JP2006131819A - 防振ゴム用ゴム組成物及び防振ゴム - Google Patents

防振ゴム用ゴム組成物及び防振ゴム Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた動特性と強度及び耐疲労性を備え、長期にわたり振動や騒音の吸収機能を発揮することのできる耐久性に優れた防振ゴム用ゴム組成物及びそれを用いた防振ゴムを提供する。
【解決手段】 ジエン系ゴムを含むゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が20〜100m/gにあるカーボンブラック20〜100重量部と、式C2n(式中、nは30以上の整数である)を有するフラーレン又はその誘導体それぞれの単独、或いはこれらから任意に選択された2種類以上の混合物を含有してなる防振ゴム用ゴム組成物2とそれを弾性部材として用いた防振ゴム1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車のエンジンマウントなどの防振ゴムに用いるのに適した防振性能と耐久性に優れた防振ゴム用ゴム組成物に関する。
自動車等の車両には、振動の吸収や騒音を低減するための防振ゴムが使用されている。 この防振ゴムに使用されるゴム組成物は、振動の減衰効果に優れることが求められ、窒素吸着比表面積(NSA)が小さく粒子径の大きいカーボンブラックを用いてカーボンブラックの分散性を向上し、ヒステリシスロスの歪依存性を小さくすることで動特性を向上(低動倍率化)することが行われている。
一方、自動車のエンジンを支持するエンジンマウントやサスペンションに装着されるブッシュなどは、エンジンや車体などの大きな荷重を支持する強度と耐疲労性を要し、強度や耐疲労性を確保するためには比較的小粒径のカーボンブラックの使用が有利となり、上記動特性の向上とは相反するものとなってある程度の動特性の低下を犠牲にしているのが実状である。また、カーボンブラックの増量は強度を高めることができるが動特性の低下をもたらすものとなり、これらをバランスさせることが求められている。
この防振ゴム用ゴム組成物の動特性と強度、耐疲労性との両立を図るため、加硫系の検討、ゴム成分の種類やミクロ構造の検討、カーボンブラックのコロイダル特性の検討、或いは老化防止剤の検討など、種々の検討、改良が多数なされ提案されている(特許文献1〜3)。
特開平9−151278号公報 特開2001−49143号公報 特開2002−194140号公報
上記ゴム成分やカーボンブラックなどの改良は、ゴム組成物の動特性を向上し振動や騒音、ノイズ等の車内への伝達を低減し乗り心地や居住性を向上するとともに強度や耐疲労性を改善するものであるが、その性能は近年の過酷な要求性能に対して十分満足できるレベルになく、更なる低動倍率化が求められ、かつゴム強度や耐疲労性との両立を図ることが望まれている。
そこで、本発明は従来の防振ゴム用ゴム組成物の有する問題点を解決し、従来に増して優れた動特性と強度及び耐疲労性を備え、長期にわたり振動や騒音の吸収機能を発揮することのできる耐久性に優れた防振ゴム用ゴム組成物及びそれを用いた防振ゴムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ゴム成分に所定粒子径のカーボンブラックとカーボンブラック以外の炭素分子を含有することで、優れた動特性と強度及び耐疲労性を両立するゴム組成物が得られることを見出し本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、ジエン系ゴムを含むゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が20〜100m/gにあるカーボンブラック20〜100重量部と、式C2n(式中、nは30以上の整数である)を有するフラーレン又はその誘導体とを含有してなることを特徴とする防振ゴム用ゴム組成物である。
フラーレンは、炭素の同素体であり、炭素原子のネットワークにグラファイトに見られる6員環のほかに5員環を含み、その共有結合により球状に閉じた3次元的な中空球殻状構造を有する多面体であって、その同素体形炭素は式C2n(式中、nは30以上の整数である)を有することを特徴としている。代表的な分子としては、60個の炭素原子が12個の5員環と20個の6員環からなる球状の切頭正20面体を構成する、いわゆるサッカーボール状の構造のC60が挙げられ、同様に70個の炭素原子からなるC70、更に炭素数の多い高次フラーレン等が存在する。
これらフラーレンはその構造から極めて特殊な性質を発現し、例えば炭素同素体にも拘わらず、ベンゼンやトルエン等の有機溶媒に可溶である事が挙げられる。また、これまで知られている分子の中で、最も高い対称性を有する構造により多くの縮重軌道を持つ。この特徴的な内部の電子状態に関連して、超伝導体や半導体、光機能材等への応用が報告されている。例えば、C60は比較的低い還元電位を有し、電子受容体としての機能が注目されている。特にフラーレンはラジカルトラップ剤としての機能を有する事がよく知られており、例えば、参考文献1ではフラーレンC60のラジカルトラップ性について報告されており、参考文献2ではラジカルトラップ性の関与する高分子の耐熱性向上に関する応用が報告されている。
