JP2006128296A - 発光素子およびそれを用いた照明装置 - Google Patents

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敏哉 松田
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Abstract

【課題】 光取り出し効率がより大きく改善され、小さい電力で高い発光強度を得ることができる高性能な発光素子を提供する。
【解決手段】 発光層1aを含むエピタキシャル成長させた窒化ガリウム系化合物半導体層1と、この窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1の中央部に形成され、発光層1aを貫通した凹部7と、この凹部7の底部7aにおいて窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側の層に電気的に接続された導電性反射層3と、窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1の凹部7を除く領域に形成された透光性導電層2とを具備しており、導電性反射層3は、発光層1aと対抗する側面を有しており、この側面は発光層1aから入射した光を反射する斜面3aとなっている発光素子L1である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば照明装置等に用いられ、蛍光灯の2倍以上のエネルギー消費効率を有する発光素子(発光ダイオード;LED)およびその発光素子を用いた照明装置に関するものである。
青色もしくは紫外の発光素子として窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子が広く知られている(例えば、特許文献1〜特許文献5を参照。)。このような発光素子においては、発光素子の内部で発生した光を外部に効率良く取り出すこと、すなわち光取り出し効率を向上させることが重要であり、特に近年製品化が進められている照明装置向けにおいては不可欠となっている。
従来から、そのような光取り出し効率を向上させる工夫がなされた発光素子の例がいくつか提案されている。例えば、特許文献6には、基板上に形成された発光層を含む半導体層の表面の一部に、その発光層を含む深さ位置までテーパー状の溝を形成し、このテーパー状の溝のその発光層に対向する側の面に反射膜を形成した発光素子の例が開示されている。
また、特許文献7および特許文献8には、基板上に形成された発光層を含む半導体層の端面が、半導体層の主面に対向する方向から見て円弧等の外側に凸状を呈する曲線状の形状を含んでいる発光素子の例も開示されている。
上記従来の発光素子の例は、いずれも、発光層に沿って伝搬する光に着目して提案されたものであり、特許文献6に開示された発光素子では、半導体層に形成されたテーパー状の溝において発光層に沿って伝搬して発光層の端面から取り出される光を反射膜により半導体層の表面側の方向に反射させることで指向性を高めて半導体層の表面側において効率よく光を取り出したり、特許文献7および特許文献8に開示された発光素子では、発光層の端面が半導体層の主面に対向する方向から見て円弧等の外側に凸状を呈する曲線状の形状であるので、発光層に沿って伝搬する光のうち発光層の端面に対して直角に近い角度で入射する光が多くなり、端面における光の反射を抑制することで端面から効率よく光を取り出したりすることにより、発光素子の光取り出し効率を向上させるといったものである。
一方、発光素子において実装を容易とすることで生産性を高めることに着目して、特許文献9に、基板上に積層された発光層を含む半導体層の表面側の第1導電型半導体層に第1の電極が接続され、かつその半導体層の表面の一部が発光層を含む位置までエッチングされて露出する第2導電型半導体層に第2の電極が接続されており、それら第1および第2の電極のいずれか一方が、半導体層の主面に対向する方向から見て半導体層の中央部に設けられており、他方が中心部と同心で、かつ一方の電極の周囲全周に一定の幅で設けられている発光素子の例も開示されている。このような発光素子では、発光素子が回転してどのような向きで基台等に配置されても、基台に形成した二つの電極パターンと発光素子の両電極とをワイヤボンディングにより接続する場合に、基台の各電極パターンと発光素子の両電極のワイヤボンディング部を一直線上にすることができ、かつ、基台の各電極パターンと発光素子の各電極との距離が一定であることから、機械的にワイヤボンディングすることができるため生産性の高いものとすることができる。
なお、特許文献6〜9に開示されている従来の発光素子では、基板の上側、すなわち半導体層の表面側および半導体層の端面側で光を取り出す構成となっている。
特開平2−42770号公報 特開平2−257679号公報 特開平5−183189号公報 特開平6−196757号公報 特開平6−268257号公報 特開平7−131066号公報 特開2002−76435号公報 特開2002−344015号公報 特開平10−209496号公報
しかしながら、特許文献6に開示されている従来の発光素子では、テーパー状の溝は半導体層の表面側が基板側に比べて大きく開口していることから、屈折率が低い空気等の層と接する発光層の端面に形成されたテーパー状の溝の斜面により、発光層で放射状に発生する光のうち端面に向かって伝搬する光が基板側に反射されてしまい発光層の端面から取り出すことのできない光が多くなるのでその分について光取り出し効率が低下するという問題点があった。
また、特許文献7および特許文献8に開示されている従来の発光素子では、半導体層の発光層から端面に向かって伝搬する光の端面における反射を抑制して多くの光を取り出すことができるが、一部の光は発光層の一方の端面で反射され、半導体層の主面に対向する方向から見て半導体層の中央部に向かうこととなるが、その中央部に集光された光は外部に取り出されることなく、再び発光層の他方の端面に向かって放射状に発散して発光層の端面間で多重反射を繰り返すために、光が多重反射する間に損失を受けてしまうので、発光層に沿って伝搬する光の光取り出し効率が十分でないという問題点があった。
