JP2007165609A - 発光素子及びその製造方法並びに照明装置 - Google Patents

発光素子及びその製造方法並びに照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 紫外光の光取り出し効率がより大きく改善され、小さい電力で良好な発光強度を得ることができる高性能な発光素子を提供すること。
【解決手段】 発光素子は、Alを含む窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層1bと、Alを含む窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型半導体層1cとの間に、Alを含む窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層1aが挟まれている窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1に形成された反射性導電層2と、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1に形成された反射防止層5と、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側の層に電気的に接続された導電層3とを具備し、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1から基板4が除去されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば照明装置等に用いられ、蛍光灯の2倍以上のエネルギー消費効率を有する発光素子(発光ダイオード;LED)及びその製造方法並びにその発光素子を用いた照明装置に関する。
可視光〜紫外光を発光する発光素子として、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子が広く知られている(特許文献1参照)。このような発光素子においては、発光素子内部で発生した光を外部に効率良く取り出すこと、即ち、光取り出し効率を向上させることが重要であり、特に近年製品化が進められている照明装置用途においては不可欠となっている。
図3(a)〜(c)に、それぞれ光取り出し効率を向上させるための工夫がなされた第1〜第3の従来の発光素子の例(以下、第1の従来例,第2の従来例,第3の従来例という。)の断面図を示す。なお、同様のものには同一の符合を付け、重複する説明を省略した。
第1の従来例(図3(a))では、基板14の一方の主面に発光層11aを含む窒化ガリウム系化合物半導体層11が形成され、他方主面に発光層11aから出射された光を反射する反射層15が形成されており、窒化ガリウム系化合物半導体層11の表面(基板14と接触していない上面)に、窒化ガリウム系化合物半導体層11に通電するとともに発光層11aから出射された光を透過させる透明電極16と、この透明電極16上の一部に透明電極16に通電するための電極パッド17とが形成されている(特許文献2参照)。
ここで、窒化ガリウム系化合物半導体層11は互いに導電型の異なる半導体層11b,11c間に発光層11aを挟んだ構成となっており、基板14と接する半導体層11cにおける基板14と接する面と反対の面上に、電極パッド17との間で電流を流すための電極パッド13が形成されている。
第2の従来例(図3(b))では、発光層11aを含む窒化ガリウム系化合物半導体層11と基板14との界面に、発光層11aから出射された光を窒化ガリウム系化合物半導体層11側に反射する反射層18(例えばブラッグ反射器)が、第1の従来例の反射層15の代わりに挿入されている(特許文献4参照)。
一方、第3の従来例(図3(c))では、基板14上に形成された発光層11aを含む窒化ガリウム系化合物半導体層11の表面に、窒化ガリウム系化合物半導体層11に通電するとともに発光層11aから出射された光を基板14側に反射する導電性反射層12が形成されている(特許文献3参照。)。
このような従来の発光素子においては、いずれも発光層11aの一方側に設けられる反射層15,導電性反射層12または反射層18が、発光層11aから出射された光を他方側に反射する働きをするため、本来は放射状に発生する光を発散させずに所望の方向に集中させて取り出すことができるので、発光素子内部で発生した光を外部に効率良く取り出すことができる。なお、図3(a),(b)に示す第1及び第2の従来例では光の取り出し面は窒化ガリウム系化合物半導体層11の表面側であり、図3(c)に示す第3の従来例では窒化ガリウム系化合物半導体層11の基板14と接触している面側である。
特開平2−42770号公報 特開平8−102549号公報 特開2000−31540号公報 特開平3−108778号公報
しかしながら、第1の従来例においては、基板14に形成された反射層15により反射した光が光取り出し面である透明電極16側に向かうために、基板14中を伝搬する際に基板14に吸収されてしまい、反射層15により光を反射させても発光素子全体の光取り出し効率があまり改善されないという問題点があった。また、反射層15により反射した光の一部が基板14の表裏面(両主面)で多重反射されて基板14内に閉じ込められ、光取り出し面である透明電極16側から取り出される前に減衰してしまうため、発光素子全体の光取り出し効率があまり改善されないという問題点があった。このことに加えて、透明電極16自体の吸収による効率低下が挙げられる。
また、第2の従来例においては、反射層18の上に窒化ガリウム系化合物半導体層11を結晶成長させるに、反射層18の材料や結晶性、製造方法等に制限が生じる。その結果、高い反射効率を実現するための材料や製造方法を用いることができないことにより、反射層18の反射効率を高くすることが難しかったり、発光層11aが出射する光の波長に対して最適な材料や製造方法を用いることができないことにより、反射する光の波長を限定してしまったりするために、反射層18により発光素子全体の光取り出し効率があまり改善されないという問題点があった。また、第2の従来例においても透明電極16での光の減衰が挙げられる。