参考文献1:Fullerenes as a tert-Butylperoxy Radical Trap,Metal Catalyzed Reaction of tert-Butyl Hydroperoxide with Fullerenes,and Formation of the First Fullerene Mixed Peroxides C60(O)(OOtBu)4 and C70(OOtBu)10 (J.Am.Chem.Soc.,Vol124,p13384〜(2002))
参考文献2:Influence of C60 Fullerene on the Oxidative Degradation of a Free Radical Poly(Methyl Methacrylate) (J.Macromol.Sci.,VolB42,p139〜(2003))
さらにフラーレンは内部に金属原子を内包したり、水酸化、ハロゲン化等の化学的な修飾を行う事も可能である。フラーレンに化学修飾し、巨大分子化したフラーレンで機能性分子を作る事も行われており、光触媒機能、生理活性機能等が検討されている。
本発明の防振ゴム用ゴム組成物によると、過加硫時の主鎖崩壊による加硫戻りを抑制し、ゴム組成物の強度や耐疲労性などが向上するものと考えられる。
前記ゴム成分は、少なくとも1種類のジエン系ゴムを含むことが好ましく、ジエン系ゴム成分は防振ゴムに要求される強度、耐疲労性に優れ、動的バネ定数を小さくして低動倍率化を促進するものとなる。
本発明においては、前記フラーレンとしては、C60、C70、高次フラーレン、及びこれらの誘導体としてはハロゲン化物、水素添加されたり水酸基が導入された誘導体等が挙げられ、これらの群から選ばれた少なくとも1種類、或いは任意に選択された2種類以上の混合物が使用される。
これらフラーレンの製造法としては通常、レーザー蒸発法、抵抗加熱法、アーク放電法、熱分解法等、種々の方法が挙げられる。具体的には、例えば特許第2802324号公報に開示されており、これらは、減圧下或いは不活性ガス存在下、炭素蒸気を生成し、冷却、クラスター成長させる事によりフラーレン類を得ている。一方、近年、経済的で効率の良い大量製造法として燃焼法が実用化されている。燃焼法の例としては、バーナーが減圧チャンバー内に設置された装置を使用し、系内を真空ポンプにて排気しつつ炭化水素原料と酸素とを混合してバーナーに供給し、火炎を生成する。その後、前記火炎により生成した煤状物質を下流に設けた回収装置により回収する。
上記製造法において、フラーレンは媒中の溶媒可溶分として得られ、溶媒抽出、昇華等により単離される。得られたフラーレンは通常C60、C70及び高次フラーレンの混合物として得られ、更に精製してC60、C70等を単離する事も可能である。
前記フラーレン又はその誘導体の含有量は、前記カーボンブラック含有量の0.1〜5重量%であり、含有量が0.1重量%未満では加硫戻りを抑制する効果が十分発揮できず、5重量%を越えるとフラーレン間の凝集の影響が大きくなりフラーレン特有の作用が奏されず低動倍率化を実現することができなくなる。
そして、上記防振ゴム用ゴム組成物を用いた防振ゴムは、振動や騒音の優れた減衰効果を発揮し、車両の良好な乗り心地や低騒音化を長期に継続する耐久性のよいものとなる。
本発明による防振ゴム用ゴム組成物は、ゴム組成物の低動倍率化を実現して動特性を良好に維持もしくは向上し、強度や耐疲労性を向上することができ、大きな圧縮荷重を受ける防振ゴムにおいてもその防振性能を長期にわたり発揮する耐久性を有するものとなり、各種防振ゴムに使用することができる優れた効果を有する。特に、圧縮耐久性を要する自動車のエンジンマウントやストラットマウントなどの防振素材として好適なものである。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の防振ゴム用ゴム組成物は、ゴム成分に、窒素吸着比表面積(NSA)が20〜100m/gにあるカーボンブラックと、式C2n(式中、nは30以上の整数である)を有するフラーレン又はその誘導体とを含有することを特徴としている。
本発明に用いられるゴム成分は、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、溶液重合又は乳化重合による各種のスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、各種のブタジエンゴム(BR)、シンジオタクチック−1,2ポリブタジエンで変性したシス−1,4ブタジエンゴム(VCR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)など、また末端変性されたSBRやBRなどのジエン系ゴム、イソブチレン−ジエンゴム(ブチルゴム、IIR)及びハロゲン化ブチルゴム(CIIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM,EPDM)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)などのオレフィン系ゴム、を挙げることができ、シリコーンゴム(Q)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)、アクリルゴム(ACM)等を使用することもでき、その単独又は任意の2種以上を併用することができる。
