JP2006136884A - 吸湿剤、および、吸湿剤の製造方法 - Google Patents

吸湿剤、および、吸湿剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンパクトかつ容易に製造可能な有機EL表示装置に適用し得る吸湿剤を提供すること。
【解決手段】吸湿剤Sが酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化バリウム、フッ化物樹脂、フッ素樹脂を含む群から選択された少なくとも一つの高い水分保持性能を有する物質の外表面に二酸化ケイ素を付着させたもの。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸湿剤、および、吸湿剤の製造方法に関する。
現在、各種電子機器等の表示装置として、有機EL表示装置の開発が急速に進められており、一部では、例えば携帯電話の表示装置として既に実用化されている。この種の有機EL表示装置は、基板上に、電極層(アノードおよびカソード)、電子輸送層、正孔輸送層、発光層といった複数の層を成膜させたものであり、これらの層は、高分子または低分子の有機化合物により形成されている。一方、有機EL表示装置は、水分によって簡単に劣化してしまうことが知られている。すなわち、有機EL表示装置では、水分の存在により発光層と電極層とが剥離してしまったり、水分によって発光層の分子構造が変化してダークスポットと称される非表示欠陥が発生したりする。
このため、有機EL表示装置を製造するに際しては、大気に曝されていない状態で基板上に有機化合物層を成膜すると共に、成膜後の組立体を金属、樹脂あるいはガラス等からなる封止部材の内部に封止するのが一般的である。そして、封止部材の内部には、等水分を吸着する所定の乾燥剤が配置される(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−195661号公報
しかしながら、封止部材の内部に乾燥剤を配置するためには、乾燥剤を所定の袋体等に収容したり、有機化合物と混合させたりした後、封止部材の所定位置に取り付ける必要がある。このため、乾燥剤の配置に伴って、有機EL表示装置の製造工程は少なからず煩雑化する。また、封止部材に乾燥剤を配置するに際しては、封止部材に乾燥剤の取付部を形成する必要が生じることもあり、これにより、有機EL表示装置全体のコンパクト化(薄型化)が妨げられてしまうこともある。
そこで、本発明は、上述の課題を解決することができる有用な吸湿剤、および、吸湿剤の製造方法の提供を目的とする。
本発明による吸湿剤は、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化バリウム、フッ化物樹脂、フッ素樹脂を含む群から選択された少なくとも一つの高い水分保持性能を有する物質の外表面に二酸化ケイ素を付着させたことを特徴とする。
このように構成される吸湿剤は、急速に湿気を吸着する性質と、高温に曝されるまで湿分(水分)を保持し続ける性質とを併せもつこととなる。従って、斯かる吸湿剤が付着される吸湿部材にあっては、吸湿性能を長期間良好に保つことができ、しかも、乾燥剤の取付部等を形成する必要がなく、装置内に極めて容易に配置することができるという効果を奏する。
また、本発明による吸湿剤の製造方法は、湿潤ゲル体を乾燥させ二酸化ケイ素の多孔質性粒子を形成する第1の工程と、この二酸化ケイ素と酸化カルシウムとを混合させ、前記酸化カルシウムの外表面に前記酸化カルシウムの外表面に前記二酸化ケイ素を付着させる第二の工程とを備えて構成される。
さらに、第1の工程は、湿潤ゲル体をその周囲温度を略135乃至150℃までに徐々に上昇させることにより乾燥させることにより乾燥させ二酸化ケイ素の多孔質性粒子を形成する工程であってもよい。
第2の工程は、二酸化ケイ素を50乃至70部、150ミクロン以上の粒径をもった酸化カルシウムを50乃至30部の割合で混合させることにより、酸化カルシウムの外表面に二酸化ケイ素を付着させる工程であってもよい。
本発明によれば、吸湿剤が酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化バリウム、フッ化物樹脂、フッ素樹脂を含む群から選択された少なくとも一つの高い水分保持性能を有する物質の外表面に二酸化ケイ素を付着させたことにより、斯かる吸湿剤が付着される吸湿部材にあっては、吸湿性能を長期間良好に保つことができ、しかも、乾燥剤の取付部等を形成する必要がないのでコンパクトかつ容易に製造可能な有機EL表示装置の実現が可能となる。
以下、図面と共に本発明による吸湿剤の一例が用いられる不織布、吸湿部材、不織布の製造方法および製造装置、その吸湿剤の製造方法、ならびに、そのような吸湿部材として備えた有機EL表示装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る不織布を示す断面図である。同図に示される不織布1は、それ自体、水分を吸着保持する吸湿部材として機能する。そして、この不織布1は、それ自体のサイズや厚さ等を極めて容易かつ自在に設定可能なものであることから、極めて高い汎用性、加工性および取り扱い性を有する吸湿部材として利用され得る。本実施形態の不織布1は、図1に示されるように、第1層11と第2層12とを含む2層構造を有している。第1層11は、微粒子状の吸湿剤Sが付着している繊維を結合させた不織布からなる。一方、第1層11に積層(結合)されている第2層12は、吸湿剤Sが付着していない繊維のみを結合させた不織布からなる。このような2層構造を有する不織布1では、第1層11の繊維から吸湿剤Sが剥離しても、剥離した吸湿剤Sを第2層11により捕捉することができるので、不織布1全体の吸湿性能は、長期間にわたって良好に維持される。