また、特許文献9に開示されているような従来の発光素子では、発光層に沿って伝搬する光を効率良く取り出すための工夫がなされていないため、発光層に沿って伝搬する光の光取り出し効率が低いという問題点があった。さらに、発光層の中央部において表面をエッチングして第2導電型半導体層を露出させる構成の場合には、中央部において新たに形成された発光層の端面から取り出すことができた光について、エッチングにより形成された半導体層の凹部の間に閉じ込められ多重反射を繰り返し、基板の上側に取り出すことができないため、光取り出し効率を向上させることができないという問題点もあった。
本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は、光取り出し効率がより大きく改善され、その結果、小さい電力で良好な発光強度を得ることができる高性能な発光素子およびその高性能な発光素子を用いた照明装置を提供することにある。
本発明の発光素子は、発光層を含むエピタキシャル成長させた窒化ガリウム系化合物半導体層と、この窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面の中央部に形成され、前記発光層を貫通した凹部と、この凹部の底部において前記窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側の層に電気的に接続された導電性反射層と、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の前記一方主面の前記凹部を除く領域に形成された透光性導電層とを具備しており、前記導電性反射層は、前記発光層と対向する側面を有しており、この側面は前記発光層から入射した光を反射する斜面となっていることを特徴とするものである。
また、本発明の発光素子は、上記構成において、前記窒化ガリウム系化合物半導体層は円形状であることを特徴とするものである。
また、本発明の発光素子は、上記構成において、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の前記他方主面から、前記窒化ガリウム系化合物半導体層をエピタキシャル成長させるために用いた基板が除去されており、前記他方主面に反射層が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の発光素子は、上記構成において、前記反射層上に基体が接合されていることを特徴とするものである。
また、本発明の発光素子は、上記構成において、前記透光性導電層の上または前記窒化ガリウム系化合物半導体層との間に反射防止層が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の照明装置は、上記各構成の本発明の発光素子と、この発光素子の周囲に設けた、前記発光層に沿って出射される光を前記一方主面側に反射する反射面と、前記発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体および燐光体の少なくとも一方とを具備することを特徴とするものである。
本発明の発光素子によれば、発光層を含むエピタキシャル成長させた窒化ガリウム系化合物半導体層と、この窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面の中央部に形成され、発光層を貫通した凹部と、この凹部の底部において窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側の層に電気的に接続された導電性反射層と、窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面の凹部を除く領域に形成された透光性導電層とを具備しており、導電性反射層は、発光層と対向する側面を有しており、この側面は発光層から入射した光を一方主面側に反射する斜面となっていることから、窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面の中央部に形成された凹部に設けられた導電性反射層の斜面が、発光層に沿って伝搬し、凹部の側面において露出している発光層の端面から取り出されこの斜面に入射した光およびこの斜面に入射した凹部の側面からの漏れ光を一方主面側に反射する働きをするため、発光層で発生した光のうち凹部の側面から取り出された発光層に沿って伝搬する光を窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面側に効率良く取り出すことができるので、窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面側からの光取り出し効率が大きく改善され、小さい電力で高い発光強度を得ることができる高性能なものとなる。
また、本発明の発光素子によれば、上記構成において、窒化ガリウム系化合物半導体層は円形状、すなわち、一方主面側から見て円形状であるときには、円形状の端面に入射する光の円形状の端面に対する臨界角を広げることができる、すなわち発光層で発生した光のうち発光層に沿って放射状に伝搬する光を透過させることができる円形状の端面に対する入射角の範囲を広げることができるため、端面における光の反射を抑制し端面からの光取り出し効率を向上させることができるとともに、発光層に沿って放射状に伝搬する光の一部を端面において反射しても、一方主面側から見て、円形状である発光層の端面がその反射した光を中央部側に集光する働きをし、その集光した光のうち中央部に形成された凹部の側面から出射された(取り出された)光を導電性反射層の斜面が一方主面側に反射するため、発光層で発生した光を窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面側に一層効率良く取り出すことができるので、窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面側および端面側からの光取り出し効率がさらに大きく改善され、小さい電力で高い発光強度を得ることができる高性能なものとなる。
