が自動検出され可動フロアの格納作動が禁止された場合に、荷重消滅後の可動フロアの格納作動は、荷重消滅から所定時間経過後に許可される。従って、荷重が一瞬持ち上げられてすぐに再び乗せられた場合に載荷状態で格納作動してしまうといったことがなく、確実に荷重が消滅した場合にのみ可動フロアの格納作動を行わせることができる。
また、請求項8に記載のように、前記可動フロアが格納状態となったことを検出して格納状態検出信号を出力すると共に、前記可動フロアが展開状態となったことを検出して展開状態検出信号を出力する可動フロア位置検出部をさらに備え、前記制御部は、前記展開状態検出信号および前記格納状態検出信号のいずれか一方を検出することにより、前記駆動部の駆動を停止させることができる。このように構成すると、可動フロアが展開若しくは格納された状態となったときに自動的に停止されるので、乗員の乗降車時における煩わしい操作を不要にでき好適である。
そして、請求項9に記載のように、前記可動フロアが前記展開状態又は前記格納状態にあるときに前記リンク機構の位置規制を行うと共に、前記リンク機構との当接面に緩衝材料を備えてなるストッパー部材が設けられていると好適である。
このように、展開状態又は格納状態にあるときにリンク機構の位置規制を行うことにより、展開状態又は格納位置において確実に可動フロアの作動を停止させることができる。そして、ストッパー部材とリンク機構との当接面に緩衝材料が配設されていると、緩衝材料が押圧されて撓んだ状態でリンク機構が停止される。従って、可動フロアのガタツキを抑制することが可能となり、車室内における搭乗者の足場が安定する。
また、請求項10に記載のように、前記可動フロアおよび前記展開格納手段が、単一のユニットに構成されていると、装置の全体構成を簡素化でき、これにより、車載性を向上させることが可能となる。
そしてまた、請求項11に記載のように、前記可動フロアは、前記展開状態にあって一定以上の荷重が加わったときに、車両フロアと面一な状態となるように構成されていると、可動フロアが展開状態にあり、かつ載荷状態にあるときには、可動フロアを含む車両フロア全体が平面状になるので、これにより、車両フロア面積を十分に確保することが可能となり好適である。
本発明によれば、以下のような効果を奏する。
(イ)リンク機構を用いた簡易な構成により、可動フロアを、乗降用固定ステップの上を覆う展開状態から格納状態へ変位させることができる。これにより、展開状態では、乗降時に乗降用固定ステップとして使用される部位を車両フロアとして使用することができ、車両フロアの有効面積を十分に確保することができる。
(ロ)人や物が可動フロア上にある場合には、荷重を自動検出してフロア荷重検出信号を出力することができる。そして、フロア荷重検出信号の検出により一定以上の荷重が加わったか否か自動判定し、荷重ありと判定された場合には駆動部の駆動を禁止し、フロアの格納作動を行わないようにすることができるので、人や物が可動フロア上にある場合には、可動フロアの下降を確実に防止することが可能となる。また、荷重消滅後の可動フロアの格納作動を一定時間経過後に許可することができるので、荷重が一瞬持ち上げられてすぐまた乗せられた場合に格納作動してしまうといったことがなく、確実に荷重が消滅した場合にのみ可動フロアの格納作動が行われる。
(ハ)荷重がかかる可動フロアに最も近い場所に、荷重により変位する連結部を設けているので、荷重が可動フロアからダイレクトに連結部に伝達されて連結部が変位し、これに伴って可動フロアが変位する。従って、荷重がダイレクトに可動フロアの変位に反映され、この変位を検出することにより、精度良く荷重を検出することが可能とされる。
(ニ)車体固定部に荷重検出スイッチを設けることにより、荷重検出スイッチに接続するための電線を可動部に配設する必要がない。従って、電線に繰り返し応力がかかることがなく耐屈曲電線を使用する必要がない。また、電線の取り回しが容易となるので構成が簡易化される。従って、低コストで製造可能となる。
(ホ)可動フロアおよび展開格納手段が、単一のユニットに構成されているので、装置の全体構成を簡素化でき、車載性を向上させることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図8は本発明の一実施形態を示す図で、図1は車両用フロアリフト装置Sの電気的な接続構成を示すブロック図、図2は車両用フロアリフト装置の斜視図、図3は車両用フロアリフト装置を車両に搭載した状態を示す説明図、図4は可動フロアとリンク機構との間に設けられるばね蝶番を示す斜視図である。
また、図5は展開状態において可動フロアに荷重が加えられていない状態を示す動作説明図、図6は展開状態において可動フロアに荷重が加わった状態を示す動作説明図、図7は可動フロアが格納された状態を示す動作説明図である。また、図8は車両用フロアリフト装置Sの格納作動時の制御の流れを示すフロー図である。
また、図9〜図10は、改変例の車両用フロアリフト装置に係る構成を示す図である。
(車両用フロアリフト装置の構成)