第3の従来例は、透明電極16における吸収が無いという利点を有する構造であるが、前2者とは異なり、窒化ガリウム系化合物半導体層11上に形成された導電性反射層12により反射した光が、光取り出し面である基板14の窒化ガリウム系化合物半導体層11と接触していない面側に向かう際に、基板14に吸収されてしまうために、導電性反射層12により光を反射させても発光素子全体の光取り出し効率があまり改善されないという問題点があった。また、導電性反射層12により反射した光の一部が基板14の表裏面で多重反射されて基板14内に閉じ込められ、光取り出し面側から取り出される前に減衰してしまうため、発光素子全体の光取り出し効率があまり改善されないという問題点があった。
そこで、本発明者は、上述したように、光取り出し面にある透明電極での光の吸収、エピタキシャル成長させるために用いた基板における光の吸収による減衰を回避する目的から、第3の従来例から基板を除去した構造に関して検討する必要があると判断し、本発明を完成させるに至ったのである。
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、紫外光の光取り出し効率がより大きく改善され、その結果、小さい電力で良好な発光強度を得ることができる高性能な発光素子、及びその高性能な発光素子を確実に作製することができる発光素子の製造方法、並びにその高性能な発光素子を用いた照明装置を提供することにある。
本発明の発光素子は、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層と、化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型半導体層との間に、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層が挟まれて接合されている窒化ガリウム系化合物半導体層(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)の一方主面に形成された反射性導電層と、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面に形成された反射防止層と、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側の層に電気的に接続された導電層とを具備しており、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の前記他方主面から前記窒化ガリウム系化合物半導体層をエピタキシャル成長させるために用いた基板が除去されていることを特徴とする。
本発明の発光素子の製造方法は、多数個取り用の母基板の個々の発光素子領域上に、化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型半導体層と、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層と、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層とを順にエピタキシャル成長させる工程(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)と、前記第1導電型半導体層上に反射性導電層を形成する工程と、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側の層に電気的に接続された導電層を形成する工程と、前記窒化ガリウム系化合物半導体層で構成される個々の発光素子を前記母基板上において分離する工程と、前記バッファ層から前記母基板を除去することによって個々の発光素子を得る工程とを具備することを特徴とする。
また、本発明の発光素子の製造方法は、化学式XB(ただし、XはTi及びZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成る基板の主面上に、化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成るバッファ層と、該バッファ層と同じまたは異なる組成から成る第2導電型半導体層と、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層と、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層とを順にエピタキシャル成長させる工程(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)と、前記第1導電型半導体層上に反射性導電層を形成する工程と、前記反射性導電層上を保護した状態で前記バッファ層から前記基板を除去する工程と、前記バッファ層の前記基板を除去した面に反射防止層を形成する工程とを具備することを特徴とする。
本発明の照明装置は、請求項1に記載の発光素子と、該発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体及び燐光体の少なくとも一方とを具備することを特徴とする。
本発明の発光素子は、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層と、化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型半導体層との間に、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層が挟まれて接合されている窒化ガリウム系化合物半導体層(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)の一方主面に形成された反射性導電層と、窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側の層に電気的に接続された導電層とを具備しており、窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面から窒化ガリウム系化合物半導体層をエピタキシャル成長させるために用いた基板が除去されており、前記一方主面に反射性導電層が形成されていることから、導電性反射層が、発光層から出射された光を窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側に効率良く反射され、その反射した光を窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側から基板に吸収されることなく出射させる働きをするため、発光層の内部で発生した光を発散させずに他方主面側に集中させて効率良く取り出すことができる。