また、本発明の発光素子によれば、上記構成において、窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面から、窒化ガリウム系化合物半導体層をエピタキシャル成長させるために用いた基板が除去されており、他方主面に反射層が形成されているときには、基板が除去された面に形成された反射層が、発光層から放射状に出射された光のうち他方主面側に伝搬してきた光を窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面側に効率良く反射する働きをするため、発光層の内部で発生した光のうち一方主面側に伝搬してきた光に加えて、他方主面側に伝搬してきた光も一方主面側から取り出すことができるので、窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面側からの光取り出し効率がより大きく改善され、小さい電力で高い発光強度を得ることができる高性能な発光素子となる。また、このような反射層を基板が除去された面にエピタキシャル成長によらずに設けることができるため、反射層に用いる材料や作製プロセスを光学的な見地から種々選択することができるので、反射層で反射する光の反射特性が向上するように反射層の材質や表面形状等を適切なもの、例えば反射率の高い金属薄膜等として、発光層の内部で発生した光のうち他方主面側に伝搬してきた光を一方主面側にさらに効率良く反射させることができることにより、さらに光取り出し効率の向上した高性能なものとすることができる。
また、本発明の発光素子によれば、上記構成において、反射層上に基体が接合されているときには、基体により窒化ガリウム系化合物半導体層を機械的に補強することができるため、高強度で取り扱いの容易なものとなり、その結果、信頼性が高く、かつ生産性の高いものとなる。また、このような基体は、基板のように窒化ガリウム系化合物半導体層をエピタキシャル成長させる必要がないため、基体の材質を自由に選択することができるので、基体として、例えば熱伝導特性,電気伝導特性,機械的特性等の所望の特性を有する基体を選択することができ、その結果、所望の特性を有する発光素子とすることができる。
また、本発明の発光素子によれば、上記構成において、透光性導電層の上または窒化ガリウム系化合物半導体層との間に反射防止層が形成されているときには、窒化ガリウム系化合物半導体層の内部(発光層)で発生した光が透光性導電層表面に到達する際、その光をほとんど反射することなく大部分を透過させることができるため、窒化ガリウム系化合物半導体層の内部で多重反射することにより減衰する光を減らして一方主面側、すなわち透光性導電層表面側に効率良く光を取り出すことができるので、一方主面側からの光取り出し効率がさらに改善され、小さい電力で高い発光強度を得ることができる高性能な発光素子となる。
また、本発明の照明装置は、上記各構成の本発明の発光素子と、この発光素子の周囲に設けた、発光層に沿って出射される光を一方主面側に反射する反射面と、発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体および燐光体の少なくとも一方とを具備することから、発光素子の一方主面側から取り出した光に加え、発光層に沿って出射される光、すなわち発光素子の端面から取り出された光を反射面で一方主面側に反射させた光により蛍光体または燐光体を強く励起するため、小さい電力で高い照度を得ることができるものとなる。また、このような本発明の照明装置は、従来の蛍光灯や放電灯等よりも省エネルギー性や小型化に優れたものとなり得て、蛍光灯や放電灯等に置き換えることができるものとなる。
以下、本発明の発光素子およびそれを用いた照明装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の発光素子の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。また、図2は図1に示す発光素子L1の模式的な平面図である。また、図3は本発明の照明装置の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。これらの図において同様の箇所には同一の符合を付し、重複する説明を省略する。
図1および図2において、1は窒化ガリウム系化合物半導体層であり、1aは発光層,1a1は発光層1aの端面,1bは第1導電型半導体層,1cは第2導電型半導体層,1b1は窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面,1c1は窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面であり、2は透光性導電層,3は導電性反射層,3aは導電性反射層3に設けられた斜面,3bは導電性反射層3の頂部,3cは導電性反射層3の基部,4は窒化ガリウム系化合物半導体層1をエピタキシャル成長するために用いた基板とは異なる基体,5は反射防止層であり、6a,6bは電極パッド,7は窒化ガリウム系化合物半導体層1の中央部に形成された凹部,7aは凹部7の底部である。なお、図2において、電極パッド6a,6bの図示を省略した。
また、図3において、8は反射部材,8aは反射部材8の反射面,9は蛍光体,10は絶縁性基台、11a,11bは導体パターンである。
図1に示すように、本発明の発光素子L1は、発光層1aを含むエピタキシャル成長させた窒化ガリウム系化合物半導体層1と、この窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1の中央部に形成され、発光層1aを貫通した凹部7と、この凹部7の底部7aにおいて窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側の層、この例では第2導電型半導体層1cに電気的に接続された導電性反射層3と、窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1の凹部7を除く領域に形成された透光性導電層2とを具備しており、導電性反射層3は、発光層1aと対向する側面を有しており、この側面は発光層1aから入射した光を反射する斜面3aとなっている構成である。