不織布1の第1層11を構成する繊維に付着させられる吸湿剤Sは、いわゆるゾル−ゲル法により製造されるものであり、図2に示されるように、カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の高い水分保持性能を有する物質Xを二酸化ケイ素からなる多孔質性粒子の層Yにより内包させたものである。ただし、本発明において、吸湿剤Sは、図2に示されるような二酸化ケイ素の層Yによって物質Xが概ね完全に内包されているものに限られない。すなわち、吸湿剤Sは、図3に示されるように、高い水分保持性能を有する物質Xの外表面のほぼ全体に二酸化ケイ素の多孔質性粒子yを多量に付着させたものであってもよい。また、カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の物質Xは、およそ140〜160μm程度の粒径を有していると好ましく、物質Xの表面に付着させる二酸化ケイ素の粒子は、およそ5〜10μm程度の粒径を有していると好ましい。
このような吸湿剤Sが湿分(水分)を含む環境下に置かれると、当該環境における湿分(水分)が多孔質性層Yまたは多孔質性粒子yに吸収され、更に、多孔質性層Yに内包されているか、または、多孔質性粒子yの内側に位置するカルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の物質Xによって吸着保持されることになる。物質Xがカルシウム類である場合、吸湿剤Sがおよそ240〜280℃の高温状態に置かれない限り、吸着された水分は、多孔質性層Yまたは多孔質性粒子yの内部のカルシウム類により確実に保持される。なお、物質Xとしては、カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムの他に、例えば、酸化バリウム、フッ化物樹脂、フッ素樹脂等を採用することができる。
不織布1に含まれる吸湿剤Sは、次のような手順により製造される。すなわち、乾燥窒素ガス雰囲気下で、例えばテトラメトキシシラン(TMOS)のような各種アルコキシシラン類にアルコールを加え、かかる溶液に、適量の水と、例えばアンモニア等の加水分解反応および縮合反応を励起させる触媒を注入・攪拌する。これにより、以下の(1)〜(3)式に示されるゾル−ゲル法による反応が進行し、湿潤ゲル体が生成される。
nSi(OCH+4nHO → nSi(OH)+4nCHOH …(1)
Si(OH)+Si(OH) → (OH)Si−O−Si(OH) …(2)
Figure 2006136884
なお、アルコキシシラン類としてTMOS〔Si(OCH〕を、アルコールとしてメタノール〔CHOH〕を、触媒としてアンモニア〔NH〕を用いる場合、これらの成分の配合比は、重量比で、
Si(OCH:HO:(CHOH):NH
= 1:10:2.0:3.7×10−4
とされることが好ましい。
上述のようにして生成される湿潤ゲル体は、その周囲温度をおよそ135〜150℃程度まで徐々に上昇させることにより乾燥させられる。かかる乾燥工程を行なうことにより、湿潤ゲル体から余分なアルコール類(メタノール)、水、触媒(アンモニア)等が揮発し、二酸化ケイ素の多孔質性粒子が得られる。そして、生成された二酸化ケイ素を例えば50〜70部、150ミクロン以上の粒径をもった酸化カルシウムを例えば50〜30部の割合で混合させることにより、上述のような高い水分保持性能を有する酸化カルシウムの外表面のほぼ全体に二酸化ケイ素の多孔質性粒子を多量に付着させた吸湿剤Sを得ることができる。このようにして生成される吸湿剤Sは、上述のように、急速に湿気を吸着する性質と、高温に曝されるまで湿分(水分)を保持し続ける性質とを併せもつ。
図4は、不織布1を製造する装置の概要を示す概略構成図である。同図に示される不織布製造装置20は、繊維を結合させて不織布構造体をつくり出す第1遠心分離機21および第2遠心分離機22と、第1および第2遠心分離機21,22の下方に配置されて循環駆動されるベルト23aを含むベルト機構23とを備える。ベルト23aの表面は、粘着物に対して高い剥離性を有する。
また、不織布製造装置20には、不織布1の繊維の原材料を供給する原材料供給部が含まれており、この原材料供給部は、押出機24、攪拌機25、溶解槽26、スネークポンプ27および混合機28等から構成される。押出機24は、繊維の原材料を溶解させて攪拌機25に供給する。攪拌機25によって攪拌された繊維の原材料は、混合機28および第2遠心分離機22に供給される。また、溶解槽26は、繊維を形成するための他の原材料を溶解させるものである。溶解槽26内の原材料は、スネークポンプ27によって混合機28に導入される。押出機24からの原材料と、溶解槽26からの原材料は、混合機28により混合された後、第1遠心分離機21に供給される。
更に、第2遠心分離機22の下流側には、第1切断機29および第2切断機30が配置されている。第1切断機29は、第1遠心分離機21および第2遠心分離機22によってつくり出される不織布の連続体を切断するものである。また、第2切断機30は、第1切断機29によって切り出された不織布の側端部(ベルトの送り方向と平行な側端部)を切断し、不織布を所望の幅に設定するものである。更に、第1切断機29および第2切断機30のそれぞれの下流側には、不織布の切り口(縁部)を押し潰すためのローラ対31,32が配置されている。