この中でも、ゴム組成物の強度や耐疲労性などの機械特性、動的バネ定数を小さくして低動倍率化しやすいこと、加工性を良好にする等の観点から、NRやIRの天然ゴム系ゴム成分を主とするジエン系ゴムを含むことが好ましく、さらには、強度、動特性、耐疲労性などの基本特性を確保することからNR単独或いはNRと上記ジエン系合成ゴムの1種以上とのブレンド配合を使用することが好ましい形態である。
本発明に用いられるカーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積(NSA)が20〜100m/gの範囲にあるものが好適であり、その配合量はゴム成分100重量部に対し20〜100重量部が使用される。
カーボンブラックのNSAが20m/g未満にあると、粒径が大きくなりゴムの補強性が得られず強度や耐疲労性が低下し、100m/gを越えるとカーボンブラックの分散性が低下し加工性やゴム特性に影響し、また動特性が大きく悪化し好ましくない。これらのカーボンブラックとしては、例えばHAF、FEF、GPF級のカーボンブラックが挙げられ、その市販品を適宜使用することができるが、本発明では特にこれらに限定されるものではない。なお、NSAはASTM D3037に記載の方法に準拠し測定されるものである。
このカーボンブラックの配合量が、ゴム成分100重量部に対して20重量部未満であると補強効果が不十分となり硬度や強度、耐疲労性を維持することができず、100重量部を越えると動特性を悪化させ、分散性を悪くし加工性やゴム特性も低下し好ましくない。但し、カーボンブラックの配合量は、その種類(NSAの値)や防振ゴムの用途によって上記配合範囲内でゴム硬度を調整しながら適宜変量し使用することができる。
本発明の防振ゴム用ゴム組成物に用いられるフラーレンは、炭素の同素体である式C2n(式中、nは30以上の整数である)を有することを特徴としている。代表的な分子としては、60個の炭素原子が12個の5員環と20個の6員環からなる球状の切頭正20面体を構成する、いわゆるサッカーボール状の構造のC60が挙げられ、同様に70個の炭素原子からなるC70、更に炭素数の多い高次フラーレン等、また、これらの誘導体としては、例えば、ハロゲンが導入されたC60F40,C60Cl24、C60Br24、水素添加されたC60H40、水酸基が導入されたC60(OH)24等が挙げられる。これらのフラーレン又はその誘導体は、その単独、或いは任意に選択される2種以上の混合物が使用される。
前記フラーレン又はその誘導体の配合量は、ゴム成分に配合されるカーボンブラック配合量の0.1〜5重量%が適切である。フラーレンの配合量が0.1重量%未満であると、ゴム組成物の加硫戻りを抑制する効果が十分発揮できず、また5重量%を越えるとフラーレン間の凝集の影響が大きくなり、フラーレン特有の作用が奏されなくなり低動倍率化を発揮することができなくなる。
このフラーレン又はその誘導体を含有することで、過加硫時の主鎖崩壊による加硫戻りを抑制し、ゴム組成物の強度や耐疲労性などが向上するものと考えられる。
本発明の防振ゴム用ゴム組成物には、前記ゴム成分、カーボンブラック、フラーレン又はその誘導体の必須成分の他に、必要に応じて硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカ、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸、オイル等の軟化剤、樹脂、ワックス、各種充填剤、可塑剤など通常の防振ゴム用ゴム組成物の配合される配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲内において適宜配合し用いることができる。
本発明の防振ゴム用ゴム組成物おいて使用される加硫剤としては、ゴム工業で一般的な加硫剤として用いられる硫黄、例えば、ゴム用粉末硫黄、沈降硫黄、オイル処理粉末硫黄などが使用でき、また、有機過酸化物として、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−1−ブチルパーオキサイドなどの加硫剤が挙げられ、ゴム成分100重量部に対して0.5〜3重量部程度が配合され用いられる。
