JP2002539299A - Aba型トリブロック及びジブロックコポリマー、並びにその生成方法 - Google Patents

Aba型トリブロック及びジブロックコポリマー、並びにその生成方法

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JP2002539299A
JP2002539299A JP2000605644A JP2000605644A JP2002539299A JP 2002539299 A JP2002539299 A JP 2002539299A JP 2000605644 A JP2000605644 A JP 2000605644A JP 2000605644 A JP2000605644 A JP 2000605644A JP 2002539299 A JP2002539299 A JP 2002539299A
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atrp
aryl
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エイチ. グラブス、ロバート
ビーロースキー、クリストファー
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California Institute of Technology CalTech
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、化学式(I)を有するトリブロックコポリマーを生成する方法を開示する。この方法は、(a)金属カルベンメタセシス触媒の存在下においてZ−Y=Y−Zの化学式を有する連鎖移動剤をシクロアルケンに接触させてテレケリックポリマーを形成することと、(d)このテレケリックポリマーを、ATRP有機金属触媒の存在下において化学式(II)を有するアルケンと接触させることと、を有する。n及びmは整数、ZはATRP開始剤、−Y=Y−はアルケニル基である。R’は、アリール、ニトリル、及びC1〜C20カルボキシレートからなるグループから選択され、R’は置換されているか、又は置換されていない。本発明は、ジブロックコポリマーを作製する方法も開示する。さらに、本発明はコポリマーのPBD部分において1,2PBD構造を有しないトリブロックコポリマーを含むものである。 【化49】・・・(I) 【化50】・・・(II)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 最近、熱可塑性エラストマーとして機能するABA型トリブロックコポリマー
の合成に多大な関心が向けられている。これらの物質は、凝集性が不適合である
様々なホモポリマーの長いブロックからなる。一般に、2つのブロックが構造上
リジッドであって、アモルファスのゴム状の相を有する軟質のポリマーである、
第3のブロック中に、通常は微細なガラス状領域として分散する。例えば、図1
は、アモルファスポリブタジエン鎖の中に分散した、ガラス状ポリスチレンブロ
ックの凝集領域を示す、SBSトリブロックコポリマーのミクロ相の特性の概念
図である。ガラス状領域は、柔軟なエラストマー領域を網目構造にまとめるアン
カーの役割を果たし、架橋ポイントとして有効に作用して、材料を加硫する必要
を排除する。「硬質」ブロックの融解点(「Tm」)、或いはガラス転移温度(
「Tg」)を超えて熱可塑性材料を加熱することは、ガラス状領域を軟化し、コ
ポリマーの流動を可能にする。一方、冷却は相分離を取り戻し、材料は再び架橋
されたエラストマーとして作用する。
【0002】 ポリスチレン−b−ポリブタジエン−b−ポリスチレン(「SBS」)トリブ
ロックコポリマーは、公知の熱可塑性エラストマーである。これらの引張強さ特
性が天然ゴムのそれに類似しており、最適なエラストマー特性は、1,4−ポリ
ブタジエン鎖ミクロ構造の、1,2−ポリブタジエン鎖ミクロ構造に対する高い
比率に依存する。
【化12】
【0003】 SBSの最も一般的な合成は、様々な程度の1,2−ポリブタジエン含量をポ
リマー主鎖に本質的に導入する、連続的な付加アニオン重合法(スキーム1)を
伴う。
【0004】 (スキーム1)
【化13】
【0005】 SBSトリブロックコポリマーの実用的な供給温度範囲は、ポリスチレン(「
PS」)領域の融解点によって最終的に決定される。これらのSBSポリマーの
強度は、PS領域のTgに近づくにつれて、60℃以上において急激に低下する
。より高い耐熱性を備えた末端ブロックの使用は、この問題に対する有用な解決
策を提供する。可能な候補は、ca.130℃のTgを示す(シンジオタクチッ
ク含有量が80%に到達したとき)ことから、ポリメチルメタクリレート(「P
MMA」)である。
【化14】
【0006】 ポリメチルメタクリレート−b−ポリブタジエン−b−ポリメチルメタクリレ
ート(「MBM」)トリブロックコポリマーの合成は、あいにくSBSほど直接
的ではない。主要な問題点は、ポリメチルメタクリレートアニオンにブタジエン
の重合を開始する能力がないことである。ブタジエンアニオンは、メチルメタク
リレートと反応するために十分な求核性を有するため、二官能基性開始剤の合成
、及び使用に関心が向けられてきた。しかし、これは最低限の成功に帰着し、つ
い最近、明確なMBMトリブロックコポリマーが合成された。あいにく、これら
のコポリマーは高い1,2−ポリブタジエンミクロ構造の含有量を有するため(
>45%)、不十分なエラストマー特性を示す。
【0007】 このため、良好なエラストマー特性を示す、ポリメチルメタクリレート−b−
ポリブタジエン−b−ポリメチルメタクリレートのようなABA型トリブロック
コポリマーの合成を許容するような合成方法に対するニーズが存在する。
【0008】 (要約) 本発明は、熱可塑性エラストマーとして機能する、新しいABA型トリブロッ
クコポリマー、及びその生成方法に関する。一般に、本発明のABA型トリブロ
ックポリマーは、開環メタセシス重合(「ROMP」)反応、及びこれに続く原
子移動ラジカル重合(「ATRP」)反応を使用して生成される。以下により詳
細に示されるように、このタンデムアプローチは、従来技術を使用しては以前に
可能でなかった新しいABA型トリブロックポリマーの合成を可能にする。簡潔
には、以下の方式で、ATRP開始剤として機能する末端基を備えたテレケリッ
クポリマーを合成するために、ROMPが使用される。
【0009】
【化15】 ここで、nは整数である。
【0010】
【化16】 はシクロアルケンである。 Z−Y=Y−Zは連鎖移動剤であり、ZはATRP開始剤として機能する末端基
であり、−Y=Y−は、アルケニル基である。
【0011】
【化17】 は、生じるテレケリックポリマーである。 ROMP反応の後にはATRP反応が続き、ROMPテレケリックポリマー生
成物は、以下の方式でさらに重合される。
【0012】
【化18】
【0013】 ここで、mは整数である。
【0014】
【化19】 はアルケンであり、
【化20】 は、生じるABA型コポリマーである。
【0015】 [発明の詳細な説明] 本発明は、熱可塑性エラストマーとして機能する、新しいABA型トリブロッ
クコポリマー、及びその製造方法に関する。一般に、本発明のABA型トリブロ
ックポリマーは、開環メタセシス重合(「ROMP」)反応、及びこれに続く原
子移動ラジカル重合(「ATRP」)反応を使用して作製される。このタンデム
アプローチは、従来技術を使用しては以前に可能でなかった新しいABA型トリ
ブロックポリマーの合成を可能にする。
【0016】原子移動ラジカル重合(「ATRP」 ) 制御されたフリーラジカル重合として最も成功した戦略のうちの1つは、サワ
ーナト(Sawarnato)及びマジャセブスキ(Matyjaszewsk
i)により最初に独立して報告されたATRPである。ATRPのメカニズムは
スキーム2に概略が示され、金属により媒介された可逆的なハロゲン交換プロセ
スに基づく。
【0017】 (スキーム2)
【化21】 活性化及び非活性化の相対的な速度(即ち平衡定数)が10-7程度であるため
、制御が達成される。このため、成長ラジカルの濃度は十分に低く(ca.10 -8 M)、効率的に二分子停止反応を排除する。所定の分子量、及び低い(1.0
5〜1.50)多分散指数(「PDI」)を有するPS、及びPMMAがATR
Pを使用して得られた。これらの重合において、有機金属触媒として塩化銅や2
、2' −ビピリジン(「bipy」)がしばしば使用される。
【0018】 n−ブチルアクリレート、メチルアクリレート、又は2−アクリレートを軟質
のBブロックとして、スチレン、メチルメタクリレート、又はアクリロニトリル
からなる硬質のAブロックと共に使用する熱可塑性エラストマーが作製された。
典型的には中心のBブロックを合成するために二官能性のATRP開始剤が使用
され、その後2つのAブロックを形成する第2のモノマーが添加された。残念な
がら、これらのコポリマーのエラストマー特性は、SBSやMBMコポリマーよ
りも相対的に劣っている。ブタジエンラジカルの不安定性のため、SBS、MB
M、又はポリブタジエンを含むあらゆるブロックコポリマーは、この方法を使用
しては容易に合成されない。ポリブタジエンを含むブロックコポリマーは、この
方法を使用しては容易に合成されない。
【0019】 この制限を克服するべく、ATRPを他の重合法と組み合わせる試みがなされ
た。例えば、スキーム3はそのようなアプローチのうちの1つを例証する。 (スキーム3)
【化22】
【0020】 このアプローチは、ポリスチレン−b−ポリノルボルネンや、ポリメチルアク
リレート−b−ポリノルボルネンのようなジブロックコポリマーの作製には成功
したが、トリブロックコポリマーの合成は、両端に開始基を備えたポリマーを要
する。
【0021】開環メタセシス重合(ROMP)によるテレケリックポリマー テレケリックポリマーは、さらに反応可能な官能末端基を有するポリマーであ
る。テレケリックポリマーの合成に対する多用途のアプローチのうちの1つは、
連鎖移動剤(「CTA」)として作用する非環式官能アルケンの存在下における
、環状オレフィンモノマーのROMPを伴う。このプロセスの一般的なメカニズ
ムの概略が、スキーム4に示される。
【0022】 (スキーム4)
【化23】
【0023】 増加するポリマー鎖は、活発に成長している化学種を効率的に移動させるCT
Aと反応する。これにより、ポリマー鎖、及びCTAからの官能基を各々有する
新しい金属カルベンを生じる。その後、新しい金属カルベンは、モノマー(新し
いポリマー鎖を生成する)、又は既に生成されているポリマー鎖(活性種を移動
する)のいずれかと反応することが可能である。CTAに由来する官能基を含ま
ない唯一のポリマー末端基は、開始用の金属カルベン、及び停止剤からのもので
あり、これらは原則としてCTAのものと一致するように選択可能である。いか
なる停止反応もない場合は、活性中心の数量は保持され、平均官能度(「Fn
)が2.0に近づくようなテレケリックポリマーを生じることが可能である。ル
テニウムベースのROMP開始剤と様々なCTAとの組合せは、多数のテレケリ
ックポリマー(スキーム4)の合成に帰着した。
【0024】タンデムROMP−ATRPアプローチ 本発明は、コポリマー、特にトリブロック及びジブロックコポリマーの合成の
ための新しい戦略において、ROMP及びATRPを組み合わせる。一般的に、
ROMPは、以下の方式でATRP開始剤として機能する末端基を備えたテレケ
リックポリマーを合成するために使用される。
【0025】
【化24】 ここで、nは整数である。
【0026】
【化25】 はシクロアルケンである。 Z−Y=Y−Zは連鎖移動剤であり、ZはATRP開始剤として機能する末端基
であり、−Y=Y−はアルケニル基である。
【0027】
【化26】 は、生じるテレケリックポリマーである。 ROMP反応の後には、以下の方式でROMPテレケリックポリマー生成物を
さらに重合するATRP反応が続く。
【0028】
【化27】 ここで、mは整数である。
【0029】
【化28】 は、アルケンである。
【0030】
【化29】 は、生じるABA型コポリマーである。 同様に、ジブロックコポリマーはZ基のうちの1つをATRP開始剤として作
用しないZ' に置換することにより、合成することが可能である。一般的に、R
OMPは、以下の方式でATRP開始剤として機能する末端基を1つだけ備えた