ここで、図5〜図7を参照しながら、不織布製造装置20に含まれる第1遠心分離機21について説明する。第1遠心分離機21は、図5に示されるように、筒状に形成された本体200を有する。本体200の内部上方には、ロータ210が配置されている。このロータ210は、本体200の上部に取り付けられたモータMにより回転駆動される。また、モータMの回転軸に連結されるロータ210の軸部には、複数の羽根201が取り付けられている。モータMが作動されると、各羽根201は、ロータ210と共に回転し、図5における下向き(ベルト機構23に向けた方向)の推力を発生する。
ロータ210は、図6に示されるように、上側半部211と下側半部212とを含む。上側半部211と下側半部212とは、両者間に内部空間213が形成されるように互いに固定される。そして、ロータ210の外周には、連続的または断続的な細いスリット214が形成される。また、ロータ210の下側半部212には、図7に示されるように、複数の仕切り板216が放射状に配設されている。これらの仕切り板216によって、ロータ210の内部空間213は、複数の室に区画される。一方、ロータ210の上側半部211には、内部空間213と連通する原材料導入部215が形成されている。
原材料導入部215は、配管等を介して上述の混合機28と接続される。これにより、不織布1の製造時には、原材料導入部215からロータ210の内部空間213に繊維の原材料が導入されることになる。そして、モータMによってロータ210が回転駆動されると、各仕切り板216同士の間のスペースを介して、スリット214から細径の繊維が噴出される。なお、上側半部211と下側半部212との適所には、内部空間213に導入された原材料を加熱するためのヒータ217が埋設されている。
更に、本実施形態では、ロータ210の上側半部211に、吸湿剤Sを供給するための吸湿剤供給部218が複数配設されている。各吸湿剤供給部218は、外部に設けられている吸湿剤送出装置33に接続されており、吸湿剤送出装置33からエア等により圧送される吸湿剤Sを、ロータ210のスリット214から噴出される繊維に向けて供給する。吸湿剤供給部218は、ロータ210から噴出される繊維に対して満遍なく吸湿剤Sを付着させるために、スリット214の近傍かつ上方に配置される。なお、吸湿剤供給部218をロータ210に固定する代わりに、ロータ210のスリット214の近傍に位置するように、複数の吸湿剤供給部218を本体200に取り付けてもよい。
図示は省略するが、第2遠心分離機22も、基本的には上述された第1遠心分離機21と同様の構成を有する。ただし、第2遠心分離機22には、上述の吸湿剤供給部は設けられてはいない。
次に、上述の不織布製造装置20により、本発明による不織布1を製造する手順について説明する。
不織布1を製造するに際しては、まず、第1層11および第2層12を構成する繊維の原材料となる硬質のポリプロピレンを押出機24に導入する。硬質のポリプロピレンは、押出機24において、およそ320〜370℃に加熱されて溶融し、押出機24から攪拌機25に送られる。また、溶解槽26には、軟質のアタックチックポリマが導入され、溶解槽26において、アタクチックポリマは、およそ230〜250℃に加熱されて溶融する。溶解槽26内で溶解したアタクチックポリマは、スネークポンプ27によって溶解槽26から混合機28に送られる。
上述の温度条件等が整った段階で、攪拌機25内で攪拌されていた溶融ポリプロピレンは、混合機28に供給され、混合機28内で、溶融アタクチックポリマと混合される。このように、ポリプロピレンとアタクチックポリマとを混ぜ合わせることにより、混合物の粘着性を高めることが可能となる。ポリプロピレンとアタクチックポリマとの混合比は、例えば、重量比で、ポリプロピレン:アタクチックポリマ=55:45〜60:40とされる。
混合機28において、溶融ポリプロピレンと溶融アタクチックポリマとが十分に混ぜ合わされると、混合機28から第1遠心分離機21の原材料導入部215にポリプロピレンとアタクチックポリマとの混合物が供給される。そして、これとほぼ同じタイミングで、第1遠心分離機21のモータMが作動させられると共に、吸湿剤送出装置33が作動させられる。また、混合機28から第1遠心分離機21への原材料の供給に先立つ適切なタイミングで、ベルト機構23が作動され、これにより、ベルト23aは、各遠心分離機21,22と対向する側において、第1遠心分離機21から第2遠心分離機22に向けて所定速度で送られる。
第1遠心分離機21(ロータ210の原材料導入部215)にポリプロピレンとアタクチックポリマとの混合物、すなわち、繊維の原材料が導入されると、回転するロータ210のスリット214から、遠心力によって、高い粘着性をもった繊維が噴出される。そして、スリット214から噴出された繊維に対しては、吸湿剤供給部218から吸湿剤Sが供給される。これにより、繊維それ自体が有する粘着力により、吸湿剤Sが繊維に対して満遍なく付着することになる。なお、吸湿剤供給部218の数、取付位置、供給量等を変化させることにより、繊維に付着させる吸湿剤Sの量等は任意に設定され得る。
ロータ210のスリット214から噴出されると共に吸湿剤Sが付着した繊維は、ロータ210の上方で回転する羽根201によって発生される下向きの推力により、ランダムに飛散しつつ下降すると共に、それぞれの粘着力により互いに結合しながら、第1遠心分離機21の下方で移動するベルト23a上に堆積する。これにより、ベルト23a上には、吸湿剤Sが付着している繊維からなる不織布の層(第1層11)が形成されることになる。
一方、第1遠心分離機21に対するポリプロピレンとアタクチックポリマとの混合物の供給が開始された後、第1遠心分離機21によりベルト23a上に形成された第1層が第2遠心分離機22の下方に差し掛かる所定のタイミングで、攪拌機25から第2遠心分離機22に対して第2層12を構成する繊維の原材料となる溶融ポリプロピレンが供給されると共に、第2遠心分離機22のロータ(図示せず)が回転駆動される。
