JP2006131707A - カルボニル基含有重合体及びその誘導体 - Google Patents

カルボニル基含有重合体及びその誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】 主鎖末端にカルボニル基を有する新規な末端カルボニル基含有重合体、およびその誘導体を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)
Figure 2006131707

(1)
(一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜18のアルキル基を表し、Aは炭素数2〜20のオレフィンからなる重合体を表す。)
で表される片末端に二重結合を有し、重量平均分子量が500〜500000であることを特徴とする、オレフィン系重合体(P)から誘導された、末端カルボニル基含有重合体、およびその誘導体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、片末端に二重結合を有し、重量平均分子量が500〜500000であるオレフィン系重合体(P)から誘導される、末端カルボニル基含有重合体およびその誘導体に関するものである。
<カルボニル基含有重合体>
オレフィン系重合体は、分子構造が非極性であり他物質との親和性に乏しく、従来から該重合体に各種の官能基を導入することが試みられている。中でも、その構造部分としてカルボニル基を含むアルデヒド基、カルボキシル基、エステル基等の官能基は、様々な反応を行うことのできる官能基である。したがって、オレフィン系重合体の末端にカルボニル基を有する重合体である末端カルボニル基含有重合体を提供することで、そのカルボニル基に由来する反応性を利用し、オレフィン重合体セグメントを有する様々な新規重合体等を提供することが容易となる。そのため、これまでにも末端カルボニル基含有重合体は多数報告されている。
片末端にカルボニル基を含有するオレフィン系重合体と等価の構造を有する天然物としては、末端にカルボキシル性カルボニル基を含有するモンタン酸ワックスが挙げられる。しかしながら、モンタン酸ワックスは、天然の褐炭から抽出・精製されるため、製造コストが高く、分子量もきわめて低分子量域に限られる。(2量体として800程度。)
より高分子量の末端カルボニル基含有重合体を得るには、特許文献1あるいは特許文献2に記載されているような、オレフィン系リビング重合体にカルボニル化剤を作用させ、カルボニル基含有重合体を得る方法がある。ただし、この方法では、高価なボラン、ボレート、アルキルアルミ化合物が、カルボニル変性反応の際、当量消費されるため、製造コストが高いという問題がある。また、末端不飽和基を有するオレフィン系重合体に、カルボニル化剤として、マレイン酸無水物などの不飽和カルボン酸無水物や、メタクリル酸クロライド等の不飽和カルボン酸クロライドを重合させ、鎖延長を伴いながら末端をカルボニル化合物に変性する方法では、1重合体分子末端に複数の不飽和カルボン酸化合物が反応する場合があり、重合体分子末端に1つだけのカルボニル基を含むカルボニル基含有重合体を制御して得ることは困難であった。
また、末端不飽和基を有するオレフィン系重合体のヒドロホルミル化により得られたカルボニル基含有重合体として、特許文献3に記載された末端アルデヒド置換基を有する重合体が挙げられるが、原料として用いるオレフィン系重合体の末端不飽和結合中の末端ビニル基含有率は高いものではなかった。
特開2001−26614号公報 特開2001−81123号公報 特表平9−510241号公報
本発明の課題は、制御されたカルボニル化により、主鎖末端にカルボニル基を有する新規な末端カルボニル基含有重合体を提供することである。さらには、その誘導体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
Figure 2006131707
(1)
(一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜18のアルキル基を表し、Aは炭素数2〜20のオレフィンからなる重合体を表す。)
で表される片末端に二重結合を有し、重量平均分子量が500〜500000であることを特徴とする、オレフィン系重合体(P)から誘導された、末端カルボニル基含有重合体、およびその誘導体に関するものである。