さらに具体的には、この構成において、窒化ガリウム系化合物半導体層1は少なくとも発光層1aにおいて、窒化ガリウム系化合物半導体層1の厚み方向から見たときに、一方主面1b1に対してほぼ垂直な面である端面1a1を設けている。また、窒化ガリウム系化合物半導体層1の中央部に設けられる凹部7の底部7aにおいて、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側の層である第2導電型半導体層1cが露出している。この底部7aに、他方主面1c1側の窒化ガリウム系化合物半導体層1と電気的に接続している導電性反射層3を形成する。また、導電性反射層3は、底部7aに接する基部3cよりも頂部3bが小さくなっており、頂部3bと基部3cとにより導電性反射層3の側部に形成される斜面3aは、第2導電型半導体層1cに対して約45度の斜度としている。このようにすることにより、凹部7において露出している発光層1aの端面から出射され、斜面3aに入射した光を反射して90度向きを変えて一方主面1b1側に取り出すことができる。
なお、図1に示すように、第2導電型半導体層1cの他方主面1c1側と反対側の面に発光層1aおよび第1導電型半導体層1bが形成されていない領域を設け、この領域を凹部7の底部7aとし、導電性反射層3を第2導電型半導体層1cの他方主面1c1側と反対側の面に形成することが好ましい。なぜなら、発光素子L1を基台等に実装する際に透光性層導電層2と導電性反射層3とが同じ向きに形成されていることで、実装が容易になるからである。
このような凹部7は、例えば窒化ガリウム系化合物半導体層1または透光性導電層2を形成した後にエッチングにより形成すればよい。また、凹部7を形成した後に、凹部7の底部7aに真空蒸着やスパッタリング等の通常の薄膜形成法により導電性薄膜を形成した後、その側面にエッチングにより斜面3aを形成して、側面に斜面3aを有する導電性反射層3を形成すればよい。具体的には、一方主面1b1側の窒化ガリウム系化合物半導体層1上もしくは透光性導電層2上に凹部7に対応する部分以外の部分を覆う金属膜等から成るマスクを形成し、マスクに用いる材質やエッチングに用いるエッチャント等の条件を適宜設定して、窒化ガリウム系化合物半導体層1を一方主面1b1側からエッチングして凹部7を形成する。また、斜面3aは、導電性薄膜から成る導電性反射層3を形成した後、導電性反射層3および一方主面1b1側の窒化ガリウム系化合物半導体層1もしくは透光性導電層2の上に適当な材質(例えば、フォトレジストなど)から成るマスクを形成し、適当な条件でエッチングをする。その際に、マスクに用いる材質やエッチャント等の条件を適宜設定することにより、エッチングするにつれマスクが小さくなりつつ導電性反射層3が外周部から内側に向かってエッチングされることにより斜面3aを形成することはでき、その斜面3aの斜度をエッチング条件により制御することができる。この方法によれば、例えば斜面3aの第2導電型半導体層1cに対する斜度が45度程度の比較的緩やかな傾斜でも容易に作製することができる。また、斜面3aは、導電性反射層3を形成するときに、導電性反射層3を形成する部位に比べ開口部が狭くなっているようなマスク(例えばパターン形成されたフォトレジストや開口部を設けたメタルマスク等)で窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1または透光性導電層2の上を覆ってから、真空蒸着やスパッタリング等の薄膜形成方法により薄膜を形成する材料を斜め方向から入射させることで導電性反射層3の形成と同時に形成してもよい。この場合にはエッチング工程が不要となるため、工程数が減り生産性の高いものとなる。
また、凹部7および導電性反射層3の大きさは、なるべく小さいほうが発光層1aの面積を大きくすることができるので好ましい。ただし、凹部7の底部7aに形成する導電性反射層3上において電極パッド6b等を介して電気的な接続をとるのに支障ない程度の大きさ(例えば、導電性反射層3が円形状であれば直径で30〜100μm程度とし、凹部7はそれよりやや大きいものとする。)を確保する必要がある。また、凹部7および導電性反射層3の形状は、矩形状,多角形状,これらの角部が鈍った形状,円形状等、自由に設計することができるが、円形状とすることが好ましい。凹部7および導電性反射層3を円形状とすることにより、矩形状等の角部を有する形状の場合と比べて、凹部7および導電性反射層3の側面に垂直に近い角度で入射する光を多くすることができるため、凹部7の側面に臨界角よりも小さい角度で入射した光を確実に取り出し、この取り出した光のうち導電性反射層3の側面に形成された斜面3に入射した光を反射して90度向きを変えて、一方主面1b1側から確実に取り出すことで一方主面1b1側の光取り出し効率をより向上させることができる。また、導電性反射層3の形状は凹部7と相似形にすると、導電性反射層3の頂部3bを広くすることができるので電極パッド6bを形成しやすくなり、この電極パッド6bを介して実装用基板等に設けられた電極パターン等と導線等により電気的に接続する工程が容易とすることができるので好ましい。
また、窒化ガリウム系化合物半導体層1は発光層1aを第1導電型半導体層(この例ではp型半導体層)1bおよび第2導電型半導体層(この例ではn型半導体層)1cで挟んだものとしている。また、第1導電型半導体層1bおよび第2導電型半導体層1cはそれぞれ発光層1a側にインジウム(In)もしくはアルミニウム(Al)を含有する複数層(図示せず)を積層したものとしてもよく、禁制帯幅が発光層1aよりも広くなるように組成をそれぞれ制御している。また、発光層1aは禁制帯幅の広い障壁層と禁制帯幅の狭い井戸層とから成る量子井戸構造が複数回繰り返し規則的に積層された超格子である多層量子井戸構造(MQW)としてもよい(図示せず)。なお、第1導電型半導体層1bおよび第2導電型半導体層1cはそれぞれn型半導体層およびp型半導体層としても構わない。
窒化ガリウム系化合物半導体層1をこのような構成とすることにより、第1および第2導電型半導体層1b,1cが発光層1aに発光層1aに沿って伝搬する光を閉じ込めるようにガイドする働きをするので、端部1a1に対して光が透過する臨界角の範囲内で入射する光を多くすることができる。このため、発光層1aの内側に沿って伝搬する光を端面1a1から効率良く取り出すことができる。
