JP2006134757A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内部短絡を抑制することができる電池を提供する。
【解決手段】 負極22は、SnまたはSiを構成元素として含む負極活物質を含有している。セパレータ23は、突刺強度が厚みを20μmに換算した値で4.0N以上9.8N以下であり、巻回軸方向の引張強度が40MPa以上150MPa以下とされている。これにより、充放電において負極活物質が大きく膨張・収縮しても、セパレータ23の損傷が抑制され、内部短絡が抑制される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、正極と負極との間にセパレータを介して巻回した巻回電極体を備えた電池に関する。
電子機器の小型化に伴い、高エネルギー密度を有する電池の開発が要求されている。この要求に応える電池として、リチウム(Li)の析出・溶解反応を利用したリチウム金属二次電池がある。しかし、リチウム金属二次電池では充電時に負極上にリチウムがデンドライト析出し不活性化するため、サイクル寿命が短いという問題ある。
このサイクル寿命を改善したものとしては、リチウムイオン二次電池が製品化されている。リチウムイオン二次電池の負極には、黒鉛層間へのリチウムのインターカレーション反応を利用した黒鉛材料、あるいは細孔中へのリチウムの吸蔵・放出作用を応用した炭素質材料などの負極活物質が用いられている。そのため、リチウムイオン二次電池では、リチウムがデンドライト析出せず、サイクル寿命が長い。また、黒鉛材料あるいは炭素質材料は空気中で安定であるので、工業的に生産する上でもメリットが大きい。
しかし、インターカレーションによる負極容量は第1ステージ黒鉛層間化合物の組成C6 Liに規定されるように上限が存在する。また、炭素質材料の微小な細孔構造を制御することは工業的に困難であると共に炭素質材料の比重の低下をもたらし、単位体積当たりの負極容量ひいては単位体積当たりの電池容量向上の有効な手段とはなり得ない。
そこで最近では、更なる高容量化を図るために、ある種のリチウム合金が電気化学的かつ可逆的に生成および分解することを応用した材料が広く研究されてきた。このような材料としては、例えば、リチウム−アルミニウム合金が広く研究され、特許文献1にはケイ素合金が報告されている。
米国特許第4950566号明細書
しかしながら、これらの材料は、充放電の際の膨張・収縮が炭素材料に比べて大きいので、充放電の繰り返しによりセパレータが損傷しやすく、内部短絡が生じやすいという問題があった。特に、セパレータの損傷は高温時において生じやすく、高温特性の改善が望まれていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、内部短絡を抑制することができる電池を提供することにある。
本発明による電池は、正極と負極とをセパレータを介して巻回した巻回電極体を備え、負極は、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能であり、構成元素として金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む負極活物質を含有し、セパレータは、突刺強度が厚みを20μmに換算した値で4.0N以上9.8N以下であり、巻回軸方向の引張強度が40MPa以上150MPa以下であるものである。
本発明の電池によれば、セパレータの上述した突刺強度を4.0N以上、引張強度を40MPa以上とするようにしたので、充放電に伴い大きく膨張・収縮する負極活物質を用いても、セパレータの損傷を抑制することができ、内部短絡の発生を抑制することができる。よって、高温特性を向上させることができる。また、セパレータの上述した突刺強度を9.8N以下、引張強度を150MPa以下とするようにしたので、熱収縮を抑制することができ、加熱時における内部短絡の発生も抑制することができる。よって、信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の断面構成を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12, 13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面または片面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 5 )などのリチウムを含有しない金属硫化物,金属セレン化物あるいは金属酸化物など、またはリチウムを含有するリチウム含有化合物が挙げられる。
中でも、リチウム含有化合物は、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられ、特にコバルト(Co),ニッケルおよびマンガン(Mn)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧を得ることができるからである。その化学式は、例えば、Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表される。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(Lix CoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(Lix Ni1-z Coz 2 (z<1))、あるいはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。中でも、ニッケルを含む複合酸化物が好ましい。高い容量を得ることができると共に、優れたサイクル特性も得ることができるからである。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4 )あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-v Mnv PO4 (v<1))が挙げられる。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面または片面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。負極集電体22Aは、例えば、銅(Cu)箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む負極材料を含有している。このような負極材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えばリチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg),ホウ素(B),アルミニウム,ガリウム(Ga),インジウム(In),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn),鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)などが挙げられる。