これにより、第2遠心分離機22のロータから、遠心力によって、ポリプロピレンのみからなる繊維が噴出され、当該ロータから噴出された繊維は、ロータの上方で回転する羽根(図示せず)によって発生される下向きの推力により、ランダムに飛散しつつ下降すると共に、それぞれの粘着力により互いに結合しながら、第2遠心分離機21の下方で移動するベルト23a上に堆積している第1層11の上に堆積する。そして、これにより、第1層11の上には、吸湿剤Sが付着していない繊維からなる不織布の層(第2層12)が形成されることになる。なお、第1層11と第2層12とは、それぞれの粘着力により互いに結合することになる。
このようにして、ベルト23aの上には、吸湿剤Sが付着している繊維からなる層と吸湿剤Sが付着していない繊維からなる層とを有する不織布が連続的に形成されることになる。そして、不織布の連続体は、第1切断機29の手前で図示されない分離手段によってベルト23aから分離され、第1切断機29へと導かれる。そして、第1および第2切断機29,30による所定の切断動作が完了すると、図4に示されるように、所望のサイズをもった不織布1が完成することになる。
上述のように、本発明の不織布の製造方法によれば、吸湿剤Sが付着している繊維からなり吸湿性をもった第1層11と、吸湿性を有していない第2層12とを含み、吸湿性および取り扱い性に優れた不織布1を容易かつ効率よく連続的に製造することができる。また、上述の不織布製造装置20によれば、ベルト機構23のベルト23aの送り速度を変化させることにより、第1層11および第2層12の厚さを任意に設定することができる。
なお、不織布1の第1層(吸湿剤Sを含む層)11を構成する繊維の原材料としては、ポリプロピレンおよびアタクチックポリマの他に、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン等が挙げられ、不織布1の第2層(吸湿剤Sを含まない層)12を構成する繊維の原材料としては、ポリプロピレンの他に、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン等が挙げられる。
図8および図9は、本発明の第1実施形態に係る不織布1が適用されている有機EL表示装置を示す断面図である。
図8に示される有機EL表示装置100は、ポリシリコンTFT等を含む透明ガラス基板101に、それぞれ有機化合物からなるITOアノード層102、正孔輸送層103、RGB発光層104、電子輸送層105、および、金属カソード層106を成膜(積層)させたものである。そして、基板101には、接着層107を介して封止部材108が加圧・接合される。これにより、基板101に形成されている有機化合物の層102〜105は、封止部材108によって封止され、封止部材108の内部には、高圧のNガス等が封入される。ここで、このようなNガス等の封入ガスは湿分を含んでおり、本発明の有機EL表示装置100では、封止部材108とカソード層106との間の狭いスペースに、上述された不織布1が封入ガス中の湿分を吸収・保持する吸湿部材として配置される。不織布1は、吸湿剤Sを含む第1層11がカソード層106側を向くようにして封止部材108の内面に固定される。
すなわち、有機EL表示装置100には、水分による有機物化合物の層102〜105のダメージを防止するために、それ自体、吸湿部材として機能する不織布1が備えられている。従って、従来のように、乾燥剤を所定の袋体等に収容したり、有機化合物と混合させたりした後に、有機EL表示装置の封止部材の所定位置に取り付ける必要がなくなり、吸湿手段を封止部材108に対して極めて容易に配置することが可能となる。また、不織布1は、繊維(第1層11)に付着させる吸湿剤Sの量により吸湿性能、サイズ、厚さ等を極めて容易かつ自在に設定可能であると共に、極めて高い汎用性、加工性および取り扱い性を有するものである。従って、有機EL表示装置100の封止部材108に乾燥剤の取付部を形成する必要等がなくなるので、従来の乾燥剤の配置に伴う有機EL表示装置の製造工程の煩雑化を抑制すると共に、有機EL表示装置100全体を薄型化することが可能となる。そして、有機EL表示装置100では、吸湿部材として機能する不織布1(第1層11)により、ダークスポットの発生といった水分による劣化が確実に防止されることになる。
〔第2実施形態〕
図10は、本発明の第2実施形態に係る不織布を備えた吸湿部材を示す断面図である。同図に示される吸湿部材50は、上述の不織布1と同様に、それを構成する繊維の少なくとも一部に吸湿剤Sが付着している不織布1Aを含むものである。図10からわかるように、不織布1Aは、繊維を結合させた繊維層10と、この繊維層10の一方の面に付着して層を形成している吸湿剤Sとを含む。繊維層10は、例えば約2mm程度の厚さを有し、それ自体、柔軟かつ肉薄に形成されている。また、吸湿剤Sとしては、カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の高い水分保持性能を有する物質Xを二酸化ケイ素からなる多孔質性粒子の層Yにより内包させたものや(図2参照)、カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の高い水分保持性能を有する物質Xの外表面のほぼ全体に二酸化ケイ素の多孔質性粒子yを多量に付着させたもの(図3参照)を採用することができる。