本発明により、オレフィン重合体セグメントを保有する様々な新規重合体を容易に提供することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の末端カルボニル基含有重合体は、オレフィン系重合体(P)の不飽和結合を変性することにより、重合体鎖から炭素原子のみを介してカルボニル基が導入されるか、重合体鎖自身がカルボニル化された重合体である。カルボニル基としては、アルデヒド性カルボニル基、カルボキシル性カルボニル基、エステル性カルボニル基、ケトン性カルボニル基、アミド性カルボニル基等のいずれでもよい。
重合体鎖から炭素原子のみを介してカルボニル基が導入された例としては、下記一般式(2)
Figure 2006131707
(2)
(一般式(2)中、A、R1、R2は一般式(1)で定義した通り。X、Xはどちらか一方がアルデヒド基、他方が水素原子を表す。)
で表されるアルデヒド性カルボニル基が導入された末端アルデヒド基含有重合体、下記一般式(3)
Figure 2006131707
(3)
(一般式(3)中、A、R1、R2は一般式(1)で定義した通り。X、Xはどちらか一方がカルボキシル基、エステル基またはアミド基、他方が水素原子を表す。)
で表されるカルボニル基の導入された、末端カルボキシル基含有重合体、末端エステル基含有重合体または末端アミド基含有重合体、等が挙げられる。
重合体鎖自身がカルボニル化された例としては、下記一般式(4)
Figure 2006131707
(4)
(一般式(4)中、A、R1、R2は一般式(1)で定義した通り。)
で表されるケトン性あるいはアルデヒド性カルボニル基の導入された末端カルボニル基含有重合体、等が挙げられる。
末端カルボニル基含有重合体1分子あたりに含有されるカルボニル基の数は、制御されていることが望ましく、1が好ましい。
一般式(1)中、Aを構成する2〜20のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどのα−オレフィンが挙げられ、重合体としては、これらオレフィンの単独あるいは相互の重合体あるいは、特性を損なわない範囲で、他の重合性の不飽和化合物と共重合したものであっても良い。この中でも特にエチレン、プロピレン、1−ブテンが好ましい。
一般式(1)〜(4)中、R1、R2としては、Aを構成するオレフィンの二重結合に結合した置換基である水素原子または炭素数1〜18のアルキル基であり、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基などである。
一般式(1)で表されるオレフィン系重合体(P)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略す)により測定した重量平均分子量(Mw)は、500〜500000であり、好ましくは800〜200000であり、さらに好ましくは1000〜100000である。ここで、Mwとは、ポリスチレン換算値である。
一般式(1)で表されるオレフィン系重合体(P)のGPCにより測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比、すなわち分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.5である。
一般式(1)で表されるオレフィン系重合体(P)の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、ミリポア社製GPC−150を用い以下の条件の下で測定できる。
分離カラム:TSK GNH HT(カラムサイズ:直径7.5mm,長さ:300mm)
カラム温度:140℃
移動相:オルトジクロルベンゼン(和光純薬社製)
酸化防止剤:ブチルヒドロキシトルエン(武田薬品工業社製)0.025質量%
移動速度:1.0ml/分
試料濃度:0.1質量%
試料注入量:500マイクロリットル
検出器:示差屈折計
本発明の一般式(1)で表される片末端に二重結合を有するオレフィン系重合体(P)を製造する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)特開2001−2731号公報、特開2003−73412号公報および特開2000−239312号公報に示されているようなサリチルアルドイミン配位子を有する遷移金属化合物を重合触媒として用いる重合方法。
(2)チタン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒を用いる重合方法。
(3)バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒を用いる重合方法。