中でも、この負極材料としては、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。具体的には、例えば、ケイ素の単体,合金,あるいは化合物、またはスズの単体,合金,あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン(Ti),ゲルマニウム,ビスマス,アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
中でも、この負極材料としては、スズと、コバルトと、炭素とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合が30質量%以上70質量%以下であるCoSnC含有材料が好ましい。このような組成範囲において高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるからである。
このCoSnC含有材料は、必要に応じて更に他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素,鉄,ニッケル,クロム,インジウム,ニオブ(Nb),ゲルマニウム,チタン,モリブデン(Mo),アルミニウム,リン(P),ガリウムまたはビスマスが好ましく、2種以上を含んでいてもよい。容量またはサイクル特性を更に向上させることができるからである。
なお、このCoSnC含有材料は、スズと、コバルトと、炭素とを含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、このCoSnC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下はスズなどが凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集あるいは結晶化を抑制することができるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。XPSでは、炭素の1s軌道(C1s)のピークは、グラファイトであれば、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは、284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、CoSnC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、CoSnC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
なお、XPS測定では、スペクトルのエネルギー軸の補正に、例えばC1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとCoSnC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、CoSnC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
負極活物質層12は、更に、他の負極活物質を含んでいてもよく、また、導電剤,結着剤あるいは粘度調整剤などの充電に寄与しない他の材料を含んでいてもよい。他の負極活物質としては、例えば、天然黒鉛,人造黒鉛,難黒鉛化炭素あるいは易黒鉛化炭素などの炭素材料が挙げられる。導電剤としては、黒鉛繊維,金属繊維あるいは金属粉末などが挙げられる。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系高分子化合物、またはスチレンブタジエンゴムあるいはエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴムなどが挙げられる。粘度調整剤としては、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23を構成する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂が挙げられる。セパレータ23の突刺強度は、厚みを20μmに換算した値で4.0N以上9.8N以下の範囲内であることが好ましく、巻回軸方向の引張強度は、40MPa以上150MPa以下の範囲内であることが好ましい。突刺強度および引張強度が小さいと、充放電に伴う負極22の膨張・収縮により、セパレータ23が損傷し、内部短絡が発生しやすくなり、突刺強度および引張強度が大きいと、セパレータ23の熱収縮率が大きくなり、加熱時に内部短絡が発生しやすくなるからである。なお、セパレータ23の突刺強度は、数1に示した式により換算する。
(数1)
Y(N)={X(N)/a(μm)}×20(μm)
Y;厚み20μmに換算した突刺強度
X;セパレータ23の突刺強度
a;セパレータ23の厚み
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。
溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソール−2−オン、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル、フルオロベンゼン、tert−ブチルベンゼン、tert−シクロヘキシルベンゼンあるいはエチレンスルフィトなどの非水溶媒が挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩としては、例えば、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiAsF6 、LiN(CF3 SO2 2 、LiN(C2 5 SO2 2 、LiC(CF3 SO2 3 、LiB(C6 5 4 、LiB(C2 4 2 、LiCF3 SO3 、LiCH3 SO3 、LiCl、あるいはLiBrなどのリチウム塩が挙げられる。電解質塩は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極集電体21Aに正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質の粉末と導電剤と結着剤とを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとし、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型することにより形成する。また、例えば、正極21と同様にして、負極集電体22Aに負極活物質層22Bを形成し負極22を作製する。
