JP2006136343A - 甘しょ焼酎蒸留粕を原料とする健康食品素材と健康飲料及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 甘しょ焼酎蒸留粕にセルラーゼ系酵素を添加し可溶化処理を行った後、固液分離し、固形分は乾燥して健康食品素材とし、液体部分は中空糸膜ろ過後、そのまま若しくは殺菌して健康飲料とする。健康飲料としては、そのままか、あるいは濃縮して飲料とするほか、更に甘味料等を添加した飲料として用いることもできる。
【選択図】図1
Description
第1には、本発明は、甘しょ焼酎蒸留粕に、セルラーゼ系酵素と、米麹及び/又は麦麹を添加し、又は添加することなく可溶化処理を行った後、固液分離を行い、該固液分離で得られた固形分を乾燥して得られた健康食品素材と、該固液分離で得られた液体部分を中空糸膜でろ過後、そのままもしくは加熱殺菌して得られた健康飲料とを包含するものである。
また、酵素反応後麹類を添加する方法と、酵素と麹類を同時に添加する方法があるが、固液分離の効率は後者の方が優れている。
そして、上記健康食品素材と健康飲料の製造段階において、甘しょ焼酎蒸留粕の固液分離を容易にし、また、製品の香りと呈味性が改善される。
健康食品素材は食物繊維に富み、クッキーやビスケット、せんべい等各種食品に配合し、食物繊維増強剤として利用できる。
健康飲料としては、そのままか、あるいは濃縮して飲料とするほか、更に甘味料等を添加した飲料として用いることもできる。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
本発明では、甘しょ焼酎蒸留粕にセルラーゼ系酵素を添加することを特徴としている。セルラーゼ系酵素の添加は、焼酎蒸留粕中に含まれる繊維類を分解し、固液分離を容易にするとともに、製品の食感を改善するためである。
米麹及び/又は麦麹の添加は、これらの麹の有するプロテアーゼやアミラーゼ等の酵素の働きによるろ過性の改良と、焼酎蒸留粕のもつ発酵臭を除去し、製品の香りと呈味性を改善する効果がある。しかし、焼酎蒸留粕のろ過性が良好の場合は麹類の添加を省略してもよい。
本発明の健康食品素材は、そのまま摂取することもできるが、他の食品素材と配合されて摂取することもできる。該健康食品素材は、粉末、錠剤、カプセル剤などさまざまな形態で使用することが可能である。
本発明の健康飲料は、それを食酢としてそのまま摂取することもできるが、他の食品素材あるいはジュースなどと配合されて摂取することもできる。
本発明の健康食品素材や健康飲料は、果物あるいは野菜のジュース、例えば、麦芽汁、ブドウ、リンゴ、マルメロ、グレープフルーツ、オレンジ、ミカンなどの柑橘類、カリン、ナシ、西洋ナシ、ビワ、アンズ、ウメ、カキ、サクランボ、スモモ、ナツメ、モモ、ネクタリン、イチジク、キイチゴ、グミ、ザクロ、キウイフルーツ、マンゴー、バナナ、パインアップル、パパイア、グアバ、ヤシなどの果汁、アイソトニック飲料、シロップ、清涼飲料、炭酸飲料、乳清飲料、ビール飲料、アルコール飲料、穀物、例えば、米、小麦などから調製された食品及び食品素材、オートミール、シリアル、パン、せんべいなどの和菓子、クッキーなどの洋菓子、即席菓子、アイスクリーム、氷菓子、調味料、肉製品、水産加工品、乳製品などに混合されて用いることもできる。
固液分離には加圧式圧搾機を用いたが、遠心力を利用するデカンターを用いることもできる。
ポリフェノール含量と、ラジカル消去能は甘しょ焼酎蒸留粕を酵素と麹で処理する過程で増加することを発見した。
もろみ酢のポリフェノール含量は、米黒酢やサトウキビ酢と同程度であった。これらの値は、一部の玄米酢や大麦黒酢以外の酢類の中では高く、各種機能性が期待可能なことを示している。
(註)表6は、独立行政法人農業技術研究機構九州沖縄農業センターの分析結果による。
もろみ酢のポリフェノール含量は米黒酢や玄米酢より低いにもかかわらず、ラジカル消去能では高い値を示した。これらの結果は、ポリフェノール組成の違い、またはポリフェノール以外のラジカル消去成分の存在が示唆される。