そして、吸湿部材50では、所定のサイズに切り出された不織布1Aの全体が空気透過性シート15により覆われている(包まれている)。本実施形態では、空気透過性シート15として、およそ98%以上の空気透過率を有するプラスチック(ポリプロピレン)製の多孔質性シートが採用されている。空気透過性シート15は、不織布1Aの上下両面を覆うように配置され、不織布1Aの上下の空気透過性シート15同士は、不織布1Aの外周全体に沿って互いに熱融着されている。これにより、吸湿剤Sが繊維層10から剥離したとしても、剥離した吸湿剤Sは袋状をなす空気透過性シート15内に留まるので、吸湿部材50の吸湿性能は長期間良好に維持されることになる。
図11は、上述の不織布1Aを製造する装置の概要を示す概略構成図である。同図に示される不織布製造装置120は、繊維を結合させてシート状の繊維層10(不織布構造体)をつくり出す遠心分離機121と、遠心分離機121の下方に配置されたベルト機構122と、ベルト機構122の下流側に配置されたベルト機構123とを備える。各ベルト機構122,123は、循環駆動されるベルト122a,123aを有し、各ベルト122aおよび123aの表面は、粘着物に対して高い剥離性を有する。
また、不織布製造装置120には、不織布1Aの繊維の原材料を供給する原材料供給部が含まれており、この原材料供給部は、押出機124、攪拌機125、溶解槽126、スネークポンプ127および混合機128等から構成される。押出機124は、繊維の原材料を溶解させて攪拌機125に供給し、攪拌機125によって攪拌された繊維の原材料は、混合機128に供給される。また、溶解槽126は、繊維を形成するための他の原材料を溶解させるものであり、溶解槽126内の原材料は、スネークポンプ127によって混合機128に導入される。押出機124からの原材料と、溶解槽126からの原材料は、混合機128によって混合された後、遠心分離機121に供給される。
遠心分離機121の下流側には、ベルト機構123の上方に位置するように、加熱装置129、吸湿剤散布装置131およびローラ対130が上流側から順番に配置されている。加熱装置129は、ベルト機構122のベルト122a上に形成された後、ベルト機構123のベルト123a上に移送された繊維層10を加熱する。また、吸湿剤散布装置131は、ベルト123a等の搬送方向と略直交するように配置されたケーシング131aと、このケーシング131aの内部で回転駆動されるスクリュ131bとを含む。
吸湿剤散布装置131のケーシング131aには、ベルト123a等の搬送方向と略直交する方向に延びるスリット、または、ベルト123a等の搬送方向と略直交する方向に沿って配設された複数の孔がベルト123aの上面と対抗するように形成されている。これにより、吸湿剤散布装置131のケーシング131a内に吸湿剤Sを導入すると共にスクリュ131bを回転駆動すれば、ベルト123a上の繊維層10に対して吸湿剤Sを均一に散布して不織布1Aを製造することができる。なお、ケーシング131aには、吸湿剤Sの過剰な拡散を防止するためのノズル131cが取り付けられている。
吸湿剤散布装置131の下流側には、熱線式の切断機132が配置されており、この切断機132によって、ベルト機構23等によって搬送される不織布1Aの側端部(ベルト機構23等による搬送方向と平行な側端部)が切り落とされる。この場合、切断機132によって切り落とされた余剰繊維は、溶解槽26にて溶解させた上で再使用されると好ましい。切断機132の下流側には、上流側から順番に、加熱装置133およびシート供給装置134が配置されている。加熱装置133は、不織布1Aに対して熱風を吹き付けるものである。また、シート供給装置134は、ベルト機構123から移送される繊維層10の上方および下方に空気透過性シート15を供給する。
そして、シート供給装置134の下流側には、ローラ対135を介して、熱圧着切断装置140が配置されている。熱圧着切断装置140は、図11および図12に示されるように、概ね矩形の断面形状を有してプラスチック製の空気透過性シート15を加熱溶融させるシールヒータ141と、概ね矩形の断面形状を有してシールヒータ141の外側に所定間隔を隔てて配置されるヒートカッタ142とをそれぞれ複数(本実施形態では、4体ずつ)含むものである。シールヒータ141とヒートカッタ142との組は、図12に示されるように、微小な間隔を隔てて格子状に配列される。更に、熱圧着切断装置140は、駆動機構143を有し、各シールヒータ141および各ヒートカッタ142は、当該駆動機構143により、不織布1Aに対して一体に進退移動させられる。
図13〜図15を参照しながら、不織布製造装置120に含まれる遠心分離機121について説明する。遠心分離機121は、図13に示されるように、中空の回転軸1200と、回転軸1200の一端(図13における下端)に固定されたロータ1210とを有する。回転軸1200は、図示されない支持部により、ベルト機構122の上方の所定位置に回転自在に支持され、その他端にはプーリ1201が固定されている。そして、回転軸1200およびロータ1210は、プーリ1201およびベルト1201Vを介して図示されないモータ等により回転駆動される。また、回転軸1200の上端側には、2体のバランスウェイト1202が固定されており、バランスウェイト1202同士の間には、給電用のスリップリング1203が固定されている。スリップリング1203は、遠心分離機121の周辺に配置された電源に接続されている給電部1204と所定の間隔を隔てて対向する。