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。続いて、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極22に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極21に吸蔵される。この充放電に伴い負極22は積層方向および幅方向に大きく膨張・収縮するが、セパレータ23の突刺強度および引張強度が所定の範囲内とされているので、衝撃に対する耐久性が向上し、内部短絡が抑制される。
このように本実施の形態によれば、セパレータ23の突刺強度を厚み20μmに換算した値で4.0N以上、巻回軸方向の引張強度を40MPa以上とするようにしたので、負極活物質として、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料を用いても、負極22の膨張・収縮による損傷を抑制することができる。よって、内部短絡の発生を抑制することができ、特に、損傷が発生しやすい高温特性を向上させることができる。また、セパレータ23の突刺強度を厚み20μmに換算した値で9.8N以下、巻回軸方向の引張強度を150MPa以下とするようにしたので、セパレータ23の熱収縮を抑制することができ、加熱時における内部短絡の発生も抑制することができる。よって、信頼性を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものである。
正極リード31および負極リード32は、それぞれ、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード31および負極リード32は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材40は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図4は、図3に示した巻回電極体30のI−I線に沿った断面構造を表すものである。電極巻回体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ37により保護されている。
正極33は、正極集電体33Aの片面あるいは両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有している。負極34は、負極集電体34Aの片面あるいは両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層34Bと正極活物質層33Bとが対向するように配置されている。正極集電体33A,正極活物質層33B,負極集電体34A,負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、上述した第1の実施の形態における正極集電体21A,正極活物質層21B,負極集電体22A,負極活物質層22Bおよびセパレータ23と同様である。
電解質層36は、本実施の形態に係る電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。高分子材料としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物あるいはアクリレート系高分子化合物、またはポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ化ビニリデンの重合体が挙げられ、これらのうちのいずれか1種または2種以上が混合して用いられる。特に、酸化還元安定性の観点からは、フッ化ビニリデンの重合体などのフッ素系高分子化合物を用いることが望ましい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極33および負極34のそれぞれに、電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層36を形成する。そののち、正極集電体33Aの端部に正極リード31を溶接により取り付けると共に、負極集電体34Aの端部に負極リード32を溶接により取り付ける。次いで、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して巻回電極体30を形成する。最後に、例えば、外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込み、外装部材40の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図3および図4に示した二次電池が完成する。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述したようにして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付けたのち、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成する。次いで、この巻回体を外装部材40に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材40の内部に収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材40の内部に注入する。
電解質用組成物を注入したのち、外装部材40の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封する。次いで、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成し、図3および図4に示した二次電池を組み立てる。
この二次電池の作用および効果は、上述した第1の実施の形態と同様である。すなわち、セパレータ35の突刺強度および引張強度を所定の範囲内とするようにしたので、内部短絡の発生を抑制することができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−4)
図1に示したような円筒型の二次電池を作製した。