はじめに、図1〜図7を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用フロアリフト装置の構成について説明する。
本実施形態に係る車両用フロアリフト装置Sは、例えば、ワンボックスカーや、いわゆるミニバンなど、車室のフロア61が比較的高く設定されているために、乗降口62に一段低く乗降用固定ステップ63が設けられた車両60に適用されるものであり、乗降時以外には乗降用固定ステップ63上の空間を塞いで車両フロア61の有効面積を拡大させるためのものである。
なお、本実施形態では、車両60の乗降口62には、ドア64(本実施形態では、車両前後方向に開閉するスライド式ドアで構成されている)が設けられており、このドア64は、車両60に備えられた不図示の電動ドア開閉装置によって、自動的に開閉されるようになっている。
本実施形態に係る車両用フロアリフト装置Sは、図1に示すように、可動フロアユニット10と、制御部40と、電源供給部50と、ドア開閉検出部70と、を有して構成されている。
可動フロアユニット10は、可動フロア11と、リンク機構20と、駆動部30と、荷重検出部80と、を主要構成とするものである。これらの構成部品は、図2に示すように、連結固定部材としてのステップカバー12に連結されて一体化されている。これにより、可動フロアユニット10は、車両60に対して着脱自在なワンユニット化された装置とされている。このような可動フロアユニット10は、乗降口ステップ部に組み込むことにより、車両に容易に搭載することが可能である。また、車両から容易に取り外すことも可能である。従って、本実施形態における車両用フロアリフト装置Sは、多種多様な車種についてオプションとして後付けすることが容易となる。
可動フロア11は、図3に示すように、車両60において、車両フロア61の乗降口62側に設けられた一段下がった乗降用固定ステップ63上の凹部空間を塞ぐためのものであり、平板状に形成されている。可動フロア11の裏面11dには、図2に示すように、リンク機構20の構成要素である連結棒21,22の一端21a,22aが、ばね蝶番1を介してそれぞれ連結されている。
このばね蝶番1は、後述するように、展開状態において可動フロア11上に荷重が加えられたときに、伸長された状態のリンク機構20と可動フロア11との間に働く圧縮力によって、開き角度が減少するように構成されている。
また、可動フロア11の車両内部側に位置する一側端に設けられたヒンジ部11gには、支持ピン11cが設けられている。そして、この支持ピン11cは、ステップカバー12の車両内部側に形成された支持部13に回動自在に連結されている。これにより、可動フロア11はステップカバー12に対して回動可能とされている。
可動フロア11は、本実施形態の可動フロアユニット10が車両60に搭載された状態において、展開状態にあるときに車両フロア61に連続する平面となり、車両フロア面積を十分に確保することができるものである。
この可動フロア11は、図5に示すように、展開状態にあって、上から乗員の足や物体による荷重が加えられていない非載荷状態にあるときには、ばね蝶番1が所定の開き角度となっているために、車両フロア61よりも若干車両中央側に傾くように位置設定されている。そして、図6に示すように、展開状態にあって、可動フロア11の上から所定以上の荷重が加えられている載荷状態にあるときには、リンク機構20は伸張された状態であってばね蝶番1が荷重によって閉じた状態となっていることにより、可動フロア11が車両フロア61と面一な状態となるように位置設定されている。
このように構成すると、載荷状態において車両ドア64が開いた場合にも、可動フロア11が車両フロア61と面一な状態とされているので、傾斜側に荷重物体が移動されて車外に転落するという不都合が生じることがない。これに対して、非載荷状態において可動フロア11が車両フロア61と面一となるように位置設定すると、載荷状態では可動フロア11は車両外側に向かって若干傾斜する。従って、ドア64が開いた状態では、傾斜側に荷重物体が移動し転落するという不都合が生じる可能性があるが、本例の構成ではそのような不都合の発生は防止されている。
ステップカバー12は、可動フロア11及び駆動部30を支持するものであり、車両60の車体所定箇所に固定されている。
本実施形態において、ステップカバー12は、図2に示すように、乗降用固定ステップ63を略コの字型に囲む側面部12cと、側面部12cの上端と車両フロア61とを接続する上端部12aと、側面部12cの下端と乗降用固定ステップ63とを接続する下端部12bを備えている。側面部12cの車両中心側の面には2箇所の背面切欠き部12dが形成されている。リンク機構20は、この背面切欠き部12dを貫通するように設けられている。
リンク機構20の一端(後述する連結棒21,22)は、乗降用固定ステップ63上の空間に設けられた可動フロア11に連結されている。また、リンク機構20の他端(後述するクランク軸27)は、車両フロア61の下側の空間において、ステップカバー12の側面部12cから車両中央側へ向けて突出するように設けられた2ヶ所の支持部14に支持されるように構成されている。