テレケリックポリマーを合成するために使用される。
【0031】
【化30】 ここで、nは整数である。
【0032】
【化31】 は、シクロアルケンである。 Z−Y=Y−Z' は連鎖移動剤であり、ZはATRP開始剤として機能する末端
基であり、−Y=Y−はアルケニル基である。
【0033】
【化32】 は、生じるテレケリックポリマーである。 ROMP反応の後には、以下の方式でROMPテレケリックポリマー生成物を
さらに重合するATRP反応が続く。
【0034】
【化33】 ここで、mは整数である。
【0035】
【化34】 は、アルケンである。
【化35】 は、生じるジブロックコポリマーである。
【0036】 これらの場合において、Z' はATRP開始剤として機能しないあらゆる基で
あることが可能である。例えば、Z' は、水素、又はC1〜C20アルキル、C2
20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート
、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオ
キシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチ
オ、C1〜C20アルキルスルホニル、及びC1〜C20アルキルスルフィニルの置換
基のうちの1つからなるグループから選択される部分であることが可能である。
随意に、置換基は、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、及びアリールから
選択される1つ以上の基により置換されていてもよい。置換基のアリール基がフ
ェニル基である場合、それはさらにハロゲン、C1〜C5アルキル、又はC1〜C5 アルコキシから選択される1つ以上の基により置換されていてもよい。Z' はさ
らに1つ以上の官能基を含んでいてもよい。適切な官能基の例には、ヒドロキシ
ル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミ
ン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソ
シアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲン
が含まれるが、これらに限定されない。このアプローチに関するさらなる検討は
、その内容が本明細書において援用される、Bielawski, C.W.; Morita, T.; Gru
bbs, R.H. Macromolecules 2000, 33, 678にある。
【0037】ROMP開始剤 一般的に、本発明の実施に使用されてもよい開始剤(又は触媒)は、酸化状態
+2であり、電子数16を有し、5配位であるルテニウム又はオスミウム金属中
心を有するルテニウム、又はオスミウムカルベン錯体である。より詳細には、開
始剤は、化学式
【化36】 を有する。
【0038】 ここで、Mはルテニウム又はオスミウムである。 X、X1は、それぞれ独立した任意のアニオン性配位子である。 L、L1は、任意の中性電子供与配位子である。 R、R1は、それぞれ水素、又は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル
、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20
ルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリール
オキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20
アルキルスルホニル、及びC1〜C20アルキルスルフィニルの置換基のうちの1
つである。置換基は、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ及びアリールから
選択される1つ以上の基により随意に置換される。置換基のアリール基がフェニ
ル基であるときは、ハロゲン、C1〜C5アルキル、又はC1〜C5アルコキシから
選択される1つ以上の基によりさらに置換されていてもよい。さらに、開始剤は
、さらに1つ以上の官能基を有していてもよい。適切な官能基の例には、ヒドロ
キシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、
アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、
イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロ
ゲンが含まれるが、これらに限定されない。
【0039】 これらのルテニウムやオスミウムのカルベン錯体は、本明細書においてその全
体が援用される、米国特許第5,312,940号、第5,342,909号、
第5,710,298号、及び第5,831,108号、並びに国際特許出願公
開第WO98/21214号に記載されている。
【0040】 これらの触媒の好適な実施形態において、R置換基は水素であり、R1置換基
は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、及びアリールからなるグループ
から選択される。さらに好適な実施形態において、R1置換基はフェニル又はビ
ニルであり、随意にC1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、フェニル、及び官
能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換されてい
る。特に好適な実施形態において、R1は、クロライド、ブロマイド、イオジド
、フルオリド、−NO2、−NMe2、メチル、メトキシ、及びフェニルからなる
グループから選択される1つ以上の部分により置換されたフェニル基又はビニル
基である。最適な実施形態において、R1置換基はフェニル基である。
【0041】 これらの触媒の好適な実施形態において、L、L1は、ホスフィン、スルホン
化ホスフィン、亜リン酸塩、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビ
ン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロ
シル、ピリジン、及びチオエーテルからなるグループからそれぞれ独立に選択さ
れる。さらに好適な実施形態において、L、L1は、それぞれPR345の化学
式を有するホスフィンであり、ここでR3、R4、R5はそれぞれ独立してアリー
ル、又はC1〜C10アルキル、特に第1級アルキル、第2級アルキル、又はシク
ロアルキルである。最適な実施形態において、L、L1配位子は、−P(シクロ
ヘキシル)3、−P(シクロペンチル)3、−P(イソプロピル)3、及び−P(
フェニル)3からなるグループからそれぞれ選択される。
【0042】 これらの触媒の好適な実施形態において、X、X1はそれぞれ独立した水素、
ハライド、又は、C1〜C20アルキル、アリール、C1〜C20アルコキシド、アリ
ールオキシド、C3〜C20アルキルジケトネート、アリールジケトネート、C1
20カルボキシレート、アリールスルホネート、C1〜C20アルキルスルホネー
ト、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニル、又はC1〜C20
ルキルスルフィニルのグループのうちの1つである。X、X1は、C1〜C10アル
キル、C1〜C10アルコキシ、及びアリールからなるグループから選択される1
つ以上の部分により随意に置換され、さらにこれらはハロゲン、C1〜C5アルキ
ル、C1〜C5アルコキシ、及びフェニルから選択される1つ以上の基により置換
されていてもよい。さらに望ましい実施形態において、X、X1は、ハライド、
ベンゾエート、C1〜C5カルボキシレート、C1〜C5アルキル、フェノキシ、C 1 〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、アリール、及びC1〜C5アルキルス
ルホネートである。さらに望ましい実施形態において、X、X1はそれぞれ、ハ
ライド、CF3CO2、CH3CO2、CFH2CO2、(CH33CO、(CF32 (CH3)CO、(CF3)(CH32CO、PhO、MeO、EtO、トシレー
ト、メシレート、トリフルオロメタンスルホネートである。最適な実施形態にお
いて、X、X1はそれぞれ、クロライドである。 本発明の実施において最も望ましい開始剤は、上記されるように、Mはルテニ
ウムであり、X、X1は両方ともクロライドであり、L、L1の配位子は両方とも
−P(シクロヘキシル)3であり、Rは水素であり、R1は、フェニル、(−CH
=Ph2)、又は(CH=C(CH32))のいずれかである。
【0043】 上記の開始剤/触媒は、ヒドロキシル、チオール、ケトン、アルデヒド、エス
テル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド
、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、及びハ
ロゲンを含む様々な官能基の存在下において安定である。このため、下記の反応
の出発原料、及び生成物は、触媒を汚染することなく、これらの官能基の1つ以
上を含んでいてもよい。さらに、開始剤は、芳香族炭化水素、塩化炭化水素、エ
ーテル、脂肪族炭化水素、アルコール、水、又はこれらの混合物を含む、水溶液
、有機溶媒、或いはプロトン性溶媒の存在下において安定である。
【0044】ROMPシクロアルケン 開環メタセシス重合(「ROMP」)反応に関与することが可能であるあらゆ
るシクロアルケン(環状オレフィンともいう)を使用してよい。本発明の開始剤
の一般的に高いメタセシス活性のために、シクロアルケンはひずみを有していて
も、有していなくてもよい。さらに、シクロアルケンは、置換されていても、置
換されていなくてもよく、それぞれの置換基が置換され、又は置換されていない
1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、
1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキ
シ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボ
ニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニル、及びC1〜C20
アルキルスルフィニルからなるグループから選択される1つ以上の置換基を有し
ていてもよい。
【0045】 置換基は、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、及びアリールからなる
グループから選択される、1つ以上の置換され、又は置換されていない基により
随意に置換される。この部分はさらに、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5 アルコキシからなるグループから選択される1つ以上の基により置換されていて
もよい。さらに、置換基は、ヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、
アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン
酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボア
ルコキシ、カーバメート及びハロゲンからなるグループから選択される部分によ
り官能化されていてもよい。
【0046】 適切なシクロアルケンの例示には、ノルボルネン、ノルボルナジエン、シクロ
ペンテン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、7−オキサノルボルネン、
7−オキサノルボルナジエン、シクロドセン、1,3−シクロオクタジエン、1
,5−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘプタジエン、及びこれらの誘導体
が含まれるが、これらに限定されない。好適な実施形態において、シクロアルケ
ンはシクロアルカジエンである。さらに好適な実施形態において、シクロアルケ
ンは、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、1,3−シクロオクタジエン