また、第1及び第2導電型半導体層がアルミニウムを含む窒化ガリウム系化合物半導体であるため、第1及び第2導電型半導体層における禁制帯幅が比較的大きくなり、第1及び第2導電型半導体層における紫外光等の短波長側の光の吸収を小さくすることができる。アルミニウムを含む窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1及び第2導電型半導体層及び導電性反射層の働きにより、導電性反射層が発光層で発生した光が第2導電型半導体層側に良好に反射されるとともに、第1及び第2導電型半導体層を低損失で良好に透過し、第2導電型半導体層側において集中的に効率良く光を取り出すことができる。従って、窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側からの光取り出し効率が大きく改善され、小さい電力で良好な発光強度を得ることができる高性能な発光素子となる。
なお、第1導電型半導体層と第2導電型半導体層とは、互いに逆導電型のものであり、一方がp型の場合他方がn型である。また、窒化ガリウム系化合物半導体層(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)について、x,x’>x”,y,y’≦y”は、x,x’の群と、x”,y,y’の群と、y”との大小関係を規定した式である。
また、本発明の発光素子の製造方法は、多数個取り用の母基板の個々の発光素子領域上に、化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型半導体層と、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層と、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層とを順にエピタキシャル成長させる工程(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)と、第1導電型半導体層上に反射性導電層を形成する工程と、窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側の層に電気的に接続された導電層を形成する工程と、窒化ガリウム系化合物半導体層で構成される個々の発光素子を母基板上において分離する工程と、バッファ層から母基板を除去することによって個々の発光素子を得る工程とを具備することから、上記の高性能な発光素子を一工程で複数個を一括的に得ることができる。
また、本発明の発光素子の製造方法は、化学式XB(ただし、XはTi及びZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成る基板の主面上に化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1,x’>0,y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成るバッファ層と、該バッファ層と同じ組成から成る第2導電型半導体層と、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1,x”>0,y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層と、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1,x>0,y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層とを順にエピタキシャル成長させる工程(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)と、第1導電型半導体層上に反射性導電層を形成する工程と、反射性導電層上を保護した状態でバッファ層から基板を除去する工程と、バッファ層の基板を除去した面に反射防止層を形成する工程とを具備することから、窒化ガリウム系化合物半導体層から基板を除去する工程において、窒化ガリウム系化合物半導体層の表面やその上に形成された第1導電型半導体層が、例えば基板を除去するためのエッチング液等によって汚染、腐食されることや、応力により劣化することを抑制することができるので、高性能な発光素子を確実に作製することができる。
また、窒化ガリウム系化合物半導体層の第2導電型半導体層が形成される面は、第2導電型半導体層が形成される前までは基板によって保護されているため清浄な面となり、その結果、良好な第2導電型半導体層を作製することができるので、高性能な発光素子を確実に作製できる。
また、二硼化物単結晶から成る基板が、その上に形成されるアルミニウムを含む窒化ガリウム系化合物半導体から成るバッファ層と、さらにその上にバッファ層と同じ組成の第2導電型半導体層とをエピタキシャル成長させる際に、それらバッファ層及び第2導電型半導体層の格子定数に基板の格子定数が良好に整合するために、バッファ層や第2導電型半導体層の全体がアルミニウムが含まれる窒化ガリウム系化合物半導体層であってもそれらを良好に成長させることができるので、良好な結晶品質のアルミニウムを含む窒化ガリウム系化合物半導体層を確実に作製することができる。
また、本発明の照明装置によれば、上記構成の本発明の発光素子と、その発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体及び燐光体の少なくとも一方とを具備することから、小さい電力で良好な発光強度を有する発光素子の光により蛍光体または燐光体を強く励起するため、小さい電力で良好な照度を得ることができる。また、本発明の照明装置は、従来の蛍光灯や放電灯等よりも省エネルギー性や小型化に優れ、従って蛍光灯や放電灯等よりも優れた照明装置となる。