なお、ステップカバー12の下端部12bと乗降用固定ステップ63は、一体に構成されていてもよい。
リンク機構20は、駆動部30の出力軸である駆動軸33の回動に応じて伸長または屈曲されることにより可動フロア11を展開格納させるものであり、図2に示すように、連結棒21,22と、クランク23,24と、クランク軸27と、を有して構成されている。
連結棒21,22の一端側に設けられた連結部21a,22aは、可動フロア11の裏面側に回動自在に連結されている。そして、連結棒21,22の他端に形成された連結部21b,22bは、クランク23,24の一端に形成された連結部23a,24aに、連結ピン25,26によって各々回動自在に連結されている。また、クランク23,24は、クランク軸27を介して互いに連結されている。
クランク軸27は、一端が駆動軸33に連結されており、駆動軸33と同一の回動軸まわりに回動される。また、クランク軸27は、ステップカバー12から車両中心側に突出された支持部14を介して、ステップカバー12に支持されている。このような構成により、クランク23,24は、後述する駆動モータ31によって回動される駆動軸33の回動に基づき、駆動軸33と同一の回動軸まわりに連動して回動される。
次に、図4〜図6を参照しながら、本発明において特徴的なリンク機構20と可動フロア11との連結部の構成について説明する。本発明では、リンク機構20の一端と可動フロア11の裏面とが、ばね蝶番1を介して連結されている。
このばね蝶番1は、図4に示すように、軸部材2と、軸部材2に軸着され互いに蝶着された取付板3,4と、取付板3,4の間に配設されたねじりばね5と、を備えている。ねじりばね5は、コイル部5aと、コイル部5aの両端から延びるばね足5b,5cを有しており、ばね足5b,5cが取付板3,4にそれぞれ固定されている。取付板3は可動フロア11の裏面側に固定され、また、取付板4はその裏面側に形成されたヒンジ部4aを介して、連結棒21,22の端部21a,22aに連結されている。なお、ヒンジ部4aと連結棒21,22が接続部材を介して接続された構成であってもよい。
このように構成すると、ばね蝶番1の開閉に基づき、可動フロア11と連結棒21,22の端部21a,22aとが接近または離間される。すなわち、ばね蝶番1により、リンク機構20と可動フロア11との連結部が、ばね蝶番1が閉じた圧縮状態と、ばね蝶番1が所定の開き角度をなす復元状態とに変位可能とされている。なお、取付板3と可動フロア11とを、伸縮されない接続部材を介して連結するように構成してもよい。
ねじりばね5は、外力を加えない状態において、ばね足5b、5cが所定角度をなすように構成されている。そして、ばね足5b,5cをコイル部5aの軸心まわりに互いに逆方向に回動させる外力を加えると、ねじりばねのばね定数(弾性係数)に応じて、ばね足5b,5cが互いに近づく方向に所定量だけ回動される。
なお、本例では付勢部材としてねじりばね5を用いたばね蝶番1を使用したが、付勢部材はねじりばねに限定されず、蝶番を構成する取付板3,4を所定の開き角度に復帰させる復帰力を付与可能な付勢部材であれば、どのようなものであってもよい。例えば、板ばねやゴムであってもよい。
このような構成により、可動フロア11は、展開状態において乗員の足や物体による荷重により以下のように変位される。
展開状態ではリンク機構20が伸長された状態にあるので、可動フロア11の上から乗員の足や荷物などの荷重が加えられると、可動フロア11の裏面とリンク機構20の端部との間に圧縮力が働く。すなわち、ばね蝶番1には、ばね蝶番1を閉じる方向の外力が加えられる。これにより、ねじりばね5には、取付板3,4を介してばね足5b、5cを互いに逆方向に回動させる方向の力が加えられる。そして、ばね足5b、5c及び取付板3,4が、互いに近づく方向に荷重の大きさに応じた回動量だけ回動される。そして、取付板3,4の回動に伴って可動フロア11が変位される。
荷重が一定以上になると、取付板3,4の先端が当接されてばね蝶番1が閉じた状態となったところで回動が停止され、可動フロア11の変位も停止される。可動フロア11は、ばね蝶番1が閉じた状態となったときには、支持ピン11cを回動軸として所定角度(図6に示す角度T)だけ格納方向に回動された状態で停止されている。
ばね蝶番1が閉じた状態では、ばね足5b,5cは、もとの角度に戻ろうとする方向に付勢されている。これにより、可動フロア11上の荷重が除去されるとねじりばね5はもとの形状に復帰する。そして、ねじりばね5の復帰に伴い、ばね蝶番1はもとの開き角度に復帰し、可動フロア11は非載荷状態の位置に復帰する。
駆動部30は、駆動モータ31と、減速機構32とを備えており、上述したように、ステップカバー12を介して車両60の車体所定箇所に支持されるものである。ステップカバー12には、支持板15を介して減速機構32が取り付けられている。