、1,5−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘプタジエン、及びこれらの誘
導体からなるグループから選択される。シクロアルケンとして1,5−シクロオ
クタジエンを使用することが最も望ましい。
【0047】ROMP連鎖移動剤 連鎖移動剤(「CTA」)は一般式Z−Y=Y−Zを有し、ここで−Y=Y−
は、アルケニルであり、Zは、ATRP開始剤として機能することが可能である
あらゆる末端基である。望ましい実施形態において、−Y=Y−は、C2〜C20
アルケンであり、Zは、クロライド、ブロマイド、アリルクロライド、アリルブ
ロマイド、2−クロロイソブチレート、2−ブロモイソブチレート、2−クロロ
プロピオネート、2−ブロモプロピオネート、2−クロロアセテート、2−ブロ
モアセテート、o−,m−,又はp−ベンジルクロライド、o−,m−,又はp
−ベンジルブロマイド、o−,m−,又はp−C1〜C20アルキルベンジルクロ
ライド、o−,m−,又はp−C1〜C20アルキルベンジルブロマイド、p−ト
ルエンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホニルブロマイド、トリクロロ
メチル、トリブロモメチル、ジクロロメチル、及びジブロモメチルのいずれかで
ある。本発明において使用してもよいいくつかのアリール、ニトリル、及びハロ
ゲン化された関連する開始剤もある。例えば、その内容が本明細書において援用
される、マジャセブスキへの米国特許第5,945,491号、第5,910,
549号、第5,807,937号、第5,789,487号、及び第5,76
3,548号において検討されているいくつかのATRP開始剤を、本発明に従
って使用してもよい。ATRP開始剤は、本明細書において援用される、Matyja
szewski, Ed; Controlled Radical Polymerization, ACS Symposium Series #6
85, American Chemical Society, Washington D.C. 1998 にも列挙されている。
さらに好適な実施形態において、Z−Y=Y−Zは、1,4−ジクロロ−cis
−2ブテン、bis(2−ブロモイソブチレート)、又はbis(2−ブロモプ
ロピオネート)である。
【0048】ATRP有機金属触媒 本発明の実施において、あらゆる適切な有機金属触媒を使用してよい。有機金
属触媒は、MXpqの一般式を有することが望ましく、ここで、Mは、ルテニウ
ム、銅、鉄、又はニッケルであり、Xは、ブロマイド、又はクロライドであり、
Lは、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、亜リン酸塩、ホスフィナイト、ホス
ホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキ
シド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、及びチオエーテルからなるグルー
プから選択され、p、及びqは整数である。さらに、Lは、PR345の化学
式を有するホスフィンであり、ここでR3、R4、R5はそれぞれ独立してアリー
ル、又はC1〜C10アルキル、より詳細には、第1級アルキル、第2級アルキル
、又はシクロアルキルである。例えば、Lは、−P(シクロヘキシル)3、−P
(シクロペンチル)3、−P(イソプロピル)3、及び−P(フェニル)3からな
るグループから選択されてもよい。
【0049】 適切な触媒の例には、CuCl/bipy、CuBr/bipy、CuCl/
4−4' −di−n−ヘプチル−2,2' −ビピリジン、CuBr/4−4' −
di−n−ヘプチル−2,2' −ビピリジン、FeCl2(PPh33、RuC
2(PPh33、NiBr2(PPh32、NiBr2(Pn−Bu32、Fe
Br2(Pn−Bu32、RuBr2(Pn−Bu32が含まれるが、これらに限
定されない。他の望ましい例には、CuCl/tris[(2−ジメチルアミノ
)エチル]アミン、CuBr/tris[(2−ジメチルアミノ)エチル]アミ
ン、CuCl/1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8−テトラシクロテ
トラデカン、CuBr/1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8−テトラ
シクロテトラデカン、CuCl/N,N−bis(2−ピリジルメチル)オクチ
ルアミン、CuBr/N,N−bis(2−ピリジルメチル)オクチルアミン、
CuCl/tris[(2−ピリジル)メチル]アミン、CuBr/tris[
(2−ピリジル)メチル]アミン、CuCl/N,N,N' ,N' ,N' −ペン
タメチルジエチレントリアミン、CuBr/N,N,N' ,N' ,N' −ペンタ
メチルジエチレントリアミン、CuCl/1,1,4,7,10,10−ヘキサ
メチルトリエチレンテトラアミン、CuBr/1,1,4,7,10,10−ヘ
キサメチルトリエチレンテトラアミン、CuCl/テトラメチルエチレンジアミ
ン、及びCuBr/テトラメチルエチレンジアミンが含まれるが、これらに限定
されない。本発明により使用されてもよい他の触媒は、本明細書においてその内
容が援用される、Macromolecules, 1998, 31, 5958-5959; Mircea and Matyjasz
ewski , Macromolecules, 2000; Macromolecules, 1999, 32, 2434-2437 に見ら
れる。CuCl/bipy、或いはCuCl/4−4’−di−n−ヘプチル−
2,2’−ビピリジンの使用は、予測可能な分子量、及び低い多分散を有するト
リブロック、及びジブロックポリマーが一貫して合成されたため特に望ましい。
【0050】ROMP及びATRPの双方に使用される金属カルベンメタセシス触媒 本発明の他の実施形態は、追加のATRP有機金属触媒を使用することがない
トリブロックコポリマーの合成を提供する。換言すると、上記のタンデムROM
P/ATRPアプローチが続けられても、さらなるATRP有機金属触媒は使用
されない。最近、ROMPに有効な触媒が、ATRPにも有効であることが示さ
れた。このため、ROMP反応の終了の時点で、ATRPを開始するためのさら
なる触媒は添加されない。
【0051】 エチルビニルエーテルは、ROMP反応の停止において有用な試薬であること
が示された。ビニルエーテルがROMPを停止するべく添加された後ATRPに
おいて使用するように形成されたROMP触媒が特に望ましい。下記の例におい
て、エチルビニルエーテルは、金属カルベン開始剤(又はこれらのあらゆる誘導
体、ここでRは水素、R1はフェニル、又は任意のポリマー鎖である)と反応し
、新しい金属種(R2は―OEtである)を生成する。新しい化学種はROMP
において不活性である一方、ATRPにおいては活性である。従って、上記のト
リブロックコポリマーの合成においては、ROMP反応中の所定のポイントで、
ROMP反応を停止するべくエチルビニルエーテルを添加可能である。ATRP
モノマーが添加されると、ATRPが開始され、この新しい化学種により触媒作
用が及ぼされる。
【化37】
【0052】 ATRP触媒としてメタセシス触媒を使用することに関する一層の検討は、例
えば、本明細書においてその全体が援用される、Simal, F.; Demonceau, A.; No
els A.F. Tetrahedon Lett. 1999, 40, 5689、及びSimal, F.; Demonceau, A.;
Noels A.F. Angew Chem 1999, 38, 538 に見られる。
【0053】ATRPモノマー ATRPモノマーである、
【化38】 は、任意の適切なアルケン(オレフィンとも呼ばれる)であってもよく、ここで
、R' はアリール、ニトリル、又はC1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、及
びアリールのような1つ以上の置換基により随意に置換されたC1〜C20カルボ
キシレートである。置換基のアリールがフェニルであるときは、これはさらにハ
ロゲン、C1〜C5アルキル、又はC1〜C5アルコキシから選択される1つ以上の
基により置換されていてもよい。さらに、ATRPモノマーは、さらに1つ以上
の官能基を有していてもよい。適切な官能基の例には、ヒドロキシル、チオール
、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、
アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、
カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート及びハロゲンが含まれるが、
これらに限定されない。適切なモノマーの例には、スチレン、メチルメタクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、アクリロニトリル、4−ビニルピリジン、及びグリシジルアクリレー
トが含まれる。ATRP重合が典型的には構造上より硬質なポリマー部分を合成
するために使用されるため、スチレン、メチルメタクリレート、及びアクリロニ
トリルのようなモノマーの使用が、一般的に望ましい。
【0054】 本発明の使用は、一般的に、
【化39】 の一般式を有するABA型トリブロックコポリマーを生じる。ここでn、m、R
' 、Zは、既に定義されている通りである。本発明の合成方法は驚異的な活性を
有し、典型的にはワンポット法により合成されてもよい。ポリメチルメタクリレ
ート−b−ポリブタジエン−b−ポリメチルメタクリレートのようなコポリマー
さえ、容易に合成される。スキーム5は、本発明の方法の好適な実施形態を示す
【0055】 (スキーム5)
【0056】
【化40】 他の驚異的であり、予期しなかった結果において、コポリマーのB部分用の、
本発明の合成方法は、主に線状ポリマーを生じる。例えば、シクロオクタジエン
がROMPシクロアルケンである場合、完全な1,4−PBDミクロ構造が観察
される。従来の方法においては必ず生じる1,2−PBD構造がないため、本発
明の使用は、実質的により均一な特性を有するコポリマーを生じる。換言すると
、SBSやMBMのような公知のトリブロックコポリマーの合成でさえ、生じる
生成物のPDB部分の1,2PBD構造を仮想的に排除することにより「新しい
」ポリマーを生じる可能性がある。
【0057】 発明を明確にするため、特に好適な実施形態を参照して、発明の特定の詳細が
示される。しかし、これらの実施形態、及び添付された実験のプロトコルは、例
示のみの目的におけるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0058】 アリルクロライドでエンドキャップしたテレケリックポリブタジエンの合成、及
び研究 スキーム6に示されるように、市場より入手可能なCTA1,4−ジクロロ−
cis−2−ブテン1の存在下におけるCODの重合は、bisアリルクロライ
ドにより官能化された、テレケリックPBD2を生じた。
【0059】 (スキーム6)
【化41】
【0060】 開環メタセシス重合が純粋なCODにおいて行われ、ルテニウム触媒3により
開始された。ポリマー収率、分子量、及び多分散に対するCOD/CTA比率、
反応時間、及び温度の影響に関する初期の研究が、表1に要約されている。表1
は、bisアリルクロライドCTA1の存在下における、CODのROMPのた
めの最適化研究の結果を記載する。
【0061】
【表1】
【0062】 Xnの値は、Fn=2.0と仮定して1H NMRにより決定された。Mn(GP
C)は、THFにおいてPS標準に相対的に決定された。%cisは、1H N
MRにより決定される、PBDにおけるcis−オレフィン構造の割合を示す。
その他の点では同一の条件下において、25℃での反応は、40℃において得ら
れたものと有意な差がないポリマーを与えた。さらに、反応時間が24時間から
48時間に増加された時、差はほとんど見られなかった。単離されたテレケリッ
クポリマーの実験平均分子重量(Mn,gpc)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(
「GPC」)によって決定され、ポリスチレン標準と相対的に報告される。全て