以下、本発明の発光素子及びその製造方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の発光素子の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。また、図2(a)〜(j)はそれぞれ、本発明の発光素子の製造方法を示す工程毎の模式的な断面図である。これらの図において、同様の箇所は同一の符合を付し、重複する説明を省略する。
図1〜図3において、1は窒化ガリウム系化合物半導体層であり、1aは発光層、1bは第1導電型半導体層、1cは第2導電型半導体層、1b1は窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面、1c1は窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面であり、2は導電性反射層、3は導電層、4は窒化ガリウム系化合物半導体層1をエピタキシャル成長するための基板、5は反射防止層、6は電極パッド、7は基体、8,9は保護膜、10は支持基体である。
図1に示す本発明の発光素子の実施の形態の一例は、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層1bと、化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型半導体層1cとの間に、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層1aが挟まれて接合されている窒化ガリウム系化合物半導体層1(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)の一方主面1b1に形成された反射性導電層2と、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1に形成された反射防止層5と、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側の層(図1の例では第2導電型半導体層1c)に電気的に接続された導電層3とを具備し、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1から窒化ガリウム系化合物半導体層1をエピタキシャル成長させるために用いた基板が除去されている構成である。
さらに具体的には、この構成において、第1導電型半導体層1b及び第2導電型半導体層1cはそれぞれp型半導体層及びn型半導体層としている。窒化ガリウム系化合物半導体をp型半導体とするには、元素周期律表において2族の元素であるマグネシウム(Mg)等をドーパントとして、窒化ガリウム系化合物半導体に混入させればよい。また、窒化ガリウム系化合物半導体をn型半導体とするには、元素周期律表において4族の元素であるシリコン(SI)等をドーパントとして窒化ガリウム系化合物半導体に混入させればよい。
また、第1導電型半導体層1b及び第2導電型半導体層1cは、両方ともアルミニウム(Al)を含む窒化ガリウム系化合物半導体から成るものとし、いずれも発光層1aに含まれるアルミニウムよりもその含有量を多くする。このようにすると、第1及び第2導電型半導体層1b,1cの禁制帯幅が両方とも発光層1aの禁制帯幅よりも大きくなるので、発光層1aに電子と正孔とを閉じ込めて、これら電子と正孔を効率良く再結合させて強い発光強度で発光させることができる。
また、第1及び第2導電型半導体層1b,1cは、アルミニウムを含んだ窒化ガリウム系化合物半導体からなることにより、第1及び第2導電型半導体層1b,1cにおける禁制帯幅が比較的大きくなり、第1及び第2導電型半導体層1b,1cにおける紫外光等の短波長側の光の吸収を小さくすることができる。
なお、第1導電型半導体層1b及び第2導電型半導体層1cはそれぞれn型半導体層及びp型半導体層としても構わない。
また、発光層1aを成す窒化ガリウム系化合物半導体の組成は、所望の発光波長が得られる適当なものに設定すればよい。例えば、発光層1aを、アルミニウムもインジウムも含まないGaNからなるものとすれば、禁制帯幅は約3.4エレクトロンボルト(eV)となり、約365ナノメートル(nm)の発光波長である紫外光によって発光層1aを発光させることができる。また、これよりも発光波長を短波長とする場合、発光層1aは、禁制帯幅を大きくする元素であるアルミニウムを発光波長に応じて設定される量だけ含ませた窒化ガリウム系化合物半導体から成るものとすればよい。また、発光層1aに禁制帯幅を小さくする元素であるインジウム(In)を含有させてもよく、所望の発光波長となるようにアルミニウムをより多く含有させる等して、アルミニウム,インジウム及びガリウムの組成比を適宜設定すればよい。また、発光層1aは、禁制帯幅の広い障壁層と禁制帯幅の狭い井戸層とから成る量子井戸構造が複数回繰り返し規則的に積層された超格子である多層量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)としてもよい。
また、導電性反射層2としては、発光層1aが発生した光を損失なく反射する材質から成る表面が滑らかな層状のものを用いる。そのような材質のものとしては、例えばアルミニウム(Al),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),インジウム(In),錫(Sn),モリブデン(Mo),銀(Ag),金(Au),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),バナジウム(V),白金(Pt),鉛(Pb),ベリリウム(Be),酸化錫(SnO),酸化インジウム(In),酸化インジウム錫(ITO),金−シリコン(Au−Si)合金,金−ゲルマニウム(Au−Ge)合金,金−亜鉛(Au−Zn)合金,金−ベリリウム(Au−Be)合金等の薄膜を用いればよい。中でも、チタン(Ti),アルミニウム(Al)または銀(Ag)は、発光層1aが発生する紫外光〜近紫外光に対する反射率が高いので好適である。また、導電性反射層2は、上記材質の中から選択した層を複数層積層したものであっても構わない。