また、本発明の防振ゴム用ゴム組成物に使用される加硫促進剤は、ゴム加硫用に通常用いられる公知のジベンゾチアジルジスルフィド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾール(M)等のチアゾール系加硫促進剤、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)等のチウラム系加硫促進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DZ)等のスルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤などの各種加硫促進剤を例示することができ特に制限されることはなくいが、中でもチアゾール系及びチウラム系加硫促進剤の使用が好ましく、それらから適宜選択し、その単独又は2種以上を併用することができる。
この加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、0.5〜5重量部の範囲が好ましく、0.5重量部未満ではゴム組成物の耐へたり性の低下やゴム物性が低下して所定の静的バネ定数が得られず動倍率が増加して防振ゴムの動特性が得がたくなる。また、5重量部を超えるとゴム組成物の耐疲労性が低下し、防振ゴムの耐久性が満足できず、またスコーチタイムが短くなり「焼け」を生じやすく製造工程に支障を来し好ましくなく、この範囲において上記硫黄などの加硫剤の配合量により調整し用いることができる。
本発明の防振ゴム用ゴム組成物に使用される老化防止剤は、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(RD)等のアミン−ケトン系老化防止剤、フェニル−β−ナフチルアミン(D)、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6C)等のアミン系老化防止剤、2−メルカプトベンツイミダゾール(MB)、2−メルカプトベンツイミダゾール亜鉛塩(MBZ)等のイミダゾール系老化防止剤などが挙げられ、その単独又は2種以上を併用することができる。
これらの老化防止剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して1〜10重量部程度であり、配合量が1重量部未満であると伸び特性の劣化を早め、10重量部を越えると長期使用で強度、剛性が低下する。
本発明の防振ゴム用ゴム組成物は、上記ゴム成分、カーボンブラック及びフラーレン又はその誘導体と、必要に応じて配合する各種の配合剤を、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りすることにより得られ、各種防振ゴムのゴム部材に使用され長期にわたり優れた振動減衰性能を発揮するものとなる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。
表1〜表3に示す各実施例、比較例について、天然ゴム(NR、RSS#1相当)100重量部に対して、下記NSAを有するカーボンブラック(A)〜(C)、及びフラーレンを表1〜3に記載の配合量(重量部)に従い、さらに下記の共通配合成分を配合(重量部)し、各実施例、比較例の各防振ゴム用ゴム組成物を通常の密閉式バンバリーミキサーを用いて混練し作製した。
[カーボンブラック及びフラーレン]
・カーボンブラック(A):NSA=42m/g(東海カーボン(株)シーストSO)
・カーボンブラック(B):NSA=79m/g(東海カーボン(株)シースト3)
・カーボンブラック(C):NSA=27m/g(東海カーボン(株)シーストV)
・フラーレン:C60/C70/高次フラーレン=約60/25/15(重量%)の混合物(フロンティアカーボン(株)ナノムミックス)
[共通配合成分と配合量]
・亜鉛華:5重量部(三井金属鉱業(株)3号亜鉛華)
・ステアリン酸:2重量部(花王石鹸(株)ルナックS−20)
・アロマオイル:5重量部(ジャパンエナジー(株)X−140)
・老化防止剤RD:2重量部(大内新興化学工業(株)ノクラック224)
・老化防止剤6C:2重量部(大内新興化学工業(株)ノクラック6C)
・硫黄:1重量部(細井化学工業(株)ゴム用粉末硫黄)
・加硫促進剤TT:0.2重量部(大内新興化学工業(株)ノクセラーTT−P)
・加硫促進剤DM:3重量部(大内新興化学工業(株)ノクセラーDM−P)
上記各実施例、比較例の防振ゴム用ゴム組成物について、各試験用試料を作成し、耐久性(定荷重)、硬度(Hs)、動特性(静バネ定数(Ks)、動バネ定数(Kd)、動倍率(Kd/Ks))、加硫戻りの指標としてのトルク保持率を下記方法により試験を行い評価した。その結果を表1〜表3に示す。
なお、表1はFEF級に相当するカーボンブラック(A)を用いた配合系、表2はHAF級に相当するカーボンブラック(B)を用いた配合系、表3はGPF級に相当するカーボンブラック(C)を用いた配合系におけるものである。
[耐久性(定荷重)]
図1の縦断面図に示す自動車用エンジンマウントを、表に記載の各防振ゴム用ゴム組成物を用いて常法に従い作製し、市販の振動試験機により、温度23℃において、+900N〜−900Nの一定荷重を周波数2Hzでマウントにかけ、エンジンマウントのモジュラスが初期状態より25%低下した時点を寿命と判定し、寿命までの振動回数を比較例3,6,8をそれぞれ100とする指数で示した。指数が大きいほどよい。なお、表1記載の各ゴム組成物はゴム硬度(Hs)をほぼ同レベルに合わせ耐久性評価を実施した。