の単離されたポリマーのPDIが約2.0以下である一方、より高いモノマー対
CTA比は、より多分散系の試料を生じた。これは、恐らく反応混合物の増加し
た粘性によるものであり、これがモノマーの、成長ポリマー鎖との反応を遅延さ
せ、又は防止することと予想されている。この問題点の緩和を促進するために、
共溶媒の使用が可能である。
【0063】 注目に値することに、「完全な」1,4−PBDミクロ構造が1H NMRに
よりポリマー主鎖に見つかった。これらの種類の結合が最適なエラストマー特性
を示すため、このことは非常に理想的である。さらに、PBDの中心部は、約6
6%のcisオレフィン構造を示した。1H、13CNMRの双方が、対称的に二
置換されたオレフィンCTAを使用したROMPによって得られた以前の結果に
従って、2.0近傍のFnを裏付ける。
【0064】 テレケリックポリブタジエンマクロ開始剤のATRPによるSBSトリブロック
コポリマーの合成 スキーム7に示されるように、CuBr/bipy(1/3のモル比)の存在
下、130℃、不活性雰囲気中において、スチレンの異種のATRPを開始する
ために、Mn=2400を有するテレケリックPBD2が使用し、SBSトリブ
ロックコポリマーを形成した。
【0065】 (スキーム7)
【化42】
【0066】 モノマー変換は、ジフェニルエーテルを内標準として使用して、ガスクロマト
グラフィー(「GC」)によってモニタされた。7時間後に、反応は室温に冷却
され、テトラヒドロフラン(「THF」)により希薄され、その後、過剰のメタ
ノールに流入されて、白色の固形物を沈降した。分離されたポリマーは、緑色の
残留物(CuII塩類)で汚染されていることがあるが、これはアルミナを固相と
して使用する、フラッシュカラムクロマトグラフィにより容易に除去可能である
【0067】
【表2】 表2は、様々なモノマー/開始剤比における重合の結果を要約する。より詳細
には、表2はマクロ開始剤として2を使用するスチレンのATRPによるSBS
トリブロックコポリマーの合成に関するデータを提供する。反応の一般的な条件
には、Ph2O溶媒、及びN2雰囲気中、130℃、7時間、開始剤/CuBr/
bipyとして1/2/6が含まれる。テレケリックPBDのMWは2400で
あり、PDIは1.59である。開始剤の濃度は50mMである。Mn,theoは、
n=2.0を仮定してモノマー変換に基づいて計算された。Mn,gpcは、THF
中におけるPS標準に相対的に決定された。Mn,nmrは、「相対的」末端基分析
手段を使用して、1H NMRによって決定された。%ConvはGCによって
決定され、収率は単離収率である。エントリ5については、反応はバルクスチレ
ン中で行われる。実験上、及び理論上の分子量(下記を参照)の間の良好な一致
は、テレケリックPBDが効率的なATRP開始剤であり、重合が充分にコント
ロールされていることを示す。バルクスチレン中において行われた重合のみが、
ゲル状の反応からの速度論的効果によると推定される、平均値以上(約1.4)
のPDIを与えた。
【0068】 タンデムROMP−ATRPアプローチは、多様な大きさの中心PBDブロッ
クを有するSBSトリブロックコポリマーを生成するためにも使用された。結果
は表3に要約されている。
【0069】
【表3】 反応の一般的な条件には、Ph2O溶媒、及びN2雰囲気中、130℃、開始剤
/CuBr/bipyとして1/2/6が含まれる。[スチレン]0/[ini
t]0の比率は80である。Mn,theoは、Fn=2.0を仮定したモノマー変換に
基づいて計算された。Mn,gpcは、THF中におけるPS標準に相対的に決定さ
れた。Mn,nmrは、「相対的」末端基分析手段を使用して、1H NMRによって
決定された。%ConvはGCによって決定された。SBSトリブロックコポリ
マーの多分散は、マクロ開始剤の長さに従って増加し、2.0未満のFnを有す
るテレケリックPBDを使用する結果である可能性がある。グラッブス(Gru
bbs)、及びヒルムヤー(Hillmyer)は、より高い分子量のテレケリ
ックPBDを合成する場合には、Fnに対する触媒の否定的な寄与を減少させる
べく、モノマー対触媒比をこれに従って増加させなければならないことを示した
。この結果、本研究のテレケリックPBDは全て、モノマー対触媒比2000に
おいて合成された。
【0070】 PBDの高分子量の性質は、エントリ2、3(表3)の1H NMRによる正
確な定量を妨げるが、これらの理論的なFnは、それぞれ1.95、1.90と
計算されている。そのため、ポリマー鎖の5〜10%はジブロックである可能性
がある。比較すると、エントリ1(表3)は、1.99の理論的Fnを有するた
め、ポリマー鎖の1%未満がジブロックである。より長い反応時間は、SBSト
リブロックの比較的大きなPDIの別の理由である可能性がある。より高分子の
PBDを溶解するために要した比較的多量の溶媒により反応速度が低減されたた
め、副反応(例えば、脱離反応や停止反応)を起こすためにより多くの時間が費
やされる。
【0071】 Mn,gpc値は、モノマー変換に基づいて、かつ各マクロ開始剤の鎖が2つのア
リルクロライド末端基を含んでいたという仮定のもとに計算された理論上の分子
量(「Mn,theo」)と一致する。GPC測定は、分子量分布が1つの頂点を有し
、出発マクロ開始剤に起因する信号が検出されないことも示した。出発テレケリ
ックPBD2、及びSBSトリブロックコポリマーの典型的なGPCクロマトグ
ラムが、図2に示される。図2は、PBD2により開始されたスチレンのATR
Pにより生成された、テレケリックPBD2、及びSBSトリブロックコポリマ
ーの典型的なGPCトレースを示す。図2において、実線は、Mn10300、
及びPDI1.45を有するSBSトリブロックコポリマーのクロマトグラムを
示し、点線は、Mn2900、及びPDI1.63を有するテレケリックポリブ
タジエン2のクロマトグラムを示す。
【0072】 SBSトリブロックコポリマーは、1H NMR分光法も使用して試験された
。テレケリックマクロ開始剤(下側)、及びタンデムROMP−ATRPアプロ
ーチによって合成されたSBSトリブロックコポリマー(上側)の1H NMR
スペクトルの比較が、図3に示されている。MBMトリブロックのPBD主鎖の
試験により、テレケリックPBDに対するcisオレフィン含有量に変化がなく
、1,4−PBD結合のみが検出されたことが明らかになった。それぞれPBD
2のcis、及びtransアリルクロライド末端基に起因する4.03、4.
09ppmにおける2つの信号が、末端基分析によって分子量を決定するために
使用された。これらの信号は、スチレンのATRPにおいて消滅する。末端ベン
ジルクロライド基からの新しい信号は4.55ppmにおいて形成されるが、小
さすぎるので、SBSの分子量を正確に決定することが可能でない。図3に見ら
れるように、アリルクロライド末端基が全て開始すると仮定すると、PSのアリ
ール基からのプロトン共鳴のオレフィンの信号に対する合成は、トリブロックコ
ポリマーに組み入れられたスチレンの量についての情報を提供する。この方法に
より、Mn,theoとMn,nmrとの間の良好な一致が得られる。
【0073】 GPC、又は1H NMRによっては、同一分子量のジブロック、及びトリブ
ロックコポリマーを差別化することが不可能なため、ブロック構成を決定するた
めに、中心PBDブロックの開裂に基づく方法が使用された。このため、SBS
トリブロックコポリマー(エントリ3、表2、MW=12300)のPBD分解
は、4950の分子量を有するPSを生じるはずである。しかし、分離されたP
Sの分子量が予想したものよりも2倍高い場合、SBジブロック構造を想定しな
ければならない。OsO4/H22によるSBSのPBDコアの分解は、Mn,gpc =4900(PDI=1.23)を有するPSを生じた。1H NMRスペクト
ルにおいてPBDは観察されず、分解が完全であったことを示している。従って
、この結果は、タンデムROMP/ATRPアプローチを使用して合成されたS
BSのポリマーの構造は、確かに本質的にトリブロックであることに対する直接
的な証拠を提供する。
【0074】混合ハロゲン触媒系 マジャセブスキ、及び共働者は、混合ハロゲン系(開始剤、及び有機金属錯体
が異なるハロゲンを含むもの)が、Mn,theoと実験上の分子量との間のより良好
な一致、及びより低いPDIを提供可能であることを最近報告している。増加し
た制御の根拠は熱力学的なものである。ATRPは、ハロゲン化銅(II)の結
合エネルギーと炭素ハロゲン化物の結合エネルギーとの間の相対関係に支配され
る平衡反応プロセスである。臭化銅(II)の結合は塩化銅(II)の結合より
弱いため、CuBrを触媒として使用する場合は、より速い非活性化速度により
、より低いPDIが観測されるはずである。
【0075】 混合ハロゲン系が上記の実験においてより低くPDIを提供するか否かを決定
するために、いくつかのSBSトリブロックコポリマーが、CuCl、及びCu
Brの両方を使用して合成された。表4は、混合ハロゲン系、及び単一ハロゲン
系の間の重合結果の比較を示す。
【0076】
【表4】 反応の一般的な条件には、Ph2O溶媒、及びN2雰囲気中、130℃、7時間
、開始剤/CuBr/bipyとして1/2/6が含まれる。テレケリックPB
DのMWは2400であり、PDIは1.59である。開始剤の濃度は50mM
である。Mn,theoは、Fn=2.0を仮定してモノマー変換に基づいて計算され
た。Mn,secは、THF中においてPS標準に相対的に決定された。%Conv
はGCにより決定された。CuBrを使用する反応は若干遅い速度(下記を参照
)において重合し、これは増加した非活性速度を示すものである。しかし、2つ
の金属の系の間において、多分散の有意な差は見出されなかった。このため、こ
れらの結果は、これらの反応において、混合ハロゲン系が類似する単一ハロゲン
系に対して実質的な長所を有しないことを示唆する。換言すると、CuClを触
媒として、類似する臭化物ベースのマクロ開始剤を使用するスチレンのATRP
は、ハロゲン交換を介する重合の制御に代替のルートを提供する。
【0077】スチレンのATRP反応速度論 比較のため、CuBr、及びCuClを触媒とした、テレケリックPBDマク
ロ開始剤2を使用するスチレンのATRPの速度が、ガスクロマトグラフィー、
及びGPCを使用してモニタされた。人為的にPDIを狭めることとなるような
、単離の間におけるポリマー試料のあらゆる分解を回避するため、重合からの部
分標本があらゆる金属塩を除去するべくアルミナの短いカラムによって溶離され
たTHFにより希釈され、その後、GPCに直接注入された。
【0078】 図4は、CuCl bipy触媒系の存在下において、テレケリックPBDマ
クロ開始剤(MW2400)からのスチレン重合の反応速度のデータを示す。よ
り詳細には、図4は、CuBr及びCuCl触媒を使用し、2により開始された
、130℃におけるスチレンのATRPの反応速度を示す。開始剤の濃度は50
mM、[CuX]0は100mM、[bipy]0は300mM、[スチレン]0
は4Mであった。反応は、Ph2O溶媒の存在下において行われた。時間に対す
るln([M]0/[M])の直線的な片対数プロットは、7.3×10-3-1
min-1の擬一次速度定数を与え、成長ラジカルの濃度が一定であることを示す
。CuBrにおける、時間に対するln([M]0/[M])の片対数プロット
は、幾分のハロゲン交換に起因している可能性がある、低い変換における多少の
湾曲がある。しかし、マジャセブスキの開始剤としてアリルクロライドを使用す
るスチレンのATRPにおける4.5×10-3-1min-1の結果に一致する、
4.4×10-3-1min-1の擬一次速度定数が得られた。CuClより遅いC
uBr系の重合速度は、上記において結論付けたより速い非活性速度を裏付ける
【0079】 さらに、Mn,gpcは、CuCl、及びCuBr金属系の双方において、モノマ
ー変換に伴って直線的に増加し、Mn,theoと厳密に一致する。図5a,5bには
、CuBr、CuCl触媒を使用して、2により開始されたスチレンのATRP
におけるモノマー変換の、分子量、及びPDIに対する依存性を示す。開始剤の
濃度は50mM、[CuX]0は100mM、[bipy]0は300mM、[ス
チレン]0は4Mであった。反応は、Ph2O溶媒の存在下において行われた。実
験上、及び理論上のデータの間における若干の相違は、SBSトリブロックと、