なお、導電性反射層2の表面は必ずしも完璧に滑らかでなくてもよいが、滑らかでないと反射率が低下することがあるので注意を要する。また、導電性反射層2は光を反射する働きがあれば必ずしも金属である必要はないが、一般的に熱伝導性が良好である金属とすれば、窒化ガリウム系化合物半導体層1で発生する熱を導電性反射層2を介して良好に放熱することができるので好ましい。
導電層3は、第2導電型半導体層1c(n型半導体層)と良好なオーミック接合がとれる材質から成る層状のものを用いる。そのような材質のものとしては、例えばアルミニウム(Al),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),インジウム(In),錫(Sn),モリブデン(Mo),銀(Ag),金(Au),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),バナジウム(V),白金(Pt),鉛(Pb),タングステン(W),酸化錫(SnO),酸化インジウム(In),酸化インジウム錫(ITO),金−シリコン(Au−SI)合金,金−錫(Au−Sn)合金,金−ゲルマニウム(Au−Ge)合金,インジウム−アルミニウム(In−Al)合金等の薄膜を用いればよい。中でも、導電層3は、チタン(Ti)層、または第2導電型半導体層1c側から順にTi層,アルミニウム(Al)層を積層したものとすれば、良好なオーミック接合と良好な接合強度とが両方とも得られる点で好ましい。
なお、図1においては、第2導電型半導体層1cに発光層1a及び第1導電型半導体層1bが形成されていない領域を設け、この領域に導電層3を形成している。このように、導電層3は、第2導電型半導体層1cにおいて、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側の面と反対の面に形成することが好ましい。これにより、発光素子を実装用基板等に実装する際に反射性導電層2と導電層3とが同じ向きに形成されていることになるため、実装が容易になる。
また、反射性導電層2上の一部には、外部との電気的接続をとるための導線等を接続する電極パッド6を設けている。電極パッド6は、例えばチタン(Ti)層、または反射性導電層2側から順にTi層,金(Au)層を積層したものから成るものとすればよい。また、導電層3上にも電極パッド6と同様のものを形成してもよい。
なお、窒化ガリウム系化合物半導体層1は、第2導電型半導体層1c側の主面(他方主面1c1)に後記するバッファ層が接合されていても構わない。この場合、そのバッファ層から、窒化ガリウム系化合物半導体層1をエピタキシャル成長させるための基板を除去した面に反射防止層5を形成すればよい。
次に、本発明の発光素子は次のように動作する。即ち、上記構成において、反射性導電層2と導電層3とに順方向バイアス電圧を印加することによって、窒化ガリウム系化合物半導体層1にバイアス電流を流して、発光層1aで波長350〜400nm程度の紫外光〜近紫外光を発生させる。その発光層1aから出射された紫外光〜近紫外光の内、反射性導電層2側に出射される光を反射性導電層2により窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側に反射させ、反射防止層5により発光層1aで出射した紫外光〜近紫外光及び反射性導電層2により反射された紫外光〜近紫外光を透過させて、発光素子の外側にその紫外光〜近紫外光を取り出すように動作する。
このように、発光層1aから出射された光及び反射性導電層2により反射された光が窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側から出射されるまでの経路に基板4がないため、これらの光を基板4に吸収されることなく出射させることができる。その結果、本発明の発光素子によれば、反射防止層5及び導電性反射層2が発光層1aから出射された紫外光〜近紫外光を窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側に効率良く反射し、その反射した光を窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側から基板4に吸収されることなく出射させる働きをするため、発光層1aの内部で発生した光を発散させずに窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側に集中させて効率良く取り出すことができる。従って、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側からの光取り出し効率が大きく改善され、小さい電力で良好な発光強度を得ることができる高性能な発光素子となる。
反射防止層5は、例えば石英(SiO),アルミナ(Al)またはポリカーボネート等の誘電体層を単層もしくは多層に形成すればよい。この場合、窒化ガリウム系化合物半導体層1側から次第に屈折率が小さくなるようにしたり、反射防止層5の膜厚を発光層1aで発生した紫外光〜近紫外光の反射防止層5内における波長の4分の1程度となるようにしたりすればよい。これにより、反射防止層5内において多重反射する光が互いに弱め合って干渉しやすくなり、定在波が発生しにくくなる。
上記のように反射防止層5を設けているため、反射防止層5により、窒化ガリウム系化合物半導体層1の内部で発生した紫外光〜近紫外光を窒化ガリウム系化合物半導体層1の導電性反射層2が形成されている面側に反射することなく透過させることができる。そのため、窒化ガリウム系化合物半導体層1の内部で多重反射することにより減衰する光を減らして、効率良く光を取り出すことができるので、光取り出し効率をさらに向上させることができる。また、このような反射防止層5をエピタキシャル成長によらずに設けることができるので、反射防止層5に用いられる材質や作製プロセスを光学的な見地から種々選択することができるという利点もあり、反射防止層5を透過する光の透過特性が向上するように反射防止層5の屈折率や表面形状等を適切なものとして、光取り出し面側に効率良く光を取り出すことができる。