(4)ジルコノセンなどのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)とからなるチーグラー型触媒を用いる重合方法。
これらの方法のうち、後述する末端ビニル基含有率(L)および片末端不飽和率(P)または(PE)を満足するには(1)の方法がより好ましい。
<NMR測定方法>
本発明で用いられる一般式(1)で表されるオレフィン系重合体(P)の有する片末端二重結合は、RおよびRが水素原子であるビニル型、Rが水素原子でRがアルキル基であるビニレン型、Rがアルキル基でRが水素原子であるビニリデン型の二重結合に分類され、オレフィン系重合体(P)中の比は、1H-NMRにより測定される。オレフィン系重合体(P)を1H-NMRにより測定を行うと、ビニル基に由来する3プロトン分のピークのうち、2プロトン分のピーク(H1)が4.9〜5.0ppm付近、残りの1プロトン分(H1’)が5.7〜5.9ppm付近に観測される。またビニレン基に由来する2プロトン分のピーク(H2)が5.0ppm付近に観測される。さらにビニリデン基に由来する2プロトン分のピーク(H3)が4.7ppm付近に観測される。これらの積分値から計算される、末端不飽和結合中のビニル型不飽和結合の比である、末端ビニル基含有率(L)は下式(I)で定義される。
L(mol%)= (H1/Ho)×100 (Ho=H1+H2+H3) (I)
オレフィン系重合体(P)の末端不飽和結合を変性して得られる末端カルボニル基含有重合体の反応性を阻害しないためには、末端付近の分子の立体障害は小さいことが望ましい。したがって、オレフィン系重合体(P)の末端ビニル基含有率(L)は、50mol%以上であることが好ましく、より好ましくは60mol%以上、さらに好ましくは70mol%以上である。
さらに、片末端不飽和結合を有するオレフィン系重合体(P)のH−NMRで測定された全プロトン分のピークの積分値(Ha)およびGPCにより得られたMnから計算される片末端不飽和率(M)は、下式(II)で定義される。
M(mol%)=[{Ho/Ha}/{2/(Mn/7)}]×100
={(Ho×Mn)/(Ha×14)}×100 (II)
(ここで、Mn/7は、片末端に二重結合を有する重合体(P)の分子式をC2nとし、分子量12×n+1×2n=14n=Mnとした時の全水素数2nである。)
また、エチレンの単独重合よりなるオレフィン系重合体(P)の場合、0.88ppm付近に観測される主鎖末端メチル基に由来する3プロトン分のピーク(HM)と、前述のビニル基に基づく3プロトン分のピーク(H1)、(H1’)の積分値より、片末端不飽和率(ME)は、下記(III)で定義される。
ME(mol%)=[(H1)+(H1’)]×200/[(H1)+(H1’)+(HM)]
(III)
末端が飽和された重合体分子は、通常の方法ではカルボニル基含有重合体に変性することは困難であり、オレフィン系重合体(P)の、分子鎖の片末端に不飽和基を有する率は高いことが好ましい。従って、この片末端不飽和率(M)または(ME)は、全片末端の50mol%以上が好ましく、より好ましくは70mol%以上、さらに好ましくは90mol%以上である。
1H-NMRについては、測定サンプル管中で重合体を、ロック溶媒と溶媒を兼ねた重水素化-1,1,2,2-テトラクロロエタンに完全に溶解させた後、120℃において測定した。ケミカルシフトは、重水素化-1,1,2,2-テトラクロロエタンのピークを5.92ppmとして、他のピークのケミカルシフト値を決定した。
オレフィン系重合体(P)を変性して直接カルボニル基を導入する方法としては、さまざまな方法がある。例えば、ヒドロホルミル化、ヒドロキシカルボニル化、オゾン酸化、ルテニウム酸化、オスミウム酸化などが挙げられる。
このうち、ヒドロホルミル化では、ヒドロホルミル化触媒の存在下、一酸化炭素と水素を作用させることにより、一般式(2)で表される末端アルデヒド基含有重合体を得ることができる。
ヒドロホルミル化触媒としては、ホスフィン、ホスファイト等の配位子を有するかまたは有しないロジウム、ルテニウム等が挙げられる。好ましい反応条件は、約25℃から200℃の範囲内の温度で、約0.1〜30MPaGの範囲内の圧力である。
ヒドロホルミル化反応においては、一般式(2)において、Xが水素原子、Xがアルデヒド基である末端アルデヒド基含有重合体(A1)と、Xがアルデヒド基、Xが水素原子である末端アルデヒド基含有重合体(A2)の混合物を得ることができるが、ヒドロホルミル化触媒の配位子を選択することで、(A1)と(A2)の生成比を制御することもできる。