GPCのキャリブレーションに使用されたPS標準との間の流体力学的体積にお
ける差と関係している可能性がある。この結果は、テレケリックPBD2が有効
な開始剤であり、重合の間に活性鎖の数量が一定のままであることに対する追加
の証拠を提供する。
【0080】多分散の制御:触媒の溶解度、及び温度による影響 マジャセブスキ、及びその共働者は、ATRPを使用して得られたポリマーの
多分散は、媒介となる金属の溶解度に強く影響されることを示した。長鎖、又は
分岐したアルキル側鎖を有する配位子の使用は、金属錯体を完全に溶解し、著し
く低いPDI(1.05)を有するポリマーを生じることがわかった。可溶の銅
触媒が、生じたSBSトリブロックコポリマーのPDIを減少させるか否かを決
定するため、公知のビピリジン誘導体である、4−4' −di−n−ヘプチル−
2,2' −ビピリジン(「dHbipy」)4が使用された。
【化43】
【0081】 予期した通りに、配位子4を有する銅錯体は、bipyを有する錯体よりも溶
解性が高かった。エントリ3(表2)と同一の条件下における配位子4を使用す
るスチレンのATRPは、比較的低いPDI(1.45に対して1.25、表5
)を有するSBSトリブロックを生成する。この低いPDIは、アニオンにより
生成されたSBSに対して競争力を有する。
【0082】 表5は、SBSの多分散に対する配位子温度の影響を示す。
【表5】
【0083】 反応の一般的な条件には、Ph2O溶媒、及びN2雰囲気中、7時間、開始剤/
CuBr/配位子として1/2/6が含まれる。テレケリックPBDのMWは2
400であり、PDIは1.59である。開始剤の濃度は50mMである。Mn, theo は、Fn=2.0を仮定してモノマー変換に基づいて計算された。Mn,gpc
、THF中におけるPS標準に相対的に決定された。%ConvはGCにより決
定された。エントリ1は、表2、エントリ3のデータから得られた。
【0084】 より低い反応温度の使用により、停止反応、或いはハライドの脱離反応のよう
な副反応を最小限にすることが可能である。110℃におけるマクロ開始剤2を
備えたスチレンのATRPは、PDIを1.45から1.36まで低下させた。
しかし、反応は相当に遅くなり、7時間後に71%のみの変換を達成した。比較
において、130℃における類似した重合は、たった2時間後に同様の変換に到
達し、PDI=1.31を有するポリマーを与える。従って、これらの重合を低
温で実行することには、利点はあるようには見られない。
【0085】SBSトリブロックコポリマーのワンポット合成 SBSトリブロックコポリマーのタンデムROMP−ATRPアプローチをワ
ンポットプロセスに拡張する能力は、以下の実験によって実証された。テレケリ
ックPBDが上記(エントリ3、表2)のように、シュレンクフラスコ内に作製
され、24時間後に75%の収率において分子量2400のポリマーを生成する
ものと推定される。エチルビニルエーテルにより重合を停止した後、あらゆる残
留モノマー、CTA、反応停止剤、及び低分子量環状オレフィンを除去するべく
、ポリマーは動的な高真空の下に放置された。その後、フラスコは不活性雰囲気
中に置かれ、適切な量のCuBr、bipy、スチレン、及びジフェニルエーテ
ルが加えられた。130℃で7時間の後に、上記の2段階の方法により生成され
たSBSと同様なMW、及びPDIを有するSBSトリブロックコポリマーが得
られた。表6は、SBSトリブロックコポリマーのワンポット合成のデータを提
供する。ワンポット、或いは2ポットとは、合成の間に使用された反応容器の総
数をいう。
【表6】
【0086】 反応の一般的な条件には、Ph2O溶媒、及びN2雰囲気中、130℃、7時間
、開始剤/Cu0若しくはCuBr/bipyとして1/2/6が含まれる。テ
レケリックPBDのMWは2400であり、PDIは1.59(エントリ2〜4
においては推定)である。開始剤の濃度は約50mMである。Mn,theoは、Fn
=2.0を仮定してモノマー変換に基づいて計算された。Mn,secは、THF中
におけるPS標準に相対的に決定された。%ConvはGCにより決定された。
エントリ1は、表2、エントリ3のデータから得られた。エントリ2,3のデー
タは、不純物を除去するための、PBD重合の停止後に適用された高真空の条件
下で得られた。エントリ4の合成の間には、どのポイントにおいても真空にされ
なかった。ラジカル重合は、酸素が有機フリーラジカル、及び/又は触媒と反応
することを防止するため、一般的には酸素が無い環境において行われる必要があ
る。しかし、マジャセブスキは、Cu(I)ハロゲン化物塩の代わりにCu0
少量のCu(II)と組み合わせて)が使用される場合には、大気雰囲気下の閉
じた系において、ATRPを生じさせることが可能であることを最近示した。ス
キーム8に示されるように、銅(0)の粉末は、溶液中、及び溶液の上方のヘッ
ドスペースの偶発的な酸素の有効な除去を含む動的平衡により、Cu(II)を
活性のCu(I)触媒に再利用する。
【0087】 (スキーム8)
【化44】
【0088】 特に、このプロセスは、4−tert−ブチルカテコール(「BHT」)や、
ヒドロキノンモノメチルエーテル(「MEHQ」)のような、ラジカルスカベン
ジャを非活性化することもわかった。このことは、精製されてないモノマーや溶
媒を使用するATRPによる明確なポリマーの合成を可能にし、不活性雰囲気を
得るために必要な精巧な技術、及び設備の必要を回避する。
【0089】 単純化されたワンポットの手順によるSBSトリブロックコポリマーの合成は
、以下のように行われた。推定分子量2400を有し、75%の収率のテレケリ
ックPBDが上記のように作製された。エチルビニルエーテルにより反応を停止
した後、適量のフェニルエーテル、スチレン、bipyr、銅の粉末、及びCu
Br2がフラスコに加えられた。全ての試薬は入手した状態で使用され、停止後
には真空にされることはなかった。フラスコに栓がされ、130℃において7時
間、油浴に放置された。表6に示されるように、モノマー変換は、類似する2ポ
ット合成(表2、エントリ3)よりも、恐らくは比較的希薄な条件のために低い
。理論上、及び実験上のMWに良好な一致が見られたが、PDIは比較的大きい
。これは、エチルビニルエーテルの配位による銅の非活性化を反映している可能
性がある。しかし、残留エチルビニルエーテルがスチレンのATRPに必要な試
薬を加える前に除去される、対照実験との有意な差は観察されなかった(表6)
【0090】 2により開始されるMMAのATRPによるMBMトリブロックコポリマーの試
みられた合成 最近、明確なMBMトリブロックコポリマーの合成に相当の関心が向けられて
いる。1,4−PBDミクロ構造の含量が低く、陰気なエラストマー特性を有す
るMBMは、アニオンによってのみ形成可能であると結論付けられていた。本研
究により生成されたSBSトリブロックは完全に1,4−PBDミクロ構造を有
することが示されたため、タンデムROMP−ATRPアプローチによるMBM
トリブロックコポリマーに対する新しいルートがさらに探求された。
【0091】 MMAのATRPのためのマクロ開始剤として、アリルクロライドによりター
ミネートされたテレケリックPBD2を使用するMBMの生成が、時間、温度、
及び触媒濃度のバリエーションを含む、無数の条件の下で試みられた。スキーム
9は、試みられた合成ルートを示す。
【0092】 (スキーム9)
【化45】
【0093】 図6に示されるように、GPCトレースにおいて、2つの頂点を有する分布が
常に見られた。図6は、2を使用するMMAのATRPによって得られたMBM
トリブロックコポリマーの保持容量を示す。低分子量のピークは未反応のマクロ
開始剤の範囲にあり、高分子量のピークがトリブロックとジブロックのコポリマ
ーの混合物に相当することを示唆する。2つの頂点を有することは、恐らく、伝
播に対して比較的遅い開始速度によるものである。このことは、モノマー変換を
伴う低分子量ピーク面積の減少、及び単離されたポリマーの1H NMRスペク
トルの残留アリルクロライドの共鳴の観察により、裏付けされる。
【0094】 低速の開始を示すさらなる証拠は、マクロ開始剤2を使用するMMAのATR
Pに関する反応速度論研究により与えられる。図7は、CuCl、及びCuBr
触媒を使用して、2により開始されたMMAのATRPの反応速度論データを示
す。図示されるように、図7は、130℃におけるCuCl/bipy(1/3
)存在下のテレケリックPBD(MW=2700)を使用した重合反応データを
示す。時間に対するln([M]0/[M])の片対数プロットは、ラジカルの
濃度が非線形であり、擬一次速度定数の偏差を回避したことを示す。実験的分子
量は、モノマー変換に従って増加したが、分子量は定量的な開始に基づく理論的
予測より高かった。
【0095】 触媒としてCuBr/bipyを使用する類似する結果も観察された。2つの
ニッケルベースのATRP触媒、NiBr2(PPh32、及びNiBr2(Pn
Bu32が、銅ベースの系と比較して、大幅に遅い速度でMMAを重合すること
が最近報告された。しかし、2を使用したニッケル触媒によるMMAのATRP
には改良が見られず、2つの頂点を有する分布が相変わらず観察された。
【0096】 2−ブロモプロピオネートによりキャッピングされたテレケリックポリブタジエ
ンの合成、及び研究 2−ブロモイソブチレート、及び2−ブロモプロピオネートの双方は、効率的
なMMAのATRP開始剤であることが示されている。このため、CODのRO
MPにおけるCTAとしてのこれらの能力を検討した。スキーム10に示される
ように、市場より入手可能なcis−2−ブテン1,4−ジオールの、過剰量の
適切な酸臭化物との単純なエステル化は、bis(2−ブロモイソブチレート)
6、及びbis(2−ブロモプロピオネート)8を与えた。
【0097】 (スキーム10)
【化46】
【0098】 6が精製困難であるため、8のみがさらなる研究用に使用された。CTA8の
存在下におけるCODのROMPは、スキーム11に示されるようにbis(2
−ブロモプロピオネート)により官能化されたテレケリックPBD9を生じた。
【0099】 (スキーム11)
【化47】
【0100】 2と同様な方式に重合が行われ、調査された多様な条件についての結果が表7
に要約されている。表7は、bis(2−ブロモプロピオニル)CTA8の存在
下における、CODのROMPの最適化研究の結果を記載する。
【表7】
【0101】 表7に示されるように、Xnは、Fn=2.0を仮定して、1H NMRにより
決定された。Mn(GPC)は、THF中におけるPMMA標準に相対的に決定
された。%cisは、1H NMRにより決定される、PBD中のcis−オレ
フィンの割合を示す。PBD2と類似して、長い反応時間、及び上昇された温度
は重合結果に全く影響しないか、ほとんど影響しなかった。末端基分析を使用し
1H NMRにより決定された分子量は、恐らくはPBDと、キャリブレーシ
ョンに使用されるPMMA標準との間の流体力学的体積の大きな差により、GP
Cにより得られたものよりも相当に低かった。単離されたポリマーのPDIは、
1.5〜2.3の間であった。1H、及び13C NMRは、ポリマー主鎖におい
て1,4−PBD結合のみが存在することを示し、2.0近傍のFnを裏付ける
。さらに、PBDは、ca.66%のcisオレフィン構造を示した。
【0102】 テレケリックマクロ開始剤のATRPによるMBMトリブロックコポリマーの合
成 スキーム12に示されるように、MBMトリブロックコポリマーを生成するた
めの、MMAの異種のATRPのためのマクロ開始剤として、テレケリックPB
D9が使用された。
【0103】 (スキーム12)
【化48】
【0104】 SBSの合成と同様の条件下で重合が行われた。100℃において、2.5時
間後に、反応物を過剰のメタノールに流入して、白色の固形物の即時の沈降を生
じることにより、重合が停止された。表8は、様々なモノマー/開始剤の比率に
おける重合結果を要約する。より詳細には、表8は、テレケリックポリブタジエ
ンにより開始されたMMAのATRPによる、MBMトリブロックコポリマーの
合成の間に得られたデータを提供する。
【0105】
【表8】 反応の一般的な条件には、Ph2O溶媒、及びN2雰囲気中、100℃、2.5
時間、開始剤/CuCl/bipyとして1/2/6が含まれる。テレケリック
PBDのMWは2700であり、PDIは1.49である。開始剤の濃度は25