また、このような反射防止層5に、例えばその主面に基部より頂部が小さくなっている多数の突起または開口部より底部が小さくなっている多数の窪みを形成してもよい。このような反射防止層5の突起または窪みの構造は、具体的には、多角錐状または円錐状のものとすればよい。なお、多角錐状または円錐状とは、多角錐及び円錐に加えて多角錐または円錐の斜面が任意の断面において変曲点を持たない曲線となっているものも含む。また、多角錐状及び円錐状の突起について、その頂部を平面状としたものとしても構わない。また、反射防止層5の突起または窪みは半球状としても構わない。半球状とは、半球に加えて半球の斜面が任意の断面において変曲点を持たない曲線となっているものも含む。また、基部または開口部の幅は、発光層1aで発生した紫外光〜近紫外光の反射防止層5における波長に対して1倍以下とし、基部から頂部または開口部から底部までの高さはその1倍以上とすればよい。
この突起または窪みは、フォトリソグラフィー技術と乾式もしくは湿式エッチング技術とを用いてエッチングすることにより形成すればよい。また、この突起または窪みは、反射防止層5の表面に対してできるだけ隙間なく多く形成すればよい。反射防止層5がこのような突起または窪みを有しているときには、突起または窪みが、反射防止層5に斜め方向から入射する光に対しても、突起または窪みの表面に入射する光の入射角を臨界角より大きくして反射を防ぐ働きをするため、反射防止層5に斜め方向から入射する光を透過させることができる。その結果、反射防止層5を透過することができる、反射防止層5に対する光の入射角の範囲を、広くすることができるので、さらに光取り出し効率を向上させることができる。
また、図1に示すように、反射防止層5上に基体7が接合されていてもよい。この基体7は、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面1c1側からそれを形成するために用いた基板4を除去した後、窒化ガリウム系化合物半導体層1における基板4を除去した面に反射防止層5を介して接合される。このような構成の本発明の発光素子は、基体7により窒化ガリウム系化合物半導体層1を機械的に補強することができるため、高強度で取り扱いが容易なものとなり、その結果、信頼性が高く、かつ生産性の高いものとなる。例えば、基体7が窒化ガリウム系化合物半導体層1を実装用基板等に実装する際に窒化ガリウム系化合物半導体層1の土台として機能して、発光素子を機械的に実装用基板等に確実に固着させることができる。
本発明の発光素子の製造方法は、多数個取り用の母基板の個々の発光素子領域上に、化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型半導体層1cと、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層1aと、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層1bとを順にエピタキシャル成長させる工程(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)と、第1導電型半導体層1b上に反射性導電層2を形成する工程と、窒化ガリウム系化合物半導体層1の他方主面側の層に電気的に接続された導電層3を形成する工程と、窒化ガリウム系化合物半導体層1で構成される個々の発光素子を母基板上において分離する工程と、バッファ層から母基板を除去することによって個々の発光素子を得る工程とを具備する構成である。
上記構成において、多数個取り用の母基板は、化学式XB(ただし、XはTi及びZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成るものであることが好ましい。この場合、母基板が、その上に形成されるアルミニウムを含む窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型半導体層をエピタキシャル成長させる際に、第2導電型半導体層の格子定数に基板の格子定数が良好に整合するために、第2導電型半導体層の全体がアルミニウムが含まれる窒化ガリウム系化合物半導体層であってもそれを良好に成長させることができるので、良好な結晶品質のアルミニウムを含む窒化ガリウム系化合物半導体層1を確実に作製することができる。
また、窒化ガリウム系化合物半導体層1で構成される個々の発光素子を母基板上において分離する工程は、フォトリソグラフィー等によるパターニングとドライエッチング等によるエッチングプロセスとを組み合わせた方法によって行うことができる。
また、本発明の他の発光素子の製造方法は、化学式XB(ただし、XはTi及びZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成る基板4の主面上に化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成るバッファ層(図示せず)と、このバッファ層と同じ組成から成る第2導電型半導体層1cと、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層1aと、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層1bとを順にエピタキシャル成長させる工程(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)と、第1導電型半導体層1b上に反射性導電層2を形成する工程と、反射性導電層2上を保護した状態でバッファ層から基板4を除去する工程と、バッファ層の基板4を除去した面に反射防止層5を形成する工程とを具備する構成である。
上記構成において、反射性導電層2上を保護した状態でバッファ層から基板4を除去する工程は、基板4を除去するためのエッチング液等から反射性導電層2上を保護するための保護層を用いる。この保護層は好ましくは、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなり、エッチング液等に対して耐性を有し、反射性導電層2を有効に保護することができる。
本発明の照明装置は、上記構成の本発明の発光素子と、この発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体及び燐光体の少なくとも一方とを具備する構成である。このような本発明の照明装置によれば、小さい電力で良好な発光強度を有する発光素子の光により蛍光体または燐光体が強く励起されるため、小さい電力で良好な照度を得ることができるものとなる。また、このような本発明の照明装置は、従来の蛍光灯や放電灯等よりも省エネルギー性や小型化に優れたものとなり、蛍光灯や放電灯等よりも優れた照明装置となる。