ロータ1210は、図14に示されるように、それぞれ同一の外径を有する複数の環状板材から構成されており、環状の本体1211を有する。本体1211は、中心に形成された孔部の周囲に環状の凹部1211aを有する。また、図14および図15に示されるように、凹部1211aの周囲に位置する本体1211の外周部1211bの表面には、凹部1211aに連なる複数の溝(凹部)1211cが形成されている。各溝1211cは、図15からわかるように、径方向からそれぞれ所定角度だけ傾斜するように形成されている。
このような本体1211の上面には、各溝1211cを覆うように環状プレート1212が固定される。環状プレート1212は、本体1211の凹部1211aの外径よりも小さく、かつ、回転軸1200の外径よりも大きい直径を有する孔部を有する。更に、環状プレート1212の上面には、環状に形成された上ヒータ1213が固定される。上ヒータ1213の中心の孔部は、環状プレート1212の孔部と同一の内径を有する。そして、上ヒータ1213の上面には、環状の上外板1214が固定されている。上外板1214の中心の孔部も、環状プレート1212および上ヒータ1213の孔部と同一の内径を有する。一方、本体1211の下面には、環状に形成された下ヒータ1215が固定され、下ヒータ1215の下面には、環状の下外板1216が固定されている。ロータ1210の上ヒータ1213および下ヒータ1215には、給電部1204、スリップリング1203および回転軸1200の内部に配置された給電線等を介して電力が供給される。
図13および図14からわかるように、ロータ1210は、環状プレート1212、上ヒータ1213および上外板1214の孔部により画成される環状空間部1210aを有する。そして、この環状空間部1210aを介して、本体1211の凹部1211aの一部が外部に開放される。また、上述の回転軸1200の一端は、環状空間部1210aに差し込まれ、ロータ1210の本体1211の中心部に強固に固定される。
更に、遠心分離機121は、図13に示されるように、回転軸1200の外径よりも大きい内径を有すると共に、ロータ1210の環状空間部1210aの内径よりも小さい外径を有する筒状部材1205を有する。この筒状部材1205は、図中下側のバランスウェイト1202とロータ1210との間に位置するように遠心分離機121の周辺に位置決めされており、その一端(図中下端)は、ロータ1210と接触しない状態で環状空間部1210aの内部に達している。
そして、筒状部材1205の内部は、配管1206を介して上述の混合機128と接続されている。不織布1Aの製造時には、混合機128から、筒状部材1205の内周面と回転軸1200の外周面との間に形成される空間(原材料導入部)に繊維の原材料が導入される。筒状部材1205内に導入された原材料は、ロータ1210の環状空間部1210aを介して凹部1211a内に流れ込み、更に、凹部1211aから各溝1211cへと流れ込む。従って、ロータ1210が回転駆動されると、各溝12111cから細径の繊維が噴出されることになる。
一方、ロータ1210の上外板1214には、筒状のスペーサ1207を介して環状の羽根支持部材1208が固定されている。そして、羽根支持部材1208には、所定間隔を隔てて、複数(本実施形態では、8枚)の羽根1209が取り付けられている。ロータ1210が回転駆動されると、各羽根1209は、ロータ1210と共に回転し、図13における下向き(ベルト機構23に向けた方向)の推力を発生する。なお、本実施形態において、羽根支持部材1208に対する各羽根1209の取付角度は自在に変更可能とされている。
次に、上述の不織布製造装置120により、不織布1Aを備えた吸湿部材50を製造する手順について説明する。
吸湿部材50を製造するに際しては、まず、硬質のポリプロピレンを押出機124に導入すると共に、軟質のアタックチックポリマを溶解槽126に導入する。硬質のポリプロピレンは、押出機24において、およそ320〜370℃に加熱されて溶融し、押出機124から攪拌機125に送られる。また、溶解槽126において、アタクチックポリマは、およそ230〜250℃に加熱されて溶融し、スネークポンプ127によって溶解槽126から混合機128に送られる。
なお、遠心分離機121に対して繊維の原材料を供給するための各機器および配管類には、図示されないヒータが備えられており、これらのヒータにより、原材料は加熱・保温される。また、不織布1Aの繊維層10を構成する繊維の原材料としては、ポリプロピレンおよびアタクチックポリマの他に、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン等を採用することができる。
溶融ポリプロピレンは、攪拌機125内で攪拌された後、混合機28に供給され、混合機28内で、溶融アタクチックポリマと攪拌混合される。このように、ポリプロピレンとアタクチックポリマとを混ぜ合わせることにより、混合物の粘着性を高めることが可能となる。ポリプロピレンとアタクチックポリマとの混合比は、例えば、重量比で、ポリプロピレン:アタクチックポリマ=55:45〜65:35とされる。
混合機128において、溶融ポリプロピレンと溶融アタクチックポリマとが十分に混ぜ合わされると、混合機128から筒状部材1205の内部(原材料導入部)にポリプロピレンとアタクチックポリマとの混合物が供給される。また、混合機128から遠心分離機121への原材料の供給に先立つ適切なタイミングで、ベルト機構122および123が作動され、これにより、ベルト122aおよび123aが所定速度で送られる。
そして、所定のタイミングで遠心分離機121の回転軸1200の回転駆動が開始されると、回転するロータ1210の各溝1211cから、遠心力によって、高い粘着性をもった繊維が噴出される。ロータ1210から噴出された繊維は、ロータ1210の上方で回転する各羽根1209によって発生される下向きの推力により、ランダムに飛散しつつ下降すると共に、それぞれの粘着力により互いに結合しながら、遠心分離機121の下方で移動するベルト122a上に堆積する。これにより、ベルト122a上には、繊維層10が形成される。