mMである。Mn,theoは、Fn=2.0を仮定してモノマー変換に基づいて計算
された。Mn,gpcは、THF中におけるPMMA標準に相対的に決定された。Mn ,nmr は、「相対的」末端分析の手順を使用して、1H NMRにより決定された
。%ConvはGCにより決定され、収率は単離収率である。エントリ4につい
ては、反応はバルクMMA中において行われた。GPCトレースは、トリブロッ
クコポリマーのMW分布が1つの頂点を有し、低い(ca. 1.6)ことを示
した。さらに、Mn,gpc及び理論上のMn,theoとの一致は、PMMAセグメント
の長さにより向上された。出発テレケリックPBD、及びMBMトリブロックコ
ポリマーの典型的なGPCクロマトグラムが図8に示される。より詳細には、図
8は、9により開始されたMMAのATRPによって合成された、PBD9、及
びMBMの典型的なSECトレースを示す。実線は、Mn10300、及びPD
I1.54を有するSBSトリブロックコポリマーを示す。点線は、Mn270
0、及びPDI1.63を有するテレケリックPBD9を示す。PBD9の1
NMRスペクトルは、それぞれcis、及びtransアリルエステル末端基
に起因する4.60、4.71ppmにおける2つの信号を示し、これらは、F n =2.0を仮定する末端基分析によって分子量を決定するために使用された。
図9は、テレケリックPBD(上側)、及びタンデムROMP−ATRPによっ
て合成されたMBMトリブロックコポリマー(下側)の1H NMRスペクトル
の比較を示す。MBMトリブロックの1H NMRスペクトルはアリルエステル
の信号が完全に消滅したことを示しているが、新しいブロモメタクリレート末端
基の共鳴(4.23ppm)が辛うじて観測可能である。しかし、分子量データ
は、上記の「相対的」末端基アプローチを使用して得ることが可能である。MB
Mトリブロックコポリマー中のPBDミクロ構造には変化が観測されなかった。
【0106】 様々な他の触媒系がMBMの合成において調査された(表9)。SBSの合成
に効果的であったCuBr/bipy系は、GPCスペクトルに2つの頂点を有
する分布を有するMBMを与えることが判明した。これは、比較的弱い炭素−臭
素結合による速い開始速度及び速い伝播速度を与えるように、アルキルブロマイ
ド開始剤がCuBr金属系と結合することに伴う、ハロゲン交換効果の影響であ
る可能性がある。RBr/CuClの使用による成功は、比較的強い炭素−塩素
結合に起因する。ATRPの平衡反応としての性質により、開始から短時間で、
ほぼ全ての活性ポリマー鎖が塩素原子により非活性化される。より強い炭素−塩
素結合は伝播を徹底的に遅延させ、制御された重合が生じることを可能にする。
さらに、2つのニッケルベースのATRP触媒系である、NiBr2(PPh3 2 、及びNiBr2(PnBu32を使用した結果が表9に要約されている。Cu
Cl/bipy以外の全ての触媒系は、2つの頂点を有するか、或いは多分散の
分布に帰着した。表9は、様々な触媒を使用する、MBMトリブロックコポリマ
ーの合成結果を示す。
【表9】
【0107】 全ての重合に共通の一般的条件には、テレケリックPBDのMWが2700で
あること、PDIが1.6であること、及び[MMA]0/[Init]0が80
であることが含まれる。銅ベースの系においては、Ph2O溶媒、及びN2雰囲気
中において、100℃、2.5時間での開始剤/CuCl/bipyが1/2/
6である。開始剤の濃度は、25mMである。ニッケルベースの系においては、
トルエン溶媒、及びN2雰囲気中において、100℃、18時間での開始剤/A
l(OiPr)3が1/4である。開始剤の濃度は、20mMである。Mn,theo
は、Fn=2.0を仮定してモノマー変換に基づいて計算された。Mn,gpcは、T
HF中におけるPMMA標準に相対的に決定された。%ConvはGCにより決
定された。エントリ2については、37500のMn,gpcエントリは、高いMW
ピークのMpを反映している。2つの頂点を有する分布のため、エントリ2につ
いてはPDIエントリがない。さらに、エントリ3については、Ni/開始剤は
8であり、エントリ4については、Ni/開始剤が1である。
【0108】メチルメタクリレートのATRPの反応速度論 テレケリックPBDマクロ開始剤を使用するMMAのATRPの反応速度論が
、CuCl/bipy触媒系において検討された。図10は、Ph2O中、10
0℃において、CuClによる触媒作用を有し、9により開始されたMMAのA
TRPの反応速度論データを示す。開始剤の濃度は50mM、[CuCl]0
100mM、[bipy]0は300mM、[MMA]0は4Mであった。時間に
対するln([M]0/[M])の線形の片対数プロットは、成長ラジカルの一
定濃度を示し、擬一次速度定数3.5×10-2-1min-1が得られた。図11
は、Ph2O中においてCuCl触媒を使用して、9により開始されたMMAの
ATRPにおけるモノマー変換の、分子量、及びPDIに対する依存性を示す。
開始剤の濃度は50mM、[CuX]0は100mM、[bipy]0は300m
M、[MMA]0は4Mであった。GPCによって決定された実験的分子量は、
CuCl金属系におけるモノマー変換により直線的に増加するが、Mn,theoより
も大きい( 図11) 。多分散は、重合の全体にわたって低い(<1.6)。これ
らの結果は、テレケリックPBDマクロ開始剤9が効率的であり、重合中活性鎖
の数は一定のままであることに対する確固たる証拠を提供する。
【0109】 要約すると、アリルクロライド、及び2−ブロモプロピオニルエステル基によ
り官能化された2つのCTAが合成され、テレケリックPBDを作製するCOD
のROMPにおいて良好に使用された。反応時間、温度、及びモノマー対CTA
比の、重合に対する影響が研究された。生じたポリマーは、主にcis−オレフ
ィン構造を有する1,4−PBDミクロ構造のみを含むことが判明した。
【0110】 bis−(アリルクロライド)テレケリックPBDが、CuCl/bipy、
及びCuBr/bipy触媒系を使用する、スチレンのATRPのためのマクロ
開始剤として良好に使用された。多様なPBD、及びPSブロック長さ、所定の
分子量、及び低い多分散を有するSBSトリブロックコポリマーが得られた。P
BD中心の分解、及び残留PS鎖の試験によりトリブロック構造を確認した。多
分散度は、同種のATRP条件下における、より溶解度の高いビピリジン誘導体
の利用によって効率的に減少可能である。bis−(アリルクロライド)マクロ
開始剤を使用するスチレンのATRPの反応速度論の試験は、擬一次的特性を明
らかにした。
【0111】 bis−(2−ブロモプロピオニルエステル)テレケリックPBDは、MMA
のATRPのための、効率的な開始剤であることが判明した。使用された様々な
金属触媒のうち、CuCl/bipyのみが、予測した分子量、および低い多分
散を有したMBMトリブロックコポリマーを与えることが判明した。重合反応の
速度論が調査され、一次特性を示すことがわかった。
【0112】 様々な明確なSBS、及びMBMトリブロックコポリマーが、タンデムROM
P−ATRPアプローチによって合成された。双方のポリマーは、非常に低レベ
ルのジブロック汚染を含み、PBD主鎖は完全な1,4−ミクロ構造を示す。S
BS、及びMBMのトリブロックを生成するアニオン反応が幾分の1,2−PB
Dミクロ構造を導入するため、本研究により生成されたポリマーは新しいエラス
トマー特性を示す。さらに、このアプローチは従来から使用されているアニオン
法よりも、SBS及びMBMトリブロックを合成するための、より穏やかで、は
るかに容易な方法である。
【0113】 (実験のセクション) (一般的条件) 全ての空気に敏感な操作は、窒素充填されたドライボックスの中、又はアルゴ
ン雰囲気中における標準的シュレンク技術を使用して行われた。アルゴンは、B
ASF R3−11触媒(Chemalog)のカラム、及び4Åのモルキュラ
ーシーブ(Linde)を通過させることにより純化された。NMRスペクトル
は、示された溶媒中において、GE QE−300Plus(300.1MHz
1H、及び75.49MHz 13C)機器を使用して記録された。化学シフト
は、パーツパーミリオン(δ)として記録され、スプリット形状は、一重項をs
、二重項をd、三重項をt、四重項をq、多重項をm、ブロードなものをbrと
示す。結合定数(J)はヘルツ(Hz)で報告される。内標準として、クロロホ
ルム−d(1Hにおいて7.26ppm、13Cにおいて77.0ppm)が使用
された。15m×0.53mm×0.5μmのジェーアンドダブリューサイエン
ティフィック(J&W Scientific,Inc.)のDB−Iジメチル
ポリシロキサンカラムを備え、流速30mL/minのキャリアガスとしてヘリ
ウムを使用するフレームイオン化検知器を備えた、HP−5890 Serie
s IIガスクロマトグラフ装置において、ガスクロマトグラフ(「GC」)が
行われた。アルテックス(Altex)426型ポンプ、100μLの注入ルー
プを有するレオダイン(Rheodyne)7125型インジェクター、2つの
米国ポリマー標準10ミクロン混合ベッドカラム、及び1.0mL/minの流
速を使用するビスコテック(Viscotek)200型微分屈折計/粘度計を
使用するHPLC装置において、ゲル浸透クロマトグラフが得られた。単分散さ
れたポリスチレン(「PS」)、又はポリメチルメタクリレート(「PMMA」
)標準に対して分子量、及び多分散が報告された。イーエムサイエンス(EM
Science)のシリカゲル60(230〜400メッシュ)、又はフルカケ
ミカルカンパニー(Fluka Chemical Company)の塩基性
アルミナゲルを使用するフラッシュクロマトグラフィが行われた。分析的な薄層
クロマトグラフィー(「TLC」)は、KIESELGEL F−254プレコ
ートシリカゲル、或いは中性のアルミナプレート上において実行された。視覚化
は、UV光、及びアニスアルデヒドステインにより達成された。
【0114】 (材料) テトラヒドロフラン(「THF」)、トルエン、及びジクロロメタンは、活性
アルミナを含む溶解精製カラム中を通過させることにより乾燥され、脱気された
。ジフェニルエーテルは、3つの連続した凍結ポンプ融解サイクルによって脱気
された。他の全ての溶媒は試薬のグレードを有し、それ以上の精製なしで使用し
た。シクロオクタジエン(99+%、窒素中において密閉されたもの)は、オル
ドリッチケミカルから購入され、そのまま使用された。スチレン、及びメチルメ
タクリレートは阻害剤除去カラム(オルドリッチ)中を通過させることによって
精製された後、脱気され、−40℃において保存された。1,4−ジクロロ−2
−ブテン(1)はアルミナカラムの中を通過させることにより純化された後、脱
気された。他の全ての試薬は、オルドリッチケミカルから購入され、それ以上の
精製なしで使用された。
【0115】 (cis−2−ブテン−1,4−ジオール bis(2−ブロモ)イソブチレー
ト(6)) cis−2−ブテン−1,4−ジオール(1.50mL、18.2mmol(
1.0等量))は、アルゴン下で300mL丸底フラスコ中のCH2Cl2(10
0mL)に懸濁された。次にフラスコには、2−ブロモイソブチリルブロマイド
(4.50mL、36.4mmol、2.0等量)が10分を超える注入により
加えられ、この間に反応混合物は、黄色の若干濁った状態に変化した。注入によ
るトリエチルアミン(5.05g、36.2mmol、2.0等量)の添加は、
室温において1時間後に溶解した白色の析出物を即時に形成した。生じた黄色味
を帯びた溶液は、1L分留漏斗に流入された後、純水(4×50mL)及び食塩
水( 1×100mL) により洗浄された。有機層は収集され、MgSO4上にお
いて乾燥された。固体のMgをろ過した後、溶液は真空で濃縮され、黄色の油(
5.59g、収率80%)を生じた。化合物はシリカゲル、又はアルミナ上にお
いて不安定であり、フラッシュカラムクロマトグラフによる純化を阻害すること
が判明した。1H NMR(CDCl3)δ5.81(t、J=4.5Hz、2H
)、4.79(d、J=4.8Hz、4H)、1.91(s、12H)であった
【0116】 (cis−2−ブテン−1,4−ジオール bis(2−ブロモ)プロピオネー
ト(8)) アルゴン下における500mL丸底フラスコに、CH2Cl2(150mL)、
cis−2−ブテン−1,4−ジオール(2.0mL、24.3mmol、1.