[硬度(Hs)]
JIS K6253に準拠し測定した、スプリング硬さ(A形)である。硬度(Hs)は40以上を合格とした。
[動特性]
・静バネ定数(Ks):オリエンテック(株)製テンシロンを測定機に用い、50mmφ×25mmの加硫テストピースにつき、10mm/minのクロスヘッドスピードで0〜5mm間の圧縮を2回繰返し、3回目の荷重−たわみ線図を描き、次式に基づいて静バネ定数を算出した。 静バネ定数(N/mm)=(w2−w1)/(δ2−δ1) 但し、w1:たわみ量δ1=1.3mm時の荷重、w2:たわみ量δ2=3.8mm時の荷重である。
・動バネ定数(Kd):(株)鷺宮製作所製ダイナミックサーボを測定機に用い、初期歪10%、周波数100Hz、振幅±0.05mmで行い、JIS K6394に記載の計算方法により動バネ定数を求めた。
・動倍率:上記の方法で測定された静バネ定数に対する動バネ定数の比(動バネ定数(Kd)/静バネ定数(Ks))として定義されるものであり、この値が小さいほど防振性が良好である。
[トルク保持率]
レオメータ(モンサント製、MDR2000型)を使用し、加硫温度150℃における発生トルク−時間曲線を求め、加硫60分後のトルクを最大発生トルクに対する保持率(%)で示した。値が大きいほど加硫戻りが少なく良好である。
Figure 2006131819
表1から、FEF級カーボンブラック(A)の配合系において、フラーレンを配合した実施例のゴム組成物は、フラーレンを含まない比較例1に比べて、0.1重量%のフラーレンを含む実施例1からKsが高くなる傾向を示し、1.3重量%含む実施例2では明らかに硬度、Ksを上昇させるとともにトルク保持率を向上し、動倍率を低レベルに維持し良好な動特性を有するとともにゴム剛性を向上することが分かる。しかし、フラーレンが3重量部を越えると添加効果は見られるが増量による改善効果は無くなり、5重量含む実施例5では動倍率が上昇傾向を示し始め、10重量%含む比較例2では明らかに動倍率を悪化させることから、フラーレンの含有量はカーボンブラックの5重量%程度が上限と考えられ、トルク保持率も低下する。また、耐久性についてもフラーレンの含有量と相関を示し、この場合も5重量%程度が耐久性向上の上限と見られる。また、カーボンブラックを増量した比較例3,4はトルク保持率を低下させ動倍率が悪化するとともに耐久性も低下する。
このことから、フラーレンの含有は、ゴム組成物のトルク保持率の低下、すなわち加硫戻りを抑制する作用を奏し、これにより動特性を良好に維持して耐久性を向上するものと考えられ、フラーレンの所定範囲の含有は加硫戻りを抑制することで防振ゴム用ゴム組成物の性能向上に好影響を与えるものと判断される。
Figure 2006131819
Figure 2006131819
表2はHAF級のカーボンブラック(B)の配合系、表3はGPF級のカーボンブラック(C)の配合系での例を示すもので、この場合も、表から明らかに所定量のフラーレンの含有は、ゴム組成物のトルク保持率を向上し加硫戻りを抑えることができ、動倍率を良好に維持しながら剛性を高め耐久性を向上し、フラーレンの効果が明らかである。
以上説明したように、本発明による防振ゴム用ゴム組成物は、エンジンマウント、ストラットマウント、サスペンションのブッシュ類などの重荷重を支持する自動車用防振ゴムに好適であり、キャップマウント、メンバーマウント、マフラーマウント等の他の自動車用防振ゴムを始めとして、鉄道車両用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム、免震ゴム支承等の防振、免震ゴムにも勿論使用することができる。
エンジンマウントの縦断面図である。
符号の説明
1……エンジンマウント
2……防振ゴム用ゴム組成物
3,4……支持金具

Claims (4)

  1. ジエン系ゴムを含むゴム成分100重量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が20〜100m/gにあるカーボンブラック20〜100重量部と、式C2n(式中、nは30以上の整数である)を有するフラーレン又はその誘導体とを含有してなる
    ことを特徴とする防振ゴム用ゴム組成物。
  2. 請求項1において、前記フラーレン又はその誘導体がC60、C70、高次フラーレン、及びフラーレン誘導体それぞれの単独、或いはこれらの混合物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の防振ゴム用ゴム組成物。
  3. 前記フラーレン又はその誘導体の含有量が、前記カーボンブラック含有量の0.1〜5重量%である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の防振ゴム用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の防振ゴム用ゴム組成物を用いた
    ことを特徴とする防振ゴム。
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