駆動モータ31は、電源供給部50から電源供給を受けることにより正逆方向に回転を切り替えて駆動するものであり、例えば、ブラシ付き直流モータ等で構成されている。駆動モータ31の回転軸31aには、図5、図6に示すように、減速機構32のウォーム32aが形成されている。本実施形態の減速機構32は、ウォーム32aと、複数のギア32b,32c,32dと、から構成されており、最終段のギア32eには、駆動軸33が形成されている。また、この駆動軸33は、クランク軸27を介してクランク23に接続されている。そして、上記構成により、駆動モータ31の駆動に伴って減速機構32が作動し、クランク23が回動するようになっている。
また、支持板15には、展開状態検出スイッチ17と、格納状態検出スイッチ18とが設けられており、可動フロア11の展開格納状態を検出することができるようになっている。すなわち、図5、図6に示すように、可動フロア11が展開された状態にあるときには、クランク23が展開状態検出スイッチ17に当接するようになっており、これにより、展開状態検出スイッチ17がスイッチオンとなって、制御部40に展開検出信号が出力されるようになっている。同様に、図7に示すように、可動フロア11が格納された状態にあるときには、クランク23が格納状態検出スイッチ18に当接するようになっており、これにより、格納状態検出スイッチ18がスイッチオンとなって、制御部40に格納検出信号が出力されるようになっている。
なお、展開状態検出スイッチ17,格納状態検出スイッチ18は、接触型のスイッチでなくてもよく、磁気の変化を検出する近接スイッチであってもよい。また、駆動モータ31の回転軸31aや駆動軸33にエンコーダ等の検出器を設けて回動角検出を行うことにより、可動フロア11の展開格納状態を検出する構成であっても良い。また、駆動モータ31内に設けたリミットスイッチ等によって可動フロア11の展開格納状態を検出する構成であっても良い。
制御部40(図1参照)は、例えば、各種演算を行うためのCPUと、このCPUを動作させるためのプログラムが格納されたROMと、CPUによって処理された情報を一時的に保存するRAM等を備えた電気回路で構成されている。この制御部40は、後述するドア開閉検出部70からの検出信号や、上述の展開状態検出スイッチ17、格納状態検出スイッチ18からの検出信号を検出することにより、電源供給部50に電源供給指令信号を出力したり、後述する逆転回路51に配線逆転指令信号を出力したりすることができるように構成されている。なお、制御部40は、車両60に備えられた不図示の中央制御装置に一体に組み込まれていても良い。
電源供給部50(図1参照)は、車両60に備えられたバッテリを含む電源装置によって構成されており、上記制御部40からの電源供給指令信号に応じて、駆動モータ31に所定の電圧を印加することができるように構成されている。
逆転回路51は、電源供給部50と駆動モータ31との間に配設されており、制御部40からの配線逆転指令信号に応じて、電源供給部50から駆動モータ31への配線を正回転方向から逆回転方向へスイッチングして、駆動モータ31の回転方向を反転させるように構成されている。
ドア開閉検出部70(図1参照)は、車両60に備えられたドア64の開閉を検出するものであり、ドア64が閉じた状態にあるときには、ドア全閉検出信号を制御部40へ出力すると共に、ドア64が開いたときには、ドア全開検出信号を制御部40へ出力するように構成されている。
ドア開閉検出部70は、例えば、ドア64の開閉状態に応じて作動する一対のリミットスイッチにより構成されている。すなわち、このドア開閉検出部70は、ドア64が完全に開いた状態にあるときにスイッチオンとなるドア全開検出スイッチと、ドア64が完全に閉まった状態にあるときにスイッチオンとなるドア全閉検出スイッチとから構成される。このドア開閉検出部70を構成するドア全開検出スイッチおよびドア全閉検出スイッチは、車両60の乗降口62付近におけるドア64と接触可能な位置にそれぞれ配置され、スイッチオンとなったときにドア全開検出信号、ドア全閉検出信号をそれぞれ出力することができるように構成されている。
本例では、制御部40がドア全開検出信号を検出すること、つまり、ドアが64全開状態となっていることが、可動フロア11の格納作動を行うための条件とされている。
荷重検出部80(図1参照)は、可動フロア11上の荷重の有無を検出するためものである。上述のように、可動フロア11は、展開状態にあるときに、上から加えられた荷重に応じて、所定角度だけ格納方向に変位されるように構成されている。荷重検出部80は、可動フロア11の変位の有無を検出することにより、可動フロア11が載荷状態にあるか非載荷状態にあるかの判定を行い、載荷状態にあると判定した場合に、フロア荷重検出信号を制御部40に出力するように構成されている。
荷重検出部80は、例えば、可動フロア11の一端に設けられた荷重検出片81と、該荷重検出片81の位置に応じて作動するリミットスイッチからなる荷重検出スイッチ82とを備えている。
荷重検出片81は、図5、図6に示すように、可動フロア11の回動軸である支持ピン11cが設けられたヒンジ部11gよりも車両内部側に設けられ、可動フロア11の端部から突出するように形成されている。この荷重検出片81は、可動フロアの回動に伴い、ステップカバー12の車両内部側の空間において、ヒンジ部11gの外周に沿って位置変動される。