以下に、図1に示す第1の発光素子を例にとり、多数個取り法による本発明の発光素子の製造方法の一例を説明する。また、図2(a)〜(j)は、それぞれ本発明の第1の発光素子の製造方法の各工程を示す断面図であり、基板4上に発光層1aを含む窒化ガリウム系化合物半導体層1をエピタキシャル成長させる工程と、窒化ガリウム系化合物半導体層1上に導電性反射層2を形成する工程と、導電性反射層2上を保護層で保護した状態で窒化ガリウム系化合物半導体層1から基板4を除去する工程と、窒化ガリウム系化合物半導体層1の基板4を除去した面に反射防止層5を形成する工程とを示すものである。
具体的には、図2(a)に示すように、二硼化物単結晶として例えば硼化ジルコニウム(ZrB)単結晶から成る基板4上に、窒化ガリウム系化合物半導体層1を有機金属化学気相成長(MOCVD)法によってエピタキシャル成長させる。窒化ガリウム系化合物半導体層1は、基板4上にGa1−x’Alx’N(ただし、0<x’<1)から成るバッファ層(図示せず)を介して、バッファ層と同じ組成から成る第2導電型半導体層1cと、Ga1−x”Alx”N(ただし、0<x”<1)から成る発光層1aと、Ga1−xAlN(ただし、0<x<1)から成る第1導電型半導体層1bとが順に形成されている。
これらバッファ層及び窒化ガリウム系化合物半導体層1は、さらに具体的には、例えば次のように作製すればよい。バッファ層は、基板温度を400℃以上として基板4上に窒化アルミニウム・ガリウム(Ga1−x’Alx’N;0<x’<1)を20〜300ナノメートル(nm)程度の厚さで形成すればよい。
また、第2導電型半導体層1cは、そのバッファ層上に窒化アルミニウム・ガリウム(Ga1−x’Alx’N;0<x’<1)を数マイクロメートル(μm)程度(例えば1〜5μm)の厚さで形成すればよい。窒化アルミニウム・ガリウムは、上記化学式においてx’=0.24のとき(Ga0.24Al0.76N)が、硼化ジルコニウム(ZrB)単結晶と最も良好に格子定数が整合するから好適である。
また、発光層1aは、第2導電型半導体層1c上に基板温度を700℃程度として、厚さ60〜600ナノメートル(nm)程度の窒化アルミニウム・ガリウム(Ga1−x”Al”N;x”<x’)から成る層を形成すればよい。
また、第1導電型半導体層1bは、基板温度を700〜1050℃として発光層1a上に窒化アルミニウム・ガリウム(Ga1−xAlN;x>x”)を0.1〜2マイクロメートル(μm)程度の厚さで形成すればよい。
次に、図2(b)に示すように、窒化ガリウム系化合物半導体層1の一方主面1b1に、導電性反射層2を真空蒸着法やスパッタリング法により形成する。また、導電性反射層2上に、電極パッド6を真空蒸着法やスパッタリング法により形成する。
次に、図2(c)に示すように、導電性反射層2及び窒化ガリウム系化合物半導体層1の一部を第2導電型半導体層1cの表面が露出するまでエッチングして、その表面に導電層3を形成することが好ましい。また、第2導電型半導体層1cを形成した後に、導電層3を形成する部位にマスクを形成することにより、第2導電型半導体層1cに発光層1a及び第1導電型半導体層1bが形成されていない領域を設けて、その領域に導電層3を形成してもよい。このように、導電層3を形成することにより、発光素子を実装用基板等に実装するときに、導電性反射層2と導電層3とが同じ向きに形成されていることで、実装が容易になる。なお、導電層3は導電性反射層2を形成する前に形成してもよい。
次に、導電性反射層2上を保護した状態で窒化ガリウム系化合物半導体層1から基板4を除去する工程を行う。まず、図2(d)に示すように、導電性反射層2及び導電層3を保護層8で覆う。この保護層8は、乾式、湿式エッチングによる発光素子分離の際の表面保護に用いるものであり、その材料としてはSiOx,SiNx,有機系のコーティング材などを用いればよい。保護層8には、パターニングプロセス等により発光素子間に溝を設け、図2(e)に示すように、乾式、湿式エッチングにより基板4に到達する深さでエッチング溝を形成する。その後、保護層8を除去し、別種の保護層9で導電性反射層2、導電層3を覆い(図2(f))、基板4を除去する(図2(g))。保護層9は、基板4を除去する工程に耐え得る材質により形成し、例えば無機系または有機系のコーティング材等をスピンコートして形成すればよい。
また、基板4除去後のエピタキシャル層の強度を確保する為に、サファイア,SiC,Si等からなる各種絶縁基板や半導体基板、ガラス基板、金属基板を支持基板として用いることも可能である。支持基板へのエピタキシャル層の貼り付けは、金属(半田等のろう材),ワックス,セラミック接着剤等を用いて行うことができる。
基板4を除去するには、基板4の材質に応じて化学的、物理的手法を用いることができる。本発明においては、基板4の材質が硼化ジルコニウムである場合、酸をエッチャントとして基板4を化学的にエッチングすれば、容易に窒化ガリウム系化合物半導体層1またはバッファ層から基板4を除去することができる。基板4除去により、発光素子は1チップ毎に分離される。1チップ毎に分離している為、基板4除去により発生する応力緩和等の影響が小さく、窒化ガリウム系化合物半導体層1及びバッファ層におけるクラック等の欠陥発生が抑制される。
次に、図2(h)に示すように、窒化ガリウム系化合物半導体層1の基板4を除去した面に、反射防止層5を真空蒸着法、スパッタリング法等により形成する。
次に、図2(i)に示すように、反射防止層5の窒化ガリウム系化合物半導体層1と接していない側の面に基体7を、圧着法、ロウ付け法、接着剤の塗布による接着法等により接合する工程を設けることが好ましい。基体7により、窒化ガリウム系化合物半導体層1を機械的に強化することができる。この際、基体7の上に、ガラス,Si,サファイア等からなるより強固な基板を貼り付け、発光素子の強度を上げることも可能である。
最後に、保護層9を例えば乾式のエッチング技術(ドライエッチング)により除去して、本発明の発光素子が完成する(図2(j))。また、保護層9を除去した後に基体7を接合してもよい。