また、透光性導電層2は、第1導電型半導体層1bに良好なオーミック接合をとることができるとともに発光層1aで発生させた光をなるべく損失なく透過させることができる材質から成る層状のものとしている。そのような材質のものとしては、例えば発光層1aで発生した光を透過させることができる程度に十分薄く成膜したアルミニウム(Al),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),インジウム(In),錫(Sn),モリブデン(Mo),銀(Ag),金(Au),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),バナジウム(V),白金(Pt),鉛(Pb),ベリリウム(Be),金−シリコン合金(Au−Si),金−ゲルマニウム合金(Au−Ge),金−亜鉛合金(Au−Zn),金−ベリリウム合金(Au−Be)等の薄膜かまたは酸化錫(SnO),酸化インジウム(In),酸化インジウム錫(ITO)等の透明導電膜を用いればよい。また、上記材料の中から選択した複数層を積層させたものとしたり、所々薄膜が形成されていない部分を設けたメッシュ状の膜としたりしても構わない。中でも、透光性導電層2として、ニッケル(Ni)を下地としてニッケル(Ni)層および金(Au)層を薄く形成した半透明電極とすれば、p型半導体層である第1導電型半導体層1bとの良好なオーミック接合および発光面に対する均一な電流の拡散が両方とも得られる点で好ましい。
また、導電性反射層3は、発光層1aが発生した光のうち斜面3aに入射した光を損失なく反射し、かつ第2導電型半導体層(n型半導体層)1cと良好なオーミック接続がとれる材質から成る表面が滑らかな層状のものを用いる。そのような材質のものとしては、例えばアルミニウム(Al),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),インジウム(In),錫(Sn),モリブデン(Mo),銀(Ag),金(Au),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),バナジウム(V),白金(Pt),鉛(Pb),ベリリウム(Be),酸化錫(SnO),酸化インジウム(In),酸化インジウム錫(ITO),金−シリコン合金(Au−Si),金−ゲルマニウム合金(Au−Ge),金−亜鉛合金(Au−Zn),金−ベリリウム合金(Au−Be)等を用いればよい。中でも、アルミニウム(Al)または銀(Ag)は、窒化ガリウム系化合物半導体層1の発光層1aが発光する青色〜紫外の光に対して反射率が高いので好適である。また、アルミニウム(Al)はn型半導体層である第2導電型半導体層1cとのオーミック接合の点でも特に好適である。また、上記材料の中から選択した複数層を積層させたものとしても構わない。なお、導電性反射層3の斜面3aの表面は必ずしも滑らかでなくてもよいが、滑らかでないと反射率が低下することがある。
また、透光性導電層2上には、外部との電気的接続をとるための導線等を接続する電極パッド6aを設けている。電極パッド6aは例えばチタン(Ti)層またはチタン(Ti)層を下地として金(Au)層を積層したものを用いればよい。また、導電性反射層3上の頂部3bにも電極パッド6aと同様の電極パッド6bを形成しても構わない。
上記構成において、透光性導電層2と導電性反射層3とに順方向バイアス電圧を印加することによって窒化ガリウム系化合物半導体層1にバイアス電流を流して発光層1aで波長350〜400ナノメートル(nm)程度の紫外〜近紫外光を発生させることができる。その際、窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1の中央部に形成された凹部7の底部7aに形成された導電性反射層3の斜面3aが、発光層1aに沿ってその中央部に伝搬してきた紫外〜近紫外光および発光層1aの端部1a1で反射してその中央部に戻ってきた紫外〜近紫外光のうち凹部7の側面から出射され斜面3aに入射した光を一方主面1b1側に反射して、一方主面1b1側からその紫外〜近紫外光を取り出す働きをする。
このように、本発明の発光素子L1によれば、発光層1aで発生させた紫外〜近紫外光のうち窒化ガリウム系化合物半導体層1の中央部に形成された凹部7の側面から取り出され導電性反射層3の斜面3aに入射した光を一方主面1b1側に反射して、凹部7間に閉じ込められて多重反射を繰り返す光を減らし、窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1側に効率よく取り出すことができるので、窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1側からの光取り出し効率がより大きく改善され、小さい電力で高い発光強度を得ることができる高性能なものとなる。
また、図2に平面図で示すように、本発明の発光素子L1において、窒化ガリウム系化合物半導体層1は一方主面1b1側から見て円形状とするとよい。このようにすれば、発光層1aに沿って放射状に伝搬する発光層1aで発生した光を透過させることのできる円形状の端面1a1に対する入射角の範囲を広げることができるため、臨界角の範囲内で入射する光を多くすることができ、端面1a1における光の反射を抑制し、端面1a1からの光取り出し効率を向上させることができるとともに、発光層1aに沿って放射状に伝搬する発光層1aで発生した光の一部を反射しても、一方主面1b1側から見て円形状である発光層1aの端面1a1が、その反射した光を中央部側に集光する働きをし、その集光された光のうち中央部に形成された凹部7の側面に露出する発光層1aの端面から取り出され、斜面7bに入射した光を一方主面1b1側に反射するため、凹部7に閉じ込められ多重反射を繰り返す光を減らして、発光層1aで発生させた光を窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1側に一層効率良く取り出すことができるので、窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1側および端面1a1側からの光取り出し効率がさらに大きく改善され、本発明の発光素子L1は小さい電力で高い発光強度を得ることができる高性能なものとなる。