ベルト122a上に形成された繊維層10は、ベルト機構122とベルト機構123との間に配置された図示されないローラ対により均一な厚さを有するように圧縮された後、加熱装置129の下方に搬送され、加熱装置129によって加熱される。これにより、各羽根1209が発する風力によって冷却されて低下した繊維の粘着力が再度増加すると共に、繊維同士の結合が促進させられる。本実施形態において、加熱装置129は、およそ200〜230℃の熱風を繊維層10に吹き付ける。
加熱装置129によって加熱された繊維層10には、吸湿剤散布装置131によって吸湿剤Sが均一に散布される。吸湿剤Sは、加熱装置129によって加熱されて再度粘着性をもった繊維に対して満遍なく付着する。そして、吸湿剤Sと繊維層10とがローラ対130を通過すると、両者がローラ対130によって互いに押圧され、吸湿剤Sが繊維層10に対して強固に付着することになる。なお、繊維層10に付着させる吸湿剤Sの量等は、吸湿剤散布装置131に対する吸湿剤Sの供給量やスクリュの送り速度等を変化させることにより任意に設定され得る。このようにして、ベルト123aの上には、一方の面に吸湿剤Sが付着している繊維層10、すなわち、吸湿性に優れると共に柔軟かつ薄い不織布1Aが容易かつ効率よく連続的に形成されることになる。
不織布1Aは、上述のようにして連続的に製造され、吸湿剤散布装置131の下流側で図示されないローラ対によって更に圧縮される。更に、切断機132によって、不織布1Aの側端部が切り落とされると、不織布1Aには、切断機132の下流側に配置されている加熱装置133から熱風が吹き付けられ、これにより、不織布1Aの全体が粘着性を有することになる。そして、加熱装置133によって加熱された不織布1Aに対して、シート供給装置134によって上下から空気透過性シート15が供給される。不織布1Aおよび上下の空気透過性シート15は、ローラ対135によって圧縮され、これにより、不織布1Aと空気透過性シート15との間の残留空気が押し出される。なお、シート供給装置134の前段で不織布1Aを加熱する加熱装置133は、省略されてもよい。
不織布1Aおよび空気透過性シート15がローラ対135を通過すると、熱圧着切断装置140が作動される。これにより、各ヒートカッタ142により、吸湿剤Sを付着させた繊維層10からなる不織布1Aおよび空気透過性シート15が所望のサイズおよび数量の小片に切り出されると同時に、各シールヒータ141によって不織布1Aの小片が完全に覆われるように上下の空気透過性シート15の外周部が熱圧着されることになる。
これにより、不織布製造装置120によれば、コンパクトで良好な吸湿性能を長期間維持可能な吸湿部材50を効率よく製造可能となる。なお、空気透過性シート15を熱圧着するためのシールヒータの温度は、例えばおよそ180〜220℃に設定されると好ましく、不織布1Aおよび空気透過性シート15を切断するためのヒートカッタ142の温度は、例えばおよそ260〜280℃に設定されると好ましい。
図16は、第2実施形態に係る吸湿部材50の不織布1Aに含まれる吸湿剤Sにおける物質X(酸化カルシウム)と二酸化ケイ素の多孔質性粒子yとの重量比を変化させた場合の水分吸着量の変化を示すグラフである。ここでは、まず、実施例1として、酸化カルシウムと二酸化ケイ素の多孔質性粒子との重量比が70:30となるように生成した吸湿剤を約0.6g含む不織布1Aを空気透過性シート15で覆った吸湿部材EX1を用意した。また、実施例2として、酸化カルシウムと二酸化ケイ素の多孔質性粒子との重量比が30:70となるように生成した吸湿剤を約0.6g含む不織布1Aを空気透過性シート15で覆った吸湿部材EX2を用意した。
そして、これら2種類の吸湿部材EX1およびEX2のそれぞれを、常温かつ湿度80%に設定された密閉容器の内部に放置し、予め定めた測定時間になるたびに水分吸着量を測定した。水分吸着量の測定は、吸湿部材EX1およびEX2を密閉容器の内部に放置してから18時間、42時間、90時間、114時間、140時間、189時間、217時間、289時間および409時間後に行った。また、各吸湿部材50の寸法は、縦横5cm×5cm、厚さ2mmとした。
図16に示される結果からわかるように、二酸化ケイ素よりも酸化カルシウムを多く含む実施例1の吸湿部材EX1は、酸化カルシウムよりも二酸化ケイ素を多く含む実施例2の吸湿部材EX2と比較して、湿気の高い環境下に配置された当初の吸湿量に劣るものの、当該環境下に配置されてから長時間経過した後の吸湿量に勝っている。従って、吸湿性能を長期間良好に保つためには、実施例1の吸湿部材EX1のように、二酸化ケイ素よりも物質X(酸化カルシウム等)の量が多くなるように(重量比で)生成した吸湿剤を用いるとよい。
図17は、本発明の第2実施形態に係る吸湿部材50が適用されている有機EL表示装置を示す断面図である。同図に示される有機EL表示装置100Aも、ポリシリコンTFT等を含む透明ガラス基板101に、それぞれ有機化合物からなるITOアノード層102、正孔輸送層103、RGB発光層104、電子輸送層105、および、金属カソード層106を成膜(積層)させたものである。また、基板101には、接着層107を介して封止部材108が加圧・接合され、表示装置内部には、高圧のNガス等が封入される。そして、有機EL表示装置100Aでは、封止部材108とカソード層106との間に、封入ガス中の湿分を吸収・保持させるべく、本実施形態の吸湿部材50が配置されている。吸湿部材50は、空気透過性シート15内の吸湿剤Sの層がカソード層106側を向くようにして封止部材108の内面に固定される。