荷重検出スイッチ82は、ステップカバー12の車両内部側に設けられており、可動接点を作動させるためのローラレバー等の作動部82aが、ヒンジ部11gの外周面に対向するように設けられている。
このように、固定部材であるステップカバー12に荷重検出スイッチ82を設けることにより、荷重検出スイッチの配線の取り回しが容易とされる。また、可動部に配線が配設されないので、耐屈曲電線などの高価な部材を使用する必要がない。従って、製造コストを抑制することができる。なお、ステップカバー12に限らず、ステップカバー12の裏面側に設けられた車体の固定部に荷重検出スイッチ82を取り付けるように構成しても良い。
荷重検出片81は、図5に示すように、展開状態にあって、可動フロア11上に荷重が加えられていない非載荷状態において、ステップカバー12の車両内部側に形成された荷重検出スイッチ82に接触する位置に設けられている。つまり、非載荷状態において、荷重検出スイッチ82の可動接点が固定接点に接触され、荷重検出スイッチ82はオン状態となっている。
一方、載荷状態では、図6に示すように、可動フロア11が、ばね蝶番1が閉じたことに基づき、所定角度だけ格納方向に回動され、これに伴って荷重検出片81の位置がヒンジ部11gの周方向に所定角度だけ変位されている。このとき、荷重検出片81は、荷重検出スイッチ82に接触しない位置に変位されているので、荷重検出スイッチ82は、オフ状態となっている。
以上のようにして、可動フロア11の変位の有無すなわち荷重検出片81の変位の有無を、荷重検出スイッチ82のオンオフによって検出することができる。そして、荷重検出部80は、荷重検出スイッチ82がオフ状態となったときに可動フロア11が載荷状態にあると判定し、フロア荷重検出信号を制御部40に出力する。
フロア荷重検出信号が出力される最小荷重は、可動フロア11を、荷重検出片81が荷重検出スイッチ82に接触しない位置まで変位させる荷重であるから、ばね蝶番1における荷重と変位量との関係、すなわちばね蝶番1を構成するねじりばね5のばね定数(弾性係数)に応じて決まる。従って、本例では、ねじりばね5の選定により、検出最小荷重の設定を行うことができる。これにより、例えば花びんなどの軽量な物体であっても、荷重検出を行うことができる。
なお、荷重検出スイッチ82は、接触型のスイッチでなくてもよく、磁気の変化を検出する近接スイッチであってもよい。また、可動フロア11のヒンジ部11gにエンコーダ等の検出器を設けて回動角検出を行うことにより、可動フロア11の位置検出を行う構成であっても良い。そして、エンコーダ等の検出器による構成とする場合には、荷重検出スイッチ82を作動させるために荷重検出片81を設ける必要がない。
(車両用フロアリフト装置の動作)
次に、図8の制御フローに基づき、上記各構成からなる車両用フロアリフト装置Sの格納動作において行われる処理の内容について説明する。
本実施形態の車両用フロアリフト装置Sは、ドア64が閉まっている状態にあるときには、図3に示すように、可動フロア11が乗降用固定ステップ63の上方を覆うように展開された展開状態となっている。この展開状態では、可動フロア11が車両フロア61に連続する平面とされ、車両フロア面積が十分に確保されている。
本実施形態では、ドア64が完全に開いていると判定され、かつ、可動フロア11の上に乗員の足や荷物などの荷重が加えられていないと判定されたことを条件として、可動フロア11の格納作動を行うように構成されている。
はじめに、制御部40は、ドア64が完全に開いた状態か否かを判定するために、ドア全開検出信号が検出されたか否かの判定を行う(ステップS1)。そして、ドア全開検出信号が出力されたと判定された場合には(ステップS1:Yes)、可動フロア11が載荷状態であるか否かの判定を行うために、フロア荷重検出信号が検出されたか否かの判定を行う(ステップS2)。一方、ドア全開検出信号が出力されていない場合には(ステップS1:No)、ドア64がまだ完全に開いていないと判断し、格納作動は行わない。そして、一定時間毎にドア全開検出信号が検出されたか否かの判定を行う。
そして、フロア荷重検出信号の出力があったと判定された場合には(ステップS2:Yes)、可動フロア11上に物体があると判断し、格納作動は行わない。そして、一定時間毎にフロア荷重検出信号が検出されたか否かの判定を行う。