ヒドロキシカルボニル化では、ヒドロキシカルボニル化触媒の存在下、一酸化炭素と水を作用させることにより、末端カルボキシル基含有重合体を得ることができる。好ましい反応条件は、約25℃から200℃の範囲内の温度で、約0.1〜30MPaGの範囲内の圧力である。
ヒドロキシカルボニル化触媒としてはホスフィン系配位子を有するパラジウム等が挙げられる。
また、ヒドロキシカルボニル化反応では、水に代えてアルコールを用いることにより、末端エステル基含有重合体を得ることもできる。
オレフィン系重合体(P)を他の官能基を含有するオレフィン系重合体変性体に変性後、目的のカルボニル基含有重合体に変性することもできる。オレフィン系重合体変性体としては、例えば、末端エポキシ基変性体、ジオール基変性体、末端アルデヒド基含有重合体、または、末端カルボキシル基含有重合体などが挙げられる。また、オレフィン系重合体変性体は、さらに化学変性を行うことで、異なるオレフィン系重合体変性体とした後、目的の末端カルボニル基含有重合体に変性することもできる。
例えば、オレフィン系重合体に、タングステン酸ナトリウム、トリオクチルメチルアミノハイドロスルホキシド、りん酸の存在下、過酸化水素を作用させることでエポキシ基変性体を得ることができる。
エポキシ基変性体を原料とし、酸性条件下で転位反応を行わせ、一般式(4)で表される末端カルボニル基含有重合体等を得ることができる。酸としては、テトラフェニルポルフィリン鉄(III)トリフラート等が好ましい。あるいは、同じくエポキシ基変性体を酸性または塩基性条件で加水分解することで、ジオール基変性体を得ることができる。
ジオール基変性体を原料とし、酸化開裂反応により、末端アルデヒド基含有重合体を得ることができる。酸化方法としては、過ヨウ素酸酸化等が好ましい。
あるいは、オレフィン系重合体(P)からヒドロホルミル化等の方法により得られた、一般式(2)で表される末端アルデヒド基含有重合体を原料とし、従来公知の酸化反応を行うことで、末端カルボキシル基含有重合体を得ることができる。
末端カルボキシル基含有重合体を原料とし、アルコールまたはアミンと脱水反応を行うことで、エステル基またはアミド基性のカルボニル基含有重合体を得ることができる。
得られた末端アルデヒド基含有重合体を還元することで、末端ヒドロキシル基含有重合体を得ることができる。
得られた末端アルデヒド基含有重合体をアミン存在下、還元アルキル化することで、末端アルキルアミノ基含有重合体を得ることができる。
本発明の末端カルボニル基含有重合体およびその誘導体は、オレフィン重合体セグメントを保有する様々な新規重合体、あるいは新規重合体を容易に提供するための原料、として利用することができる。該新規重合体は、樹脂添加剤、塗料添加剤等に利用することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、重量平均分子量Mw、およびMw/MnはGPCを用い、本文中に記載した方法で測定した。
融点(Tm)は、SIMAZU社製、DSC−60を用いて測定した。測定条件は25〜300℃、10℃/分で測定して得られたピークトップ温度を採用した。ピークが複数見られる場合は、ピーク面積が一番大きいもののピークトップ値を採用した。
以下の操作は、特に記載のない限り、窒素雰囲気下で行った。
[製造例1]
[オレフィン系重合体(P)の製造]
原料のオレフィン系重合体(P)として、末端不飽和ポリエチレンを、特開2003−73412号公報の実施例8に準じた方法で合成した。Mw=1900、Mw/Mn=2.24(GPC)、不飽和基中の末端ビニル基含有率(L)=100mol%、片末端不飽和率(ME)=92.4%、融点(Tm)=123℃(DSC)であった。
[末端アルデヒド基含有重合体の製造]
脱水THF16.7g、アセチルアセトナトジカルボニルロジウム0.25g、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト3.05gを混合後、一晩放置し、触媒溶液(S)を得た。
製造例1で製造した末端不飽和ポリエチレン12g、トルエン73.6g、触媒溶液(S)12.8gを、温度計、圧力計および攪拌装置を備えたステンレス製200ml加圧反応器に入れ、一酸化炭素:水素が1:1の混合ガスを1.5MPaGで封入した。攪拌しながら100℃まで昇温し、5時間後、冷却し、スラリー反応液を得た。反応液にトルエン100mlとアセトン150mlを加えてろ過し、得られた固体をさらにアセトンで洗浄し、固体として末端アルデヒド基含有重合体を得た。