上述のように、本実施形態の吸湿部材50は、良好な吸湿性能を保ちつつ、柔軟かつ薄く形成可能なものである。従って、本実施形態の有機EL表示装置100Aでは、吸湿部材50の配置に伴う表示装置の容積増加を抑制可能となり、封止部材108の外面を概ね平坦にすると共に、表示装置全体の厚さを小さくすることができる。また、吸湿部材50では、吸湿剤Sを付着させた繊維層10が空気透過性シート15により覆われていることから、吸湿剤Sが繊維層10から剥離したとしても、剥離した吸湿剤Sは空気透過性シート15内に留まる。従って、吸湿部材50の吸湿性能は長期間良好に維持されることになり、有機EL表示装置100Aの不具合も確実に防止される。このように、柔軟かつ薄く形成されて良好な吸湿性能を有する吸湿部材50を採用することにより、ダークスポットの発生等を確実に抑制しつつ、有機EL表示装置100Aを極めてコンパクト(特に、薄く)に構成することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る不織布を模式的に示す断面図である。 図1の不織布に含まれている吸湿剤を模式的に示す断面図である。 吸湿剤の他の例を模式的に示す断面図である。 図1の不織布を製造するための不織布製造装置を示す概略構成図である。 図4の不織布製造装置に含まれる第1遠心分離機を示す模式図である。 図5の遠心分離機に含まれるロータを示す断面図である。 図6におけるVII−VII線についての断面図である。 本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置を示す断面図である。 図8におけるIX−IX線についての断面図である。 本発明の第2実施形態に係る不織布を備えた吸湿部材を示す断面図である。 図10の不織布を製造するための不織布製造装置を示す概略構成図である。 図11の不織布製造装置に含まれる熱圧着切断装置を説明するための模式図である。 図10の不織布製造装置に含まれる遠心分離機を示す部分断面図である。 図13の遠心分離機に含まれるロータを説明するための分解図である。 図14のロータを説明するための平面図である。 本発明の第2実施形態に係る吸湿部材に含まれる吸湿剤における酸化カルシウムと二酸化ケイ素との重量比を変化させた場合の水分吸着量の変化を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置を示す断面図である。
符号の説明
1,1A 不織布
11 第1層
12 第2層
15 空気透過性シート
20,120 不織布製造装置
21 第1遠心分離機
22 第2遠心分離機
121 遠心分離機
23,122,123 ベルト機構
23a,122a,123a ベルト
24,124 押出機
25,125 攪拌機
26,126 溶解槽
27,127 スネークポンプ
28,128 混合機
29 第1切断機
30 第2切断機
33 吸湿剤送出装置
50 吸湿部材
100,100A 有機EL表示装置
101 透明ガラス基板
102 アノード層
103 正孔輸送層
104 RGB発光層
105 電子輸送層
106 カソード層
107 接着層
108 封止部材
121 遠心分離機
129 加熱装置
130 ローラ対
131 吸湿剤散布装置
132 切断機
133 加熱装置
134 シート供給装置
135 ローラ対
140 熱圧着切断装置
141 シールヒータ
142 ヒートカッタ
143 駆動機構
200 本体
201 羽根
210 ロータ
211 上側半部
212 下側半部
213 内部空間
214 スリット
215 原材料導入部
216 仕切り板
217 ヒータ
218 吸湿剤供給部
1200 回転軸
1201 プーリ
1201V ベルト
1202 バランスウェイト
1203 スリップリング
1204 給電部
1205 筒状部材
1206 配管
1207 スペーサ
1208 羽根支持部材
1209 羽根
1210 ロータ
1210a 環状空間部
1211 本体
1211a 凹部
1211b 外周部
1211c 溝
1212 環状プレート
1213 上ヒータ
1214 上外板
1215 下ヒータ
1216 下外板
S 吸湿剤

Claims (4)

  1. 酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化バリウム、フッ化物樹脂、フッ素樹脂を含む群から選択された少なくとも一つの高い水分保持性能を有する物質の外表面に二酸化ケイ素を付着させたことを特徴とする吸湿剤。
  2. 湿潤ゲル体を乾燥させ二酸化ケイ素の多孔質性粒子を形成する第1の工程と、
    この二酸化ケイ素と酸化カルシウムとを混合させ、前記酸化カルシウムの外表面に前記酸化カルシウムの外表面に前記二酸化ケイ素を付着させる第二の工程とを備えた吸湿剤の製造方法。
  3. 前記第1の工程は、前記湿潤ゲル体をその周囲温度を略135乃至150℃までに徐々に上昇させることにより乾燥させることにより乾燥させ二酸化ケイ素の多孔質性粒子を形成する工程であることを特徴とする請求項2記載の吸湿剤の製造方法。
  4. 前記第2の工程は、前記二酸化ケイ素を50乃至70部、150ミクロン以上の粒径をもった酸化カルシウムを50乃至30部の割合で混合させることにより、前記酸化カルシウムの外表面に前記二酸化ケイ素を付着させる工程であることを特徴とする請求項3記載の吸湿剤の製造方法。
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