なお、この場合の凹部7の形状および導電性反射層3の形状は、図2に示すように、窒化ガリウム系化合物半導体層1と同心円状の円形状としておくことが好ましい。これにより、凹部7の側面および導電性反射層3の斜面3aに入射する光のうち垂直に近い角度で入射する光を多くすることができるため、凹部7の側面に露出した発光層1aの端面における光取り出し効率を高めるとともに、凹部7の側面の発光層1aから出射した光のうち斜面3aに入射した光を確実に一方主面1b1側に反射させることができる。また、凹部7の形状および導電性反射層3の形状を同心円状とすれば、導電性反射層3が、円形状である発光層1aの端面1a1で反射した光が集光される部分であるその同心円の中心に配置されることとなり、斜面3aに入射する光を多くすることができるため、窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1側からの光取り出し効率を向上させることができる。
また、図1に示すように、本発明の発光素子は、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1から、窒化ガリウム系化合物半導体層1をエピタキシャル成長させるために用いた基板が除去されており、他方主面1c1に反射層5が形成されているものとしてもよい。このようにすれば、他方主面1c1に接合しているエピタキシャル成長させるために用いた基板が除去されてそこに反射率の高い反射層5を形成することができるため、その反射層5によって、発光層1aで放射状に発生させた紫外〜近紫外光のうち他方主面1c1側に伝搬してきた紫外〜近紫外光を一方主面1b1側に効率良く反射することができる。その結果、発光層1aで発生した光のうち一方主面1b1側に伝搬してきた光に加えて、他方主面1c1側に伝搬してきた光も一方主面1b1側から取り出すことができるので、窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1側からの光取り出し効率がさらに大きく改善され、小さい電力で高い発光強度を得ることができる高性能な発光素子L1となる。なお、基板を除去するには、基板の材質に応じて物理的・化学的手法を用いることができる。
また、このような反射層5を基板が除去された面にエピタキシャル成長によらずに設けることができるため、反射層5に用いる材料や作製プロセスを光学的な見地から種々選択することができるので、反射層5で反射する光の反射特性が向上するように反射層5の材質や表面形状等を適切なものを選択することはできる。
この構成において、反射層5は、発光層1aが発生した光をなるべく損失なく反射する材質から成る表面が滑らかな層状のものとしている。そのような材質のものとしては、例えばアルミニウム(Al),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),インジウム(In),錫(Sn),モリブデン(Mo),銀(Ag),金(Au),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),バナジウム(V),白金(Pt),鉛(Pb),ベリリウム(Be),酸化錫(SnO),酸化インジウム(In),酸化インジウム錫(ITO),金−シリコン合金(Au−Si),金−ゲルマニウム合金(Au−Ge),金−亜鉛合金(Au−Zn),金−ベリリウム合金(Au−Be)等の薄膜を用いればよい。中でも、チタン(Ti),アルミニウム(Al)または銀(Ag)は、紫外〜近紫外光に対する反射率が高いので好適である。また、上記材質の中から選択した複数層を積層させたものとしても構わない。なお、反射層5の表面は必ずしも滑らかでなくてもよいが、滑らかでないと反射率が低下することがある。また、反射層5は光を反射する働きがあれば必ずしも金属である必要はないが、一般的に熱伝導性の良好な金属も用いることにより、窒化ガリウム系化合物半導体層1で発生する熱を反射層5を介して良好に放熱することができるので好ましい。
また、図1に示すように、本発明の発光素子L1は、反射層5上に窒化ガリウム系化合物半導体層1をエピタキシャル成長するための基板とは異なる基体4を接合してもよい。この基体4は、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側からそれを形成するために用いた基板を除去した後、その基板を除去した面に反射層5を介して接合すればよい。このような本発明の発光素子L1によれば、基体4により窒化ガリウム系化合物半導体層1を機械的に補強することができるため高強度で取り扱いが容易なものとなり、その結果、信頼性が高く、かつ生産性の高いものとなる。例えば、基体4が窒化ガリウム系化合物半導体層1を実装用基板等に実装する際に窒化ガリウム系化合物半導体層1の土台として機能して、発光素子L1を機械的に実装用基板等に確実に固着させることができる。
このような基体4は、基板のように窒化ガリウム系化合物半導体層1をエピタキシャル成長させる必要がないため、材質を自由に選択することができる。このため、基体4として、例えば熱伝導特性として放熱性が、電気伝導特性として導電性が、機械的特性として応力に対する強度がいずれも最適となるような材質を選択することができる。
基体4の材質としてはシリコン(Si)が好適である。シリコン(Si)は、機械的特性の一つである加工性の点で優れている。このため、このような材質からなる基体4を用いることにより、ウエハレベルで発光素子L1を作製した後、各発光素子L1の分離位置でダイシング加工等により基体4を分断して、個々の発光素子L1を容易に切り出すことができるので、量産性に優れたものとすることができる。また、シリコン(Si)はドーパントを混入させることにより、電気伝導性を導電性にも半絶縁性にもすることができる。このため、例えば基体4を介して第2導電型半導体層1cに直流電圧を供給したい場合には基体4を導電性のものとすればよく、交流電圧を印加したい場合には半絶縁性のものとすればよい。このように半絶縁性の基体4を用いた発光素子L1は、表皮効果が少なくなるため印加する交流電圧の損失が少なくて効率の良いものとすることができる。