一方、フロア荷重検出信号が出力されていないと判定された場合には(ステップS2:Yes)、可動フロア11上には物体がないため格納作動可能と判定する。そして、駆動モータ31を正方向(展開状態から格納状態へ変位させるときの回動方向)へ回動開始させるために、駆動モータ31に所定の電圧を印加する(ステップS3)。すなわち、制御部40は、電源供給部50から駆動モータ31への配線を正回転方向に設定すると共に、電源供給部50に電源供給指令信号を出力する。これにより、可動フロア11は、格納方向へ回動される。続いて、制御部40は、一定時間毎に格納検出信号が検出されたか否かの判断を行う(ステップS4)。そして、格納検出信号がなかったとの判断がなされた場合には(ステップS4:No)、モータ逆転が続行される(ステップS3)。一方、展開検出信号があったとの判断がなされた場合には(ステップS4:Yes)、駆動モータ31を停止させる処理が行われる(ステップS5)。すなわち、制御部40は、電源供給部50に出力されていた電源供給指令信号を停止する。これにより、格納状態において可動フロア11の変位が停止される。
以上のように、本例の車両用フロアリフト装置Sでは、展開状態から格納状態への変位動作において、ドア開閉検出部70及び荷重検出部80からのドア全開検出信号及びフロア荷重検出信号の検出に基づいて格納作動が許可され、駆動モータ31が正回転されて格納作動が行われる。そして、可動フロア11が格納状態とされた状態で駆動モータ31が停止される。また、フロア荷重検出信号の検出がない場合には、格納作動を制限するように処理を行う。
このように、ドア開閉検出に加えて、展開状態における可動フロア11上の荷重検出を可動フロア11の格納作動を許可するための条件としているので、乗員や荷物などが可動フロア上にある状態で車両ドア64を開けた場合でも、可動フロア11上の荷重を自動検出して可動フロア11の格納作動を制限することができる。従って、可動フロア11の不意の作動が確実に防止される。
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(改変例1)
上記実施例において、乗員の足や荷物などの物体が可動フロア11上から移動されて荷重が消滅し、荷重検出スイッチ82がオフ状態からオン状態へ切り替わった場合に、荷重消滅後直ちに格納作動を開始せず、所定時間経過後に格納作動を開始させる遅延処理を行うように構成してもよい。このように構成すると、確実に荷重が排除されたのちに格納作動を行うことができるので、可動フロア11の不意の下降が防止される。
すなわち、本例では、図9の制御フローに示すように、ステップ2aにおいて、フロア荷重検出信号の検出判定(ステップS2)において判定がYesであった最も最近の判定からが行われた時点から、所定時間経過したか否かの判定を行う。そして、所定時間経過したとの判断がなされた場合には(ステップS2a:Yes)、駆動モータ31に所定の電圧を印加する(ステップS3)。一方、所定時間経過していないとの判断がなされた場合には(ステップS4:No)、格納作動は行わない。そして、一定時間毎に再びフロア荷重検出信号が検出されたか否かの判定を行う。
このように構成すると、人や物などの荷重が自動検出され可動フロアの格納作動が禁止された場合に、荷重消滅後の可動フロアの格納作動は、荷重消滅から所定時間経過後に許可される。従って、荷重が一瞬持ち上げられてすぐに再び乗せられた場合に載荷状態で格納作動してしまうといったことがなく、確実に荷重が消滅した場合にのみ可動フロアの格納作動を行わせることができる。
(改変例2)
上記各実施例では、ドア全開検出信号の検出に基づきドア64が完全に開いていると判定され、かつ、可動フロア11の上に乗員の足や荷物などの荷重が加えられていないと判定されたことを条件として、可動フロア11の格納作動を行っていたが、ドア全開検出信号の検出に替えて、ドアラッチ解除信号を検出し、これに基づきドア64の開動作が開始されたと判定され、かつ、可動フロア11の上に乗員の足や荷物などの荷重が加えられていないと判定されたことを条件として、可動フロア11の格納作動を行うように構成してもよい。
すなわち、本例において、ドア64はラッチ機構を備え、このラッチ機構には、ドアラッチが回動可能に支持されている。このドアラッチは、車両60のピラーに固定されたストライカに係合可能に構成されている。ドア64が閉じた状態にあるときには、このドアラッチがフルラッチ位置にあってストライカに係合され、ストライカを拘束している。また、ラッチ機構には、ドアラッチをストライカ拘束位置に係止するためのラチェットが設けられている。ドア64が開作動されるときには、まず、このラチェットがモータによって回動されてドアラッチとラチェットとの係合が解除される。これに伴い、ドアラッチが弾性部材による付勢力によって回動されてストライカの拘束が解除される。このとき、ドア64はフルラッチ状態で最小開位置となる。
このドア開閉検出部70は、例えば、ドア64のラッチ機構が備えるドアラッチの回動状態を検出する。そして、このドアラッチがストライカを拘束した状態にあるときには、ドアラッチ拘束信号を制御部40へ出力する。そして、ドアラッチによるストライカの拘束が解除された状態にあるときには、ドアラッチ解除信号を制御部40へ出力するように構成されている。ドアラッチの回動状態は、例えばストライカが拘束状態にあるときにドアラッチに当接されてスイッチオンとなるリミットスイッチを設けて検出することができる。また、ドアラッチの回動軸に回動角を検出するセンサを設けて検出してもよい。