0等量)、及びトリエチルアミン(10.5mL、75.3mmol、3.1等
量)が入れられた。室温における2−ブロモプロピオニルブロマイド(8.0m
L、76.4 mmol、3.1等量)の滴下は、反応混合物をオレンジ色に変
化させ、若干の温度上昇を生じた。反応は、アルゴン下、室温における15時間
の攪拌のため放置された。その後反応物は1Lの分液漏斗へ注がれ、炭酸水素ナ
トリウムにより飽和された純水(3×100mL)、純水(3×100mL)、
及び食塩水100mLにより洗浄された。有機層は収集され、MgSO4上にお
いて乾燥された。固体のMgをろ過した後、溶液は真空で濃縮され、黄色の油を
生じた。生成物は、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、9:1ヘ
キサン/エチルアセテート(v/v)、Rf=0.10)により精製され、粘性
を有する油として純粋な生成物5.38g(62%)を与えた。1H NMR(
CDCl3)δ5.81(t、J=4.5Hz、2H)、4.79(d、J=4
.8Hz、4H)、1.91(s、12H)であった。
【0117】 (テレケリックポリブタジエンを生成するための一般的手順) 全ての操作は、窒素充填されたドライボックス中で行われた。10mLガラス
瓶には、適量の、1,4−ジクロロ−2−ブテン(1)又はcis−2−ブテン
−1,4−ジオール bis(2−ブロモ)プロピオネート(8)のいずれか一
方、COD、及び撹拌棒が収容された。別のガラス瓶においては、正確な量の開
始剤(3)が秤量され、次に、COD/CTA混合物に加えられ、紫色の溶液を
形成した。その後、ガラス瓶には栓がされ、ドライボックスから除去され、攪拌
のため所望の時間放置され、この時間に過剰のエチルビニルエーテルがガラス瓶
にピペットで移された。反応物は、室温において1時間攪拌された後、MeOH
中で沈降された。その後、MeOHの上澄み液を流し出し、ポリマーはあらゆる
残留CODやCTAを除去するべく、新鮮なMeOHにより洗浄された。生じる
ポリマーは、真空で濃縮された後、1H NMR、13C NMR、及びGPC
により特性が調べられた。
【0118】 (bis(アリルクロライド)により官能化されたテレケリックポリブタジエン
(2)) 5:1のCOD/1比率から得られたポリマーのスペクトルデータは、1
NMR(CDCl3)δ5.39〜5.43(br、83H)、4.09(d、
J=6.9 Hz、1.5H)、4.03(d、6.8Hz、2.5H)、2.
08〜2.04(br、166H)であり、Mn=2400、Xn=21であった
。GPC(ポリスチレン標準に対して)は、Mn=2700、Mw=4200、P
DI=1.59であった。
【0119】 (bis(2−ブロモプロピオネート)により官能化されたテレケリックポリブ
タジエン(9)) 5:1のCOD/8比率から得られたポリマーのスペクトルデータは、1
NMR(CDCl3)δ5.37〜5.41(br、94H)、4.71(d、
4 J=6.8Hz、1.5H)、4.60(d、J=6.7Hz、2.5H)
、4.37(q、6.9Hz、2H)、2.03〜2.05(br、188H)
、1.82(d、J=6.7Hz、6H)、Mn=2700、Xn=23であった
。GPC(ポリメチルメタクリレート標準に対して)は、Mn=5500、Mw
8600、PDI=1.57であった。
【0120】 (スチレン、又はメチルメタクリレートのATRPの一般的手順) 全ての操作は、窒素充填されたドライボックス中で行われた。10mLガラス
瓶には、適量の、マクロ開始剤2又は9のいずれか一方、ジフェニルエーテル、
及びスチレン又はメチルメタクリレートのいずれか一方が収容された。別のガラ
ス瓶においては、正確な量のCuCl又はCuBrが秤量され、ビピリジンが添
加された。両方のガラス瓶の内容物は、予め撹拌棒が収容されたシュレンクフラ
スコに移されて、一般には褐色の混合物を与える。その後、フラスコの栓が密閉
され、アルミホイルで覆われ、ドライボックスから除去された。適温に設定され
た油浴で所望の時間攪拌した後、フラスコは室温に冷却され、大幅に過剰のMe
OHに流入されて、白色のポリマーの沈降を引き起こす。MeOHの上澄み液が
流し出され、ポリマーは、新鮮なMeOHで数回洗浄された後、動的な高真空に
おいて乾燥された。SBSトリブロックコポリマーは、アルミナ(溶離剤として
THFを使用して)の短いカラムに通過させることにより容易に除去可能である
ような、緑色の残留物により汚染されていることがある。生じるポリマーはその
後、真空で濃縮され、高真空において乾燥される。生じるポリマーは、真空で濃
縮された後、1H NMR、13C NMR、及びGPCにより特性が調べられた
。重水素を含んだ溶媒中の残留プロトンによる干渉を回避するために、SBSト
リブロックコポリマーは、溶媒としてCS2の使用を必要とした。このようにし
て溶媒のロックなしでデータが得られ、一般的には、緩和時間の差に関係するあ
らゆる誤差を除去するべく1回の走査のみが行われた。
【0121】 (ポリスチレン−b−ポリブタジエン−b−ポリスチレン(「SBS」)) 80:1スチレン/2比率から得られたSBSトリブロックコポリマーのスペ
クトルデータは、1H NMR(CS2)δ7.13〜6.49(br、7.07
H)、5.48〜5.43(br、1H)、2.16〜2.13(br、2.2
4H)、1.94〜1.45(br、4.24H)、Mn=12300、Xn(ス
チレン)=95であった。GPC(PS標準に対して)は、Mn=10300、
w=14900、PDI=1.45であった。
【0122】 (ポリメチルメタクリレート−b−ポリブタジエン−b−ポリメチルメタクリレ
ート(「MBM」)) 80:1MMA/9比率から得られたMBMトリブロックコポリマーのスペク
トルデータは、1H NMR(CDCl3)δ5.43〜5.37(br、1H)
、3.60(br、2.88H)、1.93〜1.81(br、2H)、1.2
2〜0.84(br、2.88H)、Mn=11500、Xn(メチルメタクリレ
ート)=95であった。GPC(PMMA標準に対して)は、Mn=18100
、Mw=27900、PDI=1.54であった。
【0123】 (PBD分解の手順) 100mL丸底フラスコに、撹拌棒、SBSトリブロックコポリマー(500
mg、1H NMRよりMW12300)、及びo−ジクロロベンゼン(50m
L)が収容された。溶液に対し、H22(30%w/w水溶液、10mL)、及
びOsO4(3.93mMベンゼン溶液、1mL)が添加された。その後、混合
物は90℃の油浴に6時間放置され、この時点においてH2Oが全て蒸発し、無
色の溶液が得られた。反応物は室温に冷却され、過剰のMeOHに注がれて、白
色のポリマーを沈降した。MeOHの上澄み液が流し出され、ポリマーは、新鮮
なMeOHで数回洗浄された後、動的な高真空において乾燥され、ポリスチレン
を228.5mg与えた。GPC(PS標準に対して)は、Mn=4900、Mw =6000、PDI=1.23であった。1H NMRからはPBDが観測され
なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アモルファスPBD鎖の中に分散した、ガラス状PSブロックの
凝集領域を示す、SBSトリブロックコポリマーのミクロ相の特性の概念図。
【図2】 2により開始されたスチレンのATRPにより作製されたテレケ
リックPBD2、及びSBSトリブロックコポリマーの典型的なGPCトレース
【図3】 タンデムROMP−ATRPアプローチにより合成された、テレ
ケリックPBD2、及びSBSトリブロックコポリマーの1H NMRスペクト
ル。
【図4】 130℃におけるスチレンのATRPの反応速度特性を示すグラ
フ。
【図5A】 CuBr及びCuCl触媒を使用して、2により開始されたス
チレンのATRPにおけるモノマー変換の分子量、及びPDI依存性を示すグラ
フ。
【図5B】 CuBr及びCuCl触媒を使用して、2により開始されたス
チレンのATRPにおけるモノマー変換の分子量、及びPDI依存性を示すグラ
フ。
【図6】 2を使用するMMAのATRPにより得られたMBMトリブロッ
クコポリマーの分子量分布を示すグラフ。
【図7】 CuCl、及びCuBr触媒を使用して、2により開始されたM
MAのATRPの反応速度を示すグラフ。
【図8】 9により開始されたMMAのATRPにより合成されたPBD9
、及びMBMの典型的なGPCトレース。
【図9】 タンデムROMP−ATRPアプローチにより合成された、テレ
ケリックPBD9、及びMBMトリブロックコポリマーの1H NMRスペクト
ル。
【図10】 Ph2Oの中で100℃においてCuClの触媒作用を受けて
9により開始されたMMAのATRP反応速度論を示すグラフ。
【図11】 CuCl触媒を使用して、9により開始されたMMAのATR
Pにおけるモノマー変換の分子量、及びPDI依存性を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ビーロースキー、クリストファー アメリカ合衆国 91106 カリフォルニア 州 パサディナ サウス カタリーナ ア ベニュー 348 ナンバー 102 Fターム(参考) 4J026 HA06 HA11 HA19 HA25 HA27 HA32 HA38 HA46 HE02 4J032 CA22 CA25 CA34 CA38 CD02 CE03

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)金属カルベンメタセシス触媒の存在下において、シク
    ロアルケンをZ−Y=Y−Zの化学式を有する連鎖移動剤と接触させてテレケリ
    ックポリマーを形成することと、 (b)ATRP有機金属触媒の存在下において、このテレケリックポリマーを 【化1】 の化学式を有するアルケンと接触させることとを含み、 n及びmは、整数であり、ZはATRP開始剤であり、−Y=Y−はアルケニ
    ル基であり、R' は、アリール、ニトリル、及びC1〜C20カルボキシレートか
    らなるグループから選択され、R' は置換されているか、又は置換されていない
    、 【化2】 の化学式を有するトリブロックコポリマーを生成する方法。
  2. 【請求項2】 前記メタセシス触媒は、 【化3】 の化学式を有し、 Mはルテニウム又はオスミウムであり、 X、及びX1は、同一の、又はそれぞれ異なる任意のアニオン性配位子であり
    、 L、及びL1は、同一の、又はそれぞれ異なる任意の中性電子供与基であり、 R、及びR1は、同一であり、又はそれぞれ異なり、それぞれが独立して、水
    素、又は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、
    アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アル
    ケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコ
    キシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニル、及び
    1〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択される置換基であり
    、この置換基のそれぞれは、置換されているか、又は置換されていない請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記置換基は、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、
    及びアリールからなるグループから選択される1つ以上の置換された、又は置換
    されていない部分により置換されている請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記部分は、ハロゲン、C1〜C5アルキル、及びC1〜C5
    ルコキシからなるグループから選択される1つ以上の基により置換されている請
    求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記置換基は、ヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケ
    トン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カ
    ルボン酸、ジスルフィド、炭酸、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアル
    コキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される部分によ
    り官能化されている請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 Rは水素であり、R1は、C1〜C20アルキル、C2〜C20
    ルケニル、アリール、置換されていないフェニル、置換されたフェニル、置換さ
    れていないビニル、及び置換されたビニルからなるグループから選択され、この
    置換されたフェニル及び置換されたビニルは、C1〜C5アルキル、C1〜C5アル
    コキシ、フェニル、ヒドロキシル、チオール、ケトン、アルデヒド、エステル、
    エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カー
    ボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、及びハロゲン
    からなるグループから選択される1つ以上の基によりそれぞれ独立して置換され
    ている請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 L、L1は、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、亜リン酸