また、基体4の材質は、シリコン(Si)の他にも窒化アルミニウム(AlN),炭化硅素(SiC),銅(Cu),銅−タングステン合金(CuW)等を用いれば特に放熱性に優れたものとすることができるので好ましいが、その他の特性において一長一短があるので用途に応じて適切なものを選択するようにすればよい。
このような基体4を用いることで、基体4が窒化ガリウム系化合物半導体層1を機械的に補強することにより高強度で取り扱いが容易なものとすることに加え、基体4として、放熱性の優れたものを用いれば、窒化ガリウム系化合物半導体層1で発生した熱を反射層5および基体4を介して実装用基板等に逃がすことにより発光素子L1の信頼性を高いものとすることができ、導電性の高いものを用いれば、実装用基板側から窒化ガリウム系化合物半導体層1に電気的接続をとることができ実装の容易なものとすることができ、半絶縁性のものを用いれば、実装用基板との絶縁性を確保することができるものとなる。
また、本発明の発光素子L1は、透光性導電層2の上または窒化ガリウム系化合物半導体層1との間に反射防止層(図示せず)を形成してもよい。
反射防止層は、窒化ガリウム系化合物半導体層1上の透光性導電層2の上または窒化ガリウム系化合物半導体層1との間に、例えば石英(SiO),アルミナ(Al)またはポリカーボネート等の誘電体を単層もしくは多層に形成すればよい。この場合には、窒化ガリウム系化合物半導体層1側から次第に屈折率が小さくなるようにしたり、反射防止層の膜厚を発光層1aで発生した紫外〜近紫外光の反射防止層内における波長の4分の1程度となるようにしたりすればよい。これにより、反射防止層内において多重反射する光が互いに弱め合って干渉しやすくなり、定在波が発生しにくくなる。
上記のような反射防止層を設けたときには、反射防止層により、窒化ガリウム系化合物半導体層1の内部で発生した紫外〜近紫外光を窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1側で反射することなく透過させることができるため、窒化ガリウム系化合物半導体層1の内部で多重反射することにより減衰する光を減らして窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1側に効率良く光を取り出すことができるので、本発明の発光素子L1の光取り出し効率をさらに向上させることができる。
また、このような反射防止層に対して、主面に基部より頂部が小さくなっている多数の突起または開口部よりも底部が小さくなっている窪みを形成してもよい。このような反射防止層の突起または窪みの構造は、具体的には、多角錐状または円錐状のものとすればよい。なお、多角錐状または円錐状とは、多角錐および円錐に加えて多角錐または円錐の斜面が任意の断面において変曲点を持たない曲線となっているようなものも含むものとする。また、多角錐状および円錐状のいずれかのものに対してその頂部を平面状としたものとしても構わない。また、反射防止層の突起または窪みは半球状としても構わない。半球状とは、半球に加えて半球の斜面が任意の断面において変曲点を持たない曲線となっているようなものも含むものとする。また、基部の幅は、発光層1aで発生した紫外〜近紫外光の窒化ガリウム系化合物半導体層1における波長に対して1倍以下とし、基部から頂部までの高さはその1倍以上とすればよい。
このような突起または窪みは、通常よく知られているフォトリソグラフィーや乾式もしくは湿式エッチング技術を用いてエッチングすることにより形成すればよい。さらに、窒化ガリウム系化合物半導体層1においてエピタキシャル成長するための基板を除去した面を同様にフォトリソグラフィーや乾式もしくは湿式エッチング技術を用いてエッチングすることにより窒化ガリウム系化合物半導体層1の一部(第1導電型半導体層1bの一部)にこのような突起または窪みを形成してもよい。この場合には、窒化ガリウム系化合物半導体層1を厚さ方向で見たときに、突起または窪みによる凹凸が形成された部位を反射防止層とする。このような突起または窪みは第1導電型半導体層1bの表面に対してできるだけ隙間なく多く形成すればよい。
反射防止層がこのような突起または窪みを有しているときには、突起または窪みが、反射防止層に斜め方向から入射する光に対しても、突起または窪みの表面に入射する光の入射角を臨界角より小さくして反射を防ぐ働きをするため、反射防止層に斜め方向から入射する光を透過させることができ、反射防止層を透過させることができる反射防止層に対する光の入射角の範囲を広くすることができるので光取り出し効率をさらに向上させることができる。また、このような突起または窪みは光の出射方向に対して屈折率を連続的に変化させて窒化ガリウム系化合物半導体層1が有している高い屈折率から空気等の低い屈折率まで除々に減少させる働きも有しているため、光の出射方向に対する反射率自体を下げる効果も有しており、光取り出し効率がさらに向上した発光素子とすることができる。
なお、このような反射防止層5と同様の反射防止層を窒化ガリウム系化合物半導体層1の端面1a1にも形成しておくと、端面1a1に沿って伝搬してきた光についても反射することなく透過させることができるので、発光素子L1の端面1a1側からの光取り出し効率をより高いものとすることができる。
また、本発明の発光素子L1において、電極パッド6a,6bに用いる材料としては、金(Au),インジウム(In),金−錫合金半田(Au−Sn),錫−銀合金半田(Sn−Ag),錫−銀−銅合金半田(Sn−Ag−Cu),錫−ビスマス合金半田(Sn−Bi),錫−鉛合金半田(Sn−Pb)等とすればよい。
次に、図1および図2に示す本発明の発光素子L1を用いた本発明の照明装置について説明する。図3は本発明の照明装置の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。図3に示すように、本発明の照明装置は、図1および図2に示す本発明の発光素子L1と、発光層1aに沿って出射される紫外〜近紫外光、すなわち窒化ガリウム系化合物半導体層1の端面1a1から取り出される(出射される)紫外〜近紫外光を一方主面1b1側に反射する、この発光素子L1の周囲に設けた反射面8aと、発光素子L1からの発光を受けて白色光等の可視光を発する蛍光体または燐光体、この例では蛍光体9とを具備する構成である。