まず、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )を用意し、このリチウムコバルト複合酸化物粉末91質量部と、導電剤であるグラファイト(ロンザ製KS−15)6質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤を調製したのち、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを作製した。次いで、正極合剤スラリーをアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に塗布し乾燥させたのち圧縮成型して正極活物質層21Bを形成することにより帯状の正極21を作製した。
一方、コバルト粉末10質量部とスズ粉末90質量部とを混合し、この混合物を石英ボートに入れ、アルゴンガス雰囲気中において1000℃に加熱し、室温まで放冷した。これにより得られた塊を、アルゴンガス雰囲気でボールミルにて粉砕し、コバルト−スズ合金粉末(10Co−90Sn)を得た。なお、化学記号の前に示した数字は質量比である。次いで、このコバルト−スズ合金粉末を負極活物質として用い、コバルト−スズ合金粉末80質量部と、導電剤および負極活物質であるグラファイト(ロンザ製KS−15)11質量部およびアセチレンブラック1質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン8質量部とを混合して負極合剤を調製したのち、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーを作製した。続いて、負極合剤スラリーを銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に塗布し乾燥させたのち圧縮成型して負極活物質層22Bを形成することにより帯状の負極22を作製した。
次に、微多孔性ポリエチレンフィルムよりなるセパレータ23を用意し、これを加工することによりセパレータ23の突刺強度および引張強度を実施例1−1〜1−4で表1に示したように変化させた。具体的には、実施例1−1では、厚みを20μmに換算した突刺強度を4.0N、巻回軸方向の引張強度を40MPa、実施例1−2では、同突刺強度を4.0N、同引張強度を70MPa、実施例1−3では、同突刺強度を7.0N、同引張強度を88MPa、実施例1−4では、同突刺強度を9.8N、同引張強度を150MPaとした。
続いて、作製した正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、巻回電極体20を作製した。そののち、巻回電極体20を絶縁板12, 13で挟んで電池缶11に収納し、電解液を注入した。電解液は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン20質量%と、炭酸エチレン20質量%と、炭酸ジメチル45質量%と、電解質塩であるLiPF6 15質量%とを混合して調製した。次いで、ガスケット17を介して電池缶11をかしめることにより、安全弁機構15、熱感抵抗素子16および電池蓋14を固定し、二次電池を得た。
また、実施例1−1〜1−4に対する比較例1−1〜1−3として、セパレータの突刺強度および引張強度を表1に示したように変化させたことを除き、他は実施例1−1〜1−4と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例1−1〜1−4および比較例1−1〜1−3の二次電池について、高温サイクル特性、加熱安全性および高温保存特性を以下のようにして評価した。これらの結果を表1に示す。
〈高温サイクル特性〉
45℃の環境中において、電流値1C、上限電圧4.2Vの定電流定電圧充電を行ったのち、電流値1Cの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行うという充放電を200サイクル行い、2サイクル目の放電容量に対する200サイクル目の放電容量の容量維持率(%)を求めた。なお、1Cというのは電池容量を1時間で放電しきる電流値である。
〈加熱安全性〉
各実施例ごとに5個の電池を用意し、充電した状態で150℃のオーブン中に1時間保存し、安全弁機構15が作動した個数を調べた。表1には安全弁機構15が作動しなかった良品の割合を示した。
〈高温保存特性〉
各実施例ごとに5個の電池を用意し、4.3Vに過充電した状態で45℃の恒温槽中に1週間保存し、安全弁機構15が作動した個数を調べた。表1には安全弁機構15が作動しなかった良品の割合を示した。
Figure 2006134757
表1に示したように、セパレータ23の突刺強度を4.0N以上9.8N以下、引張強度を40MPa以上150MPa以下とした実施例1−1〜1−4によれば、高温サイクル特性、加熱安全性および高温保存特性のいずれについても優れた結果が得られた。これに対して、セパレータの突刺強度または引張強度が小さい比較例1−1,1−2では、高温サイクル特性および高温保存特性が低く、突刺強度および引張強度が大きい比較例1−3では、加熱安全性が低かった。
すなわち、セパレータ23の突刺強度を厚み20μmに換算した値で4.0N以上9.8N以下、巻回軸方向の引張強度を40MPa以上150MPa以下とするようにしれば、スズを構成元素として含む負極活物質を用いても、高温特性および信頼性を向上させることができることが分かった。
(実施例2−1〜2−4)
負極活物質として、コバルト−スズ合金粉末に代えて、ケイ化マグネシウム(Mg2 Si)粉末を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−4と同様にして二次電池を作製した。その際、実施例2−1〜2−4で、実施例1−1〜1−4と同様に、セパレータ23の突刺強度および引張強度を表2に示したように変化させた。また、実施例2−1〜2−4に対する比較例2−1〜2−3として、セパレータの突刺強度および引張強度を表2に示したように変化させたことを除き、他は実施例2−1〜2−4と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例2−1〜2−4および比較例2−1〜2−3の二次電池についても、実施例1−1〜1−4と同様に高温サイクル特性、加熱安全性および高温保存特性を評価した。これらの結果を表2に示す。
Figure 2006134757
表2に示したように、セパレータ23の突刺強度を4.0N以上9.8N以下、引張強度を40MPa以上150MPa以下とした実施例2−1〜2−4によれば、高温サイクル特性、加熱安全性および高温保存特性のいずれについても優れた結果が得られたのに対して、突刺強度または引張強度が小さい比較例2−1,2−2では、高温サイクル特性および高温保存特性が低く、突刺強度および引張強度が大きい比較例2−3では、加熱安全性が低かった。
すなわち、ケイ素を構成元素として含む負極活物質を用いても、セパレータ23の突刺強度および引張強度を上述した範囲内とすれば、高温特性および信頼性を向上させることができることが分かった。