1H-NMR δ(C2D2Cl4) 0.86-0.91, 1.06-1.65(m), 2.07-2.38(m), 9.59, 9.73
融点(Tm)117℃
[末端カルボキシル基含有重合体の製造]
実施例1で得た末端アルデヒド基含有重合体2.6g、デセン10ml、NaWO85mg、CH3(nC817)3NHSO4116mg、30%過酸化水素水1.1gを、攪拌装置および温度計を備えた反応器に入れ、90℃で4時間攪拌した。室温まで冷却し得られたスラリー反応液を、アセトン20mlを加え濾過し、さらにアセトンで洗浄し、固体として末端カルボキシル基含有重合体を得た。
1H-NMR δ(C2D2Cl4) 0.87-0.91, 1.07-1.73(m), 2.29-2.50(m)
融点(Tm)120℃
[製造例2]
充分に窒素置換した内容積1000mlのステンレス製オートクレーブに、ヘプタン500mlを装入し、室温でエチレン100リットル/hrで15分間、液相及び気相を飽和させた。続いて50℃に昇温した後、エチレン8kg/cm2Gに昇圧し、温度を維持した。MMAO(東ソーファインケム社製)のヘキサン溶液(アルミニウム原子換算1.00mmol/ml)0.25ml(0.25mmol)を圧入し、ついで特開2003−73412号公報の合成例2に記載の方法で合成した化学式(5)
Figure 2006131707
(5)
で表される化合物1のトルエン溶液(0.0005mmol/ml)0.4ml(0.0002mmol)を圧入し、重合を開始した。エチレンガスを連続的に供給しながら圧力を保ち、50℃で15分間重合を行った後、5mlのメタノールを圧入することにより重合を停止した。得られたポリマー溶液から溶媒を留去し、80℃にて10時間減圧乾燥した。
得られた末端不飽和ポリエチレンは21.82gであり、Mw=4820、Mw/Mn=2.07(GPC)、不飽和基中の末端ビニル基含有率(L)=100mol%、片末端不飽和率(ME)=94.2%であった。
[末端アルデヒド基含有重合体の製造]
脱水THF5.2g、アセチルアセトナトジカルボニルロジウム75mg、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.91gを混合後、一晩放置し、触媒溶液(S2)を得た。
製造例2で製造した末端不飽和ポリエチレン12g、トルエン74.0g、触媒溶液(S2)6.0gを、温度計、圧力計および攪拌装置を備えたステンレス製200ml加圧反応器に入れ、一酸化炭素:水素が1:1の混合ガスを2.0MPaGで封入した。攪拌しながら100℃まで昇温し、3時間後、冷却し、スラリー反応液を得た。反応液にトルエン100mlとアセトン150mlを加えてろ過し、得られた固体をさらにアセトンで洗浄し、固体として末端アルデヒド基含有重合体を得た。
1H-NMR δ(C2D2Cl4) 0.87-0.92, 1.06-1.63(m), 2.32-2.38(m), 9.59, 9.72
本発明の末端カルボニル基含有重合体およびその誘導体は、オレフィン重合体セグメントを保有する様々な新規重合体、あるいは新規重合体を容易に提供するための原料、として利用することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2006131707
    (1)
    (一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜18のアルキル基を表し、Aは炭素数2〜20のオレフィンからなる重合体を表す。)
    で表される片末端に二重結合を有し、重量平均分子量が500〜500000であることを特徴とするオレフィン系重合体(P)から誘導される、末端カルボニル基含有重合体。
  2. オレフィン系重合体(P)に含まれる末端不飽和結合中のビニル型不飽和結合の比である末端ビニル基含有率(L)が、70mol%以上である請求項1記載の末端カルボニル基含有重合体。
  3. オレフィン系重合体(P)に、触媒の存在下、水素、水またはアルコール、及び一酸化炭素を作用させて得られる、請求項1記載の末端カルボニル基含有重合体。
  4. 請求項1記載の末端カルボニル基含有重合体を還元して得られる末端ヒドロキシル基含有重合体。
  5. 請求項1記載の末端カルボニル基含有重合体を還元アミノ化して得られる末端アルキルアミノ基含有重合体。
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