甘しょ焼酎蒸留粕(20kg)にセルラーゼ系酵素(甘しょ焼酎蒸留粕に対し0.1重量%:Tri.viride由来のセルラーゼ、商品名セルロシンT2、阪急バイオインダストリー株式会社製造)と米麹(表7に示した量)を添加して約30℃〜40℃で少なくとも6時間撹拌しながら可溶化処理を行い、繊維質を分解してろ過性を向上させる。次に圧搾ろ過機(東洋商会製)を使用して2kg/cm2荷重で固液分離した。固液分離により得られた固形分は約30℃〜40℃で少なくとも4時間乾燥して健康食品素材とし、液体部分はポリスルホン製の中空糸膜で2時間ろ過後殺菌して健康飲料とした。甘しょ焼酎蒸留粕から得られた健康飲料と米麹の添加量との関係を表7に示す。
また、米麹の添加量をある程度以上増やしても健康飲料の物性の改善にそれほど寄与しないこと、また米麹の添加量を余り増加させると、甘しょ焼酎蒸留粕を利用しようとする効果がうすくなること等から、米麹の添加量は30重量%以下とすることが適当と考えた。
甘しょ焼酎蒸留粕から得られた健康飲料中の無機成分を表8に示す。
また、前記健康飲料の一般性状は表9のとおりであった。
甘しょ焼酎蒸留粕にセルラーゼ系酵素及び米麹を添加して可溶化処理を行った場合、固液分離すると固形分が約20重量%、液体部分が約80重量%得られた。このとき得られた固形分の分析値は表10のとおりであった。
株式会社東洋商会製手動油圧吟醸搾り機(480L)を用いて、甘しょ焼酎蒸留粕等のろ過試験を行った。
試験方法:ろ布に甘しょ焼酎蒸留粕等を入れ、搾り機に詰め終わった時間をろ過開始時間とする。ろ過開始から無加圧で搾り、その間に流出してくる液を荒ばしりとして別取りする。ろ過開始30分後に0.5MPaの圧力をかけ、12時間後に圧搾を終了した。
(註)荒ばしり:ろ過開始から30分以内に無加圧で流出した濁度の高い液。
清澄液:ろ過開始から30分を過ぎてから加圧して流出した清澄な液。
甘しょ焼酎蒸留粕のろ過特性を測定した結果を表11に示した。
酵素のみ添加:液の回収率を上げるために酵素の添加を試みた。酵素を添加することで液部の回収率を上げることができたが、液部SSがかなり上がり圧搾ろ過できたとは言えなかった。
酵素反応後米麹添加:次に酵素を添加反応後に米麹を添加し糖化を行った。液部SSはかなり減少したが、液の回収率が低下した。
酵素+米麹添加:酵素と米麹を同時に添加することにより芋焼酎粕のみに比べて液部SSの濃度は同等で液の回収率を上げることができ、固形分の水分も減らすことができた。
Claims (4)
- 甘しょ焼酎蒸留粕にセルラーゼ系酵素を添加して可溶化処理を行った後、固液分離を行って得られた固形分を乾燥して得られた健康食品素材であることを特徴とする、甘しょ焼酎蒸留粕を原料とする健康食品素材。
- 甘しょ焼酎蒸留粕にセルラーゼ系酵素を添加して可溶化処理を行った後、固液分離を行って得られた固形分を乾燥して健康食品素材とすることを特徴とする、甘しょ焼酎蒸留粕を原料とする健康食品素材の製造方法。
- 甘しょ焼酎蒸留粕にセルラーゼ系酵素を添加して可溶化処理を行った後、固液分離を行って得られた液体部分を中空糸膜でろ過後、そのままもしくは加熱殺菌して得られた健康飲料であることを特徴とする、甘しょ焼酎蒸留粕を原料とする健康飲料。
- 甘しょ焼酎蒸留粕にセルラーゼ系酵素を添加して可溶化処理を行った後、固液分離を行って得られた液体部分を中空糸膜でろ過後、そのままもしくは加熱殺菌して健康飲料とすることを特徴とする、甘しょ焼酎蒸留粕を原料とする健康飲料の製造方法。
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CN103210985A (zh) * | 2013-04-03 | 2013-07-24 | 湖北省农业科学院农产品加工与核农技术研究所 | 一种甘薯渣饼干的制作方法 |
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