発光素子L1は透光性導電層2および導電性反射層3が形成されている側の面を上にして窒化アルミニウム(AlN)等の熱伝導の高い絶縁性基台10上に配置され、絶縁性基台10上に形成された導体パターン11a,11bと電極パッド6a,6bとが電気的に接続されている。また、絶縁性基台10上には発光素子L1の周囲を囲うように反射部材8を設けており、反射部材8の発光素子L1側の側部は、発光素子L1からの光を上方、すなわち一方主面1b1側に反射するような斜面からなる反射面8aを設けている。この反射面8aは、発光素子L1の端面1a1から出射される光を効率良く一方主面1b1側に反射するために、基台10に対して約45度の斜度となっていることが好ましい。このような反射部材8は、導電性反射層3と同様の材質であるかまたは反射面8aがその材質でコーティングされているものを用いればよい。このような発光素子L1および反射面8aを覆うように、発光素子L1の実装面の反対側、すなわち一方主面1b1側から蛍光体9を設けている。
このような本発明の照明装置は、発光素子L1の光取り出し面側に、例えば蛍光体9を設けた構成において、発光素子L1が例えば波長350〜400nmの紫外〜近紫外光で発光し、蛍光体9が励起光であるその発光を受けて例えば白色光を発することによって照明装置としての動作をする。
本発明の照明装置は、このような構成とすることから、発光素子L1の一方主面1b1側から取り出した紫外〜近紫外光に加え、発光層1aに沿って出射される光、すなわち発光素子L1の端面1a1から取り出した光を反射面8aにより一方主面1b1側に反射させた光によっても蛍光体(または燐光体)9を強く励起するため、小さい電力で良好な照度を得ることができるものとなる。また、このような本発明の照明装置は、従来の蛍光灯や放電灯等よりも省エネルギー性や小型化に優れたものとなり得て、蛍光灯や放電灯等に置き換えることができるものとなる。
かくして、本発明によれば、光取り出し効率がより大きく改善され、小さい電力で高い発光強度を得ることができる高性能な発光素子およびその高性能な発光素子を用いた照明装置を提供することができる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更・改良を施すことは何等差し支えない。例えば、反射防止層は凹部7の側面の発光層1aが露出している部位にも形成してもよい。この場合には、発光層1aから導電性反射層3側への透過率が高くなるため、発光層1aに沿って導電性反射層3側に伝搬してきた光を多く凹部7の側面に露出する発光層1aの端面から取り出すことができるとともに、この取り出した光を斜面3aに入射させ、斜面3aで反射して一方主面1b1側から取り出すことができるので、光取り出し効率をさらに高くすることができる。
本発明の発光素子の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。 図1に示す発光素子L1の模式的な平面図である。 本発明の照明装置の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1・・・・・・窒化ガリウム系化合物半導体層
1a・・・・・発光層
1a1・・・・端部
1b・・・・・第1導電型半導体層(p型半導体層)
1b1・・・・一方主面
1c・・・・・第2導電型半導体層(n型半導体層)
1c1・・・・他方主面
2・・・・・・透光性導電層
3・・・・・・導電性反射層
3a・・・・・導電性反射層3の斜面
3b・・・・・導電性反射層3の頂部
3c・・・・・導電性反射層3の基部
4・・・・・・エピタキシャル成長するための基板とは異なる基体
5・・・・・・反射層
6a,6b・・電極パッド
7・・・・・・凹部
7a・・・・・底部
8・・・・・・反射部材
8a・・・・・反射面
9・・・・・・蛍光体
10・・・・・・絶縁性基台
11a,11b・・導体パターン

Claims (6)

  1. 発光層を含むエピタキシャル成長させた窒化ガリウム系化合物半導体層と、該窒化ガリウム系化合物半導体層の一方主面の中央部に形成され、前記発光層を貫通した凹部と、該凹部の底部において前記窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側の層に電気的に接続された導電性反射層と、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の前記一方主面の前記凹部を除く領域に形成された透光性導電層とを具備しており、前記導電性反射層は、前記発光層と対向する側面を有しており、該側面は前記発光層から入射した光を前記一方主面側に反射する斜面となっていることを特徴とする発光素子。
  2. 前記窒化ガリウム系化合物半導体層は円形状であることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 前記窒化ガリウム系化合物半導体層の前記他方主面から、前記窒化ガリウム系化合物半導体層をエピタキシャル成長させるために用いた基板が除去されており、前記他方主面に反射層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の発光素子。
  4. 前記反射層上に基体が接合されていることを特徴とする請求項3記載の発光素子。
  5. 前記透光性導電層の上または前記窒化ガリウム系化合物半導体層との間に反射防止層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発光素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発光素子と、該発光素子の周囲に設けた、前記発光層に沿って出射される光を前記一方主面側に反射する反射面と、前記発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体および燐光体の少なくとも一方とを具備することを特徴とする照明装置。
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