(実施例3−1〜3−4)
負極活物質として、コバルト−スズ合金粉末に代えて、CoSnC含有材料を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−4と同様にして二次電池を作製した。その際、実施例3−1〜3−4で、実施例1−1〜1−4と同様に、セパレータ23の突刺強度および引張強度を表3に示したように変化させた。
なお、CoSnC含有材料は次のようにして作製した。まず、原料としてコバルト粉末とスズ粉末と炭素粉末とを用意し、コバルト粉末とスズ粉末とを合金化してコバルト・スズ合金粉末を作製したのち、この合金粉末に炭素粉末を加えて乾式混合した。続いて、この混合物を遊星ボールミルを用いてメカノケミカル反応を利用して合成し、CoSnC含有材料を得た。
得られたCoSnC含有材料について組成の分析を行ったところ、コバルトの含有量は29.3質量%、スズの含有量は49.9質量%、炭素の含有量は19.8質量%であった。なお、炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置により測定し、コバルトおよびスズの含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析により測定した。また、得られたCoSnC含有材料についてX線回折を行ったところ、回折角2θ=20°〜50°の間に、回折角2θが1.0°以上の広い半値幅を有する回折ピークが観察された。更に、このCoSnC含有材料についてXPSを行ったところ、CoSnC含有材料中におけるC1sのピークは284.5eVよりも低い領域に得られた。すなわち、CoSnC含有材料中の炭素が他の元素と結合していることが確認された。
また、実施例3−1〜3−4に対する比較例3−1〜3−3として、セパレータの突刺強度および引張強度を表3に示したように変化させたことを除き、他は実施例3−1〜3−4と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例3−1〜3−4および比較例3−1〜3−3の二次電池についても、実施例1−1〜1−4と同様に高温サイクル特性、加熱安全性および高温保存特性を評価した。これらの結果を表3に示す。なお、表3において負極活物質は構成元素の前にその含有量を質量%で示した。
Figure 2006134757
表3に示したように、セパレータ23の突刺強度を4.0N以上9.8N以下、引張強度を40MPa以上150MPa以下とした実施例3−1〜3−4によれば、高温サイクル特性、加熱安全性および高温保存特性のいずれについても優れた結果が得られたのに対して、突刺強度または引張強度が小さい比較例3−1,3−2では、高温サイクル特性および高温保存特性が低く、突刺強度および引張強度が大きい比較例3−3では、加熱安全性が低かった。すなわち、他の組成を有する負極活物質を用いても、セパレータ23の突刺強度および引張強度を上述した範囲内とすれば、高温特性および信頼性を向上させることができることが分かった。
また、表1と表3とを比較すれば分かるように、コバルト−スズ合金を用いた実施例1−1〜1−4に比べて、CoSnC含有材料を用いた実施例3−1〜3−4の方が優れたサイクル特性を得ることができた。すなわち、負極活物質としてCoSnC含有材料を用いれば好ましことが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電解質として電解液を用いる場合について説明し、更に上記実施の形態では、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状電解質を用いる場合についても説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性セラミックス,イオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などのイオン伝導性無機化合物と電解液とを混合したもの、または他の無機化合物と電解液とを混合したもの、またはこれらの無機化合物とゲル状電解質とを混合したものが挙げられる。
また、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。その際、負極には、上記実施の形態で説明した負極活物質、例えばスズまたはケイ素を構成元素として含む物質を同様にして用いることができる。
更に、上記実施の形態および実施例では、円筒型あるいはラミネートフィルム型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は角型などの他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。また、本発明は、二次電池に限らず、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図3に示した巻回電極体のI−I線に沿った構成を表す断面図である。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20,30…巻回電極体、21,33…正極、21A,33A…正極集電体、21B,33B…正極活物質層、22,34…負極、22A,34A…負極集電体、22B,34B…負極活物質層、23,35…セパレータ、24…センターピン、25,31…正極リード、26,32…負極リード、36…電解質層、37…保護テープ、40…外装部材、41…密着フィルム。

Claims (3)

  1. 正極と負極とをセパレータを介して巻回した巻回電極体を備え、
    前記負極は、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能であり、構成元素として金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む負極活物質を含有し、
    前記セパレータは、突刺強度が厚みを20μmに換算した値で4.0N以上9.8N以下であり、巻回軸方向の引張強度が40MPa以上150MPa以下である
    ことを特徴とする電池。
  2. 前記負極は、前記負極活物質として、スズ(Sn)およびケイ素(Si)のうちの少なくとも一方を構成元素として含む材料を含有することを特徴とする請求項1記載の電池。
  3. 前記負極は、前記負極活物質として、スズと、コバルト(Co)と、炭素(C)とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合が30質量%以上70質量%以下であるCoSnC含有材料を含有することを特徴とする請求項1記載の電池。
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