図2に示す本発明の発光素子の製造方法によれば、窒化ガリウム系化合物半導体層1から基板4を除去する工程において、導電性反射層2上が保護されていることにより、窒化ガリウム系化合物半導体層1の表面やその上に形成された導電性反射層2及び電極パッド6を、例えばエッチング液等による汚染、腐食から保護することができるとともに、窒化ガリウム系化合物半導体層1を機械的に補強することができるため、多数の高性能な発光素子を確実に一括的に作製することができる。
また、基板4の材料として硼化物単結晶を用いることから、硼化物単結晶から成る基板4と窒化ガリウム系化合物半導体層1とは格子定数が整合するため、結晶品質が良好な窒化ガリウム系化合物半導体層1を形成することができるので、高性能な発光素子をさらに確実に作製することができる。
かくして、本発明によれば、紫外光の光取り出し効率がより大きく改善され、その結果、小さい電力で良好な発光強度を得ることができる高性能な発光素子、及びその高性能な発光素子を確実に作製することができる発光素子の製造方法、並びにその高性能な発光素子を用いた照明装置を提供することができる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更、改良を施すことは何等差し支えない。
本発明の発光素子について実施の形態の一例を示す断面図である。 (a)〜(j)はそれぞれ本発明の発光素子の製造方法を示す工程毎の断面図である。 (a),(b),(c)はそれぞれ従来の第1〜第3の発光素子の断面図である。
符号の説明
1・・・窒化ガリウム系化合物半導体層
1a・・・発光層
1b・・・第1導電型半導体層(p型半導体層)
1b1・・・一方主面
1c・・・第2導電型半導体層(n型半導体層)
1c1・・・他方主面
2・・・反射性導電層
3・・・導電層
4・・・基板
5・・・反射防止層
7・・・基体
8,9・・・保護層

Claims (4)

  1. 化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層と、化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型半導体層との間に、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層が挟まれて接合されている窒化ガリウム系化合物半導体層(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)の一方主面に形成された反射性導電層と、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面に形成された反射防止層と、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側の層に電気的に接続された導電層とを具備しており、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の前記他方主面から前記窒化ガリウム系化合物半導体層をエピタキシャル成長させるために用いた基板が除去されていることを特徴とする発光素子。
  2. 多数個取り用の母基板の個々の発光素子領域上に、化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第2導電型半導体層と、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層と、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層とを順にエピタキシャル成長させる工程(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)と、前記第1導電型半導体層上に反射性導電層を形成する工程と、前記窒化ガリウム系化合物半導体層の他方主面側の層に電気的に接続された導電層を形成する工程と、前記窒化ガリウム系化合物半導体層で構成される個々の発光素子を前記母基板上において分離する工程と、前記バッファ層から前記母基板を除去することによって個々の発光素子を得る工程とを具備することを特徴とする発光素子の製造方法。
  3. 化学式XB(ただし、XはTi及びZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成る基板の主面上に、化学式Ga1−x’−y’Iny’Alx’N(ただし、0<x’+y’<1、x’>0、y’≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成るバッファ層と、該バッファ層と同じまたは異なる組成から成る第2導電型半導体層と、化学式Ga1−x”−y”Iny”Alx”N(ただし、0<x”+y”<1、x”>0、y”≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る発光層と、化学式Ga1−x−yInAlN(ただし、0<x+y<1、x>0、y≧0とする。)で表される窒化ガリウム系化合物半導体から成る第1導電型半導体層とを順にエピタキシャル成長させる工程(ただし、x,x’>x”,y,y’≦y”とする。)と、前記第1導電型半導体層上に反射性導電層を形成する工程と、前記反射性導電層上を保護した状態で前記バッファ層から前記基板を除去する工程と、前記バッファ層の前記基板を除去した面に反射防止層を形成する工程とを具備することを特徴とする発光素子の製造方法。
  4. 請求項1に記載の発光素子と、該発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体及び燐光体の少なくとも一方とを具備することを特徴とする照明装置。

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JP2012004501A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Panasonic Electric Works Co Ltd 紫外半導体発光素子
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