そして、ドア開閉検出部70は、ドア64のラッチ機構のドアラッチがストライカを拘束した状態にあるときにドアラッチ拘束信号を制御部40へ出力し、ドアラッチによるストライカの拘束が解除された状態にあるときにドアラッチ解除信号を制御部40へ出力するように構成されている。
そして、本例では、図8の制御フローのステップS1において、ドア全開検出信号が検出されたか否かの判定に代えて、ドアラッチ解除信号が検出されたか否かの判定を行う。このように制御すると、ドアラッチ解除信号が検出されたとき、すなわち、ドア64が最小開位置にある時点で可動フロアの格納作動が開始可能とされる。つまり、ドア開動作と平行して可動フロアの格納動作を行うことができる。従って、より早く乗降可能な状態とすることができ、乗降時の利便性が向上される。
(改変例3)
上記各実施例で行うドア開閉検出の他にも、乗員の座席への着座の有無を検出し、この検出結果に応じて可動フロア11が作動する構成であっても良い。また、不図示の昇降スイッチを設け、この昇降スイッチの操作状況に応じて可動フロア11が作動する構成であっても良い。
(改変例4)
上記各実施例において、展開状態又は格納状態にあるときにリンク機構20の位置規制を行うためのストッパー部材を設けることにより、展開状態又は格納位置において確実に可動フロアの作動を停止させることができる。そして、ストッパー部材とリンク機構20との当接面に緩衝材料が配設されていると、緩衝材料が押圧されて撓んだ状態でリンク機構が停止される。従って、可動フロア11のガタツキを抑制することが可能となり、車室内における搭乗者の足場が安定する。
例えば、図10に示すように、ステップカバー12に支持された支持板15にストッパー部材128a,128bを設けることができる。図10(a)に示すように、可動フロア11が展開された状態にあるときには、ストッパー部材128aがクランク23に当接するようになっており、これにより、クランク23の展開方向へのそれ以上の変位が規制される。同様に、図10(b)に示すように、可動フロア11が格納された状態にあるときには、ストッパー部材128bがクランク23に当接するようになっており、これにより、クランク23の格納方向へのそれ以上の変位が規制される。
また、ストッパー部材128a及び128bには、クランク23と当接される面に、緩衝材料129を設けると好適である。例えば、本例では、ゴム素材からなる緩衝部材129が設けられている。また、ゴム素材に限らず、弾性を有する緩衝材料であればどのようなものであってもよい。このように構成されていると、緩衝材料が押圧されて撓んだ状態でリンク機構が停止される。そして、この緩衝材料によって、車両の振動や荷重によりリンク機構に伝達される衝撃が吸収される。従って、可動フロアのガタツキを抑制することが可能となる。
本実施形態に係る車両用フロアリフト装置は、上述のように、ワンボックスカーや、いわゆるミニバンなどのように、車両フロアから乗降口へかけて一段低くなるように乗降用固定ステップが設けられた車両以外にも、バスや福祉車両、航空機、鉄道車両等に適用することが可能である。
本実施形態に係る車両用フロアリフト装置の電気的な接続構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る車両用フロアリフト装置を示す斜視図である。 本実施形態に係る車両用フロアリフト装置を車両に搭載した状態を示す説明図である。 可動フロアとリンク機構との間に設けられたばね蝶番を示す斜視図である。 展開状態において可動フロアに荷重が加えられていない状態を示す動作説明図である。 展開状態において可動フロアに荷重が加わった状態を示す動作説明図である。 可動フロアが格納された状態を示す動作説明図である。 本実施形態に係る車両用フロアリフト装置の格納作動時の制御の流れを示すフロー図である。 改変例の車両用フロアリフト装置の格納作動時の制御の流れを示すフロー図である。 改変例の車両用フロアリフト装置に設けられたストッパー部材を示す説明図である。
符号の説明
1 ばね蝶番、2 軸部材、3,4 取付板、5 ねじりばね、5a コイル部、5b,5c ばね足、10 可動フロアユニット、11 可動フロア、11c 支持ピン、11d 裏面、11g ヒンジ部、12 ステップカバー、12a 上端部、12b 下端部、12c 側面部、12d 背面切欠き部、13 支持部、14 支持部、15 支持板、17 展開状態検出スイッチ、18 格納状態検出スイッチ、20 リンク機構、21,22 連結棒、21a,22a 連結部、23,24 クランク、25,26 連結ピン、27 クランク軸、30 駆動部、31 駆動モータ、31a 回転軸、32 減速機構、32a ウォーム、32b,32c,32d,32e ギア、33 駆動軸、40 制御部、50 電源供給部、51 逆転回路、60 車両、61 車両フロア、62 乗降口、63 乗降用固定ステップ、64 ドア、70 ドア開閉検出部、80 荷重検出部、81 荷重検出片、82 荷重検出スイッチ、82a 作動部、128a,128b ストッパー部材、129 緩衝部材、S 車両用フロアリフト装置、T 角度