    塩、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、
    アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、及びチ
    オエーテルからなるグループからそれぞれ独立して選択される請求項2に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 L、及びL1は、それぞれPR345の化学式を有するホス
    フィンであり、R3、R4、及びR5は、アリール、及びC1〜C10アルキルからな
    るグループからそれぞれ独立して選択される請求項2に記載の方法。
  9. 【請求項9】 R3、R4、及びR5は、第1級アルキル、第2級アルキル、
    及びシクロアルキルからなるグループからそれぞれ独立して選択される請求項8
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 L、及びL1は、P(シクロヘキシル)3、P(シクロペン
    チル)3、P(イソプロピル)3、及びP(フェニル)3からなるグループからそ
    れぞれ独立して選択される請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 X、X1は、水素、ハロゲン、置換された部分、及び、置
    換されていない部分からなるグループからそれぞれ独立して選択され、この部分
    は、C1〜C20アルキル、アリール、C1〜C20アルコキシド、アリールオキシド
    、C3〜C20アルキルジケトネート、アリールジケトネート、C1〜C20カルボキ
    シレート、アリールスルホネート、C1〜C20アルキルスルホネート、C1〜C20 アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニル、及びC1〜C20アルキルスルフィ
    ニルからなるグループから選択され、これらの部分における置換は、C1〜C10
    アルキル、C1〜C10アルコキシ、及びアリールからなるグループから選択され
    る請求項2に記載の方法。
  12. 【請求項12】 X、X1は、ハライド、ベンゾエート、C1〜C5カルボキ
    シレート、C1〜C5アルキル、フェノキシ、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アル
    キルチオ、アリール、及びC1〜C5アルキルスルホネートからなるグループから
    それぞれ独立して選択される請求項2に記載の方法。
  13. 【請求項13】 X、X1は、ハライド、CF3CO2、CH3CO2、CFH2 CO2、(CH33CO、(CF32(CH3)CO、(CF3)(CH32CO
    、PhO、MeO、EtO、トシレート、メシレート、トリフルオロメタンスル
    ホネートからなるグループからそれぞれ独立して選択される請求項2に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 前記シクロアルケンは、ノルボルネン、ノルボルナジエン
    、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、7−オキサノルボ
    ルネン、7−オキサノルボルナジエン、シクロドセン、1,3−シクロオクタジ
    エン、1,5−シクロオクタジエン、及び1,3−シクロヘプタジエンからなる
    グループから選択され、前記シクロアルケンは置換されているか、又は置換され
    ていない請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記シクロアルケンが1,5−シクロオクタジエンである
    請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 Zは、クロライド、ブロマイド、アリルクロライド、アリ
    ルブロマイド、2−クロロイソブチレート、2−ブロモイソブチレート、2−ク
    ロロプロピオネート、2−ブロモプロピオネート、2−クロロアセテート、2−
    ブロモアセテート、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、C1〜C20アル
    キルベンジルクロライド、C1〜C20アルキルベンジルブロマイド、トルエンス
    ルホニルクロライド、トルエンスルホニルブロマイド、トリクロロメチル、トリ
    ブロモメチル、ジクロロメチル、及びジブロモメチルからなるグループから選択
    され、Zは置換されているか、又は置換されていない請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 Zは、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、及びア
    リールからなるグループから選択される部分により置換され、この部分は置換さ
    れているか、又は置換されていない請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記部分は、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アル
    コキシ、及びフェニルからなるグループから選択される1つ以上の基により置換
    されている請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 R' は、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、及びア
    リールからなるグループから選択される置換基により置換され、この置換基は置
    換されているか、置換されていない請求項1に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記置換基の置換は、ハロゲン、C1〜C5アルキル、及び
    1〜C5アルコキシからなるグループから選択される請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記アルケンは、ヒドロキシル、チオール、チオエーテル
    、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ
    、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド
    、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択さ
    れる基により官能化されている請求項1に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記アルケンは、スチレン、メチルメタクリレート、n−
    ブチルアクリレート、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
    アクリロニトリル、4−ビニルピリジン、及びグリシジルアクリレートからなる
    グループから選択される請求項1に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記ATRP触媒はMXpqの化学式を有し、Mは、鉄、
    ルテニウム、ニッケル、及び銅から選択され、Xは、ブロマイド、又はクロライ
    ドであり、Lは、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、亜リン酸塩、ホスフィナ
    イト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、イミン
    、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、及びチオエーテルから
    なるグループから選択され、p及びqは整数である請求項1に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記ATRP触媒は、CuCl/2,2' −ビピリジン、
    CuBr/2,2' −ビピリジン、CuCl/4−4' −di−n−ヘプチル
    −2,2' −ビピリジン、及びCuBr/4−4' −di−n−ヘプチル−2,
    2' −ビピリジンからなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
  25. 【請求項25】 トリブロックコポリマーの生成がワンポットで行われる請
    求項1に記載の方法。
  26. 【請求項26】 (a)金属カルベンメタセシス触媒の存在下において、シ
    クロアルケンをZ−Y=Y−Zの化学式を有する連鎖移動剤と接触させてテレケ
    リックポリマーを形成することと、 (b)このテレケリックポリマーを 【化4】 の化学式を有するアルケンと接触させることとを含み、 n及びmは整数であり、 ZはATRP開始剤であり、 R' は、アリール、ニトリル、及びC1〜C20カルボキシレートからなるグル
    ープから選択され、R' は置換されているか、又は置換されていない、 【化5】 の化学式を有するトリブロックコポリマーを生成する方法。
  27. 【請求項27】 前記シクロアルケンは、1,5−シクロオクタジエンであ
    り、Zは、アリルクロライド、又は2−ブロモイソブチレートであり、アルケン
    は、スチレン、又はメチルメタクリレートである請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 (a)金属カルベンメタセシス触媒の存在下において、シ
    クロアルケンをZ−Y=Y−Zの化学式を有する連鎖移動剤と接触させてテレケ
    リックポリマーを形成し、 (b)ATRP有機金属触媒の存在下において、このテレケリックポリマーを 【化6】 の化学式を有するアルケンと接触させることにより形成され、 n及びmは整数であり、ZはATRP開始剤であり、−Y=Y−はアルケニル基
    であり、R' は、アリール、ニトリル、及びC1〜C20カルボキシレートからな
    るグループから選択され、R' は置換されているか、又は置換されていない 【化7】 の化学式を有するトリブロックコポリマー。
  29. 【請求項29】 前記シクロアルケンは、1,5−シクロオクタジエンであ
    り、Zは、アリルクロライド、又は2−ブロモイソブチレートであり、アルケン
    は、スチレン、又はメチルメタクリレートであり、ATRP有機金属触媒は、C
    uCl/2,2' −ビピリジン、又はCuBr/2,2' −ビピリジンである請
    求項28に記載のコポリマー。
  30. 【請求項30】 (a)金属カルベンメタセシス触媒の存在下において、シ
    クロアルケンをZ−Y=Y−Z’の化学式を有する連鎖移動剤と接触させてテレ
    ケリックポリマーを形成することと、 (b)ATRP有機金属触媒の存在下において、このテレケリックポリマーを 【化8】 の化学式を有するアルケンと接触させることとを含み、 n及びmは、整数であり、 ZはATRP開始剤であり、 Z’は、水素、又はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20
    ルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2
    〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2
    20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルコキシチオ、C1〜C20アルキルスル
    ホニル、C1〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択される部分
    であり、Z’は置換されているか、又は置換されておらず、 R' は、アリール、ニトリル、及びC1〜C20カルボキシレートからなるグル
    ープから選択され、R' は置換されているか、又は置換されていない、 【化9】 の化学式を有するコポリマーを生成する方法。
  31. 【請求項31】 (a)金属カルベンメタセシス触媒の存在下において、1
    ,5−シクロオクタジエンをZ−Y=Y−Zの化学式を有する連鎖移動剤と接触
    させてテレケリックポリマーを形成することと、 (b)ATRP有機金属触媒の存在下において、このテレケリックポリマーを 【化10】 の化学式を有するアルケンと接触させることとを含み、 n及びmは整数であり、Zはアリルクロライド、又は2−ボロモイソブチレー
    トであり、−Y=Y−はアルケニル基であり、ATRP有機金属触媒は、CuC
    l/2,2' −ビピリジン、又はCuBr/2,2' −ビピリジンであり、R'
    は、アリール、ニトリル、及びC1〜C20カルボキシレートからなるグループか
    ら選択され、R' は置換されているか、又は置換されていない、 【化11】 の化学式を有するトリブロックコポリマーを生成する方法。
  32. 【請求項32】 (a)ルテニウムカルベンメタセシス触媒の存在下におい
    て、1,5−シクロオクタジエンをZ−Y=Y−Zの化学式を有する連鎖移動剤
    と接触させてテレケリックポリマーを形成することと、 (b)CuBr/2,2' −ビピリジンの存在下において、このテレケリックポ
    リマーをスチレンと接触させることとを含み、 n及びmは整数であり、Zはクロライドであり、−Y=Y−はアルケニル基で
    あり、化学式を有するSBSトリブロックコポリマーを生成する方法。
  33. 【請求項33】 コポリマーのPBD部分中に1,2PBD構造を有しない
    トリブロックコポリマー。
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