Claims (11)

  1. 車両フロアより低い乗降用固定ステップの上方を覆うように展開された展開状態と前記乗降用固定ステップを車室に出現させるように格納された格納状態とに変位可能な可動フロアと、該可動フロアを前記展開状態と前記格納状態とに変位させる展開格納手段と、を備えた車両用フロアリフト装置において、
    前記展開格納手段は、一端側が前記可動フロアに接続されたリンク機構と、該リンク機構の他端側に接続された駆動部と、該駆動部を制御する制御部と、前記可動フロア上の荷重を検出してフロア荷重検出信号を出力する荷重検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記フロア荷重検出信号を検出することにより、前記可動フロア上に一定以上の荷重が加わったと判定されたことを条件として、前記駆動部の駆動を禁止することを特徴とする車両用フロアリフト装置。
  2. 前記可動フロアは、一定以上の荷重が加わったことに基づく圧縮状態と圧縮されない復元状態とに変位される連結部を介して前記リンク機構の一端側に接続され、前記展開状態において前記連結部の圧縮または復元に応じて変位されるように構成され、
    前記荷重検出部は、前記展開状態において前記連結部の圧縮に応じた前記可動フロアの変位を検出したことに基づき、前記フロア荷重検出信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の車両用フロアリフト装置。
  3. 前記連結部は、互いに揺動可能に蝶着された2枚の揺動片からなり該揺動片の一方が前記可動フロアに連結されると共に他方が前記リンク機構の一端側に連結された蝶番部材,該蝶番部材が所定の開き角度をなすように付勢する付勢部材,を有して構成され、
    前記蝶番部材は、前記可動フロア上に一定以上の荷重が加わったことに基づき、開き角度が減少されることを特徴とする請求項2に記載の車両用フロアリフト装置。
  4. 前記付勢部材はねじりばねからなり、該ねじりばねの両端に延出された2本のばね足の一方が前記2枚の揺動片の一方に固定され、他方のばね足が他方の揺動片に固定されてなることを特徴とする請求項3に記載の車両用フロアリフト装置。
  5. 前記荷重検出部は、前記可動フロアの変位に応じて変位されない車体固定部に設けられた荷重検出スイッチを備え、
    該荷重検出スイッチは、前記可動フロアに設けられた荷重検出片の変位を検出可能に構成されてなることを特徴とする請求項2に記載の車両用フロアリフト装置。
  6. 車両の乗降口に設けられたドアが開いたことを検出してドア開検出信号を出力するドア開閉検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記ドア開検出信号を検出することにより、前記フロア荷重検出信号が検出されていないことを条件として、前記駆動部を駆動させて前記可動フロアを前記展開状態から前記格納状態に変位させることを特徴とする請求項1に記載の車両用フロアリフト装置。
  7. 前記制御部は、前記ドア開検出信号を検出することにより、前記フロア荷重検出信号の検出に基づいて前記駆動部の駆動が禁止された後荷重が消滅してから所定時間経過したと判定されたことを条件として、前記駆動部を駆動させて前記可動フロアを前記展開状態から前記格納状態に変位させることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の車両用フロアリフト装置。
  8. 前記可動フロアが格納状態となったことを検出して格納状態検出信号を出力すると共に、前記可動フロアが展開状態となったことを検出して展開状態検出信号を出力する可動フロア位置検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記展開状態検出信号および前記格納状態検出信号のいずれか一方を検出することにより、前記駆動部の駆動を停止させることを特徴とする請求項1、請求項6、請求項7のいずれか一項に記載の車両用フロアリフト装置。
  9. 前記可動フロアが前記展開状態又は前記格納状態にあるときに前記リンク機構の位置規制を行うと共に、前記リンク機構との当接面に緩衝材料を備えてなるストッパー部材が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用フロアリフト装置。
  10. 前記可動フロアおよび前記展開格納手段が、単一のユニットに構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用フロアリフト装置。
  11. 前記可動フロアは、前記展開状態にあって一定以上の荷重が加わったときに、車両フロアと面一な状態となるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3、請求項5乃至請求項10、のいずれか一項に記載の車両用フロアリフト装置。
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